JP2022146158A - インクジェット用ポリウレタン樹脂水性分散体 - Google Patents

インクジェット用ポリウレタン樹脂水性分散体 Download PDF

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Abstract

【課題】耐ブロッキング性があり、密着性に優れたポリウレタン樹脂水性分散体を提供することを目的とする。【解決手段】ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させてなるポリウレタン樹脂(U)と水とを含有するインクジェットインク用ポリウレタン樹脂水性分散体であって、(U)がカルボキシル基及び/又はカルボキシレートアニオン基を有するポリウレタン樹脂であり、ポリオール成分がポリテトラメチレンエーテルグリコールを含有するポリオール成分であり、ポリテトラメチレンエーテルグリコールの重量割合が10~70重量%であり、ポリイソシアネート成分がイソホロンジイソシアネートを含有するポリイソシアネート成分であり、イソホロンジイソシアネートの重量割合が25~70重量%であり、酸価が15~40mgKOH/gであり、ウレア基の含有量が0.45mol/kg以下であるポリウレタン樹脂水性分散体である。【選択図】なし

Description

本発明はインクジェット用ポリウレタン樹脂水性分散体に関する。
ポリウレタン樹脂は優れた柔軟性、耐薬品性及び機械強度を有することから、塗料、印刷インク及び接着剤等のバインダー樹脂として広く用いられている。また、近年では環境面の配慮から乾燥工程でのVOCが少ない、水分散型のポリウレタン樹脂のニーズが高まっており、水分散型のポリウレタン樹脂を印刷インクに添加することが検討されている。
特に、低吸収または非吸収の記録媒体用のインクジェットインクへの利用が、今後、期待されており、このような用途では、高いレベルの画像の発色性や堅牢性(擦過性、耐光性、耐オゾンガス性、耐水性など)が要求される。
色材として顔料を含む顔料インクで印刷される印刷物は、記録媒体の表面上に顔料成分が局在化しやすく、発色性が高い。顔料は、インクが記録媒体に付着する過程や付着後に起こるビヒクル成分の蒸発や浸透により、記録媒体の表面にとどまる。しかし、顔料インクは、色材である顔料が記録媒体の表面上に存在しやすいため、インクの皮膜の密着性、耐擦性、などが特に重要である。顔料インクで記録されるこれら特性を向上するために、インクにウレタン樹脂を添加することが検討されている(特許文献1)。
特開2016-81826号公報
しかしながら、非浸透性記録媒体として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロンなどの極性基を多く有する極性記録媒体と、ポリプロピレン(OPP)などの極性基が少ない低極性記録媒体とがある。これらのどちらの記録媒体に対しても、インクの皮膜が、密着性などの優れた特性が得られるインクという点で、未だ充分とは言えない状況である。
本発明の目的は、耐ブロッキング性があり、特に非浸透性記録媒体との密着性(ラミネート強度)に優れたポリウレタン樹脂水性分散体を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち本発明はポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させてなるポリウレタン樹脂(U)と水とを含有するインクジェットインク用ポリウレタン樹脂水性分散体であって、前記ポリウレタン樹脂(U)がカルボキシル基及び/又はカルボキシレートアニオン基を有するポリウレタン樹脂であり、前記ポリオール成分がポリテトラメチレンエーテルグリコールを含有するポリオール成分であり、前記ポリテトラメチレンエーテルグリコールの重量割合がポリオール成分とポリイソシアネート成分の合計重量を基準として10~70重量%であり、前記ポリイソシアネート成分がイソホロンジイソシアネートを含有するポリイソシアネート成分であり、前記イソホロンジイソシアネートの重量割合がポリオール成分とポリイソシアネート成分の合計重量を基準として25~70重量%であり、前記ポリウレタン樹脂(U)の酸価が15~40mgKOH/gであり、前記ポリウレタン樹脂(U)のウレア基の含有量が0.45mol/kg以下であるポリウレタン樹脂水性分散体である。
本発明により、耐ブロッキング性があり、特に非浸透性記録媒体との密着性(ラミネート強度)に優れたポリウレタン樹脂水性分散体を提供することが可能になる。
本発明のポリウレタン樹脂水性分散体は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させてなるポリウレタン樹脂(U)と水とを含有する。
ポリウレタン樹脂(U)は、ポリウレタン樹脂(U)からなるポリウレタン樹脂粒子としてポリウレタン樹脂水性分散体に含有されることが好ましい。ポリウレタン樹脂粒子は、該ポリウレタン樹脂粒子が分散媒に分散された分散体における固形分である。また、分散媒が主に水である分散体を水性分散体という。
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させて得ることができる。
本発明におけるポリオール成分は、記録媒体、特にはポリプロピレン(OPP)フィルムとポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムへの密着性の観点から、ポリテトラメチレンエーテルグリコールを必須成分として含有する。
ポリテトラメチレンエーテルグリコールは単独で用いても他のポリオール成分と併用してもよく、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。ポリテトラメチレンエーテルグリコールとしては、特に制限されないが、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール及び3-メチル-テトラヒドロフランで変性したポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
このようなポリテトラメチレンエーテルグリコールの具体例としては、PTMG1000[Mn=1000のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、三菱化学(株)製]、PTMG2000[Mn=2000のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、三菱化学(株)製]、PTMG3000[Mn=3000のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、三菱化学(株)製]、PTGL2000[Mn=2000の変性ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、保土谷化学工業(株)製]、及びPTGL3000[Mn=3000の変性ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、保土谷化学工業(株)製]等が挙げられる。なお、本発明において「Mn」は数平均分子量を意味する。
ポリテトラメチレンエーテルグリコールの重量割合は、記録媒体、特にはOPPフィルム等との密着性および耐ブロッキング性の観点から、ポリオール成分とポリイソシアネート成分の合計重量を基準として、10~70重量%であり、好ましくは35~70重量%であり、さらに好ましくは45~70重量%である。
上記以外のその他のポリオール成分としては、特に制限されないが、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコールを除く高分子ジオール(A)、カルボキシル基及び/又はカルボキシレートアニオン基を有するジオール(B)、並びに低分子ポリオール(C)等が挙げられる。
また、ポリウレタン樹脂(U)はカルボキシル基及び/又はカルボキシレートアニオン基を有するポリウレタン樹脂であるため、ポリオール成分は、ポリウレタン樹脂(U)にカルボキシル基及び/又はカルボキシレートアニオン基を導入する観点から、カルボキシル基及び/又はカルボキシレートアニオン基を有するジオール(B)を含有することが好ましい。
高分子ジオール(A)としては、特に制限されないが、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール以外のポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール及びポリオレフィンポリオール等が挙げられる。
ポリテトラメチレンエーテルグリコール以外のポリエーテルポリオールとしては、特に制限されないが、例えば、脂肪族ポリエーテルジオール及び芳香族ポリエーテルジオールが挙げられる。
脂肪族ポリエーテルジオールとしては、炭素数2~20の脂肪族多価アルコールへの炭素数2~12のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)付加物等が挙げられ、具体的にはポリオキシアルキレングリコール(ポリエチレングリコール等)、ポリオキシプロピレングリコール(ポリプロピレングリコール等)及びポリオキシエチレン/プロピレングリコール共重合体等が挙げられる。
脂肪族ポリエーテルジオールの市販品としては、サンニックスPP-2000[Mn=2000のポリオキシプロピレングリコール、三洋化成工業(株)製]等が挙げられる。
芳香族ポリエーテルジオールとしては、特に制限されないが、例えば、ビスフェノールAのエチレンオキサイド(以下、EOと略記)付加物(ビスフェノールAのEO2モル付加物、ビスフェノールAのEO4モル付加物、ビスフェノールAのEO6モル付加物、ビスフェノールAのEO8モル付加物、ビスフェノールAのEO10モル付加物及びビスフェノールAのEO20モル付加物等)及びビスフェノールAのプロピレンオキサイド(以下、POと略記)付加物(ビスフェノールAのPO2モル付加物、ビスフェノールAのPO3モル付加物及びビスフェノールAのPO5モル付加物等)等のビスフェノール骨格を有するジオール並びにレゾルシンのEO又はPO付加物等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、特に制限されないが、例えば、炭素数2~20の多価アルコールの1種又は2種以上と、低分子カーボネート化合物(例えば、アルキル基の炭素数1~6のジアルキルカーボネート、炭素数2~6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネート及び炭素数6~9のアリール基を有するジアリールカーボネート)とを、脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートポリオールが挙げられる。
このようなポリカーボネートポリオールとしては、特に制限されないが、例えば、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、3-メチル-5-ペンタン-カーボネートジオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオール及びポリ(テトラメチレン/ヘキサメチレン)カーボネートジオール(1,4-ブタンジオールと1,6-ヘキサンジオールをジアルキルカーボネートと脱アルコール反応させながら縮合させて得られるジオール等)等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールの市販品としては、ニッポラン980R[1,6-ヘキサンジオールを用いたMn=2000のポリカーボネートポリオール、日本ポリウレタン工業(株)製]、デュラノール T6002[1,6-ヘキサンジオールを用いたMn=2000のポリカーボネートポリオール、旭化成ケミカルズ(株)製]、ETERNACOLL UH-300[1,6-ヘキサンジオールを用いたMn=3000のポリカーボネートポリオール、宇部興産(株)製]、ETERNACOLL UH-200[1,6-ヘキサンジオールを用いたMn=2000のポリカーボネートポリオール、宇部興産(株)製]、ETERNACOLL UM-90(1/3)[1,4-シクロヘキサンジメタノール/1,6-ヘキサンジオール=1/3(モル比)を用いたMn=900のポリカーボネートポリオール、宇部興産(株)製]、デュラノール G4672[1,4-ブタンジオール/1,6-ヘキサンジオール=70/30(モル比)を用いたMn=2000のポリカーボネートポリオール、旭化成ケミカルズ(株)製]、デュラノール T5652[1,5-ペンタンジオール/1,6-ヘキサンジオール=50/50(モル比)を用いたMn=2000のポリカーボネートポリオール、旭化成ケミカルズ(株)製]、T4672[1,4-ブタンジオール/1,6-ヘキサンジオールを用いたMn=2000のポリカーボネートポリオール、旭化成ケミカルズ(株)製]、クラレポリオール C-2090[3-メチル-1,5-ペンタンジオール/1,6-ヘキサンジオール=90/10(モル比)を用いたMn=2000のポリカーボネートポリオール、クラレ(株)製]、クラレポリオールC-3090[3-メチル-1,5-ペンタンジオール/1,6-ヘキサンジオールを用いたMn=3000のポリカーボネートポリオール、クラレ(株)製]、及びクラレポリオール C-2050[3-メチル-1,5-ペンタンジオール/1,6-ヘキサンジオール=50/50(モル比)を用いたMn=2000のポリカーボネートポリオール、クラレ(株)製]等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、特に制限されないが、例えば、縮合型ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオール、及びヒマシ油系ポリオール等が挙げられる。
縮合型ポリエステルポリオールとしては、特に制限されないが、例えば、炭素数4~20の多価カルボン酸と炭素数2~20の多価アルコールとの脱水縮合により得られるポリエステルポリオール及び炭素数4~20の多価カルボン酸のエステル形成性誘導体と炭素数2~20の多価アルコールとの脱水縮合により得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
ここで、2~20の多価アルコールとしては、特に制限されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチルペンタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、2,2-ビス(4,4’-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等の2価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、α-メチルグルコシド、ソルビトール、キシリット、マンニット、ジペンタエリスリトール、グルコース、フルクトース、及びショ糖等の4~8価のアルコールが挙げられる。
また、炭素数4~20の多価カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体としては、特に制限されないが、例えば、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸及びマレイン酸等)、脂環式ジカルボン酸(ダイマー酸等)、芳香族ジカルボン酸(フタル酸及びイソフタル酸、テレフタル酸等)、3価又はそれ以上のポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)、これらの無水物(無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸及び無水トリメリット酸等)、これらの酸ハロゲン化物(アジピン酸ジクロライド等)、これらの低分子量アルキルエステル(コハク酸ジメチル及びフタル酸ジメチル等)並びにこれらの混合物が挙げられる。
ポリラクトンポリオールとしては、特に制限されないが、例えば、上記炭素数2~20の多価アルコールへのラクトンの重付加物であり、ラクトンとしては、炭素数4~12のラクトン(例えばγ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン及びε-カプロラクトン)等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールの具体例としては、例えばポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール及びポリカプロラクトントリオール等が挙げられる。
ヒマシ油系ポリオールには、特に制限されないが、例えば、ヒマシ油がポリオール又は炭素数2~12のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)で変性された変性ヒマシ油が含まれる。変性ヒマシ油はヒマシ油とポリオールとのエステル交換及び/又はAO付加により製造できる。ヒマシ油系ポリオールとしては、ヒマシ油、トリメチロールプロパン変性ヒマシ油、ペンタエリスリトール変性ヒマシ油及びヒマシ油のEO付加物(付加モル数4~30モル)等が挙げられる。
炭素数2~12のAOとしては、特に制限されないが、例えば、EO、PO、1,2-、2,3-又は1,3-ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、3-メチル-テトラヒドロフラン、α-オレフィンオキサイド、スチレンオキサイド及びエピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)等が挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、特に制限されないが、例えば、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、水添ポリイソプレンポリオール、及び例えば特開2018-076428等に記載されるポリオレフィンを不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)で変性した酸変性ポリオレフィンとアミノアルコールを反応させて得ることができる水酸基変性ポリオレフィン等が挙げられる。
ポリオレフィンポリオールの市販品としては、特に制限されないが、例えば、NISSO-PB G シリーズ[ポリブタジエンポリオール、日本曹達(株)製]、Poly bd シリーズ[ポリブタジエンポリオール、出光興産(株)製]、NISSO-PB GI シリーズ[水添ポリブタジエンポリオール、日本曹達(株)製]、ポリテールH[水添ポリブタジエンポリオール、三菱ケミカル(株)製]、Poly ip シリーズ[ポリイソプレンポリオール、出光興産(株)製]、及びEPOL シリーズ[水添ポリイソプレンポリオール、出光興産(株)製]等が挙げられる。
カルボキシル基及び/又はカルボキシレートアニオン基を有するジオール(B)としては、特に制限されないが、例えば、カルボキシル基を1つ有するジオール(b1)、カルボキシル基を2つ以上有するジオール(b2)並び上記ジオールを後述の中和剤で中和した塩が挙げられる。
カルボキシル基を1つ有するジオール(b1)としては、特に制限されないが、例えば、2,2’-ジメチロールプロピオン酸、2,2’-ジメチロールブタン酸、2,2’-ジメチロール酪酸、及び2,2’-ジメチロール吉草酸等が挙げられる。
また、カルボキシル基を2つ以上有するジオール(b2)としては、特に制限されないが、例えば、酒石酸等が挙げられる。
ジオール(b1)及び(b2)の中和剤としては、特に制限されないが、例えば、アンモニア、炭素数1~20のアミン化合物及びアルカリ金属水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウム等)が挙げられる。
ここで、炭素数1~20のアミン化合物としては、特に制限されないが、例えば、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン、モノエタノールアミン及び2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等の1級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン及びN-メチルジエタノールアミン等の2級アミン、並びにトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン及びトリエタノールアミン等の3級アミンが挙げられる。
これらの内、生成するポリウレタン樹脂水性分散体の乾燥性及び得られる皮膜の耐水性の観点から好ましいものは、25℃における蒸気圧が低いアミン化合物であり、より好ましくはアンモニア、モノメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチル、トリエチルアミン及びジメチルエチルアミンである。
上記カルボキシル基及び/又はカルボキシレートアニオン基を有するジオール(B)のうち好ましくは、カルボキシル基を1つ有するジオール(b1)及び(b1)を中和剤で中和した塩であり、より好ましくは、2,2’-ジメチロールプロピオン酸、2,2’-ジメチロールブタン酸、2,2’-ジメチロールプロピオン酸を中和剤で中和した塩及び2,2’-ジメチロールブタン酸を中和剤で中和した塩である。
低分子ポリオール(C)としては、炭素数2~20の多価アルコールが挙げられる。
炭素数2~20の多価アルコールとしては上記と同様のものが挙げられる。
ポリオール成分のうち低分子ポリオール(C)以外のポリオール成分の数平均分子量(Mn)は、ポリウレタン樹脂(U)の機械物性の観点から、好ましくは300以上、更に好ましくは300~10,000、特に好ましくは500~6,000である。尚、本発明におけるポリオールのMnはポリエチレングリコールを標準としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されるものである。但し、低分子ポリオールのMnは化学式からの計算値である。
本発明におけるポリオール成分の数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、例えば以下の条件で測定することができる。
装置 :「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
カラム :「Guardcolumn Super H-L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの」
試料溶液 :0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:10μl
流量 :0.6ml/分
測定温度 :40℃
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリエチレングリコール
本発明におけるポリイソシアネート成分は、記録媒体、特にはOPPフィルムとPETフィルムへの密着性の観点から、イソホロンジイソシアネートを必須成分として含有する。イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIともいう)は単独で用いても他のポリイソシアネート成分と併用してもよく、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
イソホロンジイソシアネートの重量割合は、OPPフィルムとの密着性および耐ブロッキング性の観点から、ポリオール成分とポリイソシアネート成分の合計重量を基準として25~70重量%であり、好ましくは25~40重量%であり、より好ましくは28~35重量%である。
上記イソホロンジイソシアネート以外のその他のポリイソシアネート成分としては、特に制限されないが、例えば、2個以上のイソシアネート基を有する炭素数8~26の芳香族ポリイソシアネート、炭素数4~22の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数8~18の脂環式ポリイソシアネート、炭素数10~18の芳香脂肪族ポリイソシアネート及びこれらのポリイソシアネートの変性物等が挙げられる。ポリイソシアネート成分は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
炭素数8~26の芳香族ポリイソシアネートとしては、特に制限されないが、例えば、1,3-又は1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-又は2,6-トリレンジイソシアネート(以下、トリレンジイソシアネートをTDIと略記)、粗製TDI、4,4’-又は2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、ジフェニルメタンジイソシアネートをMDIと略記)、粗製MDI、ポリアリールポリイソシアネート、4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5-ナフタレンジイソシアネート、4,4’,4”-トリフェニルメタントリイソシアネート及びm-又はp-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられる。
炭素数4~22の脂肪族ポリイソシアネートとしては、特に制限されないが、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと略記)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6-ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2-イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2-イソシアナトエチル)カーボネート及び2-イソシアナトエチル-2,6-ジイソシアナトヘキサノエートが挙げられる。
炭素数8~18の脂環式ポリイソシアネートとしては、特に制限されないが、例えば、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、水添MDIと略記)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2-イソシアナトエチル)-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボキシレート及び2,5-又は2,6-ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートは、メチレンビス4,4’-シクロヘキシレン-ジイソシアネートともいう。
炭素数10~18の芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、特に制限されないが、例えば、m-又はp-キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。
ポリイソシアネートの変性物としては、特に制限されないが、例えば、上記ポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロハネート基、ウレア基、ビウレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基又はオキサゾリドン基含有変性物等;遊離イソシアネート基含有量が8~33重量%、好ましくは10~30重量%、特に12~29重量%のもの)、例えば変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI及びトリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI及びイソシアヌレート変性IPDI等のポリイソシアネートの変性物が挙げられる。
上記ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させてポリウレタン樹脂(U)を得る際に、分子量の制御を目的として鎖伸長剤及び反応停止剤を使用してもよい。
鎖伸長剤としては、特に制限されないが、例えば、水、炭素数2~36の脂肪族ポリアミン[エチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジアミン;ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジヘキシレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチエレンヘキサミン及びヘキサエチレンヘプタミン等のポリ(n=2~6)アルキレン(炭素数2~6)ポリ(n=3~7)アミン等]、炭素数6~20の脂環式ポリアミン(1,3-又は1,4-ジアミノシクロヘキサン、4,4’-又は2,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン及びイソホロンジアミン等)、炭素数6~20の芳香族ポリアミン(1,3-又は1,4-フェニレンジアミン、2,4-又は2,6-トリレンジアミン、4,4’-又は2,4’-メチレンビスアニリン等)、炭素数3~20の複素環式ポリアミン(2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン、ピペラジン及びN-アミノエチルピペラジン等)、ヒドラジン又はその誘導体(二塩基酸ジヒドラジド例えばアジピン酸ジヒドラジド等)及び炭素数2~20のアミノアルコール(例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール及びトリエタノールアミン)等が挙げられる。鎖伸長剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
反応停止剤としては、特に制限されないが、例えば、炭素数1~20のモノアルコール(メタノール、エタノール、ブタノール、オクタノール、デカノール、ドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール及びステアリルアルコール等)、炭素数1~20のモノアミン(モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン及びモノオクチルアミン等のモノ又はジアルキルアミン並びにモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びジイソプロパノールアミン等のモノ又はジアルカノールアミン等)が挙げられる。反応停止剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)の酸価は、ポリウレタン樹脂水性分散体の分散安定性、印刷インクの粘度および乾燥した樹脂皮膜の耐水性の観点から15~40mgKOH/gであり、好ましくは15~30mgKOH/gである。酸価が15mgKOH/g以上であれば、ポリウレタン樹脂(U)のポリウレタン樹脂水性分散体中での分散安定性が良好であり、高温でも目詰まりを起こしにくい。一方、酸価が40mgKOH/g以下であれば、ポリウレタン樹脂が水で膨潤しにくく、印刷インクが増粘しにくい。さらに得られる記録物の耐水性を良好に保つことができる。
ポリウレタン樹脂(U)の酸価は、例えば、カルボキシル基及び/又はカルボキシレートアニオン基を有するジオール(B)(ジメチロールプロピオン酸等の酸基含有ポリオール)に由来する骨格の含有量を調節することにより変化させることができる。
ポリウレタン樹脂(U)の酸価はJIS K 0070:1992記載の方法(電位差滴定法)により測定することができる。
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)の数平均分子量(Mn)は、ポリウレタン樹脂(U)の耐ブロッキング性及び密着性の観点から、好ましくは1万~100万である。
ポリウレタン樹脂(U)の数平均分子量(Mn)は、上記ポリオール成分の数平均分子量(Mn)と同様の方法により測定することができる。
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)中のウレア基の含有量は、0.45mol/kg以下である。ウレア基の含有量が0.45mol/kgより大きいと粗大な粒子が生成しやすくなりインクジェットインクに用いた場合のインク粘度の経時安定性およびインクジェットヘッドの目詰まりが生じてしまう。また、ウレア基を含有することで密着性(ラミネート強度)が良好となる。ポリウレタン樹脂(U)中のウレア基の含有量は、好ましくは0.3mol/kg以下であり、耐ブロッキング性の観点から、より好ましくは0.1~0.3mol/kgである。
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)中のウレタン基の含有量は、好ましくは1.0~10mol/kgであり、より好ましくは1.5~8.0mol/kgであり、さらに好ましくは1.8~6.0mol/kgである。ウレタン基の含有量が上記範囲内であることにより、粗大粒子の生成が抑制され、また、密着性がより向上する傾向にある。
なお、本発明におけるウレタン基及びウレア基の含有量は、原料の仕込み組成から算出することができる。また、必要により以下の分析方法により測定することもできる。
<ウレア基及びウレタン基含有量の測定方法>
ウレア基及びウレタン基含有量は、窒素分析計[ANTEK7000(アンテック社製)]によって定量されるN原子含量と1H-NMRによって定量されるウレタン基とウレア基の比率から算出する。1H-NMR測定については、「NMRによるポリウレタン樹脂の構造研究:武田研究所報34(2)、224-323(1975)」に記載の方法で行う。すなわち1H-NMRを測定して、脂肪族イソシアネートを使用した場合、化学シフト6ppm付近のウレア基由来の水素の積分量と化学シフト7ppm付近のウレタン基由来の水素の積分量の比率からウレア基とウレタン基の重量比を測定し、該重量比と上記のN原子含量及びアロハネート基及びビューレット基含量からウレタン基及びウレア基含有量を算出する。芳香族イソシアネートを使用した場合、化学シフト8ppm付近のウレア基由来の水素の積分量と化学シフト9ppm付近のウレタン基由来の水素の積分量の比率からウレア基とウレタン基の重量比を算出し、該重量比と上記のN原子含量からウレア基含有量を算出する。
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)のウレタン基含有量は以下の方法により算出できる。原料の仕込み組成から以下の計算式(1)又は(2)により算出した。
計算式(1):
原料中のイソシアネート基の含有量(mol)-原料中の水酸基の含有量(mol)<0の場合
ウレタン基含有量(mol/kg)=原料中のイソシアネート基の含有量(mol)/樹脂固形分(kg)
計算式(2):
原料中のイソシアネート基の含有量(mol)-原料中の水酸基の含有量(mol)>0の場合
ウレタン基含有量(mol/kg)=原料中の水酸基の含有量(mol)/樹脂固形分(kg)
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)のウレア基含有量は以下の方法により算出できる。原料の仕込み組成から以下の計算式(3)又は(4)により算出した。
計算式(3):
原料中のイソシアネート基含有量(mol)-原料中の水酸基含有量(mol)-鎖伸長剤のアミノ基含有量(mol)>0の場合
ウレア基含有量(mol/kg)=鎖伸長剤のアミノ基含有量(mol)+{[原料中のイソシアネート基の含有量(mol)-原料中の水酸基の含有量(mol)-鎖伸長剤のアミノ基含有量]×1/2}/樹脂固形分(kg)
計算式(4):
原料中のイソシアネート基含有量(mol)-原料中の水酸基含有量(mol)―鎖伸長剤のアミノ基含有量(mol)<0の場合
ウレア基含有量(mol/kg)=[原料中のイソシアネート基含有量(mol)-原料中の水酸基含有量(mol)]/樹脂固形分(kg)
本発明におけるポリウレタン樹脂水性分散体を105℃で3時間乾燥させて得られた皮膜の50℃における貯蔵弾性率G’は耐ブロッキング性および記録媒体との密着性の観点から0.9~80MPaが好ましく、より好ましくは1~60MPaであり、さらに好ましくは3~30MPaである。
本発明において、ポリウレタン樹脂(U)の貯蔵弾性率G’は以下の方法により測定できる。また、ポリウレタン樹脂水性分散体を105℃で3時間乾燥させて得られた皮膜の50℃における貯蔵弾性率G’は、下記粘弾性測定装置を用いて測定した。
装置 :MCR92(Anton Paar社製)
治具 :8mmパラレルプレート
周波数 :11Hz
歪み率 :0.5%
昇温速度:5℃/分
昇温開始:20℃
昇温終了:120℃
ポリウレタン樹脂水性分散体を乾燥させた皮膜の作製:ポリウレタン樹脂水性分散体10部、10cm×20cm×0.1cmのポリプロピレン製モールドに、水分蒸発後のフィルム膜厚が200μmになるような量を流し込み、室温で一晩、循風乾燥器で105℃、3時間加熱乾燥した後、1cm×1cmに裁断したものを測定試料とした。
本発明におけるポリウレタン樹脂水性分散体中のポリウレタン樹脂(U)はポリウレタン樹脂粒子として存在することが密着性の観点から好ましい。また、ポリウレタン樹脂水性分散体を用いたインクから得られる画像の耐ブロッキング性の観点から、ポリウレタン樹脂水性分散体中のポリウレタン樹脂粒子がインク用ブロッキング防止剤(E)を同一粒子内に含有することが好ましい。
インク用ブロッキング防止剤(E)とは、インクジェット用インクで印字された先の印刷物の表面と次に印字された印刷物の印字されていない裏面が重なったとき、または印刷物をロール状に巻き取った状態で保管したときに印刷した文字や画像が印字されていない裏面に貼りついてしまうトラブルを防止することを目的にインクジェット用インクに添加する添加剤であり、インク塗膜表面を粗くすることで接触面積を小さくする、またはインク塗膜表面に移行することで表面に保護層を形成する機能を有する添加剤のことである。
インク用ブロッキング防止剤(E)はポリウレタン樹脂水性分散体中のポリウレタン樹脂粒子と(E)とを同一粒子内に含有する水性分散体として用いることができるが、ポリウレタン樹脂粒子とは別の水性分散体としてポリウレタン樹脂水性分散体または印刷インクに配合して用いることもでき、また、インク用ブロッキング防止剤(E)が水溶性の場合はポリウレタン樹脂水性分散体または印刷インクの水性媒体に溶解させることで配合して用いることもでき、これらを併用することもできる。樹脂および顔料の水性分散体の分散安定性を阻害しない観点からポリウレタン樹脂粒子とインク用ブロッキング防止剤(E)と同一粒子内に含有する水性分散体として用いるのが好ましい。
インク用ブロッキング防止剤(E)としては、特に制限されないが、例えば、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、炭素数30~50の脂肪族アルコール、炭素数30~50の脂肪酸、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、脂肪族アミド及びポリオキシエチレン化合物などが挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、特に制限されないが、例えば、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブチレン、1-ヘキセン、1-ドデセン、1-オクタデセン及びこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるもの及び熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素及び/又はオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸及びその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル及びマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸及び無水マレイン酸等]及び/又は不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1~18)エステル及びマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1~18)エステル等]等との共重合体、及びサゾールワックス等が挙げられる。
天然ワックスとしては、特に制限されないが、例えば、カルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス及びライスワックス等が挙げられる。
炭素数30~50の脂肪族アルコールとしては、特に制限されないが、例えば、トリアコンタノール等が挙げられる。
炭素数30~50の脂肪酸としては、特に制限されないが、例えば、トリアコンタンカルボン酸等が挙げられる。
フッ素系化合物としては、特に制限されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体及びポリビニリデンフルオライド等が挙げられる。
シリコーン系化合物としては、特に制限されないが、例えば、レシチン、シリコーンオイル、シリコーンワックス等が挙げられ、シリコーンオイルとしては、鎖状シリコーンオイル、環状シリコーンオイル、変性シリコーンオイルが挙げられる。
鎖状シリコーンオイルとしては、特に制限されないが、例えば、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン、ドコサメチルデカシロキサン等の直鎖ジメチルシリコーンオイル、メチルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、テトラキス(トリメチルシロキシ)シラン等の分岐ジメチルシリコーンオイル等が挙げられる。
環状シリコーンオイルとしては、特に制限されないが、例えば、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルシクロオクタシロキサン、オクタデカメチルシクロノナシロキサン等が挙げられる。
変性シリコーンオイルとしては、特に制限されないが、例えば、アルキル変性シリコーン、フェニル変性シリコーンやアラルキル変性シリコーン等のアリール変性シリコーン、カルボン酸エステル変性シリコーン、アルキレン変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。
脂肪族アミドとしては、特に制限されないが、例えば、飽和脂肪酸モノアミドとしてラウリン酸アミド及びステアリン酸アミド等が挙げられ、不飽和脂肪酸モノアミドとしてオレイン酸アミド等、飽和脂肪酸ビスアミドとして、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド等、不飽和脂肪酸ビスアミドとして、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド等、置換アミドとしてN-ステアリルステアリン酸アミド、N-オレイルオレイン酸アミド等、芳香族ビスアミド類として、メチロールステアリン酸アミド類、メチロールベヘン酸アミド等のメチロールアミド類、N,N-ジステアリルイソフタール酸アミド、メタキシリレンビスステアリン酸アミド等、分岐型アミドとして、N,N'-2-ヒドロキシエチルステアリン酸アミド、N,N'-エチレンビスオレイン酸アミド等)、アルカノールアミドとしてヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド及びラウリン酸モノエタノールアミド等が挙げられる。
ポリオキシエチレン化合物としては、特に制限されないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、特に制限されないが、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルケニルエーテルとしては、特に制限されないが、例えば、ポリオキシエチレンテトラデセニルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデセニルエーテル及びポリオキシエチレンオクタデセニルエーテル等が挙げられる。
ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステルとしては、特に制限されないが、例えば、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノミリステート、ポリオキシエチレンモノパルミテート及びポリオキシエチレンモノステアレート等が挙げられる。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、特に制限されないが、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノイソステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンジステアレート及びポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等が挙げられる。
インク用ブロッキング防止剤(E)としては耐ブロッキング性およびポリウレタン樹脂との相溶性の観点から、シリコーン系化合物、脂肪族アミド及びポリオキシエチレン化合物が好ましく、より好ましくは、シリコーンオイル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルであり、さらに好ましくはシリコーンオイルであり、特に好ましくは変性シリコーンオイルであり、最も好ましくはポリエーテル変性シリコーンである。
ポリウレタン樹脂粒子がインク用ブロッキング防止剤(E)を含有する場合は、耐ブロッキング性と記録媒体との密着性の観点からポリウレタン樹脂粒子がインク用ブロッキング防止剤(E)をポリウレタン樹脂(U)の重量を基準として0.1~10重量%含有することが好ましく、より好ましくは0.5~5重量%であり、さらに好ましくは0.5~3重量%である。
ポリウレタン樹脂粒子の光散乱測定法による体積平均粒子径(Dv)は、好ましくは10~80nm、更に好ましくは20~60nmである。(Dv)が10nm以上であるとポリウレタン樹脂水性分散体の粘度が適正でありハンドリング性が良好であり、80nm以下であると分散安定性が良好である。
体積平均粒子径(Dv)は、カルボキシル基及び/又はカルボキシレートアニオン基の含有量、中和剤、分散剤量並びに分散工程で使用する分散機の種類及び分散条件によって制御することができる。
体積平均粒子径(Dv)は、光散乱粒度分布測定装置[堀場製作所(株)製「LA950 V2」]で測定することができる。
本発明のポリウレタン樹脂水性分散体は、ポリウレタン樹脂水性分散体から得られる乾燥皮膜の耐水性の観点から、分散剤(H)を用いない自己乳化型の水性分散体とすることが好ましい。
ポリウレタン樹脂(U)を水性媒体に分散させる場合の分散剤(H)としては、非イオン性界面活性剤(h1)、アニオン性界面活性剤(h2)、カチオン性界面活性剤(h3)、両性界面活性剤(h4)及びその他の乳化分散剤(h5)が挙げられる。(H)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
非イオン性界面活性剤(h1)としては、特に制限されないが、例えば、AO付加型非イオン性界面活性剤及び多価アルコール型非イオン性界面活性剤が挙げられる。AO付加型としては、炭素数10~20の脂肪族アルコールのEO付加物、フェノールのEO付加物、ノニルフェノールのEO付加物、炭素数8~22のアルキルアミンのEO付加物及びポリオキシプロピレングリコールのEO付加物等が挙げられる。また、多価アルコール型としては、多価(3~8価又はそれ以上)アルコール(炭素数2~30)の脂肪酸(炭素数8~24)エステル(例えばグリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート及びソルビタンモノオレエート等)及びアルキル(炭素数4~24)ポリ(重合度1~10)グリコシド等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤(h2)としては、特に制限されないが、例えば、炭素数8~24の炭化水素基を有するエーテルカルボン酸又はその塩[ラウリルエーテル酢酸ナトリウム及び(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1~100)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム等];炭素数8~24の炭化水素基を有する硫酸エステル又はエーテル硫酸エステル及びそれらの塩[ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1~100)ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1~100)ラウリル硫酸トリエタノールアミン及び(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1~100)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム等];炭素数8~24の炭化水素基を有するスルホン酸塩[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等];炭素数8~24の炭化水素基を1個又は2個有するスルホコハク酸塩;炭素数8~24の炭化水素基を有するリン酸エステル又はエーテルリン酸エステル及びそれらの塩[ラウリルリン酸ナトリウム及び(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1~100)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム等];炭素数8~24の炭化水素基を有する脂肪酸塩[ラウリン酸ナトリウム及びラウリン酸トリエタノールアミン等];並びに炭素数8~24の炭化水素基を有するアシル化アミノ酸塩[ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム及びラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム等]が挙げられる。
カチオン性界面活性剤(h3)としては、特に制限されないが、例えば、第4級アンモニウム塩型[塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム及びエチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等]並びにアミン塩型[ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩及びオレイルアミン乳酸塩等]が挙げられる。
両性界面活性剤(h4)としては、特に制限されないが、例えば、ベタイン型両性界面活性剤[ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等]並びにアミノ酸型両性界面活性剤[β-ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等]が挙げられる。
その他の乳化分散剤(h5)としては、特に制限されないが、例えば、ポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体並びにポリアクリル酸ソーダ等のカルボキシル基含有(共)重合体及び米国特許第5906704号明細書に記載のウレタン基又はエステル基を有する乳化分散剤[例えばポリカプロラクトンポリオールとポリエーテルジオールをポリイソシアネートで連結させたもの]等が挙げられる。
分散剤(H)は、ポリウレタン樹脂(U)のウレタン化反応後、ポリウレタン樹脂(U)の水分散工程前、水分散工程中又は水分散後のいずれの時期に添加してもよいが、ポリウレタン樹脂(U)の分散性及び水性分散体の安定性の観点から、水分散工程前又は水分散工程中に添加することが好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂水性分散体を製造する方法としては、例えば、以下の[1]及び[2]の方法等が挙げられる。
[1]ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、必要により鎖伸長剤及び反応停止剤を、有機溶剤(S)の存在下又は非存在下で一段又は多段で反応させてポリウレタン樹脂(U)を製造し、必要によりカルボキシル基を中和剤により塩として、水性媒体に分散させた後に、必要により有機溶剤(S)を留去する方法。
[2]ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを、有機溶剤(S)の存在下又は非存在下で一段又は多段で反応させてイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(P)を製造し、次いで必要によりプレポリマー(P)中のカルボキシル基を中和剤により塩として水性媒体に分散させて、鎖伸長剤及び/又は反応停止剤とプレポリマー(P)中のイソシアネート基とを反応させた後に、必要により有機溶剤(S)を留去する方法。
[1]及び[2]の方法の内、ポリウレタン樹脂(U)の分散安定性及び乾燥皮膜の機械強度の観点から好ましいのは[2]の方法である。
[1]の方法におけるポリウレタン樹脂(U)及び[2]の方法におけるウレタンプレポリマー(P)を製造する際の反応温度は、副反応抑制の観点から、60~120℃が好ましく、更に好ましくは60~110℃であり、特に好ましくは60~100℃である。製造時間は、使用する設備により適宜選択することができるが、一般的に1分~100時間が好ましく、更に好ましくは3分~30時間であり、特に好ましくは5分~20時間である。
有機溶剤(S)は、イソシアネート基と実質的に非反応性の溶剤から選ばれ、例えばケトン系溶剤(例えばアセトン及びメチルエチルケトン)、エステル系溶剤[例えば酢酸エチル、ニ塩基酸エステル(DBE)]、エーテル系溶剤(例えばテトラヒドロフラン)、アミド系溶剤(例えばN,N-ジメチルホルムアミド及びN-メチルピロリドン)及び芳香族炭化水素系溶剤(例えばトルエン)等が挙げられる。これらの有機溶剤(S)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、本発明における水性媒体とは、水又は水と有機溶剤(S)との混合物を意味する。
有機溶剤(S)として好ましいのは、沸点が100℃未満の有機溶剤であり、例えばアセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル及びテトラヒドロフラン等が挙げられる。
沸点が100℃以上の有機溶剤を使用すると、水性媒体から有機溶剤のみを完全に除去することが困難になり、水性分散体中に残存し、乾燥時に有機溶剤が発生するため好ましくない。また、有機溶剤が皮膜中に残存しやすくなり、皮膜の機械物性が経時的に変化するため好ましくない。
ポリウレタン樹脂水性分散体における有機溶剤(S)の含有量は、臭気、経時安定性、環境負荷及び安全性の観点からは、ポリウレタン樹脂水性分散体の重量に基づいて、1重量%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.8重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以下である。
上記[1]及び[2]の方法におけるウレタン化反応では、反応を促進させるため、必要により公知のウレタン化触媒等を使用することができる。ウレタン化触媒の添加量は、ポリウレタン樹脂(U)又はプレポリマー(P)の重量に基づき、好ましくは0.001~3重量%、更に好ましくは0.005~2重量%、特に好ましくは0.01~1重量%
である。
ウレタン化触媒としては、金属触媒[錫系触媒(トリメチルチンラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート及びジブチルチンマレエート等)、鉛系触媒(オレイン酸鉛、2-エチルヘキサン酸鉛、ナフテン酸鉛及びオクテン酸鉛等)、コバルト系触媒(ナフテン酸コバルト等)、ビスマス系触媒{ビスマストリス(2-エチルヘキサノエート)等}及び水銀系触媒(フェニル水銀プロピオン酸塩等)等]、アミン触媒[トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルヘキシレンジアミン、ジアザビシクロアルケン{1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン}等;ジアルキルアミノアルキルアミン{ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノオクチルアミン及びジプロピルアミノプロピルアミン等}又は複素環式アミノアルキルアミン[2-(1-アジリジニル)エチルアミン及び4-(1-ピペリジニル)-2-ヘキシルアミン等]の炭酸塩又は有機酸塩(ギ酸塩等)等;N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、トリエチルアミン、ジエチルエタノールアミン及びジメチルエタノールアミン等]並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記[1]の方法におけるポリウレタン樹脂(U)又はその有機溶剤溶液、上記[2]の方法におけるウレタンプレポリマー(P)又はその有機溶剤溶液を水中に分散する装置としては特に制限されないが、回転式分散混合装置、超音波式分散機又は混練機を用いることが好ましく、なかでも分散能力が特に優れる回転式分散混合装置が更に好ましい。
回転式分散混合装置としては、例えばマックスブレンドやヘリカル翼等の一般的な攪拌羽を有する混合装置、TKホモミキサー[プライミクス(株)製]、クレアミックス[エムテクニック(株)製]、フィルミックス[プライミクス(株)製]、ウルトラターラックス[IKA(株)製]、エバラマイルダー[荏原製作所(株)製]、キャビトロン(ユーロテック社製)及びバイオミキサー[日本精機(株)製]等が例表される。
ポリウレタン樹脂水性分散体の固形分濃度(揮発性成分以外の成分の含有量)は、ポリウレタン樹脂水性分散体の取り扱い易さの観点から、好ましくは20~65重量%、更に好ましくは25~55重量%である。固形分濃度は、水性分散体約1gをペトリ皿上にうすく伸ばし、精秤した後、循環式定温乾燥機を用いて130℃で、45分間加熱した後の重量を精秤し、加熱前の重量に対する加熱後の残存重量の割合(百分率)を計算することにより得ることができる。
ポリウレタン樹脂水性分散体の25℃での粘度は、ハンドリング性の観点から、好ましくは5,000mPa・s以下、更に好ましくは1,000mPa・s以下である。粘度はBL型粘度計を用いて測定することができる。
ポリウレタン樹脂水性分散体の25℃でのpHは、分散安定性の観点から、好ましくは2~12、更に好ましくは4~10である。pHは、pH Meter M-12[堀場製作所(株)製]を用いて測定することができる。
本発明のポリウレタン樹脂水性分散体はインクジェットインク用のポリウレタン樹脂水性分散体であり、インクジェットインク用として用いると記録媒体と密着性が良好となり好ましい。さらに、画像の密着性(ラミネート強度)および耐ブロッキング性の観点から軟包装印刷用インクジェットインク用として用いることが好ましい。軟包装印刷とは、柔軟性のある材料で構成されている包装材への印刷のことであり。包装材としては例えばプラスチックフィルム、アルミ箔及び紙等の薄く柔軟な材料が挙げられ、単体又は複数を貼り合せたものを使用してもよい。軟包装印刷された包装材は、例えば袋として食品や医薬品等へ利用される。
ポリウレタン樹脂水性分散体を含有する印刷インク(L)は、ポリウレタン樹脂水性分散体以外に色材、保湿剤、浸透剤、水、及びその他の添加剤を含有する。
色材としては、染料及び顔料が挙げられる。
染料としては特に限定されないが、使用するメディアに応じて、反応染料、バット染料、ナフトール染料、硫化染料、直接染料、酸性染料、金属錯塩型染料、分散染料及びカチオン染料等を選択することができる。
顔料としては、無機顔料(例えば白色顔料、黒色顔料、灰色顔料、赤色顔料、茶色顔料、黄色顔料、緑色顔料、青色顔料、紫色顔料及びメタリック顔料)及び有機顔料(例えば天然有機顔料合成系有機顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、顔料色素型アゾ顔料、水溶性染料から作られるアゾレーキ、難溶性染料から作られるアゾレーキ、塩基性染料から作られるレーキ、酸性染料から作られるレーキ、キサンタンレーキ、アントラキノンレーキ、バット染料からの顔料及びフタロシアニン顔料)が挙げられる。
これら色材の内で好ましいのは顔料である。色材は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
色材の含有量は、印刷インク(L)の重量に基づいて好ましくは50重量%以下、更に好ましくは30重量%以下である。
保湿剤としては、特に限定されないが、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2-ブテン-1、4-ジオール、2-エチル-1、3-ヘキサンジオール、2-メチル-2、4-ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、Mnが2,000以下のポリエチレングリコール、1、3-プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、及びN-エチル-2-ピロリドンが挙げられる。保湿剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
浸透剤としては、特に限定されないが、例えば、グリコールエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1-メチル-1-メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル及びジプロピレングリコールモノブチルエーテル等)及び炭素数4~8の脂肪族ジオール(1,2-ペンタンジオール及び1,2-ヘキサンジオール等の1,2-アルキルジオール並びに1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール及び1,8-オクタンジオール等の直鎖アルコール)等の有機溶剤;アセチレングリコール系界面活性剤;アセチレンアルコール系界面活性剤;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のエーテル系界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート及びポリオキシエチレンステアレート等のエステル系界面活性剤;ジメチルポリシロキサン等のシリコーン系界面活性剤;フッ素アルキルエステル及びパーフルオロアルキルカルボン酸塩等のフッ素系界面活性剤等の界面活性剤が挙げられる。浸透剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
水としては、特に限定されないが、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加等によって滅菌した水を用いると、インクジェットインク組成物を長期保存する場合に細菌類や真菌類の発生を防止することができる。
その他添加剤としては、キレート剤、防腐剤及びpH調整剤等が挙げられる。キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)、エチレンジアミンのニトリロトリ酢酸塩、ヘキサメタリン酸塩、ピロリン酸塩、又はメタリン酸塩等が挙げられる。
防腐剤としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2-ピリジンチオール-1-オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム及び1,2―ジベンジンチアゾリン-3-オン等が挙げられる。
pH調製剤としては、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
印刷インク(L)を用いた印刷で使用する記録媒体はとしては、特に制限されないが、例えば、非浸透性の記録媒体と浸透性の記録媒体が挙げられる。
非浸透性の記録媒体としては、特に制限されないが、例えば、ポリカーボネート、硬質塩ビ、軟質塩ビ、ポリスチレン、発砲スチロール、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の樹脂媒体、ガラス、ステンレス等の金属基材等が挙げられる。
浸透性の記録媒体としては、特に制限されないが、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙等の紙媒体等が挙げられる。
このなかでも、印刷インク(L)の記録媒体としては密着性の観点から非浸透性の記録媒体が好ましく、より好ましくは樹脂媒体であり、さらに密着性(ラミネート強度)と耐ブロッキング性の観点から樹脂媒体は軟包装印刷用に好適である。
なお、軟包装印刷とは、樹脂フィルム等の柔軟性のある記録媒体を単体もしくは貼り合せたものに印刷することであり、軟包装印刷された印刷物は、食品、生活用品等を包装する用途に使用される。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り「部」は重量部を示す。
<製造例1>
撹拌機、還流管及び加熱装置を備えた反応装置にメチルハイドロジェンシリコーンオイル(数平均分子量1500、官能基当量500g/mol)150部、アリルアルコールのエチレンオキサイド12モル付加物150部、反応用有機溶剤としてのイソプロパノール100部を仕込みイソプロパノール中1モルのHPtClの溶液0.15mlを触媒として仕込んだ。1時間加熱還流後、110℃減圧下にてイソプロパノールを留去し、数平均分子量3000のポリエーテル変性シリコーンを得た。
<実施例1>
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置にポリテトラメチレンエーテルグリコールとしてのPTMG2000[三菱化学(株)製]67.6部、低分子ジオールとしての1,4-ブタンジオール2.8部、側鎖にカルボキシル基を有するポリオール成分としての2,2-ジメチロールプロピオン酸4.5部、ポリイソシアネート成分としてのイソホロンジイソシアネート25.1部及び反応用有機溶剤としてのメチルエチルケトン54部を仕込み、70℃で12時間攪拌しウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(P1)のメチルエチルケトン溶液を製造した。
次いで、得られたウレタンプレポリマー(P1)のメチルエチルケトン溶液に中和剤としてのトリエチルアミン3.4部を加えて均一化した後、200rpmで撹拌しながら水性媒体としてのイオン交換水263部を加え、ポリウレタンプレポリマーを水に分散させた。得られた分散体を50℃に加熱して4時間攪拌して水による鎖伸長反応を行い、更に減圧下60℃に加熱してメチルエチルケトンを留去した。その後、水を加えて固形分濃度を30重量%に調製することでポリウレタン樹脂水性分散体(Q-1)得た。
<実施例2>
使用する原料の使用量を表1に記載のものに変更する以外は実施例1と同様にして、ポリウレタン樹脂水性分散体(Q-2)を得た。
<実施例3~11>
使用する原料及び使用量を表1に記載のものに変更し、ポリウレタンプレポリマーを水に分散させた後に表1記載の鎖伸長剤を加える以外は実施例1と同様にして、ポリウレタン樹脂水性分散体(Q-3~Q-11)を得た。
<実施例12>
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置にポリテトラメチレンエーテルグリコールとしてのPTMG2000[三菱化学(株)製]16.0部およびポリカーボネートジオールETERNACOLL UH-200[宇部興産(株)製]17.8部、低分子ジオールとしての1,4-ブタンジオール12.2部、側鎖にカルボキシル基を有するポリオール成分としての2,2-ジメチロールプロピオン酸4.5部、ポリイソシアネート成分としてのイソホロンジイソシアネート47.6部及び反応用有機溶剤としてのメチルエチルケトン54部を仕込み、70℃で12時間攪拌しウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(P12)のメチルエチルケトン溶液を製造した。
次いで、得られたウレタンプレポリマー(P12)のメチルエチルケトン溶液にインク用ブロッキング防止剤として製造例1で得られたポリエーテル変性シリコーンを8.0部、中和剤としてのトリエチルアミン3.4部を加えて均一化した後、200rpmで撹拌しながら水性媒体としてのイオン交換水262部を加え、ポリウレタンプレポリマーを水に分散させた。得られた分散体に鎖伸長剤としてエチレンジアミン10wt%水溶液を6.3部加え、50℃に加熱して4時間攪拌して伸長反応を行い、更に減圧下60℃に加熱してメチルエチルケトンを留去した。その後、水を加えて固形分濃度を30重量%に調製することでインク用ブロッキング防止剤を同一粒子内に含有するポリウレタン樹脂水性分散体(Q-12)得た。
<実施例13、14>
使用する原料及び使用量を表1に記載のものに変更する以外は実施例1と同様にして、ポリウレタン樹脂水性分散体(Q-13、Q-14)を得た。
<比較例1~6>
使用する原料及び使用量を表1に記載のものに変更する以外は実施例1と同様にして、ポリウレタン樹脂水性分散体(Q’-1)及び(Q’-6)を得た。
表1における各原料の組成は以下の通りである。
・PTMG2000:Mn=2,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール[三菱化学(株)製]
・PTMG1000:Mn=1,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール[三菱化学(株)製]
・サンニックスPP-2000:Mn=2,000のポリオキシプロピレングリコール[三洋化成工業(株)製]
・ETERNACOLL UH-200:Mn=2,000のポリカーボ―ネートジオール[宇部興産(株)製]
Figure 2022146158000001
<印刷インク(L-1)~(L-14)及び(L’-1)~(L’-6)の製造>
実施例1~14又は比較例1~6で得られたポリウレタン樹脂水性分散体(Q-1)~(Q-14)又は(Q’-1)~(Q’-6)2.7部、顔料[カーボンブラック水分散体{東海カーボン(株)製「Aqua-Black162」、固形分濃度20重量%}]25部、保湿剤としてのプロピレングリコール10部、浸透剤としての1,2-ヘキサンジオール1.0部、2-ピロリドン1.0部及び水63部を容器に仕込み、10分間混合して印刷インク(L-1)~(L-14)及び比較用の印刷インク(L’-1)~(L’-6)を作製した。
<印刷インクの密着性の評価方法>
ポリプロピレンフィルム(OPP)[東洋紡株式会社製「パイレンP-2161」(厚さ30μm)]およびポリエステルフィルム(PET)[東洋紡株式会社製「エスペットE-5102」(厚さ12μm)]に印刷インク(L-1)~(L-14)及び比較用の印刷インク(L’-1)~(L’-6)を乾燥後の厚みが1μmになるようにそれぞれバーコーターで塗布し、90℃で10分間乾燥させ、各樹脂フィルム上にポリウレタン樹脂が塗工された試験片を作製した。作製した試験片の印刷インクの乾燥膜面にJIS K5600-5-6に準拠して、100個(10個×10個)のマスができるよう1mm幅にカッターナイフで切込みを入れ、透明感圧付着テープで剥離試験を行い、記録媒体フィルムに残存したマス数をカウントした。残存マス数が多いほど、印刷インクの密着性に優れる。
<印刷インクの耐ブロッキング性および密着性(ラミネート強度)の評価方法>
ポリプロピレンフィルム(OPP)[東洋紡株式会社製「パイレンP-2161」(厚さ30μm)]およびポリエステルフィルム(PET)[東洋紡株式会社製「エスペットE-5102」(厚さ12μm)]に印刷インク(L-1)~(L-14)及び比較用の印刷インク(L’-1)~(L’-6)をインクジェット方式で全面に印刷後、90℃10分間乾燥した。印刷にはインクジェットプリンター[セイコーエプソン社製 PX-105]を用いた。ただし、比較用の印刷インク(L’-4~L’-6)については印刷中にインクヘッドノズルの閉塞が確認され、全面に印刷できなかったため密着性(ラミネート強度)および耐ブロッキング性の評価を中止した。
<耐ブロッキング性>
樹脂フィルムに印刷インクを全面に塗布後、4cm×8cmに切り取り、このサンプルの印刷面と同じ大きさの未印刷フィルムの非処理面とを合わせて、50℃24時間、7kg/平方cmの加圧をおこない、フィルムを剥離した時の、印刷面の剥がれの程度及び抵抗感を観察した。
5点:印刷物からインキの剥がれが全く見られず、剥離時の抵抗感もなかった。
4点:印刷物からインキの剥がれは全く認められなかったが、剥離時の抵抗感があった。
3点:印刷物からインキの剥がれが認められたが、印刷面全体の1割未満であった。
2点:印刷物からインキの剥がれが印字面積全体の1割以上5割未満であった。
1点:印刷物からインキの剥がれが印字面積の5割以上であった。
3点以上が実用レベルである。
<密着性(ラミネート強度)>
樹脂フィルムに印刷インクを全面に塗布後、ラミネート接着剤[三洋化成工業(株)製 ポリボンドAY-651A/AY-651C2液タイプ)にてシーラントフィルムとしてPEフィルム[三井化学東セロ株式会社製「T.U.X HC-E」(厚さ25μm)]を貼り合わせ、24時間40℃で養生後、インストロン型引張試験機(株式会社島津製作所製オートグラフ)にて測定した。
ラミネート条件は、下記の通りである。
・接着剤:AY-651A/AY-651C/酢酸エチル=6.7/1/9.3(固形分約30%)
・塗布:接着剤をバーコーター#7にてインキ面に塗布
・乾燥条件:ドライヤーの温風(約80℃)で10秒
・貼り合わせ:ラミネート試験機[テスター産業(株)製]でシーラントフィルムを貼り合わせる。(ラミネート圧力:0.1MPa、1回転、室温)
・養生:40℃、24時間
接着力測定条件は下記のとおりである。
・試料:15mm幅
・剥離速度:50mm/分
<インク粘度>
本発明において、印刷インク粘度は下記測定装置及び条件を用いて測定した。
装置 :MCR92(Anton Paar社製)
治具 :50mmコーンプレート
せん断速度:200 1/s
測定温度:25℃
<印刷インクの通液性>
印刷インク100gを減圧ろ過法によりろ過してフィルターが閉塞するまでの通液量を測定した。全量通液した場合は通液量を100gとした。
フィルター:MF-Millipore社製 SMWP04700
ろ過圧力:50kPa
本発明のポリウレタン樹脂水性分散体は、インクジェットインク用のポリウレタン樹脂水性分散体であり、ポリカーボネート、硬質塩ビ、軟質塩ビ、ポリスチレン、発砲スチロール、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の樹脂媒体、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙等の紙媒体、ガラス、ステンレス等の無機媒体等の記録媒体を用いた印刷用のインク原料として有用である。


Claims (6)

  1. ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させてなるポリウレタン樹脂(U)と水とを含有するインクジェットインク用ポリウレタン樹脂水性分散体であって、
    前記ポリウレタン樹脂(U)がカルボキシル基及び/又はカルボキシレートアニオン基を有するポリウレタン樹脂であり、
    前記ポリオール成分がポリテトラメチレンエーテルグリコールを含有するポリオール成分であり、
    前記ポリテトラメチレンエーテルグリコールの重量割合がポリオール成分とポリイソシアネート成分の合計重量を基準として10~70重量%であり、
    前記ポリイソシアネート成分がイソホロンジイソシアネートを含有するポリイソシアネート成分であり、
    前記イソホロンジイソシアネートの重量割合がポリオール成分とポリイソシアネート成分の合計重量を基準として25~70重量%であり、
    前記ポリウレタン樹脂(U)の酸価が15~40mgKOH/gであり、
    前記ポリウレタン樹脂(U)のウレア基の含有量が0.45mol/kg以下であるポリウレタン樹脂水性分散体。
  2. 前記ポリウレタン樹脂水性分散体を105℃、3時間乾燥させて得られた皮膜の50℃における貯蔵弾性率G’が0.9~80MPaである請求項1に記載のポリウレタン樹脂水性分散体。
  3. 前記ポリウレタン樹脂(U)は、前記ポリウレタン樹脂(U)からなるポリウレタン樹脂粒子として前記ポリウレタン樹脂水性分散体に含有され、前記ポリウレタン樹脂水性分散体中のポリウレタン樹脂粒子がインク用ブロッキング防止剤(E)を同一粒子内に含有する請求項1または2に記載のポリウレタン樹脂水性分散体
  4. 前記ポリウレタン樹脂粒子が前記インク用ブロッキング防止剤(E)を前記ポリウレタン樹脂(U)の重量を基準として0.1~10重量%含有する請求項3に記載のポリウレタン樹脂水性分散体。
  5. 前記インク用ブロッキング防止剤(E)がポリエーテル変性シリコーンである請求項3または4記載のポリウレタン樹脂水性分散体。
  6. 前記ポリウレタン樹脂(U)は、前記ポリウレタン樹脂(U)からなるポリウレタン樹脂粒子として前記ポリウレタン樹脂水性分散体に含有され、前記ポリウレタン樹脂粒子の光散乱測定法による体積平均粒子径が10~80nmである請求項1~5のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂水性分散体。
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