JP2022140959A - 導線の導通確認方法 - Google Patents
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Abstract
Description
導線の導通確認方法の第1実施形態について、図1~図8を参照して説明する。なお、本実施形態では、風力発電装置に設けられる導線の導通確認方法を例に説明する。
図3のフローチャートに示すように、本実施形態では、第1工程(ステップS31)、第2工程(ステップS32)、及び第3工程(ステップS33)を順に行う。
その後、作業者は、電源75に、第2導電線77の第1端を接続する。第2導電線77の第2端は、上述した電位差センサ81に接続されている。換言すれば、電位差センサ81は、第2導電線77、電源75、及び第1導電線76を介してタワー20に電気的に接続されている。電位差センサ81は、例えば直流検電器を採用できる。なお、電源75として交流電源を使用する場合には、電位差センサ81として交流検電器を採用すればよい。第2導電線77は、電位差センサ81としての直流検電器の接地線に接続されている。
図5には、ダウンコンダクタ60が断線していない場合の閉回路を示している。閉回路では、受雷部50と電位差センサ81とによってコンデンサが構成されている。第1工程において、電源75から電位差センサ81に電圧(例えば1kV)を印加すると、受雷部50、すなわちダウンコンダクタ60と、電位差センサ81との間に電源75から印加した電圧に対応した電位差が生じる。なお、図5には、閉回路中のインダクタンスを「L」として示し、抵抗を「R」として示している。
なお、図6に示すように、ダウンコンダクタ60が断線している場合、ダウンコンダクタ60の断線部分がコンデンサとして機能するため、断線部分よりも第2端側には電圧の影響が生じ難い。そのため、この状態で電位差センサ81を第2端の周囲に配置して検出できる電位差は、図5に示すダウンコンダクタ60が断線していない場合に電位差センサ81を第2端の周囲に配置して検出できる電位差に比して小さくなる。したがって、作業者は、第2工程において検出した電位差が予め設定した閾値以上であるか否かを判断することで、ダウンコンダクタ60の導通確認を行うことができる。この場合、閾値としては、ダウンコンダクタ60が断線していない場合に検出できる電位差の最小値などを採用すればよい。こうした構成では、第2端との間で検出した電位差が閾値以上のときにはダウンコンダクタ60は断線していないと判断でき、上記電位差が閾値未満のときにはダウンコンダクタ60は断線していると判断できる。
図7に示すように、第3工程では、ドローン80をブレード41の先端からハブ40側へブレード41に沿って移動させる。これにより、ダウンコンダクタ60の第2端から第1端側へブレード41に沿って電位差センサ81を移動させる。ダウンコンダクタ60がブレード41の内部で断線している場合、この断線部分の周囲に電位差センサ81が配置されると、ダウンコンダクタ60の断線部分を介して電気的に接続されて閉回路が構成される。
(1-1)本実施形態では、ダウンコンダクタ60との間で電位差を検出する電位差センサ81を受雷部50に非接触な状態で配置しつつ、該電位差センサ81に電圧を印加する。電圧を印加している状態で電位差センサ81によって検出されるダウンコンダクタ60との間の電位差には、ダウンコンダクタ60の導通状態が反映される。すなわち、ダウンコンダクタ60が断線する等して導通していない場合と、ダウンコンダクタ60が導通している場合とでは、ダウンコンダクタ60と電位差センサ81との間に生じる電位差が異なる。そのため、電位差センサ81によって上記電位差を検出することで、受雷部50に非接触の状態で導通確認を行うことが可能になる。したがって、導通確認の際に、受雷部50に傷が生じることを抑制できる。
導線の導通確認方法の第2実施形態について、図9~図11を参照して説明する。本実施形態では、電位差センサとして、導線に電圧が印加された状態で発生する電界を検出する第1電位差センサとしての第1電界センサと、第2電位差センサとしての第2電界センサとを備える点が第1実施形態と異なっている。第1実施形態と同様の構成については、共通の符号を付して説明を省略する。
ステップS91の第1工程では、ダウンコンダクタ60の第1端に電圧を印加する。ステップS92の第2工程では、第1工程によって電圧が印加された状態において、ダウンコンダクタ60の第2端の周囲に形成される電界を第1電界センサ181によって検出する。
その後、第2工程では、図4に示すようにドローン80を飛行させて、検電部180Bをダウンコンダクタ60の第2端、すなわち受雷部50の周囲に移動させる。この状態では、検電部180Bは、受雷部50には接触していないものの、ダウンコンダクタ60の第2端の周囲に形成される電界を第1電界センサ181によって検出することが可能な距離まで受雷部50に接近している。このように検電部180Bを接近させることで、第1電界センサ181によって第2端の周囲に形成される電界を検出する。ダウンコンダクタ60が断線していない場合、第2端の周囲には電源175によって印加された電圧に対応した電界が発生している。一方で、ダウンコンダクタ60が断線している場合、第2端の周囲には電源175によって印加された電圧に対応した電界は発生していない。
図5に示すように、第3工程では、ドローン80をブレード41の先端からハブ40側へブレード41に沿って移動させる。これにより、ダウンコンダクタ60の第1端に電圧が印加された状態において、ダウンコンダクタ60の第2端から第1端側へブレード41に沿って第2電界センサ182を移動させる。ダウンコンダクタ60が、ブレード41の内部で断線している場合、この断線位置の周囲に電源175によって印加された電圧に対応した電界が発生する。こうした電界は、ダウンコンダクタ60における断線部分の周囲に拡がり、ブレード41の周囲にも形成される。
(2-1)本実施形態では、ダウンコンダクタ60との間で電位差を検出する第1電界センサ181を受雷部50に非接触な状態で配置しつつ、ダウンコンダクタ60に電圧を印加する。電圧を印加している状態で第1電界センサ181によって検出されるダウンコンダクタ60との間の電位差、すなわち電界には、ダウンコンダクタ60の導通状態が反映される。すなわち、ダウンコンダクタ60が導通している場合、該ダウンコンダクタ60の第2端の周囲に、電源175によって印加した電圧に対応した電界が発生する。一方で、ダウンコンダクタ60が断線する等して導通していない場合、該ダウンコンダクタ60の第2端の周囲には上記電界は発生しない。このように、ダウンコンダクタ60に電圧を印加したときに形成される電界を第1電界センサ181によって検出することによって、受雷部50に非接触な状態でダウンコンダクタ60の導通確認を行うことができる。したがって、導通確認の際に、受雷部50に傷が生じることを抑制できる。
・上記第1実施形態では、1つの電位差センサ81を設けて、該電位差センサ81によってダウンコンダクタ60の第2端との間に発生する電位差と、断線部分との間に発生する電位差とを検出するようにした。こうした構成に変えて、低感度と高感度の2つの電位差センサを設ける。そして、低感度の電位差センサによって、ダウンコンダクタ60の第2端との間に発生する電位差を検出し、高感度の電位差センサによって、ダウンコンダクタ60の断線部分との間に発生する電位差を検出するようにしてもよい。また、電位差センサには、印加される電圧に対応して検出電圧を可変とするような構成を付加することも可能である。
・上記第1実施形態では、電源75から電位差センサ81に電圧を印加する構成を例に説明した。こうした構成に変えて、電源75からダウンコンダクタ60に電圧を印加するようにしてもよい。こうした構成であっても、ダウンコンダクタ60と電位差センサ81との間に電源75から印加した電圧に対応した電位差が発生する。
・上記各実施形態では、風力発電装置10に設けられる導線の導通確認方法を例に説明した。導線の導通確認方法は、風力発電装置10に設けられる導線以外にも適用可能である。例えば、ビルなどの高層建築物においては、屋上に受雷部50としての避雷針が設けられ、該避雷針と接地部との間をつなぐ導線がビルの内部に引き回されている場合等がある。こうした構成であっても、導線と電位差センサとの何れか一方に電源から電圧を印加する第1工程を実行する。また、第1工程によって電圧を印加している状態で導線と電位差センサとの間で発生した電位差を電位差センサによって検出する第2工程とを実行する。これにより、避雷針に非接触の状態で導通確認を行うことが可能になる。このように、上記各実施形態と同様の導通確認方法を、高層建築物に設けられる導線の導通確認方法に適用することで、上記(1-1)または(2-1)に記載の作用及び効果と同様の作用及び効果を得ることは可能である。
20…タワー(接地部)
30…ナセル
31…発電機
31A…ロータ軸
40…ハブ
41…ブレード
50…受雷部
60…ダウンコンダクタ(導線)
61…分岐線部
62…集合線部
75…電源
76…第1導電線
77…第2導電線
80…ドローン(無人移動体)
80A…プロペラ
81…電位差センサ
175…電源
180B…検電部
181…第1電界センサ(第1電位差センサ)
182…第2電界センサ(第2電位差センサ)
C1…第1連結点
C2…第2連結点
G…地面
Claims (9)
- 雷を受ける受雷部とグランドに接地されている接地部とをつなぐ導線の導通確認方法であって、
前記導線と、前記受雷部に非接触な状態で配置されて前記導線との間の電位差を検出する電位差センサとの何れか一方に電源から電圧を印加する第1工程と、
前記第1工程によって電圧を印加している状態で前記導線と前記電位差センサとの間で発生した電位差を前記電位差センサによって検出する第2工程とを備える導線の導通確認方法。 - 前記受雷部は、風力発電装置において風を受けて回転するブレードの表面に設けられ、
前記接地部は、前記風力発電装置において前記ブレードが連結されたナセルを回転可能に支持するとともに地面に立設されているタワーを含んで構成されており、
前記導線は、前記ブレードの内部を通じて前記受雷部から前記接地部まで引き回されており、
前記第1工程では、前記電位差センサを前記接地部に電気的に接続するとともに前記受雷部に非接触な状態で電気的に接続して前記受雷部、前記導線、前記接地部、前記電源、及び前記電位差センサを含む閉回路を構成した上で、前記導線と前記電位差センサとの何れか一方に前記電源から電圧を印加する
請求項1に記載の導線の導通確認方法。 - 前記第1工程では、前記電源を前記地面に配置した状態で、前記導線と前記電位差センサとの何れか一方に電圧を印加する
請求項2に記載の導線の導通確認方法。 - 前記第1工程では、前記電位差センサを、前記導線における前記接地部側の第1端とは反対側であって前記受雷部に接続されている第2端の周囲に配置し、
前記第2工程では、前記第2端と前記電位差センサとの間で発生する電位差を前記電位差センサによって検出し、
前記第2工程において電位差を検出した後、前記導線の前記第2端から前記第1端側へ前記ブレードに沿って前記電位差センサを移動させることで、前記ブレードの内部に引き回されている前記導線と前記電位差センサとの間で発生する電位差を検出する第3工程を備える
請求項2または3に記載の導線の導通確認方法。 - 前記電位差センサ、無人で移動可能な無人移動体に設けられており、
前記第1工程では、前記無人移動体を移動させることにより、該無人移動体に設けられた前記電位差センサを前記導線の前記第2端の周囲に配置し、
前記第3工程では、前記無人移動体を前記ブレードに沿って移動させることにより、該無人移動体に設けられた前記電位差センサによって前記導線と前記電位差センサとの間で発生する電位差を検出する
請求項4に記載の導線の導通確認方法。 - 前記第1工程では、前記導線の第1端に前記電源を接続することで該導線に電圧を印加し、
前記第2工程では、前記第1工程によって電圧が印加された状態において前記導線の第2端の周囲に形成された電界を前記電位差センサによって検出することで、前記導線における前記第1端と前記電位差センサとの間で発生した電位差を検出する
請求項1に記載の導線の導通確認方法。 - 前記受雷部は、風力発電装置において風を受けて回転するブレードの表面に設けられ、
前記接地部は、前記風力発電装置において前記ブレードが連結されたナセルを回転可能に支持するとともに地面に立設されているタワーを含んで構成されており、
前記導線は、前記ブレードの内部を通じて前記受雷部から前記接地部まで引き回されており、
前記電位差センサは、第1電位差センサ及び第2電位差センサを含み、
前記第1工程では、前記導線における前記接地部側の第1端に電圧を印加し、
前記第2工程では、前記導線における前記受雷部側の第2端の周囲に形成された電界を前記第1電位差センサによって検出するとともに、
前記第1工程によって電圧が印加された状態において前記導線の前記第2端から前記第1端側へ前記ブレードに沿って前記第2電位差センサを移動させることで、前記ブレードの周囲に形成された電界を前記第2電位差センサによって検出する第3工程を備える
請求項6に記載の導線の導通確認方法。 - 前記第3工程では、前記第2工程で用いられる前記第1電位差センサよりも高感度な電位差センサを前記第2電位差センサとして用いる
請求項7に記載の導線の導通確認方法。 - 前記第1電位差センサ及び前記第2電位差センサは、無人で移動可能な無人移動体に設けられており、
前記第2工程では、前記無人移動体を移動させることにより、該無人移動体に設けられた前記第1電位差センサによって前記第2端の周囲に形成された電界を検出し、
前記第3工程では、前記無人移動体を前記ブレードに沿って移動させることにより、該無人移動体に設けられた前記第2電位差センサによって前記ブレードの周囲に形成された電界を検出する
請求項7または8に記載の導線の導通確認方法。
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