JP2022140388A - プロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】低トルク化とクリーニング性の両立を実現するプロセスカートリッジを提供すること。【解決手段】支持体および感光層を有する、ドラム形状の電子写真感光体と、トナーを用いて該電子写真感光体の外表面上の静電潜像を現像するための現像手段と、該電子写真感光体の外表面上のトナーを除去するためのクリーニングブレードと、を備えたプロセスカートリッジであって、該電子写真感光体は、外表面の全体に亘って皺を有し、該トナーの流動性トルクEが320mJ以上であることを特徴とするプロセスカートリッジ。【選択図】図1

Description

本発明は電子写真装置に用いるプロセスカートリッジに関する。
電子写真装置に用いられる電子写真感光体は、ドラム形状の電子写真感光体(以下「電子写真感光ドラム」または「感光ドラム」とも表記する。)が一般的である。電子写真装置において、電子写真感光ドラムの表面には、帯電、露光、現像、転写、クリーニングの繰り返し工程において、様々な電気的外力、機械的外力が加えられる。中でもクリーニングにおける、電子写真感光ドラム表面とクリーニングブレードの間に生じる摩擦力は大きく、電子写真感光ドラム表面の摩耗やクリーニング力の低下による画像の乱れに影響する。
電子写真感光ドラム表面の摩耗を軽減するため、表面層材料の改良が進められており、表面層に硬化性樹脂などの耐摩耗性に優れる材料を用いて、耐摩耗性を向上させる改良技術が従来から検討されている。
電子写真感光ドラムは、一般的には、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程からなる電子写真画像形成プロセスに用いられる。その中で転写工程後の電子写真感光ドラム上の残存トナーを除去するクリーニング工程は、鮮明な画像を得る上で重要な工程である。このクリーニングの方法としては、ゴム状のクリーニングブレードを電子写真感光ドラムに圧接し、トナーを掻き取る方法が一般的である。
一方で、耐摩耗性を上げるため、電子写真感光ドラム表面に凹凸を形成することでクリーニングブレードとの接触面積を減らし、摩擦力を低減する改良も行われている。摩擦力を低減すると、電子写真感光ドラム表面の摩耗が抑制され、クリーニングブレードとの、接触トルクも下げることができる。
特許文献1には、クリーニング性を向上することを目的として、電子写真感光ドラムの表面に特定の溝形状を有する電子写真感光ドラムが開示されている。
特許文献2には、高いクリーニング性能とクリーニングブレード巻き込みの抑制とを両立することを目的として、トナー像担持体の外周面に特定の溝形状を有するトナー像担持体が開示されている。
特許文献3には、電子写真感光ドラムの表面に、型部材の凹凸形状を転写する加工を施すことにより、高温環境下でも凹凸形状の安定性が高い表面を有する電子写真感光ドラムが得られることが開示されている。
特開2010-26240号公報 特開2010-250355号公報 特開2015-161786号公報
近年の電子写真装置では、更なる低トルク化、かつ、クリーニング不良を起こさないことが求められている。クリーニング工程においてクリーニングブレードと電子写真感光ドラム表面上にはトナーの添加剤などによる阻止層と呼ばれる、小さな粒子の堆積層が形成される。クリーニングにおいて、この阻止層の維持は重要である。クリーニング不良とは、この阻止層が何らかの要因で破壊されトナーや外添剤がクリーニングブレードからすり抜ける現象のことを指す。クリーンニング不良が発生すると、画像にスジ上の画像不良が発生してしまい、画像に出ることがなくてもすり抜けた微小のトナーや外添剤がドラム表面に存在帯電ローラーに付着してしまい、帯電不良等の問題を引き起こす。クリーニングブレードの当接圧を強くすることで、トナーのすり抜けを抑制することが可能だが、トルクが上昇してしまう。
特許文献1、および特許文献2に開示された技術では、電子写真感光ドラムとクリーニングブレードとの間の摩擦力低減による低トルク化はみられるものの、プロセス方向と平行な溝を加工しているため、トナーや添加剤がすり抜けてしまい、クリーニング不良が発生する場合があった。
したがって、本発明の目的は低トルク化とクリーニング性の向上の両立を実現するプロセスカートリッジを提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明に係るプロセスカートリッジは、支持体および感光層を有する、ドラム形状の電子写真感光体と、トナーを用いて該電子写真感光体の外表面上の静電潜像を現像するための現像手段と、該電子写真感光体の外表面上のトナーを除去するためのクリーニングブレードと、を備えたプロセスカートリッジであって、該電子写真感光体は、外表面の全体に亘って皺を有し、該トナーの流動性トルクEが320mJ以上であることを特徴とする。
本発明によれば、低トルク化とクリーニング性の両立を実現するプロセスカートリッジを提供することができる。
電子写真感光ドラムが有する皺の凹凸形状の一例を示す図であり、(A)は電子写真感光ドラムの外表面の上面図、(B)は電子写真感光ドラムの外表面における表面観察から得た高さ情報を示すグラフである。 電子写真感光ドラムを備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す図である。 粉体流動性分析装置のプロペラ型ブレードの外観を示した図である。 比較例において電子写真感光ドラムの外表面を研磨するために用いた研磨機を示す図である。 本発明に係る電子写真感光ドラムが有する皺の凹凸形状の一例を示す図であり、電子写真感光ドラムの外表面の上面を表す図である。 本発明に係る電子写真感光ドラムについて数値解析して得られた結果の一例を示す図であり、(A)は、電子写真感光ドラムが有する外表面の皺について、周波数解析して得られた二次元パワースペクトルF(r,θ)を示す図、(B)は、二次元パワースペクトルF(r,θ)を、θ方向に積算して得られた一次元の動径方向分布関数を示す図、(C)は、一次元の動径方向分布関数p(r)が極大値をとるときの周波数rpについて、二次元パワースペクトルF(r,θ)から角度分布q(θ)を計算したときの、全θ範囲におけるパワー値のばらつきを示す図である。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
表面に溝形状を設ける従来技術では、溝形状の方向が電子写真感光ドラムの回転方向と平行な構成としていたので、特にクリーニングブレードの当接圧が低い場合、溝形状部を通して電子写真感光ドラム上の残存トナーがクリーニングブレードの当接部をすり抜けることでスジ状の画像欠陥や帯電ローラーの汚れが発生してしまっていたことが分かった。
そこで本発明者らは、鋭意検討の結果、プロセスカートリッジを以下のような構成にすることで、上記課題を解決できることを見出した。
具体的には、本発明に係るプロセスカートリッジは、支持体および感光層を有する電子写真感光ドラムと、トナーを用いて該電子写真感光ドラムの外表面上に現像するための現像手段と、該電子写真感光ドラムの外表面上のトナーを除去するためのクリーニングブレードと、を備えたプロセスカートリッジであって、該電子写真感光ドラムは、外表面の全体に亘って皺を有し、該トナーの流動性トルクEが320mJ以上であることを特徴とする。
ここで、電子写真感光ドラムが、外表面の全体に亘って山脈状の皺を有することは、例えば次のようにして確認することができる。なお、本発明における皺とは、複数の山脈状の凸面が間隔を置いて配置されたパターンである凹凸を意味する。
電子写真感光ドラムの外表面において、電子写真感光ドラムを軸方向に20等分する19本の線分と、周方向に4等分する4本の線分との交点76か所をそれぞれ中心点とする観察領域を置く。各観察領域は、一辺が50.0μmの正方形の領域とし、各観察領域の向きは、観察領域を形成する正方形の1辺が感光ドラムの周方向と平行になる向きとする。このとき、76の各観察領域について、次のことが成り立つ。
観察領域の中心点を通り、電子写真感光ドラムの周方向に平行な第1基準線をL1とする。また、該中心点を中心として、該第1基準線L1を0.1°毎に回転させて得られる1799本の基準線を各々L2~L1799とする。このとき、L1~L1799のそれぞれが、皺の凸部と複数個所において交差し、該複数個所から選ばれる少なくとも2つは互いに異なる交差角を有する。
<電子写真感光ドラムの構成>
本発明に係るプロセスカートリッジが有する電子写真感光ドラム(ドラム形状の電子写真感光体)は、支持体および該支持体上の感光層を有する電子写真感光ドラムであって、該電子写真感光ドラムの外表面は山脈状の皺を有することを特徴とする。
図1(A)は、電子写真感光ドラムの外表面の任意の位置に置いた一辺が50.0μmの正方形の観察領域の一例を示す上面図である。本発明における山脈状の皺とは、図1(A)に示すように、電子写真感光ドラムの表面を上面視した場合に観察可能なストライプ状の凹凸形状である。そのストライプ形状は単一方向に分布するのではなく、曲線部分、途切れた部分、分岐した部分などで構成されている。
また、本発明における皺を形成する凸部の稜線とは、図1(A)の1aに示すように、電子写真感光ドラムの表面を上面から観察したとき、ストライプ状の凹凸形状の凸部の頂点を結んでできる直線または曲線を指す。
上面観察によって凸部を特定し、稜線を得る方法としては、特に限定されないが、例えば、共焦点レーザー顕微鏡を用いて測定した高さ情報を、画像解析することで特定することができる。図1(B)は、図1(A)から得られた、凹凸形状の断面プロファイルの一例である。図1(B)の1bで示された凸形状の頂点を特定することで、図1(A)の1aに示すような皺の稜線を得ることができる。
また、本発明において、皺の稜線は、その稜線内に複数の曲率を有する。曲率とは、曲線の曲がり具合を表す量であり、曲率χは、曲線上の任意の点近傍を円で近似したとき、数式(I)で示されるように、その円の半径Rの逆数として得られる。
Figure 2022140388000002
(ただし、sは曲線の円弧に対応する部分の長さを表し、rは曲線上の任意の点の位置ベクトルである。)
例えば、図5中の5bに示す点では、皺の稜線5aの曲がり具合が大きいため、曲率は大きくなり、図5中の5cに示す点では、皺の稜線5aの曲がり具合が小さいため、曲率は小さくなる。
皺の稜線は、一辺が50.0μmの正方形の観察領域内において複数の変曲点を有することが好ましい。変曲点とは、図5中の5dに示すように、曲線の湾曲方向が変化する点を指し、変曲点において、曲率は0となる。
本発明がその効果を奏する詳細な作用機序については、以下のように推定している。まず、皺が、一定の範囲において所定の数以上の凸部を有することで、クリーニングブレードが電子写真感光ドラムに当接する時の接触面積を減らし、摩擦力を低減させていると推測される。さらに、皺の凸部の稜線が様々な方向を向いているため、電子写真感光ドラムの回転に際して、凹部を通じたトナーのすり抜けも抑制されると推測される。
本発明に係る電子写真感光ドラムは、以下の条件を満たすことが好ましい。
すなわち、上記観察領域において、皺の高さ情報を周波数解析し、周波数成分をr、角度成分をθとして二次元パワースペクトルF(r,θ)を得たとき、該二次元パワースペクトルF(r,θ)をθ方向に積算して得られた一次元の動径方向分布関数p(r)が少なくとも一つの極大値を有し、一次元の動径方向分布関数p(r)が極大値をとるときの周波数rpについて、二次元パワースペクトルF(r,θ)から角度分布q(θ)を計算したとき、全θ範囲におけるパワー値のばらつきが10%以下である。
本発明者らが検討した結果、図1に示したように、電子写真感光ドラムの外表面が皺を有し、その皺の凹凸形状が所定の周期性を有する場合に、本発明の効果を高く得られることがわかった。
皺の凹凸形状の周期性を求める方法としては、特に限定されないが、例えば、電子写真感光ドラムの外表面における表面観察から高さ情報を得た後、得られた結果を2次元フーリエ変換を用いて解析する方法が挙げられる。
具体的には、データ数N×Nで皺の高さ情報を得たとき、面内の任意の点(n,m)における高さをhn,mとすると、離散的なフーリエ変換によって得られる二次元パワースペクトルP(k,l)は以下の数式(II)で与えられる。
Figure 2022140388000003
ここでfk,lは以下の数式(III)で与えられる。
Figure 2022140388000004
(ただし、k、lはそれぞれ水平方向の周波数、垂直方向の周波数である。)
さらに、数式(II)で得られた二次元パワースペクトルP(k,l)を直交座標系(k,l)から極座標系(r,θ)に変換したものを二次元パワースペクトルF(r,θ)で表す。ここで、r、θはそれぞれ、以下の数式(IV)、数式(V)を満たす。
Figure 2022140388000005
Figure 2022140388000006
なお、本発明においては、一辺が50.0μmの正方形の観察領域において、正方形のそれぞれの辺に平行な2つの各方向に対して0.25μm以下の一定の間隔で測定して得た高さ情報を解析に用いる。
図6は、本発明に係る電子写真感光ドラムについて数値解析して得られた結果の一例を示す図であり、図6(A)は、電子写真感光ドラムが有する外表面の皺について、周波数解析して得られた二次元パワースペクトルF(r,θ)を示す図である。また、図6(B)は、得られた二次元パワースペクトルF(r,θ)を、θ方向に積算して得られた一次元の動径方向分布関数を示す図である。また、図6(C)は、一次元の動径方向分布関数p(r)が極大値をとるときの周波数rpについて、二次元パワースペクトルF(r,θ)から角度分布q(θ)を計算したときの、全θ範囲におけるパワー値のばらつきを示す図である。
図6(B)に示すように、本発明に係る電子写真感光ドラムは、二次元パワースペクトルF(r,θ)を動径方向に一次元化して得られた動径方向分布関数p(r)が、少なくとも一つの極大値を有することが好ましい。これは、電子写真感光ドラムの外表面が有する皺の凹凸が、一定の間隔で分布していることを意味する。
また、図6(C)に示すように、p(r)が極大となる周波数rpについて、F(rp,θ)の角度分布q(θ)を計算したとき、全θ範囲におけるパワー値のばらつきが一定の範囲内であることが好ましく、具体的には10%以下であることが好ましい。これは、電子写真感光ドラムの外表面が有する皺の凹凸形状がもつ周期性が、電子写真感光ドラムの面内の任意の方向について均一に分布していることを意味する。
電子写真感光ドラムの外表面の任意の位置に、一辺が50.0μmの正方形の観察領域を置き、皺を形成する凸部の稜線の接線と、電子写真感光ドラムの周方向に平行な線とのなす角をθとしたとき、上記観察領域は、θが45度~135度の範囲内にある皺の稜線部分を1つ以上含むことが好ましい。ここで、θは、図1(A)に示す例で説明すると、例えば、皺を形成する凸部の稜線上の点1cにおける接線TLと、電子写真感光ドラムの周方向に平行な線CLとのなす角である。
また、上記観察領域において、皺を形成する凸部の稜線の上に5.0μm間隔で観察点を置いたとき、θが45度~135度の範囲内にある観察点が、上記観察領域の中にある観察点の過半数を占めることがより好ましい。
本発明において、皺について電子写真感光ドラムの周方向に断面プロファイルをとったとき、該断面プロファイルなだらかであることが好ましい。ここで、なだらかである、とは、皺の断面プロファイルを示す曲線の曲率半径が5μm以上であることを意味する。
また、本発明において、電子写真感光ドラムの表面に存在する凹凸形状が、以下の条件を満たすことが好ましい。
皺を形成する凸部の稜線の接線と、電子写真感光ドラムの周方向に平行な線とのなす角をθとしたとき、θが45度~135度の範囲内にある稜線部分を有する隣り合った凸部の稜線の間の距離の平均値Laveが1.0μm以上20.0μm以下であり、上記稜線部分を有する凸部の高さの平均値haveが0.5μm以上3.0μm以下である。
ここで上記距離の平均値Laveは、次のようにして求めることができる。
電子写真感光ドラムの外表面の特定の76か所に一辺が50.0μmの正方形の観察領域を置き、各観察領域について以下の測定を行う。
まず観察領域内にある、45~135度までに接線角度を持つ皺成分の稜線から任意に5箇所を選択する。
次に、選んだ5箇所のそれぞれの点から、隣にある45~135度までに接線角度を持つ皺成分(両サイドにある2つの皺成分のうち近い方)の稜線までの最短の距離を測定する。
75か所の各観察領域で得られた5箇所の測定値、計75×5=375の値について算術平均を求め、得られた値をLaveとする。
なお、2つの「45~135度までに接線角度を持つ皺成分」の間に、「45~135度までに接線角度を持たない皺成分」がある場合は、その2つの「45~135度までに接線角度を持つ皺成分」は隣り合っていない、として距離を測定する対象からは除外する。任意に選んだ5箇所にそのような皺成分上の点が含まれる場合は、選びなおす。
また、上記高さの平均値haveは、上記距離の平均値Laveを求めるために選んだ箇所と同じ個所について高さを測定し、得られた測定値の算術平均を求めることで決定することができる。高さの測定においては、高さを求める稜線上の点から最も近い谷底(当該稜線の両サイドにある谷底2か所)からの高さを測定し、稜線の両サイドの谷底を基準として得られた2つの値を平均する。
<トナーの構成>
トナーは、以下の関係式(1)を満足することを特徴とする。
320(mJ)≦E (1)
上記式(1)におけるEは、粉体流動性分析装置においてプロペラ型ブレードの最外縁部の周速を10mm/sで回転させながら容器内の3kPaの荷重負荷を与えたトナー粉体層中に垂直に進入させ、該粉体層の底面から80mmの位置から測定を開始し、底面から20mmの位置まで進入させた時に得られる、回転トルクと垂直荷重の総和を表している。つまり、Eの値が大きくなることはトナーの流動性が低くなることを意味する。
〔E(mJ)の測定方法〕
本発明におけるE(mJ)は、「粉体流動性分析装置パウダーレオメータFT4」(Freeman Technology社製、以下、FT4と省略する場合がある。)を用いることによって測定する。
具体的には、以下の操作により測定を行う。
全ての操作において、プロペラ型ブレードは図3に示すFT4専用の23.5mm径ブレード31(材質:SUS、以下、ブレードと省略する場合がある。)を用いる。測定容器は、FT4専用の円筒状のスプリット容器(型番:C4031、材質:ガラス、直径25mm、以下、容器と省略する場合がある。)を用いる。
(1)圧縮操作
トナー粉体層に3kPaの圧力を加えて、圧縮する。
具体的には圧縮試験用ピストン(直径24mm、下部メッシュ張り)を上記プロペラ型ブレード31の代わりに装着する。容器にトナーを7.0g入れ、このピストンを0.1mm/sで下降させてトナーを圧縮する。ピストンへの負荷が3kPaになったら下降を停止しそのまま60秒ホールドし、圧縮粉体層を形成する。この操作を3回繰り返し、圧縮粉体層を形成する。最後に圧縮粉体層を上述のFT4専用容器のスプリット部分ですり切り、圧縮粉体層上部のトナーを取り除く。
(2)測定操作
プロペラ型ブレード31を、ブレード31の最外縁部の周速が10mm/secとなるように、粉体層表面に対して反時計回り(ブレード31の回転により粉体層が押し込まれる方向)に回転する。このブレード31を、なす角が5°となる進入速度で、粉体層表面から、トナー粉体層の底面から80mmの位置まで垂直方向に進入させる。その後、ブレード31の最外縁部の周速が10mm/sとなるように、粉体層表面に対して反時計回りに回転し、粉体層への垂直方向の進入速度をなす角が5°となる進入速度で、粉体層の底面から20mmの位置まで進入させる。さらに、なす角が2°の速度で、粉体層の底面から100mmの位置までブレード31を移動させ、抜き取りを行う。
ここで、進入速度に係るなす角とは、ブレードを回しながら垂直に移動させた際に、横から観察されるプロペラの最縁部の螺旋の軌跡と、トナー粉体層とのなす角度である。
抜き取りが完了したら、ブレード31を時計回り、反時計回りに交互に小さく回転させることでブレード31に付着したトナーを払い落とす。トナー粉体層の底面から80mmの位置から20mmの位置までブレード31を進入させた時に得られる回転トルクの移動距離に対する積分値と垂直荷重の移動距離に対する積分値との和Etを、Eとする。
<効果を発現するメカニズム>
低トルク化とクリーニング不良の抑制に対して、上記構成のプロセスカートリッジが効果的であるメカニズムを発明者らは以下のように考えている。
山脈状の皺が存在することで、クリーニングブレード当接時の接触面積を減らし、摩擦力を低減させていると推定される。山脈上の皺の稜線は様々な方向を向いているため、溝状加工で発生するようなトナーが一か所に集中してブレードをすり抜けることによる、スジのような画像弊害は発生しない。しかし、低流動性のトナーを用いた場合、山脈上の皺斜面からトナーは種々の力を受けて、堆積層手前でトナーが循環するように動いてしまい、微小のトナー・外添剤がブレードの隙間から漏れだしてしまう。結果、画像弊害にはならずとも帯電部材を汚してしまう。そこで、流動性の低いトナーを組み合わせることで、阻止層手前でのトナーの流動を抑制することが可能となり、阻止層の破壊が起きずにトナーすり抜けが抑制され、クリーニング不良が発生しなくなる。一般に流動性が低いトナーを用いると、トルクが上昇してしまうが、感光ドラム表面の皺形状によって、クリーニング工程でのトルクの上昇を抑えることが可能となり、トルク低減とクリーニング不良の抑制を高次に両立可能にしている。
以上のメカニズムで示したように、本開示の一態様に係るプロセスカートリッジの中で上記感光ドラムと上記トナーとの各構成が相乗的に効果を及ぼし合うことによって、本開示に係る効果を達成することが可能となる。
以下、本開示の一態様に係る電子写真感光ドラムの構成について詳細に説明する。
[電子写真感光ドラム]
電子写真感光ドラムは、支持体と、支持体上に設けられた感光層および硬化性樹脂を含有する表面層を有する。電子写真感光ドラムを製造する方法としては、後述する各層の塗布液を調製し、所望の層の順番に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布、ロール塗布、ダイ塗布、ブレード塗布、カーテン塗布、ワイヤーバー塗布、リング塗布などが挙げられる。これらの中でも、効率性および生産性の観点から、浸漬塗布が好ましい。
以下、支持体および各層について説明する。
<支持体>
本発明において、電子写真感光ドラムは、支持体を有する。本発明において、支持体は導電性を有する導電性支持体であることが好ましい。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレスや、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合または被覆するなどの処理によって、導電性を付与してもよい。
<導電層>
本発明において、支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。
導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有することが好ましい。
導電性粒子の材質としては、金属酸化物、金属、カーボンブラックなどが挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤などで処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウムなど元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、芯材粒子と、その粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。芯材粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。被覆層としては、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その体積平均粒子径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
また、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタンなどの隠蔽剤などをさらに含有してもよい。
導電層の平均膜厚は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
導電層は、上述の各材料および溶剤を含有する導電層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。導電層用塗布液中で導電性粒子を分散させるための分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
<下引き層>
本発明において、支持体または導電層の上に、下引き層を設けてもよい。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。
下引き層は、樹脂を含有することが好ましい。また、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として下引き層を形成してもよい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、メチロール基、アルキル化メチロール基、エポキシ基、金属アルコキシド基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、カルボン酸無水物基、炭素-炭素二重結合基などが挙げられる。
また、下引き層は、電気特性を高める目的で、電子輸送物質、金属酸化物、金属、導電性高分子などをさらに含有してもよい。これらの中でも、電子輸送物質、金属酸化物を用いることが好ましい。
電子輸送物質としては、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物などが挙げられる。電子輸送物質として、重合性官能基を有する電子輸送物質を用い、上述の重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
金属酸化物としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。金属としては、金、銀、アルミなどが挙げられる。
また、下引き層は、添加剤をさらに含有してもよい。
下引き層の平均膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.2μm以上40μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
下引き層は、上述の各材料および溶剤を含有する下引き層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥および/または硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
<感光層>
電子写真感光ドラムの感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、を有する。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層を有する。
(1)積層型感光層
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層と、を有する。
(1-1)電荷発生層
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。
また、電荷発生層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤をさらに含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、などが挙げられる。
電荷発生層の平均膜厚は、0.1μm以上1μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.4μm以下であることがより好ましい。
電荷発生層は、上述の各材料および溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
(1-2)電荷輸送層
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましく、下記の構造のものが好適に用いられる。
Figure 2022140388000007
(式(1)中、R~R10は、それぞれ独立して、水素原子、またはメチル基を表す。)
式(1)で示される構造の例を式(1-1)~(1-10)に示す。この中でも、式(1-1)~(1-6)で示される構造がより好ましい。
Figure 2022140388000008
Figure 2022140388000009
Figure 2022140388000010
Figure 2022140388000011
Figure 2022140388000012
Figure 2022140388000013
Figure 2022140388000014
Figure 2022140388000015
Figure 2022140388000016
Figure 2022140388000017
樹脂としては、熱可塑性樹脂が用いられ、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂としては、特にポリアリレート樹脂が好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、25質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10~20:10が好ましく、5:10~12:10がより好ましい。
また、電荷輸送層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
電荷輸送層の平均膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、8μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
電荷輸送層は、上述の各材料および溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中でも、エーテル系溶剤または芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
(2)単層型感光層
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂および溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様である。
<保護層>
本発明において、感光層の上に、保護層を設けてもよい。保護層を設けることで、耐久性を向上することができる。
保護層は、導電性粒子および/または電荷輸送物質と、樹脂とを含有することが好ましい。
導電性粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物の粒子が挙げられる。
電荷輸送物質としては、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。また、保護層は、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として形成してもよい。その際の反応としては、熱重合反応、光重合反応、放射線重合反応などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーとして、電荷輸送能を有する材料を用いてもよい。
重合性官能基を有した化合物は、連鎖重合性官能基と同時に電荷輸送性構造有していてもよい。電荷輸送性構造としてはトリアリールアミン構造が電荷輸送の点で好ましい。連鎖重合性官能基としてはアクリロイル基、メタクリロイル基が好ましい。官能基の数は一つまたは複数有していても良い。中でも、複数の官能基を有した化合物と一つの官能基を有した化合物を含有して硬化膜を形成すると、複数の官能基同士の重合で生じたひずみが解消されやすいため、特に好ましい。
上記一つの官能基を有した化合物の例を(2-1)~(2-6)に示す。
Figure 2022140388000018
Figure 2022140388000019
Figure 2022140388000020
Figure 2022140388000021
Figure 2022140388000022
Figure 2022140388000023
上記複数の官能基を有した化合物の例を(3-1)~(3-7)に示す。
Figure 2022140388000024
Figure 2022140388000025
Figure 2022140388000026
Figure 2022140388000027
Figure 2022140388000028
Figure 2022140388000029
Figure 2022140388000030
保護層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤、などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
保護層は、上述の各材料および溶剤を含有する保護層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥および/または硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、スルホキシド系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
<電子写真感光ドラムの表面に凹凸を形成する方法>
電子写真感光ドラムの表面に凹凸を形成する方法としては、(1)皺形状の形成方法と、(2)型押し形状の形成方法に分類される。(1)皺形状は、熱膨張挙動の異なる膜を積層させ、加熱冷却することで得られるもので、図1(A)のようなパターンが形成される。(2)の型押し形状は、特許文献3にも開示されているように、金属などの型を感光ドラム表面に押し付けパターンを形成するもので、感光ドラムへの表面形状付与技術としても広く知られている。
(1)皺形状
皺形状の形成方法としては、熱可塑性樹脂を主成分とした電荷輸送層の上に、架橋性の硬化膜である保護層を形成した後、加熱処理を施して生成する。その際、保護層と電荷輸送層の変形量の違いにより、表面方向に圧縮応力がかかり、表面保護層が座屈することで皺形状が形成されると考えられる。
(2)型押し形状
型押し形状の形成方法としては、電子写真感光体に凹凸形状を有する型部材を加圧接触させることによって、該型部材の凹凸形状を該電子写真感光体の表面に転写する凹凸形状転写工程を有する。このとき、保護層の無い感光体でも凹凸形状は形成可能であるが、耐久性の面から、保護層を有することが好ましい。
図4に、電子写真感光体の表面に凹部を形成するための圧接形状転写加工装置の例を示す。
図4に示す圧接形状転写加工装置によれば、被加工物である電子写真感光体2-1を回転させながら、その表面(周面)に連続的に型部材2-2を接触させ、加圧することにより、電子写真感光体2-1の表面に凹部を形成することができる。
加圧部材2-3の材質としては、例えば、金属、金属酸化物、プラスチック、ガラスなどが挙げられる。これらの中でも、機械的強度、寸法精度、耐久性の観点から、ステンレス鋼(SUS)が好ましい。加圧部材2-3は、その上面に型部材が設置される。また、下面側に設置される支持部材(不図示)および加圧システム(不図示)により、支持部材2-4に支持された電子写真感光体2-1の表面に、型部材2-2を所定の圧力で接触させることができる。また、支持部材2-4を加圧部材2-3に対して所定の圧力で押し付けてもよいし、支持部材2-4および加圧部材2-3を互いに押し付けてもよい。
図4に示す例は、加圧部材2-3を電子写真感光体2-1の軸方向と垂直な方向に移動させることにより、電子写真感光体2-1が従動または駆動回転しながら、その表面を連続的に加工する例である。さらに、加圧部材2-3を固定し、支持部材2-4を電子写真感光体2-1の軸方向と垂直な方向に移動させることにより、または、支持部材2-4および加圧部材2-3の両者を移動させることにより、電子写真感光体2-1の表面を連続的に加工することもできる。
なお、形状転写を効率的に行う観点から、型部材2-2や電子写真感光体2-1を加熱することが好ましい。
型部材2-2としては、例えば、微細な表面加工された金属や樹脂フィルムや、シリコンウエハーなどの表面にレジストによりパターニングをしたものや、微粒子が分散された樹脂フィルムや、微細な表面形状を有する樹脂フィルムに金属コーティングを施したものなどが挙げられる。
また、電子写真感光体2-1に押し付けられる圧力を均一にする観点から、型部材2-2と加圧部材2-3との間に弾性体を設置することが好ましい。
以下、本開示の一態様に係るトナーの構成について詳細に説明する。
[トナー]
本発明のトナー粒子の製造方法は、上記流動性トルクを達成可能なものであれば特に限定することがなく、公知の製造方法が使用可能である。
公知の製造方法の中でも本発明のトナー粒子は、ラジカル重合性モノマーと着色剤とを分散し、ついで水系媒体等に所望のトナー粒径になるように液滴分散し、懸濁重合させる工程を経てトナー粒子を調製する懸濁重合法トナーであることが好ましい。これは、粒度分布がシャープであり、球形度が高く、かつ表面の材質がほぼ均一な粒子を形成することができるため、安定した流動性や、優れた帯電特性を得られやすいためである。
以下、本発明に用いられるトナー粒子を得る上で最も好適な懸濁重合法を例示して、該トナー粒子の製造方法を説明する。
重合性単量体、着色剤、極性樹脂、離型剤および必要に応じた他の添加物を、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機の如き分散機に依って均一に溶解または分散させ、これに重合開始剤を溶解し、重合性単量体組成物を調製する。
次に、該重合性単量体組成物を分散安定剤含有の水系媒体中に分散して造粒して粒子を形成し、粒子中の重合性単量体を重合させることによってトナー粒子を製造する。
前記重合開始剤は、重合性単量体中に他の添加剤を添加する時に同時に加えても良いし、水系媒体中に該重合性単量体組成物を分散する直前に混合しても良い。
また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えることもできる。
本発明において、分散時、造粒時、重合反応を開始する前に、pH調整のため適当な酸を添加することが好ましい。
本発明のトナーに用いられる酸としては、一般的に用いられている塩酸、硫酸、硝酸などの酸を用いることができる。
重合時の水溶液を適当なpHに調整することによって、より均一な帯電性能を有するトナーを得ることが可能である。
該重合性単量体組成物の分散工程から重合工程に至る重合反応時に極性樹脂を添加すると、トナー粒子となる重合性単量体組成物と水系分散媒体の呈する極性のバランスに応じて、極性樹脂の存在状態を制御することができる。
即ち、極性樹脂を添加することで、樹脂層に応じた機能分離が可能となる。また、懸濁重合法により得られるトナー粒子は、離型剤成分を内包化しているコアシェル構造を有しているため好ましい。
極性樹脂としては、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体が挙げられる。
本発明のトナーに用いられる結着樹脂を構成する重合性単量体としては、一般的に用いられているスチレン-アクリル共重合体、スチレン-メタクリル共重合体、エポキシ樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体が挙げられる。
前記結着樹脂を構成する重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体を用いることが可能である。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することができる。
結着樹脂を構成するための重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。スチレン;o-(m-、p-)メチルスチレン、m-(p-)エチルスチレンの如きスチレン系単量体;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ベヘニル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチル、アミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きアクリル酸エステル系単量体或いはメタクリル酸エステル系単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキセン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミドの如きエン系単量体。
本発明においては、トナー粒子の機械的強度を高めると共に、トナーのTHF可溶成分の分子量を制御するために、結着樹脂を合成する時に架橋剤を用いてもよい。
2官能の架橋剤として、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、ビス(4-アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1、3-ブチレングリコールジアクリレート、1、4-ブタンジオールジアクリレート、1、5-ペンタンジオールジアクリレート、1、6-ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、および前記のジアクリレートをジメタクリレートに代えたもの。
多官能の架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレートおよびそのメタクリレート、2、2-ビス(4-メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートおよびトリアリルトリメリテート。
本発明に用いられる離型剤は、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックスおよびその誘導体;モンタンワックスおよびその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックスおよびその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックスおよびその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックスおよびその誘導体;高級脂肪族アルコール;ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸;酸アミドワックス;エステルワックス;硬化ヒマシ油およびその誘導体;植物系ワックス;動物性ワックス等が用いられる。この中で特に、離型性に優れるという観点からパラフィンワックス、エステルワックスおよび炭化水素ワックスが好ましい。
本発明のトナーに用いられる重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。2,2’-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert-ブチル-パーオキシピバレートの如き過酸化物系重合開始剤。重合開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に、単独または混合して使用される。
本発明のトナーは、着色力を付与するために着色剤を必須成分として含有する。本発明に好ましく使用される着色剤として、以下の有機顔料、有機染料、無機顔料が挙げられる。
シアン系着色剤としての有機顔料または有機染料としては、銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が挙げられる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー。
マゼンタ系着色剤としての有機顔料または有機染料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド254。
イエロー系着色剤としての有機顔料または有機染料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー176、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー191、C.I.ピグメントイエロー194。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、前記イエロー系着色剤/マゼンタ系着色剤/シアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
これらの着色剤は、単独または混合しさらには固溶体の状態で用いることができる。本発明のトナーに用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中の分散性の点から選択される。
本発明においては重合法を用いてトナー粒子を得る場合には、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要があり、好ましくは、重合阻害のない物質による疎水化処理を着色剤に施しておいたほうが良い。
前記水系媒体調製時に使用する分散安定剤としては、公知の無機系および有機系の分散安定剤を用いることができる。
具体的には、無機系の分散安定剤の例としては、以下のものが挙げられる。リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ。
また、有機系の分散剤としては、以下のものが挙げられる。ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン。
また、市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤の利用も可能である。この様な界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム。
本発明のトナーに用いられる水系媒体調製時に使用する分散安定剤としては、無機系の難水溶性の分散安定剤が好ましく、しかも酸に可溶性である難水溶性無機分散安定剤を用いることが好ましい。
本発明において、前記のような分散安定剤が分散された水系媒体を調製する場合には、市販の分散安定剤をそのまま用いて分散させてもよい。
また、細かい均一な粒度を有する分散安定剤の粒子を得るために、水の如き液媒体中で、高速撹拌下、分散安定剤を生成させて水系媒体を調製してもよい。
例えば、リン酸三カルシウムを分散安定剤として使用する場合、高速撹拌下でリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合してリン酸三カルシウムの微粒子を形成することで、好ましい分散安定剤を得ることができる。
本発明のトナーにおいては、必要に応じて荷電制御剤をトナー粒子と混合して用いることも可能である。荷電制御剤を配合することにより、荷電特性の向上と安定化、現像システムに応じた最適の摩擦帯電量のコントロールが可能となる。
荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。
さらに、トナー粒子を直接重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系媒体への可溶化物が少ない荷電制御剤が特に好ましい。
荷電制御剤として、トナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸およびダイカルボン酸系の金属化合物。他には、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノおよびポリカルボン酸およびその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類なども含まれる。さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、樹脂系帯電制御剤が挙げられる。
この中でも、荷電制御剤としてスルホン酸系官能基を有する重合体は、スルホン酸基、スルホン酸塩基またはスルホン酸エステル基を有する重合体または共重合体であることが好ましい。
なお、本発明におけるEの値を制御する方法は、トナー粒子に添加する無機微粒子について、種類や添加量、添加条件を変えることによって制御する方法が挙げられる。
[プロセスカートリッジ、電子写真装置]
本発明に係るプロセスカートリッジは、これまで述べてきた電子写真感光ドラムと、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
また、本発明に係る電子写真装置は、これまで述べてきた電子写真感光ドラム、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする。
図2に、電子写真感光ドラムを備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の一例を示す。
1は円筒状の電子写真感光ドラムであり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光ドラム1の表面は、帯電手段3により、正または負の所定電位に帯電される。なお、図においては、ローラー型帯電部材によるローラー帯電方式を示しているが、コロナ帯電方式、近接帯電方式、注入帯電方式などの帯電方式を採用してもよい。帯電された電子写真感光ドラム1の表面には、露光手段(不図示)から露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。電子写真感光ドラム1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像され、電子写真感光ドラム1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光ドラム1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写される。トナー像が転写された転写材7は、定着手段8へ搬送され、トナー像の定着処理を受け、電子写真装置の外へプリントアウトされる。電子写真装置は、転写後の電子写真感光ドラム1の表面に残ったトナーなどの付着物を除去するための、クリーニング手段9を有していてもよい。また、クリーニング手段9を別途設けず、上記付着物を現像手段5などで除去する、所謂、クリーナーレスシステムを用いてもよい。電子写真装置は、電子写真感光ドラム1の表面を、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理する除電機構を有していてもよい。また、本発明に係るプロセスカートリッジ11を電子写真装置本体に着脱するために、レールなどの案内手段12を設けてもよい。
電子写真感光ドラムは、レーザービームプリンター、LEDプリンター、複写機などに用いることができる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
<電子写真感光ドラムの製造>
〔感光ドラム1の製造法〕
直径24mm、長さ257.5mmのアルミニウムシリンダー(JIS-A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
[導電層]
次に、以下の材料を用意した。
・金属酸化物粒子としての酸素欠損型酸化スズ(SnO)で被覆されている酸化チタン(TiO)粒子(平均一次粒子径230nm)214部
・結着材料としてのフェノール樹脂(フェノール樹脂のモノマー/オリゴマー)(商品名:プライオーフェンJ-325、DIC(株)製、樹脂固形分:60質量%)132部
・溶剤としての1-メトキシ-2-プロパノール98部
これらを、直径0.8mmのガラスビーズ450部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。得られた分散液に、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(株)製、平均粒径2μm)を添加した。シリコーン樹脂粒子の添加量は、ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して10質量%となるようにした。また、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して0.01質量%になるように、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製)を分散液に添加した。次に、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料と表面粗し付与材の合計質量(すなわち、固形分の質量)が分散液の質量に対して67質量%になるように、メタノールと1-メトキシ-2-プロパノールの混合溶剤(質量比1:1)を分散液に添加した。その後、攪拌することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを1時間140℃で加熱することによって、膜厚が30μmの導電層を形成した。
[下引き層]
次に、以下の材料を用意した。
・電子輸送物質(式E-1)4部
・ブロックイソシアネート(商品名:デュラネートSBN-70D、旭化成ケミカルズ(株)製)5.5部
・ポリビニルブチラール樹脂(エスレックKS-5Z、積水化学工業(株)製)0.3部
・触媒としてのヘキサン酸亜鉛(II)(三津和化学薬品(株)製)0.05部
これらを、テトラヒドロフラン50部と1-メトキシ-2-プロパノール50部の混合溶剤に溶解して下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを30分間170℃で加熱することによって、膜厚が0.7μmの下引き層を形成した。
Figure 2022140388000031
[電荷発生層]
次に、CuKα特性X線回折より得られるチャートにおいて、7.5°および28.4°の位置にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン10部とポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX-1、積水化学工業社製)5部を用意した。これらをシクロヘキサノン200部に添加し、直径0.9mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で6時間分散した。これにシクロヘキサノン150部と酢酸エチル350部をさらに加えて希釈して電荷発生層用塗布液を得た。得られた塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、95℃で10分間乾燥することにより、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。
なお、X線回折の測定は、次の条件で行ったものである。
[粉末X線回折測定]
使用測定機:理学電気(株)製、X線回折装置RINT-TTRII
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:4.0°/min
サンプリング間隔:0.02°
スタート角度(2θ):5.0°
ストップ角度(2θ):40.0°
アタッチメント:標準試料ホルダー
フィルター:不使用
インシデントモノクロ:使用
カウンターモノクロメーター:不使用
発散スリット:開放
発散縦制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
平板モノクロメーター:使用
カウンター:シンチレーションカウンター
[電荷輸送層]
次に、以下の材料を用意した。
・上記構造式(1-1)で示される電荷輸送物質(正孔輸送性物質)5部
・上記構造式(1-3)で示される電荷輸送物質(正孔輸送性物質)5部
・ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)10部
・下記構造式(C-4)と下記構造式(C-5)の共重合ユニットを有するポリカーボネート樹脂0.02部(x/y=0.95/0.05:粘度平均分子量=20000)
これらを、トルエン60部/安息香酸メチル2.3部/テトラヒドロフラン12.8部の混合溶剤に溶解させることによって電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃20分間で乾燥させることによって、膜厚が16μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 2022140388000032
Figure 2022140388000033
[保護層]
次に、以下の材料を用意した。
・上記構造式(2-1)で示される化合物8部
・上記構造式(3-1)で示される化合物16部
・シロキサン変性アクリル化合物0.1部(サイマックUS270、東亜合成(株)製)
これらを、シクロヘキサン58部と1-プロパノール25部に混合し、撹拌した。このようにして、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を5分間40℃で乾燥させた。その後、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、ビーム電流5.0mAの条件で支持体(被照射体)を300rpmの速度で回転させながら、1.6秒間電子線を塗膜に照射した。最表面層位置の線量は15kGyであった。その後、窒素雰囲気下にて、25℃から100℃まで20秒かけて昇温させて第一の加熱を行い、膜厚1.5μmの保護層を形成した。電子線照射から、その後の加熱処理までの酸素濃度は10ppm以下であった。次に、大気中において、塗膜の温度が25℃になるまで自然冷却し、塗膜の温度が220℃になる条件で15分間の第二の加熱処理を行い、皺状の形状を形成した。このようにして、実施例1の保護層を有する円筒状(ドラム状)の電子写真感光ドラムを作製した。
〔感光ドラム2の製造法〕
保護層の膜厚を0.5μmにしたこと以外は、感光ドラム1と同様に製造した。
〔感光ドラム3の製造法〕
保護層の膜厚を0.3μmにしたこと以外は、感光ドラム1と同様に製造した。
〔感光ドラム4の製造法〕
電荷輸送層乾燥後に周方向に不織布で摺擦したのちに、保護層を塗布したこと以外は、感光ドラム1と同様に製造した。
摺擦処理方法としては、摺擦用の不織布としてトレシーMKシート(東レ(株)製)を用いた。不織布がよれないように張った状態にし、電荷輸送層まで形成した支持体の表面をちょうど接触させた位置から3mm押し込んで、支持体を60rpmで1秒回し、周方向に摺擦した。
〔感光ドラム5の製造法〕
保護層の膜厚を0.5μmにしたこと以外は、感光ドラム4と同様に製造した。
〔感光ドラム6の製造法〕
保護層の膜厚を0.3μmにしたこと以外は、感光ドラム4と同様に製造した。
〔感光ドラム7の製造法〕
電荷輸送層乾燥後に長手方向に不織布で摺擦したのちに、保護層を塗布したこと以外は、感光ドラム1と同様に製造した。
摺擦処理方法としては、摺擦用の不織布としてトレシーMKシート(東レ(株)製)を用いた。不織布がよれないように張った状態にし、電荷輸送層まで形成した支持体の表面をちょうど接触させた位置から3mm押し込んで、長手方向に摺擦した。
〔感光ドラム8の製造法〕
保護層の膜厚を0.5μmにしたこと以外は、感光ドラム7と同様に製造した。
〔感光ドラム9の製造法〕
保護層の膜厚を0.3μmにしたこと以外は、感光ドラム7と同様に製造した。
〔感光ドラム10の製造法〕
保護層塗工後の乾燥工程で第二加熱を実施しないで皺形状を形成させずに作製したこと以外は感光ドラム1と同様に製造した。
〔感光ドラム11の製造法〕
実施例1の電子写真感光ドラムの第二加熱を実施せずに作製した感光ドラムを用意した。この感光ドラムを図4に示す研磨機を用いて、下記条件で感光ドラム表面の研磨を行った。
研磨シートの送りスピード:400mm/min
感光ドラムの回転数:240rpm
研磨砥粒:炭化珪素
研磨砥粒の平均粒径:3μm
研磨時間:20秒
研磨方法は、シート状基材上に研磨砥粒が結着樹脂中に分散された層を設けてなる研磨シートを矢印方向に送りながら、電子写真感光ドラムを矢印方向に回転させながら20秒間押付けて粗面化処理をした。
<感光ドラムの評価>
感光ドラム1~5に対して、以下の評価を行った。
[表面形状観察および解析1]
電子写真感光ドラムの外表面について、θが45度~135度の範囲内にある稜線部分を有する隣り合った凸部の稜線の間の距離の平均値Laveおよび稜線部分を有する凸部の高さの平均値haveを上記に記載の方法により求めた。評価結果を表1に示す。
[表面形状観察および解析2]
電子写真感光ドラムの外表面の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK-X200)で拡大観察し、該電子写真感光ドラムが、外表面の全体に亘って皺を有するか否かについて確認した。さらに、先に記載した方法により、観察領域が、θが45度~135度の範囲内にある皺の稜線部分を1つ以上含むか否か、および、θが45度~135度の範囲内にある観察点が、前記観察領域の中にある該観察点の過半数を占めるか否かについて確認した。
すべての観察領域において以下の条件1、条件2および条件3について検証し、すべての条件を満たす場合をA、条件1、2を満たす場合をB、条件1のみを満たす場合をC、いずれも満たさない場合はDと判定した。
条件1:山脈状の皺を有する。
条件2:45°≦θ≦135°を達成する接線が少なくとも一つは存在する。
条件3:45°≦θ≦135°を達成する接線の個数が、θ<45°、135°<θを達成する接線よりも多い。
評価結果を表1に示す。
Figure 2022140388000034
<トナーの製造例>
以下、発明の実施例および比較例で用いたトナーの製造例について説明する。
はじめに、本発明の実施例および比較例で用いたトナーの製造例について説明する。
なお、本発明の実施例および比較例で用いたトナーは懸濁重合法により製造したトナー粒子を用いたが、本発明におけるトナー粒子は必ずしもこれに限定されるものでは無く、粉砕法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法により得られるトナー粒子も用いることができる。
〔トナー粒子の製造例〕
懸濁重合法により、以下の様にしてトナー粒子1を製造した。
下記材料を混合し、2時間撹拌して極性樹脂を溶解させ、極性樹脂含有単量体組成物を得た。
・スチレン 34.0質量部
・アクリル酸n-ブチル 30.0質量部
・極性樹脂(飽和ポリエステル樹脂〔テレフタル酸とPO変性ビスフェノールAから生成:Mp=9000、Tg=72℃、酸価=12.0mgKOH/g〕) 5.0質量部
・帯電制御剤 ボントロンE-88(オリエント化学社製) 1.0質量部
また、下記材料を混合し、アトライター(三井鉱山社製)にてジルコニアビーズ(3/16インチ)とともに200rpmで3時間撹拌し、ビーズを分離して着色剤分散液を得た。
・スチレン 36.0質量部
・着色剤 C.I.Pigment Blue 15:3 6.0質量部
次いで、
・極性樹脂含有単量体組成物 70.0質量部
・着色剤分散液 42.0質量部
上記材料を混合した。続いて混合物を60℃に加温し、10.0質量部のワックス(HNP-51:日本精蝋株式会社製)を加えた。次いで、重合開始剤パーブチルO(日油株式会社製)5.0質量部を添加し、5分間撹拌した。
一方、高速撹拌装置クレアミックス(エム・テクニック社製)を備えた容器中に0.1mol/L-NaPO水溶液875質量部および10%塩酸8.0質量部を添加し、回転数を15000rpmに調整し、60℃に加温した。ここに1.0mol/L-CaCl水溶液70質量部を添加し、微小な難水溶性分散剤Ca(POを含む水系媒体を調製した。重合性単量体組成物に上記重合開始剤投入後、5分経過後に、60℃の重合性単量体組成物を温度60℃に加温した水系媒体に投入し、クレアミックスを15000rpmで回転させながら15分間造粒した。その後高速撹拌機からプロペラ撹拌翼を有する撹拌機に変え、還流しながら60℃で5時間反応させた後、液温80℃とし、さらに5時間反応させた。重合終了後、液温を約20℃に降温し、希塩酸を加えて水系媒体のpHを3.0以下として難水溶性分散剤を溶解した。さらに洗浄、乾燥を行って、重量平均粒径(D4)が5.96μmのトナー粒子を得た。
〔シリカ微粒子1の製造例〕
撹拌付きオートクレーブに、BET比表面積300m/gの乾式シリカ(平均1次粒子=8nm)を入れ、窒素雰囲気下、ジメチルシリコーンオイル(動粘度 50cSt)を、乾式シリカ100部に対して、20部添加し、250℃で30分保持した。その後、取り出したのち、解砕処理を実施し、シリカ微粒子1を得た。
〔シリカ微粒子2の製造例〕
撹拌機、滴下ろうとおよび、温度計を備えた3Lのガラス製反応器に、メタノール687.9g、純水42.0gおよび28質量%アンモニア水47.1gを入れて混合した。得られた溶液を35度となるように調整し、撹拌しながらテトラメトキシシラン1100.0g(7.23mol)および5.4質量%アンモニア水395.2gを同時に添加した。テトラメトキシシランは5時間かけて、アンモニア水は4時間かけて、それぞれ滴下した。
滴下が終了した後も、さらに0.2時間撹拌を継続して加水分解を行うことにより、親水性球状ゾルゲルシリカ微粒子の懸濁液を得た。
その後、作製した該懸濁液のpHを約3.5に調整した。調整後、反応器を75℃に加熱し、イソプロピルアルコール220mlに8.8gのオクチルトリエトキシシランを溶解した溶液を、反応器内を撹拌しながら滴下した。滴下した後、5時間撹拌を続けた。
撹拌終了後、室温まで冷却、濾過する。ろ物をイオン交換水にて洗浄した後、120℃で一晩加熱乾燥した。その後、パルぺライザー(ホソカワミクロン(株)製)にて解砕処理を行い、目的のシリカ微粒子2を得た。
<トナー1の製造例>
トナー粒子:100.0質量部に対して、シリカ微粒子1:0.15質量部を加えてヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用い、4000rpmで10分間混合してトナー1を得た。
トナー1の流動性トルクEは346mJだった。
<トナー2からトナー4の製造例>
トナー1の製造例において、添加するシリカ微粒子との種類と添加量を表2に記載のものに変更する以外はトナー1の製造例と同様にして、トナー2からトナー4を得た。また、作製したトナーの流動性トルクEの値も表2に記載する。
Figure 2022140388000035
[実施例1]
電子写真装置としてヒューレットパッカード社製のレーザービームプリンター、商品名HP Color LaserJet CP4525ndの改造機を使用した。感光ドラムの回転モーターの駆動電流量を測定できるようにした。また、帯電ローラーへの印加電圧の調節および測定、像露光光量の調節および測定ができるように改造した。
また、シアンカートリッジを改造し、感光ドラムを感光ドラム1に付け替え、トナーをトナー1に詰め替えた。また、CRGのクリーニングブレードの電子写真感光ドラムに対する当接圧を、商品条件の40%に変更した。
[実施例2~11、比較例1~4]
実施例1において、感光ドラム、トナーを表4に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2~11および比較例1~4のプロセスカートリッジを用意した。
[評価]
実施例1~11、比較例1~4で作製したプロセスカートリッジを使用して、以下の条件で評価した。
[トルクの相対値評価]
A4サイズの普通紙に対し、印字比率5%のテストチャートによる画像出力を100枚出力した。帯電条件としては、暗部電位が-500V、露光条件としては、像露光光量を0.25μJ/cmに調整した。100枚出力時の駆動電流値(電流値A)を読み取った。得られた電流値が大きいほど、電子写真感光ドラムとクリーニングブレードとの摩擦力が大きいことを表す。
表面に皺形状の有さない感光ドラム10とトナー3を用いたプロセスカートリッジの測定値を電流値Bとし、相対値の対照とした。
このようにして得られた電子写真感光ドラムの回転モーターの駆動電流値(電流値A)と、駆動電流値(電流値B)との比を算出した。得られた(電流値A)/(電流値B)の数値を、トルクの相対値として比較した。相対値が小さいほど電子写真感光ドラムとクリーニングブレードとの摩擦力が低減されていることを表す。評価結果を表3に示す。
[画像スジの評価]
さらに、1ライン10スペースの横ライン画像を1000枚出力した直後のハーフトーン画像を用いて評価を行った。具体的には、出力画像中のクリーニング不良と考えられるすり抜けの発生(スジ)を目視でカウントし、ランク評価を行った。評価結果を表3に示す。画像スジについてのランク評価
A:画質上のスジはなく画質が良好である。
B:軽微なスジが発生する。
C:画像の一部にスジが発生する。
D:画像全体にスジが発生する
[帯電ローラー汚れの評価]
画像スジの評価で用いたCローラー上に堆積したトナーをテーピングし、トナー濃度を分光濃度計X-rite504(X-rite社製)を用いて測定し、反射濃度の値でランク評価を行った。
数値が大きいほど、帯電ローラーに付着していたトナー量が多いことを意味する。
帯電ローラー汚れについてのランク評価
A:0.1未満。
B:0.1以上~0.2未満。
C:0.2以上~0.3未満。
D:0.3以上。
評価結果を表3に示す。
Figure 2022140388000036
1 電子写真感光ドラム
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段

Claims (5)

  1. 支持体および感光層を有する、ドラム形状の電子写真感光体と、
    トナーを用いて該電子写真感光体の外表面上の静電潜像を現像するための現像手段と、
    該電子写真感光体の外表面上のトナーを除去するためのクリーニングブレードと、を備えたプロセスカートリッジであって、
    該電子写真感光体は、外表面の全体に亘って皺を有し、
    該トナーの流動性トルクEが320mJ以上であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  2. 前記電子写真感光体の外表面の任意の位置に、一辺が50.0μmの正方形の観察領域を置き、
    前記皺を形成する凸部の稜線の接線と、前記電子写真感光体の周方向に平行な線とのなす角をθとしたとき、
    該観察領域は、該θが45度~135度の範囲内にある前記皺の稜線部分を1つ以上含む、請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
  3. 前記観察領域において、前記皺を形成する凸部の稜線の上に5.0μm間隔で観察点を置いたとき、
    前記θが45度~135度の範囲内にある観察点が、前記観察領域の中にある該観察点の過半数を占める、請求項2に記載のプロセスカートリッジ。
  4. 前記皺について、前記電子写真感光体の周方向に断面プロファイルをとったとき、該断面プロファイルがなだらかであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
  5. 前記皺を形成する凸部の稜線の接線と、前記電子写真感光体の周方向に平行な線とのなす角をθとしたとき、
    該θが45度~135度の範囲内にある稜線部分を有する隣り合った前記凸部の稜線の間の距離の平均値Laveが1.0μm以上20.0μm以下であり、
    前記稜線部分を有する前記凸部の高さの平均値haveが0.5μm以上3.0μm以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
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