JP2022141378A - 回転電気機械ユニット、圧縮機、及び冷凍装置 - Google Patents

回転電気機械ユニット、圧縮機、及び冷凍装置 Download PDF

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Tatsuya Tonari
寛 日比野
Hiroshi Hibino
裕介 入野
Yusuke Irino
久人 住友
Hisato SUMITOMO
洋文 東
Hirofumi Azuma
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Abstract

【課題】固定子の径方向に生じる応力を低減する。【解決手段】回転電気機械ユニット(100)は、ケーシング(20)と、回転電気機械(30)と、回転電気機械(30)の固定子(31)を支持する支持部(23)と、回転電気機械(30)の固定子(31)を冷却する流体通路(C)とを備える。流体通路(C)は、固定子(31)の外周面とケーシング(20)の内周面との間に形成される第1隙間(34)を含む。第1隙間(34)は、固定子(31)の略全周に連続して形成される第1空間(34a)を含む。支持部(23)には、前記固定子(31)の軸方向の端面が固定される。【選択図】図5

Description

本開示は、回転電気機械ユニット、圧縮機、及び冷凍装置に関する。
従来より、電動機(回転電気機械)を備えた圧縮機が知られている。特許文献1には、密閉型の電動機を備えたターボ圧縮機が開示されている。特許文献1における電動機のケーシングには、固定子を囲む螺旋状の流路が形成されている。この螺旋状の流路に冷媒が流れることにより固定子を冷却している。
特開2007-212112号公報
特許文献1の電動機では、固定子は、ケーシングに焼き嵌め又は圧入されることによって、固定子の外周面が固定される。ところで、この焼き嵌め等による固定では、例えばケーシングの内周面と固定子の外周面とによって螺旋状の流路が形成される場合には、ケーシングと固定子とが密接しているため、螺旋状の流路から冷媒が漏れにくく、固定子を冷却するための冷媒流量を確保しやすい。
しかし、焼き嵌め等による固定では、固定子の径方向に圧縮応力が生じてしまう。固定子の径方向に応力が生じると、固定子の鉄損が増加することがあり、固定子の鉄損が増加すると、電動機の効率が低下する場合があった。
本開示の目的は、固定子の径方向に生じる応力を低減することである。
本開示の第1の態様は、回転電気機械ユニット(100)を対象とする。回転電気機械ユニット(100)は、ケーシング(20)と、固定子(31)および回転子(36)を有し、前記ケーシング(20)の内部に収容される回転電気機械(30)と、前記回転電気機械(30)の固定子(31)を支持する支持部(23)と、前記回転電気機械(30)の固定子(31)を冷却する流体通路(C)とを備え、前記流体通路(C)は、前記固定子(31)の外周面と前記ケーシング(20)の内周面との間に形成される第1隙間(34)を含み、前記第1隙間(34)は、前記固定子(31)の略全周に連続して形成される第1空間(34a)を含み、前記支持部(23)には、前記固定子(31)の軸方向の端面が固定される。
第1の態様では、第1空間(34a)が固定子(31)の略全周に連続して形成されるので、固定子(31)の外周面はケーシング(20)の内周面とほとんど接触しない。これにより、第1空間(34a)を含む流体通路(C)に流体が流れることにより、固定子(31)の外周面の略全周が冷却される。そして、固定子(31)の軸方向の端面が支持部(23)に固定されるので、固定子(31)の径方向に生じる応力が低減される。
本開示の第2の態様は、第1の態様において、前記支持部(23)と前記固定子(31)とを締結する締結部材(F)を更に備え、前記支持部(23)における前記固定子(31)側の端面には、前記締結部材(F)が配置される締結穴(24a)が形成される。
第2の態様では、締結穴(24a)に締結部材(F)が配置されることにより、固定子(31)が支持部(23)に固定される。
本開示の第3の態様は、第1又は第2の態様において、前記ケーシング(20)は、内部が中空の胴部(21)と、該胴部(21)の内周面から径方向内方に突出する突出部(24)とを有し、前記突出部(24)は、前記支持部(23)を構成する。
第3の態様では、ケーシング(20)が突出部(24)を有することにより、簡単に支持部(23)を形成できる。
本開示の第4の態様は、第3の態様において、前記固定子(31)の軸方向の前記端面と前記突出部(24)の前記固定子(31)側の端面との間をシールするシール部(70)を更に備える。
第4の態様では、シール部(70)を備えることにより、第1隙間(34)から突出部(24)に流体が漏れることを抑制できる。
本開示の第5の態様は、第4の態様において、前記ケーシング(20)の内部には、前記固定子(31)の軸方向一端側に形成され、前記シール部(70)によって前記第1隙間(34)から仕切られる第1内部空間(S1)と、前記固定子(31)の軸方向他端側に形成され、前記第1隙間(34)と連通する第2内部空間(S2)とが形成され、前記流体通路(C)は、前記固定子(31)と前記回転子(36)との間に形成され、前記第1内部空間(S1)と前記第2内部空間(S2)とを連通する第2隙間(37)を含む。
第5の態様では、第1隙間(34)はシール部(70)によって第1内部空間(S1)から仕切られる一方、第2内部空間(S2)と連通する。そして、第2隙間(37)は、第1内部空間(S1)と第2内部空間(S2)とを連通する。言い換えると、流体通路(C)は、第1隙間(34)から第2内部空間(S2)と第2隙間(37)とを経由して、第1内部空間(S1)へと分岐せずに連通する。これにより、流体通路(C)の流体は、分岐することなく流れる。その結果、固定子(31)の外周面に加えて、固定子(31)の内周面及び回転子(36)の外周面を冷却できる。
本開示の第6の態様は、第5の態様において、前記流体通路(C)は、前記胴部(21)における前記固定子(31)と対向する部分に形成され、且つ流体を前記第1隙間(34)に流入させる入口(26)を含み、前記入口(26)は、前記胴部(21)における前記固定子(31)と対向する部分の軸方向中央よりも前記シール部(70)に近い位置に形成される。
第6の態様では、入口(26)がシール部(70)に近い位置に形成されることにより、流体が第1隙間(34)を流れる距離を長くできる。これにより、固定子(31)の外周面をより冷却できる。
本開示の第7の態様は、第1~第6のいずれか1つの態様において、前記ケーシング(20)は、内部が中空の胴部(21)を有し、前記胴部(21)の内周面の全周には、径方向外方に凹む凹部(29)が形成され、前記第1隙間(34)は、前記凹部(29)によって形成される第2空間(34b)を含む。
第7の態様では、第1隙間(34)が第2空間(34b)を含むので、流体が第2空間(34b)を満たすことによって、固定子(31)の外周面をより冷却できる。
本開示の第8の態様は、第1~第7のいずれか1つの態様において、前記ケーシング(20)は、内部が中空の胴部(21)を有し、前記流体通路(C)は、前記胴部(21)における前記固定子(31)と対向する部分に形成され、流体を前記第1隙間(34)に流入させる入口(26)と、前記入口(26)と前記胴部(21)の軸心を中心に反対側の位置に形成され、前記ケーシング(20)の外部に前記流体を流出させる出口(28)とを含む。
第8の態様では、出口(28)が入口(26)と反対側の位置に形成されることにより、入口(26)から流入した流体が出口(28)に向かって周方向に流れやすくなる。
本開示の第9の態様は、第8の態様において、前記第1隙間(34)の径方向の長さは、前記入口(26)から前記出口(28)に向かって次第に増加する。
第9の態様では、流体が入口(26)から出口(28)に向かって、周方向にさらに流れやすくなる。
本開示の第10の態様は、第8又は第9の態様において、前記出口(28)は、前記胴部(21)における前記固定子(31)と対向する部分に形成され、前記第1隙間(34)の前記流体を流出させる。
第10の態様では、入口(26)及び出口(28)は、胴部(21)における固定子(31)と対向する部分に形成されるので、入口(26)から出口(28)までの距離を短くできる。
本開示の第11の態様は、第1~第10のいずれか1つの態様において、前記胴部(21)と前記固定子(31)との周方向又は径方向の相対的な位置を決める位置決め機構(60)を更に備える。
第11の態様では、位置決め機構(60)を備えることによって、第1隙間(34)を確保しつつ、胴部(21)と固定子(31)との周方向又は径方向の相対的な位置を決められる。
本開示の第12の態様は、第1~第11のいずれか1つの態様において、前記第1隙間(34)の径方向の長さは、1mm以上である。
第12の態様では、第1隙間(34)の径方向の長さがある程度設けられているので、流体が流れやすくなる。
本開示の第13の態様は、第1~第12のいずれか1つの態様の回転電気機械ユニット(100)を備えた圧縮機である。
本開示の第14の態様は、第13の態様の圧縮機(11)を備えた冷凍装置である。
図1は、実施形態1に係る冷凍装置の概略の配管系統図である。 図2は、実施形態1のターボ圧縮機の縦断面図である。 図3は、図2のIII-III線矢視を示す概略の断面図である。 図4は、図3のIV-IV線矢視を示す概略の断面図である。 図5は、図3のV-V線矢視を示す概略の断面図である。 図6は、実施形態1の変形例1の図4に相当する図である。 図7は、実施形態1の変形例2の図4に相当する図である。 図8は、実施形態1の変形例3に図4に相当する図である。 図9は、実施形態2の図4に相当する図である。 図10は、実施形態2の変形例2の図4に相当する図である。 図11は、第1変形例の図4に相当する図である。 図12は、第3変形例の図4に相当する図である。 図13は、第5変形例の図3に相当する図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
実施形態1の冷凍装置(1)について説明する。
-冷凍装置-
図1に示すように、冷凍装置(1)は、冷媒回路(10)を備える。冷媒回路(10)には、冷媒が充填される。冷媒回路(10)は、冷媒を循環させることにより冷凍サイクルを行う。冷媒は、本開示の流体に対応する。
冷凍装置(1)は、圧縮機(11)、凝縮器(12)、膨張弁(13)、及び蒸発器(14)を備える。圧縮機(11)、凝縮器(12)、膨張弁(13)、及び蒸発器(14)は、冷媒配管(10a)によって順に接続される。これにより、閉回路が構成される。
圧縮機(11)は、圧縮機(11)に吸入された冷媒を圧縮する。圧縮機(11)で圧縮された冷媒は、凝縮器(12)において空気に放熱して凝縮する。凝縮器(12)で凝縮した冷媒は、膨張弁(13)によって減圧される。膨張弁(13)で減圧された冷媒は、蒸発器(14)において空気から吸熱して蒸発する。蒸発器(14)で蒸発した冷媒は、圧縮機(11)に吸入され再び圧縮される。
冷媒回路(10)には、第1分岐管(15)、第2分岐管(16)、及び第3分岐管(17)が接続されている。第1分岐管(15)、第2分岐管(16)、及び第3分岐管(17)は、後述する電動機(30)を冷却するための冷媒を圧縮機(11)に供給又は排出するための管である。
第1分岐管(15)は、凝縮器(12)と圧縮機(11)とを接続する。具体的には、第1分岐管(15)の流入端は、凝縮器(12)の後段側に接続される。凝縮器(12)の後段側の液冷媒は、第1分岐管(15)を経由して、圧縮機(11)に流入する。
第2分岐管(16)は、蒸発器(14)と圧縮機(11)とを接続する。具体的には、第2分岐管(16)の流入端は、蒸発器(14)と圧縮機(11)との間の冷媒配管(10a)に接続される。言い換えると、第2分岐管(16)の流入端は、蒸発器(14)の後段側に接続される。蒸発器(14)の後段側のガス冷媒は、第2分岐管(16)を経由して、圧縮機(11)に流入する。
第3分岐管(17)は、圧縮機(11)と蒸発器(14)とを接続する。具体的には、第3分岐管(17)の流入端は、圧縮機(11)に接続され、第3分岐管(17)の流出端は、蒸発器(14)に接続される。圧縮機(11)から流出した冷媒は、第3分岐管(17)を経由して、蒸発器(14)に流入する。
-圧縮機-
圧縮機(11)は、冷媒を圧縮する。圧縮機(11)は、低圧のガス冷媒を吸入し、このガス冷媒を圧縮する。圧縮機(11)は、圧縮した後の高圧のガス冷媒を吐出する。図2に示すように、圧縮機(11)は、ターボ圧縮機である。
圧縮機(11)は、ケーシング(20)と、電動機(30)と、駆動軸(40)と、インペラ(41)と、ラジアル磁気軸受(51)と、スラスト磁気軸受(52)と、タッチダウン磁気軸受(53)と、スペーサ(55)とを備える。ケーシング(20)の内部には、電動機(30)と、駆動軸(40)と、インペラ(41)と、ラジアル磁気軸受(51)と、スラスト磁気軸受(52)と、タッチダウン磁気軸受(53)と、スペーサ(55)とが収容される。圧縮機(11)は、電動機(30)を冷却するための冷却路(C)を更に備える。
なお、以下の説明において、「軸方向」とは、駆動軸(40)の軸心の方向のことであり、「径方向」とは、駆動軸(40)の軸心に直交する方向のことであり、「周方向」とは、駆動軸(40)の軸心を基準とした周方向である。「径方向内方」とは、駆動軸(40)の軸心に近い側であり、「径方向外方」とは、駆動軸(40)の軸心に遠い側である。
〈ケーシング〉
ケーシング(20)は、両端が閉塞された横長の円筒状の密閉容器によって構成される。ケーシング(20)は、胴部(21)と、第1鏡板部(図示省略)と、第2鏡板部(22)と、突出部(24)とを有する。胴部(21)は、軸方向の両端が開放された円筒状に形成される。言い換えると、胴部(21)は、その内部が中空に形成される。
第1鏡板部は、胴部(21)の軸方向の一端を閉塞する。第2鏡板部(22)は、胴部(21)の軸方向の他端を閉塞する。第1鏡板部の内部空間には、不図示の吸入管と吐出管とが接続される。吸入管は、第1鏡板部の内部空間へ冷媒を供給する。吐出管は、第1鏡板部の内部空間から冷媒を排出する。
突出部(24)は、胴部(21)の内周面から径方向内方に突出する部分である。突出部(24)と胴部(21)とは、一体に形成される。言い換えると、突出部(24)は、ケーシング(20)の一部を構成する。突出部(24)は、胴部(21)の軸方向から見て、胴部(21)の全周に亘って形成される。言い換えると、突出部(24)は、厚みのある環状に形成される。突出部(24)は、支持部(23)を構成する。支持部(23)は、電動機(30)の固定子(31)を支持する部分である。
〈電動機〉
電動機(30)は、駆動軸(40)を回転駆動する。電動機(30)は、本開示の回転電気機械に対応する。電動機(30)は、固定子(31)と回転子(36)とを有する。
固定子(31)は、胴部(21)の径方向内側に配置される。固定子(31)は、コア(32)とコイル(33)とを有する。コア(32)は、磁性材料で構成された筒状の部材である。
コイル(33)は、コア(32)に巻回される。コア(32)の軸心は、胴部(21)の軸心と概ね一致する。コア(32)は、ケーシング(20)の突出部(24)における軸方向他端側に配置される。固定子(31)は、ケーシング(20)の突出部(24)に固定される。固定子(31)の固定構造については、後述する。
図4に示すように、固定子(31)が突出部(24)に固定されることで、ケーシング(20)の内部空間は、電動機(30)によって、第1内部空間(S1)と第2内部空間(S2)とに区画される。第1内部空間(S1)は、固定子(31)の軸方向一端側に形成される。第2内部空間(S2)は、固定子(31)の軸方向他端側に形成される。
回転子(36)は、固定子(31)の径方向内側に配置される。回転子(36)は、磁性材料で構成された筒状の部材である。回転子(36)の軸心は、胴部(21)の軸心と概ね一致する。回転子(36)は、駆動軸(40)に固定される。回転子(36)の回転に伴って、駆動軸(40)が回転する。
固定子(31)の外周面と胴部(21)の内周面との間には、第1隙間(34)が形成される。言い換えると、固定子(31)は、第1隙間(34)を介して胴部(21)と径方向に対向している。第1隙間(34)は、第2内部空間(S2)と連通する。図3に示すように、第1隙間(34)は、固定子の全周に連続して形成されている。第1隙間(34)の詳細については、後述する。
固定子(31)の内周面と回転子(36)の外周面との間には、第2隙間(37)が形成される。第2隙間(37)は、いわゆるギャップである。言い換えると、回転子(36)は、第2隙間(37)を介して固定子(31)と径方向に対向している。第2隙間(37)は、第1内部空間(S1)と第2内部空間(S2)とを連通する。第2隙間(37)は、回転子(36)の全周に連続して形成されている。
〈駆動軸〉
駆動軸(40)は、ケーシング(20)の内部を軸方向に延びる。具体的には、駆動軸(40)は、胴部(21)の一端から他端に亘って軸方向に延びる。駆動軸(40)は、回転子(36)の径方向内側に配置される。駆動軸(40)の軸心は、回転子(36)の軸心と概ね一致する。
〈インペラ〉
インペラ(41)は、駆動軸(40)の他端に固定される。インペラ(41)は、圧縮機(11)に吸入された冷媒を圧縮する。インペラ(41)は、複数の羽根によって形成される。インペラ(41)は、その外形が略円錐形状に形成される。インペラ(41)は、第1鏡板部の内部に収容される。
〈ラジアル磁気軸受〉
ラジアル磁気軸受(51)は、駆動軸(40)に作用する荷重のうち、駆動軸(40)の径方向に作用する荷重(ラジアル荷重)を支持するための軸受である。圧縮機(11)には、2つのラジアル磁気軸受(51)が設けられる。
第1ラジアル磁気軸受(51a)は、第1内部空間(S1)に配置される。第1ラジアル磁気軸受(51a)は、電動機(30)の軸方向一端側に配置される。第1ラジアル磁気軸受(51a)は、磁気浮上によって、駆動軸(40)をケーシング(20)に対して回転可能に支持する。
第2ラジアル磁気軸受(51b)は、第2内部空間(S2)に配置される。第2ラジアル磁気軸受(51b)は、電動機(30)の軸方向他端側に配置される。第2ラジアル磁気軸受(51b)は、磁気浮上によって、駆動軸(40)をケーシング(20)に対して回転可能に支持する。
〈スラスト磁気軸受〉
スラスト磁気軸受(52)は、駆動軸(40)に作用する荷重のうち、駆動軸(40)の軸方向に作用する荷重(スラスト荷重)を支持するための軸受である。圧縮機(11)には、2つのスラスト磁気軸受(52)が設けられる。
第1スラスト磁気軸受(52a)は、第1内部空間(S1)に配置される。第1スラスト磁気軸受(52a)は、第1ラジアル磁気軸受(51a)の軸方向一端側に配置される。第1スラスト磁気軸受(52a)は、磁力により、駆動軸(40)を軸方向一端側に引き寄せる。
第2スラスト磁気軸受(52b)は、第2内部空間(S2)に配置される。第2スラスト磁気軸受(52b)は、第2ラジアル磁気軸受(51b)の軸方向他端側に配置される。第2スラスト磁気軸受(52b)は、磁力により、駆動軸(40)を軸方向他端側に引き寄せる。
第1スラスト磁気軸受(52a)及び第2スラスト磁気軸受(52b)の磁力により、駆動軸(40)のスラスト荷重が相殺される。なお、駆動軸(40)のスラスト荷重は、インペラ(41)の回転に起因して生じる。
〈タッチダウン磁気軸受〉
圧縮機(11)には、2つのタッチダウン磁気軸受(53)が設けられる。第1タッチダウン磁気軸受(53a)は、第1内部空間(S1)に配置される。第1タッチダウン磁気軸受(53a)は、第1スラスト磁気軸受(52a)の軸方向一端側に配置される。第1タッチダウン磁気軸受(53a)は、駆動軸(40)の一端部(インペラ(41)寄りの部分)の外周を囲むように配置される。
第2タッチダウン磁気軸受(53b)は、第2内部空間(S2)に配置される。第2タッチダウン磁気軸受(53b)は、第2スラスト磁気軸受(52b)の軸方向他端側に配置される。第2タッチダウン磁気軸受(53b)は、駆動軸(40)の他端部の外周を囲むように配置される。
第1タッチダウン磁気軸受(53a)及び第2タッチダウン磁気軸受(53b)は、ラジアル磁気軸受(51)やスラスト磁気軸受(52)の停止時、及び圧縮機(11)が何らかの故障等により制御不能になった場合に、軸受として機能する。これにより、ラジアル磁気軸受(51)及びスラスト磁気軸受(52)、並びに回転する部材を保護できる。
〈スペーサ〉
スペーサ(55)は、第1内部空間(S1)における回転子(36)の軸方向一端側に配置される。スペーサ(55)は、回転子(36)と第1ラジアル磁気軸受(51a)との間に配置される。スペーサ(55)は、円筒状に形成される。スペーサ(55)の内周面は、駆動軸(40)の外周面に固定される。
-圧縮機の運転動作-
圧縮機(11)の運転動作について説明する。電動機(30)に電力が供給されると、電動機(30)の回転子(36)が回転する。これにより、駆動軸(40)及びインペラ(41)が回転する。インペラ(41)が回転することにより、吸入管から第1鏡板部の内部空間へ冷媒が吸入され、圧縮される。圧縮されて高圧となった冷媒は、吐出管を経由して、第1鏡板部の内部空間から外部へ吐出される。
-固定子の固定構造-
次に、図3及び図4を参照しながら、固定子(31)の固定構造について説明する。なお、図4では、固定子(31)のコイル(33)の図示を省略している。
図4に示すように、固定子(31)は、ケーシング(20)の突出部(24)に固定される。具体的には、固定子(31)のコア(32)における軸方向一端側(突出部(24)側)の端面が、突出部(24)における軸方向他端側(固定子(31)側)の端面に固定される。換言すると、固定子(31)の軸方向一端側の端面は、突出部(24)の軸方向他端側の端面に当接している。本例では、固定子(31)と突出部(24)とは、締結部材(F)によって締結される。本例の締結部材(F)は、リーマボルト(61)である。
図3に示すように、固定子(31)のコア(32)における径方向外側寄りの位置には、複数の貫通穴(32a)が形成される。本例では、6つの貫通穴(32a)が形成される。各貫通穴(32a)は、コア(32)を軸方向に貫通する。各貫通穴(32a)は、周方向に互いに所定の間隔を空けて形成される。
突出部(24)における固定子(31)側の端面には、複数の締結穴(24a)が形成される。本例では、6つの締結穴(24a)が形成される。各締結穴(24a)は、突出部(24)における固定子(31)側の端面から軸方向他端側に延びる。各締結穴(24a)には、雌ネジが形成される。各締結穴(24a)は、周方向に互いに所定の間隔を空けて形成される。各締結穴(24a)の位置は、固定子(31)の貫通穴(32a)の位置に対応する。言い換えると、突出部(24)と固定子(31)とが当接するように配置したときに、締結穴(24a)と貫通穴(32a)とが重なる。
各締結穴(24a)には、固定子(31)の貫通穴(32a)を介して、締結部材(F)が配置される。これにより、固定子(31)は、ケーシング(20)対して軸方向に固定される。固定子(31)がケーシング(20)に対して軸方向に固定されることにより、固定子(31)の外周面とケーシング(20)の内周面とが接触することなく固定される。言い換えると、固定子(31)は、その外周面でケーシング(20)に固定されていない。
ところで、固定子が焼き嵌めや圧入等によってケーシングに固定される場合には、固定子の外周面がケーシングの内周面に固定される。言い換えると、焼き嵌めや圧入の場合は、固定子はケーシングに対して径方向に固定され、固定子には径方向に圧縮応力が生じる。固定子に圧縮応力が生じると、固定子の鉄損が増加する場合があり、固定子の鉄損が増加することにより、電動機の効率が低下する場合があった。
本例では、固定子(31)がケーシング(20)に軸方向に固定されるので、固定子が焼き嵌めや圧入によりケーシングに固定される場合と比べて、固定子(31)の径方向に生じる圧縮応力を低減できる。これにより、固定子(31)の鉄損の増加を抑制し、電動機の効率を向上できる。
加えて、本例では、固定子を焼き嵌め等により固定しないので、ケーシング(20)の内周面及び固定子(31)の外周面の研磨加工が不要になるとともに、圧縮機(11)の組み立てにおいて、焼き嵌め工程が不要になる。これにより、加工や組立て作業が容易になる。
(位置決め機構)
本例では、固定子(31)がケーシング(20)に対して軸方向に固定されるので、第1隙間(34)は、固定子(31)の全周に連続して形成できる。ここで、第1隙間(34)が固定子(31)の全周に連続して形成されることにより、ケーシング(20)の胴部(21)に対する固定子(31)の周方向及び径方向の相対的な位置を決めるのが難しくなる。
そこで、圧縮機(11)は、位置決め機構(60)を更に備える。位置決め機構(60)は、胴部(21)と固定子(31)との周方向及び径方向の相対的な位置を決める。本例の位置決め機構(60)は、リーマボルト(61)と、固定子(31)の貫通穴(32a)と、突出部(24)の締結穴(24a)とで構成される。
リーマボルト(61)は、本体部(61a)と、本体部(61a)の軸方向一端部に形成されるネジ部(61b)と、本体部(61a)の軸方向他端部に形成される六角形状の頭部(61c)とを有する。本体部(61a)の外径は、固定子(31)の貫通穴(32a)の内径と概ね同じである。本体部(61a)が固定子(31)の貫通穴(32a)に配置され、ネジ部(61b)が突出部(24)の締結穴(24a)に配置されることにより、第1隙間(34)を確保しつつ、固定子(31)と胴部(21)との周方向及び径方向の相対的な位置が決定される。
(シール部)
固定子(31)と突出部(24)とが締結部材(F)によって締結されることによって、固定子(31)と突出部(24)との間にシール部(70)が形成される。具体的には、固定子(31)が突出部(24)に締結される際の、固定子(31)と突出部(24)との当接部分に生じる面圧によってシールがされる。換言すると、シール部(70)は、固定子(31)の軸方向一端側の端面と、突出部(24)の軸方向他端側の端面との間をシールする。
シール部(70)によって、第1隙間(34)は、第1内部空間(S1)から仕切られる。これにより、第1隙間(34)と第1内部空間(S1)とが直接に連通しない。
本開示において、ケーシング(20)、電動機(30)、冷却路(C)、締結部材(F)、位置決め機構(60)、及びシール部(70)は、電動機ユニット(100)を構成する。電動機ユニット(100)は、本開示の回転電気機械ユニットに対応する。
-冷却路-
次に、図2、図3及び図5を参照しながら、冷却路(C)について説明する。
冷却路(C)は、電動機(30)を冷却するための通路である。冷却路(C)は、冷媒(流体)が流通可能な通路である。冷却路(C)は、本開示の流体通路に対応する。冷却路(C)は、第1冷却路(C1)と、第2冷却路(C2)とを含む。図5において、第1冷却路(C1)は黒矢印で示し、第2冷却路(C2)は白矢印で示す。
(第1冷却路)
第1冷却路(C1)は、第1入口(26)、第1隙間(34)と、第2内部空間(S2)と、出口(28)とを含む。第1入口(26)は、胴部(21)を径方向に貫通する通路である。第1入口(26)は、冷媒を第1冷却路(C1)に流入させる。具体的には、第1入口(26)は、第1隙間(34)に冷媒を流入させる。第1入口(26)の流入端は、第1分岐管(15)の流出端に接続される。第1入口(26)の流出端は、第1隙間(34)に開口する。言い換えると、第1入口(26)は、第1隙間(34)と連通する。
第1入口(26)は、ケーシング(20)の胴部(21)における軸方向中央に形成される。第1入口(26)は、突出部(24)よりも軸方向他端側に形成される。第1入口(26)は、胴部(21)の上部に形成される。言い換えると、第1入口(26)は、胴部(21)における鉛直方向上部に形成される。具体的には、第1入口(26)は、胴部(21)の頂部に形成される。言い換えると、第1入口(26)は、胴部(21)を軸方向から見て、胴部(21)における最上部に形成される。第1入口(26)は、胴部(21)における固定子(31)と径方向に対向する部分に形成される。具体的には、第1入口(26)は、胴部(21)における固定子(31)と径方向に対向する部分の軸方向中央よりもシール部(70)に近い位置(突出部(24)寄り)に形成される。第1入口(26)は、本開示の入口に対応する。
図3に示すように、第1隙間(34)は、軸方向から見て、固定子(31)の略全周に連続して形成される第1空間(34a)を含む。ここで、「略全周」は、全周と、固定子(31)の周方向の一部に僅かな仕切りが設けられる状態とを含む。全周とは、軸方向から見て、О字状になっている状態である。固定子(31)の周方向の一部に僅かな仕切りが設けられる状態とは、例えば、軸方向から見て、C字状になっている状態である。本例では、第1空間(34a)は、固定子(31)の全周に連続して形成されている。第1隙間(34)は、第1空間(34a)で構成される。
第1空間(34a)の径方向の長さは、固定子(31)の全周に亘って概ね一定である。第1空間(34a)の径方向の長さは、固定子(31)の軸方向一端から他端に亘って概ね一定である。第1空間(34a)の径方向の長さは、1mm以上である。
第1空間(34a)は、固定子(31)のコア(32)の軸方向一端から他端に亘って、軸方向に延びている。言い換えると、第1空間(34a)は、固定子(31)の外周面の全体を囲むように形成されている。第1隙間(34)の流出端は、第2内部空間(S2)に開口する。第1隙間(34)は、第2内部空間(S2)に連通する。
出口(28)は、胴部(21)を径方向に貫通する通路である。出口(28)は、ケーシング(20)の外部に冷媒を流出させる。本例では、出口(28)は、第1入口(26)と第2入口(27)とから流入した冷媒を流出させる。
出口(28)の流入端は、第2内部空間(S2)に開口する。言い換えると、出口(28)は、第2内部空間(S2)に連通する。出口(28)の流出端には、第3分岐管(17)が接続される。出口(28)は、胴部(21)における軸方向中央よりも他端側に形成される。具体的には、出口(28)は、胴部(21)における固定子(31)よりも軸方向他端側に形成される。
出口(28)は、胴部(21)の下部に形成される。言い換えると、出口(28)は、第1入口(26)と胴部(21)の軸心を中心に反対側の位置に形成されている。本例では、出口(28)は、胴部(21)の軸方向から見て、第1入口(26)に対して概ね180°ずれた位置に形成される。なお、出口(28)は、胴部(21)の軸方向から見て、第1入口(26)に対して、時計回りに90°以上270°以下の範囲に形成されていればよい。
(第2冷却路)
第2冷却路(C2)は、第2入口(27)、第1軸内路(40a)、第2軸内路(40b)、スペーサ路(55a)、第1内部空間(S1)、第2隙間(37)、第2内部空間(S2)、出口(28)を含む。
第2入口(27)は、第2鏡板部(22)における略中心部に形成される。第2入口(27)は、第2鏡板部(22)を軸方向に貫通する通路である。第2入口(27)は、冷媒を第2冷却路(C2)に流入させる。具体的には、第2入口(27)は、第1軸内路(40a)に冷媒を流入させる。
第2入口(27)の流入端は、第2分岐管(16)の流出端に接続される。第2入口(27)の流出端は、第1軸内路(40a)の流入端に接続される。言い換えると、第2入口(27)は、第1軸内路(40a)と連通する。
第1軸内路(40a)は、駆動軸(40)の内部に形成される。第1軸内路(40a)は、駆動軸(40)の軸方向他端側の端面から軸方向一端側に向かって延びる。第1軸内路(40a)の流出端は、駆動軸(40)の軸方向中途部に位置する。第1軸内路(40a)の流出端は、第2軸内路(40b)の流入端に接続する。
第2軸内路(40b)は、駆動軸(40)の内部に形成される。第2軸内路(40b)は、第1軸内路(40a)の流出端から径方向外方に延びる。第2軸内路(40b)の流出端は、スペーサ路(55a)の流入端に接続される。第2軸内路(40b)は、周方向に互いに所定の間隔を空けて、複数(本例では、4つ)形成される。
スペーサ路(55a)は、スペーサ(55)の内部に形成される。スペーサ路(55a)の流入端は、第2軸内路(40b)の流出端に対応する位置に形成される。スペーサ路(55a)は、周方向に互いに所定の間隔を空けて、複数(本例では、4つ)形成される。
スペーサ路(55a)は、第2軸内路(40b)の流出端から径方向外方に延びる。スペーサ路(55a)の流出端は、第1内部空間(S1)に開口する。スペーサ路(55a)は、第1内部空間(S1)と連通する。なお、第2冷却路(C2)は、スペーサ路(55a)を含まなくてもよい。言い換えると、第2軸内路(40b)が、第1内部空間(S1)に連通してもよい。
-冷媒の流れ-
次に、図1及び図5を参照しながら、冷媒の流れについて説明する。
圧縮機(11)が駆動するとともに、冷凍装置(1)が運転を開始すると、図1に示すように、凝縮器(12)の後段側から液冷媒が、第1分岐管(15)を経由して、ケーシング(20)の第1入口(26)に流入する。第1入口(26)に流入した液冷媒は、第1隙間(34)内を軸方向他端側へ向かって流れるとともに、重力によって第1隙間(34)内を下方に流れる(図5における黒矢印)。
このとき、第1隙間(34)の第1空間(34a)は、固定子(31)の全周に連続し、且つ固定子(31)の一端から他端に亘って形成されているので、固定子(31)の外周面の全体に液冷媒が行き渡る。これにより、固定子(31)の外周面の全体を冷却できる。
加えて、固定子(31)の軸方向一端側には、シール部(70)が形成されているので、第1隙間(34)に流入した液冷媒は、第1内部空間(S1)に流入することなく、第2内部空間(S2)に向かって一方向に流れる。これにより、液冷媒が第1内部空間(S1)に漏れることを抑制して、第1隙間(34)を流れる液冷媒の十分な流量が確保できる。
さらに、第1入口(26)は、胴部(21)における固定子(31)と径方向に対向する部分の軸方向中央よりもシール部(70)に近い位置に形成されるので、第1隙間(34)に流入した液冷媒が軸方向他端側に向かって流れる距離を長く確保できる。
第1隙間(34)を流れた液冷媒は、第2内部空間(S2)に流入する。第2内部空間(S2)に流入した液冷媒は、出口(28)に向かって流れる。
圧縮機(11)が駆動するとともに、冷凍装置(1)が運転を開始すると、図1に示すように、蒸発器(14)の後段側からガス冷媒が、第2分岐管(16)を経由して、ケーシング(20)の第2入口(27)に流入する。第2入口(27)に流入したガス冷媒は、第1軸内路(40a)へ流入する(図5における白矢印)。
第1軸内路(40a)に流入したガス冷媒は、第1軸内路(40a)内を軸方向一端側へ向かって流れ、第2軸内路(40b)に流入する。第2軸内路(40b)に流入したガス冷媒は、遠心力の作用により、第2軸内路(40b)内を径方向外方へ流れる。第2軸内路(40b)から流出したガス冷媒は、スペーサ路(55a)を経由して、第1内部空間(S1)に流入する。第1内部空間(S1)に流入したガス冷媒は、第2隙間(37)を軸方向一端側から他端側に向かって流れる。
このとき、第2隙間(37)が回転子(36)の全周に連続し、且つ回転子(36)の一端から他端に亘って形成されているので、回転子(36)の内周面及び固定子(31)の内周面の全体にガス冷媒が行き渡る。これにより、回転子(36)の内周面及び固定子(31)の内周面の全体を冷却できる。
第2隙間(37)から流出したガス冷媒は、第2内部空間(S2)に流入する。第2内部空間(S2)に流入したガス冷媒は、出口(28)に向かって流れる。
出口(28)に流入した液冷媒及びガス冷媒は、第3分岐管(17)を経由して、蒸発器(14)に供給される。
-実施形態1の特徴-
本実施形態の特徴(1)は、固定子(31)の軸方向の端面が、突出部(24)に固定されることである。これによれば、固定子(31)がケーシング(20)に軸方向に固定されるので、固定子(31)の径方向に生じる応力が低減される。
ところで、固定子が焼き嵌めや圧入等によってケーシングに固定される場合には、固定子の外周面がケーシングの内周面に固定され、固定子には径方向に圧縮応力が生じる。固定子の径方向に圧縮応力が生じると、固定子の鉄損が増加する場合があり、固定子の鉄損が増加することにより、電動機の効率が低下する場合があった。
これに対し、本実施形態の特徴(1)によれば、固定子(31)がケーシング(20)に軸方向に固定されるので、固定子が焼き嵌めや圧入によりケーシングに固定される場合と比べて、固定子(31)の径方向に生じる圧縮応力を低減できる。これにより、固定子(31)の鉄損の増加を抑制し、電動機の効率を向上できる。
加えて、本実施形態の特徴(1)では、固定子を焼き嵌め等により固定しないので、ケーシング(20)の内周面及び固定子(31)の外周面の研磨加工が不要になるとともに、圧縮機(11)の組み立てにおいて、焼き嵌め工程が不要になる。これにより、加工や組立て作業が容易になる。
本実施形態の特徴(2)は、第1隙間(34)が、固定子(31)の全周に連続して形成される第1空間(34a)を含むことである。これによれば、固定子(31)の外周面はケーシング(20)の内周面と接触しない。これにより、第1空間(34a)を含む冷却路(C)に冷媒が流れることにより、固定子(31)の外周面の全周に冷媒が行き渡り、固定子(31)の外周面の全周が冷却される。
本実施形態の特徴(3)は、突出部(24)における固定子(31)側の端面に、軸方向に延びる締結穴(24a)が形成されることである。これによれば、締結穴(24a)に締結部材(F)が配置されることにより、固定子(31)が突出部(24)に軸方向に固定される。
本実施形態の特徴(4)は、ケーシング(20)の突出部(24)が支持部(23)を構成することである。これによれば、支持部(23)がケーシング(20)の一部で構成されているので、簡単に支持部(23)を形成できる。
本実施形態の特徴(5)は、シール部(70)によって、固定子(31)の軸方向の端面と突出部(24)の固定子(31)側の端面との間がシールされていることである。これによれば、第1隙間(34)に流入した冷媒は、第1内部空間(S1)に流入することなく、第2内部空間(S2)に向かって一方向に流れる。これにより、シール部(70)によって、冷媒が第1内部空間(S1)に漏れることを抑制して、第1隙間(34)を流れる冷媒の十分な流量が確保できる。その結果、固定子(31)の外周面をより冷却できる。
本実施形態の特徴(6)は、冷却路(C)は、固定子(31)と回転子(36)との間に形成された第2隙間(37)を含むことである。これによれば、第2隙間(37)に冷媒が流れることによって、回転子(36)の内周面及び固定子(31)の内周面に冷媒が行き渡る。これにより、回転子(36)の内周面及び固定子(31)の内周面を冷却できる。
本実施形態の特徴(7)は、第1入口(26)は、胴部(21)における固定子(31)と径方向に対向する部分の軸方向中央よりもシール部(70)に近い位置に形成されることである。これによれば、第1隙間(34)に流入した冷媒が第1隙間(34)を流れる距離を長く確保できる。これにより、固定子(31)の外周面をより冷却できる。
本実施形態の特徴(8)は、出口(28)が、第1入口(26)と胴部(21)の軸心を中心に反対側の位置に形成されることである。これによれば、第1入口(26)から流入した冷媒が出口に向かって周方向に流れやすくなる。これにより、固定子(31)の外周面がより冷却できる。
本実施形態の特徴(9)は、位置決め機構(60)を備えることである。これによれば、第1隙間(34)を確保しつつ、胴部(21)と固定子(31)との周方向及び径方向の相対的な位置を決められる。
本実施形態の特徴(10)は、第1隙間(34)の径方向の長さが、1mm以上であることである。これによれば、第1隙間(34)の径方向の長さがある程度設けられているので、流体が流れやすくなる。
-実施形態1の変形例-
〈変形例1〉
図6に示すように、本実施形態の電動機ユニット(100)では、第1冷却路(C1)のみを備えてもよい。言い換えると、第2冷却路(C2)を備えていない。
具体的には、第1冷却路(C1)は、第1入口(26)と、出口(28)と、第1隙間(34)と、第2隙間(37)と、第1内部空間(S1)と、第2内部空間(S2)とを含む。出口(28)は、胴部(21)における固定子(31)よりも軸方向一端側に形成される。出口(28)は、第1内部空間(S1)と連通する。
第1隙間(34)は、シール部(70)によって第1内部空間(S1)から仕切られる一方、第2内部空間(S2)とは連通する。第1内部空間(S1)は、第1入口(26)から流入した高圧の液冷媒が流入することにより、高圧の空間となる。これに対して、第2内部空間(S2)は、第2分岐管(16)に接続された出口(28)に接続されているので、低圧の空間となる。このように、第1内部空間(S1)と第2内部空間(S2)との間に圧力差が生じる。
そして、第2隙間(37)は、第1内部空間(S1)と第2内部空間(S2)とを連通しているので、両空間の圧力差により、第2隙間(37)を流れる冷媒は、第2内部空間(S2)から第1内部空間(S1)へ向かって流れる。
これにより、第1入口(26)に流入した液冷媒は、第1隙間(34)、第2内部空間(S2)、第2隙間(37)、第1内部空間(S1)、及び出口(28)の順に流れる。その結果、第1冷却路(C1)に冷媒が流れることにより、固定子(31)の外周面及び内周面、並びに回転子(36)の外周面を冷却できる。
〈変形例2〉
図7に示すように、本実施形態の電動機ユニット(100)では、変形例1の第1冷却路(C1)に加えて、第2冷却路(C2)を備えてもよい。
具体的には、第2冷却路(C2)は、第2入口(27)と、出口(28)と、第1軸内路(40a)と、第2軸内路(40b)と、第2隙間(37)と、第1内部空間(S1)と、第2内部空間(S2)とを含む。第1軸内路(40a)は、駆動軸(40)の軸方向一端側の端面から軸方向他端側に向かって延びる。第2冷却路(C2)に流入したガス冷媒は、第2入口(27)、第1軸内路(40a)、第2軸内路(40b)、第2内部空間(S2)、第2隙間(37)、第1内部空間(S1)、及び出口(28)の順に流れる。
これによれば、第2隙間(37)には、第1入口(26)から流入した冷媒と、第2入口(27)から流入した冷媒とが流れる。これにより、固定子(31)の内周面及び回転子(36)の外周面をより冷却できる。
〈変形例3〉
図8に示すように、本実施形態の電動機ユニット(100)では、胴部(21)に凹部(29)が形成されてもよい。
具体的には、凹部(29)は、胴部(21)における固定子(31)と径方向に対向する部分に形成される。凹部(29)は、胴部(21)の内周面から径方向外方に凹んだ部分である。凹部(29)は、胴部(21)の内周面の全周に亘って形成される。言い換えると、凹部(29)は、固定子(31)の全周を囲むように形成される。
凹部(29)の内部には、第2空間(34b)が形成される。第2空間(34b)は、第1隙間(34)の第1空間(34a)と連通する。言い換えると、第1隙間(34)は、第2空間(34b)を含む。第2空間(34b)は、第1入口(26)と連通する。本例では、第1入口(26)の流出端が、第2空間(34b)に開口する。
第1入口(26)から流入した液冷媒は、第1空間(34a)及び第2空間(34b)に流入する。第2空間(34b)は、固定子(31)の外周面を囲むように形成されるので、液冷媒が第2空間(34b)を満たすことにより、固定子(31)の外周面を冷却する冷媒の流量が増加して、固定子(31)の外周面がより冷却できる。
なお、凹部(29)は、胴部(21)における固定子(31)と径方向に対向する部分に形成されればよく、第1入口(26)の流出端が第2空間(34b)に開口していなくてもよい。言い換えると、第1入口(26)と第2空間(34b)とは、第1空間(34a)を介して連通してもよい。
《実施形態2》
実施形態2について説明する。本実施形態の電動機ユニット(100)は、実施形態1の電動機ユニット(100)において、出口(28)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の出口(28)について、実施形態1の出口(28)と異なる点を説明する。
図9に示すように、出口(28)は、胴部(21)における固定子(31)と径方向に対向する部分に形成される。具体的には、出口(28)は、胴部(21)における固定子(31)と径方向に対向する部分の軸方向中央よりもシール部(70)に近い位置(突出部(24)寄り)に形成される。
出口(28)は、胴部(21)の下部に形成される。出口(28)は、第1入口(26)と胴部(21)の軸心を中心に反対側の位置に形成されている。言い換えると、出口(28)は、胴部(21)を上から見たときに、第1入口(26)と概ね重なる位置に形成される。出口(28)は、第1隙間(34)の第1空間(34a)に連通する。出口(28)の流入端は、第1空間(34a)に開口する。
実施形態2における第1冷却路(C1)の冷媒の流れは、図9に黒矢印で示される。圧縮機(11)が駆動すると、第1入口(26)から流入した液冷媒は、第1隙間(34)内を軸方向他端側へ向かって流れるとともに、重力によって第1隙間(34)を下方に流れる。第1隙間(34)を下方に流れる液冷媒は、固定子(31)の外周面に沿って流れる。第1隙間(34)を軸方向他端側へ向かった液冷媒の一部は、第2内部空間(S2)に流入する。
第2内部空間(S2)へ流入した液冷媒及び、第1隙間(34)の下部に到達した液冷媒は、第1隙間(34)の下部を、軸方向一端側へ向かって流れ、出口(28)からケーシング(20)の外部へ流出する。
実施形態2では、出口(28)が第1入口(26)と胴部(21)の軸心を中心に反対側の位置に形成されているので、第1入口(26)から流入した液冷媒が、出口(28)に向かって固定子(31)の外周面に沿って流れる。言い換えると、液冷媒は、出口(28)に向かって固定子(31)の周方向に流れやすくなる。これにより、固定子(31)の外周面をより冷却できる。
また、実施形態2では、第1入口(26)と出口(28)とが、胴部(21)における固定子(31)と径方向に対向する部分に形成されるので、第1入口(26)から出口(28)までの距離を短くできる。
-実施形態2の変形例-
〈変形例1〉
図9に示すように、本実施形態の電動機ユニット(100)は、第2冷却路(C2)を備えてもよい。
第2冷却路(C2)の第2入口(27)は、胴部(21)に形成される。具体的には、第2入口(27)は、胴部(21)を径方向に貫通する通路である。第2入口(27)は、第1入口(26)よりも軸方向一端側に形成される。第2入口(27)は、シール部(70)(突出部(24))よりも軸方向一端側に形成される。
第2入口(27)は、胴部(21)の上部に形成される。第2入口(27)は、第1内部空間(S1)と連通する。言い換えると、第2入口(27)の流出端は、第1内部空間(S1)に開口する。
本例の第2冷却路(C2)は、第2入口(27)と、出口(28)と、第1隙間(34)と、第2隙間(37)と、第1内部空間(S1)と、第2内部空間(S2)とを含む。第2冷却路(C2)において、第2入口(27)から流入した冷媒は、第1内部空間(S1)、第2隙間(37)、第1内部空間(S1)、及び第1隙間(34)の下部を経由して、出口(28)に流れる。
本例においても、第2冷却路(C2)を冷媒が流れることにより、固定子(31)の内周面及び回転子(36)の外周面を冷却することができる。
〈変形例2〉
図10に示すように、本実施形態の電動機ユニット(100)は、端板(71)を備えてもよい。
端板(71)は、円環状に形成された板状の部材である。端板(71)は、固定子(31)のコア(32)における軸方向他端側に配置される。具体的には、端板(71)は、固定子(31)のコア(32)における軸方向他端側の端面に当接するように配置される。
端板(71)には、周方向に互いに間隔を空けて、複数(本例では、6つ)の穴(図示省略)が形成される。端板(71)の各穴は、固定子(31)のコア(32)に形成された貫通穴(32a)に対応する位置に形成される。端板(71)の各穴には、固定子(31)をケーシング(20)に固定するための締結部材(F)が配置される。これにより、端板(71)は、締結部材(F)によって、固定子(31)と共にケーシング(20)に固定される。端板(71)は、ケーシング(20)に対して隙間嵌め又は圧入によって固定されてもよい。
端板(71)は、固定子(31)を介してケーシング(20)に締結されることによって、固定子(31)と端板(71)との間にシール部(70)が形成される。具体的には、固定子(31)と端板(71)とが締結される際の、固定子(31)と端板(71)との当接部分に生じる面圧によってシールがされる。換言すると、端板(71)側のシール部(70)は、固定子(31)の軸方向他端側の端面と、端板(71)の軸方向一端側の端面との間をシールする。端板(71)側のシール部(70)によって、第1隙間(34)は、第2内部空間(S2)から仕切られる。これにより、第1隙間(34)を流れる冷媒の第2内部空間(S2)への流入が抑制される。例えば、端板(71)がケーシング(20)に対して圧入によって固定される場合には、第1隙間(34)を流れる冷媒は、第2内部空間(S2)に流入しない。
本例では、第1入口(26)は、胴部(21)における固定子(31)と径方向に対向する部分の軸方向中央に形成される。出口(28)は、胴部(21)における固定子(31)と径方向に対向する部分の軸方向中央に形成される。
第1冷却路(C1)は、第1入口(26)と、出口(28)と、第1隙間(34)とを含む。第1冷却路(C1)において、第1入口(26)に流入した冷媒の流れは、第1入口(26)の流出端から第1隙間(34)における軸方向一端側へ向かう流れと他端側へ向かう流れとに分かれる。
第1隙間(34)の軸方向一端側へ流れた冷媒は、突出部(24)の端面まで流れるとともに、第1隙間(34)を固定子(31)に沿って下方へ流れる。第1隙間(34)の軸方向他端側へ流れる冷媒は、端板(71)の端面まで流れるとともに、第1隙間(34)を下方へ流れる。第1隙間(34)の下部に到達した冷媒は、出口(28)からケーシング(20)の外部へ流出する。
このように、固定子(31)の軸方向他端側の端面と、端板(71)の軸方向一端側の端面との間がシールされることにより、第1入口(26)から出口(28)に向かって、固定子(31)の外周面に沿って冷媒が流れやすくなる。
また、端板(71)が、固定子(31)のコア(32)を介して、締結部材(F)によって突出部(24)に固定されるので、固定子(31)と端板(71)との摩擦力により、固定子(31)のコア(32)を保持する力が増加する。これにより、重量の大きな固定子(31)を支持しやすくなる。
-実施形態の変形例-
上述した各実施形態は、以下の変形例の構成としてもよい。
〈第1変形例〉
第1変形例では、第1隙間(34)の構成が実施形態1と異なる。第1変形例の第1隙間(34)の第1空間(34a)の径方向の長さは、固定子(31)の周方向において一定に形成されていない。具体的には、第1空間(34a)の径方向の長さは、第1入口(26)から出口(28)に向かって次第に増加している。図11に示すように、第1空間(34a)における第1入口(26)と連通する部分の径方向の長さt1は、第1隙間(34)における出口(28)と連通する部分の径方向の長さt2よりも小さい(t1<t2)。
このように、第1隙間(34)の径方向の長さが、第1入口(26)から出口(28)に向かって次第に増加しているので、第1隙間(34)を流れる冷媒は、固定子(31)の周方向に流れやすくなる。
〈第2変形例〉
第2変形例では、固定子(31)の固定構造が実施形態1と異なる。第2変形例では、固定子(31)の軸方向一端側の端面は、突出部(24)の軸方向他端側の端面に溶接されることによって固定される。
〈第3変形例〉
第3変形例では、位置決め機構(60)が実施形態1と異なる。第3変形例では、位置決め機構(60)は、突出部(24)に形成されたピンと、固定子(31)に形成された貫通穴(32a)とで構成されてもよい。ピンは、突出部(24)の軸方向他端側の端面に複数設けられる。ピンは、突出部(24)の軸方向他端側の端面から軸方向他端側に延びる。固定子(31)の貫通穴(32a)に、突出部(24)のピンが配置されることにより、固定子(31)と胴部(21)との周方向及び径方向の相対的な位置が決まる。なお、ピンは、突出部(24)と一体に形成されてもよく、突出部(24)と別体に形成されてもよい。
また、位置決め機構(60)は、胴部(21)と固定子(31)との周方向又は径方向の相対的な位置を決めてもよい。言い換えると、位置決め機構(60)は、周方向及び径方向のいずれか一方向の相対的な位置を決定できればよい。
胴部(21)と固定子(31)との径方向の相対的な位置を決める場合では、例えば、図12に示すように、位置決め機構(60)は、固定子(31)の外周面に形成された突起部(65)により構成される。
具体的には、突起部(65)は、固定子(31)のコア(32)の外周面から径方向外方に突出する突起である。突起部(65)は、固定子(31)の軸方向中央に形成される。固定子(31)には、複数(本例では、3つ)の突起部(65)が形成される。各突起部(65)は、固定子(31)の周方向に互いに略120°の間隔を空けて配置される。各突起部(65)の先端は、胴部(21)の内周面と接触する。
このように、固定子(31)の外周面から径方向外方に突出した各突起部(65)が、胴部(21)の内周面と接触することにより、固定子(31)と胴部(21)との径方向の相対的な位置が決まる。
胴部(21)と固定子(31)との周方向の相対的な位置を決める場合には、例えば、位置決め機構(60)は、上記のような固定子(31)の外周面に形成された突起部(65)と、胴部(21)の内周面に形成された溝とにより構成される。具体的には、胴部(21)の内周面に形成された溝は、固定子(31)の突起部(65)に係合するように構成されるとともに、突起部(65)と対応する位置に形成される。胴部(21)の溝に突起部(65)が係合すると、胴部(21)の溝の内面と突起部(65)の外面とが周方向に接触することで、固定子(31)の周方向の移動が規制されて、胴部(21)と固定子(31)との周方向の相対的な位置が決まる。
なお、周方向又は径方向の相対的な位置を決める場合において、突起部(65)は、固定子(31)のコア(32)と一体に形成されてもよく、コア(32)と別体に形成されてもよい。また、突起部(65)は、固定子(31)の外周面ではなく、ケーシング(20)の胴部(21)の内周面に形成されてもよい。この場合、突起部(65)と係合する溝は、固定子(31)に形成される。
〈第4変形例〉
第4変形例では、シール部(70)が実施形態1と異なる。第4変形例のシール部(70)は、固定子(31)の軸方向一端側の端面と、突起部(65)の軸方向他端側の端面との間に配置されたOリングである。固定子(31)と突出部(24)との間にOリングを挟み込むことにより、両端面の間をシールできる。
〈第5変形例〉
第5変形例では、第1隙間(34)の第1空間(34a)が実施形態1と異なる。第5変形例では、図13に示すように、固定子(31)は、固定子(31)のコア(32)の外周面から径方向外方に延びる仕切壁(80)を有する。仕切壁(80)は、第1隙間(34)の第1空間(34a)を仕切る板状の部材である。
仕切壁(80)は、固定子(31)のコア(32)の軸方向一端から他端に亘って、軸方向に延びる。仕切壁(80)は、固定子(31)の下部に形成される。仕切壁(80)は、第1入口(26)と胴部(21)の軸心を中心に反対側の位置に配置される。仕切壁(80)は、圧縮機(11)を軸方向から見たときに、第1入口(26)に対して概ね180°ずれた配置される。仕切壁(80)の先端部は、胴部(21)の内周面と接触する。これにより、第1隙間(34)の第1空間(34a)は、軸方向から見て、固定子(31)を囲む略C字状に形成される。言い換えると、第1空間(34a)は、固定子(31)の略全周に連続して形成される。
仕切壁(80)が第1入口(26)と胴部(21)の軸心を中心に反対側の位置に配置されることにより、第1入口(26)から流入した冷媒は、固定子(31)の外周面に沿って周方向における時計回り方向と反時計回り方向とに分流する。分流した冷媒が更に流れ続けると、時計回り方向と反時計回り方向の各々に流れる冷媒は、仕切壁(80)の壁面に近づく。仕切壁(80)に到達した冷媒は、仕切壁(80)によって周方向の流れが規制され、軸方向に流れを変える。そして、軸方向に流れを変えた冷媒は、第1空間(34a)の外に流出する。
このように、仕切壁(80)を設けることによって、第1空間(34a)において時計回り方向と反時計回り方向の各々に流れる冷媒を、第1空間(34a)内で互いに交わらせることなく、第1空間(34a)の外に流出させることができる。言い換えると、仕切壁(80)によって、第1空間(34a)を流れる冷媒の流れを一方向に規制することにより、第1空間(34a)内で分流した冷媒の流れが再び合流することによって生じる流れの乱れを抑制できる。
なお、仕切壁(80)は、固定子(31)のコア(32)と一体に形成されてもよい。また、仕切壁(80)は、ケーシング(20)の胴部(21)に一体又は別体に形成されてもよい。
〈第6変形例〉
第6変形例では、支持部(23)の構成が実施形態1と異なる。実施形態1では、支持部(23)は、ケーシング(20)の一部である突出部(24)であった。第6変形例では、支持部(23)は、胴部(21)と別体に形成される。支持部(23)は、固定子(31)を支持できればよく、どのような構成でもよい。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記各実施形態では、回転電気機械が電動機(30)を構成する場合を例に挙げたが、回転電気機械は、発電機を構成するものであってもよい。
上記核実施形態では、圧縮機としてターボ圧縮機(11)を例に挙げたが、他の圧縮機でもよい。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、及びその他の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
以上説明したように、本開示は、回転電気機械ユニット、圧縮機、及び冷凍装置について有用である。
1 冷凍装置
11 圧縮機
20 ケーシング
21 胴部
23 支持部
24 突出部
24a 締結穴
26 第1入口(入口)
28 出口
29 凹部
30 電動機(回転電気機械)
31 固定子
34 第1隙間
34a 第1空間
34b 第2空間
36 回転子
37 第2隙間
60 位置決め機構
70 シール部
100 電動機ユニット(回転電気機械ユニット)
C 冷却路(流体通路)
F 締結部材
S1 第1内部空間
S2 第2内部空間

Claims (14)

  1. ケーシング(20)と、
    固定子(31)および回転子(36)を有し、前記ケーシング(20)の内部に収容される回転電気機械(30)と、
    前記回転電気機械(30)の固定子(31)を支持する支持部(23)と、
    前記回転電気機械(30)の固定子(31)を冷却する流体通路(C)とを備え、
    前記流体通路(C)は、前記固定子(31)の外周面と前記ケーシング(20)の内周面との間に形成される第1隙間(34)を含み、
    前記第1隙間(34)は、前記固定子(31)の略全周に連続して形成される第1空間(34a)を含み、
    前記支持部(23)には、前記固定子(31)の軸方向の端面が固定される
    回転電気機械ユニット。
  2. 請求項1に記載の回転電気機械ユニットにおいて、
    前記支持部(23)と前記固定子(31)とを締結する締結部材(F)を更に備え、
    前記支持部(23)における前記固定子(31)側の端面には、前記締結部材(F)が配置される締結穴(24a)が形成される
    回転電気機械ユニット。
  3. 請求項1又は2に記載の回転電気機械ユニットにおいて、
    前記ケーシング(20)は、内部が中空の胴部(21)と、該胴部(21)の内周面から径方向内方に突出する突出部(24)とを有し、
    前記突出部(24)は、前記支持部(23)を構成する
    回転電気機械ユニット。
  4. 請求項3に記載の回転電気機械ユニットにおいて、
    前記固定子(31)の軸方向の前記端面と前記突出部(24)の前記固定子(31)側の端面との間をシールするシール部(70)を更に備える
    回転電気機械ユニット。
  5. 請求項4に記載の回転電気機械ユニットにおいて、
    前記ケーシング(20)の内部には、
    前記固定子(31)の軸方向一端側に形成され、前記シール部(70)によって前記第1隙間(34)から仕切られる第1内部空間(S1)と、
    前記固定子(31)の軸方向他端側に形成され、前記第1隙間(34)と連通する第2内部空間(S2)とが形成され、
    前記流体通路(C)は、前記固定子(31)と前記回転子(36)との間に形成され、前記第1内部空間(S1)と前記第2内部空間(S2)とを連通する第2隙間(37)を含む
    回転電気機械ユニット。
  6. 請求項5に記載の回転電気機械ユニットにおいて、
    前記流体通路(C)は、前記胴部(21)における前記固定子(31)と対向する部分に形成され、且つ流体を前記第1隙間(34)に流入させる入口(26)を含み、
    前記入口(26)は、前記胴部(21)における前記固定子(31)と対向する部分の軸方向中央よりも前記シール部(70)に近い位置に形成される
    回転電気機械ユニット。
  7. 請求項1~6のいずれか1つに記載の回転電気機械ユニットにおいて、
    前記ケーシング(20)は、内部が中空の胴部(21)を有し、
    前記胴部(21)の内周面の全周には、径方向外方に凹む凹部(29)が形成され、
    前記第1隙間(34)は、前記凹部(29)によって形成される第2空間(34b)を含む
    回転電気機械ユニット。
  8. 請求項1~7のいずれか1つに記載の回転電気機械ユニットにおいて、
    前記ケーシング(20)は、内部が中空の胴部(21)を有し、
    前記流体通路(C)は、
    前記胴部(21)における前記固定子(31)と対向する部分に形成され、流体を前記第1隙間(34)に流入させる入口(26)と、
    前記入口(26)と前記胴部(21)の軸心を中心に反対側の位置に形成され、前記ケーシング(20)の外部に前記流体を流出させる出口(28)とを含む
    回転電気機械ユニット。
  9. 請求項8に記載の回転電気機械ユニットにおいて、
    前記第1隙間(34)の径方向の長さは、前記入口(26)から前記出口(28)に向かって次第に増加する
    回転電気機械ユニット。
  10. 請求項8又は9に記載の回転電気機械ユニットにおいて、
    前記出口(28)は、前記胴部(21)における前記固定子(31)と対向する部分に形成され、前記第1隙間(34)の前記流体を流出させる
    回転電気機械ユニット。
  11. 請求項1~10のいずれか1つに記載の回転電気機械ユニットにおいて、
    前記ケーシング(20)は、内部が中空の胴部(21)を有し、
    前記胴部(21)と前記固定子(31)との周方向又は径方向の相対的な位置を決める位置決め機構(60)を更に備える
    回転電気機械ユニット。
  12. 請求項1~11のいずれか1つに記載の回転電気機械ユニットにおいて、
    前記第1隙間(34)の径方向の長さは、1mm以上である
    回転電気機械ユニット。
  13. 請求項1~12のいずれか1つに記載の回転電気機械ユニット(100)を備えた圧縮機。
  14. 請求項13に記載の圧縮機(11)を備えた冷凍装置。
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