JP2023119949A - 包装用紙の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、プラスチックゴミを低減できる包装用紙およびその製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、紙基材の少なくとも一方の面に少なくとも1層のバリア層を有する包装用紙の製造方法であって、前記バリア層をグラビア印刷法によって設け、かつ、コーティングロールの版がハニカム版であることを特徴とする、包装用紙の製造方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、プラスチックゴミを低減する包装用紙とその製造方法に関する。
近年、プラスチックゴミ問題が深刻化している。世界のプラスチックの生産量は4億トン/年を超えると言われ、その中でも包装容器セクターでのプラスチック生産量が多く、プラスチックゴミの主な原因になっている。プラスチックは半永久的に分解せず、そのゴミは自然環境下でマイクロプラスチック化し、生態系に深刻な悪影響を与えている。包装容器に使用されるプラスチックとしては、飲料のボトル等に使用されるポリエチレンテレフタレート(PET)、レジ袋、容器のラミネートに使用されるポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)が最も多く使用されている。特にプラスチックゴミによる海洋の汚染は著しく、そのプラスチックゴミは回収不可能と言われている。今後、プラスチックの使用を低減することが地球環境にとって必要である。
一方で、プラスチックゴミ対策として微生物によって完全に分解され得る生分解性プラスチックの応用が世界中で提案されている。生分解プラスチックは自然界で一定期間の内に分解されるが、分解されるまではやはり生態系への悪影響を与えることになり、それらの使用量及び廃棄量が低減されない限りにおいては、即効性のある対策とは言えない(特許文献1、2参照)。
即効性のある対策手段として、プラスチックを紙に代替することが提案されている。しかしながら、紙を袋や容器に加工する際には、バリア層として、ポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチックが多量にラミネートされて使用される。これらプラスチックのラミネート量は、商品コンセプトによって様々だが、概ね20~50g/mであり、300g/mと多量になる場合もある。従って、プラスチックを紙に代替した包装容器においても、依然としてプラスチックの使用量は十分に低減されないという問題があり、早急に、直接的にプラスチックの使用を低減する手段が必要である。
これら問題を解決するために手段として紙基材にバリア剤をコーターで塗布することが種々提案されているが、ラミネート品よりもコストが高くなる問題があり、コストを下げるための製造方法が必要である。
特開2012-148444号公報 特開2013-141763号公報
本発明の目的は、プラスチックゴミを低減することができる包装用紙とその製造方法を提供することにある。
本発明の包装用紙の製造方法においてはグラビア印刷機を用いてバリア層をグラビア印刷法によって設け、かつ、コーティングロールの版がハニカム版であることを特徴とする。ハニカム版を用いることにより、バリア剤用の塗工液のレベリング性が増し、従来の格子型版及び斜線型版等と比較してピンホールの少ないバリア層を有する包装用紙を得ることが可能となる。更に、塗工装置がグラビア印刷機であるから、複数層のバリア層を有する包装用紙を1パスにて設けることが可能である。更に、同じく塗工装置がグラビア印刷機を利用することによって、バリア層の塗工とバリア層の反対面にデザイン印刷を1パスですることも可能である。故に従来の包装用紙の製造方法よりも高効率で製品コストダウンも可能である。また、本発明の別の実施形態においては、特に印刷等が必要ない場合、グラビア印刷機を使用したグラビア印刷法に代わって、単にグラビアコーターを使用してグラビアコーティングを行うことによっても本発明の包装用紙の製造方法を実施することができる。
本発明においては、前記バリア層用の塗工液にアルコールを添加することが好ましい。アルコールを添加することで、塗工液のレベリング性と共にバリア性をより向上させることができる。また、本発明においては、パルプ100質量部に対して0.05~1.0質量部のサイズ剤を添加することで前記紙基材を作成することが好ましい。
また前記バリア層を少なくとも一方の面に2層以上形成することが好ましい。バリア性をより高いレベルに維持することが可能である。また、本発明においては、好ましくは水系バリア剤を使用することができる。これによって、VOC排出を抑えることができ環境負荷をより小さくすることができる。さらに、本発明は、紙基材の少なくとも一方の面に少なくとも1層のバリア層を有する包装用紙であって、前記バリア層が、アイオノマー系樹脂またはポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)からなり、前記バリア層の塗工量が15g/m以下であり、バリア層を有する面のJIS P8140に準ずるコッブ吸水度(120秒)が10g/m以下である包装用紙に関する。
本発明により、プラスチックゴミを低減できる包装用紙を高効率で製造することが可能である。なお、本発明によって製造する包装用紙の用途としては、例えば、袋、カートン、カップ、トレイ、箱、ケース、器等の包装容器全般に利用可能である。
図1は、ハニカム版の模式図を示す図である。
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。本実施形態におけるバリア性とは、例えば、水蒸気バリア及び酸素バリア等のガスバリア性、臭いバリア、熱バリア、撥水性、撥油性のことである。バリア剤としては、例えば、ブタジエン系共重合ラテックス(SBR)、澱粉、ゼラチン、カゼイン、大豆タンパク、ポリビニルアルコール(PVA)、ブテンジオールビニルアルコールコポリマー(BVOH)等の水溶性高分子、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、アイオノマー系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)、ポリエステル系樹脂(PET)、ポリアミド系樹脂、エチレンコポリマー系樹脂、ポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)等の合成樹脂類等を例示できる。バリア剤としては、アイオノマー系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)が好ましい。更にバリア性を阻害しない限りにおいては、バリア層に顔料(例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンクレー、焼成クレー、二酸化チタン、水酸化アルミニウム)を添加しても構わない。
本実施形態におけるバリア層の塗工量は、紙基材の片面あたり、固形分換算15g/m以下であることが好ましい。更に好ましくは2~13g/mである。バリア層が1層であっても2層以上である場合においても、バリア層の塗工量としては、固形分換算で2~15g/m2、好ましくは2~13g/mであるとよい。2g/m未満の場合は、バリア層用塗工液が紙層に吸われて塗工層の密度が低下し、十分なバリア性が得られない。逆に15g/mを超える場合はプラスチック削減効果に乏しくなる。
また、バリア層用塗工液を少なくとも一方の面に2層以上塗工することが好ましい。よりバリア性に優れる。
本発明の製造方法においては、コーティングロールを有するグラビア印刷機を用いてバリア層をグラビア印刷法によって設け、かつ、コーティングロールの版がハニカム版であることを特徴とする。グラビア印刷に使用する版は鉄やアルミによって作られた金属ロール(ベースシリンダー)が母材となり、その表面にメッキ加工が施され、印刷する図柄になる「セル」と呼ばれる小さい凹型のくぼみをつけることによって版になる。ハニカム版の模式図を図1に示す。ハニカム版は図1の様に六角形状のセルを二次元に並べた版である(六角形状の凹型のくぼみが並ぶ)。このセルにバリア層用塗工液が入り、紙基材へと転写される。ハニカム版を用いることにより、バリア剤用の塗工液のレベリング性が増し、従来の格子型版及び斜線型版等と比較してピンホールの少ないバリア層を得ることが可能となる。ハニカム版セルのピッチは80線/インチ~200線/インチが好ましい。更に、塗工装置がグラビア印刷機であるから、複数層のバリア層を1パスにて設けることが可能である。更に、同理由にてバリア層の塗工とバリア層の反対面にデザイン印刷を1パスですることも可能である。これによって、従来の製造方法よりも高効率で製造することができ、製品製造のコストを低減することができる。さらに、本発明の別の実施形態においては、特に印刷等が必要ない場合、グラビア印刷機を使用したグラビア印刷法に代わって、単にコーティングロールを有するグラビアコーターを使用してグラビアコーティングを行うことによって、より簡便かつ経済的に本発明の包装用紙の製造方法を実施することができる。
本発明においては、前記バリア層のJIS P8140に準ずるコッブ吸水度(120秒)が10g/m以下であることが好ましい。撥水性が良好となり、バリア性に優れる。好ましくは5g/m以下、更に好ましくは2g/m以下である。ただし、撥水性については絶対基準はなく、商品コンセプトによって様々であり、必要なレベルのコッブ吸水度にコントロールすればよい。また、紙基材の場合、フィルム基材と異なり、バリア層塗料が紙基材に吸収される為、ハニカム版のピッチを適性にすることでピンホールが減少してバリア性が向上して撥水性が向上する。また、紙基材にサイズ剤を含有させることでもコッブ吸水度の値を下げて撥水性を向上することが可能である。前記サイズ剤の添加量は、パルプ100質量部に対してで0.05質量部以上が好ましい。更に好ましくは0.1質量部以上である。例えば、前記サイズ剤の添加量は、パルプ100質量部に対して0.05~1.0質量部とすることが好ましい。サイズ剤としては、ロジン系、アルキルケテンダイマー(AKD)系、アルケニル無水コハク酸(ASA)系、ポリビニルアルコール(PVA)系、スチレンアクリル共重合体(コポリマー)系、スチレン・メタクリル共重合系サイズ剤を挙げることが出来る。例えば、パルプ100質量部に対して、中性ロジンサイズ剤を0.01~1質量部、例えば、0.05~1質量部、または0.1~0.6質量部を加えることにより紙基材を作成することが好ましい。
本発明においては、バリア層塗工液にアルコールを添加することがバリア性の観点から好ましい。使用するアルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、プロパノール等市販のアルコールを用いることが出来るが、バリア性の観点からイソプルピルアルコール(IPA)を使用することが好ましい。添加量はバリア層塗工液に対して1~15質量%が好ましい。更に、バリア層塗工液塗工後の乾燥温度は100~200℃が好ましい。乾燥温度が100℃未満の場合は塗工層のバリア性が低下し、乾燥温度が200℃を超える場合は紙の水分が低下し、バリア層塗工層が割れやすくなる。
本実施形態において用いる紙基材としては特に限定するものではなく、パルプを主成分とする公知の紙基材を用いることができる。紙基材の主成分となるパルプとしては、LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)などの化学パルプ、GP(砕木パルプ)、PGW(加圧式砕木パルプ)、RMP(リファイナーメカニカルパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、CTMP(ケミサーモメカニカルパルプ)、CMP(ケミメカニカルパルプ)、CGP(ケミグランドパルプ)などの機械パルプ、DIP(脱インキパルプ)などの木材パルプ及びケナフ、バガス、竹、コットンなどの非木材パルプを用いることができる。これらは、単独で使用するか、又は任意の割合で混合して使用することが可能である。更に漂白剤を使用していない未晒パルプも使用可能である。例えば、パルプとして、LBKP(広葉樹さらしクラフトパルプ)をパルプ中90~100質量部、好ましくは95~100質量部、例えば、100質量部で使用することができる。また、本発明の目的とする効果を損なわない範囲において、合成繊維を更に配合することができる。環境保全の観点から、ECF(Elemental Chlorine Free)パルプ、TCF(Total Chlorine Free)パルプ、古紙パルプ、植林木から得られるパルプが好ましい。また、例えば、適切なパルプの叩解度としては、カナダ標準ろ水度(フリーネス)(JIS P 8121:1995「パルプのろ水度試験方法」)で、200~700mlCSF、例えば、450~620mlCSFである。
紙基材としては填料を含有するものも使用できる。填料としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、焼成クレー、二酸化チタン、水酸化アルミニウムを例示できる。紙基材中の填料含有量は、パルプの乾燥質量100質量部に対して、例えば、1~30質量部である。例えば、パルプの乾燥質量100質量部に対して、軽質炭酸カルシウムを1~10質量部含むとよい。
また、紙基材には、パルプと填料に加えて、各種公知の製紙用添加剤が含まれていてもよい。製紙用添加剤としては、例えば、サイズ剤、湿潤紙力増強剤などの内添紙力増強剤、嵩高剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、蛍光消色剤、ピッチコントロール剤などがある。また、澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドなどの水溶性高分子が塗布されていてもよい。例えば、酸化澱粉を両面あたりの乾燥塗布量が1~5g/mとなるように塗布することができる。紙基材の抄紙方法は、特に限定されるものではなく、長網抄紙機、長網多層抄紙機、円網抄紙機、円網多層抄紙機、長網円網コンビ多層抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種抄紙機で製造できる。また、本発明においては、紙基材としては単層抄きでも多層抄きでも、複数層の貼合品であってもよい。
紙基材には、バリア層以外の顔料塗工層が1層以上設けられていてもよく、例えば、顔料と接着剤を含有する顔料塗工層が設けられていても良い。顔料塗工層中の顔料としては、一般の印刷用塗工紙の塗工層に使用される公知の顔料を用いることができ、例えば、炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウム等)、カオリン(クレーを含む)、焼成クレー、タルク、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪藻土、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機顔料、又はアクリル、スチレン、塩化ビニル、ナイロンそのものや、これらを共重合して得られる有機顔料(いわゆるプラスチックピグメント)が挙げられる。例えば、顔料としては、20~40質量部のカオリンと60~80質量部の重質炭酸カルシウムの組み合わせを使用することができる。また、接着剤も一般の印刷用塗工紙の塗工層に使用される公知の接着剤を用いることができ、例えば、ブタジエン系共重合ラテックス、架橋剤変性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン性澱粉、両性澱粉などの澱粉類、ゼラチン、カゼイン、大豆タンパク、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、等の合成樹脂類等を例示できる。顔料塗工層中の顔料と接着剤の配合割合は特に限定されるものではないが、顔料100質量部に対し接着剤5~50質量部とすることが好ましい。例えば、接着剤としては、顔料100質量部に対して、1~5質量部のリン酸エステル化澱粉と5~15質量部のスチレンブタジエンラテックスの組み合わせを使用することができる。顔料塗工層には、本発明の目的とする効果を損ねない範囲で各種助剤を含んでもよく、例えば、着色剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、耐水化剤、分散剤、流動変性剤、紫外線吸収剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、pH調節剤、消泡剤、可塑剤、防腐剤が含まれていてもよい。また、このような顔料塗工層の塗工量としては、例えば、紙基材の片面あたり、固形分換算で、2~40g/mである。本発明の包装用紙の実施形態の一つとして、バリア層はこのような顔料塗工層の上に設けられてもよく、すなわち、顔料塗工層は、バリア層の内側、すなわち、外側のバリア層と内側の紙基材の間に設けられていることが好ましい。また、別の実施形態としては一方の面のみに顔料塗工層が設けられた紙基材の顔料塗工層が設けられていない面にバリア層が設けられていてもよい。
本実施形態において、包装用紙の坪量は特に限定するものではないが、例えば10~500g/mである。バリア層の塗工及び加工適性を考慮すれば好ましくは20~400g/mが好ましい。
また、本発明の別の実施形態においては、紙基材の少なくとも一方の面に少なくとも1層のバリア層を有する包装用紙であって、前記バリア層が、アイオノマー系樹脂またはポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)からなり、前記バリア層の塗工量が15g/m以下であり、バリア層を有する面のJIS P8140に準ずるコッブ吸水度(120秒)が10g/m以下である包装用紙に関する。当該包装用紙は、本発明の包装用紙の製造方法によって製造されることが好ましい。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は、特に断らない限りそれぞれ「質量部」、「質量%」を示す。なお、添加部数は、固形分換算の値である。
(実施例1)
(紙基材の作製)
カナディアンスタンダードフリーネス525mlcsfの広葉樹晒クラフトパルプ100部、軽質炭酸カルシウム(商品名:TP-121、奥多摩工業社製)5部、カチオン化澱粉(商品名:ネオタック30T、日本食品加工社製)0.3部、中性ロジンサイズ剤(商品名:CC167、星光PMC社製)0.4部に水を加えて紙料を調製し、長網多筒式抄紙機を用いて坪量248g/mの原紙を作製した。この原紙にゲートロールコーターによって、酸化澱粉(商品名:MS3800、日本食品化工社製)を両面あたりの乾燥塗布量が2g/mとなるように塗布し、乾燥して250g/mの紙基材を得た。
(顔料塗工層用塗工液の調製)
カオリン(商品名:コンツアー1500、イメリス社製)15部及び重質炭酸カルシウム(商品名:カービラックス、イメリス社製)85部に分散剤(商品名:アロンT-50、東亜合成社製)0.15部を加え、加水してコーレス分散機を用いて水分散し、顔料スラリーを作製した。この顔料スラリーに、バインダーとしてリン酸エステル化澱粉(商品名:MS4600、日本食品加工社製)1部及びスチレンブタジエンラテックス(商品名:PA0372、日本エイアンドエル株式会社)10部、更に水を加えて分散させ、固形分濃度50%の顔料塗工層用塗工液を調製した。
(コート紙基材の作製)
上記で得られた基紙の両面に、顔料塗工層用塗工液を、片面当たりの乾燥塗工量が10g/mになるようにブレードコーターを用いて塗工、乾燥した。その後、キャレンダー処理を行い、坪量が270g/mのコート紙基材(塗工紙)を作製した。
(包装用紙の作製)
上記で得られたコート紙基材の片面に、水系アイオノマー系高分子エマルジョン(商品名:ケミパールS300、三井化学社製)をイソプロピルアルコール(IPA)で希釈して固形分濃度33%にし(IPA添加率5.7%)、合計乾燥塗工量が8g/mになるようにグラビア印刷機ハニカム版(175線/インチ)を用いて2回塗工し(2回塗工して合計塗工量が8g/m)、120℃で乾燥してバリア層を設け、包装用紙を作製した。
(実施例2)
実施例1において、バリア層の塗工量を15g/mにした以外は実施例1と同様にして包装用紙を作製した。
(実施例3)
実施例1において、バリア層の塗工量を3g/mに変更した以外は、実施例1と同様にして包装用紙を作製した。
(実施例4)
実施例1と同様にバリア層を塗工後、1パスにてバリア層とは反対面にUV4色印刷を行って包装用紙を作製した。
(実施例5)
実施例1の紙基材において、中性ロジンサイズの添加量を0.05部に変更した以外は実施例1と同様に包装用紙を作製した。(この紙基材のサイズ剤の含有量は、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)にて定量し、0.02質量%であった。)
(実施例6)
実施例1の紙基材において、中性ロジンサイズの添加量を0部に変更した以外は実施例1と同様に包装用紙を作製した。
(実施例7)
(紙基材の作製)
カナディアンスタンダードフリーネス520mlcsfの広葉樹晒クラフトパルプ100部、軽質炭酸カルシウム(商品名:TP-121、奥多摩工業社製)5部、カチオン化澱粉(商品名:ネオタック30T、日本食品加工社製)0.2部、中性ロジンサイズ剤(サイズパインNT-78:荒川化学工業社製)0.15部に水を加えて紙料を調製し、長網多筒式抄紙機を用いて坪量28g/mの原紙を作製した。この原紙にゲートロールコーターによって、酸化澱粉(商品名:MS3800、日本食品化工社製)を両面あたりの乾燥塗布量が2g/mとなるように塗布し、乾燥して30g/mの紙基材を得た。
(包装用紙の作製)
上記で得られた紙基材の片面に、水系ポリ塩化ビニリデン系高分子エマルジョン(商品名:L536B、旭化成社製)を水で希釈して固形分濃度45%にし、合計乾燥塗工量が8g/mになるようにグラビア印刷機ハニカム版(120線/インチ)を用いて2回塗工し(2回塗工して合計塗工量が8g/m)、125℃で乾燥してバリア層を設け、包装用紙を作製した。
(実施例8)
実施例7において、バリア層の塗工量を15g/mにした以外は実施例5と同様にして包装用紙を作製した。
(実施例9)
実施例7において、バリア層の塗工量を3g/mに変更した以外は、実施例5と同様にして包装用紙を作製した。
(実施例10)
実施例7と同様にバリア層を塗工後、1パスにてバリア層とは反対面にUV4色印刷を行って包装用紙を作製した。
(比較例1)
実施例1で作製した紙基材の片面に、エクストリュージョンコーター(溶融押出し機)にて低密度ポリエチレン(東ソー社製、ペトロセンDLZ19A)を塗工量が25g/mになるようにラミネートしてバリア層を設け、包装用紙を作製した。
(比較例2)
実施例1において、グラビア版を格子型版に変更した以外は、実施例1と同様にして包装用紙を作製した。
(比較例3)
実施例1において、グラビア版を斜線型版に変更した以外は、実施例1と同様にして包装用紙を作製した。
(比較例4)
実施例1において、グラビア版をピラミッド型版に変更した以外は、実施例1と同様にして包装用紙を作製した。
各実施例及び比較例で得られた包装用紙について、以下に示す方法により評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(1)コッブ吸水度(120秒)
JIS P8140に準拠し、測定時間を120秒にしてバリア層表面の撥水性を評価した。値(コッブ吸水度)が小さい程バリア性が高く、撥水性が高い。
Figure 2023119949000001
表1より明らかなように、実施例1~8による包装用紙は比較例1と同等のバリア性を有しながらポリラミ量を減量することが出来る。また、比較例2~4と比較してバリア性に優れていた。特に実施例4及び8については、印刷品作製においてはコスト上昇を抑えることが可能となる。

Claims (7)

  1. 紙基材の少なくとも一方の面に少なくとも1層のバリア層を有する包装用紙の製造方法であって、前記バリア層をグラビア印刷法によって設け、かつ、コーティングロールの版がハニカム版であることを特徴とする、前記製造方法。
  2. 紙基材の少なくとも一方の面に少なくとも1層のバリア層を有する包装用紙の製造方法であって、前記バリア層をグラビアコーティングによって設け、かつ、コーティングロールの版がハニカム版であることを特徴とする、前記製造方法。
  3. 前記包装用紙のバリア層の塗工量が15g/m以下であって、かつバリア層を有する面のJIS P8140に準ずるコッブ吸水度(120秒)が10g/m以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の包装用紙の製造方法。
  4. パルプ100質量部に対して0.05~1.0質量部のサイズ剤を添加することで前記紙基材を作成することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一つに記載の包装用紙の製造方法。
  5. 前記バリア層用の塗工液にアルコールを添加することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一つに記載の包装用紙の製造方法。
  6. 前記バリア層を少なくとも一方の面に2層以上形成することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一つに記載の包装用紙の製造方法。
  7. 紙基材の少なくとも一方の面に少なくとも1層のバリア層を有する包装用紙であって、前記バリア層が、アイオノマー系樹脂またはポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)からなり、
    前記バリア層の塗工量が15g/m以下であり、かつ、
    バリア層を有する面のJIS P8140に準ずるコッブ吸水度(120秒)が10g/m以下であることを特徴とする、前記包装用紙。
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