JP2022144757A - シリカアルミナ粉末、シリカアルミナ粉末の製造方法および流動接触分解触媒およびその製造方法 - Google Patents

シリカアルミナ粉末、シリカアルミナ粉末の製造方法および流動接触分解触媒およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】流動接触分解触媒に用いて、ボトム留分やコークの分解性能を高めるシリカアルミナ粉末およびその製造方法ならびにそのシリカアルミナ粉末を含む流動接触分解触媒を提供する。【解決手段】非ゼオライト系のシリカアルミナ粉末であって、以下の特性を有するシリカアルミナ粉末。・シリカ(SiO2)含量は、5~30質量%の範囲である;・窒素吸着等温線を用いて測定した細孔容積は、0.70~1.20ml/gの範囲である;・シリカアルミナの酸性度は、ピリジンの熱脱離をIRモニタリングすることで測定し、ブレンステッド酸を有し、ルイス酸量が200~400μmol/gの範囲である;・BET比表面積は、350~550m2/gの範囲である。そのシリカアルミナ粉末を含む流動接触分解触媒。【選択図】なし

Description

本発明は、流動接触分解触媒に用いるシリカアルミナ粉末の製造方法および得られたシリカアルミナ粉末に関する。さらに詳しくは、シリカアルミナを含む重質炭化水素油留分(以下、単に「ボトム」ともいう。)やコークの分解性能が高い流動接触分解触媒およびその製造方法に関する。
原料油(炭化水素油)、例えば常圧蒸留残渣油の流動接触分解(Fluid Catalytic Cracking, FCC)プロセスに用いられる流動接触分解触媒は、固体酸であるゼオライトを含んでいる。さらに流動接触分解触媒は、流動状態で用いる際の耐摩耗性を持たせるためなどの目的でマトリックス成分、例えば炭化水素油の分解活性を持つシリカアルミナなどが添加される。
シリカアルミナとは、一般にシリカとアルミナの混合物又は複合酸化物を意味する。シリカとアルミナの混合物とは、シリカとアルミナが化学結合を介さず物理的に混合されたものを意味する。この場合、シリカとアルミナの混合物は、アルミナに由来するルイス酸を有している。一方、シリカとアルミナの複合酸化物は、シリカとアルミナが化学結合を介して混合されたものを意味する。この場合、シリカとアルミナの複合酸化物は、その結晶構造に由来するブレンステッド酸を有している。
シリカアルミナは、シリカとアルミナが化学結合を介しているかどうかで、酸の性質が変化するという特徴がある。シリカアルミナは、上記した特徴を生かして、古くから種々の触媒反応に用いられてきた。また、種々の方法で製造されている。
たとえば、特許文献1には、シリカとアルミナとを含む原料をアルカリ金属水酸化物および固形試薬と混合し、部分的に結晶化したケイアルミン酸アルカリを製造する方法が開示されている。固相を得るまで加熱し混合と結晶化を同時に行い、再分散するまで混合を続ける方法である。
また、特許文献2には、シリカアルミナヒドロゲル触媒の製造方法が開示されている。ケイ酸ナトリウムと酸性アルミニウム塩とを溶液中で反応させてシリカ-アルミナゲルを生成する方法である。
また、特許文献3には、アモルファスアルミノシリケートの製造方法が開示されている。ケイ酸アルカリ金属塩水溶液にアルミン酸アルカリ金属塩水溶液を15~100℃の温度で強撹拌下に添加し、70~100℃の温度で加熱処理する方法である。
また、特許文献4には、シリカ-アルミナ触媒を用いたオレフィンのオリゴマー化方法において、触媒の製造方法が開示されている。該触媒の製造方法は、酸性媒体に一部可溶な少なくとも1つのアルミナ化合物を、反応混合物に完全可溶な少なくとも1つのシリカ化合物、又はいずれも反応混合物に完全可溶な少なくとも1つのシリカ化合物及び少なくとも1つのアルミナ化合物の組み合わせと混合し、前記触媒の固体前駆体を形成する工程、及び、その記工程で得られた前記固体を湿潤空気中で4~7時間焼成し、水熱処理する工程を含む方法を用いるものである。
また、特許文献5には、セシウムイオン吸着容量の大きいケイ酸アルミニウムおよびその製造方法が開示されている。下記式(I)で表され、xNaO・Al・mSiO・nHO・・・(I)(式中、xは0.12≦x≦1.3、mは5.0≦m≦15.0、nは5≦n≦15である。)、NaO含有量が1.5~11.0重量%であり、アルミニウム原子の50%以上が4配位のアルミニウム原子である、ケイ酸アルミニウムである。
また、特許文献6には、アルカリ金属アルミノシリケート組成物の製法が開示されている。ナトリウムシリケート及び硫酸アルミニウムを水性媒体中で反応させる期間中に、所定量の硫酸ナトリウムを供給する方法である。
特開昭54-160598号公報 特開昭55-162417号公報 特開昭62-191417号公報 特開2009-173935号公報 国際公開第2013/183742号 特開昭49-28358号公報
C .A. Emeis, J. Catal.,141, 1993, 347-354. 触媒化成技報 Vol.13、No.1、P65、1996
シリカアルミナは、固体酸を有することから、流動接触分解触媒や水素化分解触媒等、様々な触媒反応に用いられている。特に、流動接触分解においては、ボトム留分の分解がより高い触媒が求められている。しかしながら、上記特許文献1~6に開示の技術には、ボトム留分の分解性能については述べられていない。
本発明は、流動接触分解触媒に用いて、ボトム留分やコークの分解性能を高めるシリカアルミナ粉末およびその製造方法ならびにそのシリカアルミナ粉末を含む流動接触分解触媒およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明のシリカアルミナ粉末は、非ゼオライト系のシリカアルミナ粉末であって、以下の特性を有する:
・シリカ(SiO)含量は、5~30質量%の範囲である;
・窒素吸着等温線を用いて測定した細孔容積は、0.70~1.20ml/gの範囲である;
・シリカアルミナの酸性度は、ピリジンの熱脱離をIRモニタリングすることで測定、ブレンステッド酸を有し、ルイス酸量が200~400μmol/gの範囲である;
・BET比表面積は、350~550m/gの範囲である。
本発明のシリカアルミナ粉末は、さらに、NH-TPD測定から算出した、酸量としてのアンモニア脱離量が、500~700μmol/gの範囲であり、かつ、脱離温度400~500℃における酸量の割合が全酸量に対して10%以上であることが好ましい。
本発明が提案するシリカアルミナ粉末の製造方法は、
(A)アルミナ水和物を含む水溶液と、シリカ前駆体含有水溶液とを混合し、前記シリカアルミナ前駆体を含む水溶液Aを調製する工程、
(B)前記工程(A)で得られた前記シリカアルミナ前駆体を含む水溶液AのpHを、9.0~11.0の範囲に調整した後、80~100℃の温度範囲で、0.5~12時間の範囲で加熱処理する工程、
(C)前記工程(B)で加熱処理した水溶液を、冷却した後、固形物を分離し、洗浄した後、乾燥し、または、さらに焼成し、シリカアルミナ粉末を得る工程、
を含む方法である。
本発明にかかる流動接触分解触媒は、上記いずれかのシリカアルミナ粉末を含む流動接触分解触媒である。
また、本発明にかかる流動接触分解触媒の製造方法は、
(1)上記いずれかのシリカアルミナ粉末と、バインダー成分と、増量剤としての粘土成分、ゼオライト成分、添加剤を混合し、混合スラリーを得る工程、
(2)前記工程(1)で得られた混合スラリーを、噴霧乾燥し、乾燥粒子を得る工程、
(3)前記工程(2)で得られた乾燥粒子を、洗浄、乾燥して、流動接触分解触媒を得る工程、
を含むものである。
本発明にかかる流動接触分解触媒の製造方法は、さらに、工程(3)に替えて、
(4)前記工程(2)で得られた乾燥粒子を、洗浄、乾燥した後、さらに希土類金属交換を行い、希土類金属交換した流動接触分解触媒を得る工程、
を含むことが好ましい。
本発明によれば、流動接触分解触媒に用いて、ボトム留分やコークの分解性能を高めるシリカアルミナ粉末を得ることができるので、そのシリカアルミナ粉末を含む流動接触分解触媒は、炭化水素油の流動接触分解に用いて、ボトム留分やコークの分解性能が向上し、有用な分解生成物を収率よく回収することができる。
発明者らは、アルミナ水和物と、ケイ酸ナトリウム又はシリカゾル前駆体、例えば、ケイ酸塩又はケイ酸塩に酸を加えたケイ酸(又はコロイダルシリカ)等とを混合し、得られるシリカアルミナ粉末は、比表面積が大きく、酸性質や酸強度分布等が異なるという特徴を有し、さらに、本発明のシリカアルミナ粉末を含む流動接触分解触媒は、重質留分(ボトム)の分解性に優れ、特にコーク/ボトム選択性やガソリン選択性に優れていることを見出した。
<シリカアルミナ粉末>
本発明のシリカアルミナ粉末は、非ゼオライト系であり、以下の特性を有する:
・シリカ(SiO)含量は、5~30質量%の範囲である;
・窒素吸着等温線を用いて測定した細孔容積は、0.70~1.20ml/gの範囲である;
・シリカアルミナの酸性度は、ピリジンの熱脱離をIRモニタリングすることで測定し、ブレンステッド酸を有し、ルイス酸量が200~400μmol/gの範囲である;
・BET比表面積は、350~550m/gの範囲である。
本発明にかかるシリカアルミナ粉末おいては、NH-TPD測定から算出した、酸量としてのアンモニア脱離量が、500~700μmol/gの範囲であり、かつ、脱離温度400~500℃における酸量の割合が全酸量に対して10%以上であることが好ましい。
本発明にかかるシリカアルミナ粉末は、非ゼオライト物質である。該粉末中に含まれるシリカ成分は5~30質量%の範囲である。好ましくは、7~28質量%、さらには10~25質量%の範囲であることが好ましい。5質量%未満では、比表面積や酸量が低いため、性能が不充分となる場合がある。また、30質量%を超えると、比表面積や酸量が低下し、性能も低下するとともに、SiO含有量が多くなり、触媒の嵩比重(ABD)や耐摩耗性が悪化し、好ましくない。
<ピリジン吸着FT-IR測定>
シリカアルミナ粉末30mgを20mmΦのディスクに成型した後、真空ラインに接続されたIRセルに設置して、500℃で1時間真空排気処理を行った。前処理後、150℃に降温して、ピリジン蒸気の導入前後の試料ディスクのIRスペクトルを日本分光社製FT/IR-4600で測定した。ブレンステッド酸点とルイス酸点の定量は、非特許文献1に記載の方法に基づいて行った。
<NH-TPD測定>
酸量としてのアンモニア脱離量は、アンモニア昇温脱離法(NH-TPD法)により測定した。即ち、マイクロトラック・ベル社製 BELCAT―B(登録商標)を使用し、測定セル中に試料0.2gを入れ、500℃で1時間排気処理を行い、その後温度を100℃にし、100℃にて0.5時間アンモニアガスを導入して吸着した。次いで、100℃にて0.5時間再度排気処理を行った後、毎分50mlのHeガス流通下、100℃から毎分10℃で500℃まで昇温しながら温度上昇にともなって脱離するアンモニア量を計測した。
強酸比率は、全領域(100-500℃)における酸量に対する400-500℃における酸量の割合と定義する。
強酸比率(%)=酸量(400-500℃)/酸量(100-500℃)×100
<耐摩耗性(アトリッション)試験方法>
耐摩耗性(Attrition Resistance)は、非特許文献2に記載された方法により測定される耐摩耗性指数(CCIC Attrition Index、 CAI)により測定した。
<嵩密度(ABD)の測定方法>
嵩密度(ABD)は、25mlのシリンダーを用いて、試料の重量を測定し、単位体積当たりの重量から嵩密度を計算して測定できる。
<細孔分布測定>
マイクロトラック・ベル社製 BELSORP-mini IIを用いて、不活性ガス雰囲気下にて500℃で1時間の前処理を実施したシリカアルミナ試料粉末について、Nの吸着測定を行った。得られたNの吸着等温線より、BJH法を用いて、シリカアルミナの細孔容積を算出した。
<BET比表面積測定>
不活性ガス雰囲気下にて500℃で1時間の前処理を実施したシリカアルミナ試料粉末について、マウンテック社製 MacSorb-1220を用いてNの吸着量及び脱離量を測定した。得られたNの脱離量から、BET1点法に基づいて比表面積を算出した。
本発明にかかるシリカアルミナの比表面積は、350~550m/gとする。好ましくは400~500m/gの範囲である。
<シリカアルミナ粉末の製造方法>
シリカアルミナ粉末の製造方法は、
(A)アルミナ水和物を含む水溶液と、シリカ前駆体含有水溶液とを混合し、シリカアルミナ前駆体を含む水溶液Aを調製する工程、
(B)前記工程(A)で得られた前記シリカアルミナ前駆体を含む水溶液AのpHを、9.0~11.0の範囲に調整した後、80~100℃の温度範囲で、0.5~12時間の範囲で加熱処理する工程、
(C)前記工程(B)で加熱処理した水溶液を、冷却した後、固形物を分離し、洗浄した後、乾燥し、または、さらに焼成し、シリカアルミナ粉末を得る工程、
を含む。
<アルミナ水和物>
アルミナ水和物Al・nHOとしては、ベーマイト、擬ベーマイト、及び非晶質又は基本的に非晶質のアルミナゲルがより好ましい。これらを組み合わせた混合物もいずれも利用できる。通常、ベーマイトは式Al・nHOのアルミナ一水和物(AlOOH)として記載され、これは水和の度合い及び組織が異なる種々の材料を包含する。このような材料の差異は不明瞭ではあるが、nが2を超える場合は最大限に水和したゲル状ベーマイトであり、nが1~2の場合は擬ベーマイト又は微晶質ベーマイトであり、次いで結晶質ベーマイトがあり、最後にnが1に近い場合はベーマイトが大結晶へと結晶化する。アルミナ一水和物の形態は、針状と角柱状の2つの形態の間で大きく変化する。この2つの形態の間で、鎖、舟形、板の組み合わせ等、一連の様々な形態を使用してよい。アルミナ一水和物から得られる遷移アルミナを基材とする固体の調製及び/又は成形については、多くの特許に記載されている(たとえば、特開昭46-7164号や米国特許第3864461号、特開昭53-119800号、特開昭62-230612号など)。
<アルミナ水和物の調製方法>
比較的純粋なアルミナ水和物を粉末の形態で使用してよく、該粉末は非晶質であっても結晶質であってもよく、結晶質粉末は非晶質部分を含んでいてもよい。また、アルミナ水和物を水性懸濁液又は分散液の形態で添加してもよい。本発明の方法においてシリカアルミナ粉末の調製に用いるアルミナ水和物の水性懸濁液又は分散液は、ゲル化又は凝固が可能なものであってよい。当業者によく知られているとおり、水又はアルミナ水和物水溶液中で、アルミナ水和物を解膠することにより、酸性の水性分散液又は懸濁液を調製してよい。
用いるアルミナの水性分散液又は懸濁液は、微細又は超微細なコロイド性粒子からなるベーマイトの水性懸濁液又は分散液であってよい。特に、本発明で用いる微細又は超微細ベーマイトは、仏国特許第1261182号、仏国特許第1381282号、又は特開昭55-116622号に従って得られるものであってよい。擬ベーマイト、非晶質アルミナゲル、水酸化アルミニウムゲル、又は結晶性アルミナヒドロゲルから得られる水性懸濁液又は分散液も使用できる。
アルミナ一水和物を様々な市販アルミナ源(サソール(SASOL)から市販されているPURAL(登録商標)、CATAPAL(登録商標)、DISPERAL(登録商標)、及びDISPAL(登録商標)、アルコア(ALCOA)から市販されているHIQ(登録商標)等)から得てもよい。或いは、当業者に公知の方法を用い、従来法によるアルミナ三水和物の部分脱水や沈殿によってアルミナ一水和物を得てもよい。アルミナがゲル状の場合、水又は酸性水溶液で解膠する。沈殿の場合、例えば塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、及び硝酸アルミニウムの少なくとも1つを酸源として使用してよい。塩基性アルミニウム源は、アルミン酸ナトリウムやアルミン酸カリウム等の塩基性アルミニウム塩から選んでよい。使用可能な沈殿剤の例としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、及びアンモニアが挙げられる。沈殿剤は、上記アルミナ供給源と該沈殿剤が共に沈殿するように選択する。原料アルミニウム化合物の酸性又は塩基性に応じて、塩基又は酸(塩酸、硫酸、水酸化ナトリウム等)、或いは上述したような塩基性又は酸性アルミニウム化合物を用いてアルミナ水和物を沈殿させる。この2つの試薬は、硫酸アルミニウム及びアルミン酸ナトリウムであってよい。硫酸アルミニウム及びアルミン酸ナトリウムを用いたアルミニウム・アルファ一水和物の調製については、例えば特開昭53-119800号に記載されている。擬ベーマイトは、特開昭46-007164号に記載の方法を用いて、アルミン酸アルカリ溶液を鉱酸溶液と反応させることによって調製してよい。また、仏国特許第1357830号に記載のとおり調製してもよい。非晶質アルミナゲルは、アルコア・ペーパー(Alcoa Paper),1972,19,9に記載の方法を用いて調製してよく、特に、アルミン酸塩又はアルミニウム塩の反応、アルミニウムアルコラートの加水分解、又は塩基性アルミニウム塩の加水分解によって調製してよい。水酸化アルミニウムゲルは、米国特許第3268295号、同第3245919号、又は国際公開第00/01617号に記載の方法を用いて、酸性アルミニウム源と塩基、又は塩基性アルミニウム源と酸を混合し、アルミナ一水和物を沈殿させて調製したものであってよい。この混合過程は逆混合無しで行う。超微細ハイドラーギライトは、特に米国特許第1371808号に記載の方法を用いて、周囲温度~60℃の温度でアルミナをケーキ状にゲル化して調製してよい。
酸性媒体に一部可溶なアルミナ化合物の供給源として、アルミン酸アルカリを無水炭酸と反応させて非晶質ヒドロキシ炭酸アルミニウムの沈殿物を得る方法を用いて調製した、超高純度のベーマイト又は擬ベーマイトの水性懸濁液又は分散液を使用することも可能である。この沈殿物は、ろ過し、続いて洗浄することで得られる。このような方法は米国特許第3268295号に記載されている。次に、1)第1工程において、洗浄した非晶質ヒドロキシ炭酸アルミニウム沈殿物を、酸、塩基、塩、又はこれらの混合物の溶液と混合し(ヒドロキシ炭酸塩に溶液を注ぎ、媒体のpHが11未満の混合物を得る);2)第2工程において、得られた反応混合物を90℃未満の温度で5分間以上加熱し;3)第3工程において、第2工程で得られた媒体を90~250℃に加熱する。この方法を用いて得られたベーマイト又は擬ベーマイトの分散液又は懸濁液は、アルカリ金属酸化物/Alの比率で示されるアルカリ含量が0.005質量%未満である。
アルミナ源をなすアルミナ粒子の大きさは非常に多様であり、通常1~100μmである。
<シリカ化合物の供給源>
本発明にかかるシリカアルミナ粉末の調製方法の工程(A)の実施態様においては、アルミナ化合物に、シリカ前駆体を混合する。アルミナ水和物に加えるシリカ化合物の供給源は、ケイ酸、ケイ酸コロイド溶液、水溶性ケイ酸塩、カチオン性ケイ素塩(水和メタケイ酸ナトリウム等)、ルドックス(登録商標、アンモニア型又はアルカリ型)、及びケイ酸四級アンモニウム塩からなる群から選ばれるのが好ましい。ケイ酸コロイド溶液の調製は当業者に公知の方法を用いて行ってよい。この完全可溶ケイ素化合物の供給源は、水溶性ケイ酸アルカリを樹脂上でイオン交換することにより調製したオルトケイ酸溶液(HSiO、HO)を用いてもよい。
<工程(A)>
・アルミナ水和物を含む水溶液と、シリカ前駆体含有水溶液とを混合し、シリカアルミナ前駆体を含む水溶液Aを調製する工程
アルミナ化合物と完全可溶なシリカ化合物、又は一部可溶なシリカ化合物及びアルミナ化合物を組み合わせることは、特定の大きさ及び化学反応性を有するアルミナ化学種及びシリカ化学種を、本工程(A)の混合物中で接触させ、化学種間の相互作用を制御することに相当する。このように相互作用を制御することが、本発明のシリカアルミナ粉末の均質性を高める一因となる。該調製方法において、水熱処理の前のどの工程でも、シリカアルミナ粉末の調製に用いるアルミナ化合物及びシリカ化合物の化学的性質に応じて、シリカ化学種及びアルミナ化学種の間の相互作用活性を制御してよい。非限定的な一例において、水和アルミニウム型の一部可溶アルミナ化合物Al・nHO(ベーマイト)を、水性媒体中で、様々な合成条件(pH、温度等)を制御した状態で脱カチオン化オルトケイ酸型の完全可溶シリカ化合物と混合してもよく、或いは成形工程中、機械加工の後に、アルミナ水和物型の一部可溶アルミナ化合物Al・nHO(ベーマイト)を、市販の完全可溶シリカ(ルドックス(登録商標))コロイド溶液と混合してもよい。シリカアルミナ粉末調製方法の工程(A)での混合に続いて、水(気相又は液相)の存在下で水熱処理を行い、最終的に、本発明の流動接触分解に用いるシリカアルミナ粉末の酸性度及びテクスチャ特性を得るために必要な、アルミナ化学種とシリカ化学種の間のマイクロメータレベル(又はナノメータレベル)での均質性を達成する。
本工程(A)の調合では、水溶液の温度は、10~60℃の範囲で行うことが好ましい。この範囲より低い温度で調合すると、シリカアルミナの酸量や酸強度が不充分となる場合があり、高い温度で調合すると、アルミナ化合物が成長し、比表面積や酸量の低下を引き起こすので、好ましくない。
本工程(A)を行う際、酸性媒体に一部可溶なアルミナ化合物を、150~600m/gの比表面積を有する一般式Al・nHO(n≦5)のアルミナ化合物群から選ぶのが有効である。特に、ベーマイト、擬ベーマイト、非晶質又は基本的に非晶質のアルミナゲル等の水和アルミナ化合物を用いてよい。
ケイ素の一部又は全体を含む化合物を添加する前の段階では、水和アルミナ粉末、噴霧乾燥水和アルミナ粉末、水和アルミナの分散液及び懸濁液、並びにこれらの組み合わせ全てに当てはまる。
最終的に得られるシリカアルミナ粉末のメソ細孔の直径を大きくする目的で、米国特許第4066574号に開示されているとおり、アルミナ一水和物等のアルミナ成分(酸性媒体に一部可溶なアルミナ化合物)の水性懸濁液又は分散液を調製して、本工程(A)の混合物を得て、続いて該混合物を塩基性溶液(アンモニア等)で中和し、最後にこれを完全可溶シリカ化合物(脱カチオン化オルトケイ酸溶液等)に同時又は逐次的に加えることが特に有効である。この懸濁液を激しく撹拌して機械的均質化し、任意にろ過による乾物含量調整及び再均質化を行った後、生成物を加熱処理し、それと同時又は逐次的に任意に成形する。
以下、上記方法の説明において、混合物の第1「均質化」は機械的処理により行うことが多い。例えば、固体画分を含有する生成物を、懸濁液等の液体、粉末、ろ過沈殿等の状態で用いる場合は、該生成物を強撹拌して分散する。分散液の機械的均質化については、当業者に広く知られている。均質化は、当業者に公知の機械的方法により、例えば回分反応器、連続ミキサー、又はミルを用いて行ってよい。栓流反応器中、特に静的反応器中で混合してよい。ライトニン反応器も使用できる。Ultraturrax(登録商標)タービン又はStaro(登録商標)タービン、或いはStaro(登録商標)コロイドミル等のコロイドミルを用いてもよい。市販のIKA(登録商標)コロイドミルも使用してよい。
<工程(B)>
・前記工程(A)で得られた前記シリカアルミナ前駆体を含む水溶液AのpHを、9.0~11.0の範囲に調整した後、80~100℃の温度範囲で、0.5~12時間の範囲で加熱処理する工程
本発明のシリカアルミナ粉末の調製方法の工程(B)では、上記工程(A)で得られた水溶液AのpHを、9.0~11.0の範囲に調整した後、80~100℃の温度範囲で、0.5~12時間の範囲で加熱処理することにより、シリカアルミナ粉末の均質性を確保できる。
この工程での水溶液AのpHは9.0~11.0、好ましくは9.5~10.5の範囲である。pHが9.0~11.0の範囲から過度に外れると、比表面積や酸量が低くなり、好ましくない。また、水溶液の温度は、80~100℃の温度範囲であることが好ましい。80℃未満では、シリカアルミナ前駆体の反応が不充分となり、酸量や酸強度が低くなり、100℃を超えるとシリカアルミナの粒子成長が進行し、比表面積や酸量が低くなり、好ましくない。即ち、上記工程(A)で得られた固体を水(気相又は液相)に接触させて水熱処理を行う。水熱処理は調製のいかなる段階で行ってもよい。この処理によってシリカ成分の可動性が向上する場合があるが、本発明はこれにより限定されない。加熱処理時間は12時間を超えてもそれ以上の効果はない。
<工程(C)>
・前記工程(B)で加熱処理した水溶液を、冷却した後、固形物を分離し、洗浄した後、乾燥し、または、さらに焼成し、シリカアルミナ粉末を得る工程
<流動接触分解触媒の製造方法>
(1)前記シリカアルミナ粉末と、バインダー成分と、粘土成分(増量剤)、ゼオライト成分、添加剤を混合し、混合スラリーを得る工程、
(2)前記工程(1)で得られた混合スラリーを、噴霧乾燥し、乾燥粒子を得る工程、
(3)前記工程(2)で得られた乾燥粒子を、洗浄、乾燥して、流動接触分解触媒を得る工程、
を含む流動接触分解触媒の製造方法である。
また、工程(3)に替えて、
(4)前記工程(2)で得られた乾燥粒子を、洗浄、乾燥した後、さらに希土類金属交換を行い、希土類金属交換した流動接触分解触媒を得る工程、
を含む流動接触分解触媒の製造方法である。
流動接触分解触媒の製造方法は、特開2020-032350号公報や、特開2020-032352号公報に記載の方法で行うことができる。
以下に実施例を示し、本例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。本実施例では、アルミナ粒子を中和法で調製したものを用いて行ったが、本願に適応されるアルミナ粒子は、前述の通りの様々なアルミナ粒子で適応できる。
(実施例1)
擬ベーマイトスラリーの調製
容量が100Lのスチームジャケット付のタンクに、Al濃度換算で22質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液(日揮触媒化成(株)製)9.09kgを入れ、純水で希釈して40.00kgとした後、濃度99質量%のグルコン酸ナトリウム(扶桑化学工業(株)製)60.0gとを加え、撹拌しながら60℃に加温し、濃度5質量%のグルコン酸ナトリウム含有アルミン酸ナトリウム水溶液(L1)を調製した。
また、濃度がAl換算で7質量%の硫酸アルミニウム水溶液(日揮触媒化成(株
)製)14.29kgをイオン交換水25.71kgで希釈した硫酸アルミニウム水溶液を60℃に加温した硫酸アルミニウム水溶液(L2)を調製した。
次に、前記アルミン酸ナトリウム水溶液(L1)を撹拌しながら、これに前記硫酸アルミニウム水溶液(L2)を、10分間で添加して、擬ベーマイトスラリーの前駆体を調製した。
得られた混合スラリーを、撹拌しながら60℃で60分間熟成した後、平板フィルターで脱水し、その後、濾過残渣を60℃の温水で洗浄し、洗浄ケーキを得た。洗浄ケーキは固形分濃度が15質量%になるようにレスラリーし、擬ベーマイトスラリーを得た。
シリカアルミナNo.S1の調製
45℃に加温した100kgの擬ベーマイトスラリー(Al濃度換算で15質量%)に、水ガラス(SiO換算で24質量%に調整した3号水ガラス、富士化学製中純度ゾル)を15.60kg加え、20質量%のSiOを含む懸濁スラリーを得た。この懸濁スラリーの温度を45℃に調整した後、硫酸(濃度25質量%)を添加し、pHを10.0に調整した。次いで、得られた懸濁スラリーを95℃に加温し1時間保持した後、60℃以下に冷却した。得られたスラリーを濾過し、次いで60℃の温水および硫安水溶液で洗浄し、洗浄ケーキを150℃で乾燥することにより、シリカアルミナNo.S1を得た。シリカアルミナNo.S1の性状を表1に示す。
流動接触分解触媒No.C1の調製
水ガラス(SiO換算で17.5質量%に調整した3号水ガラス)と硫酸(濃度25質量%に調整したもの)を同時に連続的に加えて、12.5質量%のSiOを含むシリカヒドロゾルを調製した。このシリカヒドロゾル4000gに、カオリン737.6g(固形分濃度:83質量%)、活性アルミナ粉末533.3g(固形分濃度:75質量%)、硫酸にてpHを3.0に調整したシリカアルミナNo.S1スラリー2407g(固形分濃度:16質量%)、Y型ゼオライト粉末783.7g(固形分濃度:77%質量)を加え、混合スラリーを調製した。
この触媒スラリーを40℃に調整した後、液滴として入口温度が250℃、出口温度が150℃の噴霧乾燥機で噴霧乾燥を行い、平均粒子径が70μmの乾燥粒子を得た。この乾燥粒子を温水で洗浄し、次いで硫酸アンモニウム水溶液、希土類金属塩化物水溶液によるイオン交換と温水洗浄し、REが1.8質量%となるようにイオン交換した。得られた洗浄ケーキを雰囲気温度150℃に保持した乾燥機にて10時間乾燥し、流動接触分解触媒No.C1を得た。流動接触分解触媒No.C1の触媒組成および触媒性状を表2に示す。
(実施例2)
シリカアルミナNo.S2の調製
45℃に加温した100kgの擬ベーマイトスラリーに、水ガラスを11.03kg加え、15質量%のSiOを含む懸濁スラリーを得た以外は、実施例1と同様にしてシリカアルミナNo.S2を得た。シリカアルミナNo.S2の性状を表1に示す。
流動接触分解触媒No.C2の調製
シリカアルミナスラリーとしてシリカアルミナNo.S2を使用した以外は、実施例1と同様にして流動接触分解触媒No.C2を得た。流動接触分解触媒No.C2の触媒組成および触媒性状を表2に示す。
(実施例3)
シリカアルミナNo.S3の調製
45℃に加温した100kgの擬ベーマイトスラリーに、水ガラスを20.83kg加え、25質量%のSiOを含む懸濁スラリーを得た以外は、実施例1と同様にしてシリカアルミナNo.S3を得た。シリカアルミナNo.S3の性状を表1に示す。
流動接触分解触媒No.C3の調製
シリカアルミナスラリーとしてシリカアルミナNo.S3を使用した以外は、実施例1と同様にして流動接触分解触媒No.C3を得た。流動接触分解触媒No.C3の触媒組成および触媒性状を表2に示す。
(実施例4)
シリカアルミナNo.S4の調製
20質量%のSiOを含む懸濁スラリーを45℃に調整し、硫酸(濃度25質量%)を添加し、pHを9.5に調整した以外は、実施例1と同様にしてシリカアルミナNo.S4を得た。シリカアルミナNo.S4の性状を表1に示す。
流動接触分解触媒No.C4の調製
シリカアルミナスラリーとしてシリカアルミナNo.S4を使用した以外は、実施例1と同様にして流動接触分解触媒No.C4を得た。流動接触分解触媒No.C4の触媒組成および触媒性状を表2に示す。
(実施例5)
シリカアルミナNo.S5の調製
20質量%のSiOを含む懸濁スラリーを45℃に調整し、硫酸(濃度25質量%)を添加し、pHを10.5に調整した以外は、実施例1と同様にしてシリカアルミナNo.S5を得た。シリカアルミナNo.S5の性状を表1に示す。
流動接触分解触媒No.C5の調製
シリカアルミナスラリーとしてシリカアルミナNo.S5を使用した以外は、実施例1と同様にして流動接触分解触媒No.C5を得た。流動接触分解触媒No.C5の触媒組成および触媒性状を表2に示す。
(比較例1)
シリカアルミナNo.SAの調製
45℃に加温した100kgの擬ベーマイトスラリーに、水ガラスを1.93kg加え、3質量%のSiOを含む懸濁スラリーを得た以外は、実施例1と同様にしてシリカアルミナNo.SAを得た。シリカアルミナNo.SAの性状を表1に示す。
流動接触分解触媒No.CAの調製
シリカアルミナスラリーとしてシリカアルミナNo.SAを使用した以外は、実施例1と同様にして流動接触分解触媒No.CAを得た。流動接触分解触媒No.CAの触媒組成および触媒性状を表2に示す。
(比較例2)
シリカアルミナNo.SBの調製
45℃に加温した100kgの擬ベーマイトスラリーに、水ガラスを41.7kg加え、40質量%のSiOを含む懸濁スラリーを得た以外は、実施例1と同様にしてシリカアルミナNo.SBを得た。シリカアルミナNo.SBの性状を表1に示す。
流動接触分解触媒No.CBの調製
シリカアルミナスラリーとしてシリカアルミナNo.SBを使用した以外は、実施例1と同様にして流動接触分解触媒No.CBを得た。流動接触分解触媒No.CBの触媒組成および触媒性状を表2に示す。
(比較例3)
シリカアルミナNo.SCの調製
20質量%のSiOを含む懸濁スラリーに硫酸(濃度25質量%)を添加せず、45℃における懸濁スラリーのpHを11.5とした以外は、実施例1と同様にしてシリカアルミナNo.SCを得た。シリカアルミナNo.SCの性状を表1に示す。
流動接触分解触媒No.CCの調製
シリカアルミナスラリーとしてシリカアルミナNo.SCを使用した以外は、実施例1と同様にして流動接触分解触媒No.CCを得た。流動接触分解触媒No.CCの触媒組成および触媒性状を表2に示す。
(比較例4)
シリカアルミナNo.SDの調製
20質量%のSiOを含む懸濁スラリーを45℃に調整し、硫酸(濃度25質量%)を添加し、pHを8.5に調整した以外は、実施例1と同様にしてシリカアルミナNo.SDを得た。シリカアルミナNo.SDの性状を表1に示す。
流動接触分解触媒No.CDの調製
シリカアルミナスラリーとしてシリカアルミナNo.SDを使用した以外は、実施例1と同様にして流動接触分解触媒No.CDを得た。流動接触分解触媒No.CDの触媒組成および触媒性状を表2に示す。
(比較例5)
シリカアルミナNo.SEの調製
pHを10.0に調整した懸濁スラリーを60℃に加温し1時間保持した以外は、実施例1と同様にしてシリカアルミナNo.SEを得た。シリカアルミナNo.SEの性状を表1に示す。
流動接触分解触媒No.CEの調製
シリカアルミナスラリーとしてシリカアルミナNo.SEを使用した以外は、実施例1と同様にして流動接触分解触媒No.CEを得た。流動接触分解触媒No.CEの触媒組成および触媒性状を表2に示す。
[触媒活性評価試験]
各実施例、比較例の触媒について、ACE-MAT(Advanced Cracking Evaluation Micro Activity Test)を用い、同一原油、同一反応条件下で触媒の性能評価試験を行った。ただし、これらの性能評価試験を行う前に、各触媒の表面に、予めニッケルおよびバナジウムをそれぞれ1000質量ppm(ニッケルの質量を触媒の質量で除算している)および2000質量ppm(バナジウムの質量を触媒の質量で除算している)沈着させ、次いでスチーミングして擬平衡化処理を行った。
活性評価試験における運転条件は以下の通りである。
原料油:原油の脱硫常圧残渣油(DSAR)
触媒/通油量の質量比(C/O):5.0
反応温度:520℃
1)転化率=100-(LCO+HCO)
2)ガソリンの沸点範囲:30~216℃
3)LCOの沸点範囲:216~343℃(LCO:Light Cycle Oil)
4)HCOの沸点範囲:343℃+(HCO:Heavy Cycle Oil)
活性評価試験結果は表3に示す通りである。比較例の触媒と比較して発明例の触媒は転化率に優れ、Coke収率及びHCO収率に優れた接触分解用触媒であると評価できる。
Figure 2022144757000001
Figure 2022144757000002
Figure 2022144757000003

Claims (6)

  1. 非ゼオライト系のシリカアルミナ粉末であって、以下の特性を有するシリカアルミナ粉末。
    ・シリカ(SiO)含量は、5~30質量%の範囲である;
    ・窒素吸着等温線を用いて測定した細孔容積は、0.70~1.20ml/gの範囲である;
    ・シリカアルミナの酸性度は、ピリジンの熱脱離をIRモニタリングすることで測定し、ブレンステッド酸を有し、ルイス酸量が200~400μmol/gの範囲である;
    ・BET比表面積は、350~550m/gの範囲である。
  2. NH-TPD測定から算出した、酸量としてのアンモニア脱離量が、500~700μmol/gの範囲であり、かつ、脱離温度400~500℃における酸量の割合が全酸量に対して10%以上である請求項1に記載のシリカアルミナ粉末。
  3. 請求項1または2に記載のシリカアルミナ粉末の製造方法であって、
    (A)アルミナ水和物を含む水溶液と、シリカ前駆体含有水溶液とを混合し、シリカアルミナ前駆体を含む水溶液Aを調製する工程、
    (B)前記工程(A)で得られた前記シリカアルミナ前駆体を含む水溶液AのpHを、9.0~11.0の範囲に調整した後、80~100℃の温度範囲で、0.5~12時間の範囲で加熱処理する工程、
    (C)前記工程(B)で加熱処理した水溶液を、冷却した後、固形物を分離し、洗浄した後、乾燥し、または、さらに焼成し、シリカアルミナ粉末を得る工程、
    を含む、シリカアルミナ粉末の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載のシリカアルミナ粉末を含む流動接触分解触媒。
  5. (1)請求項1または2に記載のシリカアルミナ粉末と、バインダー成分と、増量剤としての粘土成分、ゼオライト成分、添加剤を混合し、混合スラリーを得る工程、
    (2)前記工程(1)で得られた混合スラリーを、噴霧乾燥し、乾燥粒子を得る工程、
    (3)前記工程(2)で得られた乾燥粒子を、洗浄、乾燥して、流動接触分解触媒を得る工程、
    を含む流動接触分解触媒の製造方法。
  6. 前記工程(3)に替えて、
    (4)前記工程(2)で得られた乾燥粒子を、洗浄、乾燥した後、さらに希土類金属交換を行い、希土類金属交換した流動接触分解触媒を得る工程、
    を含む請求項5に記載の流動接触分解触媒の製造方法。
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