JP2022143095A - 紙製包装材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸素バリア性及び水蒸気バリア性を有し、離解性に優れ、並びに熱及び光により変色し難い紙製包装材料を提供することである。【解決手段】課題は、紙支持体と、前記紙支持体の片面に対して、エチレン変性ポリビニルアルコール及びベントナイトを含有する第一塗工層と、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体から成る共重合体のアイオノマー樹脂及びベントナイトを含有する第二塗工層とを有する紙製包装材料によって解決できる。【選択図】なし
Description
本発明は、酸素バリア性及び水蒸気バリア性を有する紙製包装材料に関する。
包装では、食品及び工業製品の酸化による劣化、又は水分の吸湿若しくは乾燥による劣化若しくは変質を防止するために、酸素バリア性及び水蒸気バリア性を有する包装材料を用いる。従来の包装材料は、プラスチックフィルムから成る積層体又は金属蒸着膜を有するプラスチックフィルムが主である。一方、プラスチック製品は、適切に廃棄処分されずに自然界に流出するという環境汚染の問題から、削減が必要である。包装材料の分野では、支持体又は基材としてプラスチックフィルムの代替に紙が有力である。紙支持体又は紙基材を用いる紙製包装材料では、例えば、紙基材層、接着性塩化ビニリデン樹脂層、オレフィン系樹脂層の順に積層した構造のガスバリア性複合材料(例えば、特許文献1参照)、及び紙基材上に単一のバリア層を有し、前記バリア層がスチレンブタジエン系重合体、スチレンアクリル系重合体、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル及びポリエチレンビニルアルコールのうちから選択される1つ以上の重合体又は共重合体を含むバリア性積層体(例えば、特許文献2参照)などが公知である。
特許文献1及び特許文献2のように紙製包装材料は、紙基材又は紙支持体(以下、「紙支持体」と記す)に対してバリア性を発現する樹脂を主体として含有する樹脂層を有する場合が多い。通常、紙支持体は再生紙としてリサイクルが可能である。よって、紙のリサイクルの観点から、樹脂層を有する紙製包装材料では、廃棄に際して紙支持体と樹脂層とが容易に分離できて紙支持体が水中に離解し易いことが大切である。上記接着性塩化ビニリデン樹脂を含めポリ塩化ビニリデンは、他の汎用樹脂に比べて酸素バリア性及び水蒸気バリア性に優れる数少ない樹脂である。しかしながら、ポリ塩化ビニリデンは、紙に対する接着性が強く紙支持体から分離し難いために紙支持体の水中への離解し易さが劣る。また、ポリ塩化ビニリデンは、熱及び光によってポリ塩化ビニリデンから塩化水素の脱離反応が起こって共役ポリエン鎖が生成する。その結果、ポリ塩化ビニリデンを含有する樹脂層は黄色く変色し易い。
本発明の目的は、酸素バリア性及び水蒸気バリア性を有し、紙支持体と第一塗工層とが容易に分離できて紙支持体の水中への離解し易さ(以下、「離解性」と記す)に優れ、並びに熱及び光によって変色し難い紙製包装材料を提供することである。
上記課題は、以下によって解決できる。
[1]紙支持体と、前記紙支持体の片面に対して、エチレン変性ポリビニルアルコール及びベントナイトを含有する第一塗工層と、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂及びベントナイトを含有する第二塗工層とを有する紙製包装材料。
[2]上記第一塗工層において、第一塗工層中のベントナイト100質量部に対してエチレン変性ポリビニルアルコールの含有量が50質量部以上200質量部以下、及び上記第二塗工層において、第二塗工層中のベントナイト100質量部に対して上記アイオノマー樹脂の含有量が50質量部以上200質量部以下である上記[1]に記載の紙製包装材料。
[3]紙支持体の上記第一塗工層及び上記第二塗工層を有する側において、前記紙支持体を基準として最表位置にヒートシール層を更に有する上記[1]又は[2]に記載の紙製包装材料。
[4]上記ヒートシール層が、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂を含有し、前記熱可塑性樹脂がスチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体、及びエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂から成る群から選ばれる一種又は二種以上であって、かつ前記不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸又はメタクリル酸を含む上記[3]に記載の紙製包装材料。
本発明の紙製包装材料は、酸素バリア性及び水蒸気バリア性を有し、離解性に優れ、並びに熱及び光によって変色し難い。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において実施形態に適宜変更を加えて実施することができる。
本発明の紙製包装材料は、紙支持体と、前記紙支持体の片面に対して、エチレン変性ポリビニルアルコール及びベントナイトを含有する第一塗工層と、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂及びベントナイトを含有する第二塗工層とを有する。
紙支持体は、LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)、LUKP(広葉樹未晒クラフトパルプ)、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)及びNUKP(針葉樹未晒クラフトパルプ)等の化学パルプ、GP(砕木パルプ)、PGW(加圧式砕木パルプ)、RMP(リファイナーメカニカルパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、CTMP(ケミサーモメカニカルパルプ)及びCMP(ケミメカニカルパルプ)等の機械パルプ、並びにDIP(脱インキパルプ)等の古紙パルプから成る群から選択されるセルロースパルプの少なくとも一種と、填料と、サイズ剤と、さらに必要に応じて定着剤、歩留まり向上剤、紙力剤等の各種添加剤とを含有する紙料から、酸性、中性又はアルカリ性の条件で従来公知の方法によって抄造された抄造紙である。さらに、紙支持体には、前記抄造紙をサイズプレス液でサイズプレス処理した上質紙、前記抄造紙を表面処理液で表面処理した上質紙、並びに前記抄造紙若しくは前記上質紙に対してカレンダー処理を施した上質紙が含まれる。カレンダー処理の例としては、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー及びマルチニップカレンダー等を挙げることができる。
前記填料は、製紙分野で従来公知の顔料である。顔料の例としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、シリカ、珪酸アルミニウム、珪藻土、活性白土、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の無機顔料を挙げることができる。さらにスチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂及びマイクロカプセル等の有機顔料を挙げることができる。填料は、これらから成る群から選ばれる一種又は二種以上である。
前記サイズ剤は、製紙分野で従来公知の内添サイズ剤である。内添サイズ剤の例としては、酸性紙であればロジン系サイズ剤、中性紙であればアルケニル無水コハク酸、アルキルケテンダイマー、中性ロジン系サイズ剤及びカチオン性スチレンアクリル系サイズ剤等を挙げることができる。また、前記サイズプレス液に用いるサイズ剤は、製紙分野で従来公知の表面サイズ剤である。表面サイズ剤の例としては、澱粉系サイズ剤、セルロース系サイズ剤、ポリビニルアルコール系サイズ剤、スチレンアクリル系サイズ剤、オレフィン系サイズ剤、スチレンマレイン酸系サイズ剤、アクリルアミド系サイズ剤等を挙げることができる。サイズプレスは、製紙分野で従来公知のサイズプレス装置を用いて行う。サイズプレス装置の例としては、インクラインドサイズプレス、ホリゾンタルサイズプレス、フィルムトランスファーとしてロッドメタリングサイズプレス、ロールメタリングサイズプレス及びブレードメタリングサイズプレスを、前記ロッドメタリングサイズプレスとしてシムサイザー、オプティサイザー及びスピードサイザーを、前記ロールメタリングサイズプレスとしてゲートロールコーターを、さらにビルブレードコーター、ツインブレードコーター、ベルバパコーター、タブサイズプレス、並びにカレンダーサイズプレス等を挙げることができる。
いくつかの実施態様において、紙製包装材料は、紙支持体の灰分量が3質量%以上10質量%以下である。この理由は、紙支持体が、柔軟性を得ることができかつ紙力を低下しないからである。ここで、灰分量とは、燃焼処理前の紙支持体の絶乾質量に対する紙支持体を500℃で1時間燃焼処理を行った後の不燃物の質量の比率(質量%)である。灰分量は、抄造紙中の填料含有量を調整する等の従来公知の方法で制御することができる。
第一塗工層は、エチレン変性ポリビニルアルコール及びベントナイトを含有する。第一塗工層は、酸素ガスの透過を抑える酸素バリア層として主に機能する。また、第一塗工層は、紙支持体の水中への離解に際して剥離層としての機能を有する。
いくつかの実施態様において、第一塗工層は、第一塗工層中のエチレン変性ポリビニルアルコール及びベントナイトの合計含有量が第一塗工層を形成する乾燥固形分に対して80質量%以上である。この理由は、紙製包装材料の酸素バリア性が良化するからである。また、いくつかの実施態様において、第一塗工層は、第一塗工層におけるエチレン変性ポリビニルアルコールの含有量がベントナイト100質量部に対して20質量部以上500質量部以下である。少なくとも一つの実施態様において、第一塗工層は、第一塗工層におけるエチレン変性ポリビニルアルコールの含有量がベントナイト100質量部に対して50質量部以上200質量部以下である。これらの理由は、紙製包装材料の酸素バリア性が特に良化するからである。また、いくつかの実施態様において、第一塗工層は、塗工量が乾燥固形分で2g/m2以上10g/m2以下である。この理由は、紙製包装材料の酸素バリア性が良化するからである。
少なくとも一つの実施態様において、第一塗工層は、第一塗工層中のエチレン変性ポリビニルアルコール及びベントナイトの合計含有量が第一塗工層を形成する乾燥固形分に対して80質量%以上、第一塗工層中のエチレン変性ポリビニルアルコールの含有量が第一塗工層中のベントナイト100質量部に対して50質量部以上200質量部以下、及び塗工量が乾燥固形分で2g/m2以上10g/m2以下である。
いくつかの実施態様において、第一塗工層は、第一塗工層中のエチレン変性ポリビニルアルコール及びベントナイトの合計含有量が第一塗工層を形成する乾燥固形分に対して80質量%以上である。この理由は、紙製包装材料の酸素バリア性が良化するからである。また、いくつかの実施態様において、第一塗工層は、第一塗工層におけるエチレン変性ポリビニルアルコールの含有量がベントナイト100質量部に対して20質量部以上500質量部以下である。少なくとも一つの実施態様において、第一塗工層は、第一塗工層におけるエチレン変性ポリビニルアルコールの含有量がベントナイト100質量部に対して50質量部以上200質量部以下である。これらの理由は、紙製包装材料の酸素バリア性が特に良化するからである。また、いくつかの実施態様において、第一塗工層は、塗工量が乾燥固形分で2g/m2以上10g/m2以下である。この理由は、紙製包装材料の酸素バリア性が良化するからである。
少なくとも一つの実施態様において、第一塗工層は、第一塗工層中のエチレン変性ポリビニルアルコール及びベントナイトの合計含有量が第一塗工層を形成する乾燥固形分に対して80質量%以上、第一塗工層中のエチレン変性ポリビニルアルコールの含有量が第一塗工層中のベントナイト100質量部に対して50質量部以上200質量部以下、及び塗工量が乾燥固形分で2g/m2以上10g/m2以下である。
第一塗工層は、本発明の効果を損なわない範囲において、塗工紙分野で従来公知の各種添加剤を含有することができる。添加剤の例としては、消泡剤、分散剤、濡れ剤、ベントナイト以外の顔料、エチレン変性ポリビニルアルコール以外の樹脂及び着色剤等を挙げることができる。
ベントナイトは、粘土鉱物モンモリロナイトを主成分として、石英、α-クリストバライト及びオパール等の珪酸鉱物を副成分として、長石、マイカ及びゼオライト等の珪酸塩鉱物、カルサイト、ドロマイト及びジプサム等の炭酸塩鉱物、硫酸塩鉱物、並びにパイライト等の硫化鉱物を随伴する弱アルカリ性粘土岩である。
主成分であるモンモリロナイトは、薄い板状の単位結晶が複数積層した構造を有する。
モンモリロナイトの単位結晶は、ケイ素原子と酸素原子とから成る四面体がシート状に連なった四面体シートが、アルミニウム原子と水酸基とから成る八面体がシート状に連なった八面体シートを挟むサンドウィッチ構造を有する。モンモリロナイトは、単位結晶の層間に陽イオンを含有する。陽イオンは、例えば、Na+、Ca2+、K+及びMg2+を挙げることができる。一般的に、ベントナイトは、モンモリロナイトが含有する層間の陽イオンによって分類できる。ベントナイトの例としては、Na型ベントナイトとCa型ベントナイトを挙げることができる。
いくつかの実施態様において、ベントナイトは、主成分であるモンモリロナイトの含有率が90質量%以上99.5質量%以下である。少なくとも一つの実施態様において、ベントナイトは、主成分であるモンモリロナイトの含有率が90質量%以上99.5質量%以下であり及びNa型である。この理由は、膨潤性が高く、並びに水系塗工において薄い板状の結晶が層状構造を形成して酸素及び水蒸気の透過を妨げ、結果、高いバリア性が得られるからである。
ベントナイトは、例えば、ホージュン社、水澤化学工業社及びクニミネ工業社等から市販される。
主成分であるモンモリロナイトは、薄い板状の単位結晶が複数積層した構造を有する。
モンモリロナイトの単位結晶は、ケイ素原子と酸素原子とから成る四面体がシート状に連なった四面体シートが、アルミニウム原子と水酸基とから成る八面体がシート状に連なった八面体シートを挟むサンドウィッチ構造を有する。モンモリロナイトは、単位結晶の層間に陽イオンを含有する。陽イオンは、例えば、Na+、Ca2+、K+及びMg2+を挙げることができる。一般的に、ベントナイトは、モンモリロナイトが含有する層間の陽イオンによって分類できる。ベントナイトの例としては、Na型ベントナイトとCa型ベントナイトを挙げることができる。
いくつかの実施態様において、ベントナイトは、主成分であるモンモリロナイトの含有率が90質量%以上99.5質量%以下である。少なくとも一つの実施態様において、ベントナイトは、主成分であるモンモリロナイトの含有率が90質量%以上99.5質量%以下であり及びNa型である。この理由は、膨潤性が高く、並びに水系塗工において薄い板状の結晶が層状構造を形成して酸素及び水蒸気の透過を妨げ、結果、高いバリア性が得られるからである。
ベントナイトは、例えば、ホージュン社、水澤化学工業社及びクニミネ工業社等から市販される。
エチレン変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールの主鎖にエチレン基を導入することによって変性したポリビニルアルコールである。いくつかの実施態様において、エチレン変性ポリビニルアルコール分子中のエチレン基の含有量は1モル%以上10モル%以下である。いくつかの実施態様において、エチレン変性ポリビニルアルコールの数平均重合度は、200以上4000以下である。いくつかの実施態様において、エチレン変性ポリビニルアルコールの鹸化度は90モル%以上99.5モル%以下である。これらの理由は、紙製包装材料の酸素バリア性が良化すると共に耐水性を得ることができるからである。少なくとも一つの実施態様において、エチレン変性ポリビニルアルコールは、エチレン基の含有量が1モル%以上10モル%以下、数平均重合度が200以上4000以下及び鹸化度が90モル%以上99.5モル%以下である。
エチレン変性ポリビニルアルコールは、例えば、クラレ社等から市販される。
エチレン変性ポリビニルアルコールは、例えば、クラレ社等から市販される。
第二塗工層は、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂及びベントナイトを含有する。第二塗工層は、水蒸気バリア層として主に機能する。いくつかの実施態様において、第二塗工層は、第二塗工層中のエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂及びベントナイトの合計含有量が第二塗工層を形成する乾燥固形分に対して80質量%以上である。この理由は、紙製包装材料の水蒸気バリア性が良化するからである。また、いくつかの実施態様において、第二塗工層は、第二塗工層における前記アイオノマー樹脂の含有量がベントナイト100質量部に対して20質量部以上500質量部以下である。少なくとも一つの実施態様において、第二塗工層は、第二塗工層における前記アイオノマー樹脂の含有量がベントナイト100質量部に対して50質量部以上200質量部以下である。これらの理由は、紙製包装材料の水蒸気バリア性が特に良化するからである。また、いくつかの実施態様において、第二塗工層は、塗工量が乾燥固形分で3g/m2以上15g/m2以下である。この理由は、紙製包装材料の水蒸気バリア性が良化するからである。
少なくとも一つの実施態様において、第二塗工層は、第二塗工層中のエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂及びベントナイトの合計含有量が第二塗工層を形成する乾燥固形分に対して80質量%以上、第二塗工層中の前記アイオノマー樹脂の含有量が第二塗工層中のベントナイト100質量部に対して50質量部以上200質量部以下、及び塗工量が乾燥固形分で3g/m2以上15g/m2以下である。
少なくとも一つの実施態様において、第二塗工層は、第二塗工層中のエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂及びベントナイトの合計含有量が第二塗工層を形成する乾燥固形分に対して80質量%以上、第二塗工層中の前記アイオノマー樹脂の含有量が第二塗工層中のベントナイト100質量部に対して50質量部以上200質量部以下、及び塗工量が乾燥固形分で3g/m2以上15g/m2以下である。
紙製包装材料は、紙支持体に対して第一塗工層と第二塗工層を積層することによって、例えばポリ塩化ビニリデンを用いたバリア層のような酸素バリア性及び水蒸気バリア性を有することができる。いくつかの実施態様において、紙支持体に対する第一塗工層と第二塗工層との積層は、紙支持体を基準として近い側に第一塗工層及び遠い側に第二塗工層である。この理由は、前記積層が、紙支持体を基準として近い側に第二塗工層及び遠い側に第一塗工層として積層の場合より、酸素バリア性及び水蒸気バリア性が良化するからである。
第二塗工層は、本発明の効果を損なわない範囲において、塗工紙分野で従来公知の各種添加剤を含有することができる。添加剤の例としては、消泡剤、分散剤、濡れ剤、ベントナイト以外の顔料、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂以外の樹脂及び着色剤等を挙げることができる。
第二塗工層が含有するベントナイトは、第一塗工層が含有するベントナイトと同様であり、ここでは説明を割愛する。
エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂は、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体に対して、前記共重合体が有するカルボキシ基の少なくとも一部を金属イオンで中和して成る樹脂である。前記金属イオンの例としては、ナトリウムイオン、カリウムイオン及び銀イオン等の1価陽イオン、並びに銅イオン、カルシウムイオン、バリウムイオン、亜鉛イオン及びマグネシウムイオン等の2価陽イオン、並びにアルミニウムイオン等の3価陽イオンを挙げることができる。いくつかの実施態様において、金属イオンは、ナトリウムイオン及びカリウムイオンから成る群から選ばれる一種又は二種である。また、いくつかの実施態様において、アイオノマー樹脂は、不飽和カルボン酸系単量体に対する金属イオンで中和された前記単量体の含有量が30モル%以上である。これらの理由は、紙製包装材料の水蒸気バリア性が良化するからである。
不飽和カルボン酸系単量体は、エチレン列炭化水素において少なくとも1つのカルボキシ基を有する単量体であって、前記カルボキシ基の状態からカルボン酸、カルボン酸塩及びカルボン酸エステルがある。不飽和カルボン酸系単量体は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びブテントリカルボン酸等の不飽和カルボン酸、これらの塩である不飽和カルボン酸塩、並びにこれらのエステルである不飽和カルボン酸エステルを挙げることができる。
エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂は、前記共重合体が有するカルボキシ基を金属イオンで中和するために、共重合体中の不飽和カルボン酸系単量体において不飽和カルボン酸を少なくとも有する。
いくつかの実施態様において、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂は、下記一般式で表される化合物である。
x、y及びzは、共重合体中の各単量体の構成比を表す。R1及びR2は水素原子、無置換アルキル基又は置換アルキル基を表す。R1とR2とは異なって構わない。Mは、カルボキシ基を中和する金属イオンの金属を表す。いくつかの実施態様において、R1及びR2は、水素原子又は炭素数1以上4以下の無置換アルキル基である。また、いくつかの実施態様において、Mは、ナトリウム及びカリウムから選ばれる一種又は二種である。少なくとも一つの実施態様において、R1及びR2が水素原子又は炭素数1以上4以下の無置換アルキル基及びMがナトリウム及びカリウムから選ばれる一種又は二種である。これらの理由は、水蒸気バリア性が良化するからである。
いくつかの実施態様において、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂は、不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸又はメタクリル酸を含む。この理由は、アイオノマー樹脂として入手し易いからである。
エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂は、例えば、三井化学社等から市販される。
いくつかの実施態様において、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂は、不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸又はメタクリル酸を含む。この理由は、アイオノマー樹脂として入手し易いからである。
エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂は、例えば、三井化学社等から市販される。
紙製包装材料は、紙支持体に対して第一塗工層及び第二塗工層を有することで、ポリ塩化ビニリデンを含有する樹脂層に匹敵する酸素バリア性及び水蒸気バリア性を有することができる。
いくつかの実施態様において、紙製包装材料は、第一塗工層及び第二塗工層を有する側の紙支持体を基準として最表位置にヒートシール層を有する。この理由は、紙製包装材料がヒートシール性を有することができるからである。ヒートシール層は、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂を含有する層である。いくつかの実施態様において、ヒートシール層は、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂がヒートシール層を形成する乾燥固形分に対して70質量%以上である。少なくとも一つの実施態様において、ヒートシール層は、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂がヒートシール層を形成する乾燥固形分に対して85質量%以上である。これらの理由は、シール強度が良化するからである。
ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂は、包装材料分野で従来公知の樹脂である。ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン、酸変性ポリエチレン及び酸変性ポリプロピレン等の酸変性ポリオレフィン、塩素化ポリエチレン及び塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、さらに不飽和カルボン酸系単量体の重合体、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂、スチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体、アクリロニトリルと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体、メタクリロニトリルと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体、エチレンとアクリロニトリルとの共重合体、エチレンとメタクリロニトリルとの共重合体、エチレンとウレタン系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体、スチレンとブタジエンとの共重合体、ポリアミド、ポリ乳酸及びその塩、並びにポリブチレンサクシネート及びポリブチレンサクシネートアジペート等の生分解性樹脂を挙げることができる。
より具体的なヒートシール性を有する熱可塑性樹脂は、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、エチレンアクリル酸共重合体、エチレンメタクリル酸共重合体、エチレンアクリル酸メチル共重合体、エチレンアクリル酸エチル共重合体、エチレンアクリル酸ブチル共重合体、エチレンメタクリル酸メチル共重合体、エチレンメタクリル酸エチル共重合体、エチレンメタクリル酸ブチル共重合体、エチレンアクリル酸アクリル酸メチル共重合体、エチレンアクリル酸アクリル酸エチル共重合体、エチレンアクリル酸アクリル酸ブチル共重合体、エチレンメタクリル酸メタクリル酸メチル共重合体、エチレンメタクリル酸メタクリル酸エチル共重合体、エチレンメタクリル酸メタクリル酸ブチル共重合体、スチレンアクリル酸共重合体、スチレンメタクリル酸共重合体、スチレンアクリル酸メチル共重合体、スチレンアクリル酸エチル共重合体、スチレンアクリル酸ブチル共重合体、スチレンメタクリル酸メチル共重合体、スチレンメタクリル酸エチル共重合体、スチレンメタクリル酸ブチル共重合体、スチレンアクリル酸アクリル酸メチル共重合体、スチレンアクリル酸アクリル酸エチル共重合体、スチレンアクリル酸アクリル酸ブチル共重合体、スチレンメタクリル酸メタクリル酸メチル共重合体、スチレンメタクリル酸メタクリル酸エチル共重合体、スチレンメタクリル酸メタクリル酸ブチル共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、エチレンアクリロニトリル共重合体、エチレンメタクリロニトリル共重合体、スチレンアクリロニトリル共重合体、スチレンメタクリロニトリル共重合体、エチレンアクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂、エチレンメタクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂、エチレンアクリル酸アクリル酸メチル共重合体のアイオノマー樹脂、エチレンメタクリル酸メタクリル酸メチル共重合体のアイオノマー樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレンブタジエン共重合体、ナイロン、ポリ乳酸及びその塩、並びにポリブチレンサクシネート及びポリブチレンサクシネートアジペート等の生分解性樹脂を挙げることができる。
いくつかの実施態様において、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂は、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体、スチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体及びエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂から成る群から選ばれる一種又は二種以上である。少なくとも一つの実施態様において、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂は、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体、スチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体及びエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂から成る群から選ばれる一種又は二種以上であって、かつ前記不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸又はメタクリル酸を含む。これらの理由は、紙製包装材料が十分なヒートシール性を有するだけでなく、酸素バリア性及び水蒸気バリア性も良化するからである。
ヒートシール層は、ヒートシール性を損なわない範囲において、塗工紙分野で従来公知の各種添加剤を含有することができる。添加剤の例としては、澱粉、各種変性澱粉、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース等の多糖類、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂以外の樹脂、離型剤、消泡剤、分散剤、濡れ剤、顔料、並びに着色剤等を挙げることができる。
ヒートシール層の塗工量は、ヒートシール性を発現する範囲において特に限定しない。いくつかの実施態様において、ヒートシール層の塗工量は、紙支持体の坪量(g/m2)に対して乾燥固形分として15質量%以上35質量%以下である。この理由は、ヒートシールの加工がし易くなるからである。
第一塗工層及び第二塗工層、並びに必要に応じて設けるヒートシール層の各層は、各層を形成する塗工液を従来公知の塗工装置及び乾燥装置を用いて紙支持体又は層に対して塗工及び乾燥することによって得ることができる。塗工装置の例としては、フィルムプレスコーター、エアナイフコーター、ロッドコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、Eバーコーター、フィルムトランスファーコーター等を挙げることができる。乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機を挙げることができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。ここで「質量部」及び「質量%」は、乾燥固形分量あるいは実質成分量の値を表す。塗工量は乾燥固形分量である。
(実施例1)
<紙支持体の作製>
叩解処理によって濾水度が450mlcsfとなるように調製したLBKP50質量部と濾水度が480mlcsfとなるように調製したNBKP50質量部とをパルパーを用いて水中に分散して分散体を得た。KPとして100質量部を含む前記分散体に対して硫酸バンド1質量部、軽質炭酸カルシウム7質量部、カチオン化澱粉0.8質量部、ロジン系サイズ剤0.2質量部、歩留まり向上剤0.01質量部を加えてパルパーを用いて更に分散した。その後、チェストタンクでアジター撹拌して抄紙用の紙料を得た。前記紙料を長網抄紙機で抄造し、坪量60g/m2の原紙を得た。これに、マシンカレンダーを用いて温度60℃及び処理速度500m/分の条件でカレンダー処理を実施して紙支持体を得た。得た紙支持体は、厚さ70μm及び灰分量5質量%であった。
<紙支持体の作製>
叩解処理によって濾水度が450mlcsfとなるように調製したLBKP50質量部と濾水度が480mlcsfとなるように調製したNBKP50質量部とをパルパーを用いて水中に分散して分散体を得た。KPとして100質量部を含む前記分散体に対して硫酸バンド1質量部、軽質炭酸カルシウム7質量部、カチオン化澱粉0.8質量部、ロジン系サイズ剤0.2質量部、歩留まり向上剤0.01質量部を加えてパルパーを用いて更に分散した。その後、チェストタンクでアジター撹拌して抄紙用の紙料を得た。前記紙料を長網抄紙機で抄造し、坪量60g/m2の原紙を得た。これに、マシンカレンダーを用いて温度60℃及び処理速度500m/分の条件でカレンダー処理を実施して紙支持体を得た。得た紙支持体は、厚さ70μm及び灰分量5質量%であった。
<第一塗工層を形成する塗工液>
ベントナイト(ベンゲル(登録商標)HVP、ホージュン社)を水中に高速ミキサーで粉砕及び分散して分散体を得た。ベントナイトを100質量部含有する前記分散液に対してエチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバール(登録商標)AQ-4104、クラレ社)を50質量部混合し、さらに消泡剤0.2質量部を加えて第一塗工層を形成する塗工液を得た。
ベントナイト(ベンゲル(登録商標)HVP、ホージュン社)を水中に高速ミキサーで粉砕及び分散して分散体を得た。ベントナイトを100質量部含有する前記分散液に対してエチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバール(登録商標)AQ-4104、クラレ社)を50質量部混合し、さらに消泡剤0.2質量部を加えて第一塗工層を形成する塗工液を得た。
<第二塗工層を形成する塗工液>
ベントナイト(ベンゲルHVP、ホージュン社)を水中に高速ミキサーで粉砕及び分散し分散体を得た。ベントナイトを100質量部含有する前記分散体に対してエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂(ケミパール(登録商標)S-100、三井化学社、不飽和カルボン酸系単量体としてメタクリル酸を含む)100質量部を混合し、さらに消泡剤0.2質量部を加えて第二塗工層を形成する塗工液を得た。
ベントナイト(ベンゲルHVP、ホージュン社)を水中に高速ミキサーで粉砕及び分散し分散体を得た。ベントナイトを100質量部含有する前記分散体に対してエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂(ケミパール(登録商標)S-100、三井化学社、不飽和カルボン酸系単量体としてメタクリル酸を含む)100質量部を混合し、さらに消泡剤0.2質量部を加えて第二塗工層を形成する塗工液を得た。
<紙製包装材料>
紙支持体の片面に対して、第一塗工層を形成する塗工液をロッドコーターで塗工及び熱風乾燥機で乾燥した。塗工量は4g/m2になるよう塗工液濃度及び/又はコーター条件を調整した。次に、前記第一塗工層に対して、第二塗工層を形成する塗工液をエアナイフコーターで塗工及び乾燥した。塗工量は5g/m2になるように塗工液濃度及び/又はコーター条件を調整した。以上により、紙支持体に対して第一塗工層及び第二塗工層を有する紙製包装材料を得た。
紙支持体の片面に対して、第一塗工層を形成する塗工液をロッドコーターで塗工及び熱風乾燥機で乾燥した。塗工量は4g/m2になるよう塗工液濃度及び/又はコーター条件を調整した。次に、前記第一塗工層に対して、第二塗工層を形成する塗工液をエアナイフコーターで塗工及び乾燥した。塗工量は5g/m2になるように塗工液濃度及び/又はコーター条件を調整した。以上により、紙支持体に対して第一塗工層及び第二塗工層を有する紙製包装材料を得た。
(実施例2)
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のエチレン変性ポリビニルアルコールを100質量部とした以外は実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のエチレン変性ポリビニルアルコールを100質量部とした以外は実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例3)
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のエチレン変性ポリビニルアルコールを200質量部とした以外は実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のエチレン変性ポリビニルアルコールを200質量部とした以外は実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例4)
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のエチレン変性ポリビニルアルコールを40質量部とした以外は実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のエチレン変性ポリビニルアルコールを40質量部とした以外は実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例5)
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のエチレン変性ポリビニルアルコールを250質量部とした以外は実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のエチレン変性ポリビニルアルコールを250質量部とした以外は実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例6)
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のベントナイト(ベンゲルHVP、ホージュン社)をベントナイト(クニピア(登録商標)G、クニミネ工業社)100質量部及びエチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバールAQ-4104、クラレ社)をエチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバールHR-3010、クラレ社)100質量部に変更し、並びに第二塗工層を形成する塗工液のベントナイト(ベンゲルHVP、ホージュン社)をベントナイト(クニピアG、クニミネ工業社)100質量部及びアイオノマー樹脂(ケミパールS-100、三井化学社、不飽和カルボン酸系単量体としてメタクリル酸を含む)をエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂(ケミパールS-300、三井化学社、不飽和カルボン酸系単量体としてメタクリル酸を含む)50質量部に変更した以外は実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のベントナイト(ベンゲルHVP、ホージュン社)をベントナイト(クニピア(登録商標)G、クニミネ工業社)100質量部及びエチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバールAQ-4104、クラレ社)をエチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバールHR-3010、クラレ社)100質量部に変更し、並びに第二塗工層を形成する塗工液のベントナイト(ベンゲルHVP、ホージュン社)をベントナイト(クニピアG、クニミネ工業社)100質量部及びアイオノマー樹脂(ケミパールS-100、三井化学社、不飽和カルボン酸系単量体としてメタクリル酸を含む)をエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂(ケミパールS-300、三井化学社、不飽和カルボン酸系単量体としてメタクリル酸を含む)50質量部に変更した以外は実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例7)
実施例6において、第二塗工層を形成する塗工液のアイオノマー樹脂を100質量部に変更した以外は実施例6と同様にして紙製包装材料を得た。
実施例6において、第二塗工層を形成する塗工液のアイオノマー樹脂を100質量部に変更した以外は実施例6と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例8)
実施例6において、第二塗工層を形成する塗工液のアイオノマー樹脂を200質量部に変更した以外は実施例6と同様にして紙製包装材料を得た。
実施例6において、第二塗工層を形成する塗工液のアイオノマー樹脂を200質量部に変更した以外は実施例6と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例9)
実施例6において、第二塗工層を形成する塗工液のアイオノマー樹脂を30質量部に変更した以外は実施例6と同様にして紙製包装材料を得た。
実施例6において、第二塗工層を形成する塗工液のアイオノマー樹脂を30質量部に変更した以外は実施例6と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例10)
実施例6において、第二塗工層を形成する塗工液のアイオノマー樹脂を300質量部に変更した以外は実施例6と同様にして紙製包装材料を得た。
実施例6において、第二塗工層を形成する塗工液のアイオノマー樹脂を300質量部に変更した以外は実施例6と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例11)
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のエチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバールAQ-4104、クラレ社)をエチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバールRS-2117、クラレ社)100質量部に変更し、第二塗工層を形成する塗工液のベントナイト(ベンゲルHVP、ホージュン社)をベントナイト(クニピアG、クニミネ工業社)100質量部及びアイオノマー樹脂(ケミパールS-100、三井化学社、不飽和カルボン酸系単量体としてメタクリル酸を含む)をエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂(ケミパールS-500、三井化学社、不飽和カルボン酸系単量体としてメタクリル酸を含む)100質量部に変更した以外は実施例1と同様に紙支持体に対して第一塗工層及び第二塗工層を設けた。さらに前記第二塗工層に対して下記ヒートシール層を形成する塗工液をエアナイフコーターで塗工及び熱風乾燥機で乾燥して紙製包装材料を得た。ヒートシール層の塗工量は15g/m2になるように塗工液濃度及び/又はコーター条件を調整した。
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のエチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバールAQ-4104、クラレ社)をエチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバールRS-2117、クラレ社)100質量部に変更し、第二塗工層を形成する塗工液のベントナイト(ベンゲルHVP、ホージュン社)をベントナイト(クニピアG、クニミネ工業社)100質量部及びアイオノマー樹脂(ケミパールS-100、三井化学社、不飽和カルボン酸系単量体としてメタクリル酸を含む)をエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂(ケミパールS-500、三井化学社、不飽和カルボン酸系単量体としてメタクリル酸を含む)100質量部に変更した以外は実施例1と同様に紙支持体に対して第一塗工層及び第二塗工層を設けた。さらに前記第二塗工層に対して下記ヒートシール層を形成する塗工液をエアナイフコーターで塗工及び熱風乾燥機で乾燥して紙製包装材料を得た。ヒートシール層の塗工量は15g/m2になるように塗工液濃度及び/又はコーター条件を調整した。
<ヒートシール層を形成する塗工液>
ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂としてエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(ザイクセン(登録商標)A、住友精化社、不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸を含む)100質量部と消泡剤0.5質量部を水に分散し、ヒートシール層用の塗工液を得た。
ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂としてエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(ザイクセン(登録商標)A、住友精化社、不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸を含む)100質量部と消泡剤0.5質量部を水に分散し、ヒートシール層用の塗工液を得た。
(実施例12)
実施例11において、ヒートシール層を形成する塗工液のエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(ザイクセンA、住友精化社、不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸を含む)をエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂(ケミパールS-500、三井化学社、不飽和カルボン酸系単量体としてメタクリル酸を含む)100質量部に変更した以外は実施例11と同様にして紙製包装材料を得た。
実施例11において、ヒートシール層を形成する塗工液のエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(ザイクセンA、住友精化社、不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸を含む)をエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂(ケミパールS-500、三井化学社、不飽和カルボン酸系単量体としてメタクリル酸を含む)100質量部に変更した以外は実施例11と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例13)
実施例11において、ヒートシール層を形成する塗工液のエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(ザイクセンA、住友精化社、不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸を含む)をスチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(XP8812、星光PMC社、不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸ないしメタクリル酸を含む)100質量部に変更した以外は実施例11と同様にして紙製包装材料を得た。
実施例11において、ヒートシール層を形成する塗工液のエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(ザイクセンA、住友精化社、不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸を含む)をスチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(XP8812、星光PMC社、不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸ないしメタクリル酸を含む)100質量部に変更した以外は実施例11と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例14)
実施例11において、ヒートシール層を形成する塗工液のエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(ザイクセンA、住友精化社、不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸を含む)をスチレンブタジエン共重合体(Nipol(登録商標)LX430、日本ゼオン社)100質量部に変更した以外は実施例11と同様にして紙製包装材料を得た。
実施例11において、ヒートシール層を形成する塗工液のエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(ザイクセンA、住友精化社、不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸を含む)をスチレンブタジエン共重合体(Nipol(登録商標)LX430、日本ゼオン社)100質量部に変更した以外は実施例11と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例15)
実施例11において、ヒートシール層を形成する塗工液のエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(ザイクセンA、住友精化社、不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸を含む)をナイロン(セポルジョン(登録商標)PA150、住友精化社)100質量部に変更した以外は実施例11と同様にして紙製包装材料を得た。
実施例11において、ヒートシール層を形成する塗工液のエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(ザイクセンA、住友精化社、不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸を含む)をナイロン(セポルジョン(登録商標)PA150、住友精化社)100質量部に変更した以外は実施例11と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例16)
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液と第二塗工層を形成する塗工液の塗工順を逆にした以外は実施例11と同様にして紙製包装材料を得た。
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液と第二塗工層を形成する塗工液の塗工順を逆にした以外は実施例11と同様にして紙製包装材料を得た。
(比較例1)
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工層を塗工しなかった以外は、実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工層を塗工しなかった以外は、実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
(比較例2)
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液に下記塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液に下記塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
<第一塗工層を形成する塗工液>
エチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバールAQ-4104、クラレ社)を溶解した水溶液に、エチレン変性ポリビニルアルコール100質量部に対して消泡剤0.2質量部を加えて第一塗工層を形成する塗工液を得た。
エチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバールAQ-4104、クラレ社)を溶解した水溶液に、エチレン変性ポリビニルアルコール100質量部に対して消泡剤0.2質量部を加えて第一塗工層を形成する塗工液を得た。
(比較例3)
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のベントナイトをカオリン(ASP(登録商標)200、BASF社)に変更した以外は、実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のベントナイトをカオリン(ASP(登録商標)200、BASF社)に変更した以外は、実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
(比較例4)
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のエチレン変性ポリビニルアルコールを未変性ポリビニルアルコール(ゴーセノール(登録商標)N-300、三菱ケミカル社)に変更した以外は、実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のエチレン変性ポリビニルアルコールを未変性ポリビニルアルコール(ゴーセノール(登録商標)N-300、三菱ケミカル社)に変更した以外は、実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
(比較例5)
実施例1において、第二塗工層を形成する塗工液のベントナイトを軽質炭酸カルシウム(カルライト(登録商標)SA、太陽化学工業社)に変更した以外は、実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
実施例1において、第二塗工層を形成する塗工液のベントナイトを軽質炭酸カルシウム(カルライト(登録商標)SA、太陽化学工業社)に変更した以外は、実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
(比較例6)
実施例1において、第二塗工層を形成する塗工液のアイオノマー樹脂をスチレンブタジエン共重合体(NipolLX430、日本ゼオン社)に変更した以外は、実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
実施例1において、第二塗工層を形成する塗工液のアイオノマー樹脂をスチレンブタジエン共重合体(NipolLX430、日本ゼオン社)に変更した以外は、実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
(比較例7)
実施例1において、第二塗工層を形成する塗工液を塗工しなかった以外は、実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
実施例1において、第二塗工層を形成する塗工液を塗工しなかった以外は、実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
(比較例8)
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液に下記塗工液を用い、第二塗工層を形成する塗工液を塗工しなかった以外は、実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液に下記塗工液を用い、第二塗工層を形成する塗工液を塗工しなかった以外は、実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
<第一塗工層を形成する塗工液>
ポリ塩化ビニリデン(サランラテックス(登録商標)L411A、旭化成社)100質量部と消泡剤0.2質量部を水に分散し、第一塗工層を形成する塗工液を得た。
ポリ塩化ビニリデン(サランラテックス(登録商標)L411A、旭化成社)100質量部と消泡剤0.2質量部を水に分散し、第一塗工層を形成する塗工液を得た。
実施例1~16及び比較例1~8の紙製包装材料について、以下の評価を実施した。結果は、表1に記載する。
<酸素バリア性の評価>
酸素バリア性の評価は、ISO15105-2:2003「Plastics-Film and sheeting - Determination of gas-transmission rate - Part2 : Equal-pressure method」(JIS K7126-2:2006「プラスチック -フィルム及びシート- ガス透過度試験方法-第2部:等圧法」)に準じて、酸素透過率測定装置(OX-TRAN-2/22L、MOCON社)を使用した測定結果から行った。測定は、第一塗工層及び第二塗工層を有しない側をガスの供給面として行った。ガス透過度試験のガスには酸素ガスを用いた。温度及び湿度の条件は23±0.5℃及び相対湿度85±2%とした。本発明において、紙製包装材料は、酸素透過度5cc/m2・24h・atm以下であれば酸素バリア性を有するものとする。なお、酸素透過度の値が小さいほど酸素バリア性に優れる。
酸素バリア性の評価は、ISO15105-2:2003「Plastics-Film and sheeting - Determination of gas-transmission rate - Part2 : Equal-pressure method」(JIS K7126-2:2006「プラスチック -フィルム及びシート- ガス透過度試験方法-第2部:等圧法」)に準じて、酸素透過率測定装置(OX-TRAN-2/22L、MOCON社)を使用した測定結果から行った。測定は、第一塗工層及び第二塗工層を有しない側をガスの供給面として行った。ガス透過度試験のガスには酸素ガスを用いた。温度及び湿度の条件は23±0.5℃及び相対湿度85±2%とした。本発明において、紙製包装材料は、酸素透過度5cc/m2・24h・atm以下であれば酸素バリア性を有するものとする。なお、酸素透過度の値が小さいほど酸素バリア性に優れる。
<水蒸気バリア性の評価>
水蒸気バリア性の評価は、JIS Z0208:1976「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」に準じて実施した測定結果から行った。測定は、紙支持体に対して第一塗工層及び第二塗工層を有する側を外側にして行った。温度及び湿度の条件は40±0.5℃及び相対湿度90±2%とした。本発明において、紙製包装材料は、透湿度10g/m2・24h以下であれば水蒸気バリア性を有するものとする。なお、透湿度の値が小さいほど水蒸気バリア性に優れる。
水蒸気バリア性の評価は、JIS Z0208:1976「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」に準じて実施した測定結果から行った。測定は、紙支持体に対して第一塗工層及び第二塗工層を有する側を外側にして行った。温度及び湿度の条件は40±0.5℃及び相対湿度90±2%とした。本発明において、紙製包装材料は、透湿度10g/m2・24h以下であれば水蒸気バリア性を有するものとする。なお、透湿度の値が小さいほど水蒸気バリア性に優れる。
<ヒートシール性の評価>
ヒートシール層を設けた紙製包装材料についてヒートシール性を評価した。
同じヒートシール層を設けた2枚の紙製包装材料を用いて、紙製包装材料のヒートシール層を有する面どうしが対向するように重ね合わせ、ヒートシールテスター(TP-701-B、テスター産業社)により、圧力0.5MPa、150℃、0.5秒間加圧してヒートシールを実施した。
紙製包装材料のヒートシール性の評価は、ヒートシールした紙製包装材料をヒートシール部の幅が15mmとなるようにカットし、温度23℃、相対湿度50%の環境で24時間静置後、引張試験機(STB-1225S、オリエンテック社)を用い、引張速度300mm/分、引張角度180度で剥離する強度の測定結果から行った。各紙製包装材料について5回の測定を実施し、その平均値(小数点以下2桁目を四捨五入)を剥離する強度とした。本発明において、紙製包装材料は、強度3N/15mm以上であればヒートシール性を有するものとする。なお、剥離する強度の値が大きいほどヒートシール性に優れる。
ヒートシール層を設けた紙製包装材料についてヒートシール性を評価した。
同じヒートシール層を設けた2枚の紙製包装材料を用いて、紙製包装材料のヒートシール層を有する面どうしが対向するように重ね合わせ、ヒートシールテスター(TP-701-B、テスター産業社)により、圧力0.5MPa、150℃、0.5秒間加圧してヒートシールを実施した。
紙製包装材料のヒートシール性の評価は、ヒートシールした紙製包装材料をヒートシール部の幅が15mmとなるようにカットし、温度23℃、相対湿度50%の環境で24時間静置後、引張試験機(STB-1225S、オリエンテック社)を用い、引張速度300mm/分、引張角度180度で剥離する強度の測定結果から行った。各紙製包装材料について5回の測定を実施し、その平均値(小数点以下2桁目を四捨五入)を剥離する強度とした。本発明において、紙製包装材料は、強度3N/15mm以上であればヒートシール性を有するものとする。なお、剥離する強度の値が大きいほどヒートシール性に優れる。
<離解性の評価>
標準パルプ離解機(容量2L、熊谷理機工業社)を用い、2cm角に裁断した紙製包装材料15gを1.5Lの水に投入し、回転数3000rpmで20分間撹拌した。離解物において紙支持体から樹脂の分離状態を目視で確認して下記の基準で評価した。
○:紙支持体の離解物に対して樹脂が分離できている。
×:紙支持体の離解物に対して樹脂が分離できていない。
標準パルプ離解機(容量2L、熊谷理機工業社)を用い、2cm角に裁断した紙製包装材料15gを1.5Lの水に投入し、回転数3000rpmで20分間撹拌した。離解物において紙支持体から樹脂の分離状態を目視で確認して下記の基準で評価した。
○:紙支持体の離解物に対して樹脂が分離できている。
×:紙支持体の離解物に対して樹脂が分離できていない。
<変色性の評価>
変色性の評価は、ISO11664-4:2008「Colorimetry - Part 4 : CIE 1976 L*a*b* Colour space」(JIS Z8781-4:2013「測色 - 第4部:CIE 1976 L*a*b* 色空間」)に準じて、分光測色計(SpectroEye、X-lite社)を使用した測定結果から行った。
(1)熱による変色性
紙製包装材料の熱による変色性の評価は、紙製包装材料を温度60℃、相対湿度50%に設定した恒温恒湿槽に72時間保管し、紙製包装材料の第一塗工層及び第二塗工層を有する側の保管前及び保管後のb*値を測定し、その変化量Δb*値(「保管後のb*値」-「保管前のb*値」)から判断した。紙製包装材料は、Δb*値が小さいほど変色し難いものである。
(2)光による変色性
紙製包装材料の光による変色性の評価は、温度20℃、相対湿度50%の環境下で、紙製包装材料の第一塗工層及び第二塗工層を有する側に照度5000lxの蛍光灯光を48時間照射し、紙製包装材料の第一塗工層及び第二塗工層を有する側の照射前及び照射後のb*値を測定し、その変化量Δb*値(「照射後のb*値」-「照射前のb*値」)から判断した。紙製包装材料は、Δb*値が小さいほど変色し難いものである。
変色性の評価は、ISO11664-4:2008「Colorimetry - Part 4 : CIE 1976 L*a*b* Colour space」(JIS Z8781-4:2013「測色 - 第4部:CIE 1976 L*a*b* 色空間」)に準じて、分光測色計(SpectroEye、X-lite社)を使用した測定結果から行った。
(1)熱による変色性
紙製包装材料の熱による変色性の評価は、紙製包装材料を温度60℃、相対湿度50%に設定した恒温恒湿槽に72時間保管し、紙製包装材料の第一塗工層及び第二塗工層を有する側の保管前及び保管後のb*値を測定し、その変化量Δb*値(「保管後のb*値」-「保管前のb*値」)から判断した。紙製包装材料は、Δb*値が小さいほど変色し難いものである。
(2)光による変色性
紙製包装材料の光による変色性の評価は、温度20℃、相対湿度50%の環境下で、紙製包装材料の第一塗工層及び第二塗工層を有する側に照度5000lxの蛍光灯光を48時間照射し、紙製包装材料の第一塗工層及び第二塗工層を有する側の照射前及び照射後のb*値を測定し、その変化量Δb*値(「照射後のb*値」-「照射前のb*値」)から判断した。紙製包装材料は、Δb*値が小さいほど変色し難いものである。
本発明の構成を満足する実施例1~16は、酸素バリア性及び水蒸気バリア性を有し、紙支持体と樹脂層とが容易に分離でき、熱及び光によって変色し難い紙製包装材料であると分かる。本発明の構成を満足しない比較例1~8は、本発明に係る効果の少なくとも一つを満足することができないと分かる。
主に、実施例1~3と実施例4及び5との対比から、第一塗工層においてベントナイト100質量部に対してエチレン変性ポリビニルアルコールの含有量が50質量部以上200質量部以下であると、紙製包装材料は酸素バリア性が特に良化することが分かる。
主に、実施例6~8と実施例9及び10との対比から、第二塗工層においてベントナイト100質量部に対してエチレン不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー樹脂の含有量が50質量部以上200質量部以下であると、紙製包装材料は水蒸気バリア性が特に良化することが分かる。
主に、実施例1~3及び実施例6~8と実施例11~15との対比から、最表位置にヒートシール層を設けることで紙製包装材料はヒートシール性を有することが分かる。
主に、実施例11~13と実施例14及び15との対比から、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂が、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体、スチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体及びエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂から成る群から選ばれる一種又は二種以上であって、かつ前記不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸又はメタクリル酸を含むと、紙製包装材料は、他のヒートシール性を有する熱可塑性樹脂と比べて酸素バリア性及び水蒸気バリア性も良化することが分かる。
主に、実施例11~13と実施例14及び15との対比から、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂が、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体、スチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体及びエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂から成る群から選ばれる一種又は二種以上であって、かつ前記不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸又はメタクリル酸を含むと、紙製包装材料は、他のヒートシール性を有する熱可塑性樹脂と比べて酸素バリア性及び水蒸気バリア性も良化することが分かる。
本発明の紙製包装材料は、食品用の包装材料、衣類用の包装材料、文具用ないし雑貨用の包装材料、工業製品用の包装等に利用可能である。
Claims (4)
- 紙支持体と、前記紙支持体の片面に対して、エチレン変性ポリビニルアルコール及びベントナイトを含有する第一塗工層と、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂及びベントナイトを含有する第二塗工層とを有する紙製包装材料。
- 前記第一塗工層において、第一塗工層中のベントナイト100質量部に対してエチレン変性ポリビニルアルコールの含有量が50質量部以上200質量部以下、及び前記第二塗工層において、第二塗工層中のベントナイト100質量部に対して前記アイオノマー樹脂の含有量が50質量部以上200質量部以下である請求項1に記載の紙製包装材料。
- 紙支持体の前記第一塗工層及び前記第二塗工層を有する側において、前記紙支持体を基準として最表位置にヒートシール層を更に有する請求項1又は2に記載の紙製包装材料。
- 前記ヒートシール層が、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂を含有し、前記熱可塑性樹脂が、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体、スチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体及びエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂から成る群から選ばれる一種又は二種以上であって、かつ前記不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸又はメタクリル酸を含む請求項3に記載の紙製包装材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021043434A JP2022143095A (ja) | 2021-03-17 | 2021-03-17 | 紙製包装材料 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2021043434A Pending JP2022143095A (ja) | 2021-03-17 | 2021-03-17 | 紙製包装材料 |
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JP (1) | JP2022143095A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2024177084A1 (ja) * | 2023-02-22 | 2024-08-29 | Toppanホールディングス株式会社 | 積層体及び包装袋 |
-
2021
- 2021-03-17 JP JP2021043434A patent/JP2022143095A/ja active Pending
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WO2024177084A1 (ja) * | 2023-02-22 | 2024-08-29 | Toppanホールディングス株式会社 | 積層体及び包装袋 |
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