JP2022158149A - シリカアルミナ粉末、シリカアルミナ粉末の製造方法、流動接触分解触媒およびその製造方法 - Google Patents

シリカアルミナ粉末、シリカアルミナ粉末の製造方法、流動接触分解触媒およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】流動接触分解触媒に用いて、コーク生成量が少なく、ガソリン収率を高める、熱安定性や適度な酸密度と酸強度を有するシリカアルミナ粉末およびその製造方法ならびにそのシリカアルミナ粉末を含む流動接触分解触媒を提供する。【解決手段】下記a~fの特徴を有するシリカアルミナ粉末。a.SiO2を8~20質量%の範囲で含有すること、b.X線回折によるベーマイトアルミナ(020)面の結晶子径が10~50nmであること、c.比表面積が90~230m2/gの範囲にあること、d.比表面積当たりの酸量である酸密度が、0.75~1.00μmol/m2であること、e.TG-DTA測定において、ベーマイトアルミナからガンマアルミナへの結晶転位温度が470℃以上であること、f.CO吸着FT-IR測定において、2230cm-1付近にピークを示すルイス酸が存在すること。そのシリカアルミナ粉末を含む流動接触分解触媒。【選択図】図1

Description

本発明は、流動接触分解触媒に用いて、熱安定性に優れ、適度な酸密度で、ルイス酸強度の強いシリカアルミナ粉末およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、シリカアルミナを含むコーク収率が低く、ガソリン収率に優れた流動接触分解触媒およびその製造方法に関する。
原料油(炭化水素油)、例えば常圧蒸留残渣油の流動接触分解(Fluid Catalytic Cracking, FCC)プロセスに用いられる流動接触分解触媒は、固体酸であるゼオライトを含んでいる。さらに流動接触分解触媒は、流動状態で用いる際の耐摩耗性を持たせるためなどの目的でマトリックス成分、例えば炭化水素油の分解活性を持つシリカアルミナなどが添加される。
シリカアルミナとは、一般にシリカとアルミナの混合物又は複合酸化物を意味する。シリカとアルミナの混合物とは、シリカとアルミナが化学結合を介さず物理的に混合されたものを意味する。この場合、シリカとアルミナの混合物は、アルミナに由来するルイス酸を有している。一方、シリカとアルミナの複合酸化物は、シリカとアルミナが化学結合を介して混合されたものを意味する。この場合、シリカとアルミナの複合酸化物は、その結晶構造に由来するブレンステッド酸を有している。
シリカアルミナは、シリカとアルミナが化学結合を介しているかどうかで、酸の性質が変化するという特徴がある。シリカアルミナは、上記した特徴を生かして、古くから種々の触媒反応に用いられてきた。また、種々の方法で製造されている。
たとえば、特許文献1には、核としてのアルミナの表面上にシリカ層を形成した構造を有するシリカ-アルミナとその製造方法および水素化処理用触媒が開示されている。
また、特許文献2には、アルミナを核とし、その表面にシリカを付着結合させた構造を有するシリカ-アルミナを触媒成分として含有する重質油の流動接触分解用触媒組成物が開示されている。
また、特許文献3には、核としてのアルミナ粒子の表面にシリカ層を形成した構造を有するシリカ-アルミナ複合酸化物およびその製造方法が開示されている。
また、特許文献4には、シリカ含量、比表面積および酸量を特定する記無定形シリカアルミナおよびその製造方法が開示されている。
また、特許文献5には、安価な擬結晶性ベーマイト前駆体と添加物を一緒にし、熟成して、添加物を均一に分散した状態で含む擬結晶性ベーマイトを製造する方法が開示されている。
また、特許文献6には、酸化アルミニウム成分、例えば平均結晶子サイズが約20から約200オングストロームの結晶性ベーマイトなどとこの酸化アルミニウム成分の中に密に分散している結晶サイズ成長抑制剤の添加剤成分残渣、例えばケイ酸塩、燐酸塩などを含んで成る多孔質複合体粒子が開示されている。
また、非特許文献1や2には、CO吸着FT-IRによって、シリカアルミナについてルイス酸性質を確認している。
特開平06-127931号公報 特開平08-071417号公報 特開平09-255321号公報 特開平11-157828号公報 特表2003-507298号公報 特表2003-517993号公報 米国特許第5569325号明細書
Nature, Structure and Strength of the Acidic Sites of Amorphous Silica Alumina: An IR and NMR Study, J. Phys. Chem. B 2006, 110, pp15172-15185. IR Characterization of Homogeneously Mixed Silica-Alumina Samples and Dealuminated Y Zeolites by Using Pyridine, CO, and Propene Probe Molecules, J. Phys. Chem. C 2013, 117, pp14043-14050. C. A. Emeis, J. Catal.,141, 1993, 347-354.
シリカアルミナは、固体酸を有することから、流動接触分解触媒や水素化分解触媒等、様々な触媒反応に用いられている。特に、流動接触分解においては、コーク生成量が少ない触媒が求められ、シリカアルミナには熱安定性や適度な酸密度と酸強度が求められる。しかしながら、上記特許文献1~6に開示の技術には、シリカアルミナを製造する際に、シリカ源を添加する前のアルミナ原料として、ベーマイトの結晶子径を規定しておらず、シリカアルミナの熱安定性やルイス酸の性質を制御できていない。
非特許文献1や2では、シリカアルミナのルイス酸にかかる性質を確認している。しかし、SiOを30質量%以上含有するシリカアルミナについてのみ、酸強度の強いルイス酸の存在を示す2230cm-1付近のピークが確認されている。シリカアルミナはシリカ比率の増加に伴い、比表面積の増加と酸量の低下を生ずる。したがって、SiOを20質量%以上含有するシリカアルミナは流動接触分解触媒に用いて、十分な酸密度を得ることができない。
本発明は、流動接触分解触媒に用いて、熱安定性に優れ、適度な酸密度で、ルイス酸強度の強いシリカアルミナ粉末およびその製造方法ならびにそのシリカアルミナ粉末を含む、コーク収率が低く、ガソリン収率に優れた流動接触分解触媒を提供することを目的とする。
本発明が提供するシリカアルミナ粉末は、下記a~fの特徴を有する。
a.SiOを8~20質量%の範囲で含有すること、
b.X線回折によるベーマイトアルミナ(020)面の結晶子径が10~50nmであること、
c.該シリカアルミナ粉末の比表面積が90~230m/gの範囲であること、
d.表面積当たりの酸量である酸密度が、0.75~1.00μmol/mの範囲であること、
e.TG-DTA測定(重量変化-示差熱測定)において、ベーマイトアルミナからガンマアルミナへの結晶転位温度が470℃以上であること、
f.CO吸着FT-IR測定(フーリエ変換赤外分光光度計による測定)において、2230cm-1付近にピークを示すルイス酸が存在すること。
本発明が提案するシリカアルミナ粉末の製造方法は、上記シリカアルミナ粉末の製造方法であって、
(A)アルミナ水和物を含む水溶液と、シリカ前駆体含有水溶液とを混合し、シリカアルミナ前駆体を含む水溶液Aを調製する工程、
(B)前記工程(A)で得られた前記シリカアルミナ前駆体を含む水溶液AのpHを、8.0以上に調整した後、70~180℃の温度範囲で、2時間以上加熱処理し、シリカアルミナスラリーAを得る工程、
(C)該シリカアルミナスラリーAから固形分を分離させ、シリカアルミナ粉末を得る工程、を含む、
ここで、工程(A)で用いるアルミナ原料は、X線回折によるベーマイトアルミナ(020)面の結晶子径が10~50nmであるものを用い、
シリカとアルミナの質量比が、8/92~20/80の範囲になるように調整するものである。
本発明にかかる流動接触分解触媒は、上記シリカアルミナ粉末を含む流動接触分解触媒である。
また、本発明にかかる流動接触分解触媒の製造方法は、
(1)上記シリカアルミナ粉末成分と、バインダー成分と、粘土成分(増量剤)、ゼオライト成分、添加剤を混合し、混合スラリーを得る工程、
(2)前記工程(1)で得られた混合スラリーを、噴霧乾燥し、乾燥粒子を得る工程、
(3)前記工程(2)で得られた乾燥粒子を、洗浄、乾燥して、流動接触分解触媒を得る工程、を含む。
さらに、工程(3)に替えて、
(4)前記工程(2)で得られた乾燥粒子を、洗浄した後、さらに希土類金属交換を行い、希土類金属交換した流動接触分解触媒を得る工程、を含むことが好ましい。
本発明によれば、流動接触分解触媒に用いて、熱安定性に優れ、適度な酸密度で、ルイス酸強度の強いシリカアルミナ粉末を得ることができるので、そのシリカアルミナ粉末を含む流動接触分解触媒は、炭化水素油の流動接触分解に用いて、コーク収率が低く、ガソリン収率に優れたものとすることができる。
発明例にかかるシリカアルミナ粉末のCO吸着FT-IR測定によるグラフである。 比較例にかかるシリカアルミナ粉末のCO吸着FT-IR測定によるグラフである。
発明者らは、アルミナ水和物として、結晶性の高いベーマイトを用いることで、流動接触分解触媒に用いて好適なシリカアルミナを得ることができることを見出した。その原理は、以下のようなものであると考えている。結晶性の高いベーマイトはより規則的な配列を持ち、シリカと反応する結晶面を適切に制御できるため、シリカアルミナに特定の強い酸点を発現できる。また、結晶性の高いベーマイトを用いることで、シリカアルミナは表面積当たりの酸量が多くなり、熱安定性も向上するため、流動接触分解触媒として利用した場合、長期間での高活性が期待できる。
<シリカアルミナ粉末>
本発明のシリカアルミナ粉末は、以下の特性を有する:
a.SiOを8~20質量%の範囲で含有すること、
b.X線回折によるベーマイトアルミナ(020)面の結晶子径が10~50nmであること、
c.該シリカアルミナ粉末の比表面積が90~230m/gの範囲であること、
d.表面積当たりの酸量である酸密度が、0.75~1.00μmol/mの範囲であること、
e.TG-DTA測定(重量変化-示差熱測定)において、ベーマイトアルミナからガンマアルミナへの結晶転位温度が470℃以上であること、
f.CO吸着FT-IR測定(フーリエ変換赤外分光光度計による測定)において、2230cm-1付近にピークを示すルイス酸が存在すること。
本発明にかかるシリカアルミナ粉末は、非ゼオライト物質である。該粉末中に含まれるシリカ成分は8~20質量%の範囲である。好ましくは、8~17質量%、さらには9~15質量%の範囲であることが好ましい。下限値を下回ると、結晶転移温度が低くなり、更にはCO吸着FT-IR測定(フーリエ変換赤外分光光度計による測定)において、2230cm-1付近にピークを示す強いルイス酸が存在しなくなるため、性能が不充分となる場合がある。また、上限値を超えると、シリカアルミナを流動接触分解触媒に用いて、十分な酸密度を得ることができない。
<化学組成(Al、Si、Na、S)>
本発明の流動接触分解触媒の成分のうち、Al,Si,Naは、プラズマ発光分析(ICP)法で、硫黄(S)は燃焼法により化学組成を測定した。
<ピリジン吸着FT-IR測定>
シリカアルミナ粉末30mgを20mmΦのディスクに成型した後、真空ラインに接続されたIRセルに設置して、500℃で1時間真空排気処理を行った。前処理後、150℃に降温して、ピリジン蒸気の導入前後の試料ディスクのIRスペクトルを日本分光社製FT/IR-4600で測定した。ブレンステッド酸点とルイス酸点の定量は、非特許文献3に記載の方法に基づいて行った。
<X線回折測定条件>
シリカアルミナ粉末のX線回折は、株式会社リガク製MiniFlexにより測定した。測定条件は、操作軸を2θ/θとし、線源にCuKαを用い、連続式測定方法により、電圧を40kV、電流を15mAとし、開始角度:2θ=5°から終了角度:2θ=90°まで、サンプリング幅を0.020°とし、スキャン速度を10.000°/minとした。
ベーマイト型アルミナの結晶子径Dは、下記シェラー式を使い、ベーマイトアルミナ(020)面(2θ=14.0~15.0°)に対して計算した。
結晶子径=(K×λ)/(β×cosθ)
K(形状係数): 0.9400
λ(X線の波長): 0.15418nm
β(装置に固有の線幅の広がり補正): 半値全幅
θ: ブラグ角(°)
本発明にかかるシリカアルミナ粉末は、ベーマイトアルミナ(020)面の結晶子径が10~50nm、好ましくは10~45nmであることが好ましい。下限値を下回ると、シリカアルミナは流動接触分解触媒に用いて、高い熱安定性と十分な酸密度、更には、CO吸着FT-IR測定(フーリエ変換赤外分光光度計による測定)において、2230cm-1付近にピークを示す強いルイス酸強度を示さない。上限値を上回ると、表面積や酸量が大幅に低下するため、触媒活性が低下する。
<BET比表面積測定>
不活性ガス雰囲気下にて500℃で1時間の前処理を実施したシリカアルミナ試料粉末について、マウンテック社製 MacSorb-1220を用いてNの吸着量及び脱離量を測定した。得られたNの脱離量から、BET1点法に基づいて比表面積を算出した。
本発明にかかるシリカアルミナの比表面積は、90~230m/gとする。好ましくは100~210m/gの範囲である。
<酸密度>
上記ピリジン吸着FT-IRで測定したブレンステッド酸量とルイス酸量の総和(μmol/g)と上記BET比表面積(m/g)から、表面積当たりの酸量である酸密度(μmol/m)を求めた。
本発明にかかるシリカアルミナの酸密度は、0.75~1.00μmol/mとする。好ましくは、0.80~1.00μmol/m、さらに好ましくは0.80~0.90mol/mの範囲であることが好ましい。この範囲の酸密度とすることで、流動接触分解触媒に用いて十分な触媒活性が得られる。
<TG-DTA(重量変化-示差熱分析)測定>
株式会社リガク社製のTG-DTA(重量変化-示差熱分析)装置(Thermo Plus TG8120)を使用して、50ml/minの吹き込み速度で空気を導入しながら、10℃/minの昇温速度で1000℃まで測定し、粉末状試料の熱挙動を記録した。標準物質として、アルファアルミナを使用した。
本発明にかかるシリカアルミナのベーマイトアルミナからガンマアルミナへの結晶転位温度は470℃以上とする。この温度域であれば、高い熱安定性を有するといえる。
<CO吸着FT-IR測定>
シリカアルミナ粉末30mgを20mmΦのディスクに成型した後、真空ラインに接続されたIRセルに設置して、500℃で1時間真空排気処理を行った。前処理後、マイナス176℃に降温し、不活性ガス(He)を100Pa導入して、試料温度をマイナス176℃に近づけた。ついで、真空排気し、COを1Pa、5Pa、5Pa(2回目)、10Paと徐々に導入させた時のCO伸縮振動に由来するIRスペクトル変化を確認した。図1、図2にCO導入前後の差スペクトルを示した。ルイス酸強度が強いほどCOの伸縮振動は高波数側にシフトし、2230cm-1付近のピークの出現は、酸強度の強いルイス酸が存在することを示す。
本発明にかかるシリカアルミナは、CO吸着FT-IR測定2230cm-1付近にピークを示すルイス酸が存在することが特徴である。
<シリカアルミナ粉末の製造方法>
シリカアルミナ粉末の製造方法は、
(A)アルミナ水和物を含む水溶液と、シリカ前駆体含有水溶液とを混合し、シリカアルミナ前駆体を含む水溶液Aを調製する工程、
(B)前記工程(A)で得られた前記シリカアルミナ前駆体を含む水溶液AのpHを、8.0以上に調整した後、70~180℃の温度範囲で、2時間以上加熱処理し、シリカアルミナスラリーAを得る工程、
(C)該シリカアルミナスラリーAから固形分を分離させ、シリカアルミナ粉末を得る工程、
必要に応じて洗浄、乾燥(焼成)を行い、シリカアルミナ粉末を得る工程、を含む、
ここで、工程(A)で用いるアルミナ原料は、X線回折によるベーマイトアルミナ(020)面の結晶子径が10~50nmであるものを用い、
シリカとアルミナの質量比が、8/92~20/80の範囲になるように調整する。
<アルミナ原料>
アルミナ原料としては、上記X線回折によるベーマイトアルミナ(020)面の結晶子径が10~50nm、好ましくは10~45nmの範囲であることが好ましい。下限を下回ると、ベーマイトアルミナの結晶性が低いため、シリカアルミナ粉末の原料に用いて、熱安定性と酸の性質を適切に制御できない。上限を上回ると、ベーマイトアルミナの表面積が低く、シリカアルミナ粉末の原料に用いて、表面積や酸量の低下が起こり、触媒活性が低下する。市販のアルミナから選択してもよいし、アルミン酸アルカリ金属塩やアルミニウム塩の水溶液を用いて、調合してもよい。
たとえば、アルミン酸ナトリウム水溶液に硫酸アルミニウム水溶液を添加して攪拌する。得られたアルミナスラリーを温水で洗浄し、洗浄アルミナケーキのNaOを乾燥重量で2%以下、SOを乾燥重量で1%以下とする。次いで、洗浄アルミナケーキを純水に分散させ、洗浄アルミナスラリーとする。そして、水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを調整し、撹拌しながら、熟成を行う。熟成後、冷却し、結晶性ベーマイトスラリーを得る。
<シリカ前駆体含有水溶液>
本発明にかかるシリカアルミナ粉末の製造方法の工程(A)の実施態様においては、アルミナ水和物を含む水溶液と、シリカ前駆体含有水溶液とを混合する。シリカ化合物の供給源は、ケイ酸、ケイ酸コロイド溶液、水溶性ケイ酸塩、カチオン性ケイ素塩(水和メタケイ酸ナトリウム等)、ルドックス(登録商標、アンモニア型又はアルカリ型)、及びケイ酸四級アンモニウム塩からなる群から選ばれるのが好ましい。ケイ酸コロイド溶液の調製は当業者に公知の方法を用いて行ってよい。シリカ化合物として、脱塩珪酸液が好ましい。この完全可溶ケイ素化合物の供給源は、水溶性ケイ酸アルカリを樹脂上でイオン交換することにより調製したオルトケイ酸溶液(HSiO、HO)を用いてもよい。
<工程(A)>
・アルミナ水和物を含む水溶液と、シリカ前駆体含有水溶液とを混合し、シリカアルミナ前駆体を含む水溶液Aを調製する工程
アルミナ化合物と完全可溶なシリカ化合物、又は一部可溶なシリカ化合物及びアルミナ化合物の組み合わせることは、特定の大きさ及び化学反応性を有するアルミナ化学種及びシリカ化学種を、本工程(A)の混合物中で接触させ、化学種間の相互作用を制御することに相当する。このように相互作用を制御することが、本発明のシリカアルミナ粉末の均質性を高める一因となる。該調製方法において、加熱処理の前のどの工程でも、シリカアルミナ粉末の調製に用いるアルミナ化合物及びシリカ化合物の化学的性質に応じて、シリカ化学種及びアルミナ化学種の間の相互作用活性を制御してよい。非限定的な一例において、水和アルミニウム型の一部可溶アルミナ化合物Al・nHO(ベーマイト)を、水性媒体中で、様々な合成条件(pH、温度等)を制御した状態で脱カチオン化オルトケイ酸型の完全可溶シリカ化合物と混合してもよく、或いは成形工程中、機械加工の後に、アルミナ水和物型の一部可溶アルミナ化合物Al・nHO(ベーマイト)を、市販の完全可溶シリカ(ルドックス(登録商標))コロイド溶液と混合してもよい。シリカアルミナ粉末調製方法の工程(A)での混合に続いて、水(気相又は液相)の存在下で加熱処理を行い、最終的に、本発明の流動接触分解に用いるシリカアルミナ粉末の酸性度及びテクスチャ特性を得るために必要な、アルミナ化学種とシリカ化学種の間のマイクロメータレベル(又はナノメータレベル)での均質性を達成する。
本工程(A)の調合では、水溶液の温度は、10~60℃の範囲で行うことが好ましい。この範囲から過度に外れた温度で調合すると、シリカとアルミナの均質な反応が起こらず、シリカアルミナは、高い熱安定性と適度な酸密度、強いルイス酸強度を示さないので、好ましくない。
ケイ素の一部又は全体を含む化合物を添加する前の段階では、水和アルミナ粉末、噴霧乾燥水和アルミナ粉末、水和アルミナの分散液及び懸濁液、並びにこれらの組み合わせ全てに当てはまる。
最終的に得られるシリカアルミナ粉末のメソ細孔の直径を大きくする目的で、米国特許第4066574号に開示されているとおり、アルミナ一水和物等のアルミナ成分(酸性媒体に一部可溶なアルミナ化合物)の水性懸濁液又は分散液を調製して、本工程(1)の混合物を得て、続いて該混合物を塩基性溶液(アンモニア等)で中和し、最後にこれを完全可溶シリカ化合物(脱カチオン化オルトケイ酸溶液等)に同時又は逐次的に加えることが特に有効である。この懸濁液を激しく撹拌して機械的均質化し、任意にろ過による乾物含量調整及び再均質化を行った後、生成物を加熱処理し、それと同時又は逐次的に任意に成形する。
以下、上記方法の説明において、混合物の第1「均質化」は機械的処理により行うことが多い。例えば、固体画分を含有する生成物を、懸濁液等の液体、粉末、ろ過沈殿等の状態で用いる場合は、該生成物を強撹拌して分散する。分散液の機械的均質化については、当業者に広く知られている。均質化は、当業者に公知の機械的方法により、例えば回分反応器、連続ミキサー、又はミルを用いて行ってよい。栓流反応器中、特に静的反応器中で混合してよい。ライトニン反応器も使用できる。Ultraturrax(登録商標)タービン又はStaro(登録商標)タービン、或いはStaro(登録商標)コロイドミル等のコロイドミルを用いてもよい。市販のIKA(登録商標)コロイドミルも使用してよい。
<工程(B)>
・前記工程(A)で得られた前記シリカアルミナ前駆体を含む水溶液AのpHを、8.0以上に調整した後、70~180℃の温度範囲で、2時間以上加熱処理し、シリカアルミナスラリーAを得る工程
本発明のシリカアルミナ粉末の調製方法の工程(B)では、上記工程(A)で得られた水溶液AのpHを、8.0以上に調整した後、70~180℃の温度範囲で、2時間以上加熱処理することにより、シリカアルミナ粉末の均質性を確保できる。
この工程での水溶液AのpHは8.0以上、好ましくは9.0~11.0の範囲である。pHがこの範囲から過度に外れると、シリカとアルミナの均質な反応が起こらず、シリカアルミナは高い熱安定性と適度な酸密度、強いルイス酸強度を示さないため、好ましくない。また、水溶液の温度は、70~180℃の温度範囲であることが好ましい。下限未満では、シリカアルミナ前駆体の反応が不充分となり、上限を超えるとシリカアルミナの溶解が進行し、シリカアルミナは高い熱安定性と適度な酸密度、強いルイス酸強度を示さないため、好ましくない。即ち、上記工程(A)で得られた固体を水(気相又は液相)に接触させて加熱処理を行う。加熱処理は調製のいかなる段階で行ってもよい。この処理によってシリカ成分の可動性が向上する場合があるが、本発明はこれにより限定されない。加熱処理時間の上限は特に設けないが、経済性を考慮すると上限は48時間程度とすることが好ましい。
<工程(C)>
・前記工程(B)で加熱処理した水溶液を、冷却した後、固形分を分離させ、シリカアルミナ粉末を得る工程
洗浄、乾燥(焼成)を行い、シリカアルミナ粉末を得る工程である。常法を用いることができる。
<流動接触分解触媒の製造方法>
(1)前記シリカアルミナ粉末成分と、バインダー成分と、粘土成分(増量剤)、ゼオライト成分、添加剤を混合し、混合スラリーを得る工程、
(2)前記工程(1)で得られた混合スラリーを、噴霧乾燥し、乾燥粒子を得る工程、
(3)前記工程(2)で得られた乾燥粒子を、洗浄、乾燥して、流動接触分解触媒を得る工程、を含む流動接触分解触媒の製造方法である。
また、工程(3)に替えて、
(4)前記工程(2)で得られた乾燥粒子を、洗浄した後、さらに希土類金属交換を行い、希土類金属交換した流動接触分解触媒を得る工程、を含む流動接触分解触媒の製造方法である。
流動接触分解触媒の製造方法は、特開2020-032350号公報や、特開2020-032352号公報に記載の方法で行うことができる。
以下に実施例を示し、本例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
SiO濃度5質量%の希釈水ガラスを陽イオン交換樹脂にてイオン交換し、pH2.67の脱塩珪酸液を調製した。SiO濃度5質量%の脱塩珪酸液:1440gに純水:1750gを添加し、15質量%のアンモニア水溶液を添加してpHを10.8に調整した。表1のAAに示すサソール社製CATAPAL200((020)面結晶子径:22.5nm、比表面積:94m/g):810g(Al濃度80質量%)を、pHを10.8に調整した上記希釈珪酸液に添加し、室温で30分撹拌した。更に、15質量%のアンモニア水溶液を添加し、スラリーのpHを10.8に調整した。ついで、オートクレーブに充填し、撹拌下、3時間で180℃に昇温し、8時間加熱処理をしてシリカアルミナスラリー(1)を得た。
シリカアルミナスラリー(1)は130℃で10時間乾燥し、ミキサーにて粉砕した。この粉末を温水で洗浄し、次いで硫酸アンモニウム水溶液によるイオン交換と温水洗浄し、洗浄ケーキを得た。洗浄ケーキは130℃で10時間乾燥し、シリカアルミナ粉末S1を得た。シリカアルミナ粉末S1の物性等を表2-1に示し、CO吸着FT-IR測定のスペクトルを図1に示す。
[流動接触分解触媒の調製]
水ガラス(SiO濃度17.5質量%):1429gと硫酸(濃度25質量%に調整したもの、以下同じ):571gを同時に連続的に加えて、SiO濃度が12.5質量%のシリカゾル(シリカ系バインダーの一例):2000gを調整した。このシリカゾルに、カオリンクレー:1625g(乾燥基準)、シリカアルミナ粉末S1:250g(乾燥基準)、超安定化Y型ゼオライト粉末(SiO/Alモル比が7.1、単位結晶子サイズが2.440nm、以下同じ):375g(乾燥基準)を加えて混合スラリーを調製した。前記混合スラリーを液滴として、入口温度が250℃、出口温度が150℃の噴霧乾燥機で噴霧乾燥し、平均粒径が70μmの球状粒子を得た。得られた噴霧乾燥粒子を温水で洗浄し、次いで硫酸アンモニウム水溶液、希土類金属塩化物水溶液によるイオン交換と温水洗浄し、REとして1.0質量%となるようにイオン交換処理をした。その後、触媒粒子を雰囲気150℃の乾燥機で乾燥して、流動接触分解触媒C1を得た。
(実施例2)
アルミン酸ソーダ水溶液:6530g(Al濃度5質量%)に硫酸アルミニウム水溶液:6280g(Al濃度2.5質量%)を添加し65℃で1時間撹拌し、アルミナスラリーを得た。ついで、そのアルミナスラリーを温水で洗浄し、洗浄アルミナケーキのNaOを乾燥質量で2%以下、SOを乾燥質量で1%以下とした。ついで、洗浄アルミナケーキに純水を添加しAl濃度で12.5%の洗浄アルミナスラリーを調製し、48質量%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを11.5に調整した。ついで、撹拌しながら、95℃で20時間熟成し、結晶性ベーマイトスラリー(以下、スラリーA、表1のAB)((020)面結晶子径:10.7nm、比表面積:178m/g)を得た。
SiO濃度5質量%の希釈水ガラスを陽イオン交換樹脂にてイオン交換し、pH2.67の脱塩珪酸液を調製した。5質量%の脱塩珪酸液620gに15質量%のアンモニア水溶液を添加してpHを10.8に調整した。スラリーA:3100g(Al濃度9質量%)にpH10.8に調整した上記脱塩珪酸液を添加し、室温で30分撹拌した。ついで、撹拌しながら、95℃で8時間の熟成をしてシリカアルミナスラリー(2)を得た。
シリカアルミナスラリー(2)は実施例1と同様の操作を行って、シリカアルミナ粉末S2を得た。シリカアルミナ粉末S2の物性等を表2-1に示し、CO吸着FT-IR測定のスペクトルを図1に示す。
[流動接触分解触媒の調製]
シリカアルミナ粉末S1をシリカアルミナ粉末S2に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って流動接触分解触媒C2を得た。
(実施例3)
SiO濃度5質量%の脱塩珪酸液の量を985gに変更したこと以外は実施例2と同様の操作を行ってシリカアルミナスラリー(3)を得た。
シリカアルミナスラリー(3)は実施例1と同様の操作を行って、シリカアルミナ粉末S3を得た。シリカアルミナ粉末S3の物性等を表2-1に示し、CO吸着FT-IR測定のスペクトルを図1に示す。
[流動接触分解触媒の調製]
シリカアルミナ粉末S1をシリカアルミナ粉末S3に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って流動接触分解触媒C3を得た。
(実施例4)
スラリーAとpH10.8に調整した脱塩珪酸液との混合スラリーの熟成工程を、95℃で8時間からオートクレーブ中で150℃、8時間に変更したこと以外は実施例2と同様の操作を行ってシリカアルミナスラリー(4)を得た。
シリカアルミナスラリー(4)は実施例1と同様の操作を行って、シリカアルミナ粉末S4を得た。シリカアルミナ粉末S4の物性等を表2-1に示し、CO吸着FT-IR測定のスペクトルを図1に示す。
[流動接触分解触媒の調製]
シリカアルミナ粉末S1をシリカアルミナ粉末S4に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って流動接触分解触媒C4を得た。
(実施例5)
特許文献6のEXAMPLE4に記載の方法に従って、アルミナスラリー原料にサソール社製CATAPAL-Aを用い、加熱処理中に添加するアルミナスラリーの量を7割に低減し、アルミナスラリーの添加終了後、1時間加熱処理を行い調製し、結晶性ベーマイトスラリー(以下、スラリーB、表1のAC)((020)面結晶子径:39.0nm、比表面積:85m/g)を得た。
SiO濃度5質量%の希釈水ガラスを陽イオン交換樹脂にてイオン交換し、pH2.67の脱塩珪酸液を調製した。5質量%の脱塩珪酸液620gに15質量%のアンモニア水溶液を添加してpHを10.8に調整した。スラリーB:2536g(Al濃度11質量%)にpH10.8に調整した上記脱塩珪酸液を添加し、室温で30分撹拌した。ついで、オートクレーブに充填し、撹拌下、3時間で180℃に昇温し、8時間の加熱処理をしてシリカアルミナスラリー(5)を得た。
シリカアルミナスラリー(5)は実施例1と同様の操作を行って、シリカアルミナ粉末S5を得た。シリカアルミナ粉末S5の物性等を表2-1に示し、CO吸着FT-IR測定のスペクトルを図1に示す。
[流動接触分解触媒の調製]
シリカアルミナ粉末S1をシリカアルミナ粉末S5に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って流動接触分解触媒C5を得た。
(比較例1)
サソール社製アルミナCATAPAL200の物性等を表2-2にSAとして示し、CO吸着FT-IR測定のスペクトルを図2に示す。
[流動接触分解触媒の調製]
シリカアルミナスラリーS1をサソール社製アルミナCATAPAL200(SA)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って流動接触分解触媒CAを得た。
(比較例2)
スラリーAは130℃で10時間乾燥し、ミキサーにて粉砕した。この粉末を温水で洗浄し、次いで硫酸アンモニウム水溶液によるイオン交換と温水洗浄し、洗浄アルミナケーキを得た。洗浄アルミナケーキは130℃で10時間乾燥し、結晶性ベーマイト粉末Aを得た。アルミナ粉末Aの物性等を表2-2にSBとして示し、CO吸着FT-IR測定のスペクトルを図2に示す。
[流動接触分解触媒の調製]
シリカアルミナ粉末S1をアルミナ粉末A(SB)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って流動接触分解触媒(R2)を得た。
(比較例3)
SiO濃度5質量%の脱塩珪酸液の量を356gに変更したこと以外は実施例2と同様の操作を行ってシリカアルミナスラリー(6)を得た。
シリカアルミナスラリー(6)は実施例1と同様の操作を行って、シリカアルミナ粉末SCを得た。シリカアルミナ粉末SCの物性等を表2-2に示し、CO吸着FT-IR測定のスペクトルを図2に示す。
[流動接触分解触媒の調製]
シリカアルミナ粉末S1をシリカアルミナ粉末SCに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って流動接触分解触媒CCを得た。
(比較例4)
SiO濃度5質量%の希釈水ガラスを陽イオン交換樹脂にてイオン交換し、pH2.67の脱塩珪酸液を調製した。SiO濃度5質量%の脱塩珪酸液:1440gに純水:1696gを添加し、15質量%のアンモニア水溶液を添加してpHを10.8に調整した。表1にACとして示すサソール社製CATAPAL-A((020)面結晶子径2.9nm、比表面積266m/g):864g(Al濃度75wt%)を、pHを10.8に調整した希釈珪酸液に添加し、室温で30分撹拌した。更に、15質量%のアンモニア水溶液を添加し、スラリーのpHを10.8に調整した。ついで、オートクレーブに充填し、撹拌しながら、2時間30分で150℃に昇温し、8時間加熱処理をしてシリカアルミナスラリー(7)を得た。
シリカアルミナスラリー(7)は実施例1と同様の操作を行って、シリカアルミナ粉末SDを得た。シリカアルミナ粉末SDの物性等を表2-2に示し、CO吸着FT-IR測定のスペクトルを図2に示す。
[流動接触分解触媒の調製]
シリカアルミナ粉末S1をシリカアルミナ粉末SDに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って流動接触分解触媒CDを得た。
(比較例5)
サソール社製シリカアルミナSIRAL20の物性等を表2-2にSEとして示し、CO吸着FT-IR測定のスペクトルを図2に示す。
[流動接触分解触媒の調製]
シリカアルミナ粉末S1をサソール社製シリカアルミナSIRAL20(SE)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って流動接触分解触媒CEを得た。
(比較例6)
特許文献7のEXAMPLE4に記載の方法に従って、アルミナスラリー原料にサソール社製CATAPAL-Aを用い、アルミナスラリーの添加終了後、1時間加熱処理を行い調製し、結晶性ベーマイトスラリー(以下、スラリーC、表1のAE)((020)面結晶子径:67.3nm、比表面積:52m/g)を得た。
SiO濃度5質量%の希釈水ガラスを陽イオン交換樹脂にてイオン交換し、pH2.67の脱塩珪酸液を調製した。5質量%の脱塩珪酸液620gに15質量%のアンモニア水溶液を添加してpHを10.8に調整した。スラリーC:2536g(Al濃度11質量%)にpH10.8に調整した上記脱塩珪酸液を添加し、室温で30分撹拌した。ついで、オートクレーブに充填し、撹拌下、3時間で180℃に昇温し、8時間の加熱処理をしてシリカアルミナスラリー(8)を得た。
シリカアルミナスラリー(8)は実施例1と同様の操作を行って、シリカアルミナ粉末SFを得た。シリカアルミナ粉末SFの物性等を表2-2に示し、CO吸着FT-IR測定のスペクトルを図2に示す。
[流動接触分解触媒の調製]
シリカアルミナ粉末S1をシリカアルミナ粉末SFに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って流動接触分解触媒CFを得た。
[触媒活性評価試験]
各実施例、比較例の触媒について、ACE-MAT(Advanced Cracking Evaluation Micro Activity Test)を用い、同一原油、同一反応条件下で触媒の性能評価試験を行った。ただし、これらの性能評価試験を行う前に、各触媒の表面に、予めニッケルおよびバナジウムをそれぞれ1000質量ppm(ニッケルの質量を触媒の質量で除算している)および2000質量ppm(バナジウムの質量を触媒の質量で除算している)沈着させ、次いでスチーミングして擬平衡化処理を行った。
活性評価試験における運転条件は以下の通りである。
原料油:原油の脱硫常圧残渣油(DSAR)+脱硫減圧軽油(DSVGO)(50+50)
触媒/通油量の質量比(C/O):3.75及び5.00
反応温度:520℃
1)転化率=100-(LCO+HCO)
2)ガソリンの沸点範囲:30~216℃
4)LCOの沸点範囲:216~343℃(LCO:Light Cycle Oil)
5)HCOの沸点範囲:343℃+(HCO:Heavy Cycle Oil)
活性評価試験結果は表3に示す通りである。発明例は比較例に比べコーク収率が低く、ガソリン収率の高い流動接触分解触媒であると評価できる。
Figure 2022158149000002
Figure 2022158149000003
Figure 2022158149000004
Figure 2022158149000005

Claims (5)

  1. 下記a~fの特徴を有するシリカアルミナ粉末。
    a.SiOを8~20質量%の範囲で含有すること、
    b.X線回折によるベーマイトアルミナ(020)面の結晶子径が10~50nmであること、
    c.該シリカアルミナ粉末の比表面積が90~230m/gの範囲であること、
    d.表面積当たりの酸量である酸密度が、0.75~1.00μmol/mの範囲であること、
    e.TG-DTA測定(重量変化-示差熱測定)において、ベーマイトアルミナからガンマアルミナへの結晶転位温度が470℃以上であること、
    f.CO吸着FT-IR測定(フーリエ変換赤外分光光度計による測定)において、2230cm-1付近にピークを示すルイス酸が存在すること。
  2. 請求項1に記載のシリカアルミナ粉末の製造方法であって、
    (A)アルミナ水和物を含む水溶液と、シリカ前駆体含有水溶液とを混合し、シリカアルミナ前駆体を含む水溶液Aを調製する工程、
    (B)前記工程(A)で得られた前記シリカアルミナ前駆体を含む水溶液AのpHを、8.0以上に調整した後、70~180℃の温度範囲で、2時間以上加熱処理し、シリカアルミナスラリーAを得る工程、
    (C)該シリカアルミナスラリーAから固形分を分離させ、シリカアルミナ粉末を得る工程、を含む、
    ここで、工程(A)で用いるアルミナ原料は、X線回折によるベーマイトアルミナ(020)面の結晶子径が10~50nmであるものを用い、
    シリカとアルミナの質量比が、8/92~20/80の範囲になるように調整する、シリカアルミナ粉末の製造方法。
  3. 請求項1に記載のシリカアルミナ粉末を含む流動接触分解触媒。
  4. (1)請求項1に記載のシリカアルミナ粉末成分と、バインダー成分と、粘土成分(増量剤)、ゼオライト成分、添加剤を混合し、混合スラリーを得る工程、
    (2)前記工程(1)で得られた混合スラリーを、噴霧乾燥し、乾燥粒子を得る工程、
    (3)前記工程(2)で得られた乾燥粒子を、洗浄、乾燥して、流動接触分解触媒を得る工程、を含む流動接触分解触媒の製造方法。
  5. 前記工程(3)に替えて、
    (4)前記工程(2)で得られた乾燥粒子を、洗浄した後、さらに希土類金属交換を行い、希土類金属交換した流動接触分解触媒を得る工程、を含む請求項4に記載の流動接触分解触媒の製造方法。
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