JP2022140162A - 鉛フリーはんだ合金 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐衝撃特性に優れた高い接合信頼性を有する鉛フリーはんだ合金並びにはんだ接合部を提供することである。【解決手段】本発明は、Agが0.1~4.0質量%、Cuが0.1~2.0質量%、Biが0.1~5.0質量%、Sbが0.01~4.0質量%、Niが0.001~0.5質量%、Coが0.001~0.1質量、残部Sn及び不可避不純物からなるはんだ組成とすることにより、耐落下衝撃特性を著しく向上することを可能とした。【選択図】なし
Description
本発明は、鉛フリーはんだに関し、詳しくは、信頼性の高いはんだ接合を可能にする鉛フリーはんだ合金及びそのはんだ合金を用いたはんだ接合に関する。
近年、地球環境保護の観点より、環境に有害な鉛を含まないはんだ合金が広く用いられるようになってきている。例えば、Sn-Cu系、Sn-Ag系、Sn-Ag-Cu系、Sn-Cu-Ni系、Sn-Zn系、Sn-Ag-Bi系、Sn-Sb系、Sn-Bi系、Sn-In系、Al-Si系、Bi-Zn系の鉛フリーはんだ合金等の実用化が進んでいる。
一方、電子機器は様々な製品に使用され、その比率も年々高くなっており、夫々の用途に応じた接合特性がより求められている。
例えば、テレビや冷蔵庫のような家電製品にはSn-Cu-Ni系やSn-Ag-Cu系の鉛フリーはんだが多く用いられ、車載向けにはSn-Ag-Cu系の鉛フリーはんだが、最近ではPC向けにSn-Bi系の低融点鉛フリーはんだが、携帯電話向けにはSn-Ag-Cu系の鉛フリーはんだが夫々多く用いられている。
しかし、現状のSn-Ag-Cu系鉛フリーはんだでは、例えば自動車車内の様に外気と比べ比較的穏やかな環境下に於いては大きな問題が生じてはいないものの、エンジンやモータへの接続を想定した場合には、経時変化によりクラック等の不具合が発生することが知られている。
また、携帯電話機のように落下等の衝撃に頻繁に晒される製品に於いては、現状のSn-Ag-Cu系の鉛フリーはんだでは落下衝撃により故障が発生していることも知られてきている。
そして、現状の鉛フリーはんだよりも過酷な環境下に於いても高い接合信頼性を有するはんだ合金が求められている。
例えば、テレビや冷蔵庫のような家電製品にはSn-Cu-Ni系やSn-Ag-Cu系の鉛フリーはんだが多く用いられ、車載向けにはSn-Ag-Cu系の鉛フリーはんだが、最近ではPC向けにSn-Bi系の低融点鉛フリーはんだが、携帯電話向けにはSn-Ag-Cu系の鉛フリーはんだが夫々多く用いられている。
しかし、現状のSn-Ag-Cu系鉛フリーはんだでは、例えば自動車車内の様に外気と比べ比較的穏やかな環境下に於いては大きな問題が生じてはいないものの、エンジンやモータへの接続を想定した場合には、経時変化によりクラック等の不具合が発生することが知られている。
また、携帯電話機のように落下等の衝撃に頻繁に晒される製品に於いては、現状のSn-Ag-Cu系の鉛フリーはんだでは落下衝撃により故障が発生していることも知られてきている。
そして、現状の鉛フリーはんだよりも過酷な環境下に於いても高い接合信頼性を有するはんだ合金が求められている。
このような状況に於いて、高い接合強度を有する鉛フリーはんだや、耐衝撃特性に優れた鉛フリーはんだに関する技術が提案されている。
例えば、特許文献1では、高信頼性用途として、2.0~2.8重量%の銀と、0.2~1.2重量%の銅と、0.0~5.0重量%のビスマスと、0.001~0.2重量%のコバルトと、0.0~0.09重量%のアンチモンと、残部スズと、任意の不可避不純物とを含む鉛フリーはんだ合金に関する技術が開示されている。
特許文献2では、寒暖の差が激しく、振動が負荷されるような過酷な環境下に於いてもはんだ接合部の亀裂進展が抑制できる鉛フリーはんだ合金として、Agを1質量%以上4質量%以下、Cuを0.1質量%以上1質量%以下、Sbを3質量%以上5質量%以下、Biを0.1質量%以上0.7質量%以下と、Niを0.01質量%以上0.25質量%以下含み、更に、Coを0.001質量%以上0.25質量%以下含み、残部がSnである鉛フリーはんだ組成に関する技術が開示されている。
特許文献3では、Ag:1~4質量%(但し、3.2~3.8質量%を除く)、Cu:0.5~0.6質量%未満、Sb:2~5質量%、Ni0.01~0.2質量%、Bi:3.2~5.5質量%、Co:0.001~0.1質量%、残部Snからなる鉛フリーはんだ合金が、温度サイクル特性に優れ、衝突などの衝撃に強いことが開示されている。
また、出願人も特許文献4にてパワー半導体の組み立て構造材として、Ag:0.1~5質量%、Cu:0.1~3.0質量%、Sb:4.0~8.0質量%、残部がSn及び不可避不純物からなり、更に、Niを0.001~0.2質量%、Coを0.001~0.1質量%、Geを0.001~2.0質量%Pを0.001~1.0質量%等から選択的された少なくとも一種以上を添加した鉛フリーはんだ組成に関する技術の開示をしている。
例えば、特許文献1では、高信頼性用途として、2.0~2.8重量%の銀と、0.2~1.2重量%の銅と、0.0~5.0重量%のビスマスと、0.001~0.2重量%のコバルトと、0.0~0.09重量%のアンチモンと、残部スズと、任意の不可避不純物とを含む鉛フリーはんだ合金に関する技術が開示されている。
特許文献2では、寒暖の差が激しく、振動が負荷されるような過酷な環境下に於いてもはんだ接合部の亀裂進展が抑制できる鉛フリーはんだ合金として、Agを1質量%以上4質量%以下、Cuを0.1質量%以上1質量%以下、Sbを3質量%以上5質量%以下、Biを0.1質量%以上0.7質量%以下と、Niを0.01質量%以上0.25質量%以下含み、更に、Coを0.001質量%以上0.25質量%以下含み、残部がSnである鉛フリーはんだ組成に関する技術が開示されている。
特許文献3では、Ag:1~4質量%(但し、3.2~3.8質量%を除く)、Cu:0.5~0.6質量%未満、Sb:2~5質量%、Ni0.01~0.2質量%、Bi:3.2~5.5質量%、Co:0.001~0.1質量%、残部Snからなる鉛フリーはんだ合金が、温度サイクル特性に優れ、衝突などの衝撃に強いことが開示されている。
また、出願人も特許文献4にてパワー半導体の組み立て構造材として、Ag:0.1~5質量%、Cu:0.1~3.0質量%、Sb:4.0~8.0質量%、残部がSn及び不可避不純物からなり、更に、Niを0.001~0.2質量%、Coを0.001~0.1質量%、Geを0.001~2.0質量%Pを0.001~1.0質量%等から選択的された少なくとも一種以上を添加した鉛フリーはんだ組成に関する技術の開示をしている。
しかし、何れのはんだ合金も耐落下衝撃特性等で満足するものは得られておらず、高い接合特性を有する鉛フリーはんだ合金が求められている。
本発明の目的は、前記事情に鑑み、耐衝撃特性に優れた高い接合信頼性を有する鉛フリーはんだ合金並びにはんだ接合部を提供することである。
本発明の課題を解決すべく発明者は、鉛フリーはんだ組成に着目して鋭意検討した結果、Agが0.1~4.0質量%、Cuが0.1~2.0質量%、Biが0.1~5.0質量%、Sbが0.01~4.0質量%、Niが0.001~0.5質量%、Coが0.001~0.1質量、残部Sn及び不可避不純物からなるはんだ組成とすることで、耐落下衝撃特性を著しく向上させられることを見出し、本発明の完成に至った。
また、上記はんだ組成に、任意にSi、P、Ge、Ga、Al、Ti、Pd、希土類元素を加えることで、落下衝撃特性に加えはんだ付け性等の効果が負荷されることも可能である。
また、上記はんだ組成に、任意にSi、P、Ge、Ga、Al、Ti、Pd、希土類元素を加えることで、落下衝撃特性に加えはんだ付け性等の効果が負荷されることも可能である。
本発明のはんだ合金は、耐落下衝撃特性等に優れているため、過酷な環境下や衝撃に晒される機会が多い、車載用のはんだ付けや携帯電話等への応用を可能とした。
以下に本発明の鉛フリーはんだ合金について詳細に説明する。
本発明は、Agが0.1~4.0質量%、Cuが0.1~2.0質量%、Biが0.1~5.0質量%、Sbが0.01~4.0質量%、Niが0.001~0.5質量%、Coが0.001~0.1質量、残部Sn及び不可避不純物からなる鉛フリーはんだ、並びに当該はんだ合金を用いて接合したはんだ接合部である。
また、本発明の上記鉛フリーはんだ組成に、本発明の効果を損ねない範囲に於いて、以下の成分から選ばれる一種以上を含有させても構わない。
P:0.001~1.0質量%
Ge:0.001~2.0質量%
In:0.1~10質量%
Zr:0.001~0.1質量%
Si:0.001~1.0質量%
Ti:0.001~1.0質量%
Al:0.001~1.0質量%
Pd:0.001~1.0質量%
V:0.001~1.0質量%
Zn:0.001~5.0質量%
Cr:0.001~1.0質量%
Mn:0.001~1.0質量%
Au:0.001~1.0質量%
希土類:0.001~1.0質量%
本発明は、Agが0.1~4.0質量%、Cuが0.1~2.0質量%、Biが0.1~5.0質量%、Sbが0.01~4.0質量%、Niが0.001~0.5質量%、Coが0.001~0.1質量、残部Sn及び不可避不純物からなる鉛フリーはんだ、並びに当該はんだ合金を用いて接合したはんだ接合部である。
また、本発明の上記鉛フリーはんだ組成に、本発明の効果を損ねない範囲に於いて、以下の成分から選ばれる一種以上を含有させても構わない。
P:0.001~1.0質量%
Ge:0.001~2.0質量%
In:0.1~10質量%
Zr:0.001~0.1質量%
Si:0.001~1.0質量%
Ti:0.001~1.0質量%
Al:0.001~1.0質量%
Pd:0.001~1.0質量%
V:0.001~1.0質量%
Zn:0.001~5.0質量%
Cr:0.001~1.0質量%
Mn:0.001~1.0質量%
Au:0.001~1.0質量%
希土類:0.001~1.0質量%
また、本発明の鉛フリーはんだ合金は、特許文献1~特許文献4に記載されている鉛フリーはんだ合金組成と一部合金組成が重複するとことが見られ、特許文献1~特許文献4では、引張強度や冷熱衝撃サイクルの評価や知見は記載されているが、本発明の効果である落下衝撃に関する記載や示唆もなされていない。
本発明の鉛フリーはんだ合金を用いた製品としては、ディップはんだ付け用の棒タイプややに入りはんだ、ペーストタイプ、ボールや線タイプ、プリフォームタイプ等、用途に応じ、加工して提供することが可能である。
また、それらのはんだ製品は、そのタイプに応じ適宜、フローはんだ付け、リフローはんだ付け、ロボットはんだ付け、レーザーはんだ付け等の工法を用いることも可能である。
また、それらのはんだ製品は、そのタイプに応じ適宜、フローはんだ付け、リフローはんだ付け、ロボットはんだ付け、レーザーはんだ付け等の工法を用いることも可能である。
本発明の鉛フリーはんだ合金を用いたはんだペーストに関し、以下に詳細に説明する。
本発明の鉛フリーはんだ合金を用いたはんだペーストには、本発明の鉛フリーはんだ合金とフラックス及び適宜その他成分が用いられる。
はんだ合金は、Agが0.1~4.0質量%、Cuが0.1~2.0質量%、Biが0.1~5.0質量%、Sbが0.01~4.0質量%、Niが0.001~0.5質量%、Coが0.001~0.1質量、残部Sn及び不可避不純物からなる鉛フリーはんだ、更に、前述のはんだ合金組成に、P、Ge、In、Zr
Si、Ti、Al、Pd、V、Zn、Cr、Mn、Au、及び希土類元素の群により選ばれる1種以上を含有させた組成を用い、それらの鉛フリーはんだ合金を粉末に加工して用いても構わない。
粉末化に際しては、粉末の粒度は本発明の効果を有する範囲に於いて制限はなく、作製する製品の用途に応じて、適宜選択すれば構わない。
本発明の鉛フリーはんだ合金を用いたはんだペーストには、本発明の鉛フリーはんだ合金とフラックス及び適宜その他成分が用いられる。
はんだ合金は、Agが0.1~4.0質量%、Cuが0.1~2.0質量%、Biが0.1~5.0質量%、Sbが0.01~4.0質量%、Niが0.001~0.5質量%、Coが0.001~0.1質量、残部Sn及び不可避不純物からなる鉛フリーはんだ、更に、前述のはんだ合金組成に、P、Ge、In、Zr
Si、Ti、Al、Pd、V、Zn、Cr、Mn、Au、及び希土類元素の群により選ばれる1種以上を含有させた組成を用い、それらの鉛フリーはんだ合金を粉末に加工して用いても構わない。
粉末化に際しては、粉末の粒度は本発明の効果を有する範囲に於いて制限はなく、作製する製品の用途に応じて、適宜選択すれば構わない。
そして、本発明のはんだペーストに用いるフラックスとしては、ベース樹脂、活性剤、溶剤、チクソ剤、酸化防止剤等を適宜配合して作製することができる。
ベース樹脂として、例えばアクリル樹脂、ロジン系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、テルペン樹脂、ポリアルキレンカーボネート及びカルボキシル基を有するロジン系樹脂とダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物とを脱水縮合してなる誘導体化合物等が例示でき、前記ロジン系樹脂として、例えばトール油ロジン、ガムロジン、ウッドロジン等のロジンやロジンを重合化、水添化、不均一化、アクリル化、エステル化、フェノール付加反応等を行ったロジン誘導体やロジン誘導体と不飽和カルボン酸とを反応させて得られる変性ロジン樹脂等が例示でき、それらは1種単独で又は複数種を混合して用いてもよく、配合量としてはフラックス量全体を100として10~60質量%が例示できる。
活性剤としては、カルボン酸類や解離型活性剤、有機酸が例示でき、カルボン酸の一例として、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、グリコール酸等が例示できる。更に ジカルボン酸の一例として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、ジグリコール酸等が例示できる。 また、有機酸としては、ダイマー酸、レブリン酸、乳酸、アクリル酸、安息香酸、サリチル酸、アニス酸、クエン酸、ピコリン酸等が例示でき、それらは1種単独で又は複数種を混合して用いてもよく、配合量としてはフラックス量全体を100として0.1~50質量%が例示できる。
ベース樹脂として、例えばアクリル樹脂、ロジン系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、テルペン樹脂、ポリアルキレンカーボネート及びカルボキシル基を有するロジン系樹脂とダイマー酸誘導体柔軟性アルコール化合物とを脱水縮合してなる誘導体化合物等が例示でき、前記ロジン系樹脂として、例えばトール油ロジン、ガムロジン、ウッドロジン等のロジンやロジンを重合化、水添化、不均一化、アクリル化、エステル化、フェノール付加反応等を行ったロジン誘導体やロジン誘導体と不飽和カルボン酸とを反応させて得られる変性ロジン樹脂等が例示でき、それらは1種単独で又は複数種を混合して用いてもよく、配合量としてはフラックス量全体を100として10~60質量%が例示できる。
活性剤としては、カルボン酸類や解離型活性剤、有機酸が例示でき、カルボン酸の一例として、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、グリコール酸等が例示できる。更に ジカルボン酸の一例として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、ジグリコール酸等が例示できる。 また、有機酸としては、ダイマー酸、レブリン酸、乳酸、アクリル酸、安息香酸、サリチル酸、アニス酸、クエン酸、ピコリン酸等が例示でき、それらは1種単独で又は複数種を混合して用いてもよく、配合量としてはフラックス量全体を100として0.1~50質量%が例示できる。
溶剤として、イソプロピルアルコール、エタノール、アセトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ヘキシルジグリコール、、フェニルグリコール、ブチルカルビトール、オクタンジオール、αテルピネオール、βテルピネオール、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、セバシン酸ビスイソプロピル等を使用することができる。これらは1種単独でまたは複数種を混合して用いても構わない。
チクソ剤としては、硬化ひまし油、飽和脂肪酸ビスアマイド、不飽和脂肪酸ビスアマイド、芳香族ビスアマイド等のビスアマイド系チクソ剤や12ヒドロキシステアリン酸等が例示でき、これらを1種単独でまたは複数種を混合して用いても構わない。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、ポリマー型酸化防止剤等が例示でき、これらは1種単独でまたは複数種を混合して用いても構わない。
また、本発明の効果を有する範囲に於いて、上記以外の成分を適宜配合しても構わない。
チクソ剤としては、硬化ひまし油、飽和脂肪酸ビスアマイド、不飽和脂肪酸ビスアマイド、芳香族ビスアマイド等のビスアマイド系チクソ剤や12ヒドロキシステアリン酸等が例示でき、これらを1種単独でまたは複数種を混合して用いても構わない。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、ポリマー型酸化防止剤等が例示でき、これらは1種単独でまたは複数種を混合して用いても構わない。
また、本発明の効果を有する範囲に於いて、上記以外の成分を適宜配合しても構わない。
本発明のはんだペーストに用いられる鉛フリーはんだ粉末並びにフラックスの量は、本発明の効果を有する範囲に於いて特に制限はなく、はんだ粉末の量としてはんだペーストを100とした場合70~99質量%が、フラックス量としてははんだペーストを100とした場合5~40質量%が例示でき、製法も従来のはんだペーストの製造方法等、特に制限はない。
以下に実施例を示し、本発明を説明する。
評価試料は以下の通り作製した。
(はんだ合金組成)
・実施例1:3.496Ag-0.96Cu-2.96Bi-0.04Sb-0.002Ni
-0.028Co-残部Sn
・比較例1:96.5Sn-3.0Ag-0.5Cu
(評価試料)
・実施例1:上記組成のはんだ合金を粒径サイズType4(IPC規格)に加工したもの11.0質量%と、株式会社日本スペリア社製フラックスP608タイプ89質量%を混合し、評価用はんだペースト試料とした。
・比較例1:実施例1同様に比較例1のはんだ合金を粉末化した。
(評価方法)
・評価基板(76×76×1mm、FR-4、Cuパッド、6層)を用い、上記評価用はんだペースト(実施例1及び比較例1)を、メタルマスクを用いて、塗布厚100μmとなるように基板に夫々塗布し、部品(サイズ15×15mm、はんだボール配列14×14、はんだボール組成:SAC305)をマウントした後、株式会社タムラ製作所社製リフロー装置TNW33-36ETを用い実装し、評価試料を作製した。
・次に、株式会社日立テクノロジーアンドサービス社製落下衝撃試験装置を用いて基板中央部に於ける加速度Gが1500(JEDEC LESD22-B111A準拠)となる高さより、落下させて評価した。
・評価基準として、破断を検出した時点までの落下回数を「破断落下回数」として、合計10サンプルの結果を基に統計ソフト「Minitab」を用いた故障解析を行い、得られたパラメータの値を予測寿命の指数「特性寿命」として評価した。
(評価結果)
・比較例1に比べ実施例1は特性寿命の落下回数が多かった。
評価試料は以下の通り作製した。
(はんだ合金組成)
・実施例1:3.496Ag-0.96Cu-2.96Bi-0.04Sb-0.002Ni
-0.028Co-残部Sn
・比較例1:96.5Sn-3.0Ag-0.5Cu
(評価試料)
・実施例1:上記組成のはんだ合金を粒径サイズType4(IPC規格)に加工したもの11.0質量%と、株式会社日本スペリア社製フラックスP608タイプ89質量%を混合し、評価用はんだペースト試料とした。
・比較例1:実施例1同様に比較例1のはんだ合金を粉末化した。
(評価方法)
・評価基板(76×76×1mm、FR-4、Cuパッド、6層)を用い、上記評価用はんだペースト(実施例1及び比較例1)を、メタルマスクを用いて、塗布厚100μmとなるように基板に夫々塗布し、部品(サイズ15×15mm、はんだボール配列14×14、はんだボール組成:SAC305)をマウントした後、株式会社タムラ製作所社製リフロー装置TNW33-36ETを用い実装し、評価試料を作製した。
・次に、株式会社日立テクノロジーアンドサービス社製落下衝撃試験装置を用いて基板中央部に於ける加速度Gが1500(JEDEC LESD22-B111A準拠)となる高さより、落下させて評価した。
・評価基準として、破断を検出した時点までの落下回数を「破断落下回数」として、合計10サンプルの結果を基に統計ソフト「Minitab」を用いた故障解析を行い、得られたパラメータの値を予測寿命の指数「特性寿命」として評価した。
(評価結果)
・比較例1に比べ実施例1は特性寿命の落下回数が多かった。
上記結果より、本発明の鉛フリーはんだ合金は、鉛フリーはんだ合金の代表格である96.5Sn-3Ag-0.5Cu(通称:SAC305)に比べ、耐落下衝撃に優れていることが判明した。
そして、この結果によれば、本発明の鉛フリーはんだ合金を用いることにより、耐落下衝撃特性に優れたはんだ接合部を得ることが可能となり、厳しい環境下に晒される車載のエンジン回りの電気的接合やスマホ等の携帯通信機器のはんだ接合に於いても高い接合信頼性が期待でき、これらの製品に広く応用を可能とする。
そして、この結果によれば、本発明の鉛フリーはんだ合金を用いることにより、耐落下衝撃特性に優れたはんだ接合部を得ることが可能となり、厳しい環境下に晒される車載のエンジン回りの電気的接合やスマホ等の携帯通信機器のはんだ接合に於いても高い接合信頼性が期待でき、これらの製品に広く応用を可能とする。
Claims (2)
- Agが0.1~4.0質量%、Cuが0.1~2.0質量%、Biが0.1~5.0質量%、Sbが0.01~4.0質量%、Niが0.001~0.5質量%、Coが0.001~0.1質量、残部がSn及び不可避不純物からなることを特徴とする鉛フリーはんだ合金。
- 請求項1の鉛フリーはんだ合金を用いたことを特徴とするはんだ接合部。
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