JP2022145290A - 研削砥石のae信号検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】研削加工工具が高速回転となっても無線送信回路から出力されるAE信号におけるデータ欠損が発生することが抑制されるAE信号検出装置を提供する。【解決手段】AEセンサ24と、A/D変換器と、無線送信回路48とを研削砥石14と共に回転する電気回路収容ケース30に備え、受信回路を非回転部材に備える研削砥石14のAE信号検出装置10であって、無線送信回路48に含まれる送信モジュールは、送信モジュールにかかる遠心力が14N以下となる位置に配置されている。このため、送信モジュールに加えられる遠心力が抑制されるので、高速回転となっても送信モジュールから無線送信されるAE信号におけるデータ欠損の発生が抑制される。【選択図】図2
Description
本発明は、研削砥石の研削加工点から発生する弾性波を検出してAE信号を出力する研削砥石のAE信号検出装置に関するものである。
研削焼け、目詰まり、砥石の切れ味、砥石周面状態などの研削加工工具の研削面状態或いはドレッシング面状態を判定し或いは監視するために、研削加工工具として例えばセグメント形状の研削砥石がホイールコアの外周面に貼り付けられて成る研削ホイールを用いる場合には、研削砥石を構成する砥粒などの破砕に関連して研削面から放射される弾性波を検出してAE信号(Acoustic emission signal:周波数が比較的高い周波数例えば100kHz以上の超音波領域である振動波)を出力するAE信号検出装置が、知られている。例えば、特許文献1及び特許文献2に記載された研削砥石のAE信号検出装置がそれである。
特許文献1及び特許文献2には、研削ホイールにおいて発生する弾性波を検出してAE信号を出力するためにホイールコア内に設けられたAEセンサと、AEセンサから出力されたAE信号を無線信号に変換してアンテナから出力する無線送信回路とを備えるAE信号検出装置が研削ホイールと共に回転するホイールコア内に設けられ、そのデジタル化されたAE信号を周波数解析してビトリファイド研削ホイールの研削面状態を判定或いは評価することが記載されている。
ところで、研削ホイールの回転数が所定以上の高い回転となると、研削ホイールと共に回転するAE信号検出装置に遠心力が加えられ、無線送信回路から送信されるAE信号に例えばパケットロスと称されるデータ欠損が発生して不安定なAE信号となり、AE信号を用いた研削砥石ホイールの研削面状態の判定或いは評価を行うことができない場合があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、研削砥石が高速回転となっても無線送信回路から出力されるAE信号のデータ欠損の発生が抑制されるAE信号検出装置を提供することにある。
本発明者は、以上の事情を背景として種々検討を重ねた結果、AEセンサから出力されたAE信号を無線信号に変換してアンテナから出力する無線送信回路の装着位置を、研削加工工具の回転中心側へ移動させて回転中心から一定距離以内とすると、高速回転となっても無線送信回路から無線送信されるAE信号のデータ欠損の発生が抑制されることを見出した。本発明は、斯かる知見に基づいて為されたものである。
すなわち、第1発明の要旨とするところは、円環状の研削砥石に発生する弾性波を受けてAE信号を出力するAEセンサと、前記AE信号をアナログ信号からデジタル信号へデジタル変換するA/D変換器と、前記A/D変換器から出力されたデジタル変換された前記AE信号を無線で送信する無線送信回路とを前記研削砥石と共に回転する回転部材に備え、前記無線送信回路から無線で送信された前記AE信号を受信する受信回路を非回転部材に備える研削砥石のAE信号検出装置であって、前記無線送信回路に含まれる送信モジュールは、前記送信モジュールにかかる遠心力が14N以下となる位置に配置されていることにある。
第2発明の要旨とするところは、第1発明において、位置固定に設けられた給電コイルと、前記給電コイルに磁気結合された状態で前記回転部材に設けられた受電コイルとを有し、前記回転部材に備えられた定電圧電源回路に電力を供給する非接触給電装置を含むことにある。
第3発明の要旨とするところは、第2発明において、前記A/D変換器、前記無線送信回路、および前記定電圧電源回路は、共通の回路基板に一体的に装着された状態で、前記研削砥石を支持する回転軸の軸端から前記回転軸の回転中心線方向に離隔した状態で前記回転軸に固定具を介して固定された電気回路収容ケース内に収容されていることにある。
第4発明の要旨とするところは、第3発明において、前記給電コイルおよび前記受電コイルは、前記回転中心線に対して同軸に且つ前記回転中心線方向において所定の距離を隔てて相対向して配置されており、前記受電コイルは、前記電気回路収容ケースの前記回転軸側とは反対側に装着されていることにある。
第5発明の要旨とするところは、第1発明から第4発明のうちのいずれか1の発明において、前記送信モジュールは、デジタル変換された前記AE信号を、アンテナを介して、無線LAN上においてUDPプロトコルを用いてパケット通信することにある。
第1発明の研削砥石のAE信号検出装置によれば、前記無線送信回路に含まれる送信モジュールは、前記送信モジュールにかかる遠心力が14N以下となる位置に配置されている。このため、送信モジュールに加えられる遠心力が抑制されるので、高速回転となっても無線送信回路から無線送信されるAE信号のデータ欠損の発生が抑制される。
第2発明の研削砥石のAE信号検出装置によれば、位置固定に設けられた給電コイルと、前記給電コイルに磁気結合された状態で前記回転部材に設けられた受電コイルとを有し、前記回転部材に備えられた定電圧電源回路に電力を供給する非接触給電装置を含む。これにより、研削砥石と共に回転する回転部材に、形状の大きな蓄電池を搭載することが不要となる。
第3発明の研削砥石のAE信号検出装置によれば、前記A/D変換器、前記無線送信回路、および前記定電圧電源回路は、共通の回路基板に一体的に装着された状態で、前記研削砥石を支持する回転軸の軸端から前記回転軸の回転中心線方向に離隔した状態で前記回転軸に固定具を介して固定された電気回路収容ケース内に収容されている。これにより、電気回路収容ケースは、研削砥石を支持する回転軸の軸端から回転中心線方向に離隔した状態で回転軸に固定具を介して固定されていることから、送信モジュールを収容する電気回路収容ケースの内部空間が小径となり、送信モジュールを回転中心線に接近させることができる。
第4発明の研削砥石のAE信号検出装置によれば、前記給電コイルおよび前記受電コイルは、前記回転中心線に対して同軸に且つ前記回転中心線方向において所定の距離を隔てて相対向して配置されており、前記受電コイルは、前記電気回路収容ケースの前記回転軸側とは反対側に装着されている。これにより、非接触給電装置が小型となる。
第5発明の研削砥石のAE信号検出装置によれば、前記送信モジュールは、デジタル変換された前記AE信号を、アンテナを介して、無線LAN上においてUDPプロトコルを用いてパケット通信を行う。これにより、高速な無線データ送信を可能にする。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は発明に関連する要部を説明するものであり、寸法及び形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、研削中の研削砥石14に発生する弾性波を検出してAE信号を出力するAE信号検出装置10を備える研削加工装置12の構成を説明する図である。図1において、研削加工装置12には、溶融アルミナ系砥粒、炭化珪素系砥粒、セラミックス砥粒などの一般砥粒や、CBN砥粒、ダイヤモンド砥粒の超砥粒などの砥粒14aが、ビトリファイドボンド、メタルボンドなどの結合材14bにより結合された円環状の研削砥石14が用いられている。研削砥石14は、例えば、台金(ホイールコア)を備えない一体成形された円環状の一般砥石である。
図2は、研削砥石14の装着構造と、AE信号検出装置10の構成とを示している。図2に示すように、回転中心線C1まわりに回転駆動される研削加工装置12の回転軸16の軸端には、雄ねじ16bが形成されている。研削砥石14は、回転軸16の雄ねじ16bに螺合されたナット22により座金26及び移動フランジ20を介して締結されることで、回転軸16の軸端に装着された鉄製の固定フランジ18と移動フランジ20との間に挟圧された状態で装着される。固定フランジ18は、回転軸16の軸端部に形成されたテーパ部16aにテーパ嵌合された円筒部18bと、円筒部18bの一端から径方向(外周側)に突き出す円板部である固定フランジ部18aとを備えている。
移動フランジ20は、円筒部18bに回転中心線C1と同心に摺動可能に嵌合される貫通穴20aと、研削砥石14に密接する円板部である移動フランジ部20bと、を備えている。回転軸16の雄ねじ16bにナット22が螺合されると、座金26を介して移動フランジ20が押圧されることにより、固定フランジ部18aと移動フランジ部20bとの間で研削砥石14が挟圧された状態で、固定される。研削砥石14は、例えば図1に示すように柱状の被削材Wの外周面を研削する。
移動フランジ20は、円筒状の外周壁20cと、その外周壁20cの一端を閉じて研削砥石14に密着させられる底壁20dと、外周壁20cと同心の円筒状の内周壁20eとを一体に有し、研削砥石14とは反対側に開口する円環状の収容空間20fが内部に形成されている。AEセンサ24は、収容空間20f内において、外周壁20cの内周面に固着され、研削砥石14の研削点から外周壁20cへ伝達された弾性波を検知する。移動フランジ20の収容空間20f内には送信回路、蓄電池等の電気回路部品が備えられていない。
AEセンサ24は、研削砥石14に含まれる砥粒14a等の破砕時に発生し且つ研削砥石14内を伝播する例えば20kHz以上の超音波領域の弾性振動域である極めて周波数の高い破砕振動(acoustic emission)を、研削砥石14に密着し移動フランジ20を通して検出し、その破砕振動を表すアナログの電気信号であるAE信号を出力する。AEセンサ24は、弾性波を検知する図示しない受信板を一端部に有し、受信板に受信された機械的振動をAE信号に変換して出力する機/電変換素子例えば圧電素子を備えている。
図2に示すように、ナット22は、研削砥石14に対して固定フランジ18とは反対側に位置している。ナット22の研削砥石14とは反対側には、複数本(本実施例では4本)の支持軸(固定具)28を介して回転部材である回転軸16に支持された有底円筒状の電気回路収容ケース30が、回転中心線C1と同心に設けられている。電気回路収容ケース30は、その径方向寸法が固定フランジ18及び移動フランジ20よりも充分に小径であり、移動フランジ20の内周壁20eの外周面よりも小径であって、ナット22と同等の外径を有している。
図3は、回転部材である電気回路収容ケース30の回転中心線C1に直交する断面を示し、図4は、電気回路収容ケース30の回転中心線C1を含む断面を示している。図4に示すように、電気回路収容ケース30は、円筒状の外周壁30aと外周壁30aの研削砥石14側の一端を閉じる底壁30bとを一体的に備えている。電気回路収容ケース30内には、定電圧電源回路42、プリアンプ44、A/D変換器46、及び送信回路48が、それらを支持する共通の回路基板36と共に収容されている。
回路基板36は、複数本のねじ38によって底壁30bに締結されている。また、プリアンプ44にはAEセンサ24から出力されたAE信号がリード線44aを介して入力され、プリアンプ44により増幅されたAE信号はA/D変換器46によりアナログ信号からデジタル信号に変換される。A/D変換器46によりデジタル化されたAE信号は送信回路48に入力されてアンテナ52から電波信号で送信される。定電圧電源回路42、プリアンプ44、A/D変換器46、及び送信回路48の間は、回路基板36に設けられた図示しない配線パターンにより適宜接続されている。
A/D変換器46は、高分解能を有し、例えば10μ秒(マイクロ秒)以下のサンプリング周期、好適には5μ秒以下のサンプリング周期、さらに好適には1μ秒以下のサンプリング周期で、AE信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器46のサンプリング周期は、短くなるほど(高速となるほど)、目こぼれ(砥粒破砕)に関連する後述の第1周波数帯B1と、砥粒と被削材との接触(擦れ)により生じる摩擦振動や弾性振動に関連する後述の第2周波数帯B2とが明確となる。なお、以下の実施例では、A/D変換器46のサンプリング周期として1μ秒が用いられている。
送信回路48には、送信モジュール50とアンテナ52とが備えられている。送信モジュール50は、送信モジュール50にかかる遠心力が14N以下となる位置に回路基板36上に配置されている。送信モジュール50は、無線LAN上においてUDP(User Datagram Protocol)として知られるプロトコルを用いて2400MHz程度の送信周波数でアンテナ52を介してデジタル信号であるAE信号をパケット通信するものである。送信モジュール50は、例えばIEEE802.11規格に準拠して構成されており、好適には、Wi-Fi(登録商標)通信モジュールが適用される。
電気回路収容ケース30の円筒状の外周壁30aには、アンテナ52から送信される電波を通過させるための開口30cが貫通して設けられている。開口30cには、好適には合成樹脂製或いは無機材料製等の電波を通過させる材質の図示しない蓋が嵌め入れられている。この開口30cの形成に替えて、外周壁30a全体が合成樹脂製とされてもよい。
図2に戻って、非回転部材である位置固定の固定アーム54の先端部には、給電コイル56と、商用電源から給電コイル56を駆動するための所定周波数の駆動電流へ変換して給電コイル56を駆動するコイル駆動回路58とが固定されている。受電コイル60は、電気回路収容ケース30の研削砥石14とは反対側に固定され、研削砥石14と共に回転可能とされている。受電コイル60と給電コイル56とは、回転中心線C1と同心であって回転中心線C1方向に僅かな間隙(所定の距離)G1を隔てて相対向状態となるように、電気回路収容ケース30と固定アーム54の先端部とにそれぞれ設けられて、磁気的に結合されている。
図3に示す定電圧電源回路42は、受電コイル60から供給された電力を定電圧電力に変換してプリアンプ44、A/D変換器46、送信回路48等に供給する。定電圧電源回路42、受電コイル60、コイル駆動回路58、及び給電コイル56は、本実施例の非接触給電装置62として機能している。
図1に戻って、研削加工装置12の図示しない制御箱(非回転部材)には、アンテナ52から無線で送信されたAE信号を受信するためのアンテナ66を有する受信回路68と、受信回路68において受信したAE信号を処理する演算制御装置72と、が備えられている。AE信号検出装置10は、非接触給電装置62と、アンテナ66を有する受信回路68と、AEセンサ24と、電気回路収容ケース30内の定電圧電源回路42、プリアンプ44、A/D変換器46、送信回路48、及び送信モジュール50とを含んでいる。
演算制御装置72は、CPU、ROM、RAM、インターフェースなどを含む電子制御装置すなわち所謂マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って入力信号を処理することにより、ドレッシング面状態を判定するための、研削面状態を表す数値、グラフ、或いは図形などを算出し、研削面状態表示装置としても機能する面状態表示装置70から出力させるとともに、後述する研削制御装置94へ送信する。
演算制御装置72は、周波数解析部74、研削面状態出力部76、及びドレッシング面状態出力部78を機能的に備えている。周波数解析部74は、被削材Wの研削加工中或いは研削砥石14のドレッシング中において、A/D変換器46から入力されたAE信号の周波数解析(FFT)を繰り返し行なって、信号パワーを示す縦軸と周波数を示す横軸との二次元座標において、周波数成分の大きさを示す種々の信号パワーを周波数毎にピーク波形で周波数軸(横軸)上に示す周波数スペクトルを生成する。
研削面状態出力部76は、被削材Wの研削加工中において、上記周波数スペクトルから、例えば32.5kHzを中心部に含む予め設定された第1周波数帯B1、例えば20から35kHzの第1周波数帯B1についての第1信号強度SP1、及び、例えば55kHzを中心部に含む予め設定された第2周波数帯B2、例えば40から60kHzの第2周波数帯B2についての第2信号強度SP2を、それぞれ算出する。それらの第1信号強度SP1及び第2信号強度SP2としては、瞬時値であってもよいが、目つぶれや目こぼれを安定的に把握するために、好適には、A/D変換器46のサンプリング周期よりも充分に長く設定された所定周期内例えば周波数解析周期内の積分値或いは移動平均値が用いられる。
また、ドレッシング面状態出力部78は、ドレッサ90を用いた研削砥石14のドレッシング中において、研削面状態出力部76と同様に、上記周波数スペクトルから、32.5kHzを中心部に含む予め設定された第1周波数帯B1、例えば25から35kHzの第1周波数帯B1についての第1信号強度SP1、及び、55kHzを中心部に含む予め設定された第2周波数帯B2、例えば40から60kHzの第2周波数帯B2についての第2信号強度SP2を、それぞれ算出する。それらの第1信号強度SP1及び第2信号強度SP2としては、瞬時値であってもよいが、目つぶれや目こぼれを安定的に把握するために、好適には、A/D変換器46のサンプリング周期よりも充分に長く設定された所定周期内例えば周波数解析周期内の積分値或いは移動平均値が用いられる。
研削面状態出力部76は、被削材Wの研削加工中において、或いは、ドレッシング面状態出力部78は研削砥石14のドレッシング中において、それぞれ、第1信号強度SP1及び第2信号強度SP2の少なくとも一方に基づいて、ドレッシング面状態評価値例えば信号強度の所定周期の積分値或いは移動平均値に関連する関連値(例えばレベル値)、或いは信号強度比SR(=SP1/SP2)或いはその関連値(例えばレベル値)を算出し、面状態表示装置70へ出力する。
これにより、第1信号強度SP1及び第2信号強度SP2の少なくとも一方、信号強度比SR、或いはそれらの関連値を、研削面状態評価値として、或いはドレッシング面状態評価値として面状態表示装置70に表示させる。なお、第1信号強度SP1及び第2信号強度SP2の一方を用いる場合には、研削面状態評価値或いはドレッシング面状態評価値は、第1信号強度SP1及び第2信号強度SP2の一方の信号強度値そのものであってもよいし、把握し易い指標値例えばレベル値に変換した値であってもよい。
図1に示すように、研削加工装置12は、研削砥石14が取り付けられた回転軸16を回転駆動する主軸駆動モータ82と、円柱状の被削材Wを回転駆動する被削材回転駆動モータ84と、研削砥石14を円柱状の被削材Wの外周面に押し当てるために被削材Wを径方向に移動させる被削材移動モータ86と、ドレッサ90を回転駆動するドレッサ駆動モータ88と、ドレッサ90をその回転中心線C1方向に送るドレッサ送りモータ92と、研削制御装置94とを備えている。
研削制御装置94は、演算制御装置72と同様のマイクロコンピュータから構成されており、研削自動制御部96及びドレッシング制御部98を機能的に備えている。研削自動制御部96は、研削開始指令信号を受けると、予め設定された動作で研削砥石14及び被削材Wをそれぞれ回転駆動しつつ相対移動させることで被削材Wを研削し、被削材Wの研削が完了すると被削材Wの回転を停止させるとともに原位置へ戻す。
研削自動制御部96は、被削材Wの研削加工の過程において、ドレッシング面状態出力部78から出力された実際の第1信号強度SP1、第2信号強度SP2、或いは信号強度比SR(=SP1/SP2)に基づいて、被削材Wに対する実際の評価値が示す研削面状態が予め設定された目標評価値が示す研削面状態となるように、主軸駆動モータ82、被削材回転駆動モータ84、及び被削材移動モータ86を自動制御する。例えば、研削自動制御部96は、目標信号強度比SRTを目つぶれ及び目こぼれのバランスのよい値に設定し、ドレッシング面状態出力部78からリアルタイムで逐次出力される実際の信号強度比SRが例えば0.55程度に予め設定された目標信号強度比SRTと一致するように、研削条件を自動調節する。
本発明者等は、送信モジュール50を含む送信回路48から送信される電波に含まれるAE信号を表すデータの欠落(例えばパケットロス)と、送信モジュール50の取付位置(回転中心線C1からの距離)との関係を、以下のように解析した。
まず、図5に示すように、回転中心線C1からの距離が50mm、70mm、130mmである3つの異なる位置に送信モジュール50を埋込み状態で保持可能な通信装置埋込板MBを作成し、図2の電気回路収容ケース30と同様の位置となるように、通信装置埋込板MBを回転軸16の端面に4本のボルトBTを介して回転中心線C1と同心に固定した。
次いで、主軸駆動モータ82によって回転中心線C1まわりに主軸である回転軸16を、研削砥石14の研削加工時と同じ回転数すなわち3773rpmで回転駆動したとき、送信モジュール50を含む送信回路48から送信された電波に含まれるAE信号のデータ欠損率を、送信モジュール50の回転中心線C1からの距離が50mmである場合、70mmである場合、130mmである場合についてそれぞれ測定した。ここで、送信モジュール50の回転中心線C1からの距離とは、送信モジュール50の中心と、回転中心線C1との間の距離である。また、送信モジュール50の重量は1.75gであった。
上記のデータ欠損率は、サンプリング周期1μ秒で12bitの分解能にてA/D変換された振動データを60秒間測定した際の理論データ総数から、実際に受信したデータを差し引いた分をデータ欠損数とした割合として測定した。
図6は、データ欠損率の測定結果を示すグラフである。図6において、通信装置埋込板MBが回転停止状態である場合、すなわち送信モジュール50にかかる遠心力が0Nの時のデータ欠損率は0%であった。また、送信モジュール50の回転中心線C1からの距離が50mmである場合には、すなわち送信モジュール50にかかる遠心力が14Nの時のデータ欠損率は0%であった。しかし、送信モジュール50の回転中心線C1からの距離が70mmである場合、すなわち送信モジュール50にかかる遠心力が19Nの時のデータ欠損率は62.3%であった。また、送信モジュール50の回転中心線C1からの距離が130mmである場合、すなわち送信モジュール50にかかる遠心力が36Nの時のデータ欠損率は63.0%であった。このように、研削砥石14の回転中心線C1から50mm以下の範囲、すなわち、送信モジュール50にかかる遠心力が14N以下であれば、0%のデータ欠損率が得られた。
上述のように、本実施例の研削砥石14のAE信号検出装置10によれば、円環状の研削砥石14に発生する弾性波を受けてAE信号を出力するAEセンサ24と、AE信号をアナログ信号からデジタル信号へデジタル変換するA/D変換器46と、A/D変換器46から出力されたデジタル変換されたAE信号を無線で送信する送信回路(無線送信回路)48とを研削砥石14と共に回転する電気回路収容ケース(回転部材)30に備え、送信回路48から無線で送信されたAE信号を受信する受信回路68を非回転部材である制御箱に備える研削砥石のAE信号検出装置10であって、送信回路48に含まれる送信モジュール50は、前記送信モジュールにかかる遠心力が14N以下となる位置に配置されている。このため、送信モジュール50に加えられる遠心力が抑制されるので、高速回転となっても送信モジュール50を含む送信回路48から無線送信されるAE信号におけるデータ欠損の発生が抑制される。
また、本実施例のAE信号検出装置10によれば、回転軸16と共に回転する回転部材である電気回路収容ケース30内に備えられ、送信モジュール50を含む送信回路48へ電力を供給する定電圧電源回路42と、位置固定の電気回路収容ケース30に設けられた給電コイル56と給電コイル56に磁気結合された受電コイル60とを有し、定電圧電源回路42に電力を供給する非接触給電装置62と、を含む。これにより、研削砥石14と共に回転する電気回路収容ケース30に、形状の大きな蓄電池を搭載することが不要となる。
また、本実施例のAE信号検出装置によれば、A/D変換器46、送信モジュール50を含む送信回路48、及び定電圧電源回路42は、共通の回路基板36に一体的に装着された状態で、研削砥石14を支持する回転軸16の軸端から回転中心線C1方向に離隔した状態で回転軸16に支持軸(固定具)28を介して固定された電気回路収容ケース30内に収容されている。これにより、電気回路収容ケース30は、研削砥石14を支持する回転軸16の軸端から回転中心線C1方向に離隔した状態で回転軸16に支持軸28を介して固定されていることから、送信モジュール50を収容する電気回路収容ケース30の内部空間が小径となり、送信モジュール50を回転中心線C1に接近させることができる。
また、本実施例のAE信号検出装置10によれば、給電コイル56及び受電コイル60は、回転中心線C1に対して同軸に且つ回転中心線C1方向において所定の距離G1を隔てて相対向して配置されており、受電コイル60は、電気回路収容ケース30の回転軸16側とは反対側に装着されている。これにより、非接触給電装置62が小型となる。
また、本実施例のAE信号検出装置10によれば、送信モジュール50は、デジタル変換されたAE信号を、アンテナ52を介して、無線LAN上においてUDPプロトコルを用いてパケット通信するものである。これにより、高速な無線データ送信を可能にする。
以上、本発明の一実施例を図面を用いて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、AEセンサ24が移動フランジ20に設けられていたが、固定フランジ18に設けられていてもよい。また、研削砥石14に替えて、台金の外周面に複数個のセグメント砥石が貼り着けられて成る研削ホイールが用いられる場合には、AEセンサ24は台金に設けられてもよい。また、送信回路48にアンテナ52が備えられていたが、図7に示すように、送信回路48に含まれる送信モジュール50にアンテナ52が備えられていてもよい。
また、前述の実施例では、非接触給電装置62が電気回路収容ケース30内に設けられた定電圧電源回路42の元電源として用いられていたが、非接触給電装置62に替えて、蓄電池が電気回路収容ケース30内に設けられていてもよい。
また、前述の実施例では、磁気的に結合された給電コイル56及び受電コイル60を備えた非接触給電装置62が用いられていたが、投光装置からの光を受けて発電する太陽電池セルを備えた非接触給電装置や、マイクロ波を受けて発電するアンテナ装置を備えた非接触給電装置等が用いられてもよい。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々の変更が加えられ得るものである。
10:AE信号検出装置
14:研削砥石
16:回転軸(回転部材)
24:AEセンサ
28:支持軸(固定具)
30:電気回路収容ケース(回転部材)
36:回路基板
42:定電圧電源回路
48:送信回路(無線送信回路)
50:送信モジュール
52:アンテナ
56:給電コイル
60:受電コイル
62:非接触給電装置
68:受信回路
C1:回転中心線
14:研削砥石
16:回転軸(回転部材)
24:AEセンサ
28:支持軸(固定具)
30:電気回路収容ケース(回転部材)
36:回路基板
42:定電圧電源回路
48:送信回路(無線送信回路)
50:送信モジュール
52:アンテナ
56:給電コイル
60:受電コイル
62:非接触給電装置
68:受信回路
C1:回転中心線
Claims (5)
- 円環状の研削砥石に発生する弾性波を受けてAE信号を出力するAEセンサと、前記AE信号をアナログ信号からデジタル信号へデジタル変換するA/D変換器と、前記A/D変換器から出力されたデジタル変換された前記AE信号を無線で送信する無線送信回路と、を前記研削砥石と共に回転する回転部材に備え、前記無線送信回路から無線で送信された前記AE信号を受信する受信回路を非回転部材に備える研削砥石のAE信号検出装置であって、
前記無線送信回路に含まれる送信モジュールは、前記送信モジュールにかかる遠心力が14N以下となる位置に配置されている
ことを特徴とする研削砥石のAE信号検出装置。 - 位置固定に設けられた給電コイルと、前記給電コイルに磁気結合された状態で前記回転部材に設けられた受電コイルとを有し、前記回転部材に備えられた定電圧電源回路に電力を供給する非接触給電装置を含む
ことを特徴とする請求項1の研削砥石のAE信号検出装置。 - 前記A/D変換器、前記無線送信回路、および前記定電圧電源回路は、共通の回路基板に一体的に装着された状態で、前記研削砥石を支持する回転軸の軸端から前記回転軸の回転中心線方向に離隔した状態で前記回転軸に固定具を介して固定された電気回路収容ケース内に収容されている
ことを特徴とする請求項2の研削砥石のAE信号検出装置。 - 前記給電コイルおよび前記受電コイルは、前記回転中心線に対して同軸に且つ前記回転中心線方向において所定の距離を隔てて相対向して配置されており、前記受電コイルは、前記電気回路収容ケースの前記回転軸側とは反対側に装着されている
ことを特徴とする請求項3の研削砥石のAE信号検出装置。 - 前記送信モジュールは、デジタル変換された前記AE信号を、アンテナを介して、無線LAN上においてUDPプロトコルを用いてパケット通信するものである
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1の研削砥石のAE信号検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021046638A JP2022145290A (ja) | 2021-03-19 | 2021-03-19 | 研削砥石のae信号検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021046638A JP2022145290A (ja) | 2021-03-19 | 2021-03-19 | 研削砥石のae信号検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022145290A true JP2022145290A (ja) | 2022-10-03 |
Family
ID=83454679
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021046638A Pending JP2022145290A (ja) | 2021-03-19 | 2021-03-19 | 研削砥石のae信号検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022145290A (ja) |
-
2021
- 2021-03-19 JP JP2021046638A patent/JP2022145290A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
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