JP2022139627A - 断面修復材及び断面修復用モルタル - Google Patents

断面修復材及び断面修復用モルタル Download PDF

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Abstract

【課題】ポンプによる圧送が可能であって、かつ圧縮強度が高いモルタル硬化物を得ることができる断面修復用モルタル及びその断面修復用モルタルの原料として有利に用いることができる断面修復材を提供する。【解決手段】断面修復材は、セメント、フライアッシュ、細骨材及びシリカフュームを含み、前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対する前記細骨材の含有量が130質量部以上170質量部以下の範囲内にあって、前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対する前記シリカフュームの含有量が6質量部以上10質量部の範囲内にあり、前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対して水を32質量部加えて混練して得たモルタルは、日本建築学会規格JASS 15M-103(セルフレベリング材の品質基準)に準拠して測定されるフロー値が120mm以上200mm以下の範囲内にある。【選択図】なし

Description

本発明は、断面修復材及び断面修復用モルタルに関する。
各種の原因により劣化したコンクリート構造物を修復する工法として、断面修復工法が広く知られている。断面修復工法は、コンクリートの劣化した部分をはつり等によって取り除き、取り除いた断面部分を断面修復用モルタルやグラウト材で修復する工法である。断面修復用モルタルは、セメントや細骨材などを含む断面修復材と水とを混練して調製した混練物である。コンクリートの除去部分を断面修復用モルタルで被覆する方法としては、充填工法、吹き付け工法、左官工法が行なわれている。充填工法は、コンクリートの除去部分の周囲に型枠を取り付け、コンクリートの除去部分と型枠の間に断面修復用モルタルを充填して修復する工法である。吹き付け工法はコンクリートの除去部分に断面修復用モルタルを吹き付けて修復する工法である。左官工法は、コンクリートの除去部分に金ゴテや木ゴテ等を用いて人力により断面修復用モルタルを塗りつけて修復する工法である。
劣化したコンクリートの除去部分の断面積が大きい場所では、その修復には充填工法が広く利用されている。充填工法で使用する断面修復用モルタルでは、コンクリートの除去部分と型枠の間へのモルタルの充填性を良くするために、断面修復用モルタルの流動性を向上させることが検討されている。
特許文献1には、従来のセメント系グラウト材と比較して、同等以上の流動性を有しながらも、材料分離現象が防止でき、且つ修復後の断面の温度応力や乾燥収縮によるひび割れを抑制又は防止できるグラウト材として、セメント、ブレーン比表面積が5000cm/g以上の分級フライアッシュ、カルシウムサルフォアルミネート系膨脹材、乾燥収縮低減剤、細骨材を含むグラウト材組成物が記載されている。
また、特許文献2には、ポンプ圧送性に優れ、かつ流動性と自己充填性とが高いコンクリート構造物修復用のモルタルとして、ポルトランドセメント、細骨材、フライアッシュ、消泡剤、減水剤を含む断面修復材が記載されている。
特許第5812836号公報 特開2019-178035号公報
充填工法においては、断面修復用モルタルを施工場所にポンプを用いて圧送することがある。しかしながら、従来のモルタル(グラウト材)においては、流動性が高くなりすぎると圧送できない場合があり、また、圧送後にモルタルの固形分が水から分離して組成が不均一となることがある。特許文献2に記載のモルタルはポンプ圧送性が改善されている。しかしながら、特許文献2に記載されているモルタルは、モルタルを硬化させたモルタル硬化物の圧縮強度のさらなる向上が望まれる。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、ポンプによる圧送が可能であって、かつ圧縮強度が高いモルタル硬化物を得ることができる断面修復用モルタル及びその断面修復用モルタルの原料として有利に用いることができる断面修復材を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の断面修復材は、セメント、フライアッシュ、細骨材及びシリカフュームを含み、前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対する前記細骨材の含有量が130質量部以上170質量部以下の範囲内にあって、前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対する前記シリカフュームの含有量が6質量部以上10質量部の範囲内にあり、下記の方法によって測定されるフロー値が120mm以上200mm以下の範囲内にあることを特徴としている。
(フロー値の測定方法)
前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対して水を32質量部加えて混練してモルタルを調製する。得られたモルタルのフロー値を、日本建築学会規格JASS 15M-103(セルフレベリング材の品質基準)に準拠して測定する。
このような構成とされた本発明の断面修復材によれば、セメント及びフライアッシュと共に細骨材を上記の範囲内で含むので、モルタル硬化物としたときの圧縮強度が向上する。また、シリカフュームを上記の範囲内にて含み、かつセメントとフライアッシュの合計量100質量部に対して水を32質量部加えて混練して得たモルタルはフロー値が上記の範囲内にあるので、流動性が高く、ポンプによる圧送が可能で、圧送後に固形分が水から分離して組成が不均一となることが起こりにくい。
ここで、本発明の断面修復材において、前記フライアッシュは、ブレーン比表面積が2500cm/g以上5000cm/g未満の範囲内にあることが好ましい。
この場合、フライアッシュのブレーン比表面積が上記の範囲内にあるので、モルタル硬化物としたときの圧縮強度が高くなる。
また、本発明の断面修復材において、前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対する前記フライアッシュの含有量は、35質量部以上50質量部以下の範囲内にあることが好ましい。
この場合、フライアッシュの含有量が上記の範囲内にあるので、モルタルとしたときの流動性がより向上し、圧送後に固形分が水から分離して組成が不均一となることがより起こりにくくなる。また、モルタルが硬化する際の発熱量が低くなる。さらにモルタル硬化物としたときの乾燥収縮率も小さくなる。
また、本発明の断面修復材においては、前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対して、膨張材を2.5質量部以上4.5質量部以下の範囲内で含むことが好ましい。
この場合、膨張材を上記の範囲内で含むので、モルタル硬化物としたときの乾燥収縮等を抑えることができる。
また、本発明の断面修復材においては、前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対して、減水剤を0.1質量部以上0.5質量部以下の範囲内で含むことが好ましい。
この場合、減水剤を上記の範囲内で含むので、モルタルとしたときのフロー値を上記の範囲に維持しやすくなる。
また、本発明の断面修復材においては、前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対して、発泡剤を0.002質量部以上0.020質量部以下の範囲内で含むことが好ましい。
この場合、発泡剤を上記の範囲内で含むので、モルタル硬化物に気体を導入して膨張させることによって、硬化初期の収縮を抑制することができる。
本発明の断面修復用モルタルは、セメント、フライアッシュ、細骨材、シリカフューム及び水を含み、前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対する前記細骨材の含有量が130質量部以上170質量部以下の範囲内にあって、前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対する前記シリカフュームの含有量が6質量部以上10質量部の範囲内にあり、前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対する水の含有量が26質量部以上35質量部の範囲内にあって、日本建築学会規格JASS 15M-103(セルフレベリング材の品質基準)に準拠して測定されるフロー値が120mm以上200mm以下の範囲内にあることを特徴としている。
このような構成とされた本発明の断面修復用モルタルによれば、セメント及びフライアッシュと共に細骨材を上記の範囲内で含むので、モルタル硬化物の圧縮強度が向上する。また、シリカフュームと水を上記の範囲内にて含み、かつフロー値が上記の範囲内にあるので、流動性が高く、ポンプによる圧送が可能で、圧送後に固形分が水から分離して組成が不均一となることが起こりにくい。
ここで、本発明の断面修復用モルタルにおいては、環境温度20℃における材齢1日の圧縮強度が15N/mm以上であり、環境温度5℃における材齢3日の圧縮強度が15N/mm以上であることが好ましい。
この場合、環境温度20℃においては材齢1日の圧縮強度が上記の値となるので施工期間を短縮化できる。また、環境温度5℃においては材齢3日の圧縮強度が上記の値となるので、冬季においても施工期間を短縮できる。
また、本発明の断面修復用モルタルにおいては、日本産業規格JIS A 1129-3:2010(モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法-第3部:ダイヤルゲージ方法)に準拠して供試体寸法4×4×16cmの試験体を用い、成型後材齢1日で脱型し基長を測定し、温度20℃、相対湿度60%の恒温恒湿室で91日保存したときの長さ変化率が0.05%以下であることが好ましい。
この場合、モルタル硬化物としたときの形状の変化が起こりにくいので、これを用いて修復されたコンクリート構造物は長期間にわたってクラックや欠損が生じにくくなる。
また、本発明の断面修復用モルタルにおいては、20℃の環境下において直径が10cmであって、高さが20cmの円柱型枠に打設し、断熱状態で温度を測定したときの温度上昇量が33℃以下であることが好ましい。
この場合、モルタルを硬化させる際の発熱量が少ないので、温度上昇に伴う応力によるモルタル硬化物の割れや欠けが発生しにくくなる。
本発明例によれば、ポンプによる圧送が可能であって、かつ圧縮強度が高いモルタル硬化物を得ることができる断面修復用モルタル及びその断面修復用モルタルの原料として有利に用いることができる断面修復材を提供することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態である断面修復材、及び断面修復用モルタルについて説明する。
[断面修復材]
本発明の実施形態である断面修復材は、セメント、フライアッシュ、細骨材及びシリカフュームを含むセメント組成物である。断面修復材は、膨張材、減水剤、発泡剤、消泡剤などの混和剤を含んでもよい。断面修復材は、水と混練して断面修復用モルタルを調製するための原料として用いられる。
断面修復材は、下記の方法によって測定されるフロー値が120mm以上200mm以下の範囲内とされている。なお、断面修復材が、セメント、フライアッシュ、細骨材及びシリカフューム以外の混和剤を含む組成物である場合、フロー値は、混和剤を含む組成物の状態で測定した値である。
(フロー値の測定方法)
前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対して水を所定量加えて混練してモルタルを調製する。得られたモルタルのフロー値を、日本建築学会規格JASS 15M-103(セルフレベリング材の品質基準)に準拠して測定する。15M-103は、例えば、「建築工事標準仕様書・同解説15左官工事2019年版、日本建築学会発行」に掲載されている。なお、フロー値の測定温度は20℃である。
フロー値が低くなりすぎると、ポンプによる圧送が困難となるおそれがある。一方、フロー値が高くなりすぎると、圧送後に固形分が水から分離して組成が不均一となるおそれがある。フロー値は、130mm以上190mm以下の範囲内にあることが好ましい。
(セメント)
セメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、高炉セメントなど断面修復材の原料として用いられている各種のセメントを用いることができる。セメントは、普通ポルトランドセメントであることが好ましい。
(フライアッシュ)
フライアッシュは、石炭火力発電所のボイラ内での石炭の燃焼によって生じた石炭灰の粒子が相互に凝集して生成した粒状物である。フライアッシュは、一般に粒子形状が球状で、その球状粒子によるボールベアリング効果によりモルタルの流動性、自己充填性を向上させると共にポンプ圧送性を高める作用がある。フライアッシュは、例えば、ブレーン比表面積が2500cm/g以上5000cm/g未満の範囲内にあってもよく、2500cm/g以上4800cm/g以下の範囲内にあってもよい。ブレーン比表面積が小さくなりすぎるとフライアッシュ粒子が粗くなるため、ポゾラン活性が低下して、モルタルの強度発現性が低下するおそれがある。また、フライアッシュの球状粒子によるボールベアリング効果が薄れ、モルタルの流動性が悪くなり、自己充填性が低下するおそれがある。一方、ブレーン比表面積が大きくなりすぎる、すなわちフライアッシュ粒子が細かくなりすぎると、凝集粒子を形成しやすくなり、流動性が低下するおそれがある。
フライアッシュの含有量は、セメントとフライアッシュの合計量100質量部に対するフライアッシュの含有量として、35質量部以上50質量部以下の範囲内にあってもよい。フライアッシュの含有量が少なくなりすぎると、フライアッシュの添加効果が得られないおそれがある。一方、フライアッシュの含有量が多くなりすぎると、モルタルとしたときの流動性が却って低下し、ポンプ圧送性が低下すると共に、そのモルタルの硬化物は、強度や中性化に対する抵抗性が低下するおそれがある。
細骨材には特に制限はなく、断面修復材の細骨材として利用されている公知の細骨材を用いることができる。細骨材としては、例えば、山砂、川砂、陸砂、砕砂、海砂、珪砂3~8号を用いることができる。
細骨材の含有量は、セメントとフライアッシュの合計量100質量部に対して130質量部以上170質量部以下の範囲内とされている。細骨材の含有量が少なくなりすぎると、水を加えて練り混ぜてモルタルとするときの分散媒体となる細骨材が少なくなりすぎて、良好な練り混ぜができなくなるおそれがある。また、モルタル硬化物としたときの乾燥収縮や自己収縮が大きくなり、修復部にひび割れが発生するおそれがある。一方、細骨材の含有量が多くなりすぎると、細骨材がモルタル内で沈降、分離するおそれがあると共に、モルタルの硬化物の強度低下を招くおそれがある。
(シリカフューム)
シリカフュームは、粒子径が1μm以下の微細な酸化ケイ素の粉末である。シリカフュームは、モルタルとしたときの流動性を向上させると共に、モルタル中の材料の分離を抑制する作用がある。
シリカフュームの含有量は、セメントとフライアッシュの合計量100質量部に対して6質量部以上10質量部の範囲内とされている。シリカフュームの含有量が少なくなりすぎると、モルタルのフロー値が高くなって 、モルタル中の材料の分離が起こりやすくなるおそれがある。一方、シリカフュームの含有量が多くなりすぎると、モルタルのフロー値が低くなりすぎて、モルタルが圧送しにくくなるおそれがある。シリカフュームの含有量は、セメントとフライアッシュの合計量100質量部に対して7質量部以上9質量部以下の範囲内にあることが好ましい。
(膨張材)
膨張材は、その膨張作用によりモルタル硬化物としたときの乾燥収縮等を補償して、モルタル硬化物としたときのひび割れ発生を抑制する作用がある。膨張材としては、エトリンガイト系、石灰系、エトリンガイト・石灰複合系などの断面修復材の膨張材として利用されている公知の材料を用いることができる。
膨張材の含有量は、セメントとフライアッシュの合計量100質量部に対して2.5質量部以上4.5質量部以下の範囲内にあることが好ましい。膨張材の含有量が少なくなりすぎると、膨張材による上記の効果が十分に発揮されないおそれがある。一方、膨張材の含有量が多くなりすぎると、モルタル硬化物としたときに過剰な膨張による膨張ひび割れが生じ、強度が低下するおそれがある。
(消泡剤)
消泡剤は、モルタルとしたときの粗大な泡の発生を抑えて、流動性を向上させる作用がある。消泡剤としては、例えば、エーテル類、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、高級アルコール、高重合グリコール、シリコーン類等など断面修復材の消泡剤として利用されている公知の材料を用いることができる。
消泡剤の含有量は、セメントとフライアッシュの合計量100質量部に対して0.03質量部以上2.0質量部以下の範囲内にあることが好ましく、0.05質量部以上1.5質量部以下の範囲内にあることがさらに好ましい。消泡剤の含有量が少なくなりすぎると、消泡剤による上記の効果が十分に発揮されないおそれがある。一方、消泡剤の含有量が多くなりすぎると、消泡効果の増大が期待できないばかりか、モルタルとしたときの硬化遅延や強度発現性が低下するおそれがある。また、材料コストが上昇する。
(発泡剤)
発泡剤は、モルタルとしたときに微細な気泡を生成することによって、モルタル硬化物に気泡を導入して膨張させ、硬化初期の収縮を抑制する作用がある。発泡剤としては、例えば、アルミニウム粉末など無収縮モルタルの発泡剤として利用されている公知の材料を用いることができる。
発泡剤の含有量は、セメントとフライアッシュの合計量100質量部に対して0.002質量部以上0.020質量部以下の範囲内にあることが好ましい。発泡剤の含有量が少なくなりすぎると、発泡剤による上記の効果が十分に発揮されないおそれがある。一方、発泡剤の含有量が多くなりすぎると、モルタル硬化物としたときの気泡の量が多くなりすぎて過剰な膨張が発生し、強度が低下するおそれがある。
(減水剤)
減水剤は、モルタルとしたときのセメントおよび混和材料等の分散性を高めて、モルタルの流動性を向上させる作用がある。減水剤としては、減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤を用いることができる。減水剤の材料としては、例えば、リグニンスルフォン酸塩、オキシ有機酸塩、βナフタリンスルフォン酸塩、ポリカルボン酸塩、メラミン樹脂スルフォン酸塩、クレオソート油スルフォン酸縮合物塩など断面修復材の減水剤として利用されている公知の材料を用いることができる。
減水剤の含有量は、減水剤の種類によっても異なるが、セメントとフライアッシュの合計量100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲内にあることが好ましく、0.20質量部以上3.0質量部以下の範囲内にあることがさらに好ましい。減水剤の含有量が少なくなりすぎると、減水剤による上記の効果が十分に発揮されず、モルタルとしたときの粘度が高くなり流動性が改善されないおそれがある。また、モルタルとしたときのフロー値が低くなりすぎて、モルタルを圧送しにくくなるおそれがある。一方、減水剤の含有量が多くなりすぎると、モルタルとしたときに材料分離を起こすおそれがあり、モルタルの硬化遅延や強度発現性が低下するという弊害が生じるおそれがある。
(その他の成分)
断面修復材は、さらに他の混和剤や補強繊維を含んでいてもよい。他の混和剤の例としては、増粘剤、空気連行剤、防錆剤、速硬性混和剤、凝結調整剤、有機短繊維、無機短繊維、再乳化粉末樹脂、塩分吸着材を挙げることができる。
(製造方法)
本実施形態の断面修復材は、上述の材料を混合することによって製造することができる。混合装置としては、ロッキングミキサー、V型混合機、縦型ミキサー、万能混合機、プロシェアミキサー等の通常の粉体混合装置を用いることができる。
以上のような構成とされた本実施形態の断面修復材によれば、細骨材をセメントとフライアッシュの合計量100質量部に対する細骨材の含有量として130質量部以上170質量部以下の範囲内で含むので、モルタル硬化物としたときの圧縮強度が向上する。また、シリカフュームをセメントとフライアッシュの合計量100質量部に対するシリカフュームの含有量として6質量部以上10質量部の範囲内にて含み、かつセメントとフライアッシュの合計量100質量部に対して水を32質量部加えて混練して得たモルタルはフロー値が120mm以上200mm以下の範囲内にあるので、流動性が高く、ポンプによる圧送が可能で、圧送後に固形分が水から分離して組成が不均一となることが起こりにくい。よって、本実施形態の断面修復材は、充填工法による断面修復に対して有利に用いることができる。
本実施形態の断面修復材において、前記フライアッシュは、ブレーン比表面積が2500cm/g以上5000cm/g未満の範囲内にある場合、モルタル硬化物としたときの簡易断熱温度上昇量(発熱量)が小さくなる。
本実施形態の断面修復材において、セメントとフライアッシュの合計量100質量部に対するフライアッシュの含有量は、35質量部以上50質量部以下の範囲内にある場合は、モルタルとしたときの流動性がより向上し、圧送後に固形分が水から分離して組成が不均一となることがより起こりにくくなる。また、モルタルが硬化する際の発熱量が低くなる。さらにモルタル硬化物としたときの乾燥収縮率も小さくなる。
本実施形態の断面修復材において、セメントとフライアッシュの合計量100質量部に対して、減水剤を0.1質量部以上0.5質量部以下の範囲内で含む場合は、モルタルとしたときのフロー値を上記の範囲に維持しやすくなる。
本実施形態の断面修復材において、セメントとフライアッシュの合計量100質量部に対して、発泡剤を0.002質量部以上0.020質量部以下の範囲内で含む場合は、モルタル硬化物に気体を導入して膨張させることによって、硬化初期の収縮を抑制することができる。
[断面修復用モルタル]
本実施形態の断面修復用モルタルは、セメント、フライアッシュ、細骨材、シリカフューム及び水を含む。断面修復材は、膨張材、減水剤、発泡剤、減水剤などの混和剤を含んでもよい。セメント、フライアッシュ、細骨材、シリカフューム、膨張材、減水剤、発泡剤、減水剤などの混和剤は、前述の断面修復の場合と同じである。また、断面修復用モルタルは、所定の水量を加えて混練したときの日本建築学会規格JASS 15M-103(セルフレベリング材の品質基準)に準拠して測定されるフロー値が120mm以上200mm以下の範囲内とされている。
水の含有量は、セメントとフライアッシュの合計量100質量部に対する量として26質量部以上35質量部以下の範囲内とされている。水の含有量が少なくなりすぎるとモルタルの流動性が大きく低下し、圧送ポンプによる圧送ができなくなるおそれがある。また、水の含有量が多くなりすぎると、流動性が高くなりすぎて材料分離等が発生するおそれがある。
断面修復用モルタルは、環境温度20℃における材齢1日の圧縮強度が15N/mm以上であり、環境温度5℃における材齢3日の圧縮強度が15N/mm以上であってもよい。モルタル硬化物の圧縮強度が15N/mm以上であれば、モルタル硬化物から型枠を取り外しても、補修部分が落下したりモルタル硬化物が割れたりするなどの問題が起こりにくい。よって、環境温度20℃における材齢1日の圧縮強度が15N/mm以上であることは施工期間を短縮できることを意味する。また、環境温度5℃における材齢3日の圧縮強度が15N/mm以上であることは冬季でも比較的早く脱型ができ20℃と同様に施工期間の短縮が可能であることを意味する。
断面修復用モルタルは、日本産業規格JIS A 1129-3:2010(モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法-第3部:ダイヤルゲージ方法)に準拠して供試体寸法4×4×16cmの試験体を用い、成型後材齢1日で脱型し基長を測定し、温度20℃、相対湿度60%の恒温恒湿室で91日保存したときの長さ変化率(以下、乾燥収縮率ともいう)が0.05%以下であってもよい。乾燥収縮率は、モルタル硬化物としたときの乾燥による形状の変化しやすさを指標する。株式会社高速道路総合技術研究所発行の「構造物施工管理要領」では、打込み工法による断面修復の性能照査項目として乾燥収縮性が挙げられており、基準値として保存期間3ケ月における乾燥収縮率が0.05%以下と規定されている。従って、乾燥収縮率が0.05%以下であれば、モルタルの乾燥収縮によるひび割れが発生しにくいと考えられる。
断面修復用モルタルは、20℃の環境下において直径が10cmであって、高さが20cmの円柱型枠に打設し、断熱状態で温度を測定したときの温度上昇量(以下、簡易断熱温度上昇量ともいう)が33℃以下であってもよい。円柱型枠に打設した断面修復用モルタルは、硬化反応による発熱により温度が上昇する。簡易断熱温度上昇量は、モルタルの温度上昇の最高到達温度から環境温度(20℃)を差し引いた値である。簡易断熱温度上昇量が高くなりすぎると、型枠に充填したモルタルの形状が温度上昇に伴う内部応力によって変化して、得られるモルタル硬化物にクラックや欠損が生じるおそれがある。このため、東京港埠頭株式会社発行の「桟橋劣化調査・補修マニュアル」では、断面修復材の品質規格値として水和熱が規定されており、同書では「水和熱ができるだけ小さいこと」と記載されており、温度上昇がより小さいことが好ましい。
(断面修復用モルタルの調製方法)
断面修復用モルタルは、断面修復材と水とを混合することによって調製することができる。断面修復材と水との混合は、予め所定量の水を入れた容器やミキサーに撹拌しながら断面修復材を入れていく方法があるが、この方法に限定されるものではない。混合装置としては、モルタルミキサーグラウトミキサー、ハンドミキサー等を用いることができる。
以上のような構成とされた本実施形態の断面修復用モルタルによれば、細骨材をセメントとフライアッシュの合計量100質量部に対する細骨材の含有量として130質量部以上170質量部以下の範囲内で含むので、モルタル硬化物としたときの圧縮強度が向上する。また、セメントとフライアッシュの合計量100質量部に対して、シリカフュームの含有量が6質量部以上10質量部の範囲内にあって、水の含有量が26質量部以上35質量部の範囲内にあり、フロー値が120mm以上200mm以下の範囲内にあるので、流動性が高く、ポンプによる圧送が可能で、圧送後に固形分が水から分離して組成が不均一となることが起こりにくい。よって、本実施形態の断面修復用モルタルは、充填工法による断面修復に対して有利に用いることができる。
本実施形態の断面修復用モルタルにおいて、環境温度20℃における材齢1日の圧縮強度が15N/mm以上である場合は、施工期間を短縮化できる。また、環境温度5℃における材齢3日の圧縮強度が15N/mm以上である場合は、冬季においても施工期間を短縮できる。
本実施形態の断面修復用モルタルにおいて、乾燥収縮率が0.05%以下である場合は、モルタル硬化物としたときの形状の変化が起こりにくいので、これを用いて修復されたコンクリート構造物は長期間にわたってクラックや欠損が生じにくくなる。
本実施形態の断面修復用モルタルにおいて、20℃の環境下において直径が10cmであって、高さが20cmの円柱型枠に打設し、断熱状態で温度を測定したときの温度上昇量が33℃以下である場合は、モルタルを硬化させる際の発熱量が少ないので、モルタルの温度上昇に伴う内部応力によるモルタル硬化物のクラックや欠けが発生しにくくなる。
本発明の作用効果を、実施例により詳しく説明する。
本実施例において使用した材料の種類、名称、製造会社及び略号を下記の表1に示す。
Figure 2022139627000001
本実施例において得られたモルタルに対して行なった評価項目を、下記に示す。
(1)フロー値
「建築工事標準仕様書・同解説15左官工事2019年版、日本建築学会発行」に掲載されている日本建築学会規格JASS 15M-103(セルフレベリング材の品質基準)に準拠して測定した。測定温度は、20℃とした。
(2)目視観察
モルタルを目視で観察した。モルタルの材料分離が認められない場合を「良好」とし、モルタルの材料分離が認められる場合を「材料分離」とした。
(3)圧縮強度
「2018年制定コンクリート標準示方書 規準編、土木学会コンクリート委員会規準関連小委員会編集」に掲載されている円柱供試体を用いたモルタルまたはセメントペーストの圧縮強度試験方法(JSCE-G 505-1999)に準拠して測定した。円柱供試体のサイズは、直径5cm×高さ10cmとした。養生温度は、20℃または5℃とした。養生温度が20℃の場合は、材齢が1日、3日、28日の圧縮強度を測定した。養生温度が5℃の場合は、材齢が3日の圧縮強度を測定した。
(4)乾燥収縮率(91日保存)
乾燥収縮率の供試体寸法は、4×4×16cmとした。乾燥収縮率は、日本産業規格JIS A 1129-3:2010(モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法-第3部:ダイヤルゲージ方法)に準拠して測定した。材齢1日で脱型して基長を測定し、温度20℃、相対湿度60%の恒温恒湿室に保存し、保存期間91日の長さの変化率を乾燥収縮率として測定した。
(5)簡易断熱温度上昇量
20℃の環境下において、モルタルを直径が10cmであって、高さが20cmの円柱型枠にモルタルを打設し、次いで、円柱型枠を、発泡スチロール製容器(縦30cm×横30cm×高さ40cm)に入れて蓋をして、断熱状態とした。モルタルの中心部の最高到達温度を熱電対により測定し、最高到達温度から20℃を引いた値を簡易断熱温度上昇量とした。なお、モルタルを調製してから円柱型枠に打設するまでの時間は30分以内とした。
[本発明例1~5、比較例1~12]
下記の表2~4に示す原料の配合量で、セメント、フライアッシュ、骨材、シリカフューム、膨張材、消泡剤、発泡剤、減水剤を、V型混合機を用いて混合してセメント組成物を製造した。得られたセメント組成物と水とを、セメント組成物のセメントとフライアッシュの合計量を100質量部として、水が32質量部となる割合で、モルタルミキサーを用いて混合してモルタルを製造した。
得られたモルタルについて、フロー値、目視観察、圧縮強度、乾燥収縮率、簡易断熱温度上昇量を、上記の方法を用いて測定した。また、モルタルを、モルタルポンプOKP-50M(岡三機工社製:モーター出力:3.7kW、吐出能力:1~5m/h)を用いて、圧送距離50mの条件で圧送した。圧送後のモルタルについてフロー値と圧縮強度を測定した。その結果を、表2~4に示す。
なお、表2~4において、SF/(N+FA)は、セメントとフライアッシュの合計量を100質量部としたシリカフュームの含有量であり、S/(N+FA)は、セメントとフライアッシュの合計量を100質量部とした骨材の含有量であり、水/(N+FA)は、セメントとフライアッシュの合計量を100質量部とした水の含有量である。
表2~4において、フロー値の圧送後の変化率は、下記の式より算出した値である。
圧送後の変化率(%)={(圧送後のフロー値-圧送前のフロー値)/圧送前のフロー値}×100
また、圧送性の評価は、圧送後のモルタルのフロー値が±20%であるものを「〇」とし、それ以外を「×」とした。
表2~4において、圧縮強度の圧送後の変化率は、下記の式より算出した値である。
圧送後の変化率(%)={(圧送後の圧縮強度-圧送前の圧縮強度)/圧送前の圧縮強度}×100
Figure 2022139627000002
Figure 2022139627000003
Figure 2022139627000004
表2に示すように、セメントとフライアッシュの合計量100質量部に対するシリカフュームの含有量(SF/(N+FA))が6質量部以上10質量部の範囲内にあり、フロー値が120mm以上200mm以下にある本発明例1~4のモルタルは、圧送後のフロー値の変化率及び圧送後の圧縮強度の変化率が小さく、圧送による物性の変化が少ないことがわかる。
これに対して、表3に示すようにシリカフュームの含有量とフロー値の両方が本発明の範囲よりも低い比較例1のモルタルは圧送できなかった。シリカフュームの含有量は本発明の範囲よりも低く、フロー値は本発明の範囲内にある比較例2、3のモルタルは圧送できたが、モルタルの圧送後のフロー値の変化率は大きくなった。シリカフュームの含有量は本発明の範囲よりも低く、フロー値は本発明の範囲より高い比較例4のモルタルは圧送できたが、圧送後のモルタルは材料の分離が生じた。シリカフュームの含有量(SF/(N+FA))は本発明の範囲内にあって、フロー値は本発明の範囲よりも低い比較例5、6のモルタルは圧送できなかった。
表4に示すようにシリカフュームの含有量は本発明の範囲内にあって、フロー値は本発明の範囲よりも高い比較例7、8のモルタルは圧送できたが、圧送後のモルタルは材料の分離が生じた。シリカフュームの含有量(SF/(N+FA))が本発明の範囲よりも高く、フロー値は本発明の範囲よりも低い比較例9のモルタルは圧送できなかった。シリカフュームの含有量(SF/(N+FA))は本発明の範囲よりも高く、フロー値は本発明の範囲内にある比較例10、11のモルタルは圧送できたが、モルタルの圧送後のフロー値の変化率は大きくなった。また、シリカフュームの含有量とフロー値の両方が本発明の範囲よりも高い比較例12のモルタルは圧送できたが、圧送後のモルタルは材料の分離が生じた。
以上の結果から、ポンプによる圧送を可能とするためには、モルタルのシリカフュームの含有量とフロー値の両方を本発明の範囲内とすることが有効であることが確認された。
[本発明例6~9]
セメントとフライアッシュの配合量を、下記の表5に示す量としたこと以外は、本発明例3と同様にしてセメント組成物を製造した。そして、得られたセメント組成物に水を、水/(N+FA)が32となるように加えてモルタルを製造した。得られたモルタルについて、フロー値、目視観察、圧縮強度、乾燥収縮率、簡易断熱温度上昇量を、上記の方法を用いて測定した。その結果を、本発明例3の結果と共に、下記の表5に示す。
Figure 2022139627000005
表5に示すように、セメントとフライアッシュの合計量中のセメントの配合量が多くなるに伴って、圧縮強度は高くなり、乾燥収縮率や簡易断熱温度上昇量が大きくなる傾向があることがわかる。
[本発明例11~14]
膨張材の配合量を、下記の表6に示す量としたこと以外は、本発明例3と同様にしてセメント組成物を製造した。そして、得られたセメント組成物に水を、水/(N+FA)が32となるように加えてモルタルを製造した。得られたモルタルについて、フロー値、目視観察、圧縮強度、乾燥収縮率、簡易断熱温度上昇量を、上記の方法を用いて測定した。その結果を、本発明例3の結果と共に、下記の表6に示す。
Figure 2022139627000006
表6の結果から、膨張材の配合量が多くなるに伴って、乾燥収縮率が減少する傾向があることがわかる。
[本発明例15~16、比較例13~14]
細骨材の配合量を、下記の表7に示す量としたこと以外は、本発明例3と同様にして、セメント組成物を製造した。そして、得られたセメント組成物に水を、水/(N+FA)が32となるように加えてモルタルを製造した。得られたモルタルについて、フロー値、目視観察、圧縮強度、乾燥収縮率、簡易断熱温度上昇量を、上記の方法を用いて測定した。その結果を、本発明例3の結果と共に、下記の表7に示す。
Figure 2022139627000007
表7の結果から、細骨材の配合量が130質量部から170質量部の範囲内にある本発明例3、15~16のモルタルは、細骨材の配合量がこの範囲から外れる比較例13~14のモルタルと比較して、圧縮強度が高いことがわかる。また、細骨材が多くなるに伴って、乾燥収縮率及び簡易断熱温度上昇量が減少する傾向があることがわかる。
[本発明例17~20]
減水剤の配合量を、下記の表8に示す量としたこと以外は、本発明例3と同様にしてセメント組成物を製造した。そして、得られたセメント組成物に水を、水/(N+FA)が下記の表8に示す量となるように加えてモルタルを製造した。得られたモルタルについて、フロー値、目視観察、圧縮強度、乾燥収縮率、簡易断熱温度上昇量を、上記の方法を用いて測定した。その結果を、本発明例3の結果と共に、下記の表8に示す。
Figure 2022139627000008
本発明例17~20は、モルタルのフロー値が157~164mmの範囲内になるように、減水剤と水の配合量を調整した。表8の結果から、水の配合量が水/(N+FA)で26以上35以下の範囲内にあると、圧縮強度が高く、乾燥収縮率が減少する傾向があることがわかる。
[本発明例21、22]
フライアッシュとしてFA1(ブレーン比表面積:3670cm/g)の代わりに、FA2(ブレーン比表面積:4740cm/g)、FA3(ブレーン比表面積:5450cm/g)を用いたこと以外は、本発明例3と同様にしてセメント組成物を製造した。そして、得られたセメント組成物に水を、水/(N+FA)が32%となるように加えてモルタルを製造した。得られたモルタルについて、フロー値、目視観察、圧縮強度、乾燥収縮率、簡易断熱温度上昇量を、上記の方法を用いて測定した。その結果を、本発明例3の結果と共に、下記の表9に示す。
Figure 2022139627000009
表9の結果から、フライアッシュのブレーン比表面積が増加するに伴って乾燥収縮率が減少し、簡易断熱温度上昇量が大きく(温度が高く)なることがわかる。

Claims (10)

  1. セメント、フライアッシュ、細骨材及びシリカフュームを含み、
    前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対する前記細骨材の含有量が130質量部以上170質量部以下の範囲内にあって、前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対する前記シリカフュームの含有量が6質量部以上10質量部の範囲内にあり、
    下記の方法によって測定されるフロー値が120mm以上200mm以下の範囲内にあることを特徴とする断面修復材。
    (フロー値の測定方法)
    前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対して水を32質量部加えて混練してモルタルを調製する。得られたモルタルのフロー値を、日本建築学会規格JASS 15M-103(セルフレベリング材の品質基準)に準拠して測定する。
  2. 前記フライアッシュは、ブレーン比表面積が2500cm/g以上5000cm/g未満の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の断面修復材。
  3. 前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対する前記フライアッシュの含有量が35質量部以上50質量部以下の範囲内にあることを特徴とする請求項1または2に記載の断面修復材。
  4. 前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対して、膨張材を2.5質量部以上4.5質量部以下の範囲内で含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の断面修復材。
  5. 前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対して、減水剤を0.1質量部以上0.5質量部以下の範囲内で含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の断面修復材。
  6. 前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対して、発泡剤を0.002質量部以上0.020質量部以下の範囲内で含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の断面修復材。
  7. セメント、フライアッシュ、細骨材、シリカフューム及び水を含み、
    前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対する前記細骨材の含有量が130質量部以上170質量部以下の範囲内にあって、前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対する前記シリカフュームの含有量が6質量部以上10質量部の範囲内にあり、前記セメントと前記フライアッシュの合計量100質量部に対する水の含有量が26質量部以上35質量部の範囲内にあって、
    日本建築学会規格JASS 15M-103(セルフレベリング材の品質基準)に準拠して測定されるフロー値が120mm以上200mm以下の範囲内にあることを特徴とする断面修復用モルタル。
  8. 環境温度20℃における材齢1日の圧縮強度が15N/mm以上であり、環境温度5℃における材齢3日の圧縮強度が15N/mm以上であることを特徴とする請求項7に記載の断面修復用モルタル。
  9. 日本産業規格JIS A 1129-3:2010(モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法-第3部:ダイヤルゲージ方法)に準拠して供試体寸法4×4×16cmの試験体を用い、成型後材齢1日で脱型し基長を測定し、温度20℃、相対湿度60%の恒温恒湿室で91日保存したときの長さ変化率が0.05%以下であることを特徴とする請求項7または8に記載の断面修復用モルタル。
  10. 20℃の環境下において直径が10cmであって、高さが20cmの円柱型枠に打設し、断熱状態で温度を測定したときの温度上昇量が33℃以下であることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の断面修復用モルタル。
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