JP2022140151A - 車両用制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御用ソフトウェアの更新後に学習制御が進行しないことによる車両の制御性の低下を抑制する。【解決手段】制御用ソフトウェアを更新する要求が有る場合に、車両の運転状態が学習制御が進行する所定運転状態にあるか否かが判定され、車両の運転状態が所定運転状態にあると判定された場合には、制御用ソフトウェアが更新される一方で、車両の運転状態が所定運転状態にないと判定された場合には、制御用ソフトウェアが更新されないので、制御用ソフトウェアの更新後に学習制御が進行しないことによる車両の制御性の低下を抑制することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、制御用ソフトウェアを用いて車両の制御を行う車両用制御装置に関するものである。
記憶装置を有し、前記記憶装置に記憶された複数種類の制御用ソフトウェアを各々用いて車両の複数種類の制御を行う車両用制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された電子制御装置用の学習値更新装置がそれである。この特許文献1には、制御プログラムに従って制御対象に対する制御を実行し、その際に得られる学習値を利用しながらその制御を実行すること、制御プログラムの書き換えを行うこと、及び制御プログラムを書き換えたときに、その書き換え前に学習された学習値が利用可能な場合には、その学習値を保持する一方で、その学習値が利用不能な場合には、その学習値を初期化するか、又は、利用可能な学習値に変換処理することが開示されている。
特開2000-259420号公報
ところで、制御用ソフトウェアが更新されたときに、更新前に学習制御によって求められた、制御用ソフトウェアを用いた車両の制御において車両を制御するときの制御値を補正する為の学習値が利用可能であったとしても、又は、その学習値が利用可能な学習値に変換処理されたとしても、学習値が適切な値からずれているときに、つまり更新後の制御用ソフトウェアを用いた車両の制御にとって学習値が収束された値となっていないときに、制御用ソフトウェアの更新後に学習制御が進行しないと、更新後の制御用ソフトウェアを用いた車両の制御が好適に行われず車両の制御性が低下するおそれがある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、制御用ソフトウェアの更新後に学習制御が進行しないことによる車両の制御性の低下を抑制することができる車両用制御装置を提供することにある。
第1の発明の要旨とするところは、(a)記憶装置を有し、前記記憶装置に記憶された複数種類の制御用ソフトウェアを各々用いて車両の複数種類の制御を行う車両用制御装置であって、(b)更新対象となる前記制御用ソフトウェアを更新する更新部と、(c)前記制御用ソフトウェアを用いた前記車両の制御において前記車両を制御するときの制御値を学習制御によって補正するものであり、前記車両の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であるときは、前記学習制御を行わない学習制御部と、を含んでおり、(d)前記更新部は、前記制御用ソフトウェアを更新する要求が有る場合に、前記車両の運転状態が前記学習制御が進行する所定運転状態にあるか否かを判定し、前記車両の運転状態が前記所定運転状態にあると判定した場合には、前記制御用ソフトウェアを更新する一方で、前記車両の運転状態が前記所定運転状態にないと判定した場合には、前記制御用ソフトウェアを更新しないことにある。
また、第2の発明は、前記第1の発明に記載の車両用制御装置において、前記更新部は、前記車両の運転状態が前記学習禁止条件を満たす運転状態ではない場合に、前記車両の運転状態が前記所定運転状態にあると判定することにある。
また、第3の発明は、前記第1の発明又は第2の発明に記載の車両用制御装置において、前記更新部は、前記車両の運転状態が前記学習禁止条件を満たす運転状態であるときに、前記更新対象となる前記制御用ソフトウェアが、前記学習禁止条件を満たすことによって実行されない前記学習制御が対象とする前記車両の制御に用いられる前記制御用ソフトウェアではないか否かに基づいて、前記車両の運転状態が前記所定運転状態にあるか否かを判定することにある。
また、第4の発明は、前記第3の発明に記載の車両用制御装置において、前記更新部は、前記車両に備えられた変速機の変速作動に用いられる作動油の温度が前記学習禁止条件を満たす前記作動油の温度であるときに、前記更新対象となる前記制御用ソフトウェアが、前記学習禁止条件を満たすことによって実行されない前記学習制御が対象とする前記変速機の制御に用いられる前記制御用ソフトウェアではないか否かに基づいて、前記車両の運転状態が前記所定運転状態にあるか否かを判定することにある。
また、第5の発明は、前記第1の発明から第4の発明の何れか1つに記載の車両用制御装置において、前記更新部は、前記車両の運転状態が前記学習禁止条件を満たす運転状態であるときに、前記車両の運転状態が前記制御用ソフトウェアの更新後に前記学習制御の停滞が許容される予め定められた所定時間で前記学習禁止条件を満たす運転状態から外れるか否かに基づいて、前記車両の運転状態が前記所定運転状態にあるか否かを判定することにある。
また、第6の発明は、前記第5の発明に記載の車両用制御装置において、前記更新部は、前記車両に備えられた流体式伝動装置の直結クラッチの作動状態が前記学習禁止条件を満たす係合状態である場合には、前記車両の運転状態が前記所定時間で前記学習禁止条件を満たす運転状態から外れると判定することにある。
また、第7の発明は、前記第1の発明から第6の発明の何れか1つに記載の車両用制御装置において、前記車両の運転状態が前記所定運転状態にないと判定されたときに、前記制御用ソフトウェアが更新されない状態を数値化し、前記数値化による数値が前記制御用ソフトウェアが更新されない状態が続く状態を判断する為の予め定められた所定値以上である場合には、前記制御用ソフトウェアが更新されていない状態にあることを運転者に報知する報知部を更に含むことにある。
また、第8の発明は、前記第7の発明に記載の車両用制御装置において、前記報知部は、前記車両の運転状態が前記所定運転状態にないと判定された回数を用いて、前記制御用ソフトウェアが更新されない状態を数値化することにある。
また、第9の発明は、前記第7の発明に記載の車両用制御装置において、前記報知部は、前記制御用ソフトウェアを更新する要求が有るとされてからの経過時間を用いて、前記制御用ソフトウェアが更新されない状態を数値化することにある。
また、第10の発明は、前記第1の発明から第9の発明の何れか1つに記載の車両用制御装置において、前記学習制御部は、前記制御用ソフトウェアを更新する要求が有るとされてから、予め定められた所定走行距離を走行するまでの間、又は、予め定められた所定期間が経過するまでの間、前記車両の運転状態が前記学習禁止条件を満たす運転状態であるか否かを判定することにある。
また、第11の発明は、前記第1の発明から第10の発明の何れか1つに記載の車両用制御装置において、前記学習制御部は、前記制御用ソフトウェアを更新する要求が有るとされてから予め定められた第2所定時間後まで前記学習禁止条件を満たす運転状態とされているか否かに基づいて、前記車両の運転状態が前記学習禁止条件を満たす運転状態であるか否かを判定することにある。
また、第12の発明は、前記第1の発明から第11の発明の何れか1つに記載の車両用制御装置において、前記更新部は、前記制御用ソフトウェアを、前記車両とは別の車外装置から無線通信を介して受信することで取得された、前記制御用ソフトウェアを前記更新対象とする新ソフトウェアに更新することにある。
前記第1の発明によれば、制御用ソフトウェアを更新する要求が有る場合に、車両の運転状態が学習制御が進行する所定運転状態にあるか否かが判定され、車両の運転状態が所定運転状態にあると判定された場合には、制御用ソフトウェアが更新される一方で、車両の運転状態が所定運転状態にないと判定された場合には、制御用ソフトウェアが更新されないので、制御用ソフトウェアの更新後に学習制御が進行しないことによる車両の制御性の低下を抑制することができる。
また、前記第2の発明によれば、車両の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態ではない場合に、車両の運転状態が所定運転状態にあると判定されるので、学習制御が可能な運転状態のときに制御用ソフトウェアが更新される。
また、前記第3の発明によれば、車両の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であるときに、更新対象となる制御用ソフトウェアが、学習禁止条件を満たすことによって実行されない学習制御が対象とする車両の制御に用いられる制御用ソフトウェアではないか否かに基づいて、車両の運転状態が所定運転状態にあるか否かが判定されるので、車両の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であっても、更新対象となる制御用ソフトウェアが、実行されない学習制御が対象とする制御用ソフトウェアではない場合には、更新対象となる制御用ソフトウェアが更新される。
また、前記第4の発明によれば、作動油の温度が学習禁止条件を満たす作動油の温度であるときに、更新対象となる制御用ソフトウェアが、学習禁止条件を満たすことによって実行されない学習制御が対象とする変速機の制御に用いられる制御用ソフトウェアではないか否かに基づいて、車両の運転状態が所定運転状態にあるか否かが判定されるので、作動油の温度が学習禁止条件を満たす作動油の温度であっても、更新対象となる制御用ソフトウェアが、実行されない学習制御が対象とする変速機の制御に用いられる制御用ソフトウェアではない場合には、更新対象となる制御用ソフトウェアが更新される。
また、前記第5の発明によれば、車両の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であるときに、車両の運転状態が制御用ソフトウェアの更新後に学習制御の停滞が許容される予め定められた所定時間で学習禁止条件を満たす運転状態から外れるか否かに基づいて、車両の運転状態が所定運転状態にあるか否かが判定されるので、車両の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であっても、車両の運転状態が所定時間で学習禁止条件を満たす運転状態から外れる場合には、制御用ソフトウェアが更新される。
また、前記第6の発明によれば、直結クラッチの作動状態が学習禁止条件を満たす係合状態である場合には、車両の運転状態が所定時間で学習禁止条件を満たす運転状態から外れると判定されるので、直結クラッチの作動状態が学習禁止条件を満たす係合状態であっても、制御用ソフトウェアが更新される。
また、前記第7の発明によれば、車両の運転状態が所定運転状態にないと判定されたときに、制御用ソフトウェアが更新されない状態が数値化され、その数値化による数値が制御用ソフトウェアが更新されない状態が続く状態を判断する為の予め定められた所定値以上である場合には、制御用ソフトウェアが更新されていない状態にあることが運転者に報知されるので、制御用ソフトウェアを更新できない状態が続く場合には、制御用ソフトウェアが更新されていない状態にあることを知らせることができる。
また、前記第8の発明によれば、車両の運転状態が所定運転状態にないと判定された回数が用いられて、制御用ソフトウェアが更新されない状態が数値化されるので、制御用ソフトウェアが更新されていない状態にあることを適切に知らせることができる。
また、前記第9の発明によれば、制御用ソフトウェアを更新する要求が有るとされてからの経過時間が用いられて、制御用ソフトウェアが更新されない状態が数値化されるので、制御用ソフトウェアが更新されていない状態にあることを適切に知らせることができる。
また、前記第10の発明によれば、制御用ソフトウェアを更新する要求が有るとされてから、予め定められた所定走行距離を走行するまでの間、又は、予め定められた所定期間が経過するまでの間、車両の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であるか否かが判定されるので、制御用ソフトウェアを更新する要求が有るとされた時点で車両の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であっても、その後に、車両の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態ではないと判定されることが期待できる。
また、前記第11の発明によれば、制御用ソフトウェアを更新する要求が有るとされてから予め定められた第2所定時間後まで学習禁止条件を満たす運転状態とされているか否かに基づいて、車両の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であるか否かが判定されるので、近い将来、車両の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態とされていないと予測されるのであれば、車両の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態ではないと判定される。
また、前記第12の発明によれば、制御用ソフトウェアは車外装置から無線通信を介して受信されることで取得された新ソフトウェアに更新されるので、制御用ソフトウェアが無線通信を介して取得された新ソフトウェアに更新される車両において、制御用ソフトウェアの更新後に学習制御が進行しないことによる車両の制御性の低下を抑制することができる。
本発明が適用される車両の概略構成を説明する図である。 車両における各種制御の為の制御系統の要部を説明する図である。 車両用制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであり、制御用ソフトウェアの更新後に学習制御が進行しないことによる車両の制御性の低下を抑制する為の制御作動を説明するフローチャートである。 本発明が適用される車両の概略構成を説明する図であって、図1とは別の車両を説明する図である。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10の概略構成を説明する図である。図2は、車両10における各種制御の為の制御系統の要部を説明する図である。
図1において、車両10は、動力伝達装置12、エンジン14、第1回転機MG1、及び第2回転機MG2を備えている。車両10は、走行用の駆動力源として、エンジン14及び第2回転機MG2を備えたハイブリッド車両である。
エンジン14は、駆動力を発生することが可能な駆動力源であって、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の公知の内燃機関である。エンジン14は、後述する電子制御装置90によって車両10に備えられたスロットルアクチュエータや燃料噴射装置や点火装置等を含むエンジン制御装置50が制御されることによりエンジン14の出力トルクであるエンジントルクTeが制御される。
第1回転機MG1及び第2回転機MG2は、電動機(モータ)としての機能及び発電機(ジェネレータ)としての機能を有する回転電気機械であって、所謂モータジェネレータである。第1回転機MG1及び第2回転機MG2は、各々、車両10に備えられたインバータ52を介して、車両10に備えられたバッテリ54に接続されている。第1回転機MG1及び第2回転機MG2は、各々、後述する電子制御装置90によってインバータ52が制御されることにより、第1回転機MG1の出力トルクであるMG1トルクTg及び第2回転機MG2の出力トルクであるMG2トルクTmが制御される。
動力伝達装置12は、車体に取り付けられる非回転部材としてのケース16内において共通の軸心上に直列に配設された、電気式無段変速部18及び機械式有段変速部20等を備えている。電気式無段変速部18は、直接的に或いは図示しないダンパーなどを介して間接的にエンジン14に連結されている。機械式有段変速部20は、電気式無段変速部18の出力側に連結されている。又、動力伝達装置12は、機械式有段変速部20の出力回転部材である出力軸22に連結された差動歯車装置24、差動歯車装置24に連結された一対の車軸26等を備えている。車軸26は、車両10が備える駆動輪28と連結されている。動力伝達装置12は、エンジン14と駆動輪28との間の動力伝達経路に備えられている。尚、以下、電気式無段変速部18を無段変速部18、機械式有段変速部20を有段変速部20という。又、無段変速部18や有段変速部20等は上記共通の軸心に対して略対称的に構成されており、図1ではその軸心の下半分が省略されている。上記共通の軸心は、エンジン14のクランク軸、そのクランク軸に連結された無段変速部18の入力回転部材である連結軸30などの軸心である。
無段変速部18は、第1回転機MG1と、エンジン14の動力を第1回転機MG1及び無段変速部18の出力回転部材である中間伝達部材32に機械的に分割する動力分割機構としての差動機構34と、を備えている。中間伝達部材32には、第2回転機MG2が動力伝達可能に連結されている。差動機構34は、シングルピニオン型の遊星歯車装置にて構成されており、サンギヤS0、キャリアCA0、及びリングギヤR0を備えている。キャリアCA0には連結軸30を介してエンジン14が動力伝達可能に連結され、サンギヤS0には第1回転機MG1が動力伝達可能に連結され、リングギヤR0には第2回転機MG2が動力伝達可能に連結されている。無段変速部18は、第1回転機MG1の運転状態が制御されることにより差動機構34の差動状態が制御される電気式無段変速機である。
有段変速部20は、無段変速部18と駆動輪28との間の動力伝達経路の一部を構成する変速機としての機械式変速機構である。有段変速部20は、例えば第1遊星歯車装置36及び第2遊星歯車装置38の複数組の遊星歯車装置と、ワンウェイクラッチF1を含む、クラッチC1、クラッチC2、ブレーキB1、ブレーキB2の複数の係合装置と、を備えている、公知の遊星歯車式の自動変速機である。以下、クラッチC1、クラッチC2、ブレーキB1、及びブレーキB2については、特に区別しない場合は単に係合装置CBという。係合装置CBは、車両10に備えられた油圧制御回路56から出力される調圧された係合装置CBの各係合圧によりそれぞれのトルク容量が変化させられることで、各々、係合や解放などの状態である作動状態が切り替えられる。有段変速部20は、係合装置CBのうちの何れかの係合装置が係合されることで、複数の変速段(ギヤ段ともいう)に切り替えられるすなわち変速可能な有段変速機である。有段変速部20は、後述する電子制御装置90によって、ドライバー(=運転者)のアクセル操作や車速V等に応じて複数のギヤ段が選択的に形成される。
動力伝達装置12において、エンジン14や第2回転機MG2から出力される動力は、有段変速部20へ伝達され、その有段変速部20から差動歯車装置24等を介して駆動輪28へ伝達される。第2回転機MG2は、駆動力源として機能する回転機である。尚、動力は、特に区別しない場合にはトルクや力も同意である。
車両10は、更に、機械式のオイルポンプであるMOP58、不図示の電動式のオイルポンプ等を備えている。MOP58は、連結軸30に連結されており、エンジン14の回転と共に回転させられて動力伝達装置12にて用いられる作動油OILを吐出する。MOP58等が吐出した作動油OILは、油圧制御回路56へ供給される。油圧制御回路56は、MOP58等が吐出した作動油OILを元にして調圧した係合装置CBの各係合圧などを供給する。このように、作動油OILは、有段変速部20の変速作動に用いられる。
図2において、車両10は、エンジン14、無段変速部18、及び有段変速部20などの制御に関連する車両10の制御装置を含むコントローラとしての電子制御装置90を備えている。図2は、電子制御装置90の入出力系統を示す図であり、又、電子制御装置90による制御機能の要部を説明する機能ブロック図である。電子制御装置90は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を行う。電子制御装置90は、必要に応じて駆動力源制御用、変速制御用等に分けて構成される。
電子制御装置90には、車両10に備えられた各種センサ等(例えばエンジン回転速度センサ60、出力回転速度センサ62、MG1回転速度センサ64、MG2回転速度センサ66、アクセル開度センサ68、スロットル弁開度センサ70、ブレーキペダルセンサ71、ステアリングセンサ72、ドライバ状態センサ73、Gセンサ74、ヨーレートセンサ76、バッテリセンサ78、油温センサ79、車両周辺情報センサ80、車両位置センサ81、外部ネットワーク通信用アンテナ82、ナビゲーションシステム83、運転支援設定スイッチ群84、シフトポジションセンサ85、エンジン水温センサ86など)による検出値に基づく各種信号等(例えばエンジン14の回転速度であるエンジン回転速度Ne、車速Vに対応する出力軸22の回転速度である出力回転速度No、第1回転機MG1の回転速度であるMG1回転速度Ng、第2回転機MG2の回転速度であるMG2回転速度Nm、運転者の加速操作の大きさを表す運転者のアクセル操作量であるアクセル開度θacc、電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度θth、ホイールブレーキを作動させる為のブレーキペダルが運転者によって操作されている状態を示す信号であるブレーキオン信号Bon、ブレーキペダルの踏力に対応する、運転者によるブレーキペダルの踏込操作の大きさを表すブレーキ操作量Bra、車両10に備えられたステアリングホイールの操舵角θsw及び操舵方向Dsw、ステアリングホイールが運転者によって握られている状態を示す信号であるステアリングオン信号SWon、運転者の状態を示す信号であるドライバ状態信号Drv、車両10の前後加速度Gx及び左右加速度Gy、車両10の鉛直軸まわりの回転角速度であるヨーレートRyaw、バッテリ54のバッテリ温度THbatやバッテリ充放電電流Ibatやバッテリ電圧Vbat、作動油OILの温度である作動油温THoil、車両周辺情報Iard、位置情報Ivp、通信信号Scom、ナビ情報Inavi、自動運転制御やクルーズ制御や自動駐車制御やレーンキープ制御等の運転支援制御における運転者による設定を示す信号である運転支援設定信号Sset、車両10に備えられたシフトレバーの操作ポジションPOSsh、エンジン14の冷却水の温度であるエンジン冷却水温THengなど)が、それぞれ供給される。
電子制御装置90からは、車両10に備えられた各装置(例えばエンジン制御装置50、インバータ52、油圧制御回路56、外部ネットワーク通信用アンテナ82、ホイールブレーキ装置87、操舵装置88、情報周知装置89など)に各種指令信号(例えばエンジン14を制御する為のエンジン制御指令信号Se、第1回転機MG1及び第2回転機MG2を各々制御する為の回転機制御指令信号Smg、係合装置CBの作動状態を制御する為の油圧制御指令信号Sat、通信信号Scom、ホイールブレーキによる制動トルクを制御する為のブレーキ制御指令信号Sbra、車輪(特には前輪)の操舵を制御する為の操舵制御指令信号Sste、運転者に警告や報知を行う為の情報周知制御指令信号Sinfなど)が、それぞれ出力される。
電子制御装置90は、複数種類の制御用ソフトウェア92を各々用いて車両10の複数種類の制御を行う。電子制御装置90は、例えば書き換え可能なROM等の第1記憶装置91を備えている。第1記憶装置91は、制御用ソフトウェア92を記憶する記憶装置である。制御用ソフトウェア92は、例えば車両10の制御手順が定められた複数種類の制御用プログラム92P、及び制御用プログラム92Pに従って車両10を制御するときに用いられる複数種類の制御用データ92Dを含んでいる。
車両10は、更に、送受信機100、ゲートウェイECU110、更新用制御装置120等を備えている。
送受信機100は、車両10とは別に存在する、車両10とは別の車外装置であるサーバー200と通信する機器である。例えば、送受信機100は、車両10外部のネットワークに接続された無線装置との間での無線通信Rを介してネットワークと接続されており、車両10外部のネットワークに接続されたサーバー200と無線通信Rを介して各種信号を送受信する。
サーバー200は、車両10外部のネットワークに接続されたシステムである。サーバー200は、アップロードされた、新ソフトウェア202を記憶している。サーバー200は、必要に応じて新ソフトウェア202を車両10に送信する。サーバー200は、新ソフトウェア202を配信するソフト配信センターとして機能する。新ソフトウェア202は、制御用ソフトウェア92を更新対象とするソフトウェアである。新ソフトウェア202は、現在の制御用ソフトウェア92を新ソフトウェア202を用いて書き換えた後の制御用ソフトウェア92すなわち更新後の制御用ソフトウェア92となるものである。新ソフトウェア202は、例えば各々対応する制御用プログラム92Pを更新対象とする新プログラム202P、及び各々対応する制御用データ92Dを更新対象とする新データ202Dを含んでいる。新プログラム202Pは、現在の制御用プログラム92Pを新プログラム202Pを用いて書き換えた後の制御用プログラム92Pすなわち更新後の制御用プログラム92Pとなるものである。新データ202Dは、現在の制御用データ92Dを新データ202Dを用いて書き換えた後の制御用データ92Dすなわち更新後の制御用データ92Dとなるものである。本実施例では、特に区別しない場合には、単に制御用ソフトウェア92との表現は現在の制御用ソフトウェア92を表している。
ゲートウェイECU110及び更新用制御装置120は、各々、電子制御装置90と同様のハード構成を備えており、例えば第1記憶装置91に記憶された制御用ソフトウェア92の書き替え用に設けられた中継装置である。
ゲートウェイECU110は、送受信機100と接続されている。ゲートウェイECU110は、制御用ソフトウェア92を更新する機能を実現する為に、取得手段すなわち取得部112を備えている。取得部112は、新ソフトウェア202をサーバー200から取得する。例えば、取得部112は、サーバー200から無線通信Rを介して送信される新ソフトウェア202を必要に応じて送受信機100を用いて受信することで、新ソフトウェア202を取得する。取得部112は、取得した新ソフトウェア202を更新用制御装置120に送信する。尚、車両10では、外部ネットワーク通信用アンテナ82を介してサーバー200との間で無線通信Rが行われても良い。
更新用制御装置120は、車両10において、無線通信Rを介した、制御用ソフトウェア92の書き込みや書き換えを統括する制御装置である。更新用制御装置120は、ゲートウェイECU110から送信された新ソフトウェア202を用いて制御用ソフトウェア92を書き換える。更新用制御装置120は、制御用ソフトウェア92を更新する機能を実現する為に、更新手段すなわち更新部122、及び書き換え可能なROM等の第2記憶装置124を備えている。
更新部122は、制御用ソフトウェア92を更新する必要がある新ソフトウェア202がサーバー200に存在するか否かを判定する。見方を換えれば、更新部122は、サーバー200から制御用ソフトウェア92を更新する必要がある新ソフトウェア202を配信する要求が有るか否かを判定する。
更新部122は、制御用ソフトウェア92を更新する必要がある新ソフトウェア202がサーバー200に存在すると判定した場合には、新ソフトウェア202をサーバー200から無線通信Rを介して受信するつまりダウンロードする指令をゲートウェイECU110へ出力する。更新部122は、ゲートウェイECU110がサーバー200から受信した新ソフトウェア202を受信後新ソフトウェア126として第2記憶装置124に記憶する。第2記憶装置124は、サーバー200から受信した新ソフトウェア202つまり受信後新ソフトウェア126を記憶する記憶装置である。受信後新ソフトウェア126は、第2記憶装置124に記憶された新プログラム202Pである受信後新プログラム126P、及び第2記憶装置124に記憶された新データ202Dである受信後新データ126Dを含んでいる。
更新部122は、受信後新ソフトウェア126を用いて更新対象の制御用ソフトウェア92の書き換えを実施する、すなわち制御用ソフトウェア92を新ソフトウェア202に更新する、制御用ソフトウェア92の更新処理を行う。つまり、更新部122は、第2記憶装置124に記憶された新ソフトウェア202を第1記憶装置91に書き込むことで、更新対象となる制御用ソフトウェア92を更新する。
電子制御装置90、ゲートウェイECU110、及び更新用制御装置120は、車両10の制御を行うと共に制御用ソフトウェア92の更新処理を行う車両用制御装置150である。
電子制御装置90は、車両10における各種制御を実現する為に、更に、AT変速制御手段すなわちAT変速制御部94、ハイブリッド制御手段すなわちハイブリッド制御部95、運転制御手段すなわち運転制御部96、及び学習制御手段すなわち学習制御部97を備えている。
AT変速制御部94は、予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された関係すなわち予め定められた関係である、不図示のATギヤ段変速マップを用いて有段変速部20の変速判断を行い、必要に応じて有段変速部20の変速制御を実行する為の油圧制御指令信号Satを油圧制御回路56へ出力する。ATギヤ段変速マップは、例えば車速V及び要求駆動力Frdemを変数とする二次元座標上に、有段変速部20の変速が判断される為の予め定められた複数種類の変速線を有する所定の関係である。
ハイブリッド制御部95は、エンジン14の作動を制御するエンジン制御手段すなわちエンジン制御部としての機能と、インバータ52を介して第1回転機MG1及び第2回転機MG2の作動を制御する回転機制御手段すなわち回転機制御部としての機能と、を含んでおり、それらの制御機能によりエンジン14、第1回転機MG1、及び第2回転機MG2によるハイブリッド駆動制御等を実行する。ハイブリッド制御部95は、予め定められた関係である例えば駆動要求量マップにアクセル開度θacc及び車速Vを適用することで駆動要求量としての駆動輪28における要求駆動力Frdem[N]を算出する。前記駆動要求量としては、要求駆動力Frdemの他に、駆動輪28における要求駆動トルクTrdem[Nm]、駆動輪28における要求駆動パワーPrdem[W]、出力軸22における要求AT出力トルク等を用いることもできる。ハイブリッド制御部95は、要求駆動トルクTrdemと車速Vとに基づく要求駆動パワーPrdemを実現するように、エンジン14を制御する指令信号であるエンジン制御指令信号Seと、第1回転機MG1及び第2回転機MG2を制御する指令信号である回転機制御指令信号Smgと、を出力する。
ハイブリッド制御部95は、走行モードとして、モータ走行(=EV走行)モード又はハイブリッド走行(=HV走行)モードを走行状態に応じて選択的に成立させる。EV走行モードは、エンジン14の運転を停止した状態で第2回転機MG2を駆動力源として走行するEV走行、つまり第2回転機MG2からの駆動力のみを用いて走行するEV走行が可能な走行モードである。HV走行モードは、少なくともエンジン14を駆動力源として走行するHV走行、つまりエンジン14からの駆動力を少なくとも用いて走行するエンジン走行が可能な走行モードである。例えば、ハイブリッド制御部95は、予め定められた関係である走行モード切替マップを用いて、要求駆動パワーPrdemが比較的小さなEV走行領域にある場合には、EV走行モードを成立させる一方で、要求駆動パワーPrdemが比較的大きなHV走行領域にある場合には、HV走行モードを成立させる。ハイブリッド制御部95は、要求駆動パワーPrdemがEV走行領域にあるときであっても、エンジン14を強制的に始動してバッテリ54を充電する必要がある場合やエンジン14の暖機が必要な場合などには、HV走行モードを成立させる。
運転制御部96は、車両10の運転制御として、運転者の運転操作に基づいて走行する手動運転制御と、運転者の運転操作に因らず車両10を運転する運転支援制御と、を行うことが可能である。前記手動運転制御は、アクセル操作、ブレーキ操作、操舵操作などの運転者の運転操作による手動運転にて走行する運転制御である。前記運転支援制御は、例えば運転操作を自動的に支援する運転支援にて走行する運転制御である。その運転支援は、運転者の運転操作(意思)に因らず、各種センサからの信号や情報等に基づく電子制御装置90による制御により加減速、制動などを自動的に行うことによって車両10の走行を行う運転方法である。前記運転支援制御は、例えば運転者により入力された目的地や地図情報などに基づいて自動的に目標走行状態を設定し、その目標走行状態に基づいて加減速、制動、操舵などを自動的に行う自動運転にて走行する自動運転制御などである。尚、運転支援制御には、所定の駐車位置に車両10を自動的に駐車する自動駐車を行う公知の自動駐車制御、操舵操作などの一部の運転操作を運転者が行い、加減速、制動などを自動的に行うようなクルーズ制御を含めても良い。又、運転支援制御には、公知のレーンキープ制御や公知の自動ブレーキ制御などの先進安全を行う先進安全制御を含めても良い。運転制御部96は、運転者によって運転支援設定スイッチ群84における例えば自動運転選択スイッチが操作されて自動運転が選択されている場合には、自動運転モードを成立させて自動運転制御を実行する。
学習制御部97は、制御用ソフトウェア92を用いた車両10の制御において車両10を制御するときの制御値Sctを学習制御CTlrnによって補正する。学習制御CTlrnは、例えば学習制御CTlrnの対象となる車両10の制御が一旦終了した後に、次回の同じ種類の車両10の制御に用いられる制御値Sctを学習制御CTlrnによって補正する制御である。学習制御CTlrnによる学習値は、制御値Sctを補正するときの補正量、制御値Sctを補正した後の値である補正値などである。
車両10の制御は、例えばハイブリッド制御部95によるエンジン14の制御、ハイブリッド制御部95による第1回転機MG1の制御、ハイブリッド制御部95による第2回転機MG2の制御、AT変速制御部94による有段変速部20の制御、運転制御部96によるホイールブレーキ装置87の制御、運転制御部96による操舵装置88の制御などを含んでいる。制御値Sctは、例えばエンジン制御指令信号Se、回転機制御指令信号Smg、油圧制御指令信号Sat、ブレーキ制御指令信号Sbra、操舵制御指令信号Ssteなどの各種指令信号である。
油圧制御指令信号Satを一例として挙げれば、制御値Sctは、AT変速制御部94による有段変速部20の変速制御の過渡中において作動状態が切り替えられる係合装置CBの係合圧を変化させるように制御される油圧制御指令信号Satとしての係合圧指令値などである。学習制御部97は、例えば有段変速部20の変速制御における変速ショックを抑制しつつ変速時間が適切になるように、係合圧指令値を学習制御によって補正する。又、エンジン制御指令信号Seを一例として挙げれば、制御値Sctは、ハイブリッド制御部95によるエンジン14の制御においてエンジントルクTeを変化させるように制御されるエンジン制御指令信号Seとしてのスロットル弁開度指令値、燃料噴射量指令値、燃料噴射時期指令値、点火時期指令値などである。
学習制御部97は、車両10の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であるか否かを判定し、車両10の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態ではないと判定したときは学習制御CTlrnを必要に応じて行う一方で、車両10の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であると判定したときは学習制御CTlrnを行わない。車両10の運転状態を表すものは、例えば作動油温THoil、エンジン冷却水温THeng、エンジントルクTeの出力状態などである。作動油温THoilが学習禁止条件を満たす作動油温THoilは、例えば油圧制御指令信号Satに対する係合装置CBの実際の係合圧の応答性が低下する極低油温である。エンジン冷却水温THengが学習禁止条件を満たすエンジン冷却水温THengは、例えばエンジン14の暖機が必要となる低冷却水温である。エンジントルクTeの出力状態が学習禁止条件を満たすエンジントルクTeの出力状態は、例えば何らかの要因でエンジントルクTeが一時的に出力制限されている状態である。学習制御部97は、作動油温THoilが極低油温ではないときは有段変速部20の変速制御における油圧制御指令信号Satの学習制御CTlrnを行う一方で、作動油温THoilが極低油温であるときはその油圧制御指令信号Satの学習制御CTlrnを行わない。学習制御部97は、エンジン冷却水温THengが低冷却水温ではないときはエンジン14の制御におけるエンジン制御指令信号Seの学習制御CTlrnを行う一方で、エンジン冷却水温THengが低冷却水温であるときはそのエンジン制御指令信号Seの学習制御CTlrnを行わない。学習制御部97は、エンジントルクTeの出力状態が出力制限されていない状態のときはエンジン14の制御におけるエンジン制御指令信号Seの学習制御CTlrnを行う一方で、エンジントルクTeの出力状態が一時的に出力制限されている状態であるときはそのエンジン制御指令信号Seの学習制御CTlrnを行わない。
ここで、制御用プログラム92Pは、例えばハイブリッド制御部95によるエンジン14の制御に用いられるエンジン用プログラム92Peg、ハイブリッド制御部95による第1回転機MG1の制御に用いられるMG1用プログラム92Pm1、ハイブリッド制御部95による第2回転機MG2の制御に用いられるMG2用プログラム92Pm2、AT変速制御部94による有段変速部20の制御に用いられる変速機用プログラム92Patなどを含んでいる。制御用データ92Dは、例えばATギヤ段変速マップにおける複数種類の変速線SH、走行モード切替マップにおけるEV走行領域とHV走行領域との境界線である駆動力源切替線CPなどを含んでいる。
ところで、制御用ソフトウェア92の更新後に、車両10の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であるときは学習制御CTlrnが行われず、学習制御CTlrnが進行しない。制御用ソフトウェア92の更新後に学習制御CTlrnが進行しないと、更新後の制御用ソフトウェア92を用いた車両10の制御が好適に行われず車両10の制御性が低下するおそれがある。
そこで、更新部122は、制御用ソフトウェア92を更新する要求が有る場合に、車両10の運転状態が学習制御CTlrnが進行する運転状態として予め定められた所定運転状態CDdrvfにあるか否かを判定し、車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにあると判定した場合には、制御用ソフトウェア92を更新する一方で、車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにないと判定した場合には、制御用ソフトウェア92を更新しない。制御用ソフトウェア92を更新しないということは、現在の制御用ソフトウェア92を保持するということである。
具体的には、更新部122は、制御用ソフトウェア92を更新対象とする新ソフトウェア202が有るか否か、つまり制御用ソフトウェア92を更新する要求が有るか否かを判定する。
更新部122は、制御用ソフトウェア92を更新する要求が有ると判定したときに、学習制御部97により車両10の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であると判定されているか否かに基づいて、車両10の運転状態が学習禁止条件に該当するか否かを判定する。車両10の運転状態が学習禁止条件に該当していない場合、更新後の学習制御CTlrnに支障がない為、制御用ソフトウェア92の更新を実行することが可能である。更新部122は、車両10の運転状態が学習禁止条件に該当しないと判定した場合には、車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにあると判定する。つまり、更新部122は、車両10の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態ではない場合に、車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにあると判定する。
車両10の運転状態が学習禁止条件に該当する場合、制御用ソフトウェア92の更新後に学習制御CTlrnができない懸念がある為、基本的には、制御用ソフトウェア92は更新されない。但し、車両10の運転状態が学習禁止条件に該当する場合でも、禁止される学習制御CTlrnが対象とする車両10の制御が更新対象となる制御用ソフトウェア92を用いた車両10の制御ではない場合は、その制御用ソフトウェア92の更新後の学習制御CTlrnに支障がない為、その制御用ソフトウェア92の更新を実行することが可能である。
更新部122は、車両10の運転状態が学習禁止条件に該当すると判定した場合には、更新対象となる制御用ソフトウェア92が、学習禁止条件を満たすことによって実行されない学習制御CTlrnが対象とする車両10の制御に用いられる制御用ソフトウェア92であるか否かに基づいて、学習禁止条件に該当する項目が更新内容つまり更新対象となる制御用ソフトウェア92が用いられる車両10の制御に含まれているか否かを判定する。車両10の運転状態が学習禁止条件に該当する場合でも、更新対象となる制御用ソフトウェア92が用いられる車両10の制御に含まれている項目が学習禁止条件に該当していない場合には、更新後の学習制御CTlrnに支障がない為、制御用ソフトウェア92の更新を実行することが可能である。更新部122は、学習禁止条件に該当する項目が更新内容に含まれていないと判定した場合には、車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにあると判定する。一方で、更新対象となる制御用ソフトウェア92が用いられる車両10の制御に含まれている項目が学習禁止条件に該当している場合、更新後に学習制御CTlrnができない懸念がある為、制御用ソフトウェア92は更新されない。更新部122は、学習禁止条件に該当する項目が更新内容に含まれていると判定した場合には、車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにないと判定する。つまり、更新部122は、車両10の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であるときに、更新対象となる制御用ソフトウェア92が、学習禁止条件を満たすことによって実行されない学習制御CTlrnが対象とする車両10の制御に用いられる制御用ソフトウェア92ではないか否かに基づいて、車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにあるか否かを判定する。
作動油温THoilが学習禁止条件を満たす作動油温THoil例えば極低油温である場合、油圧制御指令信号Satの学習制御CTlrnが禁止される、有段変速部20に関わる変速制御以外の制御に用いられる制御用ソフトウェア92であれば更新を実行することが可能である。つまり、更新部122は、作動油温THoilが学習禁止条件を満たす作動油温THoilであるときに、更新対象となる制御用ソフトウェア92が、学習禁止条件を満たすことによって実行されない学習制御CTlrnが対象とする有段変速部20の制御に用いられる制御用ソフトウェア92ではないか否かに基づいて、車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにあるか否かを判定する。有段変速部20の変速制御に用いられる制御用ソフトウェア92は、例えば変速機用プログラム92Pat、ATギヤ段変速マップにおける複数種類の変速線SHなどである。
同様の考え方をすれば、エンジン冷却水温THengが学習禁止条件を満たすエンジン冷却水温THeng例えば低冷却水温である場合、エンジン制御指令信号Seの学習制御CTlrnが禁止される、エンジン14に関わる制御以外の制御に用いられる制御用ソフトウェア92であれば更新を実行することが可能である。又、エンジントルクTeの出力状態が学習禁止条件を満たすエンジントルクTeの出力状態例えばエンジントルクTeの一時的な出力制限である場合、エンジン制御指令信号Seの学習制御CTlrnが禁止される、エンジン14に関わる制御以外の制御に用いられる制御用ソフトウェア92であれば更新を実行することが可能である。エンジン14の制御に用いられる制御用ソフトウェア92は、例えばエンジン用プログラム92Peg、走行モード切替マップにおける駆動力源切替線CPなどである。
別の考え方では、車両10の運転状態が学習禁止条件に該当する場合でも、短時間で学習禁止条件に該当しなくなって学習禁止の制約が外れる見込みがある場合は、禁止される学習制御CTlrnが対象とする車両10の制御に用いられる制御用ソフトウェア92の更新を実行しても、更新後の学習制御CTlrnを問題なく実施できる為、その制御用ソフトウェア92の更新を実行することが可能である。
更新部122は、車両10の運転状態が学習禁止条件に該当すると判定した場合には、車両10の運転状態が制御用ソフトウェアの更新後に学習制御CTlrnの停滞が許容される予め定められた所定時間TMfで学習禁止条件を満たす運転状態から外れないか否かに基づいて、学習禁止制約が短時間で外れる見込みがないか否かを判定する。車両10の運転状態が学習禁止条件に該当する場合でも、学習禁止制約が短時間で外れる見込みがある場合には、更新後の学習制御CTlrnを所定時間TMf保留すれば問題なく実行することが可能である為、制御用ソフトウェア92の更新を実行することが可能である。更新部122は、学習禁止制約が短時間で外れる見込みがあると判定した場合には、車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにあると判定する。一方で、車両10の運転状態が学習禁止条件に該当しており、学習禁止制約が短時間で外れる見込みがない場合、更新後に学習制御CTlrnができない懸念がある為、制御用ソフトウェア92は更新されない。更新部122は、学習禁止制約が短時間で外れる見込みがないと判定した場合には、車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにないと判定する。つまり、更新部122は、車両10の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であるときに、車両10の運転状態が所定時間TMfで学習禁止条件を満たす運転状態から外れるか否かに基づいて、車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにあるか否かを判定する。
エンジントルクTeの出力状態が学習禁止条件を満たすエンジントルクTeの出力状態例えばエンジントルクTeの一時的な出力制限である場合、短時間でエンジントルクTeの出力制限が解除されて学習禁止制約が短時間で外れる見込みがある為、制御用ソフトウェア92の更新を実行することが可能である。つまり、更新部122は、エンジントルクTeの出力状態が学習禁止条件を満たすエンジントルクTeの出力状態例えばエンジントルクTeが一時的に出力制限された状態である場合には、車両10の運転状態が所定時間TMfで学習禁止条件を満たす運転状態から外れると判定する。
車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにないと判定されて制御用ソフトウェア92が更新されない状態が続くのは好ましくない。この場合、制御用ソフトウェア92の更新に適さない状態が継続されていると考えられる為、制御用ソフトウェア92が更新されていない状態にあることを運転者に知らせることが好ましい。
電子制御装置90は、更に、報知手段すなわち報知部98を備えている。報知部98は、更新部122により車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにないと判定されたときには、制御用ソフトウェア92が更新されない状態を数値化する。制御用ソフトウェア92が更新されない状態の数値化による数値VLnは、例えば更新部122により車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにないと判定された回数VLntである。つまり、報知部98は、車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにないと判定された回数VLntを用いて、制御用ソフトウェア92が更新されない状態を数値化する。又は、数値VLnは、例えば更新部122により制御用ソフトウェア92を更新する要求が有ると判定されてからの経過時間TMpである。つまり、報知部98は、制御用ソフトウェア92を更新する要求が有ると判定されてからの経過時間TMpを用いて、制御用ソフトウェア92が更新されない状態を数値化する。
報知部98は、数値VLnが制御用ソフトウェア92が更新されない状態が続く状態を判断する為の予め定められた所定値VLf以上であるか否かを判定する。報知部98は、数値VLnが所定値VLf以上であると判定した場合には、制御用ソフトウェア92が更新されていない状態にあることを運転者に報知する為の情報周知制御指令信号Sinfを情報周知装置89へ出力する。情報周知装置89は、情報周知制御指令信号Sinfに基づいて、例えば制御用ソフトウェア92が更新されていない状態にある旨を、モニタやディスプレイ等の表示装置上に表示したり、及び/又は、スピーカやブザー等の音出力装置にて報知する。制御用ソフトウェア92が更新されていない状態にあることを運転者に報知することは、例えば単に、制御用ソフトウェア92の更新ができていない状態が続いているという情報、つまり制御用ソフトウェア92の更新が保留されている状態にあるという情報を運転者に知らせることである。又は、制御用ソフトウェア92の更新に適さない状態が継続されている場合、車両10の修理工場、車両10の販売業者(=ディーラー)などの専門業者において制御用ソフトウェア92の更新を実施することが好ましい。前記専門業者は、例えば車両10の整備や修理を行う拠点であって、制御用ソフトウェア92を更新することができる更新対応業者である。従って、制御用ソフトウェア92が更新されていない状態にあることを運転者に報知することは、例えば更新対応業者に制御用ソフトウェア92の更新を依頼することを促すという情報を運転者に知らせることであっても良い。更新対応業者に制御用ソフトウェア92の更新を依頼することを促すこととは、例えば制御用ソフトウェア92を更新する為にディーラーへの入庫を促すことである。
図3は、車両用制御装置150の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、制御用ソフトウェア92の更新後に学習制御CTlrnが進行しないことによる車両10の制御性の低下を抑制する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば制御用ソフトウェア92を更新する要求が有ると判定されたときなどに繰り返し実行される。
図3において、先ず、更新部122の機能に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、車両10の運転状態が学習禁止条件に該当するか否かが判定される。このS10の判断が肯定される場合は更新部122の機能に対応するS20において、学習禁止条件に該当する項目が更新内容に含まれているか否かが判定される。このS20の判断が肯定される場合は更新部122の機能に対応するS30において、学習禁止制約が短時間で外れる見込みがないか否かが判定される。上記S10の判断、上記S20の判断、及び上記S30の判断のうちの何れかの判断が否定される場合は更新部122の機能に対応するS40において、更新対象となる制御用ソフトウェア92の更新が実行させられる。上記S30の判断が肯定される場合は更新部122の機能に対応するS50において、更新対象となる制御用ソフトウェア92の更新が実行されない。次いで、報知部98の機能に対応するS60において、更新対象となる制御用ソフトウェア92が更新されない状態が数値化され、その数値化による数値VLnが所定値VLf以上であるか否かが判定される。このS60の判断が肯定される場合は報知部98の機能に対応するS70において、例えばディーラーへの入庫を促す旨が運転者に報知される。上記S60の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられる。
上述のように、本実施例によれば、制御用ソフトウェア92を更新する要求が有る場合に、車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにあるか否かが判定され、車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにあると判定された場合には、制御用ソフトウェア92が更新される一方で、車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにないと判定された場合には、制御用ソフトウェア92が更新されないので、制御用ソフトウェア92の更新後に学習制御CTlrnが進行しないことによる車両10の制御性の低下を抑制することができる。
また、本実施例によれば、車両10の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態ではない場合に、車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにあると判定されるので、学習制御CTlrnが可能な運転状態のときに制御用ソフトウェア92が更新される。
また、本実施例によれば、車両10の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であるときに、更新対象となる制御用ソフトウェア92が、学習禁止条件を満たすことによって実行されない学習制御CTlrnが対象とする車両10の制御に用いられる制御用ソフトウェア92ではないか否かに基づいて、車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにあるか否かが判定されるので、車両10の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であっても、更新対象となる制御用ソフトウェア92が、実行されない学習制御CTlrnが対象とする制御用ソフトウェア92ではない場合には、更新対象となる制御用ソフトウェア92が更新される。
また、本実施例によれば、作動油温THoilが学習禁止条件を満たす作動油温THoilであるときに、更新対象となる制御用ソフトウェア92が、学習禁止条件を満たすことによって実行されない学習制御CTlrnが対象とする有段変速部20の制御に用いられる制御用ソフトウェア92ではないか否かに基づいて、車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにあるか否かが判定されるので、作動油温THoilが学習禁止条件を満たす作動油温THoilであっても、更新対象となる制御用ソフトウェア92が、実行されない学習制御CTlrnが対象とする有段変速部20の制御に用いられる制御用ソフトウェア92ではない場合には、更新対象となる制御用ソフトウェア92が更新される。
また、本実施例によれば、車両10の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であるときに、車両10の運転状態が所定時間TMfで学習禁止条件を満たす運転状態から外れるか否かに基づいて、車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにあるか否かが判定されるので、車両10の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であっても、車両10の運転状態が所定時間TMfで学習禁止条件を満たす運転状態から外れる場合には、制御用ソフトウェア92が更新される。
また、本実施例によれば、車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにないと判定されたときに、制御用ソフトウェア92が更新されない状態が数値化され、その数値化による数値VLnが所定値VLf以上である場合には、制御用ソフトウェア92が更新されていない状態にあることが運転者に報知されるので、制御用ソフトウェア92を更新できない状態が続く場合には、制御用ソフトウェア92が更新されていない状態にあることを知らせることができる。
また、本実施例によれば、車両10の運転状態が所定運転状態CDdrvfにないと判定された回数VLntが用いられて、又は、制御用ソフトウェア92を更新する要求が有ると判定されてからの経過時間TMpが用いられて、制御用ソフトウェア92が更新されない状態が数値化されるので、制御用ソフトウェア92が更新されていない状態にあることを適切に知らせることができる。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において実施例相互に共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施例では、前述の実施例1で示した無段変速部18と有段変速部20とを直列に備える車両10とは別の、図4に示すような車両300を例示する。
図4において、車両300は、走行用の駆動力源として、エンジン302及び回転機MGを備えたハイブリッド車両である。又、車両300は、駆動輪304と、エンジン302と駆動輪304との間の動力伝達経路に設けられた動力伝達装置306と、を備えている。
動力伝達装置306は、車体に取り付けられる非回転部材であるケース308内において、K0クラッチ310、トルクコンバータ312、自動変速機314等を備えている。K0クラッチ310は、エンジン302と駆動輪304との間の動力伝達経路におけるエンジン302と回転機MGとの間に設けられたクラッチである。トルクコンバータ312は、K0クラッチ310を介してエンジン302に連結されている。自動変速機314は、トルクコンバータ312に連結されており、トルクコンバータ312と駆動輪304との間の動力伝達経路に介在させられている。又、動力伝達装置306は、自動変速機314の出力回転部材である変速機出力軸316に連結されたプロペラシャフト318、プロペラシャフト318に連結されたディファレンシャルギヤ320、ディファレンシャルギヤ320に連結された1対のドライブシャフト322等を備えている。又、動力伝達装置306は、エンジン302とK0クラッチ310とを連結するエンジン連結軸324、K0クラッチ310とトルクコンバータ312とを連結する電動機連結軸326等を備えている。回転機MGは、ケース308内において、電動機連結軸326に動力伝達可能に連結されている。
エンジン302は、前述の実施例1におけるエンジン14と同様に、車両300に備えられた車両用制御装置350によって、車両300に備えられたエンジン制御装置340が制御されることによりエンジントルクTeが制御される。
回転機MGは、車両300に備えられたインバータ342を介して、車両300に備えられたバッテリ344に接続されており、前述の実施例1における第1回転機MG1や第2回転機MG2と同様に、車両用制御装置350によってインバータ342が制御されることにより、回転機MGの出力トルクであるMGトルクTmgが制御される。
トルクコンバータ312は、電動機連結軸326と連結されたポンプ翼車312a、及び自動変速機314の入力回転部材である変速機入力軸328と連結されたタービン翼車312bを備えている。トルクコンバータ312は、駆動力源(エンジン302、回転機MG)の各々からの駆動力を流体を介して電動機連結軸326から変速機入力軸328へ伝達する流体式伝動装置である。トルクコンバータ312は、ポンプ翼車312aとタービン翼車312bとを連結する、つまり電動機連結軸326と変速機入力軸328とを連結するLUクラッチ330を備えている。LUクラッチ330は、トルクコンバータ312の入出力回転部材を連結する直結クラッチ、すなわち公知のロックアップクラッチである。
LUクラッチ330は、例えば多板式或いは単板式のクラッチにより構成される油圧式の摩擦係合装置である。LUクラッチ330は、車両用制御装置350によって、車両300に備えられた油圧制御回路346が制御されることにより、油圧制御回路346から供給される調圧されたLUクラッチ330の油圧によりLUクラッチ330のトルク容量が変化させられることで、作動状態つまり制御状態が切り替えられる。LUクラッチ330の制御状態としては、LUクラッチ330が解放された状態である解放状態、LUクラッチ330が滑りを伴って係合された状態であるスリップ状態、及びLUクラッチ330が係合された状態である係合状態がある。
自動変速機314は、例えば前述の実施例1における有段変速部20と同様に、不図示の1組又は複数組の遊星歯車装置と、複数の係合装置と、を備えている、変速機としての公知の遊星歯車式の自動変速機である。
K0クラッチ310は、例えば多板式或いは単板式のクラッチにより構成される油圧式の摩擦係合装置である。K0クラッチ310は、車両用制御装置350によって油圧制御回路346が制御されることにより、油圧制御回路346から供給される調圧されたK0クラッチ310の油圧によりK0クラッチ310のトルク容量が変化させられることで、係合状態や解放状態などの制御状態が切り替えられる。
車両300において、K0クラッチ310の係合状態では、エンジン302とトルクコンバータ312とが動力伝達可能に連結される。一方で、K0クラッチ310の解放状態では、エンジン302とトルクコンバータ312との間の動力伝達が遮断される。
動力伝達装置306において、エンジン302から出力される動力は、K0クラッチ310が係合された場合に、エンジン連結軸324から、K0クラッチ310、電動機連結軸326、トルクコンバータ312、自動変速機314、プロペラシャフト318、ディファレンシャルギヤ320、及びドライブシャフト322等を順次介して駆動輪304へ伝達される。又、回転機MGから出力される動力は、K0クラッチ310の制御状態に拘わらず、電動機連結軸326から、トルクコンバータ312、自動変速機314、プロペラシャフト318、ディファレンシャルギヤ320、及びドライブシャフト322等を順次介して駆動輪304へ伝達される。
車両300は、機械式のオイルポンプであるMOP348、不図示の電動式のオイルポンプ等を備えている。MOP348は、ポンプ翼車312aに連結されており、駆動力源(エンジン302、回転機MG)により回転駆動させられて動力伝達装置306にて用いられる作動油OILを吐出する。MOP348等が吐出した作動油OILは、油圧制御回路346へ供給される。油圧制御回路346は、MOP348等が吐出した作動油OILを元にして各々調圧した、有段変速部20の係合装置の各油圧、K0クラッチ310の油圧、LUクラッチ330の油圧などを供給する。
車両用制御装置350は、前述の実施例1における車両用制御装置150と同等の機能を有している。例えば、車両用制御装置350は、車両用制御装置150が備える、AT変速制御部94、ハイブリッド制御部95、運転制御部96、学習制御部97、報知部98、取得部112、及び更新部122の各機能と同等の機能を有している。又、車両300には、LUクラッチ330やK0クラッチ310が備えられているので、車両用制御装置350は、K0クラッチ制御手段すなわちK0クラッチ制御部としての機能と、LUクラッチ制御手段すなわちLUクラッチ制御部としての機能と、を含んでおり、それらの制御機能によりK0クラッチ制御、LUクラッチ制御等を実行する。
ここで、LUクラッチ330の作動状態が学習禁止条件を満たすLUクラッチ330の作動状態例えば係合状態である場合、走行中であればLUクラッチ330の作動状態が頻繁に変化させられ、短時間でLUクラッチ330の係合状態が解除されて学習禁止制約が短時間で外れる見込みがある為、制御用ソフトウェア92の更新を実行することが可能である。つまり、更新部122は、LUクラッチ330の作動状態が学習禁止条件を満たす係合状態である場合には、車両10の運転状態が所定時間TMfで学習禁止条件を満たす運転状態から外れると判定する。
本実施例によれば、前述の実施例1と同様の効果が得られる。
また、本実施例によれば、LUクラッチ330の作動状態が学習禁止条件を満たす係合状態である場合には、車両10の運転状態が所定時間TMfで学習禁止条件を満たす運転状態から外れると判定されるので、LUクラッチ330の作動状態が学習禁止条件を満たす係合状態であっても、制御用ソフトウェア92が更新される。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例において、更新部122は、制御用ソフトウェア92を更新する要求が有ると判定したときに、学習制御部97により車両10の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であると判定されているか否かに基づいて、車両10の運転状態が学習禁止条件に該当するか否かを判定した。この際、学習制御部97は、制御用ソフトウェア92を更新する要求が有ると判定されてから、予め定められた所定走行距離を走行するまでの間、又は、予め定められた所定期間が経過するまでの間、車両10の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であるか否かを判定しても良い。前記所定走行距離及び前記所定期間は、各々、例えば制御用ソフトウェア92が更新されない状態が続く状態を判断する為の予め定められた閾値である。このようにすれば、制御用ソフトウェア92を更新する要求が有るとされた時点で車両10の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であっても、その後に、車両10の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態ではないと判定されることが期待できる。
又は、学習制御部97は、制御用ソフトウェア92を更新する要求が有るとされてから予め定められた第2所定時間後まで学習禁止条件を満たす運転状態とされているか否かに基づいて、車両10の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であるか否かを判定しても良い。前記第2所定時間は、例えば制御用ソフトウェア92が更新されない状態が続く状態を判断する為の予め定められた閾値である。このようにすれば、近い将来、車両10の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態とされていないと予測されるのであれば、車両10の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態ではないと判定される。
また、前述の実施例では、学習制御CTlrnによって補正される、車両10を制御するときの制御値Sctとして、エンジン制御指令信号Se、油圧制御指令信号Satなどを例示したが、この態様に限らない。例えば、制御用ソフトウェア92のうちの制御用データ92Dに含まれる、ATギヤ段変速マップにおける複数種類の変速線SH、走行モード切替マップにおける駆動力源切替線CPなどが制御値Sctとして学習制御CTlrnによって補正されても良い。このような場合でも、本発明を適用することができる。
また、前述の実施例において、第2記憶装置124に記憶された受信後新ソフトウェア126が複数種類あっても良い。この場合、例えば受信後新ソフトウェア126の各々について図3のフローチャートが実行される。この図3のフローチャートでは、S30及びS40のうちの何れか一方のみの判断が肯定される場合にS50が実行されても良い。
また、前述の実施例では、第1記憶装置91は電子制御装置90に備えられ、取得部112はゲートウェイECU110に備えられ、更新部122は更新用制御装置120に備えられていたが、この態様に限らない。例えば、更新部122の機能の全部又は一部は、電子制御装置90に備えられていても良いし、又は、取得部112の機能の全部又は一部は、更新用制御装置120に備えられていても良いし、更新部122の機能の全部又は一部は、ゲートウェイECU110に備えられていても良い。又は、例えば、電子制御装置90、ゲートウェイECU110、及び更新用制御装置120は、一体の制御装置であっても良いし、又は、ゲートウェイECU110及び更新用制御装置120は、一体の制御装置であっても良い。要は、第1記憶装置91、取得部112、更新部122などの各機能は、車両用制御装置150に備えられていれば良い。
また、前述の実施例では、本発明が適用される車両として、無段変速部18及び有段変速部20を直列に備える車両10、及びエンジン302と回転機MGとを駆動力源として備えた、パラレル式のハイブリッド車両である車両300を例示したが、車両10や車両300に限らず、制御用ソフトウェアの更新処理を行う車両であれば、本発明を適用することができる。例えば、駆動力源としてエンジンのみを備えたエンジン車両、エンジンを備えず電動機のみを駆動力源とする電気自動車などであっても、本発明を適用することができる。
また、前述の実施例2では、流体式伝動装置としてトルクコンバータ312が用いられたが、この態様に限らない。例えば、流体式伝動装置として、トルクコンバータ312に替えて、トルク増幅作用のないフルードカップリングなどの他の流体式伝動装置が用いられても良い。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両
20:機械式有段変速部(変速機)
91:第1記憶装置(記憶装置)
92:制御用ソフトウェア
97:学習制御部
98:報知部
122:更新部
150:車両用制御装置
200:サーバー(車外装置)
202:新ソフトウェア
300:車両
312:トルクコンバータ(流体式伝動装置)
314:自動変速機(変速機)
330:LUクラッチ(直結クラッチ)
350:車両用制御装置

Claims (12)

  1. 記憶装置を有し、前記記憶装置に記憶された複数種類の制御用ソフトウェアを各々用いて車両の複数種類の制御を行う車両用制御装置であって、
    更新対象となる前記制御用ソフトウェアを更新する更新部と、
    前記制御用ソフトウェアを用いた前記車両の制御において前記車両を制御するときの制御値を学習制御によって補正するものであり、前記車両の運転状態が学習禁止条件を満たす運転状態であるときは、前記学習制御を行わない学習制御部と、
    を含んでおり、
    前記更新部は、前記制御用ソフトウェアを更新する要求が有る場合に、前記車両の運転状態が前記学習制御が進行する所定運転状態にあるか否かを判定し、前記車両の運転状態が前記所定運転状態にあると判定した場合には、前記制御用ソフトウェアを更新する一方で、前記車両の運転状態が前記所定運転状態にないと判定した場合には、前記制御用ソフトウェアを更新しないことを特徴とする車両用制御装置。
  2. 前記更新部は、前記車両の運転状態が前記学習禁止条件を満たす運転状態ではない場合に、前記車両の運転状態が前記所定運転状態にあると判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
  3. 前記更新部は、前記車両の運転状態が前記学習禁止条件を満たす運転状態であるときに、前記更新対象となる前記制御用ソフトウェアが、前記学習禁止条件を満たすことによって実行されない前記学習制御が対象とする前記車両の制御に用いられる前記制御用ソフトウェアではないか否かに基づいて、前記車両の運転状態が前記所定運転状態にあるか否かを判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用制御装置。
  4. 前記更新部は、前記車両に備えられた変速機の変速作動に用いられる作動油の温度が前記学習禁止条件を満たす前記作動油の温度であるときに、前記更新対象となる前記制御用ソフトウェアが、前記学習禁止条件を満たすことによって実行されない前記学習制御が対象とする前記変速機の制御に用いられる前記制御用ソフトウェアではないか否かに基づいて、前記車両の運転状態が前記所定運転状態にあるか否かを判定することを特徴とする請求項3に記載の車両用制御装置。
  5. 前記更新部は、前記車両の運転状態が前記学習禁止条件を満たす運転状態であるときに、前記車両の運転状態が前記制御用ソフトウェアの更新後に前記学習制御の停滞が許容される予め定められた所定時間で前記学習禁止条件を満たす運転状態から外れるか否かに基づいて、前記車両の運転状態が前記所定運転状態にあるか否かを判定することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の車両用制御装置。
  6. 前記更新部は、前記車両に備えられた流体式伝動装置の直結クラッチの作動状態が前記学習禁止条件を満たす係合状態である場合には、前記車両の運転状態が前記所定時間で前記学習禁止条件を満たす運転状態から外れると判定することを特徴とする請求項5に記載の車両用制御装置。
  7. 前記車両の運転状態が前記所定運転状態にないと判定されたときに、前記制御用ソフトウェアが更新されない状態を数値化し、前記数値化による数値が前記制御用ソフトウェアが更新されない状態が続く状態を判断する為の予め定められた所定値以上である場合には、前記制御用ソフトウェアが更新されていない状態にあることを運転者に報知する報知部を更に含むことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の車両用制御装置。
  8. 前記報知部は、前記車両の運転状態が前記所定運転状態にないと判定された回数を用いて、前記制御用ソフトウェアが更新されない状態を数値化することを特徴とする請求項7に記載の車両用制御装置。
  9. 前記報知部は、前記制御用ソフトウェアを更新する要求が有るとされてからの経過時間を用いて、前記制御用ソフトウェアが更新されない状態を数値化することを特徴とする請求項7に記載の車両用制御装置。
  10. 前記学習制御部は、前記制御用ソフトウェアを更新する要求が有るとされてから、予め定められた所定走行距離を走行するまでの間、又は、予め定められた所定期間が経過するまでの間、前記車両の運転状態が前記学習禁止条件を満たす運転状態であるか否かを判定することを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の車両用制御装置。
  11. 前記学習制御部は、前記制御用ソフトウェアを更新する要求が有るとされてから予め定められた第2所定時間後まで前記学習禁止条件を満たす運転状態とされているか否かに基づいて、前記車両の運転状態が前記学習禁止条件を満たす運転状態であるか否かを判定することを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の車両用制御装置。
  12. 前記更新部は、前記制御用ソフトウェアを、前記車両とは別の車外装置から無線通信を介して受信することで取得された、前記制御用ソフトウェアを前記更新対象とする新ソフトウェアに更新することを特徴とする請求項1から11の何れか1項に記載の車両用制御装置。
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