JP2022143227A - 路面異常検出システム - Google Patents

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Abstract

【課題】発生地点の環境が類似する他の路面異常のステータスの推移から、検出された路面異常のステータスの今後の推移について正確に予測することを可能にした路面異常検出システムを提供する。【解決手段】道路管理者の管理下にある情報管理センタ2が備えるサーバ装置(路面異常検出装置)3と、道路管理者により操作される操作端末4と、道路上を走行する車両5とが、通信ネットワーク網6を介して互いに電子データを送受信可能な路面異常検出システム1であって、情報管理センタは、道路を走行する車両5から車両5が備える車載センサ8の検出結果を含む走行データを収集し、収集した走行データに基づいて車両5の走行した道路の路面において生じている路面異常の位置と異常の程度を示すステータスを夫々検出し、発生地点の環境が類似する他の路面異常のステータスの推移履歴に基づいて、検出された路面異常のステータスの今後の推移を予測する。【選択図】図1

Description

本発明は、路面に生じている異常を検出する路面異常検出システムに関する。
従来より、道路の維持管理の一つとして道路の路面にアスファルトの剥がれや凹凸等の路面異常が発生した場合に、自治体や道路管理業者等の道路を管理する者(以下、道路管理者という)によってそれらの路面異常を補修することが行われている。このような路面異常の補修を行うためには、路面に生じた路面異常の位置や現在の大きさや程度(以下、ステータスという)を道路管理者側で把握する必要があるが、その手段の一つとして道路を実際に走行する車両のセンサ情報等に基づいて路面異常を検出することが行われている。
例えば特開2019-100136号公報には車両から道路の路面を撮像した画像データを収集し、収集した画像データに基づいて道路の区間毎にひび割れが発生している割合を示すひび割れ率を算出し、道路の区間毎に算出されたひび割れ率によって路面上に生じる路面異常を管理者側で把握する技術について提案されている。
特開2019-100136号公報(段落0052-0073)
ここで路面異常は同時に複数箇所で発生する場合があり、そのような場合において優先して補修する路面異常を道路管理者側で選択する必要があるが、上記の特許文献1のように現時点での路面異常のステータスを考慮して優先して補修する路面異常を選択することとすると、適切な選択ができない虞があった。例えば現時点での異常の程度の低い路面異常であっても、その後に早く異常の程度が大きくなる路面異常については他よりも優先的に補修する必要があり、現時点のステータスに加えて今後のステータスの推移を予測することが重要である。
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、発生地点の環境が類似する他の路面異常のステータスの推移から、検出された路面異常のステータスの今後の推移について正確に予測することを可能にした路面異常検出システムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため本発明に係る路面異常検出システムは、管理対象となる道路を走行する車両から、路面状態に応じて変化する車両の走行状態を検出するセンサの検出結果を含む走行データを収集する走行データ収集手段と、収集した前記走行データに基づいて車両の走行した道路の路面において生じている路面異常の位置と異常の程度を示すステータスを夫々検出する路面異常検出手段と、発生地点の環境が類似する他の路面異常のステータスの推移履歴に基づいて、前記路面異常検出手段により検出された路面異常のステータスの今後の推移を予測する推移予測手段と、を有する。
尚、「センサの検出結果」には車速センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、ヨーレートセンサ等の車両に備え付けられた各種センサの検出結果に加えて、車載カメラで撮像した画像から検出した画像認識結果についても含む。
また、「路面異常」とは、例えば、ポットホールや路面のひび割れなどの路面そのものの異常だけでなく、路面の凍結や路面に進入した障害物など、路面と他の物体とで生じる異常も含む概念とする。即ち、路面異常とは、車両の走行に影響を与える様々な路面の異常を含む概念である。
また、「異常の程度を示すステータス」とは、路面異常の生じている箇所の面積、路面異常が凹形状であれば深さ、路面異常が凸形状であれば高さ、凹凸であれば最高点と最低点の差、傾斜する形状であれば傾斜の角度等を含む。
前記構成を有する本発明に係る路面異常検出システムによれば、発生地点の環境が類似する他の路面異常のステータスの推移から、検出された路面異常のステータスの今後の推移について正確に予測することが可能となる。その結果、予測されたステータスの推移に基づいて、路面異常が複数箇所存在する場合であっても道路管理者側において優先して補修すべき路面異常を適切に判断することができ、補修作業の適切なスケジュールを立案することが可能となる。
本実施形態に係る路面異常検出システムを示した概略構成図である。 本実施形態に係る路面異常検出システムの構成を示したブロック図である。 プローブ情報DBに記憶されるプローブ情報の一例を示した図である。 検出閾値DBに記憶される閾値に関する情報の一例を示した図である。 路面異常検出DBに記憶される路面異常に関する情報の一例を示した図である。 ステータス推移履歴DBに記憶される路面異常のステータス推移の履歴の一例を示した図である。 ステータス推移予測DBに記憶される路面異常のステータス推移の予測の一例を示した図である。 本実施形態に係るナビゲーション装置の制御系を模式的に示すブロック図である。 車両が路面異常を通過する際に生じる挙動の一例を説明した図である。 本実施形態に係る路面異常検出処理プログラムのフローチャートである。 検出された路面異常を道路管理者に案内する例を示した図である。 本実施形態に係るステータス推移予測処理プログラムのフローチャートである。 ステータスの推移の予測方法について説明した図である。
以下、本発明に係る路面異常検出システムについて具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る路面異常検出システム1の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施形態に係る路面異常検出システム1を示した概略構成図である。図2は本実施形態に係る路面異常検出システム1の構成を示したブロック図である。尚、全国各地の道路は自治体(例えば都道府県、市区町村)や道路管理業者によってエリア単位或いは道路単位で区分して管理されており、以下の路面異常検出システム1は道路の管理を行うそれらの自治体毎或いは道路管理業者毎に存在することとする。以下では本実施形態の路面異常検出システム1を用いて道路の管理を行う自治体又は道路管理業者を道路管理者と称する。
図1に示すように、本実施形態に係る路面異常検出システム1は、道路管理者の管理下にある情報管理センタ2が備えるサーバ装置(路面異常検出装置)3と、道路管理者により操作される操作端末4と、道路上を走行する車両5と、を基本的に有する。また、サーバ装置3と操作端末4と車両5は通信ネットワーク網6を介して互いに電子データを送受信可能に構成されている。尚、本実施形態では基本的に路面異常検出システム1に含まれる車両5は複数台あることを前提とするが、1台のみであっても実施は可能である。また、車両5は道路管理者の管理下にある特定の車両(例えば公用車、タクシー、ごみ収集車)のみに限定しても良いし、広く一般車両まで含めても良い。
ここで、本実施形態に係る路面異常検出システム1は所謂プローブカーシステムを構成する。ここで、プローブカーシステムとは、車両5をセンサとして情報を収集するシステムである。具体的には、車両5が速度データをはじめ、ステアリング操作やシフト位置等の各システムの作動状況をGPSの位置情報とともに予め車両5に搭載された通信装置を介して情報管理センタ2に送信し、センタ側でその収集データを様々な情報として再利用するシステムをいう。
そして、情報管理センタ2が備えるサーバ装置3は、道路管理者の管理対象となる道路を走行する各車両5から現在時刻や走行情報等を含むプローブ情報(材料情報)を適宜収集して蓄積するとともに、蓄積されたプローブ情報から各種支援情報(例えば渋滞情報、路面状況、事故情報、旅行時間等)を生成し、生成された支援情報をナビゲーション装置7に対して配信したり、支援情報を用いた各種処理を行う情報管理サーバである。特に本実施形態ではサーバ装置3は、車両5が備える車速センサや加速度センサ等の路面状態に応じて変化する車両の走行状態を検出する各種センサの検出値に関する情報を各車両5から収集し、収集した情報を統計することによって、道路管理者により管理対象となる道路の路面に存在する路面異常の検出を行う。そして、サーバ装置3は検出された路面異常に関する情報を操作端末4に対して提供し、道路管理者は操作端末4を介して提供された情報に基づき、必要に応じて現地確認を行った上で検出された路面異常の補修や保留の判断を行う。尚、本実施形態における「路面異常」とは、例えば、ポットホールや路面のひび割れなどの路面そのものの異常だけでなく、路面の凍結や路面に進入した障害物など、路面と他の物体とで生じる異常も含む概念とする。即ち、路面異常とは、車両の走行に影響を与える様々な路面の異常を含む概念である。
尚、本実施形態では情報管理センタ2やサーバ装置3は道路管理者の管理下にあるものとするが、情報管理センタ2やサーバ装置3は道路管理者と異なる機関の管理下にあって、道路管理者の操作端末4に対して路面異常の検出結果に関する情報を譲渡するシステムとしても良い。
また、操作端末4は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等が該当し、道路管理者が操作可能な端末とする。操作端末4は、CPU、ROM、RAM等を中心に構成された制御部、キーボードやポインティングデバイスなどで構成される入力部、ディスプレイやスピーカなどの出力部、ハードディスクなどの不揮発性記憶手段からなる補助記憶部等を備えている。また、操作端末4にはOS(Operating system)としてWindows(登録商標)、Linux(登録商標)、MacOS(登録商標)などが搭載される。キーボード入力や画面出力といった入出力機能、主記憶部であるメモリや補助記憶部であるハードディスクに対するアクセス機能など、アプリケーションから共通して利用される基本機能は、OSによって提供される。尚、これら各OSによって提供される各種機能そのものは公知なので、ここでの詳細な説明は省略する。
更に、操作端末4は、モデム等の通信機器を介して通信ネットワーク網6に接続され、サーバ装置3と双方向通信可能に構成されている。そして、操作端末4は、サーバ装置3から取得したデータに基づいて、各種情報をディスプレイに表示等する。特に本実施形態に係る操作端末4は、後述のようにサーバ装置3によって検出された路面異常に関する情報をサーバ装置3から取得し、ディスプレイに対してその路面異常の検出地点やステータス(異常の大きさや程度)を表示して道路管理者に対して案内する。
一方、車両5は乗員が乗車した状態で道路上を走行する移動手段であって、通信(案内)端末であるナビゲーション装置7と、GPS、車速センサ、加速度センサ、車載カメラ等の各種の車載センサ8を有する。尚、車両5が備える車載センサ8は路面状態に応じて変化する車両の走行状態を検出するセンサとし、種類は特に限定されず、車両5に搭載可能な各種のセンサを採用できる。また、車両5が備える車載センサ8の数は、1つでも良く、複数個でも良い。車両5は自動運転による走行が可能な車両としても良い。
ナビゲーション装置7は、車両5に搭載され、格納する地図データに基づいて自車位置周辺の地図を表示したり、地図画像上において車両の現在位置を表示したり、設定された案内経路に沿った移動案内を行う車載機である。また、ナビゲーション装置7は通信ネットワーク網6に接続する為の通信手段を備え、GPSや車載センサ8を用いて車両の現在位置、車速、加速度等を取得し、所定時間間隔で現在時刻とともに取得した情報をプローブ情報としてサーバ装置3へと送信する。尚、上記プローブ情報の送信を実行する主体としては、ナビゲーション装置7の代わりに、例えば車両5が備える他の車載器や車両5を制御する車両制御ECUを用いても良い。
また、通信ネットワーク網6は全国各地に配置された多数の基地局と、各基地局を管理及び制御する通信会社とを含み、基地局及び通信会社を有線(光ファイバー、ISDN等)又は無線で互いに接続することにより構成されている。ここで、基地局は車両5との通信をするトランシーバー(送受信機)とアンテナを有する。そして、基地局は通信会社の間で無線通信を行う一方、通信ネットワーク網6の末端となり、基地局の電波が届く範囲(セル)にある車両5の通信をサーバ装置3との間で中継する役割を持つ。また、操作端末4とサーバ装置3との間の通信についても中継する役割を持つ。
続いて、路面異常検出システム1が有するサーバ装置3の構成について図2を用いてより詳細に説明する。
サーバ装置3は、図2に示すようにサーバ制御部11と、サーバ制御部11に接続された情報記録手段としてのプローブ情報DB12と、検出閾値DB13と、路面異常検出DB14と、ステータス推移履歴DB15と、ステータス推移予測DB16と、サーバ側地図DB17と、センタ通信装置18と、を基本的に有する。
サーバ制御部11は、サーバ装置3の全体の制御を行う制御ユニット(MCU、MPU等)であり、演算装置及び制御装置としてのCPU21、並びにCPU21が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるRAM22、制御用のプログラムのほか、後述の路面異常検出処理プログラム(図10)やステータス推移予測処理プログラム(図12)等が記録されたROM23、ROM23から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ24等の内部記憶装置を備えている。尚、サーバ制御部11は、操作端末4やナビゲーション装置7の制御部とともに処理アルゴリズムとしての各種手段を有する。例えば、走行データ収集手段は、管理対象となる道路を走行する車両5から、路面状態に応じて変化する車両5の走行状態を検出する車載センサ8の検出結果を含む走行データを収集する。路面異常検出手段は、収集した走行データに基づいて車両の走行した道路の路面において生じている路面異常の位置と異常の程度を示すステータスを夫々検出する。推移予測手段は、発生地点の環境が類似する他の路面異常のステータスの推移履歴に基づいて、路面異常検出手段により検出された路面異常のステータスの今後の推移を予測する。
また、プローブ情報DB12は、道路管理者の管理対象となる道路を走行する各車両5から収集したプローブ情報を累積的に記憶する記憶手段である。尚、本実施形態においては、車両5から収集されるプローブ情報として、特に(a)日時とその日時における(b)車両5の位置座標(緯度、経度)、(c)車両の走行する走行リンク、(d)車両の車種、(e)車両が備える車載センサ8の検出値が含まれる。尚、車両が備える車載センサ8としては、例えば車速センサ、ステアリングセンサ、ヨーレートセンサ、ジャイロセンサ、前後加速度センサ、上下加速度センサ、赤外線センサ等が挙げられるが、特に本実施形態では路面状態に応じて変化する車両の走行状態を検出するセンサとして、車速センサと前後加速度センサを含む。
即ちプローブ情報は、車両5が過去の走行中に位置した地点とその地点に車両が位置した時刻と、その地点における車両が備える車載センサ8の検出値、即ち車両の走行データ(挙動)を示す。但し、プローブ情報としては上記(a)~(e)に関する情報を必ずしも全て含む必要はなく、また、(a)~(e)以外の情報(例えばブレーキ操作量、方位等)を含む構成としても良い。また、プローブ情報としては車載カメラで撮像された映像情報を含めても良い。
図3はプローブ情報DB12に記憶されるプローブ情報の一例を示した図である。図3に示すように、プローブ情報は、送信元の車両を識別する車両IDと、上記(a)~(e)に関する情報等が含まれる。例えば、図3に示すプローブ情報は、ID“A”のゴミ収集車の車両5がID“100001”のリンクの走行中において、徐々に減速して停車したことが記憶されている。一方、ID“B”のセダンタイプの車両5がID“100002”のリンクを55km前後で走行したことが記憶されている。同様にして、他のプローブ情報についても記憶されている。尚、図3に示す例では200msec間隔で車両からプローブ情報を収集しているが、プローブ情報の収集の間隔は200msec間隔より短く或いは長くしても良い。
また、検出閾値DB13は、車両5毎に現時点で設定されている路面異常を検出する閾値を記憶する記憶手段である。本実施形態では、後述のように車載センサ8の検出値に基づいて車両の走行する道路に対して路面異常の存在を示唆する異常度レベル(異常度レベルの高い地点ほど、路面異常の存在する可能性が高く、且つその地点により大きな路面異常が存在することを示唆する)を特定し、特定した異常度レベルに基づいて路面異常の検出が行われる。検出閾値DB13に記憶される閾値は上記異常度レベルから路面異常を検出する為の閾値である。また、閾値は車両5毎に設定される。更に閾値としては第1閾値と第2閾値と第3閾値の3種類が設定され、以下のように定義される。
(1)第1閾値・・・路面異常として検出対象とするか否かの閾値(即ち、異常度レベルが第1閾値未満であれば検出対象とせず、異常度レベルが第1閾値以上であれば検出対象とする)
(2)第2閾値、第3閾値・・・第2閾値は第1閾値より高い異常度レベルに設定され、第3閾値は第2閾値より更に高い異常度レベルに設定され、検出された路面異常の大きさや程度を区分する閾値
図4は検出閾値DB13に記憶される閾値の一例を示した図である。図4に示すように、閾値は、車両を識別する車両IDに対して紐づけて設定されており、例えばID“A”の車両5は第1閾値が“75”に設定され、第2閾値が“118”に設定され、第3閾値が“160”に設定されていることを示す。また、ID“B”の車両5は第1閾値が“57”に設定され、第2閾値が“100”に設定され、第3閾値が“143”に設定されていることを示す。また、ID“C”の車両5は第1閾値が“65”に設定され、第2閾値が“108”に設定され、第3閾値が“156”に設定されていることを示す。また、ID“D”の車両5は第1閾値が“52”に設定され、第2閾値が“96”に設定され、第3閾値が“133”に設定されていることを示す。尚、閾値は車両5毎にその車両の車種、形状、車重、タイヤ径などを考慮して予め適切な値が設定されている。また、道路管理者は操作端末4を操作することによって閾値を適宜修正することも可能である
一方で、路面異常検出DB14は、上記プローブ情報DB12に格納されるプローブ情報と検出閾値DB13に格納される閾値とに基づいて、道路管理者によって管理対象となる道路の路面において検出された路面異常に関する情報を記憶する記憶手段である。特に本実施形態では、検出された路面異常毎に、路面異常の検出された位置と、路面異常を検出した車両(正確には検出に用いたプローブ情報を送信した送信元の車両)と、路面異常を検出した日時と、発生地点の環境と、路面異常の現時点でのステータスを夫々特定した情報を記憶する。ここで“路面異常のステータス”は異常の大きさや程度を示すものであって、路面異常の生じている箇所の面積、路面異常が凹形状であれば深さ、路面異常が凸形状であれば高さ、凹凸であれば最高点と最低点の差、傾斜する形状であれば傾斜の角度等が含まれる。尚、路面異常のステータスについては上述した第1閾値、第2閾値及び第3閾値に基づいて特定され、例えば車載センサ8の検出値に基づいて特定された路面異常の存在を示唆する異常度レベルが第1閾値以上第2閾値未満となる地点があれば、その地点において“レベル1(小)”の路面異常があると判定される。また、異常度レベルが第2閾値以上第3閾値未満となる地点があれば、その地点において“レベル2(中)”の路面異常があると判定される。また、異常度レベルが第3閾値以上となる地点があれば、その地点において“レベル3(大)”の路面異常があると判定される。
また、“発生地点の環境”は、路面異常の発生地点がどのような環境にあるかを示す情報であって、例えば路面異常の発生地点における道路の交通量、走行する車両の車種(例えばトラックなどの大型車が多く走行する等)、走行する車両の走行速度(走行する車両の平均速度でも良いし、道路に規定された制限速度でも良い)、道路形状(直線形状か曲線形状かを特定する情報でも良いし、勾配を特定する情報でも良い)、一日当たりの平均日照時間、一日当たりの平均降雨量、地盤強度、自然災害の発生履歴がある。これらの情報は、例えば車両5から収集したプローブ情報に基づいて取得しても良いし、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の外部の情報センタから取得しても良いし、地図情報から取得するようにしても良い。本実施形態では上記情報の少なくとも一以上が発生地点の環境として記憶される。
例えば図5は路面異常検出DB14に記憶される路面異常に関する情報の一例を示した図である。図5に示す段差特定情報では、ID“100001”のリンクの(X1,Y1)の地点にID“A”の車両5によって3月2日の12時02分に検出された『レベル1』の路面異常が存在することが記憶されている。同様にID“100011”のリンクの(X2,Y2)の地点にID“F”の車両5によって3月11日の13時03分に検出された『レベル2』の路面異常が存在することが記憶されている。また、ID“100022”のリンクの(X3,Y3)の地点にID“H”の車両5によって3月14日の23時02分に検出された『レベル3』の路面異常が存在することが記憶されている。また、ID“100033”のリンクの(X4,Y4)の地点にID“D”の車両5によって3月21日の14時34分に検出された『レベル1』の路面異常が存在することが記憶されている。そして、路面異常に関する情報は、道路管理者の管理対象となる道路において検出された路面異常毎に記憶されている。また、車両5から新たに収集したプローブ情報に基づいて路面異常検出DB14に記憶される情報は適宜更新される。例えば時間経過によって路面異常の形状が大きくなり、スタータスが変化した場合については該当する路面異常の情報も更新されることになる。一方、路面異常が道路管理者によって補修された場合には、補修された路面異常に関する情報は手動或いは自動で路面異常検出DB14から削除するようにする。但し、補修してから一定期間経過するまでは補修済みのフラグを付与した上で情報を残すようにしても良い。
また、サーバ装置3は、路面異常検出DB14に記憶された路面異常に関する情報を操作端末4の要求に応じて操作端末4に配信する。一方で、路面異常に関する情報の配信された操作端末4は、配信された路面異常に関する情報をディスプレイ等に表示し、道路管理者に案内する。例えば地図画像上に検出された路面異常の位置とステータスを夫々示すことが可能である。更に、現時点でステータスに加えて後述のように今後のステータスの変化予測についても必要に応じて表示する。そして、道路管理者は案内された路面異常に関する情報を参照し、更に必要に応じて現地確認を行った上で検出された路面異常の補修を行うか補修を保留するかを決定する。
一方で、ステータス推移履歴DB15は、過去に検出された路面異常のステータスの推移の履歴を記憶した記憶手段である。具体的には過去に道路管理者の管理対象となる道路において検出された路面異常毎(補修済みの路面異常も含む)に、ステータスがレベル1(小)に推移した日時(即ち路面異常の検出された日時)と、ステータスがレベル1からレベル2(中)に推移した日時と、ステータスがレベル2からレベル3(大)に推移した日時が記憶される。但し、現時点でのステータスがレベル1の路面異常やレベル1の段階で既に補修された路面異常に関しては、ステータスがレベル1に推移した日時のみが記憶されることとなる。同じく現時点でのステータスがレベル2の路面異常やレベル2の段階で既に補修された路面異常に関しては、ステータスがレベル1に推移した日時とレベル2に推移した日時のみが記憶されることとなる。尚、ステータスの推移の判定は車両5から収集したプローブ情報と上述した第1閾値、第2閾値、第3閾値に基づいてサーバ装置3により行われる。
例えば図6はステータス推移履歴DB15に記憶されるステータス推移履歴情報の一例を示した図である。図6に示す例では“識別No.1001”の路面異常について6月2日にステータスがレベル1(小)に推移したことが記憶されている。また“識別No.1002”の路面異常について3月11日にステータスがレベル1(小)に推移し、その約30日後の4月10日にステータスがレベル2(中)に推移したことが記憶されている。また“識別No.1003”の路面異常について3月14日にステータスがレベル1(小)に推移し、その約50日後の5月6日にステータスがレベル2(中)に推移し、更にその約35日後の6月10日にステータスがレベル3(大)に推移したことが記憶されている。また“識別No.1004”の路面異常について5月21日にステータスがレベル1(小)に推移したことが記憶されている。
尚、図6に示す例では各レベルに推移した日時が記憶されているが、推移した日時ではなく推移するまでに要した日数を記憶しても良い。また、過去に補修履歴のある路面異常については直近の補修された日時、或いは補修されてから各レベルに推移するまでに要した日数についても記憶するようにしても良い。
また、ステータス推移予測DB16は、サーバ装置3により検出された路面異常のステータスの今後の推移の予測を記憶した記憶手段である。具体的には道路管理者の管理対象となる道路において検出された路面異常毎に、現在のステータスのレベルからより異常の程度が大きいレベルに移行するまでに要すると予測される期間が記憶される。尚、補修済みで現時点で異常のない路面異常について現在のステータスをレベル1よりも低いレベル0として含めても良い。尚、ステータスの推移の予測は前述のステータス推移履歴DB15(図6)に記憶された過去の路面異常のステータスの推移履歴の内、特に発生位置の環境が類似する他の路面異常のステータスの推移履歴に基づいてサーバ装置3により行われる。そして、ステータス推移予測DB16には、推移の予測に用いた発生位置の環境が類似する他の路面異常を識別する情報や、予測の信頼度についても記憶される。
例えば図7はステータス推移予測DB16に記憶されるステータス推移予測情報の一例を示した図である。図7に示す例では“識別No.1001”の路面異常は現時点でのステータスがレベル1(小)であり、現時点から約30日後にステータスがレベル2(中)に推移し、64日後にステータスがレベル3(大)に推移すると予測されている。また、予測には“識別No.1003”の路面異常のステータスの推移履歴を用いたことと、予測の信頼度が55%であることについても記憶されている。同様にして他の路面異常についてもステータス推移予測情報が記憶されている。但し、現時点でのステータスが既に最高レベルであるレベル3の路面異常については除かれる。
尚、図7に示す例では各レベルに推移すると予測されるまでの日数が記憶されているが、推移すると予測されるまでの日数ではなく推移すると予測される日時を記憶しても良い。
一方、サーバ側地図DB17は、外部からの入力データや入力操作に基づいて登録された最新のバージョンの地図情報であるサーバ側地図情報が記憶される記憶手段である。ここで、サーバ側地図情報は、道路網を始めとして経路探索、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されている。例えば、道路網を示すノード及びリンクを含むネットワークデータ、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、各交差点に関する交差点データ、施設等の地点に関する地点データ、地図を表示するための地図表示データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等からなる。
また、センタ通信装置18は、車両5や操作端末4やVICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の外部の交通情報センタと通信ネットワーク網6を介して通信を行う為の通信装置である。本実施形態では、センタ通信装置18を介してプローブ情報や配信情報(路面異常情報)を各車両5や操作端末4との間で送受信する。
次に、車両5に搭載されたナビゲーション装置7の概略構成について図8を用いて説明する。図8は本実施形態に係るナビゲーション装置7を示したブロック図である。
図8に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置7は、ナビゲーション装置7が搭載された車両5の現在位置を検出する現在位置検出部31と、各種のデータが記録されたデータ記録部32と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU33と、ユーザからの操作を受け付ける操作部34と、ユーザに対して車両周辺の地図や交通情報等を表示する液晶ディスプレイ35と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ36と、記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ37と、情報管理センタ2やVICSセンタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール38と、を有する。また、ナビゲーション装置7はCAN等の車載ネットワークを介して、車両5に搭載された各種の車載センサ8とも接続されている。
以下に、ナビゲーション装置7が有する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部31は、GPS42等を含み、現在の車両の位置、方位等を検出することが可能となっている。また、車速センサ、加速度センサ、その他の車両に設置された車載センサ8の検出結果についても取得することによって、より精度の高い現在の車両の位置、方位等の検出も可能である。
また、データ記録部32は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB45、走行履歴DB46、所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、データ記録部32をハードディスクの代わりにフラッシュメモリやメモリーカードやCDやDVD等の光ディスクにより構成しても良い。また、地図情報DB45及び走行履歴DB46は外部のサーバに格納させ、ナビゲーション装置7が通信により取得する構成としても良い。
ここで、地図情報DB45は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、経路の探索や変更に係る処理に用いられる探索データ、施設に関する施設データ、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
また、走行履歴DB46は、車両5の走行情報(車両挙動)を累積して記憶した記憶手段である。尚、本実施形態では走行履歴DB46に記憶される走行情報として、特に車両の現在位置の履歴と車載センサ8の検出結果を含む。走行履歴DB46に記憶された走行情報はプローブ情報としてサーバ装置3へと随時送信される。
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)33は、ナビゲーション装置7の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU51、並びにCPU51が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM52、制御用のプログラムのほか、後述の路面異常検出処理プログラム(図10参照)等が記録されたROM53、ROM53から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ54等の内部記憶装置を備えている。
操作部34は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーションECU33は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部34は液晶ディスプレイ35の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。また、マイクと音声認識装置によって構成することもできる。
また、液晶ディスプレイ35には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、案内経路(走行予定経路)に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。尚、液晶ディスプレイ35の代わりに、HUDやHMDを用いても良い。
また、スピーカ36は、ナビゲーションECU33からの指示に基づいて案内経路(走行予定経路)に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。
また、DVDドライブ37は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、地図情報DB45の更新等が行われる。尚、DVDドライブ37に替えてメモリーカードを読み書きする為のカードスロットを設けても良い。
また、通信モジュール38は、情報管理センタ2、VICSセンタやその他の外部センタ等から送信された交通情報等を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。また、車車間で通信を行う車車間通信装置や路側機との間で通信を行う路車間通信装置も含む。また、プローブ情報をサーバ装置3との間で送受信するのにも用いられる。
ここで、上記したように、本実施形態の路面異常検出システム1は、車両5からプローブ情報として送信される車載センサ8の検出値に基づいて、サーバ装置3が道路に生じている路面異常を検出する。車載センサ8の検出値に基づいて検出する路面異常の種類は、特に限定されないが、例えば、ポットホールがある。ポットホールとは、例えば、道路の路面に形成された凹凸、道路の穴、アスファルトの剥がれなどである。
ポットホールを検出する為の車載センサ8としては、例えば車速センサと前後加速度センサを採用することができる。サーバ装置3は車両から収集した車速と前後方向に生じた加速度に基づいて、ポットホールの存在、即ち、路面異常の存在を検出する。例えば一例として、図9に示すように路面に形成された凹形状であるポットホール55を車輪が通過する場合、路面のエッジ55Aから車輪が離れて車両5は一瞬加速する。その結果、車両5が備える前後加速度センサは、慣性により後方への加速度を受ける。その後に、路面のエッジ55Bに車輪が当たると車両5は一瞬減速する。その結果、車両5が備える前後加速度センサは、慣性により前方への加速度を受ける。従って、車両5の車速の変異と前後方向に生じた加速度の変異から車両5が路面異常を通過したことを推定できる。尚、前後方向に生じた加速度の変異のみから路面異常を通過したことを推定することも可能である。
更に、車両5の速度が同じ場合、ポットホール55の幅や深さが大きい程、車速や加速度の変異が大きくなる傾向がある。更に同じ幅や深さのポットホール55を通過する場合には車速が速い程、車速や加速度の変異が大きくなる傾向がある。従って、サーバ装置3は、車両の車速と前後方向に生じた加速度の変異量に基づいて路面に対して路面異常の存在を示唆する異常度レベルを特定することが可能となる。異常度レベルは例えば0~200の間で特定され、車両5が路面異常を通過したと推定された地点を対象にして、車両の車速が同じであれば車速の変異量や前後加速度の変異量が大きい程、より高い異常度レベルを特定する。異常度レベルの高い地点ほど、路面異常の存在する可能性が高く、且つその地点により大きな路面異常が存在することを示唆する。更に、サーバ装置3は前述したように車両5毎に設置された閾値と特定された異常度レベルを比較することによって最終的に道路上に存在する路面異常の位置とステータス(異常の大きさや程度)を特定する。
尚、路面異常を検出する車載センサ8は、車速センサや前後加速度センサに限らない。例えば、車載センサ8として、車両5の車輪に作用する上下方向への加速度を検出する上下加速度センサを採用しても良い。そして、サーバ装置3は、例えば、上下加速度センサで検出した上下加速度の変動に基づいて、異常度レベルを算出しても良い。あるいは、例えば、車輪のサスペンション装置の伸縮量(サスペンションアームの変位量)を検出するサスペンションセンサと、車高の変位量を検出する車高センサとを車載センサ8として用いて、同様にサスペンションアームの変位量と車高の変位量の差分から、異常度レベルを算出しても良い。
また、路面異常の種類は、ポットホールに限らない。例えば、道路のひび割れ、道路の隆起、路面の凍結などでも良い。例えば、サーバ装置3は、車載カメラで撮像した画像データを車両から収集して道路のひび割れを判断しても良い。この場合、サーバ装置3は、画像データを画像認識することにより推定したひび割れの長さや単位面積当たりのひび割れの発生箇所の割合などを異常度レベルとして算出可能である。
また、車載センサ8の検出値に基づく異常度レベルの特定をサーバ装置3でなくナビゲーション装置7側で実施しても良い。その場合には、特定された異常度レベルをプローブ情報としてサーバ装置3へと送信する。尚、閾値をサーバ装置3からナビゲーション装置7が取得すれば、ナビゲーション装置7において道路上に存在する路面異常の検出を行うことも可能である。
続いて、前記構成を有する路面異常検出システム1を構成するサーバ装置3及びナビゲーション装置7において実行する路面異常検出処理プログラムについて図10に基づき説明する。図10は本実施形態に係る路面異常検出処理プログラムのフローチャートである。ここで、路面異常検出処理プログラムは車両のACC電源(accessory power supply)がONされた後に所定時間間隔(例えば200msec間隔)で繰り返し実行され、道路管理者により管理対象となる道路を走行する車両5の現在位置や車載センサ8の検出値をプローブ情報としてサーバ装置3が収集するとともに、収集したプローブ情報に基づいて車両5が走行した道路の路面上にある路面異常を検出するプログラムである。尚、以下の図10にフローチャートで示されるプログラムは、サーバ装置3が備えているRAM22やROM23又はナビゲーション装置7が備えているRAM52やROM53等に記憶されており、CPU21又はCPU51により実行される。
先ず、ナビゲーション装置7において実行される路面異常検出処理プログラムについて説明する。
ステップ(以下、Sと略記する)1においてCPU51は、GPS42の検出結果とともにCAN等を介して車載センサ8の検出結果を取得する。尚、車両が備える車載センサ8としては、例えば車速センサ、ステアリングセンサ、ヨーレートセンサ、ジャイロセンサ、前後加速度センサ、上下加速度センサ、赤外線センサ等が挙げられるが、特に本実施形態では路面状態に応じて変化する車両5の走行状態を検出するセンサとし、車速センサと前後加速度センサを含む。従って前記S1では、少なくとも“車両5の現在位置座標”、“車両5の現在車速”、“車両5に対して前後方向に生じる加速度”について取得する。尚、前記S1の情報の取得についてはACC電源がONされている間において200msec間隔で繰り返し行われる。
次に、S2においてCPU51は、前記S1で取得した各情報について、送信元の車両を識別する“車両ID”とともにプローブ情報としてサーバ装置3へと送信する。そして、サーバ装置3では受信したプローブ情報に基づいて後述のように路面異常の検出を行う。尚、前記S2におけるプローブ情報の送信は例えば1秒間隔で行い、前回プローブ情報の送信を行ってから現時点までにS1で取得した新たな情報を送信対象とする。但し、プローブ情報を送信するタイミングは必ずしも1秒間隔である必要はなく、適宜変更可能である。
尚、本実施形態では上記S1及びS2の処理はナビゲーション装置7が実行することとしているが、車両5が備える他の車載器や車両制御ECUが行っても良い。
次に、サーバ装置3において実行される路面異常検出処理プログラムについて説明する。
先ず、S11においてCPU21は、路面異常検出システム1においてプローブ情報を収集する対象として登録された各車両5からプローブ情報の送信があるか否か判定する。
そして、プローブ情報の送信があると判定された場合(S11:YES)には、送信されるプローブ情報を受信する(S12)。そして、CPU21は受信したプローブ情報をプローブ情報DB12へと累積的に格納する(S13)。
一方、プローブ情報の送信がないと判定された場合(S11:NO)には、当該路面異常検出処理プログラムを終了する。尚、前記S12で受信するプローブ情報は、路面状態に応じて変化する車両5の走行状態を検出する車載センサ8の検出結果を含む走行データであり、具体的には“車両を識別する車両ID”と“日時”と“車両の位置座標”と“車両が備える車載センサ8の検出値”とが含まれる。
以下のS14~S16の処理は路面異常検出システム1においてプローブ情報を収集する対象として登録された車両5毎、且つその車両5が路面異常を通過したことが疑われる地点毎に実行され、対象となる全ての車両5及び地点に対して処理が終了するまで繰り返し実行される。
尚、前述したように例えば路面に形成された凹形状であるポットホール55を車輪が通過する場合、図9に示すように路面のエッジ55Aから車輪が離れて車両5は一瞬加速する。その結果、車両5が備える前後加速度センサは、慣性により後方への加速度を受ける。その後に、路面のエッジ55Bに車輪が当たると車両5は一瞬減速する。その結果、車両5が備える前後加速度センサは、慣性により前方への加速度を受ける。従って、サーバ装置3は車両5の車速の変異と前後方向に生じた加速度の変異から車両5が路面異常を通過したことを推定でき、以下のS14~S16ではそのようにして推定された路面異常の通過が疑われる地点を対象に処理が実行される。
先ず、S14においてCPU21は、処理対象の車両5が路面異常の通過が疑われる地点を通過した際に検出された車両5の車速と前後方向に生じた加速度の変異量に基づいて、予め用意された演算式により異常度レベルを算出する。異常度レベルは例えば0~200の間で算出され、車両5の車速が同じであれば車速の変異量や前後加速度の変異量が大きい程、より高い異常度レベルが算出される。
次に、S15においてCPU21は、検出閾値DB13から処理対象の車両5に対して設定されている閾値を読み出す。尚、閾値としては第1閾値と第2閾値と第3閾値があり車両毎に紐付けられて検出閾値DB13に格納されている(図4)。尚、閾値は車両5毎にその車両の車種、形状、車重、タイヤ径などを考慮して予め適切な値が設定されている。また、道路管理者は操作端末4を操作することによって閾値を適宜修正することも可能である
続いて、S16においてCPU21は、前記S14で特定された異常度レベルと前記S15で読み出された閾値とを比較し、異常度レベルが第1閾値以上となる場合には、路面異常の通過が疑われる地点に対して路面異常が生じていることを検出する。更に、第2閾値及び第3閾値との比較に基づいて、検出された路面異常の現時点でのステータス(異常の大きさや程度)についても特定する。具体的には、異常度レベルが第1閾値以上第2閾値未満である場合には“レベル1(小)”の路面異常があると判定される。また、異常度レベルが第2閾値以上第3閾値未満である場合には“レベル2(中)”の路面異常があると判定される。また、異常度レベルが第3閾値以上である場合には“レベル3(大)”の路面異常があると判定される。
その後、S17においてCPU21は、前記S16の検出結果に基づいて路面異常検出DB14を更新する。例えば新たな路面異常が検出された場合には、新たに検出された路面異常毎に、路面異常の検出された位置と、路面異常を検出した車両(正確には検出に用いたプローブ情報を送信した送信元の車両)と、発生地点の環境と、路面異常を検出した日時と、路面異常の現時点でのステータス(異常の大きさや程度)を夫々特定した情報を記憶する。一方、例えば時間経過によって既存の路面異常の形状が大きくなり、スタータスが変化した場合については該当する路面異常の情報の内、ステータスの箇所を更新する。また、路面異常が道路管理者によって補修された場合には、補修された路面異常に関する情報は手動或いは自動で路面異常検出DB14から削除するようにする。その結果、道路管理者により管理対象となる道路に生じる路面異常をサーバ装置3により管理することが可能となる。
更に、S18においてCPU21は、前記S16の検出結果に基づいて既存の路面異常のステータスのレベルが変異したか否かを判定する。具体的には、路面異常検出DB14において“レベル1(小)”の路面異常があると記憶されていた地点において“レベル2(中)”の路面異常を検出した場合には路面異常のステータスがレベル1からレベル2に変異したと判定する。また、路面異常検出DB14において“レベル2(中)”の路面異常があると記憶されていた地点において“レベル3(大)”の路面異常を検出した場合には路面異常のステータスがレベル2からレベル3に変異したと判定する。
そして、既存の路面異常のステータスのレベルが変異したと判定された場合(S18:YES)には、S19へと移行する。それに対して、既存の路面異常のステータスのレベルが変異していないと判定された場合(S18:NO)には、当該路面異常検出処理プログラムを終了する。
S19においてCPU21は、ステータス推移履歴DB15(図6)の内、ステータスが変異したと判定された路面異常についてステータスが変異した日時を記録する。その結果、ステータス推移履歴DB15によってサーバ装置3側において過去に検出された路面異常のステータスの推移の履歴を把握することが可能となる。
また、上記路面異常検出処理プログラムによって検出されて路面異常検出DB14に格納される路面異常に関する情報は、操作端末4からの要求に応じて操作端末4に配信する。路面異常に関する情報の配信された操作端末4は、配信された路面異常に関する情報をディスプレイ等に表示し、道路管理者に案内する。
例えば図11は上記路面異常に関する情報を道路管理者に案内する際に操作端末4のディスプレイに表示される路面異常管理画面71を示した図である。図11に示すように路面異常管理画面71では、地図画像72が表示されるとともに、地図画像72上の路面異常が検出された位置に、路面異常の存在を示す路面異常マーク73が表示される。更に、路面異常管理画面71において表示された路面異常マーク73をユーザが選択すると、選択された路面異常マーク73に対応する路面異常についてのより詳細な情報を表示する情報ウィンドウ74が表示される。
情報ウィンドウ74には、例えば路面異常を管理する管理ナンバー、路面異常の検出された日時、路面異常の現時点でのステータス(異常の大きさや程度)、ステータスが今後により異常の程度が大きいレベルへと推移するまでに要すると予想される期間(今後のステータスの推移予測)、推移予測の信頼度が表示される。尚、ステータスが今後により異常の程度が大きいレベルへと推移するまでに要すると予想される期間については、後述のステータス推移予測処理プログラム(図12)によって予測され、路面異常毎にステータス推移予測DB16(図7)に格納されている。同じく推移予測の信頼度についてもステータス推移予測DB16に格納されている。
更に、情報ウィンドウ74には路面異常に関する情報として上記以外の情報を表示しても良い。例えば、路面異常を通過した車両から路面異常を撮像した写真が取得できる場合には車両5から該当する写真について取得して表示しても良い。また、路面異常の種類などを表示しても良い。そして、道路管理者は案内された路面異常に関する情報を参照し、更に必要に応じて現地確認を行った上で検出された路面異常の補修を行うか補修を保留するかを決定する。特に道路管理者は路面異常管理画面71を参照することによって検出された路面異常のステータスの今後の推移についても把握できるので、今後のステータスの推移に基づいて、路面異常が複数箇所存在する場合であっても優先して補修すべき路面異常を適切に判断することができ、補修作業の適切なスケジュールを立案することが可能となる。
続いて、路面異常検出システム1を構成するサーバ装置3において実行するステータス推移予測処理プログラムについて図12に基づき説明する。図12は本実施形態に係るステータス推移予測処理プログラムのフローチャートである。ここで、ステータス推移予測処理プログラムは所定期間毎(例えば24時間経過毎)に実行され、現時点において検出された路面異常の今後のステータスの推移を予測するプログラムである。尚、以下の図12にフローチャートで示されるプログラムは、サーバ装置3が備えているRAM22やROM23等に記憶されており、CPU21により実行される。
以下のS21~S26の処理は、前述の路面異常検出処理プログラム(図10)によって過去に検出されて路面異常検出DB14にて管理されている路面異常毎(過去に補修されて現時点で異常のなくなった路面異常について含めても良い)に実行され、対象となる全ての路面異常に対して処理が終了するまで繰り返し実行される。
先ず、S21においてCPU21は、ステータス推移履歴DB15(図6)を参照し、処理対象となる路面異常以外の過去に検出された路面異常(既に補修された路面異常も含む)について、ステータスがどのように推移したかを示すステータスの推移履歴を取得する。尚、ステータス推移履歴DB15には図6に示すように路面異常毎にステータスが各レベルに推移した日時が記憶されている。
次に、S22においてCPU21は、路面異常検出DB14を参照し、処理対象となる路面異常とそれ以外の路面異常(既に補修された路面異常も含む)との間で発生地点の環境を比較し、発生地点の環境の類似度を算出する。比較対象となる路面異常が複数ある場合には、複数の路面異常との間で夫々類似度が算出される。また、類似度は例えば0~100%の間で算出され、類似度が高い路面異常は互いに路面異常の発生地点の環境が似ていることを示している。
ここで、“発生地点の環境”は、路面異常の発生地点がどのような環境にあるかを示す情報であって、例えば路面異常の発生地点における道路の交通量、走行する車両の車種(例えばトラックなどの大型車が多く走行する等)、走行する車両の走行速度(走行する車両の平均速度でも良いし、道路に規定された制限速度でも良い)、道路形状(直線形状か曲線形状かを特定する情報でも良いし、勾配を特定する情報でも良い)、一日当たりの平均日照時間、一日当たりの平均降雨量、地盤強度、自然災害の発生履歴がある。尚、上記情報の少なくとも一以上を比較して類似度を算出する。そして、類似度は上記情報について一致する要素が多い程、高い類似度を算出する。
その後、S23においてCPU21は、処理対象となる路面異常よりも現在(但し、補修されたものは補修前)のステータスのレベル(異常の度合い)が高く、且つ処理対象となる路面異常との間で類似度が閾値以上となる路面異常があるか否か、即ち処理対象となる路面異常と発生地点の環境が似ている他の路面異常があるか否か判定する。尚、閾値は適宜設定可能であるが例えば50%とする。
そして、処理対象となる路面異常よりも現在のステータスのレベルが高く、且つ処理対象となる路面異常との間で類似度が閾値以上となる路面異常があると判定された場合(S23:YES)には、S24へと移行する。それに対して、処理対象となる路面異常よりも現在のステータスのレベルが高く、且つ処理対象となる路面異常との間で類似度が閾値以上となる路面異常がないと判定された場合(S23:NO)には、ステータスの推移の予測をすることなく終了する。
S24においてCPU21は、処理対象となる路面異常よりも現在(但し、補修されたものは補修前)のステータスのレベル(異常の度合い)が高い路面異常の内、処理対象となる路面異常との間で最も高い類似度が算出された路面異常を、処理対象となる路面異常の今後のステータスの推移の予測をするのに参照する路面異常(以下、参照路面異常という)として選択する。
次にS25においてCPU21は、ステータス推移履歴DB15から前記S24で選択された参照路面異常のステータスの推移の履歴を読み出し、処理対象の路面異常が参照路面異常と同じスケジュールにてステータスが推移すると仮定して、今後のステータスの推移を予測する。具体的には、ステータスが今後により異常の程度が大きいレベルへと推移するまでに要する期間を予測する。例えば図13に示すように参照路面異常のステータスがレベル1からレベル2へと35日で移行している場合には、処理対象の路面異常のステータスについてもレベル1からレベル2へと35日で移行すると予測する。また、参照路面異常のステータスがレベル2からレベル3へと45日で移行している場合には、処理対象の路面異常のステータスについてもレベル2からレベル3へと45日で移行すると予測する。
その後、S26においてCPU21は、前記S25の予測結果を用いてステータス推移予測DB16の内容を更新する。ステータス推移予測DB16には、図7に示すように現在のステータスのレベルからより異常の程度の大きいレベルに移行するまでに要する現時点からの日数が記憶される。従って、例えば図13に示すように処理対象の路面異常の現時点でのステータスがレベル1であり、レベル1からレベル2へと35日で移行し、レベル2からレベル3へと45日で移行すると予測された場合であって、現時点で処理対象の路面異常を検出してから10日が経過している場合には、レベル2への推移が25日後、レベル3への推移が70日後と記録されることとなる。また、推移の予測に用いた参照路面異常を識別する情報や、予測の信頼度についても記憶される。
尚、予測の信頼度は前記S22で算出された処理対象の路面異常と参照路面異常との間の類似度と同値とする。即ち類似度が80%であれば信頼度も80%となる。ここで、本実施形態では発生地点の環境(例えば、交通量、走行する車両の車種など)が似ている複数の路面異常は、同じようにステータスが推移する可能性が高いと推測する。従って、処理対象の路面異常と参照路面異常との間の類似度が高い程、処理対象の路面異常が参照路面異常と同じようにステータスが推移する可能性が高く、スタータスの推移予測の信頼度も高いと判定されることとなる。
そして、前記S21~S26の処理を前述の路面異常検出処理プログラム(図10)によって過去に検出されて路面異常検出DB14にて管理されている全ての路面異常に対して行った後に、処理を終了する。尚、当該ステータス推移予測処理プログラムによって予測された路面異常のステータスの今後の推移、及び推移予想の信頼度については前述したように操作端末4を介して道路管理者に案内される(図11)。
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る路面異常検出システム1、サーバ装置3及びサーバ装置3で実行されるコンピュータプログラムでは、管理対象となる道路を走行する車両5から、路面状態に応じて変化する車両5の走行状態を検出する車載センサ8の検出結果を含む走行データを収集し(S12)、収集した走行データに基づいて車両5の走行した道路の路面において生じている路面異常の位置と異常の程度を示すステータスを夫々検出する(S14~S16)一方で、発生地点の環境が類似する他の路面異常のステータスの推移履歴に基づいて、検出された路面異常のステータスの今後の推移を予測する(S25)ので、検出された路面異常のステータスの今後の推移について正確に予測することが可能となる。その結果、予測されたステータスの推移に基づいて、路面異常が複数箇所存在する場合であっても道路管理者側において優先して補修すべき路面異常を適切に判断することができ、補修作業の適切なスケジュールを立案することが可能となる。
また、路面異常の検出結果に基づいて過去に検出された路面異常毎に発生地点の環境とステータスの推移履歴を記録したデータベースを生成し(S17、S19)、データベースを用いて発生地点の環境が類似する他の路面異常を特定し(S24)、特定された他の路面異常のステータスの推移履歴に基づいて、路面異常のステータスの今後の推移を予測する(S25)ので、過去に検出された路面異常のステータスの推移履歴を発生地点の環境とともにデータベースで管理することが可能であり、それらのデータベースを用いることによって発生地点の環境が類似する他の路面異常の特定やステータスの推移の予測を容易に行うことが可能となる。
また、路面異常のステータスは異常の程度に基づいて複数段階に区分され、路面異常のステータスの段階がより異常の程度が大きい段階へと移行するまでに要する期間を予測する(S25)ので、検出された路面異常について今後に異常の程度が大きくなるまでの時間を予測でき、道路管理者側において優先して補修すべき路面異常を適切に判断することが可能となる。
また、ステータスの今後の推移を予測するのに用いた他の路面異常との間の発生地点の環境の類似度を算出し(S22)、予測された路面異常のステータスの今後の推移とともに類似度を出力するので、検出された路面異常のステータスの今後の推移の予測とともに推移の予測がどの程度信頼できるかを示す情報を道路管理者に対して出力することが可能となる。
また、発生地点の環境は、路面異常の発生地点における道路の交通量、走行する車両の車種、走行する車両の走行速度、道路形状、日照時間、降雨量、地盤強度、自然災害の発生履歴の少なくとも一以上とするので、過去に検出された多数の路面異常の内から発生地点の環境が類似する他の路面異常を特定することが可能となり、特定された他の路面異常のステータスの推移履歴を用いて、検出された路面異常のステータスの今後の推移について正確に予測することが可能となる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態ではプローブ情報を用いるプローブカーシステムを用いて道路管理者の管理対象となる道路を走行する複数の車両から走行データを収集しているが、プローブカーシステムは必須ではない。例えば一の車両から取得した走行データに基づいて路面異常を検出することも可能である。
また、本実施形態ではサーバ装置3は車両5から車載センサ8の検出値を収集し、サーバ装置3側で車両が通過した路面異常の検出を行っている(S14~S16)が、車両側で自車の車載センサ8の検出値に基づいて自車が通過した路面異常の検出を行うようにしても良い。その場合には、閾値に関する情報をサーバ装置3から各車両5へと配信し、各車両5は配信された閾値を用いて路面異常の検出を行い、検出結果をプローブ情報としてサーバ装置3へと送信するようにする。
また、本実施形態では図12に示すステータス推移予測処理プログラムの実行主体は、サーバ装置3であったが、ナビゲーション装置7が一部または全部を実行する構成としても良い。
また、本実施形態では路面異常を検出する為の閾値として第1閾値、第2閾値、第3閾値の3つの閾値を設けているが、第1閾値のみであっても良い。
また、本実施形態では路面異常のステータスとして異常の程度の低い順にレベル1(小)、レベル2(中)、レベル3(大)の3段階に区分しているが、ステータスとしてレベル0(無)を規定しても良い。尚、レベル0は過去に道路管理者により補修された路面異常であって異常度レベルが第1閾値未満の状態とする。また、過去に補修されたレベル0の路面異常が再びレベル1~3の状態へと推移した場合には、補修した日時と補修後にレベル1~3へと移行した日時(或いは補修してからレベル1~3へと推移するのに要した期間)をステータス推移履歴DB15へと記憶するようにする。そして、ステータス推移予測処理プログラム(図12)では、ステータスがレベル0の状態にある路面異常に対して、発生地点の環境が類似する他の路面異常のレベル0からレベル1~3へのステータスの推移の履歴を用い、今後にレベル1(小)へ移行するまでの期間、レベル2(中)へ移行するまでの期間、レベル3(大)へ移行するまでの期間をそれぞれ予測することが可能となる。それによって補修された路面異常(現時点では異常なし)が、再び補修の必要となるまでの期間について道路管理者が把握することが可能となる。
また、本実施形態では車速と車両に対して生じる前後方向の加速度とを用いて車両が路面異常を通過したことを検出している(S14~S16)が、車両が路面異常を通過したことを検出する方法としては他の方法を用いても良い。例えば、車両に対して上下方向に生じる加速度を検出する方法、サスペンションの動作を検出する方法、車外カメラで撮像した画像に基づいて検出する方法などがある。
また、本実施形態では路面異常検出システム1は道路の管理を行う自治体毎或いは道路管理業者毎に存在することとしているが、複数の自治体及び道路管理業者毎で共用するシステムとしても良い。但し、その場合にはプローブ情報DB12、検出閾値DB13、路面異常検出DB14、ステータス推移履歴DB15、ステータス推移予測DB16については自治体毎或いは道路管理業者毎に区分して管理する。
1…路面異常検出システム、2…情報管理センタ、3…サーバ装置、4…操作端末、5…車両、7…ナビゲーション装置、8…車載センサ、12…プローブ情報DB、13…検出閾値DB、14…路面異常検出DB、15…ステータス推移履歴DB、16…ステータス推移予測DB、21…CPU、22…RAM、23…ROM、24…フラッシュメモリ、33…ナビゲーションECU、55…ポットホール、71…路面異常管理画面

Claims (5)

  1. 管理対象となる道路を走行する車両から、路面状態に応じて変化する車両の走行状態を検出するセンサの検出結果を含む走行データを収集する走行データ収集手段と、
    収集した前記走行データに基づいて車両の走行した道路の路面において生じている路面異常の位置と異常の程度を示すステータスを夫々検出する路面異常検出手段と、
    発生地点の環境が類似する他の路面異常のステータスの推移履歴に基づいて、前記路面異常検出手段により検出された路面異常のステータスの今後の推移を予測する推移予測手段と、を有する路面異常検出システム。
  2. 前記路面異常検出手段の検出結果に基づいて、前記路面異常検出手段により過去に検出された路面異常毎に発生地点の環境とステータスの推移履歴を記録したデータベースを生成するデータベース生成手段を有し、
    前記推移予測手段は、前記データベースを用いて発生地点の環境が類似する他の路面異常を特定し、特定された他の路面異常のステータスの推移履歴に基づいて、路面異常のステータスの今後の推移を予測する請求項1に記載の路面異常検出システム。
  3. 前記路面異常のステータスは異常の程度に基づいて複数段階に区分され、
    前記推移予測手段は、路面異常のステータスの段階がより異常の程度が大きい段階へと移行するまでに要する期間を予測する請求項1又は請求項2に記載の路面異常検出システム。
  4. 前記推移予測手段がステータスの今後の推移を予測するのに用いた他の路面異常との間の発生地点の環境の類似度を算出する類似度算出手段と、
    前記推移予測手段によって予測された路面異常のステータスの今後の推移とともに前記類似度を出力する情報出力手段と、を有する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の路面異常検出システム。
  5. 前記発生地点の環境は、路面異常の発生地点における道路の交通量、走行する車両の車種、走行する車両の走行速度、道路形状、日照時間、降雨量、地盤強度、自然災害の発生履歴の少なくとも一以上である請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の路面異常検出システム。
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