以下に、一つの実施形態について、図1ないし図7を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素および当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素およびその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
図1は、本実施形態の冷房運転時の空気調和機10を概略的に示す冷媒系統図である。空気調和機10は、例えば、家庭用のエアコンディショナである。なお、空気調和機10は、この例に限られず、業務用のエアコンディショナのような他の空気調和機であっても良い。
図1に示すように、空気調和機10は、室外機11と、室内機12と、冷媒配管13と、制御装置14とを有する。室外機11は、例えば、屋外に配置される。室内機12は、例えば、屋内に配置される。
空気調和機10は、室外機11と室内機12とが冷媒配管13により接続された冷凍サイクルを備える。室外機11と室内機12との間で、冷媒配管13を通り、冷媒が流れる。また、室外機11と室内機12とは、例えば、電気配線により互いに電気的に接続される。
室外機11は、室外熱交換器21と、室外送風ファン22と、圧縮機23と、アキュムレータ24と、四方弁25と、第1の膨張弁31と、第2の膨張弁32と、切替弁33と、第1の逆止弁34と、第2の逆止弁35とを有する。室内機12は、室内熱交換器41と、室内送風ファン42とを有する。
冷媒配管13は、例えば、銅またはアルミニウムのような金属で作られた管である。冷媒配管13は、第1の配管51と、第2の配管52と、第3の配管53とを有する。第1の配管51は、室内熱交換器41と室外熱交換器21とを接続する。圧縮機23、アキュムレータ24、四方弁25、第2の膨張弁32、切替弁33、および第1の逆止弁34は、第1の配管51に設けられる。第2の配管52は、室外熱交換器21と室内熱交換器41とを接続する。第1の膨張弁31は、第2の配管52に設けられる。第3の配管53は、第1の配管51に接続される。第2の逆止弁35は、第3の配管53に設けられる。
冷房運転において、冷媒は、第1の配管51を通って室内熱交換器41から室外熱交換器21へ流れ、第2の配管52を通って室外熱交換器21から室内熱交換器41へ流れる。図1の矢印は、冷房運転時における冷媒の流れを示す。
図2は、本実施形態の暖房運転時および除菌運転時の空気調和機10を概略的に示す冷媒系統図である。図2に示すように、暖房運転において、冷媒は、第1の配管51を通って室外熱交換器21から室内熱交換器41へ流れ、第2の配管52を通って室内熱交換器41から室外熱交換器21へ流れる。図2の矢印は、暖房運転時における冷媒の流れを示す。除菌運転において冷媒の流れる経路は、暖房運転において冷媒の流れる経路と同じである。
室外機11の室外熱交換器21は、冷媒の流れる方向に応じて、蒸発器として冷媒の吸熱を行い、または凝縮器として冷媒の放熱を行う。室外送風ファン22は、室外熱交換器21に向かって送風し、室外熱交換器21における冷媒と空気との熱交換を促進する。言い換えると、室外送風ファン22は、室外熱交換器21と熱交換する気流を生成する。
圧縮機23は、吸入口23aと吐出口23bとを有する。圧縮機23は、吸入口23aから冷媒を吸入し、圧縮した冷媒を吐出口23bから吐出する。これにより、圧縮機23は、冷凍サイクルにおいて冷媒を圧縮するとともに、冷媒の循環を生じさせる。
アキュムレータ24は、圧縮機23の吸入口23aに接続される。アキュムレータ24は、気体状の冷媒と液体状の冷媒とを分離する。これにより、圧縮機23は、アキュムレータ24を通過した気体状の冷媒を吸入口23aから吸入することができる。アキュムレータ24は、圧縮機23と一体に構成されることで、圧縮機23の吸入口となることができる。
四方弁25は、室外熱交換器21と、室内熱交換器41と、圧縮機23の吐出口23bと、アキュムレータ24(圧縮機23の吸入口23a)とに接続される。四方弁25は、暖房運転時と冷房運転時とで、室外熱交換器21、室内熱交換器41、圧縮機23の吐出口23b、およびアキュムレータ24のそれぞれに接続される流路を切り替え、冷媒が流れる方向を変更する。
図1に示すように、冷房運転時において、四方弁25は、室外熱交換器21と圧縮機23の吐出口23bとを接続する。さらに、冷房運転時において、四方弁25は、室内熱交換器41とアキュムレータ24とを接続する。これにより、圧縮機23で圧縮された冷媒が室外熱交換器21へ流れ、室内熱交換器41で蒸発した冷媒がアキュムレータ24へ流れる。
図2に示すように、暖房運転時において、四方弁25は、室外熱交換器21とアキュムレータ24とを接続する。さらに、暖房運転時において、四方弁25は、室内熱交換器41と圧縮機23の吐出口23bとを接続する。これにより、圧縮機23で圧縮された冷媒が室内熱交換器41へ流れ、室外熱交換器21で蒸発した冷媒がアキュムレータ24へ流れる。
第1の膨張弁31および第2の膨張弁32は、例えば、電磁膨張弁である。なお、第1の膨張弁31および第2の膨張弁32は、他の膨張弁であっても良い。第1の膨張弁31および第2の膨張弁32は、開度を制御されることで、通過する冷媒の量を調節する。
室内機12の室内熱交換器41は、冷媒の流れる方向に応じて、蒸発器として吸熱し、または凝縮器として放熱する。室内送風ファン42は、室内熱交換器41に向かって送風し、室内熱交換器41と空気との熱交換を促進する。言い換えると、室内送風ファン42は、室内熱交換器41と熱交換する気流を生成する。
以上のように各要素が配置された空気調和機10において、第1の配管51は、第1の領域51aと、第2の領域51bと、第3の領域51cと、第4の領域51dとを有する。第1の領域51aは、室内熱交換器41と四方弁25との間における第1の配管51の一部である。第2の領域51bは、四方弁25とアキュムレータ24との間における第1の配管51の一部である。第3の領域51cは、圧縮機23の吐出口23bと四方弁25との間における第1の配管51の一部である。第4の領域51dは、四方弁25と室外熱交換器21との間における第1の配管51の一部である。
第2の配管52は、第5の領域52aと、第6の領域52bとを有する。第5の領域52aは、室外熱交換器21と第1の膨張弁31との間における第2の配管52の一部である。第6の領域52bは、第1の膨張弁31と室内熱交換器41との間における第2の配管52の一部である。
第2の膨張弁32は、第1の配管51の第2の領域51bに設けられる。言い換えると、第2の膨張弁32は、四方弁25と圧縮機23の吸入口23aとの間で、第1の配管51に設けられる。
切替弁33は、例えば、三方弁である。なお、切替弁33は、四方弁のような、冷媒が流れる方向を変更可能な他の切替弁であっても良い。切替弁33は、第2の膨張弁32と圧縮機23の吸入口23aとの間で、第1の配管51の第2の領域51bに設けられる。このため、第2の膨張弁32は、四方弁25と切替弁33との間で、第1の配管51の第2の領域51bに設けられる。
第3の配管53は、第1の配管51の第2の領域51bに接続される。第3の配管53の第1の端部53aは、切替弁33に接続される。すなわち、切替弁33は、第3の配管53の第1の端部53aと第1の配管51との接続部分に設けられる。第3の配管53の第2の端部53bは、切替弁33と圧縮機23の吸入口23aとの間で、第1の配管51に接続される。第1の端部53aは、第3の配管53の一方の端部の一例である。第2の端部53bは、第3の配管53の他方の端部の一例である。
切替弁33は、四方弁25、圧縮機23の吸入口23a、および第3の配管53のそれぞれに接続される流路を切り替え、冷媒が流れる方向を変更する。すなわち、切替弁33は、四方弁25から圧縮機23の吸入口23aへ向かって流れる冷媒を、第3の配管53を経由して圧縮機23の吸入口23aへ流すことができる。
第1の逆止弁34は、切替弁33と、第3の配管53の第2の端部53bとの間で第1の配管51に設けられる。第1の逆止弁34は、切替弁33から圧縮機23の吸入口23aへ向かう方向へ流れる冷媒を通過させる。一方、第1の逆止弁34は、圧縮機23の吸入口23aから切替弁33へ向かう方向へ流れる冷媒を遮断する。
第2の逆止弁35は、切替弁33と第3の配管53の第2の端部53bとの間で第3の配管53に設けられる。第2の逆止弁35は、切替弁33から圧縮機23の吸入口23aへ向かう方向へ流れる冷媒を通過させる。一方、第2の逆止弁35は、圧縮機23の吸入口23aから切替弁33へ向かう方向へ流れる冷媒を遮断する。
本実施形態の室外機11は、第1の蓄熱材61と、第2の蓄熱材62と、第3の蓄熱材63と、温度センサ71A~71Nと、人感センサ72とをさらに有する。第1の蓄熱材61は、蓄熱材の一例である。第2の蓄熱材62は、伝熱部の一例である。温度センサ71Gは、蓄熱材温度センサの一例である。人感センサ72は、人検出センサの一例である。
第1の蓄熱材61、第2の蓄熱材62、および第3の蓄熱材63は、例えば、ブロック状の容器に充填された潜熱蓄熱材を有する。潜熱蓄熱材は、例えば、塩化カルシウムである。第1の蓄熱材61、第2の蓄熱材62、および第3の蓄熱材63は、他の潜熱蓄熱材を有しても良い。本実施形態における第1の蓄熱材61、第2の蓄熱材62、および第3の蓄熱材63は、例えば、約10℃ないし約100℃の温度帯で使用可能な蓄熱材である。
第1の蓄熱材61、第2の蓄熱材62、および第3の蓄熱材63は、上述の例に限られず、例えば、顕熱蓄熱材のような他の蓄熱材であっても良いし、他の温度帯で使用可能な蓄熱材であっても良い。また、第1の蓄熱材61、第2の蓄熱材62、および第3の蓄熱材63は、互いに異なる蓄熱材であっても良い。さらに、第2の蓄熱材62に変えて、第2の配管52の第6の領域52bと第3の配管53との間で熱交換可能な構成を採用することもできる。また、第3の蓄熱材63に変えて、第1の配管51の第2の領域51bと第2の配管52の第5の領域52aとの間で熱交換可能な構成を採用することもできる。
第1の蓄熱材61は、室内熱交換器41と四方弁25との間で、第1の配管51の第1の領域51aに熱的に接続される。例えば、第1の配管51の第1の領域51aは、第1の蓄熱材61を貫通する。なお、第1の蓄熱材61は、四方弁25と圧縮機23の吐出口23bとの間で第1の配管51に熱的に接続されてもよい。
第1の蓄熱材61は、第1の領域51aのそれぞれよりも、蓄積可能な熱量(蓄熱容量)が大きい。また、第1の領域51aは、金属で作られており、第1の蓄熱材61の潜熱蓄熱材に密着する。このため、第1の領域51aと、第1の蓄熱材61の潜熱蓄熱材との間で、熱伝導が生じやすい。
第2の蓄熱材62は、第3の配管53に熱的に接続される。本実施形態では、第2の蓄熱材62は、切替弁33と第2の逆止弁35との間で、第3の配管53に熱的に接続される。
さらに、第2の蓄熱材62は、室内熱交換器41と第1の膨張弁31との間で第2の配管52の第6の領域52bに熱的に接続される。例えば、第6の領域52bおよび第3の配管53は、互いに離間するとともに、第2の蓄熱材62を貫通する。このため、第2の蓄熱材62は、第6の領域52bと第3の配管53とを互いに熱的に接続させる。このような構成の第2の蓄熱材62では、第6の領域52b内の冷媒と第3の配管53内の冷媒との間で熱交換が行われる。
第2の蓄熱材62は、第3の配管53および第6の領域52bのそれぞれよりも、蓄熱容量が大きい。また、第3の配管53および第6の領域52bは、金属で作られており、第2の蓄熱材62の潜熱蓄熱材に密着する。このため、第3の配管53および第6の領域52bと、第2の蓄熱材62の潜熱蓄熱材との間で、熱伝導が生じやすい。
第3の蓄熱材63は、第2の膨張弁32と圧縮機23の吸入口23aとの間で第1の配管51の第2の領域51bに熱的に接続される。本実施形態では、第3の蓄熱材63は、切替弁33と第1の逆止弁34との間で、第1の配管51に熱的に接続される。このため、第3の配管53の第1の端部53aは、第2の膨張弁32と第3の蓄熱材63との間で第1の配管51に接続されている。さらに、第3の配管53の第2の端部53bは、第3の蓄熱材63と圧縮機23の吸入口23aとの間で第1の配管51に接続されている。
さらに、第3の蓄熱材63は、室外熱交換器21と第1の膨張弁31との間で第2の配管52の第5の領域52aに熱的に接続される。例えば、第1の配管51および第2の配管52は、互いに離間するとともに、第3の蓄熱材63を貫通する。このため、第3の蓄熱材63は、第1の配管51と第2の配管52とを互いに熱的に接続させる。このような構成の第3の蓄熱材63では、第1の配管51内の冷媒と第2の配管52内の冷媒との間で熱交換が行われる。
第3の蓄熱材63は、第2の領域51bおよび第5の領域52aのそれぞれよりも、蓄熱容量が大きい。また、第2の領域51bおよび第5の領域52aは、金属で作られており、第3の蓄熱材63の潜熱蓄熱材に密着する。このため、第2の領域51bおよび第5の領域52aと、第3の蓄熱材63の潜熱蓄熱材との間で、熱伝導が生じやすい。
第1の蓄熱材61は、第2の蓄熱材62、および第3の蓄熱材63のそれぞれよりも、潜熱蓄熱材の体積が大きく、且つ蓄熱容量が大きい。第3の蓄熱材63と第2の蓄熱材62とは、潜熱蓄熱材の体積および蓄熱容量が略同一である。なお、第3の蓄熱材63と第2の蓄熱材62との潜熱蓄熱材の体積および蓄熱容量が互いに異なっても良い。
温度センサ71Aは、例えば、室外機11の筐体中に配置される。温度センサ71Aは、室外機11が配置された屋外の環境の外気温を検出する。
温度センサ71Bは、室外熱交換器21に設けられる。温度センサ71Bは、室外熱交換器21を流れる冷媒の温度を検出する。例えば、温度センサ71Bは、室外熱交換器21を流れる冷媒の飽和温度が取得可能な位置に配置される。
温度センサ71Cは、例えば、室内機12の筐体中に配置される。温度センサ71Cは、室内機12が配置された室内の温度(室温)を検出する。
温度センサ71Dは、室内機12において室内熱交換器41に対して四方弁25側に設けられ、室内熱交換器41に対する四方弁25側の冷媒の温度を検出する。温度センサ71Eは、室内熱交換器41に設けられる。温度センサ71Eは、室内熱交換器41を流れる冷媒の温度を検出する。温度センサ71Fは、室内機12において室内熱交換器41に対して第1の膨張弁31側に設けられ、室内熱交換器41に対する第1の膨張弁31側の冷媒の温度を検出する。例えば、温度センサ71D~71Fは、冷媒の飽和温度が取得可能な位置に配置される。
温度センサ71Gは、第1の蓄熱材61に設けられる。温度センサ71Gは、第1の蓄熱材61の温度を検出する。温度センサ71Hは、アキュムレータ24の近傍において、第1の配管51の第2の領域51bに設けられる。温度センサ71Hは、アキュムレータ24の近傍において、第2の領域51bを流れる冷媒の温度を検出する。温度センサ71Iは、圧縮機23の吐出口23bの近傍において、圧縮機23の吐出口23bと四方弁25との間の第1の配管51の第3の領域51cに設けられる。温度センサ71Iは、圧縮機23の吐出口23bの近傍において、第3の領域51cを流れる冷媒の温度を検出する。
温度センサ71Jは、室内熱交換器41と第2の蓄熱材62との間、且つ第2の蓄熱材62の近傍において、第2の配管52の第6の領域52bに設けられる。温度センサ71Jは、第2の蓄熱材62の近傍において、第6の領域52bを流れる冷媒の温度を検出する。温度センサ71Kは、第2の蓄熱材62と第1の膨張弁31との間において、第2の配管52の第6の領域52bに設けられる。温度センサ71Jは、第2の蓄熱材62の近傍において、第6の領域52bを流れる冷媒の温度を検出する。温度センサ71Lは、第1の膨張弁31と第3の蓄熱材63との間において、第2の配管52の第5の領域52aに設けられる。温度センサ71Lは、第3の蓄熱材63の近傍において、第5の領域52aを流れる冷媒の温度を検出する。
温度センサ71Mは、切替弁33と第2の蓄熱材62との間、且つ第2の蓄熱材62の近傍において、第3の配管53に設けられる。温度センサ71Mは、第2の蓄熱材62の近傍において、第3の配管53を流れる冷媒の温度を検出する。温度センサ71Nは、第2の蓄熱材62と第2の逆止弁35との間、且つ第2の蓄熱材62の近傍において、第3の配管53に設けられる。温度センサ71Nは、第2の蓄熱材62の近傍において、第3の配管53を流れる冷媒の温度を検出する。
人感センサ72は、室内機12に設けられる。人感センサ72は、室内機12が設置される室内の人間(動物)を検出する。
制御装置14は、例えば、室外制御装置14aと、室内制御装置14bとを有する。室外制御装置14aと室内制御装置14bとは、互いに電気配線により電気的に接続される。室外制御装置14aおよび室内制御装置14bのうち少なくとも一方は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはマイクロコントローラのような制御装置と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、フラッシュメモリのような記憶装置とを有するコンピュータである。なお、制御装置14は、この例に限られない。例えば、制御装置14は、室外制御装置14aおよび室内制御装置14bのうち一方のみを有しても良い。
室外制御装置14aは、室外機11の室外送風ファン22、圧縮機23、四方弁25、第1の膨張弁31、第2の膨張弁32、および切替弁33を制御する。室内制御装置14bは、室内機12の室内送風ファン42を制御する。
制御装置14が室外機11および室内機12を制御することで、空気調和機10は、冷房運転、暖房運転、除菌運転、および他の運転を行う。室内制御装置14bは、例えば、リモートコントローラから信号を入力されても良いし、通信装置を通じてスマートフォンのような情報端末から信号を入力されても良い。
図3は、本実施形態の空気調和機10の構成を機能的に示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態の空気調和機10は、室外ファン駆動回路81と、室内ファン駆動回路82と、インバータ回路83と、四方弁駆動回路84と、第1の膨張弁駆動回路85と、第2の膨張弁駆動回路86と、切替弁駆動回路87とをさらに有する。
室外ファン駆動回路81は、室外送風ファン22の駆動回路である。室内ファン駆動回路82は、室内送風ファン42の駆動回路である。インバータ回路83は、圧縮機23をインバータ制御し、圧縮機23の周波数を変更する。インバータ回路83は、例えば、PAM(Pulse Amplitude Modulation)方式のインバータ回路である。なお、インバータ回路83は、この例に限られない。
四方弁駆動回路84は、四方弁25の駆動回路である。第1の膨張弁駆動回路85は、第1の膨張弁31の駆動回路である。第2の膨張弁駆動回路86は、第2の膨張弁32の駆動回路である。切替弁駆動回路87は、切替弁33の駆動回路である。
制御装置14は、温度センサ71A~71Nと、人感センサ72と、室外ファン駆動回路81と、室内ファン駆動回路82と、インバータ回路83と、四方弁駆動回路84と、第1の膨張弁駆動回路85と、第2の膨張弁駆動回路86と、切替弁駆動回路87とに接続される。制御装置14は、温度取得部91と、運転切替部92と、室外ファン制御部93と、室内ファン制御部94と、圧縮機制御部95と、弁制御部96とを備える。
温度取得部91は、温度センサ71A~72Nを用いて、外気温、冷媒の温度、および第1の蓄熱材61の温度を取得する。例えば、温度取得部91は、温度センサ71A~71Nの出力信号から、外気温、冷媒の温度、および第1の蓄熱材61の温度を算出する。
運転切替部92は、空気調和機10における冷房運転と、暖房運転と、除菌運転とを切り替える。なお、運転切替部92は、空気調和機10の運転を他の運転方式に切り替えても良い。運転切替部92には、人感センサ72が接続されている。
室外ファン制御部93は、室外送風ファン22を制御する。例えば、室外ファン制御部93は、室外ファン駆動回路81を制御することで、室外送風ファン22のモータの回転数を制御する。
室内ファン制御部94は、室内送風ファン42を制御する。例えば、室内ファン制御部94は、室内ファン駆動回路82を制御することで、室内送風ファン42のモータの回転数を制御する。
圧縮機制御部95は、圧縮機23を制御する。例えば、圧縮機制御部95は、インバータ回路83を制御することで、インバータ制御により圧縮機23の周波数(運転周波数)を制御する。
弁制御部96は、四方弁25、第1の膨張弁31、第2の膨張弁32、および切替弁33を制御する。弁制御部96は、四方弁駆動回路84を制御することで、四方弁25のアクチュエータを駆動し、四方弁25に冷媒が流れる方向を変更させる。弁制御部96は、第1の膨張弁駆動回路85および第2の膨張弁駆動回路86を制御することで、第1の膨張弁31および第2の膨張弁32の開度を変更させる。さらに、弁制御部96は、切替弁駆動回路87を制御することで、切替弁33に冷媒が流れる方向を変更させる。
以下に、本実施形態の空気調和機10の冷房運転、除菌運転、および暖房運転について説明する。なお、空気調和機10は、冷房運転、除菌運転、および暖房運転に限らず、除湿運転および除霜運転のような他の運転を行うことができる。また、空気調和機10の冷房運転、除菌運転、および暖房運転は、以下に説明される例に限られない。
まずは、冷房運転について説明する。例えば、空気調和機10の起動と冷房運転の開始が同時である場合、室外送風ファン22、圧縮機23、および室内送風ファン42は停止している。この場合、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、および圧縮機制御部95は、冷房運転の開始時に、室外送風ファン22、圧縮機23、および室内送風ファン42を起動する。
冷房運転中において、室外ファン制御部93は、室外送風ファン22の回転数を調整する。室内ファン制御部94は、室内送風ファン42の回転数を調整する。圧縮機制御部95は、圧縮機23の周波数を調整する。例えば、室内ファン制御部94は、室内機12が設置された室内の気温またはリモートコントローラから入力された信号に応じて、室内送風ファン42を弱風(低速)運転ないし強風(高速)運転の間で制御する。
冷房運転が開始されると、弁制御部96が四方弁駆動回路84および切替弁駆動回路87を制御し、四方弁25および切替弁33に冷媒が流れる方向を変更させる。これにより、室外熱交換器21と圧縮機23の吐出口23bとが接続されるとともに、室内熱交換器41とアキュムレータ24(圧縮機23の吸入口23a)とが接続される。すなわち、制御装置14は、圧縮機23の吐出口23bから室外熱交換器21へ冷媒が流れるように四方弁25を制御する冷房運転を実行する。さらに、第2の膨張弁32と圧縮機23の吸入口23aとが、第3の蓄熱材63を経由して接続される。
次に、冷房運転時の除菌運転制御について図4を参照して説明する。図4は、実施形態の空気調和機10の冷房運転時の除菌運転制御の一例を示すフローチャートである。除菌運転は、室内機12から規定の除菌温度(例えば、56℃)の温風を規定時間(例えば、30分)だけ送風して、室内の壁や机、床等を除菌(殺菌)する運転である。例えば、56℃の温風で所定の空間(室内や車内)を所定時間の間加熱することにより、所定の空間の所定のウイルス(例えば、COVID-19)を殺菌できることは公知である。なお、除菌温度は、56℃以外であってもよい。除菌運転は、殺菌運転とも称される。
運転切替部92は、除菌運転を開始する条件の一つである第1の除菌運転条件が成立したかを判定する(S11)。第1の除菌運転条件は、例えば、人感センサ72が人間を検出しないことである。なお、第1の除菌運転条件は、上記に限定されない。例えば、第1の除菌運転条件は、リモートコントローラに対して所定の操作がされてから規定時間後が経過し且つ人感センサ72が人間を検出しないことであってもよい。運転切替部92は、第1の除菌運転条件が成立していないと判定した場合(S11:No)、繰り返し第1の除菌運転条件が成立したかを判定する(S11)。
運転切替部92は、第1の除菌運転条件が成立したと判定した場合(S11:Yes)、まずは、通常の暖房運転を開始する(S12)。暖房運転では、弁制御部96が、圧縮機23の吐出口23bから室内熱交換器41へ冷媒が流れるように四方弁25を制御するとともに、第3の配管53に冷媒が流れるように切替弁33を制御する。
暖房運転は、温度センサ71Gが検出する第1の蓄熱材61の温度が、規定の温度(例えば、88℃)以上になるまで行われる。すなわち、暖房運転が、第1の蓄熱材61が規定の温度になるまで第1の蓄熱材61に蓄熱させる。
第1の蓄熱材61が上記規定の温度(例えば、88℃)になった場合、運転切替部92は、除菌運転を開始する(S13)。第1の蓄熱材61が上記規定の温度(例えば、88℃)になったことは、除菌運転を開始する第2の除菌運転条件である。すなわち、本実施形態では、除菌運転を開始する条件は、規定の条件の一例であり、第1の除菌運転条件と、第2の除菌運転条件と、を含み、第1の除菌運転条件および第2の除菌運転条件が成立した場合に、除菌運転が開始される。除菌運転では、圧縮機制御部95が、圧縮機23の周波数を規定の周波数まで下げて、圧縮機23から吐出される冷媒の温度を下げる。これにより、温度センサ71Iが検出する圧縮機23から吐出される冷媒の温度が、保護制御開始温度になるのが防止される。保護制御は、圧縮機23から吐出される冷媒の温度保護制御開始温度以上となると、圧縮機23を停止させる制御である。圧縮機23から吐出された冷媒は、第1の蓄熱材61によって、規定の温度(例えば、88℃)まで加熱される。また、弁制御部96は、室内熱交換器41の温度が暖房運転における室内熱交換器41の最高温度(例えば、47.9℃)よりも高くなるように第1の膨張弁31を制御する。例えば、弁制御部96は、室内熱交換器41の温度が59℃となるように第1の膨張弁31を制御する。これにより、温度センサ71Eが検出する室内熱交換器41中の冷媒の温度は、規定の温度(例えば、59℃)まで上昇する。これにより、室内機12の吹出温度が、規定の温度(例えば、56℃)となる。このとき、弁制御部96は、室内熱交換器41において気体状の冷媒が液体状にならず、気体状の液体が第2の蓄熱材62において液体状になるように第1の膨張弁31を制御する。気体状の冷媒を液体状にすることは、所謂過冷却を取ることである。具体的には、弁制御部96は、第1の膨張弁31の弁開度を大きくする。これにより、室内熱交換器41の温度を暖房運転における室内熱交換器41の最高温度よりも高い56℃とすることができる。すなわち、弁制御部96が、室内熱交換器41の温度が暖房運転における室内熱交換器41の最高温度よりも高くなるように第1の膨張弁31を制御する。第2の蓄熱材62では、第2の配管52を流れる冷媒が冷却されて液体状になる、すなわち液化する。
ここで、第2の蓄熱材62が設けられておらず室内熱交換器41で過冷却をとる構成の場合には、例えば、室内熱交換器内の冷媒の20%以上が比較的温度の低い液体状の冷媒である。このため、室内熱交換器の外側を流れる空気が、比較的温度の高い気体状の冷媒と比較的温度の低い液体状の冷媒から熱を受けるため、室内熱交換器の冷媒の温度(吹出温度)は、43℃程度にしか上げることができない。また、このような構成において、室内熱交換器の冷媒の温度を59℃にするために、室内熱交換器において過冷却を取らずに室内熱交換器から気体状の冷媒を第1の膨張弁31に流すと、冷媒の循環量が大きく減ってしまい、室内熱交換器の冷媒の温度(吹出温度)を56℃にすることが難しい。
このとき、室外熱交換器21には、高温(例えば、17℃)の冷媒が流れる。室外熱交換器21から流出した冷媒は、第2の膨張弁32で再度膨張されて、規定の温度(例えば、12℃)まで温度が下げられ、高温の気体状の冷媒と低温の液体状の冷媒とが、完全に液体状となる。
次に、運転切替部92は、除菌運転を開始してから、具体的には温度センサ71Eが検出する室内熱交換器41中の冷媒の温度が規定の温度(例えば、56℃)となってから、規定時間(例えば、30分)が経過したかを判定する(S14)。S14において、運転切替部92は、規定時間(例えば、30分)が経過したと判定した場合には(S14:Yes)、冷房運転を開始する(S15)。すなわち、56℃程度の温度の空気の吹出が、30分間行われる。これにより、室内が除菌(殺菌)される。なお、56℃程度の温度の空気の吹出時間は、上記限定されず、例えば15分等であってもよい。運転切替部92は、除菌運転から冷房運転に切り替える。運転切替部92は、冷房運転を規定時間(例えば、1時間)が経過するまで続ける(S16:No)。運転切替部92は、冷房運転を規定時間(例えば、1時間)行った場合(S16:Yes)、冷房運転を終了する(S17)。
また、運転切替部92は、除菌運転中に、除菌運転を停止するか否かを判定する(S18)。運転切替部92は、例えば、人感センサ72が人間を検知した場合には、除菌運転を停止すると判定し(S18:Yes)、人感センサ72が人間を検知しない場合には、除菌運転を停止しないと判定する(S18:No)。運転切替部92は、除菌運転中に、除菌運転を停止るか否かを判定する(S18)。運転切替部92は、除菌運転を停止すると判定した場合には(S19:Yes)、冷房運転を開始し(S19)、S11に戻る。
上記の除菌運転時の各部の温度は、一例として次のような温度である。温度センサ71Aが検出する温度は、35℃以上である。温度センサ71Bが検出する温度は、17℃である。温度センサ71Cが検出する温度は、30℃以上である。温度センサ71Dが検出する温度は、88℃である。温度センサ71E,71Fが検出する温度は、59℃である。温度センサ71Gが検出する温度は、88℃以上である。温度センサ71Kが検出する温度は、42℃である。温度センサ71Mが検出する温度は、12℃である。温度センサ71Nが検出する温度は、14℃である。
次に、暖房運転について説明する。例えば、空気調和機10の起動と暖房運転の開始が同時である場合、室外送風ファン22、圧縮機23、および室内送風ファン42は停止している。この場合、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、および圧縮機制御部95は、暖房運転の開始時に、室外送風ファン22、圧縮機23、および室内送風ファン42を起動する。
暖房運転が開始されると、弁制御部96が四方弁駆動回路84および切替弁駆動回路87を制御し、四方弁25および切替弁33に冷媒が流れる方向を変更させる。これにより、室内熱交換器41と圧縮機23の吐出口23bとが接続されるとともに、室外熱交換器21とアキュムレータ24(圧縮機23の吸入口23a)とが接続される。すなわち、制御装置14は、圧縮機23の吐出口23bから室内熱交換器41へ冷媒が流れるように四方弁25を制御する暖房運転を実行する。さらに、第2の膨張弁32と圧縮機23の吸入口23aとが、第3の配管53および第2の蓄熱材62を経由して接続される。
図5は、実施形態の空気調和機10の暖房運転時の省エネルギー制御の一例を示すフローチャートである。暖房運転時には、制御装置14は、図5に示す省エネルギー制御を行う。
圧縮機制御部95は、温度センサ71Gが検出する第1の蓄熱材61の温度が第1の温度(例えば、88℃)に達したかを判定する(S21)。圧縮機制御部95は、温度センサ71Gが検出する第1の蓄熱材61の温度が閾値である第1の温度(例えば、88℃)に達したと判定した場合(S21:Yes)、圧縮機23の周波数を下げる(S22)、すなわち圧縮機23の出力を下げる。
圧縮機制御部95は、温度センサ71Gが検出する第1の蓄熱材61の温度が、第1の温度以下の第2の温度を下回ったと判定した場合(S23:Yes)、圧縮機23の周波数を下げて(S24)、S21に戻る。なお、圧縮機制御部95は、S23において温度センサ71Gが検出する第1の蓄熱材61の温度が第2の温度を下回っていないと判定した場合(S24:No)、圧縮機23の周波数を変更しない。
上記の暖房運転では、室内機12の吹出空気の温度は、43℃位となる。このとき、本実施形態では、第2の蓄熱材62で過冷却を取るので、室内熱交換器41で過冷却と取る必要がない。また、冷媒が第1の蓄熱材61によって加熱されるので、その分、圧縮機23の仕事を減らすことができる。よって、本実施形態では、暖房運転の省エネルギー化が実現される。
ここで、第2の蓄熱材62が設けられておらず室内熱交換器41で過冷却をとる構成においては、室外熱交換器で熱交換するためには、[外気温度]-[冷媒の蒸発温度]=5℃~6℃とする必要がある。外気温度が2℃の場合、高性能な熱交換器であっても、冷媒の蒸発温度は、-3℃~-4℃となる。この温度は、露点以下のため、生成された凝縮水は、零度以下で配管やフィンに触れて霜となる。このため、除霜運転が必要となる。
これに対して、本実施形態では、第2の蓄熱材62が設けられているので、[外気温度]-[冷媒の蒸発温度]=2℃となるように制御がされる。これにより、生成された凝縮水が霜になるのが抑制される。
また、上記の暖房運転では、過冷却制御として、温度センサ71Hが検出する温度から温度センサ71Aが検出する温度を引いた温度が2℃となるように、第2の膨張弁32が制御される。
次に、暖房運転時の除菌運転制御について図6を参照して説明する。図6は、実施形態の空気調和機10の暖房運転時の除菌運転制御の一例を示すフローチャートである。
運転切替部92は、除菌運転を開始する条件である除菌運転条件が成立したかを判定する(S31)。
運転切替部92は、除菌運転条件が成立したと判定した場合(S31:Yes)、除菌運転を開始する(S32)。具体的には、運転切替部92は、温度センサ71Gが検出する第1の蓄熱材61の温度が、規定の温度(例えば、88℃)以上のときに除菌運転を開始する。除菌運転条件および除菌運転は、図4で説明したものと同様である。但し、圧縮機制御部95は、除菌運転における圧縮機23の周波数を暖房運転における圧縮機23の周波数よりも大きくする。すなわち、圧縮機制御部95は、除菌運転における圧縮機23の出力が暖房運転における圧縮機23の出力よりも大きくなるように圧縮機23を制御する。なお、除菌運転条件および除菌運転は、上記に限定されない。
運転切替部92は、除菌運転を開始してから、具体的には温度センサ71Eが検出する室内熱交換器41中の冷媒の温度が規定の温度(例えば、56℃)となってから、規定時間(例えば、30分)が経過したかを判定する(S33)。S33において、運転切替部92は、規定時間(例えば、30分)が経過したと判定した場合には(S33:Yes)、除菌運転を終了する(S34)。
また、運転切替部92は、除菌運転中に、除菌運転を停止るか否かを判定する(S35)。除菌運転を停止する(S35:Yes)か否か(S35:No)の判定は、図4で説明したものと同じである。運転切替部92は、除菌運転を停止すると判定した場合には(S35:Yes)、暖房運転を開始し(S36)、S31に戻る。
上記の除菌運転時の各部の温度は、一例として次のような温度である。温度センサ71Aが検出する温度は、2℃以上である。温度センサ71Bが検出する温度は、0℃である。温度センサ71Cが検出する温度は、20℃以上である。温度センサ71E,71Fが検出する温度は、59℃である。温度センサ71Gが検出する温度は、89℃以上である。温度センサ71Kが検出する温度は、42℃である。温度センサ71Mが検出する温度は、0℃である。温度センサ71N,71Hが検出する温度は、2℃である。このように冬場に主に使用される暖房運転において除菌運転に切り替える場合には、第1の蓄熱材61によって、冷媒の温度の高低差を低くしている。
図7は、本実施形態の制御装置14のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。制御装置14は、例えば、図7に示すようなハードウェア構成のコンピュータ100により実現される。
コンピュータ100は、例えば、CPU101と、ROM102と、RAM103と、記憶装置104と、インターフェース(I/F)106とを有する。CPU101、ROM102、RAM103、記憶装置104、およびI/F106は、バスにより接続されている。
CPU101は、記憶装置104に記憶されたプログラムをRAM103に展開して実行し、各部を制御して入出力を行ったり、データの加工を行ったりすることができる。ROM102には、オペレーティングシステムの起動用プログラムを記憶装置104からRAM103に読み出すスタートプログラムが記憶されている。
記憶装置104は、例えば、フラッシュメモリである。記憶装置104は、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、およびデータを記憶している。これらのプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録メディアに記録して配布される。また、プログラムは、サーバからダウンロードすることにより配布されても良い。
I/F106は、例えば、温度センサ71A~71N、人感センサ72、室外ファン駆動回路81、室内ファン駆動回路82、インバータ回路83、四方弁駆動回路84、第1の膨張弁駆動回路85、第2の膨張弁駆動回路86、および切替弁駆動回路87に接続するためのインターフェース装置である。
本実施形態のコンピュータ100で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供され得る。
また、本実施形態のコンピュータ100で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のコンピュータ100で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。また、本実施形態のプログラムを、ROM102等に予め組み込んで提供するように構成しても良い。
このようなコンピュータ100を制御装置14として機能させるためのプログラムは、温度取得モジュールと、運転切替モジュールと、室外ファン制御モジュールと、室内ファン制御モジュールと、圧縮機制御モジュールと、弁制御モジュールと、を含むモジュール構成となっている。コンピュータ100は、実際のハードウェアとしてはプロセッサ(CPU101)が記憶媒体(記憶装置104等)からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置(RAM103)上にロードされる。これにより、プロセッサ(CPU101)は、図3の温度取得部91、運転切替部92、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、圧縮機制御部95、および弁制御部96として機能する。なお、コンピュータ100は、温度取得部91、運転切替部92、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、圧縮機制御部95、および弁制御部96の構成の一部または全部がハードウェアにより実現されていても良い。
以上のように、本実施形態では、空気調和機10は、室内熱交換器41と、室外熱交換器21と、第1の配管51と、第2の配管52と、圧縮機23と、四方弁25と、第1の膨張弁31と、切替弁33と、第3の配管53と、第1の蓄熱材61(蓄熱材)と、第2の蓄熱材62(伝熱部)と、を備える。第1の配管51は、室内熱交換器41と室外熱交換器21とを接続し、冷媒が流れる。第2の配管52は、室外熱交換器21と室内熱交換器41とを接続し、冷媒が流れる。圧縮機23は、第1の配管51に設けられ、冷媒を吸入する吸入口23aと、冷媒を吐出する吐出口23bと、を有する。四方弁25は、第1の配管51に設けられ、冷媒が流れる方向を変更可能である。第1の膨張弁31は、第2の配管52に設けられる。切替弁33は、第1の膨張弁31と、四方弁25と圧縮機23の吸入口23aとの間で第1の配管51に設けられ、冷媒が流れる方向を変更可能である。第3の配管53は、第1の端部53a(一方の端部)が切替弁33に接続され、第2の端部53b(他方の端部)が切替弁33と圧縮機23の吸入口23aとの間で第1の配管51に接続される。第1の蓄熱材61は、室内熱交換器41と圧縮機23との間で第1の配管51に熱的に接続される。第2の蓄熱材62は、第3の配管53に熱的に接続されるとともに、室内熱交換器41と第1の膨張弁31との間で第2の配管52に熱的に接続される。
このような構成によれば、例えば、第1の蓄熱材61が第1の配管51から出た熱を蓄熱した後、その第1の蓄熱材61の熱で第1の配管51を流れる冷媒を加熱することができるとともに、第2の蓄熱材62が第2の配管52から出た熱を第3の配管53を流れる冷媒に伝えることにより、第2の配管52を流れる冷媒を冷却し第3の配管53を流れる冷媒を加熱することができる。よって、圧縮機23の吐出口23bから室内熱交換器41へ冷媒が流れる場合に、室内熱交換器41の冷媒の温度を高くし易い。このように、本実施形態によれば、室内熱交換器41の冷媒の温度の調整に、配管(第1の配管51や第2の配管52)から出る熱を利用できる。これにより、上記の除菌運転を行うことができる。
また、本実施形態では、空気調和機10は、例えば、四方弁25と切替弁33との間で第1の配管51に設けられた第2の膨張弁32、を備える。
このような構成によれば、第2の膨張弁32によって第2の蓄熱材62に流れる冷媒の量を調整することにより、圧縮機23に液体状の冷媒が流入する所謂液バックを防止することができる。
また、本実施形態では、空気調和機10は、例えば、四方弁25と、圧縮機23と、第1の膨張弁31と、切替弁33と、を制御する制御装置14、を備える。制御装置14は、冷房運転と、暖房運転と、除菌運転と、を実行可能である。冷房運転では、制御装置14は、圧縮機23の吐出口23bから室外熱交換器21へ冷媒が流れるように四方弁25を制御するととともに、第3の配管53に冷媒が流れないように切替弁33を制御する。暖房運転では、制御装置14は、圧縮機23の吐出口23bから室内熱交換器41へ冷媒が流れるように四方弁25を制御するとともに、第3の配管53に冷媒が流れるように切替弁33を制御する。除菌運転では、制御装置14は、圧縮機23の吐出口23bから室内熱交換器41へ冷媒が流れるように四方弁25を制御するとともに、第3の配管53に冷媒が流れるように切替弁33を制御し、室内熱交換器41の温度が暖房運転における室内熱交換器41の最高温度よりも高くなるように第1の膨張弁31を制御する。
このような構成によれば、冷房運転、暖房運転、および除菌運転をすることができる。暖房運転においては、例えば、室内熱交換器41の温度が暖房運転における室内熱交換器41の最高温度よりも高く除菌可能な温度(例えば56℃以上)である。これにより、室内の除菌を行うことができる。本実施形態では、温風によって除菌を行うので、例えばマイナスイオンを用いる除菌方式に比べて、短時間で除菌をしやすい。また、温風によって除菌することにより、マイナスイオンを用いる除菌方式に比べて、除菌動作がユーザに分かりやすい。
また、本実施形態では、例えば、制御装置14は、冷房運転中または暖房運転中に規定の条件が成立した場合に冷房運転または暖房運転から除菌運転に切り替える。
このような構成によれば、冷房運転中または暖房運転中に規定の条件が成立した場合に除菌運転に切り替わるので、冷房運転または暖房運転に続いて室内の除菌行うことができる。
また、本実施形態では、例えば、空気調和機10は、室内熱交換器41が設置される室内の人間を検出する人感センサ72(人検出センサ)を備える。上記規定の条件は、人感センサ72が人間を検出しないことを含む。
このような構成によれば、室内に人間がいる場合には、除菌運転がされないので、室内に人間がいる場合には、室内が除菌運転による高温になることがない。
また、本実施形態では、空気調和機10は、例えば、第1の蓄熱材61の温度を検出する温度センサ71G(蓄熱材温度センサ)を備える。制御装置14は、暖房運転中に温度センサ71Gが検出した第1の蓄熱材61の温度が閾値以上となった場合に、圧縮機23の出力が小さくなるように圧縮機23を制御する。
このような構成によれば、圧縮機23の出力が小さくて済むので、空気調和機10の省エネルギー化をすることができる。
また、本実施形態では、空気調和機10は、例えば、制御装置14は、除菌運転における圧縮機23の出力が暖房運転における圧縮機23の出力よりも大きくなるように圧縮機23を制御する。
このような構成によれば、除菌運転における室内熱交換器41の温度を圧縮機23の出力によって調整することができる。
なお、上記実施形態では、第3の蓄熱材63が設けられた例が示されたが、これに限定されない。すなわち、第3の蓄熱材63は設けられていなくてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。