JP2022138706A - 車両用制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】手動変速機を搭載した車両において、ブレーキ操作部材とアクセル操作部材との操作間違いによる事故の被害を軽減ないしその事故の発生を抑制できる、車両用制御装置を提供する。【解決手段】アクセルペダルの踏込量であるAP踏込量が開始基準量Apより大きく、AP踏込量の時間微分値であるAP踏込速度が開始基準速度Aosより大きい場合であって、クラッチペダルの踏込量であるCP踏込量がクラッチ基準量Cpよりも小さい場合であっても(S1,S2,S3:YES)、クラッチペダル13の解除操作の操作速度であるCP解除速度が解除基準速度Cos以上である場合には(S4:NO)、ペダル踏み間違い処理が実施されない。CP解除速度が解除基準速度Cosより小さい場合には(S4:YES)、ペダル踏み間違い処理が実施される(S5)。ペダル踏み間違い処理では、ンジン出力抑制制御の実施により、エンジン2の出力が抑制される。【選択図】図2

Description

本発明は、手動変速機を搭載した車両に用いられる制御装置に関する。
近年、車両のブレーキペダルとアクセルペダルとの踏み間違い事故、すなわち、運転者が車両を停止させるつもりでアクセルペダルとブレーキペダルを踏み誤り、車両が運転者の意思に反して加速することによる事故が頻発している。
踏み間違い事故は、アクセルペダルとブレーキペダルとの2ペダルを備える車両(2ペダル式の車両)、つまり自動変速機を搭載した車両で起こり、アクセルペダル、ブレーキペダルおよびクラッチペダルの3ペダルを備える車両(3ペダル式の車両)、つまり手動変速機を搭載した車両では起こらないと一般的に考えられている。
すなわち、2ペダル式の車両では、自動変速機の変速レンジがDレンジ(走行レンジ)に設定されているときには、エンジンと駆動輪とが動力を伝達可能に接続されているので、ブレーキペダルと間違えてアクセルペダルが踏み込まれると、エンジン回転数が上昇して、エンジン出力が増大し、車両が急加速するので、前方または後方の物体に衝突する事故を生じる可能性がある。これに対し、3ペダル式の車両では、車両を停止させるときには、クラッチペダルが踏み込まれて、エンジンが駆動輪から切り離されるので、ブレーキペダルと間違えてアクセルペダルが踏み込まれても、エンジン回転数が上昇(空ぶかし)するだけで、車両が急加速することがないので事故に至らないと一般には考えられている。
特開2007-170232号公報 特開2019-38507号公報
ところが、本願発明者が車両の安全性について研究を進めるうちに、車両の状況によっては、3ペダル式の車両においても、ブレーキペダルとアクセルペダルとの踏み間違い事故が生じ得ることが判った。
本発明の目的は、手動変速機を搭載した車両において、ブレーキ操作部材とアクセル操作部材との操作間違いによる事故の被害を軽減ないしその事故の発生を抑制できる、車両用制御装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る車両用制御装置は、駆動源と、駆動源からの動力を変速する手動変速機と、係合により駆動源と手動変速機とを接続し、解放により駆動源と手動変速機とを切断するクラッチと、車輪に制動力を作用させるブレーキ機構と、駆動源の出力の増大のために加速操作され、駆動源の出力の減少のために減速操作されるアクセル操作部材と、ブレーキ機構による制動力の増大のために制動操作され、ブレーキ機構による制動力の減少のために解除操作されるブレーキ操作部材と、クラッチの係合のために係合操作され、クラッチの解放のために解放操作されるクラッチ操作部材とを備える車両に用いられる制御装置であって、アクセル操作部材の加速操作の度合いがアクセル基準より大きい場合に、クラッチ操作部材の係合操作の度合いに基づいて、駆動源による車両の走行を抑制するか否かを決定し、車両の走行を抑制すると決定した場合に、車両の走行を抑制する。
この構成によれば、アクセル操作部材の加速操作の度合いがアクセル基準より大きい場合に、クラッチ操作部材の係合操作の度合いに基づいて、駆動源による車両の走行を抑制するか否かが決定される。
たとえば、アクセル操作部材、ブレーキ操作部材およびクラッチ操作部材のいずれも操作されていない状態での車両の走行中(空走中、クルーズコントロール走行中)に、進行方向の信号機の赤色灯が点灯したことによって、車両の減速が必要となり、ドライバがブレーキ操作部材の制動操作と間違えて、アクセル操作部材の加速操作を行った場合、クラッチが係合しているので、車両が急加速し、その急加速による事故が発生する可能性がある。
そのため、アクセル操作部材の加速操作の度合いがアクセル基準より大きい場合には、原則として、車両の走行の抑制が決定されるとよい。これにより、車両の走行が抑制されるので、ブレーキ操作部材の制動操作と間違えて、アクセル操作部材の加速操作が行われた場合に、その操作間違いによる事故の被害を軽減ないし事故の発生を抑制することができる。
ところが、車両を急発進させたい場合や、上り坂(登坂路)での車両の発進またはシフトチェンジが行われる場合に、クラッチ操作部材が係合操作されながら、アクセル操作部材が素早くかつ大きく加速操作されることがある。かかる場合、車両の走行の抑制は、ドライバの意思に反して、車両の発進または加速を妨げることになる。したがって、アクセル操作部材の加速操作の度合いがアクセル基準を超えても、クラッチ操作部材の係合操作の度合いが大きい場合には、車両の走行を抑制しないことが決定されるとよい。これにより、ドライバの要求の通りに車両を発進または加速させることができ、ドライバが車両の走行の不要な抑制による煩わしさや鬱陶しさを感じることを抑制できる。また、車両が上り坂で発進または加速する場合に、車両の走行が抑制されないので、車両のずり下がりが発生することを抑制できる。ドライバが手動変速機を搭載した車両の運転(クラッチ操作部材の操作)に不慣れである場合、車両のずり下がりが発生すると、ドライバがパニックとなり、それが車両の事故につながる可能性を否定できないが、車両の走行が抑制されず、車両のずり下がりの発生が抑制されることにより、そのような事故の発生を抑制することができる。
車両用制御装置は、アクセル操作部材の加速操作の度合いがアクセル基準より大きく、かつ、クラッチ操作部材の係合操作の度合いがクラッチ基準未満である場合に、車両の走行を抑制し、アクセル操作部材の加速操作の度合いがアクセル基準より大きく、かつ、クラッチ操作部材の解放操作の度合いがクラッチ基準以上である場合に、車両の走行を抑制しないと決定してもよい。
アクセル操作部材の加速操作の度合いは、当該加速操作の操作速度であってもよい。
本発明によれば、ブレーキ操作部材とアクセル操作部材との操作間違いによる事故の被害を軽減ないし事故の発生を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る車両用制御装置が採用された車両の構成を示す図である。 ペダル踏み間違い処理の開始を決定する処理の流れを示すフローチャートである。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<車両の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用制御装置が採用された車両1の構成を示す図である。
車両1は、エンジン(E/G)2を駆動源とする自動車である。エンジン2には、エンジン2の燃焼室への吸気量を調整するための電子スロットルバルブ、燃料を吸入空気に噴射するインジェクタ(燃料噴射装置)および燃焼室内に電気放電を生じさせる点火プラグなどが設けられている。また、エンジン2には、その始動のためのスタータが付随して設けられている。
車両1には、エンジン2からの動力を変速する変速機として、手動変速機(MT:Manual Transmission)3が搭載されている。エンジン2と手動変速機3との間には、エンジン2と手動変速機3とを断続するクラッチ4が介装されている。クラッチ4が係合した状態で、エンジン2と手動変速機3とが接続される。このとき、エンジン2が出力する動力は、クラッチ4を介して手動変速機3に入力され、手動変速機3で変速されて、手動変速機3からデファレンシャルギヤ5に伝達され、デファレンシャルギヤ5から左右の駆動輪6に走行用の駆動力として伝達される。
車両1の車室内には、運転席の足下に、エンジン2の出力を調節するためにドライバ(運転者)に足踏み操作されるアクセルペダル11と、駆動輪6を含む各車輪に作用する制動力を調節するためにドライバ(運転者)に足踏み操作されるブレーキペダル12と、クラッチ4の係合および解放を切り替えるためにドライバ(運転者)に足踏み操作されるクラッチペダル13とが設けられている。アクセルペダル11およびブレーキペダル12は、運転席に着座した運転者の右足での足踏み操作が便利な位置に、車両1の右側からその順に並べて配置されている。クラッチペダル13は、ブレーキペダル12から左側に離間して、運転席に着座した運転者の左足での足踏み操作が便利な位置に配置されている。
また、車両1には、油圧式のブレーキ機構14が搭載されている。ブレーキ機構14には、ブレーキブースタ、マスタシリンダおよびブレーキアクチュエータが含まれる。ブレーキペダル12が踏まれると、そのブレーキペダル12に入力された踏力がブレーキブースタに伝達される。ブレーキブースタに伝達された踏力は、ブレーキブースタの負圧によって増幅(倍力)され、ブレーキブースタからマスタシリンダに入力される。マスタシリンダでは、ブレーキブースタから入力される力に応じた油圧が発生する。マスタシリンダの発生油圧は、ブレーキアクチュエータに伝達される。そして、ブレーキアクチュエータの機能により、各車輪に設けられたブレーキのホイールシリンダに油圧が分配され、その油圧により各ブレーキから車輪に制動力が付与される。
クラッチ4には、たとえば、乾式単板クラッチの構成が採用されている。すなわち、クラッチ4は、エンジン2の出力軸に保持されるフライホイールと、フライホイールに固定されたクラッチカバーと、クラッチカバーに外周部が支持されるダイヤフラムスプリングと、フライホイールとダイヤフラムスプリングとの間に配置されるプレッシャプレートと、フライホイールとプレッシャプレートとの間に配置されるクラッチディスクとを備えている。
クラッチペダル13が踏まれていない状態では、ダイヤフラムスプリングのばね力による押付力がダイヤフラムスプリングの外周部からプレッシャプレートに入力され、プレッシャプレートによりクラッチディスクがフライホイールに押し付けられる。この状態がクラッチ4が係合した状態(繋がった状態)であり、クラッチ4が係合した状態では、エンジン2の動力がクラッチ4を介して手動変速機3に伝達される。
ダイヤフラムスプリングに対してプレッシャプレート側と反対側には、レリーズベアリングがダイヤフラムスプリングの内周部に対向して配置されている。クラッチペダル13には、マスタシリンダのピストンの先端部が接続されている。マスタシリンダには、リザーバとの間でオイルを流通させるリザーバホースと、レリーズシリンダに油圧を伝達するクラッチ配管とが接続されている。クラッチペダル13が踏み込まれると、クラッチペダル13によりマスタシリンダのピストンが押され、マスタシリンダに油圧が発生する。マスタシリンダで発生する油圧は、クラッチ配管を介してレリーズシリンダに伝達される。レリーズシリンダに伝達される油圧によりレリーズフォークが操作されて、レリーズフォークがレリーズベアリングをダイヤフラムスプリング側に押圧する。この押圧力がレリーズベアリングを介してダイヤフラムスプリングの内周部に入力され、ダイヤフラムスプリングが傾動および弾性変形し、ダイヤフラムスプリングの外周部からプレッシャプレートへの押付力の入力が解除される。その結果、クラッチディスクがフライホイールから離れた状態となる。この状態がクラッチ4が解放された状態(切れた状態)であり、クラッチ4が解放された状態では、エンジン2の動力が手動変速機3に伝達されない。
また、車両1には、複数のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)が搭載されている。各ECUは、マイコン(マイクロコントローラユニット)を備えており、マイコンには、たとえば、CPU、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリおよびDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリが内蔵されている。複数のECUは、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルによる双方向通信が可能に接続されている。各ECUには、制御に必要な各種センサが接続されており、その接続されたセンサの検出信号が入力される。また、各ECUには、各種センサから入力される検出信号以外に制御に必要な情報が他のECUから入力される。
図1には、複数のECUのうち、車両1の衝突による被害を軽減ないし衝突を回避する制御のためのECU21が示されている。ECU21には、アクセルセンサ22、ブレーキセンサ23、クラッチストロークセンサ24、車輪速センサ25、前方検知センサ26、舵角センサ27および勾配センサ28が接続されており、これらのセンサ類の検出信号が入力される。
アクセルセンサ22は、アクセルペダル11の操作量に応じた検出信号を出力する。
ブレーキセンサ23は、ブレーキペダル12の操作量に応じた検出信号を出力する。
クラッチストロークセンサ24は、クラッチ4のマスタシリンダに付設されて、マスタシリンダのピストンの変位量に応じた検出信号を出力する。
車輪速センサ25は、車両1の車輪(駆動輪6および従動輪)ごとに設けられており、各車輪の回転に同期したパルス信号を検出信号として出力する。車輪速センサ25の検出信号から、その検出信号(パルス信号)の周波数を求めて、その周波数から車輪速を求めることができる。さらに、車輪速から車両1の車速を求めることができる。
前方検知センサ26は、車両1の前方に存在する障害物を検知するセンサである。前方検知センサ26には、ステレオカメラ、超音波ソナー、LIDARセンサまたはレーダを用いることができる。前方検知センサ26がステレオカメラである場合、そのステレオカメラは、車両1の前方を広角で撮像可能なように、たとえば、車室内の前部中央のルームミラーの前方に設置される。ステレオカメラでは、左右両眼のイメージセンサから入力される一対の画像データから、イメージセンサに撮像された各画像で同一対象物に対応する対象画素が抽出され、その一対の画像間での対象画素の位置のずれ量が検出されて、三角測量の原理で同一対象物までの距離が算出される。ステレオカメラは、その算出した距離に応じた検出信号を出力する。
舵角センサ27は、車両1のステアリング機構(たとえば、ハンドル)の舵角中点に対する舵角(絶対舵角)に応じた検出信号を出力する。
勾配センサ28は、車両1の走行路面の勾配を検出するセンサである。勾配センサ28には、たとえば、Gセンサを用いることができる。Gセンサは、錘の変位に応じた信号を車両1の加速度に応じた検出信号として出力する。Gセンサの検出信号から車両1の加速度を求めることができる。Gセンサの検出信号から求まる加速度には、車速の変化による加速度成分と、車両1が所在する路面の勾配による加速度成分とが含まれる。一方、車輪速センサ25の検出信号から求められる車速を微分して得られる加速度は、車速の変化による加速度成分のみである。したがって、Gセンサの検出信号から求まる加速度と車速の微分値との差を求めることにより、車両1が走行中の路面の勾配による加速度成分が得られるので、その加速度成分に基づいて、路面の勾配を推定することができる。
なお、アクセルセンサ22、ブレーキセンサ23、クラッチストロークセンサ24、車輪速センサ25、前方検知センサ26、舵角センサ27および勾配センサ28の一部または全部が他のECUに接続されていてもよく、その場合、ECU21は、それらの検出信号から求められる情報を他のECUから通信により取得してもよい。
ECU21は、各センサから入力される検出信号および/または他のECUから入力される情報に基づいて、不揮発性メモリに格納されているプログラムによる各種の処理を実施し、エンジン2を制御するエンジンECU、ブレーキ機構14を制御するブレーキECU、ならびに表示器31およびブザー32が配設されたメータパネルを制御するメータECUに指令を出力する。表示器31は、たとえば、メータパネルに配設されたマルチインフォメーションディスプレイであってもよいし、メータパネルに配設されたインジケータであってもよい。
ECU21は、アクセルペダル11がブレーキペダル12と間違えて踏み込まれる踏み間違いの発生を判断し、踏み間違いが発生した場合、踏み間違いによる事故(衝突)の被害を軽減ないし事故の発生を抑制するため、ペダル踏み間違い処理を実施し、エンジンECUおよびメータECUに指令を出力する。
また、ECU21は、車両1とその前方の障害物との衝突の可能性を判断し、車両1と障害物との衝突の可能性がある場合、その衝突による被害を軽減ないし衝突を回避するため、ブレーキ機構14から各車輪に制動力を自動的に作用させる自動ブレーキ制御を行うよう、ブレーキECUに指令を与える。また、ECU21は、自動ブレーキの作動時に、自動ブレーキの作動を報知するための表示器31の表示およびブザー32の吹鳴を行うよう、メータECUに指令を与える。
衝突可能性の判断では、車両1の前方に障害物(物標)が存在する場合に、前方検知センサ26の検出信号から車両1と障害物との間の距離が取得されるととともに、車両1と障害物との相対速度が取得されて、その距離および相対速度から衝突予測時間(TTC:Time To Collision)が算出される。そして、ECU21では、衝突予測時間が所定時間になると、車両1と障害物との衝突の可能性があると判断される。
<ペダル踏み間違い処理>
図2は、ペダル踏み間違い処理の開始を決定する処理の流れを示すフローチャートである。
ペダル踏み間違い処理が行われていない状態では、アクセルセンサ22の検出信号からアクセルペダル11の踏込量であるAP踏込量およびそのAP踏込量の変化速度であるAP踏込速度が求められる。AP踏込量は、アクセルペダル11の最大踏込量に対する踏込量の割合(%)として求められ、AP踏込速度は、AP踏込量の時間微分により求められる。そして、AP踏込速度が所定の開始基準速度Aos(%/s)より大きいか否かが判定される(ステップS1)。また、AP踏込量が所定の開始基準量Ap(%)より大きいか否かが判定される(ステップS2)。開始基準速度Aosおよび開始基準量Apは、たとえば、急制動の際にブレーキペダル12に入力される踏力でアクセルペダル11が踏み込まれた場合の踏込速度および踏込量をそれぞれ参考に設定される。
アクセルペダル11は、ブレーキペダル12と比較して、ゆっくりと踏み込まれることが多い。そのため、アクセルペダル11が素早くかつ大きく踏み込まれた場合、アクセルペダル11がブレーキペダル12と間違えて踏み込まれた可能性がある。そこで、AP踏込量が開始基準量Apより大きく、かつ、AP踏込速度が開始基準速度Aosより大きい場合(ステップS1,S2のYES)、アクセルペダル11がブレーキペダル12と間違えて踏み込まれる踏み間違いが発生した可能性がある。アクセルペダル11とブレーキペダル12との踏み間違いが発生した場合、クラッチ4が係合していると、アクセルペダル11の踏み込みに応じて、エンジン2の出力が増大し、車両1が急加速する。そのため、AP踏込量が開始基準量Apより大きく、かつ、AP踏込速度が開始基準速度Aosより大きい場合には(ステップS1,S2のYES)、原則として、踏み間違いによる事故(衝突)の被害を軽減ないし事故の発生を抑制するためペダル踏み間違い処理が実施されるとよい。
ただし、クラッチペダル13が踏み込まれて、クラッチ4が解放されている場合、アクセルペダル11の踏み込みによりエンジン2の出力が増大しても、エンジン2の出力が駆動輪6に伝達されないので、ペダル踏み間違い処理を実施する必要がない。また、車両1を急発進させたい場合や、上り坂(登坂路)での車両1の発進またはシフトチェンジが行われる場合に、クラッチペダル13が踏み込みを解除する方向に解除操作(クラッチ4を係合させる方向に戻し操作)されながら、アクセルペダル11が素早くかつ大きく踏み込まれることがある。かかる場合、アクセルペダル11の踏み込みはブレーキペダル12との踏み間違いではないので、ペダル踏み間違い処理が実施されない方が望ましい。
そこで、クラッチストロークセンサ24の検出信号からクラッチペダル13の踏込量であるCP踏込量が求められて、CP踏込量が所定のクラッチ基準量Cp(%)より小さいか否かが判定される(ステップS3)。クラッチ基準量Cpは、たとえば、クラッチ4が係合し始めるときのCP踏込量に設定され、CP踏込量がクラッチ基準量Cp以上である場合、クラッチ4が解放され、CP踏込量がクラッチ基準量Cpより小さい場合、クラッチ4が半係合(半クラッチ)ないし係合している。CP踏込量がクラッチ基準量Cpよりも小さい場合(ステップS3のNO)、クラッチペダル13の解除操作の操作速度であるCP解除速度が求められて、CP解除速度が解除基準速度Cos(%/s)より小さいか否かが判定される(ステップS4)。そして、CP解除速度が解除基準速度Cosよりも小さい場合に(ステップS4のYES)、ペダル踏み間違い処理が実施される(ステップS5)。
ペダル踏み間違い処理には、踏み間違いによる車両1の急加速(誤発進)を抑制するため、エンジン2の出力を抑制するエンジン出力抑制制御が含まれる。また、ペダル踏み間違い処理には、アクセルペダル11がブレーキペダル12と間違えて踏み込まれていることをドライバに報知するため、表示器31に警告を表示させ、ブザー32を吹鳴させるHMI(Human Machine Interface:ヒューマンマシンインタフェース)制御が含まれる。ペダル踏み間違い処理の実施により、エンジン出力抑制制御およびHMI制御が実施される。
エンジン出力抑制制御では、エンジン2の出力を抑制するため、たとえば、電子スロットルバルブが制御されて、エンジン2の回転数が所定回転数に下げられる。所定回転数は、たとえば、車両1の車速および手動変速機3の変速比(変速段)に基づいて、クラッチ4が係合している状態でエンジン2のストールが生じない最低の回転数が求められ、その回転数よりも所定量だけ高い回転数に設定される。
一方、CP踏込量がクラッチ基準量Cp以上である場合(ステップS3のNO)、または、CP踏込量がクラッチ基準量Cpより小さく、クラッチペダル13が解除基準速度Cos以上の操作速度で解除操作されている場合には(ステップS4のNO)、ペダル踏み間違い処理が実施されない。また、AP踏込速度が開始基準速度Aos以下である場合(ステップS1のNO)、または、AP踏込量が開始基準量Ap以下である場合(ステップS2のNO)にも、アクセルペダル11とブレーキペダル12との踏み間違いが発生していないと考えられるので、ペダル踏み間違い処理はもちろん実施されない。
<作用効果>
以上のように、アクセルペダル11の足踏み操作が行われて、その足踏み操作の度合いが所定以上、具体的には、アクセルペダル11の踏込量であるAP踏込量が開始基準量Apより大きく、かつ、AP踏込量の変化速度であるAP踏込速度が開始基準速度Aosより大きい場合に、クラッチペダル13の踏込量であるCP踏込量およびクラッチペダル13の解除操作の操作速度であるCP解除速度に基づいて、ペダル踏み間違い処理を実施するか否かが決定される。
たとえば、アクセルペダル11、ブレーキペダル12およびクラッチペダル13のいずれも操作されていない状態での車両1の走行中(空走中、クルーズコントロール走行中)に、進行方向の信号機の赤色灯が点灯したことによって、車両1の減速が必要となり、ドライバがブレーキペダル12の制動操作と間違えて、アクセルペダル11の加速操作を行った場合、クラッチ4が係合しているので、車両1が急加速し、その急加速による事故が発生する可能性がある。
そのため、AP踏込量が開始基準量Apより大きく、かつ、AP踏込速度が開始基準速度Aosより大きい場合であって、CP踏込量がクラッチ基準量Cpよりも小さく、クラッチ4の係合状態が維持されている場合には、原則として、ペダル踏み間違い処理が実施され、エンジン出力抑制制御の実施により、エンジン2の出力が抑制される。エンジン2の出力の抑制により、車両1の走行が抑制されるので、ブレーキペダル12の制動操作と間違えて、アクセルペダル11の加速操作が行われた場合に、その操作間違いによる事故の被害を軽減ないし事故の発生を抑制することができる。
ところが、車両1を急発進させたい場合や、上り坂(登坂路)での車両1の発進またはシフトチェンジが行われる場合に、クラッチペダル13が係合操作されながら、アクセルペダル11が素早くかつ大きく加速操作されることがある。かかる場合、車両1の走行の抑制は、ドライバの意思に反して、車両1の発進または加速を妨げることになる。そこで、AP踏込量が開始基準量Apより大きく、かつ、AP踏込速度が開始基準速度Aosより大きく、かつ、CP踏込量がクラッチ基準量Cpよりも小さい場合であっても、クラッチペダル13の解除操作の操作速度であるCP解除速度が解除基準速度Cos以上である場合には、ペダル踏み間違い処理が実施されない。これにより、ドライバの要求の通りに車両1を発進または加速させることができ、ドライバが車両1の走行の不要な抑制による煩わしさや鬱陶しさを感じることを抑制できる。また、車両1が上り坂で発進または加速する場合に、エンジン2の出力が抑制されないので、駆動輪6に伝達される駆動力が不足することを抑制できる。その結果、上り坂での車両1の発進時(坂道発進時)に、車両1のずり下がりが発生することを抑制できる。ドライバが手動変速機を搭載した車両1の運転(クラッチペダル13の操作)に不慣れである場合、坂道発進時にエンジン2の出力が抑制されて、車両1のずり下がりが発生すると、ドライバがパニックとなり、それが車両1の事故につながる可能性を否定できないが、エンジン2の出力が抑制されないことにより、そのような事故の発生を抑制することができる。
AP踏込量が開始基準量Apより大きく、かつ、AP踏込速度が開始基準速度Aosより大きくても、CP踏込量がクラッチ基準量Cpよりも大きく、クラッチ4が解放されている場合にも、ペダル踏み間違い処理が実施されない。クラッチ4の解放により、エンジン2と手動変速機3とが切り離され、アクセルペダル11の踏み込みに応じてエンジン2の回転数が上昇(エンジン2の出力が増大)しても、車両1が加速することがないので、操作間違いによる事故の被害を軽減ないし事故の発生を抑制することができる。
しかも、エンジン2の回転数が上昇したにもかかわらず、車両1が加速しないことにより、ドライバがブレーキペダル12の足踏み操作をアクセルペダル11の足踏み操作と間違えたことに気がつきやすい。そのため、操作間違いの発生からより早い時期に、アクセルペダル11の足踏み操作が止められて、ブレーキペダル12の足踏み操作が行われることを期待できる。その結果、操作間違いによる事故の被害を一層軽減ないし事故の発生を一層抑制することができる。
また、ペダル踏み間違い処理では、アクセルペダル11がブレーキペダル12と間違えて踏み込まれていることをドライバに報知するため、表示器31に警告を表示させ、ブザー32を吹鳴させるHMI制御が行われる。その報知により、ドライバがブレーキペダル12の制動操作をアクセルペダル11の加速操作と間違えたことにより早期に気づくことができる。その結果、操作間違いの発生からより早い時期に、アクセルペダル11の足踏み操作が止められて、ブレーキペダル12の足踏み操作が行われることを期待でき、操作間違いによる事故の被害をより一層軽減ないし事故の発生をより一層抑制することができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、アクセル操作部材、ブレーキ操作部材およびクラッチ操作部材として、それぞれアクセルペダル11、ブレーキペダル12およびクラッチペダル13を取り上げたが、アクセル操作部材、ブレーキ操作部材およびクラッチ操作部材は、足踏み操作されるペダルに限らず、手動操作されるレバーやグリップ回転式のものであってもよい。
「アクセル操作部材の加速操作の度合いがアクセル基準より大きい場合」は、前述の実施形態では、AP踏込量が開始基準量Apよりも大きく、かつ、AP踏込速度が開始基準速度Aosより大きい場合としたが、AP踏込量が開始基準量Apよりも大きい場合およびAP踏込速度が開始基準速度Aosより大きい場合のいずれかであってもよい。
前述の実施形態では、駆動源であるエンジン2の出力の抑制により、車両1の走行が抑制されるが、ブレーキ機構14から各車輪に制動力を自動的に作用させる自動ブレーキにより、車両1の走行が抑制されてもよい。
また、ペダル踏み間違い処理には、エンジン出力抑制制御およびHMI制御が含まれるとしたが、HMI制御が省略されてもよく、また、自動ブレーキ制御が含まれてもよい。
クラッチストロークセンサ24は、クラッチ4のマスタシリンダのピストンの変位量に応じた検出信号を出力する構成に限らず、レリーズフォークの変位量に応じた検出信号を出力する構成であってもよいし、クラッチペダル13の変位量に応じた検出信号を出力する構成など、クラッチ4の状態に応じた位置に変位される部材の変位量に応じた検出信号を出力する構成であればよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1:車両
2:エンジン(駆動源)
3:手動変速機
4:クラッチ
11:アクセルペダル(アクセル操作部材)
12:ブレーキペダル(ブレーキ操作部材)
13:クラッチペダル(クラッチ操作部材)
14:ブレーキ機構
21:ECU(車両用制御装置)
Aos:開始基準速度(アクセル基準)
Ap:開始基準量(アクセル基準)
Cos:解除基準速度(クラッチ基準)
Cp:クラッチ基準量(クラッチ基準)

Claims (3)

  1. 駆動源と、前記駆動源からの動力を変速する手動変速機と、係合により前記駆動源と前記手動変速機とを接続し、解放により前記駆動源と前記手動変速機とを切断するクラッチと、車輪に制動力を作用させるブレーキ機構と、前記駆動源の出力の増大のために加速操作され、前記駆動源の出力の減少のために減速操作されるアクセル操作部材と、前記ブレーキ機構による制動力の増大のために制動操作され、前記ブレーキ機構による制動力の減少のために解除操作されるブレーキ操作部材と、前記クラッチの係合のために係合操作され、前記クラッチの解放のために解放操作されるクラッチ操作部材とを備える車両に用いられる制御装置であって、
    前記アクセル操作部材の加速操作の度合いがアクセル基準より大きい場合に、前記クラッチ操作部材の係合操作の度合いに基づいて、前記駆動源による前記車両の走行を抑制するか否かを決定し、
    前記車両の走行を抑制すると決定した場合に、前記車両の走行を抑制する、車両用制御装置。
  2. 前記アクセル操作部材の加速操作の度合いが前記アクセル基準より大きく、かつ、前記クラッチ操作部材の係合操作の度合いがクラッチ基準未満である場合に、前記車両の走行を抑制し、
    前記アクセル操作部材の加速操作の度合いが前記アクセル基準より大きく、かつ、前記クラッチ操作部材の解放操作の度合いが前記クラッチ基準以上である場合に、前記車両の走行を抑制しない、請求項1に記載の車両用制御装置。
  3. 前記アクセル操作部材の加速操作の度合いは、当該加速操作の操作速度である、請求項1または2に記載の車両用制御装置。
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