JP2022018032A - 車両用制御装置 - Google Patents

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Yuki Makino
悠紀 片岡
Yuki Kataoka
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Abstract

【課題】車両の走行中に車両制御用ソフトウェアの書換処理を行う機会を適切に確保することができる車両用制御装置を提供する。【解決手段】車両10の走行中に書換処理の対象となる車両制御用ソフトウェア92が車両10の制御に用いられる制御値Sctの学習制御における学習値の制限値GDである場合には、車両制御用ソフトウェア92が用いられる車両10の制御の種類に係わらず、車両制御用ソフトウェア92の書換処理が行われるので、車両10の走行中に車両制御用ソフトウェア92の書換処理を行う機会を適切に確保することができる。【選択図】図8

Description

本発明は、車両制御用ソフトウェアの書換処理を行う車両用制御装置に関するものである。
車両の制御を行うと共に、前記車両とは別の車外装置から無線通信を介して受信し、前記車両の記憶装置に記憶した複数種類の新ソフトウェアを用いて、前記車両の複数種類の制御に用いられる複数種類の車両制御用ソフトウェアの書換処理を行う車両用制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載されたソフトウェア更新システムがそれである。この特許文献1には、車両に記憶された、センタから配信された新ソフトウェアを用いて、車両の複数種類の制御に用いられる複数種類の車両制御用ソフトウェアの更新を実行する場合、車両制御用ソフトウェアの更新を失敗したときの車両の運用への影響度を考慮して更新を制御することが開示されている。
特開2018-45515号公報
ところで、車両制御用ソフトウェアの更新は、特許文献1に開示されているように、車両の走行中に実行することもできる。特許文献1には、車両の制御の種類毎に、更新対象の車両制御用ソフトウェアを使用せずに走行できるか否かが予め定められており、走行不可の場合には、エンジンが停止されて車両が利用されていない状態となった後に、更新対象の車両制御用ソフトウェアの更新を試みることが開示されている。しかしながら、車両の走行中において、車両の制御の種類毎に、一律に、更新対象となる車両制御用ソフトウェアの更新可否を定めると、車両制御用ソフトウェアの更新の機会が限定されてしまう可能性がある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、車両の走行中に車両制御用ソフトウェアの書換処理を行う機会を適切に確保することができる車両用制御装置を提供することにある。
第1の発明の要旨とするところは、(a)車両の制御を行うと共に、前記車両とは別の車外装置から無線通信を介して受信し、前記車両の記憶装置に記憶した複数種類の新ソフトウェアを用いて、前記車両の制御手順が定められた複数種類の車両制御用プログラム及び前記車両制御用プログラムに従って前記車両を制御するときに用いられる複数種類の制御用データを含む、前記車両の複数種類の制御に用いられる複数種類の車両制御用ソフトウェアの書換処理を行う車両用制御装置であって、(b)前記車両の走行中に前記書換処理を行っても現在の走行に支障が無い前記車両制御用ソフトウェアに対して前記書換処理を行う一方で、前記車両の走行中に前記書換処理を行うと現在の走行に支障が有る前記車両制御用ソフトウェアに対しては前記書換処理を保留するソフト更新部を含むものであり、(c)前記ソフト更新部は、前記車両の走行中に、前記書換処理の対象となる前記車両制御用ソフトウェアが前記制御用データであり、且つ、前記制御用データが前記車両の制御に用いられる制御値の学習制御による補正値又は補正量を制限する制限値である場合には、前記車両制御用ソフトウェアが用いられる前記車両の制御の種類に係わらず、前記書換処理を行うことにある。
前記第1の発明によれば、車両の走行中に書換処理の対象となる車両制御用ソフトウェアが車両の制御に用いられる制御値の学習制御における制限値である場合には、車両制御用ソフトウェアが用いられる車両の制御の種類に係わらず、車両制御用ソフトウェアの書換処理が行われるので、車両の走行中に車両制御用ソフトウェアの書換処理を行う機会を適切に確保することができる。
本発明が適用される車両の概略構成を説明する図であると共に、車両用制御装置を説明する図である。 図1の機械式有段変速部の変速作動とそれに用いられる係合装置の作動の組み合わせとの関係を説明する作動図表である。 図1の電気式無段変速部と機械式有段変速部とにおける各回転要素の回転速度の相対的関係を表す共線図である。 無線通信を介して車両制御用ソフトウェアを更新する構成の一例を示す図である。 図1の機械式有段変速部の変速制御に用いられるATギヤ段変速マップと、走行モードの切替制御に用いられる走行モード切替マップとの一例を示す図であって、それぞれの関係を示す図でもある。 書換処理の対象となる制御用データが変速線である場合の一例を示す図である。 書換処理の対象となる制御用データが走行領域切替線である場合の一例を示す図である。 車両用制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであり、車両の走行中に車両制御用ソフトウェアの書換処理を行う機会を適切に確保する為の制御作動を説明するフローチャートである。
本発明の実施形態において、前記自動変速機における変速比は、「入力側の回転部材の回転速度/出力側の回転部材の回転速度」である。この変速比におけるハイ側は、変速比が小さくなる側である高車速側である。変速比におけるロー側は、変速比が大きくなる側である低車速側である。例えば、最ロー側変速比は、最も低車速側となる最低車速側の変速比であり、変速比が最も大きな値となる最大変速比である。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、動力伝達装置12、エンジン14、第1回転機MG1、及び第2回転機MG2を備えている。
エンジン14は、駆動力を発生することが可能な駆動力源であって、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の公知の内燃機関である。エンジン14は、後述する電子制御装置90によって車両10に備えられたスロットルアクチュエータや燃料噴射装置や点火装置等を含むエンジン制御装置50が制御されることによりエンジン14の出力トルクであるエンジントルクTeが制御される。
第1回転機MG1及び第2回転機MG2は、電動機(モータ)としての機能及び発電機(ジェネレータ)としての機能を有する回転電気機械であって、所謂モータジェネレータである。第1回転機MG1及び第2回転機MG2は、各々、車両10に備えられたインバータ52を介して、車両10に備えられたバッテリ54に接続されている。第1回転機MG1及び第2回転機MG2は、各々、後述する電子制御装置90によってインバータ52が制御されることにより、第1回転機MG1の出力トルクであるMG1トルクTg及び第2回転機MG2の出力トルクであるMG2トルクTmが制御される。回転機の出力トルクは、例えばエンジン14の運転時と同じ回転方向である正回転の場合、加速側となる正トルクでは力行トルクであり、減速側となる負トルクでは回生トルクである。バッテリ54は、第1回転機MG1及び第2回転機MG2の各々に対して電力を授受する蓄電装置である。第1回転機MG1及び第2回転機MG2は、車体に取り付けられる非回転部材としてのケース16内に設けられている。
動力伝達装置12は、ケース16内において共通の軸心上に直列に配設された、電気式無段変速部18及び機械式有段変速部20等を備えている。電気式無段変速部18は、直接的に或いは図示しないダンパーなどを介して間接的にエンジン14に連結されている。機械式有段変速部20は、電気式無段変速部18の出力側に連結されている。又、動力伝達装置12は、機械式有段変速部20の出力回転部材である出力軸22に連結された差動歯車装置24、差動歯車装置24に連結された一対の車軸26等を備えている。車軸26は、車両10が備える駆動輪28と連結されている。尚、以下、電気式無段変速部18を無段変速部18、機械式有段変速部20を有段変速部20という。又、無段変速部18や有段変速部20等は上記共通の軸心に対して略対称的に構成されており、図1ではその軸心の下半分が省略されている。上記共通の軸心は、エンジン14のクランク軸、そのクランク軸に連結された無段変速部18の入力回転部材である連結軸30などの軸心である。
無段変速部18は、第1回転機MG1と、エンジン14の動力を第1回転機MG1及び無段変速部18の出力回転部材である中間伝達部材32に機械的に分割する動力分割機構としての差動機構34とを備えている。中間伝達部材32には、第2回転機MG2が動力伝達可能に連結されている。無段変速部18は、第1回転機MG1の運転状態が制御されることにより差動機構34の差動状態が制御される電気式無段変速機である。無段変速部18は、変速比(ギヤ比ともいう)γ0(=エンジン回転速度Ne/MG2回転速度Nm)が変化させられる電気的な無段変速機として作動させられる。エンジン回転速度Neは、エンジン14の回転速度であり、無段変速部18の入力回転速度すなわち連結軸30の回転速度と同値である。MG2回転速度Nmは、第2回転機MG2の回転速度であり、無段変速部18の出力回転速度すなわち中間伝達部材32の回転速度と同値である。第1回転機MG1は、エンジン回転速度Neを制御可能な回転機であって、差動用回転機に相当する。尚、第1回転機MG1の運転状態を制御することは、第1回転機MG1の運転制御を行うことである。
差動機構34は、シングルピニオン型の遊星歯車装置にて構成されており、サンギヤS0、キャリアCA0、及びリングギヤR0を備えている。キャリアCA0には連結軸30を介してエンジン14が動力伝達可能に連結され、サンギヤS0には第1回転機MG1が動力伝達可能に連結され、リングギヤR0には第2回転機MG2が動力伝達可能に連結されている。差動機構34において、キャリアCA0は入力要素として機能し、サンギヤS0は反力要素として機能し、リングギヤR0は出力要素として機能する。
有段変速部20は、中間伝達部材32と駆動輪28との間の動力伝達経路の一部を構成する有段変速機としての機械式変速機構、つまり無段変速部18と駆動輪28との間の動力伝達経路の一部を構成する機械式変速機構である。中間伝達部材32は、有段変速部20の入力回転部材としても機能する。中間伝達部材32には第2回転機MG2が一体回転するように連結されている。第2回転機MG2は、駆動力を発生することが可能な駆動力源として機能する回転機であって、走行駆動用回転機に相当する。又、無段変速部18の入力側にはエンジン14が連結されている。よって、有段変速部20は、駆動力源(エンジン14、第2回転機MG2)と駆動輪28との間の動力伝達経路の一部を構成する自動変速機である。有段変速部20は、例えば第1遊星歯車装置36及び第2遊星歯車装置38の複数組の遊星歯車装置と、ワンウェイクラッチF1を含む、クラッチC1、クラッチC2、ブレーキB1、ブレーキB2の複数の係合装置とを備えている、公知の遊星歯車式の自動変速機である。以下、クラッチC1、クラッチC2、ブレーキB1、及びブレーキB2については、特に区別しない場合は単に係合装置CBという。
係合装置CBは、油圧アクチュエータにより押圧される多板式或いは単板式のクラッチやブレーキ、油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成される、油圧式の摩擦係合装置である。係合装置CBは、車両10に備えられた油圧制御回路56内の各ソレノイドバルブSL1-SL4等から出力される調圧された係合装置CBの各係合圧によりそれぞれのトルク容量が変化させられることで、各々、係合や解放などの状態である作動状態が切り替えられる。
有段変速部20は、第1遊星歯車装置36及び第2遊星歯車装置38の各回転要素が、直接的に或いは係合装置CBやワンウェイクラッチF1を介して間接的に、一部が互いに連結されたり、中間伝達部材32、ケース16、或いは出力軸22に連結されている。第1遊星歯車装置36の各回転要素は、サンギヤS1、キャリアCA1、リングギヤR1であり、第2遊星歯車装置38の各回転要素は、サンギヤS2、キャリアCA2、リングギヤR2である。
有段変速部20は、複数の係合装置のうちの何れかの係合装置である例えば所定の係合装置の係合によって、変速比γat(=AT入力回転速度Ni/出力回転速度No)が異なる複数の変速段(ギヤ段ともいう)のうちの何れかのギヤ段が形成される有段変速機である。つまり、有段変速部20は、複数の係合装置の何れかが係合されることで、ギヤ段が切り替えられるすなわち変速が実行される。本実施例では、有段変速部20にて形成されるギヤ段をATギヤ段と称す。AT入力回転速度Niは、有段変速部20の入力回転速度すなわち中間伝達部材32の回転速度であり、MG2回転速度Nmと同値である。AT入力回転速度Niは、MG2回転速度Nmで表すことができる。出力回転速度Noは、有段変速部20の出力回転速度すなわち出力軸22の回転速度である。出力回転速度Noは、無段変速部18と有段変速部20とを合わせた全体の自動変速機である複合変速機40の出力回転速度でもある。尚、エンジン回転速度Neは、複合変速機40の入力回転速度でもある。
有段変速部20は、例えば図2の係合作動表に示すように、複数のATギヤ段として、AT1速ギヤ段(図中の「1st」)-AT4速ギヤ段(図中の「4th」)の4段の前進用のATギヤ段が形成される。AT1速ギヤ段の変速比γatが最も大きく、ハイ側のATギヤ段程、変速比γatが小さくなる。又、後進用のATギヤ段(図中の「Rev」)は、例えばクラッチC1の係合且つブレーキB2の係合によって形成される。つまり、後進走行を行う際には、例えばAT1速ギヤ段が形成される。図2の係合作動表は、各ATギヤ段と複数の係合装置の各作動状態との関係をまとめたものである。すなわち、図2の係合作動表は、各ATギヤ段と、各ATギヤ段において各々係合される係合装置である所定の係合装置との関係をまとめたものである。図2において、「○」は係合、「△」はエンジンブレーキ時や有段変速部20のコーストダウンシフト時に係合、空欄は解放をそれぞれ表している。
有段変速部20は、後述する電子制御装置90によって、ドライバー(=運転者)のアクセル操作や車速V等に応じて形成されるATギヤ段が切り替えられる、すなわち複数のATギヤ段が選択的に形成される。例えば、有段変速部20の変速制御においては、係合装置CBの何れかの掴み替えにより変速が実行される、すなわち係合装置CBの係合と解放との切替えにより変速が実行される、所謂クラッチツゥクラッチ変速が実行される。
車両10は、更に、機械式のオイルポンプであるMOP58、不図示の電動式のオイルポンプ等を備えている。MOP58は、連結軸30に連結されており、エンジン14の回転と共に回転させられて動力伝達装置12にて用いられる作動油OILを吐出する。又、不図示の電動式のオイルポンプは、例えばエンジン14の停止時すなわちMOP58の非駆動時に駆動させられて作動油OILを吐出する。MOP58や不図示の電動式のオイルポンプが吐出した作動油OILは、油圧制御回路56へ供給される。係合装置CBは、作動油OILを元にして油圧制御回路56により調圧された各係合圧によって作動状態が切り替えられる。
図3は、無段変速部18と有段変速部20とにおける各回転要素の回転速度の相対的関係を表す共線図である。図3において、無段変速部18を構成する差動機構34の3つの回転要素に対応する3本の縦線Y1、Y2、Y3は、左側から順に第2回転要素RE2に対応するサンギヤS0の回転速度を表すg軸であり、第1回転要素RE1に対応するキャリアCA0の回転速度を表すe軸であり、第3回転要素RE3に対応するリングギヤR0の回転速度(すなわち有段変速部20の入力回転速度)を表すm軸である。又、有段変速部20の4本の縦線Y4、Y5、Y6、Y7は、左から順に、第4回転要素RE4に対応するサンギヤS2の回転速度、第5回転要素RE5に対応する相互に連結されたリングギヤR1及びキャリアCA2の回転速度(すなわち出力軸22の回転速度)、第6回転要素RE6に対応する相互に連結されたキャリアCA1及びリングギヤR2の回転速度、第7回転要素RE7に対応するサンギヤS1の回転速度をそれぞれ表す軸である。縦線Y1、Y2、Y3の相互の間隔は、差動機構34の歯車比ρ0に応じて定められている。又、縦線Y4、Y5、Y6、Y7の相互の間隔は、第1、第2遊星歯車装置36、38の各歯車比ρ1、ρ2に応じて定められている。共線図の縦軸間の関係においてサンギヤとキャリアとの間が「1」に対応する間隔とされるとキャリアとリングギヤとの間が遊星歯車装置の歯車比ρ(=サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)に対応する間隔とされる。
図3の共線図を用いて表現すれば、無段変速部18の差動機構34において、第1回転要素RE1にエンジン14(図中の「ENG」参照)が連結され、第2回転要素RE2に第1回転機MG1(図中の「MG1」参照)が連結され、中間伝達部材32と一体回転する第3回転要素RE3に第2回転機MG2(図中の「MG2」参照)が連結されて、エンジン14の回転を中間伝達部材32を介して有段変速部20へ伝達するように構成されている。無段変速部18では、縦線Y2を横切る各直線L0e、L0m、L0Rにより、サンギヤS0の回転速度とリングギヤR0の回転速度との関係が示される。
又、有段変速部20において、第4回転要素RE4はクラッチC1を介して中間伝達部材32に選択的に連結され、第5回転要素RE5は出力軸22に連結され、第6回転要素RE6はクラッチC2を介して中間伝達部材32に選択的に連結されると共にブレーキB2を介してケース16に選択的に連結され、第7回転要素RE7はブレーキB1を介してケース16に選択的に連結される。有段変速部20では、係合装置CBの係合解放制御によって縦線Y5を横切る各直線L1、L2、L3、L4、LRにより、出力軸22における「1st」、「2nd」、「3rd」、「4th」、「Rev」の各回転速度が示される。
図3中の実線で示す、直線L0e及び直線L1、L2、L3、L4は、少なくともエンジン14を駆動力源として走行するハイブリッド走行(=HV走行)が可能なHV走行モードでの前進走行における各回転要素の相対速度を示している。HV走行は、エンジン14からの駆動力を少なくとも用いて走行するエンジン走行である。このHV走行モードでは、差動機構34において、キャリアCA0に入力される正トルクのエンジントルクTeに対して、第1回転機MG1による負トルクの反力トルクとなるMG1トルクTgがサンギヤS0に入力されると、リングギヤR0には正回転にて正トルクとなるエンジン直達トルクTd(=Te/(1+ρ0)=-(1/ρ0)×Tg)が現れる。そして、要求駆動力に応じて、エンジン直達トルクTdとMG2トルクTmとの合算トルクが車両10の前進方向の駆動トルクとして、AT1速ギヤ段-AT4速ギヤ段のうちの何れかのATギヤ段が形成された有段変速部20を介して駆動輪28へ伝達される。第1回転機MG1は、正回転にて負トルクを発生する場合には発電機として機能する。第1回転機MG1の発電電力Wgは、バッテリ54に充電されたり、第2回転機MG2にて消費される。第2回転機MG2は、発電電力Wgの全部又は一部を用いて、或いは発電電力Wgに加えてバッテリ54からの電力を用いて、MG2トルクTmを出力する。このように、第1回転機MG1は、エンジン14からの駆動力を伝達するようにエンジントルクTeに対する反力トルクを出力する回転機である。
図3中の一点鎖線で示す直線L0m及び図3中の実線で示す直線L1、L2、L3、L4は、エンジン14の運転を停止した状態で第2回転機MG2を駆動力源として走行するモータ走行(=EV走行)が可能なEV走行モードでの前進走行における各回転要素の相対速度を示している。EV走行は、第2回転機MG2からの駆動力のみを用いて走行するモータ走行である。EV走行モードでの前進走行におけるEV走行では、キャリアCA0はゼロ回転とされ、リングギヤR0には正回転にて正トルクとなるMG2トルクTmが入力される。このとき、サンギヤS0に連結された第1回転機MG1は、無負荷状態とされて負回転にて空転させられる。つまり、EV走行モードでの前進走行では、エンジン14は駆動されず、エンジン回転速度Neはゼロとされ、MG2トルクTmが車両10の前進方向の駆動トルクとして、AT1速ギヤ段-AT4速ギヤ段のうちの何れかのATギヤ段が形成された有段変速部20を介して駆動輪28へ伝達される。ここでのMG2トルクTmは、正回転且つ正トルクの力行トルクである。
図3中の破線で示す、直線L0R及び直線LRは、EV走行モードでの後進走行における各回転要素の相対速度を示している。このEV走行モードでの後進走行では、リングギヤR0には負回転にて負トルクとなるMG2トルクTmが入力され、そのMG2トルクTmが車両10の後進方向の駆動トルクとして、AT1速ギヤ段が形成された有段変速部20を介して駆動輪28へ伝達される。車両10では、後述する電子制御装置90によって、複数のATギヤ段のうちの前進用のロー側のATギヤ段である例えばAT1速ギヤ段が形成された状態で、前進走行時における前進用のMG2トルクTmとは正負が反対となる後進用のMG2トルクTmが第2回転機MG2から出力させられることで、後進走行を行うことができる。ここでのMG2トルクTmは、負回転且つ負トルクの力行トルクである。尚、HV走行モードにおいても、直線L0Rのように第2回転機MG2を負回転とすることが可能であるので、EV走行モードと同様に後進走行を行うことが可能である。
車両10は、走行用の駆動力源として、エンジン14及び第2回転機MG2を備えたハイブリッド車両である。動力伝達装置12において、エンジン14や第2回転機MG2から出力される動力は、有段変速部20へ伝達され、その有段変速部20から差動歯車装置24等を介して駆動輪28へ伝達される。このように、動力伝達装置12は、駆動力源(エンジン14、第2回転機MG2)からの駆動力を駆動輪28へ伝達する。尚、動力は、特に区別しない場合にはトルクや力も同意である。
図1に戻り、車両10は、エンジン14、無段変速部18、及び有段変速部20などの制御に関連する車両10の制御装置を含むコントローラとしての電子制御装置90を備えている。図1は、電子制御装置90の入出力系統を示す図であり、又、電子制御装置90による制御機能の要部を説明する機能ブロック図である。電子制御装置90は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を行う。電子制御装置90は、必要に応じて駆動力源制御用、有段変速制御用等に分けて構成される。
電子制御装置90には、車両10に備えられた各種センサ等(例えばエンジン回転速度センサ60、出力回転速度センサ62、MG1回転速度センサ64、MG2回転速度センサ66、アクセル開度センサ68、スロットル弁開度センサ70、ブレーキペダルセンサ71、ステアリングセンサ72、ドライバ状態センサ73、Gセンサ74、ヨーレートセンサ76、バッテリセンサ78、油温センサ79、車両周辺情報センサ80、車両位置センサ81、外部ネットワーク通信用アンテナ82、ナビゲーションシステム83、運転支援設定スイッチ群84、シフトポジションセンサ85など)による検出値に基づく各種信号等(例えばエンジン回転速度Ne、車速Vに対応する出力回転速度No、第1回転機MG1の回転速度であるMG1回転速度Ng、AT入力回転速度Niと同値であるMG2回転速度Nm、運転者の加速操作の大きさを表す運転者のアクセル操作量であるアクセル開度θacc、電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度θth、ホイールブレーキを作動させる為のブレーキペダルが運転者によって操作されている状態を示す信号であるブレーキオン信号Bon、運転者によるブレーキペダルの踏込操作の大きさを表すブレーキ操作量Bra、車両10に備えられたステアリングホイールの操舵角θsw及び操舵方向Dsw、ステアリングホイールが運転者によって握られている状態を示す信号であるステアリングオン信号SWon、運転者の状態を示す信号であるドライバ状態信号Drv、車両10の前後加速度Gx及び左右加速度Gy、車両10の鉛直軸まわりの回転角速度であるヨーレートRyaw、バッテリ54のバッテリ温度THbatやバッテリ充放電電流Ibatやバッテリ電圧Vbat、作動油OILの温度である作動油温THoil、車両周辺情報Iard、位置情報Ivp、通信信号Scom、ナビ情報Inavi、自動運転制御やクルーズ制御等の運転支援制御における運転者による設定を示す信号である運転支援設定信号Sset、車両10に備えられたシフトレバーの操作ポジションPOSshなど)が、それぞれ供給される。
運転者のアクセル操作量は、例えばアクセルペダルなどのアクセル操作部材の操作量である加速操作量であって、車両10に対する運転者の出力要求量である。運転者の出力要求量としては、アクセル開度θaccの他に、スロットル弁開度θthなどを用いることもできる。
ドライバ状態センサ73は、例えば運転者の表情や瞳孔などを撮影するカメラ、運転者の生体情報を検出する生体情報センサなどのうちの少なくとも一つを含んでおり、運転者の視線や顔の向き、眼球や顔の動き、心拍の状態等の運転者の状態を取得する。
車両周辺情報センサ80は、例えばライダー、レーダー、及び車載カメラなどのうちの少なくとも一つを含んでおり、走行中の道路に関する情報や車両周辺に存在する物体に関する情報を直接的に取得する。前記ライダーは、例えば車両10の前方の物体、側方の物体、後方の物体などを各々検出する複数のライダー、又は、車両10の全周囲の物体を検出する一つのライダーであり、検出した物体に関する物体情報を車両周辺情報Iardとして出力する。前記レーダーは、例えば車両10の前方の物体、前方近傍の物体、後方近傍の物体などを各々検出する複数のレーダーなどであり、検出した物体に関する物体情報を車両周辺情報Iardとして出力する。前記ライダーやレーダーによる物体情報には、検出した物体の車両10からの距離と方向とが含まれる。前記車載カメラは、例えば車両10の前方や後方を撮像する単眼カメラ又はステレオカメラであり、撮像情報を車両周辺情報Iardとして出力する。この撮像情報には、走行路の車線、走行路における標識、駐車スペース、及び走行路における他車両や歩行者や障害物などの情報が含まれる。
車両位置センサ81は、GPSアンテナなどを含んでいる。位置情報Ivpは、GPS(Global Positioning System)衛星が発信するGPS信号(軌道信号)などに基づく地表又は地図上における車両10の現在位置を示す情報である自車位置情報を含んでいる。
ナビゲーションシステム83は、ディスプレイやスピーカ等を有する公知のナビゲーションシステムである。ナビゲーションシステム83は、位置情報Ivpに基づいて、予め記憶された地図データ上に自車位置を特定する。ナビゲーションシステム83は、ディスプレイに表示した地図上に自車位置を表示する。ナビゲーションシステム83は、目的地が入力されると、出発地から目的地までの走行経路を演算し、ディスプレイやスピーカ等で運転者に走行経路などの指示を行う。ナビ情報Inaviは、例えばナビゲーションシステム83に予め記憶された地図データに基づく道路情報や施設情報などの地図情報などを含んでいる。前記道路情報には、市街地道路、郊外道路、山岳道路、高速自動車道路すなわち高速道路などの道路の種類、道路の分岐や合流、道路の勾配、制限速度などの情報が含まれる。前記施設情報には、スーパー、商店、レストラン、駐車場、公園、車両10の故障対応業者、自宅、高速道路におけるサービスエリアなどの拠点の種類、所在位置、名称などの情報が含まれる。上記サービスエリアは、例えば高速道路で、駐車、食事、給油などの設備のある拠点である。
運転支援設定スイッチ群84は、自動運転制御を実行させる為の自動運転選択スイッチ、クルーズ制御を実行させる為のクルーズスイッチ、クルーズ制御における車速を設定するスイッチ、クルーズ制御における先行車との車間距離を設定するスイッチ、設定された車線を維持して走行するレーンキープ制御を実行させる為のスイッチなどを含んでいる。
通信信号Scomは、例えば道路交通情報通信システムなどの車外装置であるセンターとの間で送受信された道路交通情報など、及び/又は、前記センターを介さずに車両10の近傍にいる他車両との間で直接的に送受信された車車間通信情報などを含んでいる。前記道路交通情報には、例えば道路の渋滞、事故、工事、所要時間、駐車場などの情報が含まれる。前記車車間通信情報は、例えば車両情報、走行情報、交通環境情報などを含んでいる。前記車両情報には、例えば乗用車、トラック、二輪車などの車種を示す情報が含まれる。前記走行情報には、例えば車速V、位置情報、ブレーキペダルの操作情報、ターンシグナルランプの点滅情報、ハザードランプの点滅情報などの情報が含まれる。前記交通環境情報には、例えば道路の渋滞、工事などの情報が含まれる。
電子制御装置90からは、車両10に備えられた各装置(例えばエンジン制御装置50、インバータ52、油圧制御回路56、外部ネットワーク通信用アンテナ82、ホイールブレーキ装置86、操舵装置88、情報周知装置89など)に各種指令信号(例えばエンジン14を制御する為のエンジン制御指令信号Se、第1回転機MG1及び第2回転機MG2を各々制御する為の回転機制御指令信号Smg、係合装置CBの作動状態を制御する為の油圧制御指令信号Sat、通信信号Scom、ホイールブレーキによる制動トルクを制御する為のブレーキ制御指令信号Sbra、車輪(特には前輪)の操舵を制御する為の操舵制御指令信号Sste、運転者に警告や報知を行う為の情報周知制御指令信号Sinfなど)が、それぞれ出力される。
ホイールブレーキ装置86は、車輪にホイールブレーキによる制動トルクを付与するブレーキ装置である。ホイールブレーキ装置86は、運転者による例えばブレーキペダルの踏込操作などに応じて、ホイールブレーキに設けられたホイールシリンダへブレーキ油圧を供給する。ホイールブレーキ装置86では、通常時には、ブレーキマスタシリンダから発生させられる、ブレーキ操作量Braに対応した大きさのマスタシリンダ油圧がブレーキ油圧としてホイールシリンダへ供給される。一方で、ホイールブレーキ装置86では、例えばABS制御時、横滑り抑制制御時、車速制御時、自動運転制御時などには、ホイールブレーキによる制動トルクの発生の為に、各制御で必要なブレーキ油圧がホイールシリンダへ供給される。上記車輪は、駆動輪28及び不図示の従動輪である。
操舵装置88は、例えば車速V、操舵角θsw及び操舵方向Dsw、ヨーレートRyawなどに応じたアシストトルクを車両10の操舵系に付与する。操舵装置88では、例えば自動運転制御時などには、前輪の操舵を制御するトルクを車両10の操舵系に付与する。
情報周知装置89は、例えば車両10の走行に関わる何らかの故障が発生したり、車両10の走行に関わる機能が低下した場合などに、運転者に対して警告や報知を行う装置である。情報周知装置89は、例えばモニタやディスプレイやアラームランプ等の表示装置、及び/又はスピーカやブザー等の音出力装置などである。前記表示装置は、運転者に対して視覚的な警告や報知を行う装置である。音出力装置は、運転者に対して聴覚的な警告や報知を行う装置である。
車両10は、更に、送受信機100、第1ゲートウェイECU110、無線更新用制御装置120、第2ゲートウェイECU130、コネクタ140等を備えている。
送受信機100は、車両10とは別に存在する、車両10とは別の車外装置であるサーバー200と通信する機器である。
第1ゲートウェイECU110、無線更新用制御装置120、及び第2ゲートウェイECU130は、各々、電子制御装置90と同様のハード構成を備えており、例えば電子制御装置90に備えられた書き換え可能なROM等の第1記憶装置91に記憶された複数種類の車両制御用ソフトウェア92の書き換えを行う制御装置である。車両制御用ソフトウェア92は、電子制御装置90による車両10の複数種類の制御に用いられるソフトウェアである。車両制御用ソフトウェア92は、例えば車両10の制御手順が定められた複数種類の車両制御用プログラム92P、及び車両制御用プログラム92Pに従って車両10を制御するときに用いられる複数種類の制御用データ92Dを含んでいる。
コネクタ140は、車両10とは別に存在する、車両10とは別の車外装置である外部書き換え装置210を接続する為のものである。コネクタ140は、公知の規格によって形状や電気信号が定められている。コネクタ140は、故障診断装置を接続するコネクタとして用いることも可能である。コネクタ140の規格には、例えばOBD(On-Board Diagnostics)、WWH-OBD(World Wide Harmonized-OBD)、KWP(Keyword Protocol)、UDS(Unified Diagnostic Services)等がある。コネクタ140は、OBDコネクタ、DLCコネクタ、故障診断コネクタなどと呼ばれている。
サーバー200は、図4に示すように、車両10外部のネットワーク220に接続されたシステムである。サーバー200は、アップロードされた、新ソフトウェア202を記憶している。サーバー200は、必要に応じて新ソフトウェア202を車両10に送信する。サーバー200は、複数種類の新ソフトウェア202を配信するソフト配信センターとして機能する。複数種類の新ソフトウェア202は、対応する車両制御用ソフトウェア92を書き換え対象とするソフトウェアである。複数種類の新ソフトウェア202は、例えば対応する車両制御用プログラム92Pを書き換え対象とする複数種類の新プログラム202P、及び対応する制御用データ92Dを書き換え対象とする複数種類の新データ202Dを含んでいる。新プログラム202Pは、現在の車両制御用プログラム92Pを新プログラム202Pを用いて書き換えた後の車両制御用プログラム92Pすなわち更新後プログラム92Prとなるものである。新データ202Dは、現在の制御用データ92Dを新データ202Dを用いて書き換えた後の制御用データ92Dすなわち更新後データ92Drとなるものである。
外部書き換え装置210は、車内通信網に直接的に接続され、電子制御装置90などと同様に、車内通信網を流れるCAN(Controller Area Network)フレームを受信したり、車内通信網にCANフレームを送信することができる。
送受信機100は、図4に示すように、車両10外部の無線装置230との間での無線通信Rを介してネットワーク220と接続されている。無線装置230は、ネットワーク220と接続された、無線通信Rを介して各種信号を送受信する送受信装置である。
第1ゲートウェイECU110は、送受信機100と接続されており、サーバー200から無線通信Rを介して送信される複数種類の新ソフトウェア202を必要に応じて送受信機100を用いて受信し、受信した複数種類の新ソフトウェア202を無線更新用制御装置120に送信する。尚、車両10では、外部ネットワーク通信用アンテナ82を介してサーバー200との間で無線通信Rが行われても良い。
無線更新用制御装置120は、車両10において、無線通信Rを介した、複数種類の車両制御用ソフトウェア92の書き込みや書き換えを統括する制御装置である。無線更新用制御装置120は、第1ゲートウェイECU110から送信された複数種類の新ソフトウェア202を用いて複数種類の車両制御用ソフトウェア92を書き換える。
無線更新用制御装置120は、複数種類の車両制御用ソフトウェア92を更新する機能を実現する為に、ソフト更新手段すなわちソフト更新部122、及び書き換え可能なROM等の第2記憶装置124を備えている。
ソフト更新部122は、第2記憶装置124に記憶されておらず、車両10に対して配信される新ソフトウェア202がサーバー200に存在するか否かを判定する。ソフト更新部122は、車両10に対して配信される新ソフトウェア202がサーバー200に存在すると判定した場合には、その新ソフトウェア202をサーバー200から無線通信Rを介して受信するつまりダウンロードする指令を第1ゲートウェイECU110へ出力する。ソフト更新部122は、第1ゲートウェイECU110がサーバー200から受信した新ソフトウェア202を受信後新ソフトウェア126として第2記憶装置124に記憶する。受信後新ソフトウェア126は、第2記憶装置124に記憶された新ソフトウェア202である。受信後新ソフトウェア126は、第2記憶装置124に記憶された新プログラム202Pである受信後新プログラム126P、及び第2記憶装置124に記憶された新データ202Dである受信後新データ126Dを含んでいる。
ソフト更新部122は、車両制御用ソフトウェア92を書き換える必要がある新ソフトウェア202つまり受信後新ソフトウェア126が無線更新用制御装置120つまり第2記憶装置124に有るか否かを判定する。ソフト更新部122は、車両制御用ソフトウェア92を書き換える必要がある受信後新ソフトウェア126が第2記憶装置124に有ると判定した場合には、受信後新ソフトウェア126を用いて、更新対象すなわち書き換え対象の車両制御用ソフトウェア92の書き換えを実施する。
電子制御装置90、第1ゲートウェイECU110、及び無線更新用制御装置120は、車両10の制御を行うと共に、車両10とは別の車外装置であるサーバー200から無線通信Rを介して受信し、車両10の記憶装置である第2記憶装置124に記憶した複数種類の新ソフトウェア202つまり受信後新ソフトウェア126を用いて、複数種類の車両制御用ソフトウェア92の書換処理を行う車両用制御装置150である。
第2ゲートウェイECU130は、コネクタ140と接続されており、コネクタ140を介して接続される外部書き換え装置210を用いて、複数種類の車両制御用ソフトウェア92を書き換える為のものである。尚、車両10と外部書き換え装置210とは、コネクタ140を介して有線にて接続可能に構成されているが、無線にて接続可能に構成されても良い。
電子制御装置90は、車両10における各種制御を実現する為に、更に、AT変速制御手段すなわちAT変速制御部94、ハイブリッド制御手段すなわちハイブリッド制御部95、及び運転制御手段すなわち運転制御部96を備えている。
AT変速制御部94は、予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された関係すなわち予め定められた関係である例えば図5に示すようなATギヤ段変速マップを用いて有段変速部20の変速判断を行い、必要に応じて有段変速部20の変速制御を実行する為の油圧制御指令信号Satを油圧制御回路56へ出力する。
図5において、ATギヤ段変速マップは、例えば車速V及び要求駆動力Frdemを変数とする二次元座標上に、有段変速部20の変速制御に用いられる、有段変速部20の変速が判断される為の予め定められた複数種類の変速線SHつまりATギヤ段の切替えが判断される為の予め定められた複数種類の変速線SH、を有する所定の関係である。ここでは、車速Vに替えて出力回転速度Noなどを用いても良い。又、要求駆動力Frdemに替えて要求駆動トルクTrdemやアクセル開度θaccやスロットル弁開度θthなどを用いても良い。複数種類の変速線SHは、例えば実線に示すようなアップシフトが判断される為のアップシフト線SHua、SHub、SHuc、及び破線に示すようなダウンシフトが判断される為のダウンシフト線SHda、SHdb、SHdcを含んでいる。
ハイブリッド制御部95は、エンジン14の作動を制御するエンジン制御手段すなわちエンジン制御部としての機能と、インバータ52を介して第1回転機MG1及び第2回転機MG2の作動を制御する回転機制御手段すなわち回転機制御部としての機能とを含んでおり、それらの制御機能によりエンジン14、第1回転機MG1、及び第2回転機MG2によるハイブリッド駆動制御等を実行する。
ハイブリッド制御部95は、予め定められた関係である例えば駆動要求量マップにアクセル開度θacc及び車速Vを適用することで駆動要求量としての駆動輪28における要求駆動力Frdemを算出する。前記駆動要求量としては、要求駆動力Frdem[N]の他に、駆動輪28における要求駆動トルクTrdem[Nm]、駆動輪28における要求駆動パワーPrdem[W]、出力軸22における要求AT出力トルク等を用いることもできる。ハイブリッド制御部95は、バッテリ54の充電可能電力Winや放電可能電力Wout等を考慮して、要求駆動トルクTrdemと車速Vとに基づく要求駆動パワーPrdemを実現するように、エンジン14を制御する指令信号であるエンジン制御指令信号Seと、第1回転機MG1及び第2回転機MG2を制御する指令信号である回転機制御指令信号Smgとを出力する。エンジン制御指令信号Seは、例えばそのときのエンジン回転速度NeにおけるエンジントルクTeを出力するエンジン14のパワーであるエンジンパワーPeの指令値である。回転機制御指令信号Smgは、例えばエンジントルクTeの反力トルクとしての指令出力時のMG1回転速度NgにおけるMG1トルクTgを出力する第1回転機MG1の発電電力Wgの指令値であり、又、指令出力時のMG2回転速度NmにおけるMG2トルクTmを出力する第2回転機MG2の消費電力Wmの指令値である。
バッテリ54の充電可能電力Winは、バッテリ54の入力電力の制限を規定する入力可能電力であり、バッテリ54の放電可能電力Woutは、バッテリ54の出力電力の制限を規定する出力可能電力である。バッテリ54の充電可能電力Winや放電可能電力Woutは、例えばバッテリ温度THbat及びバッテリ54の充電量に相当する充電状態値SOC[%]に基づいて電子制御装置90により算出される。バッテリ54の充電状態値SOCは、バッテリ54の充電状態を示す値であり、例えばバッテリ充放電電流Ibat及びバッテリ電圧Vbatなどに基づいて電子制御装置90により算出される。
ハイブリッド制御部95は、例えば無段変速部18を無段変速機として作動させて複合変速機40全体として無段変速機として作動させる場合、最適エンジン動作点等を考慮して、要求駆動パワーPrdemを実現するエンジンパワーPeが得られるエンジン回転速度NeとエンジントルクTeとなるように、エンジン14を制御すると共に第1回転機MG1の発電電力Wgを制御することで、無段変速部18の無段変速制御を実行して無段変速部18の変速比γ0を変化させる。この制御の結果として、無段変速機として作動させる場合の複合変速機40の変速比γt(=γ0×γat=Ne/No)が制御される。最適エンジン動作点は、例えば要求エンジンパワーPedemを実現するときに、エンジン14単体の燃費にバッテリ54における充放電効率等を考慮した車両10におけるトータル燃費が最も良くなるエンジン動作点として予め定められている。このエンジン動作点は、エンジン回転速度NeとエンジントルクTeとで表されるエンジン14の運転点である。
ハイブリッド制御部95は、例えば無段変速部18を有段変速機のように変速させて複合変速機40全体として有段変速機のように変速させる場合、予め定められた関係である例えば有段変速マップを用いて複合変速機40の変速判断を行い、AT変速制御部94による有段変速部20のATギヤ段の変速制御と協調して、変速比γtが異なる複数のギヤ段を選択的に成立させるように無段変速部18の変速制御を実行する。複数のギヤ段は、それぞれの変速比γtを維持できるように出力回転速度Noに応じて第1回転機MG1によりエンジン回転速度Neを制御することによって成立させることができる。
ハイブリッド制御部95は、走行モードとして、EV走行モード又はHV走行モードを走行状態に応じて選択的に成立させる。例えば、ハイブリッド制御部95は、予め定められた関係である例えば図5に示すような走行モード切替マップを用いて、要求駆動パワーPrdemが比較的小さなEV走行領域にある場合には、EV走行モードを成立させる一方で、要求駆動パワーPrdemが比較的大きなHV走行領域にある場合には、HV走行モードを成立させる。
図5において、走行モード切替マップは、例えば車速V及び要求駆動力Frdemを変数とする二次元座標上に、HV走行モードとEV走行モードとを切り替える為のHV走行領域とEV走行領域との境界線を有する所定の関係である。上記境界線は、例えば一点鎖線に示すような、EV走行とHV走行との切替えを判断する為の予め定められた走行領域切替線CHtである。尚、図5では、便宜上、この走行モード切替マップをATギヤ段変速マップと共に示している。又、走行モードの切替えでは、走行に用いられる駆動力源が切り替えられることから、走行モード切替マップは駆動力源切替マップでもある。
ハイブリッド制御部95は、要求駆動パワーPrdemがEV走行領域にあるときであっても、バッテリ54の充電状態値SOCが予め定められたエンジン始動閾値未満となる場合やエンジン14の暖機が必要な場合などには、HV走行モードを成立させる。前記エンジン始動閾値は、エンジン14を強制的に始動してバッテリ54を充電する必要がある充電状態値SOCであることを判断する為の予め定められた閾値である。
ハイブリッド制御部95は、エンジン14の運転停止時にHV走行モードを成立させた場合には、エンジン14を始動するエンジン始動制御を行う。ハイブリッド制御部95は、エンジン14を始動するときには、例えば第1回転機MG1によりエンジン回転速度Neを上昇させつつ、エンジン回転速度Neが点火可能な所定点火可能回転速度以上となったときに点火することでエンジン14を始動する。すなわち、ハイブリッド制御部95は、第1回転機MG1によりエンジン14をクランキングすることでエンジン14を始動する。
運転制御部96は、車両10の運転制御として、運転者の運転操作に基づいて走行する手動運転制御と、運転者の運転操作に因らず車両10を運転する運転支援制御とを行うことが可能である。前記手動運転制御は、運転者の運転操作による手動運転にて走行する運転制御である。前記運転支援制御は、例えば運転操作を自動的に支援する運転支援にて走行する運転制御である。前記運転支援制御は、例えば運転者により入力された目的地や地図情報などに基づいて自動的に目標走行状態を設定し、その目標走行状態に基づいて加減速、制動、操舵などを自動的に行う自動運転にて走行する自動運転制御などである。尚、運転支援制御には、操舵操作などの一部の運転操作を運転者が行い、加減速、制動などを自動的に行うようなクルーズ制御を含めても良い。運転制御部96は、運転支援設定スイッチ群84における自動運転選択スイッチやクルーズスイッチなどがオフとされて運転支援による運転が選択されていない場合には、手動運転モードを成立させて手動運転制御を実行する。運転制御部96は、運転者によって運転支援設定スイッチ群84における自動運転選択スイッチが操作されて自動運転が選択されている場合には、自動運転モードを成立させて自動運転制御を実行する。
ここで、車両制御用プログラム92Pは、例えばハイブリッド制御部95によるエンジン14の制御に用いられるエンジン制御用プログラムであるエンジン用プログラム92Peg、ハイブリッド制御部95による第1回転機MG1の制御に用いられる第1回転機制御用プログラムであるMG1用プログラム92Pm1、ハイブリッド制御部95による第2回転機MG2の制御に用いられる第2回転機制御用プログラムであるMG2用プログラム92Pm2、AT変速制御部94による有段変速部20の制御に用いられる自動変速機制御用プログラムであるAT用プログラム92Patなどを含んでいる。MG2用プログラム92Pm2は、駆動力源として機能する回転機の制御に用いられる回転機制御用プログラムである。
制御用データ92Dは、例えば複数種類の変速線SH、走行領域切替線CHt、車両10の制御に用いられる制御値Sctの学習制御による学習値としての補正値又は補正量を制限する制限値GDなどを含んでいる。制御値Sctは、例えばエンジン制御指令信号Se、回転機制御指令信号Smg、油圧制御指令信号Sat、ブレーキ制御指令信号Sbra、操舵制御指令信号Ssteなどの各種指令信号である。具体的には、制御値Sctは、AT変速制御部94による有段変速部20の変速制御の過渡中において作動状態が切り替えられる係合装置CBの係合圧を変化させるように制御される油圧制御指令信号Satとしての係合圧指令値などである。AT変速制御部94は、例えば有段変速部20の変速制御における変速ショックを抑制しつつ変速時間が適切になるように、係合圧指令値を学習制御によって補正する。制限値GDは、例えば学習制御による制御値Sctの変化が大き過ぎないように制限する為の予め定められたガード値であり、異なる制御値Sct毎に予め定められている。
ところで、車両制御用ソフトウェア92の書換処理は、車両10の停止中だけでなく走行中にも実施することで、書換処理の機会を得られ易くなる。しかしながら、車両10の走行中に車両制御用ソフトウェア92を新ソフトウェア202つまり受信後新ソフトウェア126を用いて書き換える際に、書換処理の対象となる車両制御用ソフトウェア92を使用して走行している場合は、電子制御装置90による車両制御用ソフトウェア92を使用した車両10の制御が通常通りにはできなくなって、現在の走行に支障が出るおそれがある。
これに対して、ソフト更新部122は、車両10の走行中に書換処理を行っても現在の走行に支障が無い車両制御用ソフトウェア92に対して書換処理を行う。一方で、ソフト更新部122は、車両10の走行中に書換処理を行うと現在の走行に支障が有る車両制御用ソフトウェア92に対しては書換処理を保留する。
具体的には、電子制御装置90は、ソフト更新部122による車両制御用ソフトウェア92の書換処理の実施と保留とを変更する制御機能を実現する為に、更に、状態判定手段すなわち状態判定部98を備えている。
状態判定部98は、車両10の走行中において、車両制御用ソフトウェア92の書換処理は現在の走行に支障が有るか否かを判定する。状態判定部98は、書換処理の対象となる車両制御用ソフトウェア92が車両制御用プログラム92Pであり、書換処理の対象となる車両制御用プログラム92Pを使用した走行中は現在の走行に支障が有ると判定する。又は、状態判定部98は、書換処理の対象となる車両制御用ソフトウェア92が制御用データ92Dであり、書換処理の対象となる制御用データ92Dを使用した走行中は現在の走行に支障が有ると判定する。
EV走行は第2回転機MG2の制御に係わる車両制御用ソフトウェア92を使用した走行である。その為、EV走行中に、エンジン14の制御に係わる車両制御用ソフトウェア92の書換処理が行われてもEV走行には支障が無いが、第2回転機MG2の制御に係わる車両制御用ソフトウェア92の書換処理が行われるとEV走行に支障が有る。エンジン14の制御に係わる車両制御用ソフトウェア92は、例えばエンジン用プログラム92Peg、エンジントルクTeに対する反力トルクを出力する第1回転機MG1を制御するMG1用プログラム92Pm1などである。第2回転機MG2の制御に係わる車両制御用ソフトウェア92は、例えばMG2用プログラム92Pm2などである。状態判定部98は、EV走行中に、書換処理の対象となる車両制御用ソフトウェア92がエンジン14の制御に係わる車両制御用ソフトウェア92であるときには、現在の走行に支障が無いと判定する。状態判定部98は、EV走行中に、書換処理の対象となる車両制御用ソフトウェア92が第2回転機MG2の制御に係わる車両制御用ソフトウェア92であるときには、現在の走行に支障が有ると判定する。
HV走行は少なくともエンジン14の制御に係わる車両制御用ソフトウェア92を使用した走行である。その為、HV走行中に、第2回転機MG2の制御に係わる車両制御用ソフトウェア92の書換処理が行われてもHV走行には支障が無い又は小さいが、エンジン14の制御に係わる車両制御用ソフトウェア92の書換処理が行われるとHV走行に支障が有る。状態判定部98は、HV走行中に、書換処理の対象となる車両制御用ソフトウェア92が第2回転機MG2の制御に係わる車両制御用ソフトウェア92であるときには、現在の走行に支障が無いと判定する。状態判定部98は、HV走行中に、書換処理の対象となる車両制御用ソフトウェア92がエンジン14の制御に係わる車両制御用ソフトウェア92であるときには、現在の走行に支障が有ると判定する。
書換処理の対象となる車両制御用ソフトウェア92が制御用データ92Dであり、その制御用データ92Dが変速線SHである場合には、現在走行中の車両走行域によって現在の走行に支障が有るか無いかが替わる。
図6は、書換処理の対象となる制御用データ92Dが変速線SHである場合の一例を示す図である。図6において、実線で示した太線UPは、ベースとなる現在の3→4アップシフト線SHucを書き換えた更新後の3→4アップシフト線である。又、破線で示した太線DNは、ベースとなる現在の4→3ダウンシフト線SHdcを書き換えた更新後の4→3ダウンシフト線である。現在の車両走行域が黒丸A(=●A)であるときに、変速線SHuc、SHdcが太線UP、DNに書き換えられると、現在の車両走行域においてATギヤ段がAT3速ギヤ段のときには有段変速部20の3→4アップシフトが発生する。変速線SHの書換処理によって車両10の走行状態に直接変化があるのは好ましくない。一方で、現在の車両走行域が黒丸B(=●B)であるときに、変速線SHuc、SHdcが太線UP、DNに書き換えられても、現在の車両走行域においてATギヤ段はAT3速ギヤ段であるので、有段変速部20の変速は発生しない。変速線SHの書換処理が為されても車両10の走行状態に直接変化がないので問題がない。
状態判定部98は、車両10の走行中に、書換処理の対象となる制御用データ92Dが変速線SHであるときに、変速線SHの書換処理によって有段変速部20の変速が発生する場合には、現在の走行に支障が有ると判定する。状態判定部98は、車両10の走行中に、書換処理の対象となる制御用データ92Dが変速線SHであるときに、変速線SHの書換処理に伴う有段変速部20の変速が発生しない場合には、現在の走行に支障が無いと判定する。
書換処理の対象となる車両制御用ソフトウェア92が制御用データ92Dであり、その制御用データ92Dが走行領域切替線CHtである場合には、現在走行中の車両走行域によって現在の走行に支障が有るか無いかが替わる。
図7は、書換処理の対象となる制御用データ92Dが走行領域切替線CHtである場合の一例を示す図である。図7において、一点鎖線で示した太線CHrは、ベースとなる現在の走行領域切替線CHtを書き換えた更新後の走行領域切替線である。現在の車両走行域が黒丸C(=●C)であるときに、走行領域切替線CHtが太線CHrに書き換えられると、現在の車両走行域においてはHV走行領域つまりHV走行とされているので、EV走行領域への切替えすなわちEV走行への切替えが発生する。走行領域切替線CHtの書換処理によって車両10の走行状態に直接変化があるのは好ましくない。一方で、現在の車両走行域が黒丸D(=●D)であるときに、走行領域切替線CHtが太線CHrに書き換えられても、現在の車両走行域においてはEV走行領域つまりEV走行とされているので、EV走行領域への切替えすなわちEV走行への切替えが発生しない。走行領域切替線CHtの書換処理が為されても車両10の走行状態に直接変化がないので問題がない。
状態判定部98は、車両10の走行中に、書換処理の対象となる制御用データ92Dが走行領域切替線CHtであるときに、走行領域切替線CHtの書換処理によって駆動力源の切替えが発生する場合には、現在の走行に支障が有ると判定する。状態判定部98は、車両10の走行中に、書換処理の対象となる制御用データ92Dが走行領域切替線CHtであるときに、走行領域切替線CHtの書換処理に伴う駆動力源の切替えが発生しない場合には、現在の走行に支障が無いと判定する。
有段変速部20の変速が発生すること自体は許容するという考え方もある。しかしながら、有段変速部20の変速が行われると、AT入力回転速度Niすなわち無段変速部18の出力回転速度が変化させられる為、無段変速部18において、エンジン回転速度Neの高回転化、MG1回転速度Ngの高回転化、又は差動機構34におけるピニオン相対回転速度の高回転化などを招くおそれがある。このような回転速度の高回転化は部品の耐久性等に好ましくない。
状態判定部98は、車両10の走行中に、車両制御用ソフトウェア92の書換処理に伴う有段変速部20の変速によって、エンジン回転速度Ne、MG1回転速度Ng、又は差動機構34におけるピニオン相対回転速度に、部品の耐久性を低下させる程の予め定められた所定の高回転化が発生する場合には、現在の走行に支障が有ると判定する。状態判定部98は、車両10の走行中に、車両制御用ソフトウェア92の書換処理に伴う有段変速部20の変速が為されても、エンジン回転速度Ne、MG1回転速度Ng、又は差動機構34におけるピニオン相対回転速度に、前記所定の高回転化が発生しない場合には、現在の走行に支障が無いと判定する。
ソフト更新部122は、車両10の走行中において、状態判定部98により車両制御用ソフトウェア92の書換処理は現在の走行に支障が無いと判定された場合には、新ソフトウェア202つまり受信後新ソフトウェア126を用いた、書換処理の対象となる車両制御用ソフトウェア92の書き換えを実施する。一方で、ソフト更新部122は、車両10の走行中において、状態判定部98により車両制御用ソフトウェア92の書換処理は現在の走行に支障が有ると判定された場合には、受信後新ソフトウェア126を用いた、書換処理の対象となる車両制御用ソフトウェア92の書き換えを保留する。
車両用制御装置150による制御値Sctの学習制御は、例えば学習制御の対象となる何らかの種類の車両10の制御が一旦終了した後に、次回の同じ種類の車両10の制御に用いられる制御値Sctを学習によって補正する制御である。従って、学習制御の対象となる何らかの種類の車両10の制御の実施中には、学習制御は実施されない。このようなことから、学習制御の対象となる何らかの種類の車両10の制御が実施されている走行中に、この学習制御における学習値の制限値GDの書換処理を行っても現在の走行に支障が無い。例えば、EV走行中に、第2回転機MG2の制御に係わる車両制御用ソフトウェア92の書換処理が行われるとEV走行に支障が有ると一律に判断する必要はなく、第2回転機MG2の制御に係わる車両制御用ソフトウェア92のうちの第2回転機MG2に対する回転機制御指令信号Smgの学習制御における学習値の制限値GDについては、書換処理を行っても現在の走行に支障が無いと判断しても良い。又、HV走行中に、エンジン14の制御に係わる車両制御用ソフトウェア92の書換処理が行われるとHV走行に支障が有ると一律に判断する必要はなく、エンジン14の制御に係わる車両制御用ソフトウェア92のうちのエンジン制御指令信号Seの学習制御における学習値の制限値GDや第1回転機MG1に対する回転機制御指令信号Smgの学習制御における学習値の制限値GDについては、書換処理を行っても現在の走行に支障が無いと判断しても良い。又、有段変速部20の変速制御の過渡中であっても、油圧制御指令信号Satの学習制御における学習値の制限値GDについては、書換処理を行っても現在の走行に支障が無いと判断しても良い。つまり、制御値Sctの学習制御における学習値の制限値GDについては、書換処理の対象となっても現在の走行に支障が有るか無いかの判定を行うことなく、書換処理を行っても現在の走行に支障が無いとみなしても良い。
状態判定部98は、車両10の走行中に、書換処理の対象となる車両制御用ソフトウェア92が制御用データ92Dであり、且つ、その制御用データ92Dが制御値Sctの学習制御における学習値の制限値GDであるか否かを判定する、すなわち書換処理の対象となる車両制御用ソフトウェア92が制御値Sctの学習制御における学習値の制限値GDであるか否かを判定する。
ソフト更新部122は、車両10の走行中に、状態判定部98により書換処理の対象となる車両制御用ソフトウェア92が制御値Sctの学習制御における学習値の制限値GDであると判定された場合には、車両制御用ソフトウェア92が用いられる車両10の制御の種類に係わらず、制限値GDの書換処理を行う、つまり受信後新ソフトウェア126を用いた、書換処理の対象となる車両制御用ソフトウェア92の書き換えを実施する。
図8は、車両用制御装置150の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、車両10の走行中に車両制御用ソフトウェア92の書換処理を行う機会を適切に確保する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば車両10の走行中に繰り返し実行される。
図8において、先ず、ソフト更新部122の機能に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、無線更新用制御装置120に車両制御用ソフトウェア92を書き換える必要がある新ソフトウェア202つまり受信後新ソフトウェア126が有るか否かが判定される。このS10の判断が否定される場合は、本ルーチンが終了させられる。このS10の判断が肯定される場合は状態判定部98の機能に対応するS20において、書換処理の対象となる車両制御用ソフトウェア92が制御値Sctの学習制御における学習値の制限値GDであるか否かが判定される。このS20の判断が否定される場合は状態判定部98の機能に対応するS30において、車両制御用ソフトウェア92の書換処理は現在の走行に支障が有るか否かが判定される。上記S20の判断が肯定される場合は、又は、上記S30の判断が否定される場合は、ソフト更新部122の機能に対応するS40において、受信後新ソフトウェア126を用いた、書換処理の対象となる車両制御用ソフトウェア92の書き換えが実施される。一方で、上記S30の判断が肯定される場合はソフト更新部122の機能に対応するS50において、受信後新ソフトウェア126を用いた、書換処理の対象となる車両制御用ソフトウェア92の書き換えが保留させられる。
上述のように、本実施例によれば、車両10の走行中に書換処理を行っても現在の走行に支障が無い車両制御用ソフトウェア92に対して書換処理が行われる一方で、車両10の走行中に書換処理を行うと現在の走行に支障が有る車両制御用ソフトウェア92に対しては書換処理が保留させられるので、現在の走行に支障が出ないようにされつつ車両制御用ソフトウェア92の書換処理の機会が得られ易くされる。又、車両10の走行中に書換処理の対象となる車両制御用ソフトウェア92が車両10の制御に用いられる制御値Sctの学習制御における学習値の制限値GDである場合には、車両制御用ソフトウェア92が用いられる車両10の制御の種類に係わらず、車両制御用ソフトウェア92の書換処理が行われるので、車両10の走行中に車両制御用ソフトウェア92の書換処理を行う機会を適切に確保することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、第1記憶装置91や状態判定部98などの各機能は電子制御装置90に備えられ、又、ソフト更新部122や第2記憶装置124などの各機能は無線更新用制御装置120に備えられていたが、この態様に限らない。例えば、状態判定部98の機能の全部又は一部は、無線更新用制御装置120に備えられていても良いし、又は、ソフト更新部122の機能の全部又は一部は、電子制御装置90又は第1ゲートウェイECU110に備えられていても良い。又は、第2記憶装置124は、電子制御装置90に備えられていても良いし、又は、第1記憶装置91及び第2記憶装置124は、一つの記憶装置として電子制御装置90に備えられていても良い。つまり、車両用制御装置150は、電子制御装置90、第1ゲートウェイECU110、無線更新用制御装置120などに分けて構成されていなくても良い。要は、状態判定部98、ソフト更新部122などの各機能は、車両用制御装置150に備えられていれば良い。
また、前述の実施例において、送受信機100とサーバー200とは、ネットワーク220を介して接続されていたが、例えばサーバー200が備える無線装置を介して接続されていても良いし、サーバー200と直接的に接続された無線装置を介して接続されていても良い。
また、前述の実施例では、本発明が適用される車両として、複合変速機40を備える車両10を例示したが、車両10に限らず、車両とは別の車外装置から無線通信を介して受信した新ソフトウェアを用いて、車両制御用ソフトウェアの書換処理を行う車両であれば、本発明を適用することができる。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両
92:車両制御用ソフトウェア
92P:車両制御用プログラム
92D:制御用データ
GD:制限値
122:ソフト更新部
124:第2記憶装置(記憶装置)
150:車両用制御装置
200:サーバー(車外装置)
202:新ソフトウェア
R:無線通信
Sct:制御値

Claims (1)

  1. 車両の制御を行うと共に、前記車両とは別の車外装置から無線通信を介して受信し、前記車両の記憶装置に記憶した複数種類の新ソフトウェアを用いて、前記車両の制御手順が定められた複数種類の車両制御用プログラム及び前記車両制御用プログラムに従って前記車両を制御するときに用いられる複数種類の制御用データを含む、前記車両の複数種類の制御に用いられる複数種類の車両制御用ソフトウェアの書換処理を行う車両用制御装置であって、
    前記車両の走行中に前記書換処理を行っても現在の走行に支障が無い前記車両制御用ソフトウェアに対して前記書換処理を行う一方で、前記車両の走行中に前記書換処理を行うと現在の走行に支障が有る前記車両制御用ソフトウェアに対しては前記書換処理を保留するソフト更新部を含むものであり、
    前記ソフト更新部は、前記車両の走行中に、前記書換処理の対象となる前記車両制御用ソフトウェアが前記制御用データであり、且つ、前記制御用データが前記車両の制御に用いられる制御値の学習制御による補正値又は補正量を制限する制限値である場合には、前記車両制御用ソフトウェアが用いられる前記車両の制御の種類に係わらず、前記書換処理を行うことを特徴とする車両用制御装置。
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