JP2022143096A - 紙製包装材料 - Google Patents

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Kazuko Maruyama
展章 廣田
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Abstract

【課題】高湿度環境下での酸素バリア性を有し、離解性に優れ、並びに熱及び光により変色し難い紙製包装材料を提供することである。【解決手段】課題は、紙支持体と、前記紙支持体の片面に対してベントナイト及びエチレン変性ポリビニルアルコールを含有する第一塗工層と、前記第一塗工層に対して更に第二塗工層とを有し、前記第二塗工層が樹脂層である紙製包装材料によって解決できる。【選択図】なし

Description

本発明は、高湿環境下での酸素バリア性を有する紙製包装材料に関する。
食品あるいは工業製品の包装には、酸化による劣化又は変質を防止するために酸素バリア性を有する包装材料を用いる。従来、このような包装材料は、プラスチックフィルムから成る積層体又は金属蒸着膜を有するプラスチックフィルムが主である。一方、プラスチック製品が適切に廃棄処分されず自然界に流出する環境汚染の問題からプラスチック廃棄物の削減が求められており、紙支持体から成る包装材料が要望される。例えば、紙基材層、接着性塩化ビニリデン樹脂層、オレフィン系樹脂層の順に積層した構造のガスバリア性複合材料(例えば、特許文献1参照)、及び紙基材上に単一のバリア層を有し、前記バリア層がスチレンブタジエン系重合体、スチレンアクリル系重合体、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル及びポリエチレンビニルアルコールのうちから選択される1つ以上の重合体又は共重合体を含むバリア性積層体(例えば、特許文献2参照)などが公知である。
特開昭61-11246号公報 特表2020-530409号公報
特許文献1及び特許文献2のように紙製包装材料は、紙基材又は紙支持体(以下、「紙支持体」と記す)に対してバリア性を発現する樹脂を主体として含有する樹脂層を有する場合が多い。食品あるいは工業製品の包装に用いる包装材料は、酸化による収納物の劣化を防止するために酸素バリア性を有する。しかしながら、日本国の高湿度環境、例えば相対湿度70%以上の高湿度環境では、紙支持体及び樹脂層から構成される紙製包装材料の酸素バリア性が低下する場合がある。これは、一般的に紙及び樹脂が程度に差があるものの吸湿する性質を有するために、紙支持体及び樹脂層が吸湿によって構造変化が生じる場合があるからである。
紙製包装材料の紙支持体は再生紙としてリサイクルが可能である。よって、紙製包装材料では、紙のリサイクルの観点から、廃棄に際して紙支持体と樹脂層とが容易に分離できて紙支持体が水中に離解し易いことが大切である。上記接着性塩化ビニリデン樹脂を含めポリ塩化ビニリデンは、他の汎用樹脂に比べて酸素バリア性及び水蒸気バリア性に優れる数少ない樹脂である。しかしながら、ポリ塩化ビニリデンは、紙に対する接着性が強く紙支持体から分離し難いために紙支持体の水中への離解し易さに劣る。また、ポリ塩化ビニリデンは、熱及び光によってポリ塩化ビニリデンから塩化水素の脱離反応が起こって共役ポリエン鎖が生成する。その結果、ポリ塩化ビニリデンを含有する樹脂層は黄色く変色し易い。
以上を鑑みて本発明の目的は、高湿度環境での酸素バリア性を有し、紙支持体と第一塗工層とが容易に分離できて紙支持体の水中への離解し易さ(以下、「離解性」と記す)に優れ、熱及び光によって変色し難い紙製包装材料を提供することである。
上記課題は、以下によって解決できる。
[1]紙支持体と、前記紙支持体の片面に対してベントナイト及びエチレン変性ポリビニルアルコールを含有する第一塗工層と、前記紙支持体を基準として前記第一塗工層の外側に対して第二塗工層とを有し、前記第二塗工層が樹脂層である紙製包装材料。
[2]前記第一塗工層において、第一塗工層中のベントナイト100質量部に対してエチレン変性ポリビニルアルコールが50質量部以上200質量部未満である前記[1]に記載の紙製包装材料。
[3]紙支持体に対して前記第一塗工層と前記第二塗工層とを有する側において、前記紙支持体を基準として最表位置にヒートシール層を更に有する前記[1]に記載の紙製包装材料。
[4]前記第二塗工層が、スチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体及びエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂から成る群から選ばれる一種又は二種以上を含有する樹脂層であって、かつスチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体及びエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体における前記不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸及びメタクリル酸エステルから成る群から選ばれる一種又は二種以上を含み並びに前記アイオノマー樹脂における不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸及び/又はメタクリル酸を含む前記[1]に記載の紙製包装材料。
本発明の紙製包装材料は、高湿度環境での酸素バリア性を有し、離解性に優れ、並びに熱及び光によって変色し難い。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において実施形態に適宜変更を加えて実施することができる。
本発明の紙製包装材料は、紙支持体と、前記紙支持体の片面に対して、ベントナイト及びエチレン変性ポリビニルアルコールを含有する第一塗工層と、前記紙支持体を基準として前記第一塗工層の外側に対して第二塗工層とを有する。すなわち、紙製包装材料は、紙支持体の側から、紙支持体に対して第一塗工層及び第一塗工層に対して第二塗工層を有する。
紙製包装材料は、紙支持体、第一塗工層及び第二塗工層の各々間に、酸素バリア性の向上又は塗工層間の接着性の向上等を目的として中間塗工層を有することができる。いくつかの実施態様において、紙製包装材料は、紙支持体、第一塗工層及び第二塗工層の各々間に中間塗工層を有しない。この理由は、紙製包装材料の製造コストが有利になるからである。紙製包装材料の実施形態として、収納物と対向する紙製包装材料の面は、紙製包装材料の第一塗工層及び第二塗工層を有する側の面である。また、紙製包装材料は、第一塗工層及び第二塗工層を有する側に対する紙支持体の反対側において、オフセット印刷機及び/又はデジタル印刷機への印刷適性を向上させる目的のために又は用紙の寸法安定性を向上させる目的のために、印刷用塗工層又はバックコート層を有することができる。印刷用塗工層又はバックコート層は、印刷用塗工紙分野で従来公知のものである。さらに、紙製包装材料紙は、印刷用塗工層又はバックコート層と紙支持体との間に第一塗工層及び/又は第二塗工層を有することができる。
いくつかの実施態様において、紙製包装材料は、紙支持体を基準として上記第二塗工層の外側にヒートシール層を有する。この場合の紙製包装材料は、紙支持体に近い側から第一塗工層、第二塗工層、及びヒートシール層を有する。前記ヒートシール層を有する紙製包装材料は、紙支持体、第一塗工層、第二塗工層及びヒートシール層の各々間に、酸素バリア性の向上又は層間の接着性の向上等を目的として中間塗工層を有することができる。いくつかの実施態様において、前記ヒートシール層を有する紙製包装材料は、紙支持体、第一塗工層、第二塗工層及びヒートシール層の各々間に中間塗工層を有しない。この理由は、紙製包装材料の製造コストが有利になるからである。前記ヒートシール層を有する紙製包装材料の実施形態として、収納物と対向する紙製包装材料の面は、紙製包装材料の第一塗工層、第二塗工層及びヒートシール層を有する側の面である。包装材料は、ヒートシール層を有することによって袋型等の封止加工が可能となる。
また、上記ヒートシール層を有する紙製包装材料は、第一塗工層、第二塗工層及びヒートシール層を有する側に対する紙支持体の反対側において、オフセット印刷機及び/又はデジタル印刷機への印刷適性を向上させる目的のために又は用紙の寸法安定性を向上させる目的のために、印刷用塗工層又はバックコート層を有することができる。印刷用塗工層又はバックコート層は、印刷用塗工紙分野で従来公知のものである。さらに、上記ヒートシール層を有する紙製包装材料は、印刷用塗工層又はバックコート層と紙支持体との間に第一塗工層、第二塗工層及び/又はヒートシール層を有することができる。
ヒートシール層は、ヒートシール性を発現する熱可塑性樹脂を含有する層である。ヒートシール性を発現する熱可塑性樹脂は、従来公知のものである。ヒートシール性を発現する熱可塑性樹脂は、例えば、ポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖線状低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸共重合体、エチレンアクリル酸エステル共重合体、エチレンメタクリル酸共重合体、エチレンメタクリル酸エステル共重合体、ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド系樹脂、ABS樹脂、種々アイオノマー樹脂等を挙げることができる。熱可塑性樹脂は、これらから成る群から選ばれる一種又は二種以上である。
紙支持体は、LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)、LUKP(広葉樹未晒クラフトパルプ)、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)及びNUKP(針葉樹未晒クラフトパルプ)等の化学パルプ、GP(砕木パルプ)、PGW(加圧式砕木パルプ)、RMP(リファイナーメカニカルパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、CTMP(ケミサーモメカニカルパルプ)及びCMP(ケミメカニカルパルプ)等の機械パルプ、並びにDIP(脱インキパルプ)等の古紙パルプからなる群から選択されるセルロースパルプの少なくとも一種と、填料と、サイズ剤と、さらに必要に応じて定着剤、歩留まり向上剤、紙力剤等の各種添加剤とを含有する紙料から、酸性、中性又はアルカリ性の条件で従来公知の方法によって抄造された抄造紙である。さらに、紙支持体には、前記抄造紙をサイズプレス液でサイズプレス処理した上質紙、前記抄造紙を表面処理液で表面処理した上質紙、並びに前記抄造紙もしくは前記上質紙に対してカレンダー処理を施した上質紙が含まれる。カレンダー処理の例としては、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー及びマルチニップカレンダー等を挙げることができる。
前記填料は、製紙分野で従来公知の顔料である。顔料の例としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、シリカ、珪酸アルミニウム、珪藻土、活性白土、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の無機顔料を挙げることができる。さらに、顔料の例としては、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂及びマイクロカプセル等の有機顔料を挙げることができる。填料は、これらから成る群から選ばれる一種又は二種以上である。
前記サイズ剤は、製紙分野で従来公知の内添サイズ剤である。内添サイズ剤の例としては、酸性紙であればロジン系サイズ剤、中性紙であればアルケニル無水コハク酸、アルキルケテンダイマー、中性ロジン系サイズ剤及びカチオン性スチレンアクリル系サイズ剤等を挙げることができる。また、前記サイズプレス液に用いるサイズ剤は、製紙分野で従来公知の表面サイズ剤である。表面サイズ剤の例としては、澱粉系サイズ剤、セルロース系サイズ剤、ポリビニルアルコール系サイズ剤、スチレンアクリル系サイズ剤、オレフィン系サイズ剤、スチレンマレイン酸系サイズ剤、アクリルアミド系サイズ剤等を挙げることができる。サイズプレスは、製紙分野で従来公知のサイズプレス装置を用いて行う。サイズプレス装置の例としては、インクラインドサイズプレス、ホリゾンタルサイズプレス、フィルムトランスファーとしてロッドメタリングサイズプレス、ロールメタリングサイズプレス及びブレードメタリングサイズプレスを、前記ロッドメタリングサイズプレスとしてシムサイザー、オプティサイザー及びスピードサイザーを、前記ロールメタリングサイズプレスとしてゲートロールコーターを、さらにビルブレードコーター、ツインブレードコーター、ベルバパコーター、タブサイズプレス、並びにカレンダーサイズプレス等を挙げることができる。
いくつかの実施態様において、紙製包装材料は、紙支持体の灰分量が3質量%以上10質量%以下である。この理由は、紙支持体が、柔軟性を得ることができかつ紙力を低下しないからである。ここで、灰分量とは、燃焼処理前の紙支持体の絶乾質量に対する紙支持体を500℃で1時間燃焼処理を行った後の不燃物の質量の比率(質量%)である。灰分量は、抄造紙中の填料含有量を調整する等の従来公知の方法で制御することができる。
第一塗工層は、ベントナイト及びエチレン変性ポリビニルアルコールを含有する。第一塗工層は、酸素ガスの透過を抑える酸素バリア層として主に機能する。また、第一塗工層は、紙支持体の水中への離解に際して剥離層としての機能を有する。第一塗工層が酸素バリア層及び剥離層として機能する結果から、紙製包装材料は、第一塗工層及び第二塗工層との相乗効果によって高湿度環境での酸素バリア性及び離解性を得ることができる。
いくつかの実施態様において、第一塗工層は、第一塗工層中のベントナイト及びエチレン変性ポリビニルアルコールの合計含有量が第一塗工層を形成する乾燥固形分に対して80質量%以上である。この理由は、紙製包装材料の酸素バリア性が良化するからである。
いくつかの実施態様において、第一塗工層は、第一塗工層中のエチレン変性ポリビニルアルコールの含有量が第一塗工層中のベントナイト100質量部に対して20質量部以上500質量部以下である。少なくとも一つの実施態様において、第一塗工層は、第一塗工層中のエチレン変性ポリビニルアルコールの含有量が第一塗工層中のベントナイト100質量部に対して50質量部以上200質量部未満である。これらの理由は、紙製包装材料の酸素バリア性が良化するからである。
いくつかの実施態様において、第一塗工層は、塗工量が乾燥固形分量で2g/m以上10g/m以下である。この理由は、紙製包装材料の酸素バリア性が良化するからである。
少なくとも一つの実施態様において、第一塗工層は、第一塗工層中のベントナイト及びエチレン変性ポリビニルアルコールの合計含有量が第一塗工層を形成する乾燥固形分に対して80質量%以上、第一塗工層中のエチレン変性ポリビニルアルコールの含有量が第一塗工層中のベントナイト100質量部に対して50質量部以上200質量部未満、及び第一塗工層の塗工量が乾燥固形分量で2g/m以上10g/m以下である。
第一塗工層は、本発明の効果を損なわない範囲において、塗工紙分野で従来公知の各種添加剤を含有することができる。添加剤の例としては、消泡剤、分散剤、濡れ剤、ベントナイト以外の顔料、エチレン変性ポリビニルアルコール以外の樹脂及び着色剤等を挙げることができる。
ベントナイトは、粘土鉱物モンモリロナイトを主成分として、石英、α-クリストバライト及びオパール等の珪酸鉱物を副成分として、長石、マイカ及びゼオライト等の珪酸塩鉱物、カルサイト、ドロマイト及びジプサム等の炭酸塩鉱物、硫酸塩鉱物、並びにパイライト等の硫化鉱物を随伴する弱アルカリ性粘土岩である。
主成分であるモンモリロナイトは、薄い板状の単位結晶が複数積層した構造を有する。
モンモリロナイトの単位結晶は、ケイ素原子と酸素原子とから成る四面体がシート状に連なった四面体シートが、アルミニウム原子と水酸基とから成る八面体がシート状に連なった八面体シートを挟むサンドウィッチ構造を有する。モンモリロナイトは、単位結晶の層間に陽イオンを含有する。陽イオンは、例えば、Na、Ca2+、K及びMg2+を挙げることができる。一般的に、ベントナイトは、モンモリロナイトが含有する層間の陽イオンによって分類できる。ベントナイトの例としては、Na型ベントナイトとCa型ベントナイトを挙げることができる。
いくつかの実施態様において、ベントナイトは、主成分であるモンモリロナイトの含有率が90質量%以上99.5質量%以下である。少なくとも一つの実施態様において、ベントナイトは、主成分であるモンモリロナイトの含有率が90質量%以上99.5質量%以下であり及びNa型である。この理由は、膨潤性が高く、並びに水系塗工において薄い板状の結晶が層状構造を形成して通常の湿度環境のみならず高湿度環境でも酸素ガスの透過を妨げることで酸素バリア性が得られるからである。
ベントナイトは、例えば、ホージュン社、水澤化学工業社及びクニミネ工業社等から市販される。
エチレン変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールの主鎖にエチレン基を導入することによって変性したポリビニルアルコールである。いくつかの実施態様において、エチレン変性ポリビニルアルコール分子中のエチレン基の含有量は1モル%以上10モル%以下である。いくつかの実施態様において、エチレン変性ポリビニルアルコールの数平均重合度は、200以上4000以下である。いくつかの実施態様において、エチレン変性ポリビニルアルコールの鹸化度は90モル%以上99.5モル%以下である。これらの理由は、紙製包装材料の酸素バリア性が良化すると共に耐水性が得られるからである。少なくとも一つの実施態様において、エチレン変性ポリビニルアルコールは、エチレン基の含有量が1モル%以上10モル%以下、数平均重合度が200以上4000以下及び鹸化度が90モル%以上99.5モル%以下である。
エチレン変性ポリビニルアルコールは、例えば、クラレ社等から市販される。
第二塗工層は樹脂層である。樹脂層とは、層を形成する成分として樹脂が主体として含有する層である。ここで、主体とは、第二塗工層を形成する乾燥固形分に対して80質量%以上を樹脂が占める状態を指す。第二塗工層は、第一塗工層に対する補助層として機能を有する。第一塗工層は、紙支持体に対して設けた場合に表面が多孔性である紙支持体に起因して、表面に微細な凹部を発生する。紙製包装材料は、前記凹部を補強するために樹脂層である第二塗工層が必要である。そして、紙製包装材料は、ベントナイト及びエチレン変性ポリビニルアルコールを含有する第一塗工層に対して樹脂層である第二塗工層を有することによって、ポリ塩化ビニリデンを含有する樹脂層のような酸素バリア性を有しつつ、ポリ塩化ビニリデンを含有する樹脂層では達成できない離解性に優れ、なおかつ熱及び光によって変色し難い。
第二塗工層は、本発明の効果を損なわない範囲において、塗工紙分野で従来公知の各種添加剤を含有することができる。添加剤の例としては、消泡剤、分散剤、濡れ剤、顔料及び着色剤等を挙げることができる。
いくつかの実施態様において、第二塗工層は、塗工量が3g/m以上20g/m以下である。この理由は、紙製包装材料の酸素バリア性が良化するからである。
第二塗工層を形成する樹脂は特に限定されない。樹脂は、例えば、ポリビニルアルコール類、エチレン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール及びアセトアセチル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール類、キシラン、グルカン、キシログルカン、アラビノガラクタン、グルコマンナン及びガラクトグルコマンナン等のヘミセルロース類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロース類、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム等の水溶性高分子、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン類、酸変性ポリエチレン及び酸変性ポリプロピレン等の酸変性ポリオレフィン類、塩素化ポリエチレン及び塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン類、さらに不飽和カルボン酸系単量体の重合体、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体及びその共重合体から成るアイオノマー樹脂、スチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体、さらにポリアクリロニトリル、スチレンアクリロニトリル共重合体、エチレンアクリロニトリル共重合体、ポリメタクリロニトリル、スチレンメタクリロニトリル共重合体、エチレンメタクリロニトリル共重合体、さらにエチレンとウレタン系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレンブタジエン共重合体、ポリ乳酸及びその塩、並びにポリブチレンサクシネート及びポリブチレンサクシネートアジペート等の生分解性樹脂を挙げることができる。
前記不飽和カルボン酸系単量体は、エチレン列炭化水素において少なくとも1つのカルボキシ基を有する単量体であって、前記カルボキシ基の状態からカルボン酸、カルボン酸塩及びカルボン酸エステルがある。不飽和カルボン酸系単量体は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びブテントリカルボン酸等の不飽和カルボン酸、これらの塩である不飽和カルボン酸塩、並びにこれらのエステルである不飽和カルボン酸エステルを挙げることができる。
いくつかの実施態様において、第二塗工層を形成する樹脂は、スチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体及びエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂から成る群から選ばれる一種又は二種以上である。
少なくとも一つの実施態様において、第二塗工層を形成する樹脂は、スチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体及びエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂から成る群から選ばれる一種又は二種以上であって、かつスチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体及びエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体における前記不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸及びメタクリル酸エステルから成る群から選ばれる一種又は二種以上を含み並びに前記アイオノマー樹脂における不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸及び/又はメタクリル酸を含む。これらの理由は、紙製包装材料の酸素バリア性が良化でき、なおかつ紙支持体を基準として第二塗工層の外側にヒートシール層を有さない紙製包装材料が良好なヒートシール性を得ることができるからである。
第一塗工層及び第二塗工層、並びに必要に応じて設けるヒートシール層の各層は、各層を形成する塗工液を従来公知の塗工装置及び乾燥装置を用いて紙支持体又は層に対して塗工及び乾燥することによって得ることができる。塗工装置の例としては、フィルムプレスコーター、エアナイフコーター、ロッドコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、Eバーコーター、フィルムトランスファーコーター等を挙げることができる。乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機を挙げることができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。ここで「質量部」及び「質量%」は、乾燥固形分量あるいは実質成分量の各々値を表す。塗工量は乾燥固形分量を表す。
(実施例1)
<紙支持体の作製>
叩解処理によって濾水度が460mlcsfとなるように調製したLBKP50質量部と濾水度が490mlcsfとなるように調製したNBKP50質量部とをパルパーを用いて水中に分散して分散体を得た。KPとして100質量部を含む前記分散体に対して硫酸バンド1質量部、軽質炭酸カルシウム7質量部、カチオン化澱粉0.8質量部、ロジン系サイズ剤0.2質量部、歩留まり向上剤0.01質量部を加えてパルパーを用いて更に分散した。その後、チェストタンクでアジター撹拌して抄紙用の紙料を得た。前記紙料を長網抄紙機で抄造し、坪量65g/mの原紙を得た。これに、マシンカレンダーを用いて温度60℃及び処理速度500m/分の条件でカレンダー処理を実施して紙支持体を得た。得た紙支持体は、厚さ70μm及び灰分量5質量%であった。
<第一塗工層用を形成する塗工液>
ベントナイト(ベンゲル(登録商標)HVP、ホージュン社)を水中に高速ミキサーで粉砕及び分散した分散液を得た。前記分散液に、エチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバール(登録商標)HR-3010、クラレ社)を溶解した水溶液をベントナイト100質量部に対してエチレン変性ポリビニルアルコール50質量部となるように混合し、消泡剤0.2質量部を加えて第一塗工層を形成する塗工液を得た。
<第二塗工層を形成する塗工液>
ポリビニルアルコール(ゴーセノール(登録商標)KH-17、三菱ケミカル社)を100質量部溶解した水溶液に、消泡剤0.2質量部を加えて第二塗工層を形成する塗工液を得た。
<紙製包装材料>
紙支持体の片面に対して、第一塗工層を形成する塗工液をロッドコーターで塗工及び乾燥した。塗工量は4g/mになるよう塗工液濃度及び/又はコーター条件を調整した。次に、第一塗工層に対して、第二塗工層を形成する塗工液をエアナイフコーターで塗工及び乾燥した。塗工量は5g/mになるように塗工液濃度及び/又はコーター条件を調整した。以上により、紙支持体に対して第一塗工層及び第二塗工層を有する紙製包装材料を得た。
(実施例2)
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のエチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバールHR-3010、クラレ社)を100質量部となるように混合した以外は実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例3)
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のエチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバールHR-3010、クラレ社)を150質量部となるように混合した以外は実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例4)
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のエチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバールHR-3010、クラレ社)を190質量部となるように混合した以外は実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例5)
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のエチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバールHR-3010、クラレ社)を20質量部となるように混合した以外は実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例6)
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のエチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバールHR-3010、クラレ社)を250質量部となるように混合した以外は実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例7)
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のベントナイト(ベンゲルHVP、ホージュン社)をベントナイト(クニピア(登録商標)G、クニミネ工業社)100質量部、エチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバールHR-3010、クラレ社)50質量部をエチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバールRS-1717、クラレ社)100質量部になるように混合し、第二塗工層を形成する塗工液のポリビニルアルコール(ゴーセノールKH-17、三菱ケミカル社)をスチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(スチレンアクリル酸系、XP8812、星光PMC社)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例8)
実施例7において、第二塗工層を形成する塗工液のスチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(スチレンアクリル酸系、XP8812、星光PMC社)をエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(エチレンアクリル酸系、ザイクセン(登録商標)A、住友精化社)に変更した以外は実施例7と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例9)
実施例7において、第二塗工層を形成する塗工液のスチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(スチレンアクリル酸系、XP8812、星光PMC社)をエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂(エチレンメタクリル酸系、ケミパール(登録商標)S-300、三井化学社)に変更した以外は実施例7と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例10)
実施例7において、第二塗工層を形成する塗工液のスチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(スチレンアクリル酸系、XP8812、星光PMC社)を不飽和カルボン酸系単量体の重合体(ポリアクリル酸系、KE-1148、星光PMC社)に変更した以外は実施例7と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例11)
実施例7において、第二塗工層を形成する塗工液のスチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(スチレンアクリル酸系、XP8812、星光PMC社)をポリアミド系樹脂(セポルジョン(登録商標)PA200、住友精化社)に変更した以外は実施例7と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例12)
実施例7において、第二塗工層を形成する塗工液のスチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(スチレンアクリル酸系、XP8812、星光PMC社)をスチレンブタジエン共重合体(Nipol(登録商標)LX415M、日本ゼオン社)に変更した以外は実施例7と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例13)
実施例1において、第一塗工層を形成するエチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバールHR-3010、クラレ社)50質量部をエチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバールRS-2117、クラレ社)100質量部となるように混合し、第二塗工層を形成する塗工液のポリビニルアルコール(ゴーセノールKH-17、三菱ケミカル社)をポリビニルアルコール(クラレポバール(登録商標)27-96、クラレ社)に変更した以外は実施例1と同様に紙支持体に対して第一塗工層及び第二塗工層を設けた。さらに前記第二塗工層に対して下記ヒートシール層を形成する塗工液をエアナイフコーターで塗工及び乾燥して紙製包装材料を得た。ヒートシール層の塗工量は15g/mになるように塗工液濃度及び/又はコーター条件を調整した。
<ヒートシール層を形成する塗工液>
ヒートシール性を有する樹脂としてスチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(スチレンアクリル酸系、NE-2009、星光PMC社)100質量部と消泡剤0.5質量部を水に分散し、ヒートシール層を形成する塗工液を得た。
(実施例14)
実施例13において、ヒートシール層を形成する塗工液のスチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(スチレンアクリル酸系、NE-2009、星光PMC社)をエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(エチレンアクリル酸系、ザイクセンA、住友精化社)に変更した以外は実施例13と同様にして紙製包装材料を得た。
(実施例15)
実施例13において、ヒートシール層用塗工液のスチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体(スチレンアクリル酸系、NE-2009、星光PMC社)をエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂(エチレンメタクリル酸系、ケミパールS-500、三井化学社)に変更した以外は実施例13と同様にして紙製包装材料を得た。
(比較例1)
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液を塗工しなかった以外は、実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
(比較例2)
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液にベントナイトを含有せず、エチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバール(登録商標)HR-3010、クラレ社)を100質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
(比較例3)
実施例1において、第二塗工層用塗工層を塗工しなかった以外は、実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
(比較例4)
実施例1において、第一塗工層を形成する塗工液のベントナイトをカオリン(ASP(登録商標)-400P、BASF社)に変更した以外は、実施例1と同様にして紙製包装材料を得た。
(比較例5)
実施例7において、第一塗工層を形成する塗工液のエチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバールRS-1717、クラレ社)50質量部をポリビニルアルコール(クラレポバール27-96、クラレ社)100質量部になるように混合した以外は、実施例7と同様にして紙製包装材料を得た。
(比較例6)
実施例13において、第一塗工層を形成する塗工液のエチレン変性ポリビニルアルコール(エクセバールRS-2117、クラレ社)をスチレンブタジエン系樹脂(Nipol LX415M、日本ゼオン社)に変更した以外は、実施例13と同様にして紙製包装材料を得た。
(比較例7)
実施例7において、第一塗工層を形成する塗工液に下記塗工液を用いた以外は、実施例7と同様にして紙製包装材料を得た。
<第一塗工層を形成する塗工液>
ポリ塩化ビニリデン(サランラテックス(登録商標)L509、旭化成社)100質量部と消泡剤0.2質量部を水に分散し、第一塗工層を形成する塗工液を得た。
実施例1~15及び比較例1~7の紙製包装材料について、以下の評価を実施した。結果は、表1に記載する。
<酸素バリア性の評価>
酸素バリア性の評価は、ISO15105-2:2003「Plastics-Film and sheeting - Determination of gas-transmission rate - Part2 : Equal-pressure method」(JIS K7126-2:2006「プラスチック -フィルム及びシート- ガス透過度試験方法-第2部:等圧法」)に準じて、酸素透過率測定装置(OX-TRAN-2/22L、MOCON社)を使用した測定結果から行った。測定は、第一塗工層及び第二塗工層を有しない側をガスの供給面として行った。ガス透過度試験のガスには酸素ガスを用いた。条件は、温度23±0.5℃及び相対湿度50±2%、並びに温度23±0.5℃及び相対湿度85±2%とした。本発明において、紙製包装材料は、酸素透過度5cc/m・24h・atm以下であれば酸素バリア性を有するものとする。なお、酸素透過度の値が小さいほど酸素バリア性に優れる。
<ヒートシール性の評価>
ヒートシール性を有する紙製包装材料に対して評価した。
同じ紙製包装材料を2枚用いて、紙製包装材料のヒートシール性を評価する側の面どうしを対向させて重ね合わせ、ヒートシールテスター(TP-701-B、テスター産業社)により、圧力0.5MPa、150℃、0.5秒間加圧してヒートシールを実施した。
紙製包装材料のヒートシール性の評価は、ヒートシールした紙製包装材料をヒートシール部の幅が15mmとなるようにカットし、温度23℃、相対湿度50%の環境で24時間静置後、引張試験機(STB-1225S、オリエンテック社)を用い、引張速度300mm/分、引張角度180度で剥離する強度の測定結果から行った。各紙製包装材料について5回の測定を実施し、その平均値(小数点以下2桁目を四捨五入)を剥離する強度とした。本発明において、紙製包装材料は、強度3N/15mm以上であればヒートシール性を有するものとする。なお、剥離する強度の値が大きいほどヒートシール性に優れる。
<離解性の評価>
標準パルプ離解機(容量2L、熊谷理機工業社)を用い、2cm角に裁断した紙製包装材料15gを1.5Lの水に投入し、回転数3000rpmで20分間撹拌した。離解物において紙支持体から樹脂の分離状態を目視で確認して下記の基準で評価した。
○:紙支持体の離解物に対して樹脂が分離できている。
×:紙支持体の離解物に対して樹脂が分離できていない。
<熱による変色の評価>
熱による変色性の評価は、温度50℃、相対湿度50%に設定した恒温恒湿槽に5日間保管した後の紙製包装材料について、変色の程度を目視にて観察し、下記の基準で評価した。
○:保管前に対して保管後の紙製包装材料には変色がほぼ認められない。
×:保管前に対して保管後の紙製包装材料には変色が認められる。
<光による変色の評価>
光による変色性の評価は、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、紙製包装材料の第一塗工層及び第二塗工層を有する側に照度5000lxの蛍光灯光を照射しながら2日間保管した後の紙製包装材料について、変色の程度を目視にて観察し、下記の基準で評価した。
○:保管前に対して保管後の紙製包装材料には変色がほぼ認められない。
×:保管前に対して保管後の紙製包装材料には変色が認められる。
Figure 2022143096000001
本発明の構成を満足する実施例1~15は、高湿度環境でも酸素バリア性を有し、離解性に優れ、熱及び光により変色し難い紙製包装材料であると分かる。一方、本発明の構成を満足しない比較例1~6は、本発明に係る効果の少なくとも一つを満足できない紙製包装材料であると分かる。
主に、実施例1~4と実施例5及び6との対比から、第一塗工層においてベントナイト100質量部に対してエチレン変性ポリビニルアルコールの含有量が50質量部以上200質量部未満であると、紙製包装材料は酸素バリア性がより優れることが分かる。
実施例13~15から、紙支持体を基準として第二塗工層の外側にヒートシール層を有する紙製包装材料は、酸素バリア性を有しつつ、ヒートシール性を有することが分かる。
主に、実施例7~9と実施例10~12の対比から、第二塗工層が、スチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体及びエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂から成る群から選ばれる樹脂を含有すると、ヒートシール性を有しつつ、酸素バリア性も良化することが分かる。
本発明の紙製包装材料は、食品用の包装材料、衣類用の包装材料、文具用ないし雑貨用の包装材料、工業製品用の包装等に利用可能である。

Claims (4)

  1. 紙支持体と、前記紙支持体の片面に対してベントナイト及びエチレン変性ポリビニルアルコールを含有する第一塗工層と、前記紙支持体を基準として前記第一塗工層の外側に対して第二塗工層とを有し、前記第二塗工層が樹脂層である紙製包装材料。
  2. 前記第一塗工層において、塗工層中のベントナイト100質量部に対してエチレン変性ポリビニルアルコールが50質量部以上200質量部未満である請求項1に記載の紙製包装材料。
  3. 紙支持体に対して前記第一塗工層と前記第二塗工層とを有する側において、前記紙支持体を基準として最表位置にヒートシール層を更に有する請求項1に記載の紙製包装材料。
  4. 前記第二塗工層が、スチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体及びエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体から成るアイオノマー樹脂から成る群から選ばれる一種又は二種以上を含有する樹脂層であって、かつスチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体及びエチレンと不飽和カルボン酸系単量体との共重合体における前記不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸及びメタクリル酸エステルから成る群から選ばれる一種又は二種以上を含み並びに前記アイオノマー樹脂における不飽和カルボン酸系単量体としてアクリル酸及び/又はメタクリル酸を含む請求項1に記載の紙製包装材料。
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