JP2022146280A - 構造体への補強部材の固定構造、構造体への補強部材の固定方法及び固定部材 - Google Patents

構造体への補強部材の固定構造、構造体への補強部材の固定方法及び固定部材 Download PDF

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恵介 渡辺
Keisuke Watanabe
竜介 志賀
Ryusuke Shiga
圭 原口
Kei Haraguchi
理 竜田
Osamu Tatsuta
卓志 柴田
Takushi Shibata
幸基 柏木
Yukimoto Kashiwagi
絢子 佐藤
Ayako Sato
周平 阿部
Shuhei Abe
秀宣 田中
Hidenori Tanaka
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Abstract

【課題】 構造体の変形を抑制することが可能な構造体への補強部材の固定構造とその固定方法及びこれに用いられる固定部材を提供する。【解決手段】 固定部材は、主に挟持部材3、変形防止部材5、ガセットプレート7等からなる。挟持部材3は、構造体のウェブを挟み込んで固体可能な部材である。挟持部材3のリブ部11には、変形防止部材5が接合される。固定部材1、1aのそれぞれの挟持部材3は、ウェブ25を挟み込むようにして配置される。変形防止部材5を、フランジ23の互いの対向面の間に配置して、一対のボルト17の端部間距離をフランジ23の間の距離と略等しくすることで、変形防止部材5を対向するフランジ23の間の突っ張り棒として機能させることができる。【選択図】図3

Description

本発明は、構造体を補強するための補強部材が接合される固定部材及びこれを用いた構造体への補強部材の固定構造及びその固定方法に関するものである。
従来、既存の構造体に対して、ブレース等の補強部材を配置することで耐震補強を行う方法が行われている。この際、補強部材を柱や梁に溶接によって接合する方法がある。しかし溶接による接合は、火気を使用できない現場には採用することができない。これに対し、溶接ではなく、柱に固定部材を用いてブレース等を固定する方法がある(例えば特許文献1)。
特開2019-31890号公報
特許文献1に記載の方法によれば、ボルトによって補強部材を柱や梁に固定することができる。しかし、特許文献1のように、例えばH型鋼のいわゆる強軸方向(ウェブに平行な方向)への補強部材の固定には適用可能であるが、弱軸方向(ウェブに垂直な方向)への補強部材の固定の際には注意が必要である。
図12は、構造体111の弱軸方向に向けて補強部材107a、107bが接合された補強部材の固定構造100を示す図である。構造体111は、柱と梁とからなる。柱と梁は、例えば、一対のフランジ113がウェブ115で接合されたH形鋼からなる。固定構造100では、既存の構造体111に対して、補強部材107a、107bが新たに固定される。図示した例では、補強部材107aは、柱と梁との間の対角線上に配置され、補強部材107bは、隣り合う柱同士を梁に略平行に配置される。
このような補強部材107a、107bを構造体111に固定するためには、例えば、固定部材101、103が用いられる。固定部材101は、ガセットプレート105が接合された部材である。ガセットプレート105は、補強部材107a、107bと接合可能である。
固定部材101と固定部材103は、柱のウェブ115の両側に配置され、ウェブ115を貫通するボルトで固定される。すなわち、固定部材101と固定部材103とでウェブ115を挟み込み、両者がボルトで固定される。
図13(a)は、補強部材107aが固定された固定部材101、103の固定構造を示す断面図である。ガセットプレートが接合された固定部材101は、ウェブ115の背面側から、固定部材103によって柱に固定される。この際、ガセットプレート105が接合された固定部材101は、補強部材107aからの引張力を受け、ウェブ115に伝達される。なお、この力に耐えうるように、固定部材103には、リブ109が配置される。なお、固定用のボルト117は、リブ109の部位を避けて配置される。
前述したように、ウェブ115とフランジ113とからなる構造体111は、強軸方向と弱軸方向とがあり、図示したように、ウェブ115に対して略垂直な方向(弱軸方向)に対しては、ウェブ115に平行な方向(強軸方向)と比較して強度が弱い。
図13(b)は、補強部材107aに対して引張力(図中X)が付与された際の概念図である。図示したように、補強部材107aに軸力がかかると、構造体111の弱軸方向に力がかかるため、ウェブ115の変形や、これに伴うフランジ113の局部座屈が生じる恐れがある。このように構造体111が変形すると、構造体111の性能(耐力や変形性能など)が低下する恐れがある。このため、構造体111の弱軸方向に対して補強部材を接合可能であり、変形を抑制可能な固定構造が求められる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、構造体の変形を抑制することが可能な構造体への補強部材の固定構造とその固定方法及びこれに用いられる固定部材を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、一対のフランジがウェブで連結された構造体への補強部材の固定構造であって、前記ウェブを挟み込んで固定される一対の挟持部材と、前記挟持部材の固定部近傍において、前記フランジ間に配置される変形防止部材と、少なくとも一方の前記挟持部材に接合されたガセットプレートに接合される補強部材と、を具備し、前記変形防止部材が、前記フランジの互いの対向面の間に配置されることで、対向する前記フランジ同士が近づくように変形することを規制可能であることを特徴とする構造体への補強部材の固定構造である。
前記挟持部材と前記変形防止部材とが一体で構成されることが望ましい。
前記変形防止部材は、それぞれの前記フランジ方向に向けて形成された雌ねじ部と、それぞれの前記雌ねじ部に螺合するボルトからなり、一対の前記ボルトの端部間距離を前記フランジ間距離と略等しくすることで、前記フランジ同士が近づくように変形することを規制可能であってもよい。
前記構造体は、H型形状であり、前記変形防止部材が、前記ウェブを挟んで両側に配置されてもよい。
第1の発明によれば、フランジ同士の間に変形防止部材を配置することで、フランジ同士が近づくように構造体が変形することを抑制することができる。
特に、挟持部材と変形防止部材とが一体で構成されることで、構造体への固定部材の取り付け作業が容易である。また、変形防止部材の脱落を抑制することができる。
また、変形防止部材が、それぞれのフランジ方向に向けて形成された雌ねじ部と、それぞれの雌ねじ部に螺合するボルトからなれば、変形防止部材の端部間長さを容易に調整することができる。このため、取付け時にはボルトを縮めておくことで、取付け作業が容易であり、挟持部材を取付け後、フランジ間の距離に合わせてボルトを伸ばすことで、確実にフランジ同士が近づくようにウェブが変形することを抑制することができる。
このような固定構造は、構造体がH型鋼の場合にも適用可能であり、この場合、ウェブの両側に変形防止部材を配置することで、いずれの方向に対してもウェブが変形することを抑制することができる。
第2の発明は、一対のフランジがウェブで連結された構造体へ補強部材を固定するための固定部材であって、前記ウェブを挟み込んで固定可能な挟持部材と、前記挟持部材に接合され、前記フランジ間に配置される変形防止部材と、を具備し、前記挟持部材には、補強部材が接続されるガセットプレートが接合され、前記変形防止部材は、前記挟持部材同士の固定方向と略垂直な方向であって、互いに逆方向に向けて配置されることを特徴とする固定部材である。
第2の発明によれば、補強部材を構造体の弱軸方向に対しても取り付け可能であり、ウェブの変形を抑制することが可能である。
第3の発明は、一対のフランジがウェブで連結された構造体への補強部材の固定方法であって、前記ウェブを挟み込むように一対の挟持部材を固定するとともに、前記挟持部材の固定部近傍において、前記フランジ間に変形防止部材を配置する工程と、少なくとも一方の前記挟持部材に接合されたガセットプレートに補強部材を接合する工程と、を具備し、前記変形防止部材が、前記フランジの互いの対向面の間に配置されることで、対向する前記フランジ同士が近づくように変形することを規制可能であることを特徴とする構造体への補強部材の固定方法である。
前記挟持部材を前記ウェブに固定した後、前記変形防止部材を、前記フランジのそれぞれの対向面の方向に張り出させて、前記フランジに当接させてもよい。
第3の発明によれば、構造体の弱軸方向に補強部材を固定した補強部材の固定構造を容易に得ることができる。
特に、挟持部材をウェブに固定した後、変形防止部材を、フランジのそれぞれの対向面の方向に張り出させてフランジに当接させることで、取付けが容易である。
本発明によれば、構造体の変形を抑制することが可能な構造体への補強部材の固定構造とその固定方法及びこれに用いられる固定部材を提供することができる。
固定部材1の斜視図 固定構造20の正面図であり、図3(a)のC矢視図。 (a)は、図2のA-A線断面図、(b)は、図2のB-B線断面図。 (a)、(b)は、固定部材1を構造体21へ取り付ける工程を示す図。 固定構造20aを示す図。 固定構造20bを示す図。 (a)は、固定構造20cを示す正面図、(b)は、(a)のD-D線断面図。 (a)は、固定構造20dを示す正面図、(b)は、(a)のE-E線断面図。 (a)は、固定構造20eを示す正面図、(b)は、(a)のF-F線断面図。 固定部材1gの取り付け方法を示す図。 (a)は、固定構造20fを示す正面図、(b)は、固定構造20gを示す正面図。 固定構造100を示す図。 固定構造100の固定部材103側からみた図。
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施の形態にかかる固定部材について説明する。固定部材は、構造体へ補強部材を固定するための部材であり、一対の固定部材がセットで用いられる。図1は、一方の固定部材1を示す斜視図である。固定部材1は、主に挟持部材3、変形防止部材5、ガセットプレート7等からなる。
挟持部材3は、構造体のウェブを挟み込んで固定可能な部材である。挟持部材3は、板状の挟持部9と、挟持部9の高さ方向の端部近傍にそれぞれ形成される板状のリブ部11を有する。リブ部11は、挟持部9に対して略垂直に張り出す。すなわち、挟持部材3は、略コの字状の形状である。なお、挟持部材3は図示した形態には限られず、例えば、挟持部9とリブ部11は板状でなくてもよく、両者が一体で構成されたブロック状の形状であってもよい。
挟持部9の幅方向の略中央にはガセットプレート7が配置され、挟持部9及びリブ部11に対して略垂直に接合される。ガセットプレート7は、補強部材(方杖やブレースなど)が接合される部位である。なお、ガセットプレート7の形状は特に限定されない。また、挟持部9には、ガセットプレート7を挟んだ所定の位置に複数のボルト孔19が形成される。ボルト孔19は、後述する構造体への固定時に使用される。すなわち、ボルト孔19の孔軸方向が挟持部材3同士の固定方向となる。
挟持部材3のリブ部11には、変形防止部材5が接合される。すなわち、挟持部材3と変形防止部材5とが一体で構成される。なお、変形防止部材5は、挟持部9から離れた位置(すなわち、リブ部11の先端部側)に配置されることが望ましい。
変形防止部材5は、雌ねじ部13、ナット15、ボルト17等から構成される。変形防止部材5は、後述する構造体への固定時において、フランジ間に配置される部位となる。なお、図示した例では、変形防止部材5は、リブ部11の外面(ガセットプレート7とは逆側の面)にそれぞれ一対配置される。より詳細には、リブ部11の外面に、ブロック状の部材が配置され、当該部材の幅方向(挟持部材3の固定方向とは垂直な方向であって、図中左右方向)の両側に雌ねじ部13が形成される。
このように、変形防止部材5は、幅方向の両側に、互いに逆方向に向けて雌ねじ部13が形成され、雌ねじ部13に、それぞれボルト17が螺合する。このため、ボルト17と雌ねじ部13との螺合長さを調整することで、雌ねじ部13からのボルト17の突出長さを調整可能である。すなわち、両側のボルト17の頭部間の距離を調整可能である。なお、この際に、必要に応じてナット15をボルト17に螺合させておくことで、雌ねじ部13とナット15とを、いわゆるダブルナットとして機能させることができる。このため、使用時等におけるボルト17の緩みを抑制することができる。
次に、固定部材1を用いた構造体への補強部材の固定構造について説明する。図2は、固定構造20の正面図(図3(a)のC矢視図)であり、図3(a)は、図2のA-A線断面図、図3(b)は、図2のB-B線断面図である。なお、使用時において、フランジ23の形成方向に平行な方向(図2の上下方向)を、固定部材の高さ方向とし、フランジ23の対向方向(図2の左右方向)を固定部材の幅方向とする。また、以下の説明では、補強部材の図示を省略する。
構造体21は、一対の互いに略平行なフランジ23がウェブ25で連結されたH型鋼(H型形状の構造体)である。構造体21は、例えば建築物の柱や梁などである。
図3(a)、図3(b)に示すように、構造体21(ウェブ25)の一方の側に固定部材1が配置され、構造体21(ウェブ25)の他方の側に固定部材1aが配置される。なお、固定部材1aは、固定部材1と略同様の構成であるが、ガセットプレート7に変えてリブ部11aが配置される。すなわち、固定部材1aでは、挟持部9とリブ部11とに対して略垂直にリブ部11aが接合される。
固定部材1、1aのそれぞれの挟持部材3は、ウェブ25を挟み込むようにして配置される。この際、挟持部材3のボルト孔19に対応するウェブ25には、孔が形成される。一対の挟持部材3によってウェブ25を挟み込み、ボルト孔19(図1参照)に挿通されたボルト27、ナット29によって、固定部材1、1aが構造体21に固定される。
また、前述したように、固定部材1には、ガセットプレート7が接合される。ガセットプレート7には、補強部材(図示省略)が接合される。すなわち、少なくとも一方の挟持部材3に接合されたガセットプレート7に補強部材が接合される。
また、挟持部材3には変形防止部材5が接合される。すなわち、挟持部材3の固定部近傍において、フランジ23同士の間にまたがるように変形防止部材5が配置される。この際、変形防止部材5は、それぞれのフランジ23の方向に向けて雌ねじ部13が形成され、それぞれの雌ねじ部13にボルト17が螺合する。このように、変形防止部材5を、フランジ23の互いの対向面の間にまたがるように配置して、一対のボルト17の端部間距離をフランジ23の間の距離と略等しくすることで、変形防止部材5を、対向するフランジ23の間の突っ張り棒として機能させることができる。このため、対向するフランジ23同士が近づくように変形することを規制することが可能である。なお、ボルト17とフランジ23とは、完全に接触していなくてもよい。
次に、構造体21への補強部材の固定方法について説明する。まず、図4(a)に示すように、ウェブ25の両側から、一対の固定部材1、1aの挟持部材3でウェブ25を挟み込むようにして、ボルト27で構造体21に固定する。このようにすることで、挟持部材3の固定部近傍において、フランジ23の間に変形防止部材5が配置される。この際、変形防止部材5のボルト17は、雌ねじ部13に締めこんでおき、ボルト17の端部同士の間隔をフランジ23同士の間隔よりも狭くしておくことで、固定部材1、1aの設置が容易である。
挟持部材3をウェブ25に固定した後、変形防止部材5のボルト17を、フランジ23のそれぞれの対向面の方向に張り出させて(すなわち、ボルト17を雌ねじ部13に対して緩め)、ボルト17の頭部をフランジ23に当接させる。図4(b)は、ボルト17とフランジ23とを当接させた状態を示す図である。このようにすることで、変形防止部材5の一対のボルト17の端部間距離をフランジ23の間の距離と略等しくすることができる。
次に、ナット15を雌ねじ部13側にしめこむことで、前述したように、ボルト17の緩みを防止することができる。最後に、挟持部材3に接合されたガセットプレート7に、図示を省略した補強部材を接合することで、補強部材の固定構造を得ることができる。
なお、固定部材1、1aは、いずれも変形防止部材5を有する。このため、H型形状の構造体21のウェブ25を挟んで両側において、フランジ23の互いの対向面の間にそれぞれ変形防止部材5が配置される。このため、構造体21のいずれの側においても、変形防止部材5が、対向するフランジ23同士が近づくように変形することを規制することが可能である。
なお、上述した例では、一方の固定部材1にのみガセットプレート7を固定したが、これには限られない。例えば、図5に示す固定構造20aのように、ウェブ25の両側に固定部材1を配置してもよい。すなわち、構造体21の両側に、ガセットプレート7が配置されて、それぞれのガセットプレート7に図示を省略した補強部材を接合してもよい。
また、構造体21は、必ずしもH型形状でなくてもよい。例えば、図6に示す固定構造20bのように、略コの字型の構造体21aにも適用可能である。構造体21aも、一対のフランジ23がウェブ25で連結された構造となる。
なお、この場合には、ウェブ25の一方の側(フランジ23同士の間)には固定部材1aを配置し、他方の側(フランジ23が形成されない側)には、変形防止部材5を有しない挟持部材3aを配置すればよい。すなわち、挟持部材3aは、ガセットプレート7と、挟持部9と、変形防止のためのリブ部11bからなる部材である。なお、固定部材1aに対しても、ガセットプレート7を接合してもよい。
以上、本実施の形態によれば、対向するフランジ23間にまたがるように変形防止部材を配置することで、変形防止部材5をフランジ23同士の間の突っ張り棒として機能させることができる。このため、構造体21が、フランジ23同士が近づくように変形することを抑制することができる。また、H型形状の構造体21に対しては、ウェブ25の両側に変形防止部材5を配置することで、いずれの側においてもフランジ23同士が近づくことがなく、より確実に構造体21の変形を防止することができる。
また、変形防止部材5が、ボルト17と雌ねじ部13によって構成されるため、ボルト17の端部間距離を容易に変更することができる。このため、固定部材を構造体へ取付ける時にはボルト17を締めこんでおくことで、取付けの際にボルト17とフランジ23との干渉を抑制することができる。また、固定部材を構造体へ固定した後で、変形防止部材5(ボルト17)をフランジ23の対向面に張り出させることで、確実にボルト17をフランジ23に当接することができる。このため、フランジ23の間隔が多少異なる場合でも、同じ変形防止部材5を適用することが可能である。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態にかかる固定部構造について説明する。図7(a)は、第2の実施形態にかかる固定部材1b、1cを用いた固定構造20cを示す正面であり、図7(b)は、図7(a)のD-D線断面図である。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同一の機能を奏する構成については、図1~図6と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図7(b)に示すように、固定構造20cは、構造体21(ウェブ25)の一方の側に固定部材1bが配置され、構造体21(ウェブ25)の他方の側に固定部材1cが配置される。
固定部材1bは、固定部材1と略同様の構成であるが、変形防止部材5の形態が異なる。前述した固定部材1では、リブ部11の外面に、ブロック状の部材を配置して、ブロック状の部材に雌ねじ部13が形成されたが、固定部材1bは、それぞれのリブ部11に、直接雌ねじ部13が形成される。すなわち、リブ部11の両側面に、それぞれ雌ねじ部13が形成される。なお、この場合、挟持部材3の一部と変形防止部材5の一部が構造を共有し、必ずしもそれらを明確に区別できない場合があるが、この場合でも、挟持部材3と変形防止部材5とが一体で構成されるものとする。
固定部材1bを構造体21に固定すると、リブ部11の両側面に配置される雌ねじ部13がフランジ23と対向する。前述したように、それぞれの雌ねじ部13には、ボルト17が螺合する。すなわち、ボルト17は、フランジ23同士の対向面に対して当接させることができる。
なお、補強部材からの軸力を、構造体21に効率よく伝達するためには、挟持部材3の固定位置(ボルト27)は、フランジ23に近い方が望ましい。このため、挟持部材3の幅は、フランジ23同士の幅よりもわずかに小さく設定される。一方、前述したように、ボルト17の締めこみ量によってボルト17同士の距離を変更可能とするためには、雌ねじ部13とフランジ23との間にはある程度の間隔があることが望ましい。このため、雌ねじ部13が形成される部位のリブ部11は、幅が狭くなるように形成される。
なお、固定部材1cは、固定部材1bと略同様の構成であるが、ガセットプレート7に変えてリブ部が配置される。また、図示した例では、固定構造20cは、構造体の一方の側にのみガセットプレート7(補強部材)が配置される例を示すが、固定構造20a(図5)と同様に、構造体21(ウェブ25)の両側に固定部材1bを配置して、構造体21の両側にガセットプレート7(補強部材)を配置してもよい。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、リブ部11に直接雌ねじ部13を形成することで、よりコンパクトで軽量化を図ることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態にかかる固定部構造について説明する。図8(a)は、第3の実施形態にかかる固定部材1d、1eを用いた固定構造20dを示す正面であり、図8(b)は、図8(a)のE-E線断面図である。
図8(b)に示すように、固定構造20dは、構造体21(ウェブ25)の一方の側に固定部材1dが配置され、構造体21(ウェブ25)の他方の側に固定部材1eが配置される。
固定部材1dは、固定部材1と略同様の構成であるが、変形防止部材5の形態が異なる。前述した固定部材1では、リブ部11の外面に、ブロック状の部材を配置して、ブロック状の部材の両側に雌ねじ部13が形成されたが、固定部材1dは、リブ部11の幅方向の両側にそれぞれブロック状の部材を個別に配置して、当該部材を貫通するように雌ねじ部13が形成される。
このため、固定部材1では、ボルト17は、雌ねじ部13に対して、互いに幅方向の外側から螺合したが、固定部材1dでは、ボルト17を、幅方向の中央側から外側に向けて螺合させることができる。すなわち、固定部材1では、ボルト17を雌ねじ部13に締めこむと、ボルト17同士の幅方向の間隔を狭めることができるが、固定部材1dでは、ボルト17を雌ねじ部13に締めこむと、ボルト17同士の幅方向の間隔を広めることができる。
固定部材1dを構造体21に固定すると、リブ部11の両側に向けてボルト17が突出し、ボルト17の先端(頭部とは反対側)がフランジ23と対向する。ボルト17を雌ねじ部13に対して締めこむことで、ボルト17をフランジ23同士の対向面に対して当接させることができる。
なお、固定部材1eは、固定部材1dと略同様の構成であるが、ガセットプレート7に変えてリブ部が配置される。また、図示した例では、固定構造20dは、構造体の一方の側にのみガセットプレート7(補強部材)が配置される例を示すが、固定構造20a(図5)と同様に、構造体21(ウェブ25)の両側に固定部材1dを配置して、構造体21の両側にガセットプレート7(補強部材)を配置してもよい。
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、固定部材1では、ボルト17を緩めてボルト17をフランジ23に当接させるため、ボルト17が十分に長くないとボルト17が雌ねじ部13から抜け落ちる場合がある。しかし、ボルト17を締めこんでフランジ23に当接させるため、ボルト17の抜け落ちがなく、雌ねじ部13を深く形成する必要がない。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態にかかる固定部構造について説明する。図9(a)は、第4の実施形態にかかる固定部材1f、1gを用いた固定構造20eを示す正面であり、図9(b)は、図9(a)のF-F線断面図である。
図9(b)に示すように、固定構造20eは、構造体21(ウェブ25)の一方の側に固定部材1fが配置され、構造体21(ウェブ25)の他方の側に固定部材1gが配置される。
固定部材1fは、固定部材1と略同様の構成であるが、変形防止部材の形態が異なる。前述した各実施形態では、雌ねじ部13及びボルト17を有する変形防止部材5が用いられたが、本実施形態ではプレート状の変形防止部材5aが用いられる。変形防止部材5aは、板状であり、一部に切り欠き部が形成される。なお、切り欠き部に変えて長円であってもよい。
切り欠き部は、挟持部材3のボルト孔19(図1参照)に対応した位置に設けられる。固定部材1f、1g(挟持部材3)をウェブ25に固定する際に、ボルト27とナット29によって、変形防止部材5aが挟持部材3に固定される。すなわち、変形防止部材5aは、ボルト27又はナット29と挟持部9とで挟み込まれて固定される。
変形防止部材5aは、挟持部材3(挟持部9)の幅方向にそれぞれ突出し、先端がフランジ23に当接する。このため、変形防止部材5aによって、フランジ23同士が近づくように変形することを抑制することができる。
なお、図10に示すように、固定部材1f、1gを構造体21に固定する際には、変形防止部材5aは挟持部材3には固定されていないため、挟持部材3の幅方向の中心側に移動させた状態で固定部材1f、1gを構造体21に配置することができる。この後、固定部材1f、1gを構造体21に固定する際に、変形防止部材5aを、フランジ23のそれぞれの対向面の方向に張り出させて、フランジに当接させ、その状態でボルト27を締めこむことで、構造体21への固定部材1f、1gの固定と、挟持部材3への変形防止部材5aの固定とを同時に行うことができる。
なお、固定部材1gは、固定部材1fと略同様の構成であるが、ガセットプレート7に変えてリブ部が配置される。また、図示した例では、固定構造20eは、構造体の一方の側にのみガセットプレート7(補強部材)が配置される例を示すが、固定構造20a(図5)と同様に、構造体21(ウェブ25)の両側に固定部材1fを配置して、構造体21の両側にガセットプレート7(補強部材)を配置してもよい。
第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、変形防止部材としては、ボルト17と雌ねじ部13から構成されるものには限られず、対向するフランジ23同士の間に配置して、フランジ23が近づくように変形を抑制することができれば、その形態は特に限定されない。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した各固定部材における挟持部材3は、挟持部9の高さ方向のそれぞれの端部にリブ部11が形成されたが、これには限定されない。例えば、図11(a)に示す固定構造20fのように、挟持部9の高さ方向の略中央にリブ部11が形成された固定部材1hを用いてもよい。この場合、リブ部11の配置された部位に変形防止部材5が配置される。このように、変形防止部材5は、ウェブ25の一方の側に一つであってもよく、複数であってもよい。また、変形防止部材5の配置は、挟持部材3が固定される部位の近傍であれば、いずれの部位であってもよい。
また、上述した各固定部材は、挟持部材3と変形防止部材とが一体で構成されたが、これには限定されない。例えば、図11(b)に示す固定構造20gのように、挟持部材3と変形防止部材5とを別体で配置してもよい。この場合でも、挟持部材3を高さ方向に挟み込むようにして、挟持部材3が固定される部位の近傍に一対の変形防止部材5を配置してもよく、一方の変形防止部材5のみでもよい。なお、挟持部材が固定される部位の近傍としては、例えば、挟持部材の高さ方向に対して、変形防止部材に近い側のボルト27から、ボルト27の高さ方向のピッチよりも近い位置であることが望ましい。
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、1h………固定部材
3、3a………挟持部材
5、5a………変形防止部材
7………ガセットプレート
9………挟持部
11、11a、11b………リブ部
13………雌ねじ部
15………ナット
17………ボルト
19………ボルト孔
20、20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g………固定構造
21、21a………構造体
23………フランジ
25………ウェブ
27………ボルト
29………ナット
100………固定構造
101、103………固定部材
105………ガセットプレート
107a、107b………補強部材
109………リブ
111………構造体
113………フランジ
115………ウェブ
117………ボルト

Claims (7)

  1. 一対のフランジがウェブで連結された構造体への補強部材の固定構造であって、
    前記ウェブを挟み込んで固定される一対の挟持部材と、
    前記挟持部材の固定部近傍において、前記フランジ間に配置される変形防止部材と、
    少なくとも一方の前記挟持部材に接合されたガセットプレートに接合される補強部材と、
    を具備し、
    前記変形防止部材が、前記フランジの互いの対向面の間にまたがるように配置されることで、対向する前記フランジ同士が近づくように変形することを規制可能であることを特徴とする構造体への補強部材の固定構造。
  2. 前記挟持部材と前記変形防止部材とが一体で構成されることを特徴とする請求項1記載の構造体への補強部材の固定構造。
  3. 前記変形防止部材は、
    それぞれの前記フランジ方向に向けて形成された雌ねじ部と、
    それぞれの前記雌ねじ部に螺合するボルトからなり、
    一対の前記ボルトの端部間距離を前記フランジ間距離と略等しくすることで、前記フランジ同士が近づくように変形することを規制可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の構造体への補強部材の固定構造。
  4. 前記構造体は、H型形状であり、
    前記変形防止部材が、前記ウェブを挟んで両側に配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の構造体への補強部材の固定構造。
  5. 一対のフランジがウェブで連結された構造体へ補強部材を固定するための固定部材であって、
    前記ウェブを挟み込んで固定可能な挟持部材と、
    前記挟持部材に接合され、前記フランジ間に配置される変形防止部材と、
    を具備し、
    前記挟持部材には、補強部材が接続されるガセットプレートが接合され、
    前記変形防止部材は、前記挟持部材同士の固定方向と略垂直な方向であって、互いに逆方向に向けて配置されることを特徴とする固定部材。
  6. 一対のフランジがウェブで連結された構造体への補強部材の固定方法であって、
    前記ウェブを挟み込むように一対の挟持部材を固定するとともに、前記挟持部材の固定部近傍において、前記フランジ間にまたがるように変形防止部材を配置する工程と、
    少なくとも一方の前記挟持部材に接合されたガセットプレートに補強部材を接合する工程と、
    を具備し、
    前記変形防止部材が、前記フランジの互いの対向面の間に配置されることで、対向する前記フランジ同士が近づくように変形することを規制可能であることを特徴とする構造体への補強部材の固定方法。
  7. 前記挟持部材を前記ウェブに固定した後、前記変形防止部材を、前記フランジのそれぞれの対向面の方向に張り出させて、前記フランジに当接させることを特徴とする請求項6記載の構造体への補強部材の固定方法。
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