JP2022146140A - 梁継手構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】床や天井等の二次部材の納まりに対して制限を与えることなく、タッチアップ塗装面積を可及的に小さくでき、鉄骨梁の全断面の応力伝達を可能にできる梁継手構造を提供すること。【解決手段】二つのH形鋼により形成される鉄骨梁40,50の梁継手構造90であり、二つの鉄骨梁40,50の継手端部45,55にそれぞれ、ボルト孔61が開設されているエンドプレート60が固定されており、二つのエンドプレート60が当接され、対応する双方のボルト孔61にボルト70が挿通されてボルト接合され、二つの鉄骨梁40,50のフランジ同士が、スプライスプレートを介して接合されていない。【選択図】図1
Description
本発明は、梁継手構造に関する。
鉄骨梁同士の梁継手構造としては、柱梁接合部パネル(パネルゾーン)から張り出す短尺の鉄骨梁(パネル側鉄骨梁)と、長尺の鉄骨梁(中央側鉄骨梁)との梁継手構造が一例として挙げられる。パネルゾーンでは、鋼製コラムコアとして例えば角形鋼管が適用され、パネル側鉄骨梁として例えばH形鋼やI型鋼(本明細書では、まとめてH型鋼とする)が適用され、パネルゾーンの上下に通しダイアフラムが配設され、上下の通しダイアフラムに対して上下階の鉄骨柱が溶接され、鉄骨柱の側面から張り出している通しダイアフラムの端部にパネル側鉄骨梁が溶接される構造が一般に採用されている。この構造では、鋼製コラムコアの側方から通しダイアフラムを突設させておき、パネル側鉄骨梁の上下のフランジの開先と通しダイアフラムの端部同士が完全溶け込み溶接等され、パネル側鉄骨梁のウェブの突き当て部と鋼製コラムコアの外周面(フェイス)とが隅肉溶接等されることにより、鋼製コラムコアとパネル側鉄骨梁の剛接合構造が形成される。
上記するダイアフラムの端部に溶接接合されている短尺のパネル側鉄骨梁に対して、長尺の中央側鉄骨梁が接合されることにより、柱と梁により構成される鉄骨のラーメン架構が形成される。
パネル側鉄骨梁と中央側鉄骨梁の梁継手構造は一般に、双方のウェブ同士がそれらの両側面に跨がるスプライスプレートを介して高力ボルト(ハイテンションボルト)にてボルト接合され、双方の上フランジ及び下フランジの上下面同士がそれらに跨がるスプライスプレートを介して高力ボルトにてボルト接合されることにより形成される。すなわち、双方の鉄骨梁の上下のフランジとウェブには複数のボルト孔が開設されることから、鉄骨梁の全断面の応力を伝達することができず、従って、上記するパネル側鉄骨梁と中央側鉄骨梁の梁継手(所謂、ラーメンジョイント)の位置は、梁に生じ得る曲げ応力等が可及的に小さくなる位置に設定されるのが一般的である。
例えば、特許文献1においても、上記構成の梁継手構造を備えている、柱・梁の接合部の構造が提案されている。具体的には、鋼管柱の周側壁面に、外ダイアフラムを介して鋼製の梁を接合する建築物の柱・梁の接合構造であり、外ダイアフラムは隣接する梁間に跨って外方から配設される形状とし、切欠部側を鋼管柱に固定し、側縁部側を隣接する他の外ダイアフラムの側縁部とともに梁のフランジに対向配設し、スプライスプレート及びハイテンションボルトで固定することにより鋼管柱と梁とが連結される。
上記する従来の鉄骨梁同士の梁継手構造では、双方の上フランジの上面と下フランジの下面からスプライスプレートと高力ボルトが上下に突設することから、床や天井等の二次部材(梁や柱等の建物の構造躯体を構成する一次部材に対する部材)の納まりに対して制限を与えることになる。
また、防錆塗装であるタッチアップ塗装の面積が広くなり易いといった課題もある。
また、上記するように、鉄骨梁の上フランジと下フランジ、及びウェブにおいて、複数の高力ボルトが挿通される複数のボルト孔が開設されることから、鉄骨梁の全断面の応力を伝達できないといった課題もある。
さらに、上記するパネルゾーンの近傍における梁継手構造においては、パネルゾーンを形成する鉄骨柱のフェイスから少し離れた応力の小さくなる位置に梁継手構造が形成されることから、積載効率が悪くなるといった課題もある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、床や天井等の二次部材の納まりに対して制限を与えることなく、タッチアップ塗装面積を可及的に小さくでき、鉄骨梁の全断面の応力伝達を可能にできる梁継手構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による梁継手構造の一態様は、
二つのH形鋼により形成される鉄骨梁の梁継手構造であって、
二つの前記鉄骨梁の継手端部にそれぞれ、ボルト孔が開設されているエンドプレートが固定されており、
二つの前記エンドプレートが当接され、対応する双方の前記ボルト孔にボルトが挿通されてボルト接合され、
二つの前記鉄骨梁のフランジ同士が、スプライスプレートを介して接合されていないことを特徴とする。
二つのH形鋼により形成される鉄骨梁の梁継手構造であって、
二つの前記鉄骨梁の継手端部にそれぞれ、ボルト孔が開設されているエンドプレートが固定されており、
二つの前記エンドプレートが当接され、対応する双方の前記ボルト孔にボルトが挿通されてボルト接合され、
二つの前記鉄骨梁のフランジ同士が、スプライスプレートを介して接合されていないことを特徴とする。
本態様によれば、相互に接合される二つの鉄骨梁の継手端部にそれぞれ、ボルト孔が開設されているエンドプレートが固定され、双方のエンドプレートが当接されてボルト接合されるとともに、二つの鉄骨梁のフランジ同士がスプライスプレートを介して接合されていないことにより、スプライスプレートや高力ボルトが上下に突設することによって床や天井等の二次部材の納まりに制限が与えられることが無くなる。また、エンドプレート同士がH形鋼の上下のフランジの内側にあるインナーボルトによりボルト接合される、比較的シンプルな継手構造であることから、タッチアップ塗装面積を可及的に小さくできる。さらに、フランジやウェブにボルト孔が開設されていないことから、鉄骨梁の全断面の応力伝達を可能にでき、従って、例えばパネルゾーンの近傍における梁継手構造では、梁継手位置を鋼製コラムコアの外周面(フェイス)に可及的に近接させることができ、積載効率を向上させることができる。
ここで、鉄骨梁の継手端部とエンドプレートは、例えば溶接接合により固定され、より具体的には、例えば、H形鋼の上フランジと下フランジの開先とエンドプレートが完全溶け込み溶接され、ウェブとエンドプレートが隅肉溶接される。また、エンドプレート同士のボルト接合は、例えば高力ボルトにより接合される。
また、インナーボルトにてエンドプレート同士をボルト接合することから、インナーボルトの必要本数に応じて、エンドプレートの幅をフランジよりも広幅に設定してもよい。
また、本発明による梁継手構造の他の態様は、
相互に当接する二つの前記エンドプレートの両側に、ボルト孔が開設された補強ブロックが配設され、
双方の前記エンドプレートと双方の前記補強ブロックの対応する前記ボルト孔に対してボルトが挿通され、ボルト接合されていることを特徴とする。
相互に当接する二つの前記エンドプレートの両側に、ボルト孔が開設された補強ブロックが配設され、
双方の前記エンドプレートと双方の前記補強ブロックの対応する前記ボルト孔に対してボルトが挿通され、ボルト接合されていることを特徴とする。
本態様によれば、相互に当接される二つのエンドプレートの両側に、ボルト孔が開設された補強ブロックが配設され、双方のエンドプレートと双方の補強ブロックがボルト接合されていることにより、梁継手の接合強度を効果的に高めることができる。ここで、補強ブロックは、例えば、上フランジの下面から下フランジの上面に亘る長さのブロックを適用できる。
また、本発明による梁継手構造の他の態様は、
前記補強ブロックが、前記H形鋼の上フランジに当接する上補強ブロックと、下フランジに当接する下補強ブロックとを有し、該上補強ブロックと該下補強ブロックの間に隙間があることを特徴とする。
前記補強ブロックが、前記H形鋼の上フランジに当接する上補強ブロックと、下フランジに当接する下補強ブロックとを有し、該上補強ブロックと該下補強ブロックの間に隙間があることを特徴とする。
本態様によれば、補強ブロックが、上フランジ側の上補強ブロックと、下フランジ側の下補強ブロックに分割され、上補強ブロックと下補強ブロックの間に隙間があることにより、上下のフランジとエンドプレートとの接続箇所を上補強ブロックと下補強ブロックにて補強しながら、補強ブロック全体のボリュームを低減することにより材料コストの削減を図ることができる。
また、本発明による梁継手構造の他の態様は、
前記エンドプレートに対して、前記鉄骨梁の上フランジと下フランジが突合せ溶接部を介して固定されており、
前記補強ブロックの小口面が前記上フランジの下面と前記下フランジの上面に配設されて、裏当て金に兼用されていることを特徴とする。
前記エンドプレートに対して、前記鉄骨梁の上フランジと下フランジが突合せ溶接部を介して固定されており、
前記補強ブロックの小口面が前記上フランジの下面と前記下フランジの上面に配設されて、裏当て金に兼用されていることを特徴とする。
本態様によれば、エンドプレートに対して鉄骨梁の上フランジと下フランジが突合せ溶接部を介して固定される形態において、上フランジの下面と下フランジの上面に補強ブロックの小口面が当接していることにより、補強ブロックは、継手構造を補強する機能の他に、裏当て金として機能することができる。ここで、補強ブロックが上フランジから下フランジまでの長さを有する形態では、その上下の小口面が裏当て金となり、上補強ブロックと下補強ブロックを備える形態では、上補強ブロックの上方の小口面と下補強ブロックの下方の小口面が裏当て金となる。
また、本発明による梁継手構造の他の態様において、
一方の前記鉄骨梁は、柱梁接合部パネルの側方から張り出していることを特徴とする。
一方の前記鉄骨梁は、柱梁接合部パネルの側方から張り出していることを特徴とする。
本態様によれば、一方の鉄骨梁が柱梁接合部パネル(パネルゾーン)の側方から張り出している短尺の鉄骨梁(パネル側鉄骨梁)であり、他方の鉄骨梁が長尺の鉄骨梁(中央側鉄骨梁)である、パネルゾーンの近傍における梁継手構造であることにより、比較的シンプルな構成で、かつ高い接合強度を有するパネルゾーン近傍の梁継手構造となる。また、鉄骨梁の上下のフランジやウェブにボルト孔が開設されていないことから、鉄骨梁の全断面の応力伝達を可能にでき、従って、梁継手位置を鋼製コラムコアの外周面(フェイス)に可及的に近接させることができるため、積載効率を向上させることが可能になる。
以上の説明から理解できるように、本発明の梁継手構造によれば、床や天井等の二次部材の納まりに対する制限を与えることが無く、タッチアップ塗装面積を可及的に小さくでき、鉄骨梁の全断面の応力伝達を可能にできる。
以下、各実施形態に係る梁継手構造について、添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[第1実施形態に係る梁継手構造]
はじめに、図1乃至図3を参照して、第1実施形態に係る梁継手構造の二例について説明する。ここで、図1は、第1実施形態に係る梁継手構造の一例の側面図である。また、図2と図3はそれぞれ、図1のII-II方向の矢視図であって、第1実施形態に係る梁継手構造の一例の横断面図と他の例の横断面図である。
はじめに、図1乃至図3を参照して、第1実施形態に係る梁継手構造の二例について説明する。ここで、図1は、第1実施形態に係る梁継手構造の一例の側面図である。また、図2と図3はそれぞれ、図1のII-II方向の矢視図であって、第1実施形態に係る梁継手構造の一例の横断面図と他の例の横断面図である。
図示する梁継手構造90(90A)は、柱梁接合部パネル(パネルゾーン)を形成する鋼製コラムコア10から張り出す、短尺の鉄骨梁であるパネル側鉄骨梁40の継手端部45と、長尺の鉄骨梁である中央側鉄骨梁50の継手端部55とが接続される梁継手構造である。
鋼製コラムコア10には下階の鉄骨柱32が溶接接合され、図1の右側においても中央側鉄骨梁50に対して不図示の鋼製コラムコアから張り出すパネル側鉄骨梁が溶接接合されており、不図示の鋼製コラムコアにも同様に下階の鉄骨柱が接合されて、鉄骨のラーメン架構を形成している。図1は、この鉄骨のラーメン架構の左側の隅角部近傍を示している。尚、実施形態に係る梁継手構造90(90A)は、図示例のようにパネルゾーンの近傍における鉄骨梁40,50同士の継手構造の他にも、例えば長尺な鉄骨梁がその途中位置で二つの鉄骨梁の継手端部にて接続される継手構造等であってもよい。
鋼製コラムコア10は角形鋼管により形成され、その上端14と下端15には、上下の通しダイアフラム21,22が溶接接合されている。図2に明りょうに示すように、鋼製コラムコア10の対向する一対の外周面12,13には、例えば建物の階間を形成する胴差し等の鉄骨梁35が溶接接合されている。ここで、鉄骨梁35,40,50はいずれもH形鋼により形成され、パネル側鉄骨梁40は、ウェブ41,上フランジ42,及び下フランジ43を備え、中央側鉄骨梁50は、ウェブ51,上フランジ52,及び下フランジ53を備える。
鋼製コラムコア10の他の外周面11と通しダイアフラム21,22の端部には、ラーメン架構を形成するパネル側鉄骨梁40が溶接接合される。より具体的には、パネル側鉄骨梁40の上フランジ42と下フランジ43の開先と通しダイアフラム21,22の端部同士が突合せ溶接部47を介して溶接接合され、パネル側鉄骨梁40のウェブ41の突き当て部と鋼製コラムコア10の外周面11が隅肉溶接部48を介して溶接接合されることにより、パネルゾーンとパネル側鉄骨梁40との剛接合構造が形成される。
パネル側鉄骨梁40と中央側鉄骨梁50のそれぞれの継手端部45,55には、鋼製のエンドプレート60が溶接接合されている。より具体的には、パネル側鉄骨梁40においては、その継手端部45における上フランジ42と下フランジ43の開先とエンドプレート60の広幅面が突合せ溶接部47を介して溶接接合され、パネル側鉄骨梁40のウェブ41の突き当て部とエンドプレート60の広幅面が隅肉溶接部48を介して溶接接合されている。一方、中央側鉄骨梁50においては、その継手端部55における上フランジ52と下フランジ53の開先とエンドプレート60の広幅面が突合せ溶接部57を介して溶接接合され、中央側鉄骨梁50のウェブ51の突き当て部とエンドプレート60の広幅面が隅肉溶接部58を介して溶接接合されている。
図1及び図2に示すように、エンドプレート60には、鉄骨梁40,50のウェブ41,51の左右の領域に上下に二つ(計四つ)のボルト孔61が開設されている。双方のエンドプレート60同士が当接した状態において、対応するそれぞれのボルト孔61が位置合わせされて四つの連通孔を形成し、各連通孔に高力ボルト70(インナーボルトでボルトの一例)が挿通されて締め付けられることにより、鉄骨梁40,50がエンドプレート60と高力ボルト70により接合されて、梁継手構造90が形成される。
図1及び図2からも明らかなように、梁継手構造90は従来の梁継手構造の備えるスプライスプレートを有していない。このようにスプライスプレートを廃しながら、相互に当接するエンドプレート60のみで鉄骨梁40,50の一体化を図る構造であることから、適用されるエンドプレート60は比較的厚みのあるプレートが望ましく、例えば、鉄骨梁40,50のフランジの厚みの5倍乃至10倍程度の厚みのエンドプレート60が適用されるのがよい。
梁継手構造90は、従来の梁継手構造のように、鉄骨梁のウェブ同士と上下のフランジ同士をスプライスプレートと高力ボルトにて接続する構成でなく、従って、上フランジ42,52の上方や、下フランジ43,53の下方にスプライスプレートや高力ボルトが存在しない。そのため、床や天井等の二次部材(図示せず)の納まりに対して制限を与えるといった問題は生じない。
また、従来のスプライスプレートと高力ボルトにて鉄骨梁同士が接続される梁継手構造に比べて、エンドプレート60とインナーボルト70による梁継手構造ゆえに比較的シンプルな継手構造となり、このことによってタッチアップ塗装面積を可及的に小さくできる。
さらに、従来のスプライスプレートと高力ボルトにて鉄骨梁同士が接続される梁継手構造のように、鉄骨梁のウェブや上下のフランジにボルト孔が開設されていないことから、鉄骨梁40,50の全断面の応力伝達を可能にできる。このことに基づいて、従来の梁継手構造のように、鉄骨梁に生じ得る曲げ応力等が可及的に小さくなる位置に梁継手構造を必ずしも設ける必要がなくなり、例えば、パネルゾーンに近接した位置に梁継手構造90を設けることが可能になり、積載効率を向上させることができる。
一方、図1及び図2に示す梁継手構造90では高力ボルト70の本数が強度上不足する場合は、図3に示す梁継手構造90Aのように、鉄骨梁40,50のフランジ幅よりも広幅のエンドプレート60Aを適用し、幅方向に計四つ(全体で八つ)の高力ボルト70にて双方のエンドプレート60Aを接続する構造であってもよい。尚、高力ボルトの本数は、図示例に限定されるものではない。
また、図示を省略するが、パネルゾーンを形成する鋼製コラムコアの角形鋼管の厚みを厚くすることにより、結果として、パネルゾーン近傍における梁継手構造の強度を高めることができる。
[第2実施形態に係る梁継手構造]
次に、図4を参照して、第2実施形態に係る梁継手構造の一例について説明する。ここで、図4は、第2実施形態に係る梁継手構造の一例の側面図である。
次に、図4を参照して、第2実施形態に係る梁継手構造の一例について説明する。ここで、図4は、第2実施形態に係る梁継手構造の一例の側面図である。
図示する梁継手構造90Bは、図1及び図2に示す梁継手構造90に対して、それぞれのエンドプレート60の内側(鉄骨梁側)に補強ブロック80が配設されている点で相違している。
補強ブロック80は、上フランジ42,52と下フランジ43,53の間の高さを有し、ウェブ41(51)と上フランジ42(52)と下フランジ43(53)の間に嵌め込まれる形状及び寸法を有している。
また、補強ブロック80には、鉄骨梁40,50の内部に嵌め込まれた際にエンドプレート60の備えるボルト孔61と対応する位置に、ボルト孔81が開設されている。
補強ブロック80がエンドプレート60と当接するようにして鉄骨梁40,50の内部へ嵌め込まれることにより、図4及び図5に示すように、当接する二つのエンドプレート60と、これらのエンドプレート60を左右で挟む二つ(ウェブ41,51を挟んで計四つ)の補強ブロック80が水平方向に積層される。そして、それぞれ二つのボルト孔61,81により形成される連通孔に高力ボルトが挿通されて締め付けられることにより、鉄骨梁40,50がエンドプレート60と補強ブロック80と高力ボルト70により接合されて、梁継手構造90Bが形成される。
補強ブロック80による梁継手の強度向上効果を高めるべく、補強ブロック80の厚みは、エンドプレート60の厚みの1.5倍乃至3倍程度に設定されるのがよい。
また、補強ブロック80の上小口面82は、エンドプレート60と鉄骨梁40,50の上フランジ42,52を接続する突合せ溶接部47,57を形成する際の裏当て金としても機能する。同様に、補強ブロック80の下小口面83は、エンドプレート60と鉄骨梁40,50の下フランジ43,53を接続する突合せ溶接部47,57を形成する際の裏当て金としても機能する。
尚、高力ボルト70の本数が強度上不足する場合は、図3に示す梁継手構造90Aのように広幅のエンドプレート60Aを適用し、補強ブロックもこの広幅のエンドプレート60Aに対応する広幅のブロックを適用するのがよい。
[第3実施形態に係る梁継手構造]
次に、図6を参照して、第3実施形態に係る梁継手構造の一例について説明する。ここで、図6は、第3実施形態に係る梁継手構造の一例の側面図である。
次に、図6を参照して、第3実施形態に係る梁継手構造の一例について説明する。ここで、図6は、第3実施形態に係る梁継手構造の一例の側面図である。
図示する梁継手構造90Cは、図4及び図5に示す梁継手構造90Bに対して、縦長の補強ブロック80が短尺な上補強ブロック80Aと下補強ブロック80Bに変更された点で相違している。
短尺な上補強ブロック80Aは、ウェブ41(51)と上フランジ42(52)の間に嵌め込まれる形状及び寸法を有しており、同様に、短尺な下補強ブロック80Bは、ウェブ41(51)と下フランジ43(53)の間に嵌め込まれる形状及び寸法を有している。そして、上補強ブロック80Aと下補強ブロック80Bの間には隙間85が形成される。すなわち、補強ブロック80に対して、この隙間85に相当する体積分の鋼材量が削減されることになる。
このように、上補強ブロック80Aと下補強ブロック80Bを有する梁継手構造90Cによれば、補強ブロックの鋼材料を削減しながら、梁継手の強度を効果的に高めることが可能になる。尚、補強ブロック80と同様に、上補強ブロック80Aの上小口面82と下補強ブロック80Bの下小口面83はそれぞれ、突合せ溶接部47,57を形成する際の裏当て金としても機能する。
[シミュレーションとその結果]
次に、本発明者等により実施された、実施形態に係る梁継手構造の強度を検証するシミュレーションとその結果について説明する。このシミュレーションは、コンピュータ内において、図7に示すような二本のH形鋼からなる鉄骨梁Bを梁継手構造Jで接続してなる、長さ2200mmで高さ294mmの梁モデルMを作成し、梁モデルMの二点(左右の梁端から1000mmの位置)にそれぞれ300kNの集中荷重を載荷した際の、変位-モーメント関係を求めたものである。
次に、本発明者等により実施された、実施形態に係る梁継手構造の強度を検証するシミュレーションとその結果について説明する。このシミュレーションは、コンピュータ内において、図7に示すような二本のH形鋼からなる鉄骨梁Bを梁継手構造Jで接続してなる、長さ2200mmで高さ294mmの梁モデルMを作成し、梁モデルMの二点(左右の梁端から1000mmの位置)にそれぞれ300kNの集中荷重を載荷した際の、変位-モーメント関係を求めたものである。
図7に示す実施例1の梁モデルMでは、厚み16mmの二枚のエンドプレートと、上補強ブロックRB及び下補強ブロックRBを高力ボルトにて剛結合することにより梁継手構造Jを形成している。
また、このシミュレーションでは、実施例2として、上補強ブロックRB及び下補強ブロックRBを具備しない梁モデル(二枚の厚み16mmのエンドプレートが高力ボルトにて剛結合されている梁モデル)に対しても、同様の集中荷重を載荷してその変位-モーメント関係を求めた。さらに、参考例として、梁継手構造のない2200mmの鉄骨梁モデルに対しても、同様の集中荷重を載荷してそのモーメント-変位関係を求めた。シミュレーション結果を図8に示す。
図8において、bMyとbMpはそれぞれ、梁モデルの降伏モーメントと全塑性モーメントを示す。まず、図8に示すように、計算剛性と梁継手の無い参考例のモーメント-変位関係は一致しており、本シミュレーションの精度が保証されている。
その上で、実施例1,2ともに、参考例に近接したモーメント-変位関係を示しており、従って、実施例1,2ともに高強度な梁継手構造を有していることが実証されている。
さらに、実施例1は参考例のモーメント-変位関係により一層近接しており、従って、エンドプレートに加えて補強ブロックを備えることにより、梁継手構造の強度がより一層高められることが実証されている。
尚、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、ここで示した構成に本発明が何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10:鋼製コラムコア
11,12,13:外周面
14:上端
15:下端
21,22:通しダイアフラム
31,32:鉄骨柱
35:鉄骨梁
40:鉄骨梁(パネル側鉄骨梁)
41:ウェブ
42:上フランジ
43:下フランジ
45:継手端部
47:突合せ溶接部
48:隅肉溶接部
50:鉄骨梁(中央側鉄骨梁)
51:ウェブ
52:上フランジ
53:下フランジ
55:継手端部
57:突合せ溶接部
58:隅肉溶接部
60,60A:エンドプレート
61:ボルト孔
70:高力ボルト(インナーボルト、ボルト)
80:補強ブロック
80A:上補強ブロック
80B:下補強ブロック
81:ボルト孔
82:上小口面
83:下小口面
85:隙間
90,90A,90B,90C:梁継手構造
11,12,13:外周面
14:上端
15:下端
21,22:通しダイアフラム
31,32:鉄骨柱
35:鉄骨梁
40:鉄骨梁(パネル側鉄骨梁)
41:ウェブ
42:上フランジ
43:下フランジ
45:継手端部
47:突合せ溶接部
48:隅肉溶接部
50:鉄骨梁(中央側鉄骨梁)
51:ウェブ
52:上フランジ
53:下フランジ
55:継手端部
57:突合せ溶接部
58:隅肉溶接部
60,60A:エンドプレート
61:ボルト孔
70:高力ボルト(インナーボルト、ボルト)
80:補強ブロック
80A:上補強ブロック
80B:下補強ブロック
81:ボルト孔
82:上小口面
83:下小口面
85:隙間
90,90A,90B,90C:梁継手構造
Claims (5)
- 二つのH形鋼により形成される鉄骨梁の梁継手構造であって、
二つの前記鉄骨梁の継手端部にそれぞれ、ボルト孔が開設されているエンドプレートが固定されており、
二つの前記エンドプレートが当接され、対応する双方の前記ボルト孔にボルトが挿通されてボルト接合され、
二つの前記鉄骨梁のフランジ同士が、スプライスプレートを介して接合されていないことを特徴とする、梁継手構造。 - 相互に当接する二つの前記エンドプレートの両側に、ボルト孔が開設された補強ブロックが配設され、
双方の前記エンドプレートと双方の前記補強ブロックの対応する前記ボルト孔に対してボルトが挿通され、ボルト接合されていることを特徴とする、請求項1に記載の梁継手構造。 - 前記補強ブロックが、前記H形鋼の上フランジに当接する上補強ブロックと、下フランジに当接する下補強ブロックとを有し、該上補強ブロックと該下補強ブロックの間に隙間があることを特徴とする、請求項2に記載の梁継手構造。
- 前記エンドプレートに対して、前記鉄骨梁の上フランジと下フランジが突合せ溶接部を介して固定されており、
前記補強ブロックの小口面が前記上フランジの下面と前記下フランジの上面に配設されて、裏当て金に兼用されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の梁継手構造。 - 一方の前記鉄骨梁は、柱梁接合部パネルの側方から張り出していることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の梁継手構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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