JP2022138321A - 樹脂組成物及びその樹脂組成物を含む成形体 - Google Patents

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大輔 川戸
Daisuke Kawato
卓矢 林
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Abstract

【課題】 ポリエチレンやポリプロプロピレン等のポリオレフィンとの接着性とガスバリア性に優れた成形体を得ることができる樹脂組成物を提供する。【解決手段】 下記(i)~(iii)を満たす接着剤(a)を10重量部以上60重量部以下、下記(iv)~(vi)を満たすエチレン・ビニルアルコール共重合体(b)を40重量部以上90重量部以下含む樹脂組成物を用いる。(i)ポリオレフィン系樹脂(c)、(c)よりもビニルエステル含量が5.00mol%以上多いエチレン・ビニルエステル共重合体(d)、並びに(c)と(d)がグラフトされた変性体(e)を含む溶融混練物の加水分解物(ii)ビニルアルコール含量が0.50mol以上40.0mol%以下(iii)ビニルエステル含量が30.0mol%以下(iv)エチレン含量が40mol%以下(v)DSCにより測定された融解熱量が70J/g未満(vi)ケン化度が70重量%以上【選択図】 なし

Description

本発明は、接着剤を含む樹脂組成物及びこの樹脂組成物を含む層を少なくとも1層含む成形体に関するものである。
食品や飲料、医薬品などの熱可塑性樹脂を素材とした包装材料は、内容物劣化の防止を目的として、ガスバリア性、保香性、耐溶剤性などに優れるエチレン・ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略記することがある)が、種々の用途で使用されている。しかしながらEVOHは親水性であり、吸湿によりガスバリア性等の低下が起こることから一般的にポリエチレンやポリプロピレンなどの耐水性に優れたポリオレフィン等との積層体の中間層に使用されることが知られている。
EVOHは分子内に多くの水酸基を有するため、ポリエチレンやポリプロピレンなどの極性基をもたないポリオレフィンとの親和性は極めて低く、両者は一般に接着しない。そのため、ポリオレフィンと接着困難なEVOHに対し、不飽和カルボン酸またはその誘導体によってグラフトされたグラフト変性エチレン系樹脂組成物(例えば、特許文献1~2参照)やエチレン・酢酸ビニル共重合体加水分解物(例えば、特許文献3参照)を接着剤として、ポリオレフィン層とEVOH層の間に用いる手法が提案されている。
しかし、前者の不飽和カルボン酸またはその誘導体によってグラフトされたグラフト変性エチレン系樹脂組成物は優れた接着性を備えているが、EVOHとの反応性が高いため、繰り返し混錬したり、EVOHに添加すると、押出機やダイ内に滞留した樹脂が粘度上昇するとともに着色してゲル化し、その結果として製品中に多数のフィッシュアイやゲル状物質が混在することとなり、商品価値が低下する問題がある。また、後者のエチレン・酢酸ビニル共重合体加水分解物は繰り返し混錬やEVOHに添加しても着色やゲル化は発生せず、エチレン・酢酸ビニル共重合体加水分解物に粘着性樹脂を加えることでEVOHに対する接着性が向上するものの、その効果は小さく、運搬中や使用中に小さい衝撃や摩擦を受けると剥離することが多く、十分な接着性が得られなかった。
また、接着性を向上する手法として、接着剤に熱可塑性樹脂、その熱可塑性樹脂よりもビニルエステル含量が5mol%以上多い、エチレン・ビニルエステル共重合体、並びにその熱可塑性樹脂とエチレン・ビニルエステル共重合体がグラフトされた変性体を含む溶融混練物の加水分解物を用いる手法(例えば、特許文献4~5参照)が提案されている。
しかし、この手法でも接着性の改良効果は十分ではなかった。
このような背景から、従来より接着性、ガスバリア性に優れ、且つEVOHに添加しても繰り返し再利用できる接着剤が望まれていた。
特開2007-161881号公報 特開2000-248128号公報 特開2001-200124号公報 特開2018-145401号公報 特開2020-37604号公報
本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、ポリエチレンやポリプロプロピレン等のポリオレフィンとの接着性と優れたガスバリア性を兼ね備えた樹脂組成物及びこの樹脂組成物を含む層を少なくとも1層含む成形体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の接着剤を含有する樹脂組成物が、ポリオレフィンとの優れた接着性及び優れたガスバリア性を発現すること、この樹脂組成物の層から構成される成形体を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、少なくとも下記(i)~(iii)を満たす接着剤(a)を10重量部以上60重量部以下、下記(iv)~(vi)を満たすエチレン・ビニルアルコール共重合体(b)を40重量部以上90重量部以下((a)、(b)の合計は100重量部)含むことを特徴とする樹脂組成物に関するものである。
(i)ポリオレフィン系樹脂(c)、ポリオレフィン系樹脂(c)よりもビニルエステル含量が5.00mol%以上多いエチレン・ビニルエステル共重合体(d)、並びに(c)と(d)がグラフトされた変性体(e)を含む溶融混練物の加水分解物
(ii)ビニルアルコール含量が0.50mol%以上40.0mol%以下
(iii)ビニルエステル含量が30.0mol%以下
(iv)エチレン含量が40mol%以下
(v)DSCにより測定された融解熱量が70J/g未満
(vi)ケン化度が70重量%以上
また本発明は、少なくとも下記(i)~(iii)を満たす接着剤(a)を10重量部以上60重量部以下、下記(vi)、(vii)を満たすエチレン・ビニルアルコール共重合体(b)を40重量部以上90重量部以下((a)、(b)の合計は100重量部)含むことを特徴とする樹脂組成物に関するものである。
(i)ポリオレフィン系樹脂(c)、ポリオレフィン系樹脂(c)よりもビニルエステル含量が5.00mol%以上多いエチレン・ビニルエステル共重合体(d)、並びに(c)と(d)がグラフトされた変性体(e)を含む溶融混練物の加水分解物
(ii)ビニルアルコール含量が0.50mol%以上40.0mol%以下
(iii)ビニルエステル含量が30.0mol%以下
(vi)ケン化度が70重量%以上
(vii)エチレン含有量C(mol%)とISO1183-3に準拠して測定した密度DEVOH(kg/m)が下式(1)を満たす
EVOH<-4.265×C+1325 (1)
本発明によれば、優れた接着性及びガスバリア性を示す成形体を得ることができる。
式(1)および式(2)を表す図である。
以下、本発明の一態様である樹脂組成物を詳細に説明する。
本発明は、少なくとも下記(i)~(iii)を満たす接着剤(a)を10重量部以上60重量部以下、下記(iv)~(vi)を満たすエチレン・ビニルアルコール共重合体(b)を40重量部以上90重量部以下((a)、(b)の合計は100重量部)含むことを特徴とする樹脂組成物に関するものである。
(i)ポリオレフィン系樹脂(c)、ポリオレフィン系樹脂(c)よりもビニルエステル含量が5mol%以上多いエチレン・ビニルエステル共重合体(d)、並びに(c)と(d)がグラフトされた変性体(e)を含む溶融混練物の加水分解物
(ii)ビニルアルコール含量が0.50mol%以上40.0mol%以下
(iii)ビニルエステル含量が30.0mol%以下
(iv)エチレン含量が40mol%以下
(v)DSCにより測定された融解熱量が70J/g未満
(vi)ケン化度が70重量%以上
なお、本樹脂組成物を、後述する第二の樹脂組成物に対して、第一の樹脂組成物と呼称することもできる。
本発明における接着剤(a)を構成するポリオレフィン系樹脂(c)としては、特に限定はなく、エチレン、プロピレン、1-ブテンなどの炭素数2~12のα-オレフィンの単独重合体若しくはこれらの共重合体、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体などが挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂(c)として、例えば、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-へキセン共重合体、エチレン・1-オクテン共重合体、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン系重合体、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体、ポリ1-ブテン、ポリ1-ヘキセン、ポリ4-メチル-1-ペンテン等が挙げられ、ポリオレフィン系樹脂(c)は、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。中でも、成形性及びコストの観点から高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・ビニルエステル共重合体、高密度ポリエチレン、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-へキセン共重合体、ポリプロピレンが好ましく、エチレン・酢酸ビニル共重合体がより好ましい。
高圧法低密度ポリエチレンの製造方法は、高圧ラジカル重合を例示することができ、このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができ、例えば東ソー株式会社からペトロセンの商品名で市販されている。高密度ポリエチレン、エチレン・1-ブテン共重合体及びエチレン・1-へキセン共重合体の製造方法は特に限定するものではないが、チーグラー・ナッタ触媒やフィリップス触媒、メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法などを例示することができ、このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができる。例えば東ソー株式会社からニポロンハード、ニポロン-L、ニポロン-Z、ルミタックの商品名で各々市販されている。
エチレン・酢酸ビニル共重合体の製造方法は、エチレン・酢酸ビニル共重合体の製造が可能であれば特に制限されるものではないが、公知の高圧ラジカル重合法やイオン重合法、溶液重合やラテックス重合等を例示することができる。このようなエチレン・酢酸ビニル共重合体として、東ソー株式会社からウルトラセンの商品名で、ランクセス株式会社からレバプレン、レバメルトの商品名で市販されている。
これらの中で、シール性に優れることから、ポリオレフィン系樹脂(c)のビニルエステル含量が0.50mol%以上10.0mol%以下の範囲であるエチレン・ビニルエステル共重合体であることが好ましく、より好ましくはビニルエステル含量が2.00mol%以上8.00mol%以下の範囲である。
本発明における接着剤(a)を構成するエチレン・ビニルエステル共重合体(d)としては、ポリオレフィン系樹脂(c)よりもビニルエステル含量が5.00mol%以上多いものである。
エチレン・ビニルエステル共重合体(d)としては、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酪酸ビニル共重合体、エチレン・吉草酸ビニル共重合体、エチレン・カプリル酸ビニル共重合体等が挙げられる。中でも、コストの観点からエチレン・酢酸ビニル共重合体が好ましい。
また、エチレン・ビニルアルコール共重合体(b)との相溶性、シール性に優れることから、エチレン・ビニルエステル共重合体(d)のビニルエステル含量は12.0mol%以上35.0mol%以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは20.0mol%以上35.0mol%以下の範囲である。
接着剤(a)におけるポリオレフィン系樹脂(c)とエチレン・ビニルエステル共重合体(d)の配合比は、接着性及びガスバリア性向上の観点から、ポリオレフィン系樹脂(c)を5重量部以上95重量部以下、エチレン・ビニルエステル共重合体(d)を5重量部以上95重量部以下((c)及び(d)の合計は100重量部)を含むものが好ましく、より好ましくはポリオレフィン系樹脂(c)を50重量部以上90重量部以下、エチレン・ビニルエステル共重合体(d)を10重量部50重量部以下((c)及び(d)の合計は100重量部)、最も好ましくはポリオレフィン系樹脂(c)を70重量部以上90重量部以下、エチレン・ビニルエステル共重合体(d)を10重量部以上30重量部以下((c)及び(d)の合計は100重量部)を含む。
本発明における接着剤(a)は、さらに相溶化剤(g)を含むことが好ましい。相溶化剤(g)は、ポリオレフィン系樹脂(c)(以下、成分(c)と略すことがある)とエチレン・ビニルエステル共重合体(d)(以下、成分(d)と略すことがある)を相溶化する作用を示す。相溶化剤(g)としては、例えばエチレン・ビニルエステル共重合体が挙げられる。相溶化剤(g)のビニルエステル含量は、成分(c)のそれよりも高く、且つ、成分(d)のそれよりも低いことが好ましい。
相溶化剤(g)がエチレン・ビニルエステル共重合体である場合、ビニルエステルユニットとしては、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の脂肪族ビニルエステル、安息香酸ビニル等の芳香族ビニルエステル等が挙げられる。
経済性に優れることから、相溶化剤(g)としてはエチレン・酢酸ビニル共重合体を使用することが好ましく、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。成分(c)及び成分(d)の分散性が向上し、本発明の樹脂組成物のガスバリア性及び接着性が向上することから、2種以上の相溶化剤(g)を併用することが好ましい。
相溶化剤(g)がエチレン・ビニルエステル共重合体である場合、相溶化剤(g)と成分(c)とのビニルエステル含量差が1~40重量%であることが好ましく、さらに好ましくはビニルエステル含量差は1~30重量%、最も好ましくはビニルエステル含量差は1~20重量%である。
相溶化剤(g)がエチレン・ビニルエステル共重合体である場合、相溶化剤(g)と成分(d)とのビニルエステル含量差が1~40重量%であることが好ましく、さらに好ましくはビニルエステル含量差は1~30重量%、最も好ましくはビニルエステル含量差は1~20重量%である。
相溶化剤(g)として2種以上のエチレン・ビニルエステル共重合体を用いる場合、相溶化剤(g)を構成する各々の成分同士のビニルエステル含量差は、1~20重量%であることが好ましく、さらに好ましくは1~15重量%、最も好ましくは1~10重量%である。
相溶化剤(g)としてのエチレン・ビニルエステル共重合体の製造方法は限定されないが、高圧法ラジカル重合、溶液重合やラテックス重合等の公知の製造方法が挙げられ、このような樹脂は市販品の中から便宜選択することができ、エチレン・酢酸ビニル共重合体として、東ソー株式会社からウルトラセンの商品名で、ランクセス株式会社からレバプレン、レバメルトの商品名で各々市販されている。
接着剤(a)が相溶化剤(g)を含む場合、その配合比は、ガスバリア性及び接着性向上の観点から、成分(c)及び成分(d)の合計100重量部に対する相溶化剤(g)の配合量は10重量部以上50重量部以下であることが好ましく、さらに好ましくは15重量部以上35重量部以下である。
接着剤(a)は変性体(e)を含む。ここで変性体(e)とはポリオレフィン系樹脂(c)とエチレン・ビニルエステル共重合体(d)がグラフトされた変性体である。該変性体(e)のグラフト変性方法としては、グラフト変性できる方法であれば特に限定されず、反応性などを考慮して適宜選択される。例えば、成分(c)にエチレンとビニルエステルをグラフト共重合する方法、成分(d)にエチレン単独、若しくはエチレンとα-オレフィンをグラフト共重合する方法、成分(c)と成分(d)を予め重合し、これらを架橋剤(h)によりグラフト変性する方法が挙げられる。生産性の観点から成分(c)と成分(d)とを架橋剤(h)によりグラフト変性する方法が好ましい。ここで、架橋剤(h)としては有機過酸化物を使用することが好ましい。
有機過酸化物としては本発明の目的が達成される限り特に限定されず、例えば、ジクミルペルオキシド、ジt-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、1、1ージ(tーブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,3-ジ-(t-ブチルペルオキシ)-ジイソプロピルベンゼン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、t-ブチルペルオキシベンゾエート、t-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t-ブチルクミルペルオキシドなどが挙げることができる。これらは単独で或いは2種類以上を混合して使用することができる。
なかでも、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、1、1ージ(tーブチルペルオキシ)シクロヘキサン等が反応性の観点から好ましい。また、前記架橋剤(h)と共に、必要に応じて、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼン等の架橋助剤を用いてもよい。
架橋剤(h)の配合量は、ポリオレフィン系樹脂(c)とエチレン・ビニルエステル共重合体(d)の合計100重量部に対して、0.005~1重量部の範囲であることが好ましい。これにより本発明の樹脂組成物が、より高いガスバリア性、より高い成形性を兼ね備えたものとなる。
本発明における接着剤を構成する変性体(e)を含む溶融混練物の製造プロセスの具体例は次のとおりである。
成分(c)、成分(d)、相溶化剤(g)、架橋剤(h)のドライブレンド物を、押出機のホッパーに投入する。成分(c)、成分(d)、相溶化剤(g)及び架橋剤(h)の少なくとも一部をサイドフィーダー等から添加してもよい。さらに、二台以上の押出機を使用し、段階的に順次溶融混練してもよい。前記成分(c)、成分(d)、相溶化剤(g)、架橋剤(h)の混合には、ヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーなどを使用してもよい。
また、本発明における接着剤(a)は、上記した成分以外に、必要に応じて架橋助剤、酸化防止剤、滑剤、中和剤、ブロッキング防止剤、界面活性剤、スリップ剤等、通常熱可塑性樹脂に使用される添加剤や他のポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂を添加したものでもかまわない。
本発明における接着剤を構成する溶融混練物の加水分解の処理方法は特に限定されないが、生産性の観点から上記樹脂組成物のペレット又はパウダーをアルカリ中で直接加水分解処理するのが好ましい。
本発明の接着剤(a)のビニルエステル成分のケン化度は、接着性に優れることから5重量%以上が好ましく、より好ましくは5~60重量%、さらに好ましくは20~60重量%、最も好ましくは40~60重量%の範囲である。
本発明における接着剤(a)のビニルアルコール含量は、接着性及びエチレン・ビニルアルコール共重合体(b)との相溶性の観点から、0.50mol%以上40.0mol%以下の範囲であり、より好ましくは2.00mol%以上20.0mol%以下の範囲、最も好ましくは4.00mol%以上10.0mol%以下の範囲である。
本発明における接着剤(a)のビニルエステル含量は、接着性及びエチレン・ビニルアルコール共重合体(b)との相溶性の観点から、30.0mol%以下の範囲であり、より好ましくは2.00mol%以上10.0mol%以下の範囲であり、最も好ましくは2.00mol%以上5.00mol%以下の範囲である。
本発明における接着剤(a)のJIS K6924-1(1997年)に準拠して測定したメルトマスフローレート(MFR)は、接着性の観点から、5~50g/10分の範囲が好ましく、より好ましくは5~20g/10分の範囲であり、最も好ましくは10~20g/10分の範囲である。
本発明の樹脂組成物はエチレン・ビニルアルコール共重合体(b)を含む。エチレン・ビニルアルコール共重合体(b)のエチレン含有量は40mol%以下であり、好ましくは20mol%以上35mol%以下である。これにより、本発明の樹脂組成物のガスバリア性がより向上する。
エチレン・ビニルアルコール共重合体(b)のケン化度は、ガスバリア性に優れることから、70重量%以上である。
このようなエチレン・ビニルアルコール共重合体(b)の融解熱量は、接着性の観点から、70J/g未満であり、好ましくは20~65J/gであり、より好ましくは30~50J/gである。これにより、本発明の樹脂組成物の接着性がより向上する。
ここで、融解熱量は、示差走査熱量測定法(以下、「DSC」という。)により測定した。具体的にはEVOHを10mg封入した測定パンを測定試料として、DSC Q2000(TA Instruments製)を用いて、窒素雰囲気(流量50mL/分)でDSC測定を実施した。まず、常温から昇温速度80℃/分で250℃まで昇温し、250℃で5分間保持した。次に、降温速度10℃/分で-30℃まで降温し、-30℃で5分間保持した。その後、-30℃から250℃まで昇温速度10℃/分で昇温し目的のDSCチャートを得た。
得られたDSCチャートを用いて、90℃からJIS K6922-2(2018年)に準拠した手法で解析して得られた補外融解終了温度までの温度範囲における吸熱ピークから融解熱量を算出した。
エチレン・ビニルアルコール共重合体(b)のISO1133に準拠して測定したメルトマスフローレート(温度190℃、荷重2.16kg)は、成形性の点から、0.1~100g/10分であることが好ましく、0.5~50g/10分であることがより好ましく、1~20g/10分であることが最も好ましい。
エチレン・ビニルアルコール共重合体(b)のISO1183-3に準拠して測定した密度は、接着性の観点から、1190kg/m未満が好ましく、1100~1180kg/mであることがより好ましく、1140~1180kg/mであることが最も好ましい。
エチレン・ビニルアルコール共重合体(b)の製造方法としては、特に限定はなく、例えば、公知の方法にしたがって、エチレンと脂肪酸ビニルエステルとの共重合体を製造し、次いで、これを加水分解することによってエチレン・ビニルアルコール共重合体を製造することができる。
また、エチレン・ビニルアルコール共重合体はエチレン単位及びビニルアルコール単位に加えて、少量であれば他の構成単位を有していてもよい。
このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができ、例えばクラレ(株)からエバール、三菱ケミカル(株)からソアノール、Gソアノールの商品名で各々市販されている。
本発明の樹脂組成物を構成する接着剤(a)とエチレン・ビニルアルコール共重合体(b)の好適な配合比は、接着性及びガスバリア性の観点から、接着剤(a)を10重量部以上60重量部以下、エチレン・ビニルアルコール共重合体(b)を40重量部以上90重量部以下((a)、(b)の合計は100重量部)を含むものであり、より好ましくは接着剤(a)を20重量部以上50重量部以下、エチレン・ビニルアルコール共重合体(b)を50重量部以上80重量部以下((a)、(b)の合計は100重量部)、最も好ましくは接着剤(a)を25重量部以上40重量部以下、エチレン・ビニルアルコール共重合体(b)を60重量部以上75重量部以下((a)、(b)の合計は100重量部)を含む。
本発明の樹脂組成物は、接着剤(a)及び、エチレン・ビニルアルコール共重合体(b)を含む。本発明の樹脂組成物は、接着剤(a)、エチレン・ビニルアルコール共重合体(b)を混合する方法により製造することができる。混合方法としては、ドライブレンドする方法、溶融混練する方法を例示することができる。例えば、溶融混練の方法は、各成分を均一に分散しうる溶融混練装置であれば特に制限はなく、通常用いられる樹脂の混合装置により製造することができる。例えば、単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダ-、回転ロール、ラボプラストミルなどの溶融混練装置が挙げられる。溶融温度はエチレン・ビニルアルコール共重合体(b)の融点~260℃程度が好ましい。
本発明の樹脂組成物は、ペレットやパウダーなどの任意の形態にしておいて使用することができる。
本発明の樹脂組成物には、本目的が達成される限りにおいて、その他の熱可塑性樹脂を配合してもよく、成形性、接着性に優れることから、ポリオレフィン系樹脂(k)を用いることが好ましい。
このようなポリオレフィン系樹脂(k)としては、エチレン、プロピレン、1-ブテンなど炭素数2~12のα-オレフィンの単独重合体若しくはこれらの共重合体、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体などが挙げられる。
例えば、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-へキセン共重合体、エチレン・1-オクテン共重合体、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン系重合体、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体などのプロピレン系重合体、ポリ1-ブテン、ポリ1-ヘキセン、ポリ4-メチル-1-ペンテン等が挙げられ、ポリオレフィン系樹脂(k)は、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。中でも、接着性およびコストの観点から高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、高密度ポリエチレン、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-へキセン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体が好ましく、これらの組成物が成形性にも優れるため最も好ましい。
本発明を構成する接着剤(a)及びエチレン・ビニルアルコール共重合体(b)以外にその他の熱可塑性樹脂を混合する時は、本発明の樹脂組成物のペレットと熱可塑性樹脂のペレットを固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー等で溶融混練した混合物の方が、品質の安定した製品が得られるので好ましい。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度はエチレン・ビニルアルコール共重合体の融点~260℃程度が好ましい。
また、本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、ポリオレフィン樹脂に一般に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。
本発明の樹脂組成物は、該樹脂組成物からなる層を単層として使用してもよいが、接着性の観点から、該樹脂組成物からなる層の両面にポリオレフィン系樹脂(f)を含む層が積層された積層体として使用してもよい。
ポリオレフィン系樹脂(f)としては、特に限定されるものではなく、例えば、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-へキセン共重合体、エチレン・1-オクテン共重合体、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン系重合体、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体、ポリ1-ブテン、ポリ1-ヘキセン、ポリ4-メチル-1-ペンテン等が挙げられる。
前記積層体は、ブロー成形品を構成する部材として使用することができる。すなわち、前記積層体を備えたブロー成形品として好適に使用できる。
前記積層体は、シート成形品を構成する部材として使用することができる。すなわち、前記積層体を備えたシート成形品として好適に使用できる。
前記積層体は、フィルム成形品を構成する部材として使用することができる。すなわち、前記積層体を備えたフィルム成形品として好適に使用できる。
前記積層体は、押出ラミネート成形品を構成する部材として使用することができる。すなわち、前記積層体を備えた押出ラミネート成形品として好適に使用できる。
本発明の樹脂組成物は射出成形の原料として好適に使用することができる。すなわち、本発明の樹脂組成物を含む射出成形品として好適に使用できる。
本発明の樹脂組成物は圧縮成形の原料として好適に使用することができる。すなわち、本発明の樹脂組成物を含む圧縮成形品として好適に使用できる。
本発明の成形体は、通常の成形加工装置を用いて成形加工することができ、成形加工方法としては、例えば、押出成形、ブロー成形、シート成形、射出成形、圧縮成形、カレンダー成形、真空成形、フィルム成形、押出ラミネート成形、共押出ブロー成形、共押出シート成形、共押出キャスト成形、共押出インフレーション成形、共押出ラミネート成形、共射出成形などの各種共押出成形などの任意の方法が挙げられ、シート状、フィルム状、パイプ状、ブロック状その他任意の形状に成形することができ、他の素材との積層構造を採用することによって、積層体に、ガスバリア性、機械的特性、耐油性、耐候性など、他の素材の有する特性を付与することが可能である。
本発明の樹脂組成物を少なくとも含む成形体は、接着性及び酸素等に対するガスバリア性が高いものとなり、これらの性質が要求される食品や飲料、医薬品などの熱可塑性樹脂を素材とした包装材や容器などに好適に使用することができる。
以下、本発明の一態様である第二の樹脂組成物を詳細に説明する。
本発明は、少なくとも下記(i)~(iii)を満たす接着剤(a)を10重量部以上60重量部以下、下記(vi)、(vii)を満たすエチレン・ビニルアルコール共重合体(b)を40重量部以上90重量部以下((a)、(b)の合計は100重量部)含むことを特徴とする樹脂組成物に関するものである。
(i)ポリオレフィン系樹脂(c)、ポリオレフィン系樹脂(c)よりもビニルエステル含量が5.00mol%以上多い、エチレン・ビニルエステル共重合体(d)、並びに(c)と(d)がグラフトされた変性体(e)を含む溶融混練物の加水分解物
(ii)ビニルアルコール含量が0.50mol%以上40.0mol%以下
(iii)ビニルエステル含量が30.0mol%以下
(vi)ケン化度が70重量%以上
(vii)エチレン含有量C(mol%)とISO1183-3に準拠して測定した密度DEVOH(kg/m)が下記式(1)を満たす
EVOH<-4.265×C+1325 (1)
ここで、接着剤(a)、ポリオレフィン系樹脂(c)、エチレン・ビニルエステル共重合体(d)、変性体(e)は、第一の樹脂組成物と同意議である。
エチレン含有量C(mol%)とはエチレン・ビニルアルコール共重合体(b)に含まれるモノマー単位におけるエチレン成分の含有率である。
密度DEVOH(kg/m)とは、エチレン・ビニルアルコール共重合体(b)の20℃における密度であり、ISO1183-3に準拠して測定することができる。
エチレン・ビニルアルコール共重合体(b)は好ましくは、エチレン含有量Cおよび密度DEVOHが下記式(2)を満たす。これにより、本発明の樹脂組成物がより接着性に優れたものとなる。
EVOH<-4.265×C+1315 (2)
以下、実施例及び比較例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)密度
密度は、JIS K6922-1(1997年)、JIS K6924-2(1997年)若しくはISO1133に準拠して測定した。
(2)メルトマスフローレート(MFR)
MFRは、JIS K6922-1(1997年)、JIS K6924-2(1997年)若しくはISO1183-3に準拠して測定した。
(3)酢酸ビニル含量
酢酸ビニル含量は、JIS K6924-2(1997年)に準拠して測定した。
(4)ケン化度
ケン化度は、JIS K6924-2(1999年)に準拠して測定したケン化前後の接着剤の酢酸ビニル含量を用いて計算した。
(5)酸素透過度
酸素透過度は、実施例により得られた2種3層フィルム(厚み27μm)もしくは射出成形体(幅100mm、長さ160mm、厚み670μm)を用いて、JIS K7126-2(2006年)に準拠して酸素透過度(cc/m・24時間・atm)を測定し、射出成形体については厚み600μmの値に換算した。測定した酸素透過度(cc/m・24時間・atm)が100以上で×、100未満10以上で△、10未満5.0以上で○、5.0未満で◎とした。酸素透過度(cc/m・24時間・atm)が100未満でガスバリア性が良好と判断した。
(6)シール強度/接着性
2種3層フィルムのシール強度は、実施例により得られた2種3層フィルムを幅100mm、長さ100mmに2枚切り出し、フィルムの内層同士を重ね、ヒートシール試験機TP-701B(テスター産業(株)製)を用いて設定温度130℃、両面加熱、エアー圧力0.2MPa、シール時間1秒間で幅10mm、長さ300mmのシールバーでヒートシールを行った。この試験片を15mm幅に切り出し、引張試験機テンシロンRTE-1210((株)オリエンテック製)を用いて引張速度300mm/分、T型剥離の条件で剥離試験を行い、シール強度(N/15mm)を測定した。
射出成形体のシール強度は、実施例により得られた(幅100mm、長さ150mm、厚み670μm)及びPET12μm、アンカーコート剤、PE25μmの順に積層してなるPET/PE基材(朋和産業(株)製)をそれぞれ幅100mm、長さ100mmに切り出し、射出成形体とPET/PE基材のPE面を重ね、ヒートシール試験機TP-701B(テスター産業(株)製)を用いて設定温度160℃、片面加熱(PET/PE基材側)、エアー圧力0.2MPa、シール時間2秒間で幅10mm、長さ300mmのシールバーでヒートシールを行った。この試験片を15mm幅に切り出し、引張試験機テンシロンRTE-1210((株)オリエンテック製)を用いて引張速度300mm/分、剥離角度180°で剥離試験を行いシール強度(N/15mm)を測定した。
接着性に関しては、2種3層フィルムのシール強度(N/15mm)が5.0未満で×、5.0以上6.0未満で△、6.0以上7.0未満で〇、7.0以上で◎とした。また、射出成形体のシール強度(N/15mm)が4.5未満で×、4.5以上5.0未満で△、5.0以上5.5未満で〇、5.5以上で◎とした。そして、いずれの場合もシール強度(N/15mm)が△と判定した強度以上で接着性が良好と判断した。
以下に各接着剤の製造方法を示す。
[接着剤A1の製造方法]
ポリオレフィン系樹脂(C)としてMFRが45g/10分、密度が924kg/mである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ペトロセン209)(C1)を75重量部、エチレン・ビニルエステル共重合体(D)として、MFRが70g/10分、密度が968kg/m、酢酸ビニル含量が42.0重量%(19.1mol%)であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン760)(D1)を25重量部、及び有機過酸化物(日油(株)製、商品名パーヘキサC)(H1)を0.1重量部の割合でドライブレンドし、二軸押出機TEX25αIII((株)日本製鋼所製)を用いて、樹脂温度190℃、回転数150rpm、吐出量10kg/時の条件で溶融混練し、ペレット状のサンプルを得た。続いて、本サンプルを7重量%の水酸化ナトリウムメタノール溶液中で45℃で加水分解処理を行い、ケン化度が50重量%、MFRが28g/10分、ビニルアルコール含量が1.84mol%、ビニルエステル含量が1.84mol%である接着剤(A1)を得た。
[接着剤A2の製造方法]
ポリオレフィン系樹脂(C)としてMFRが14g/10分、密度が935kg/m、酢酸ビニル含量が15.0重量%(5.43mol%)であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン625)(C2)を70重量部、エチレン・ビニルエステル共重合体(D)としてエチレン・酢酸ビニル共重合体(D1)を30重量部としたこと以外は接着剤(A1)の製造方法と同様の手法により、ケン化度が50重量%、MFRが12g/10分、ビニルアルコール含量が4.45mol%、ビニルエステル含量が4.45mol%である接着剤(A2)を得た。
[接着剤A3の製造方法]
ポリオレフィン系樹脂(C)としてMFRが30g/10分、密度が935kg/m、酢酸ビニル含量が15.0重量%(5.43mol%)であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(C3)を85重量部、エチレン・ビニルエステル共重合体(D)として、MFRが3g/10分、密度が1000kg/m、酢酸ビニル含量が50.0重量%(24.6mol%)であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(ランクセス(株)製、商品名レバプレン500)(D2)を15重量部、相溶化剤(G)として、MFRが20g/10分、密度が940kg/m、酢酸ビニル含量が20.0重量%(7.53mol%)であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン633)を25.0重量部、MFRが18g/10分、密度が949kg/m、酢酸ビニル含量が28.0重量%(11.2mol%)であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン710)を25.0重量部、MFRが30g/10分、密度が954kg/m、酢酸ビニル含量が32.0重量%(13.3mol%)であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン750)を25.0重量部、MFRが70g/10分、密度が968kg/m、酢酸ビニル含量が42.0重量%(19.1mol%)であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン760)を25.0重量部からなる樹脂組成物(G1、MFR30g/10分、密度953kg/m、酢酸ビニル含量30.5重量%(12.5mol%))を30.0重量部とした以外は接着剤(A1)の製造方法と同様の手法により、ケン化度が46重量%、MFRが14g/10分、ビニルアルコール含量が4.00mol%、ビニルエステル含量が4.69mol%である接着剤(A3)を得た。
[接着剤A4の製造方法]
ポリオレフィン系樹脂(C)としてエチレン・酢酸ビニル共重合体(C3)を75重量部、エチレン・ビニルエステル共重合体(D)として、MFRが4g/10分、密度が1100kg/m、酢酸ビニル含量が80.0重量%(56.6mol%)であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(ランクセス(株)製、商品名レバプレン800)(D3)を25重量部、相溶化剤(G)として、MFRが160g/10分、密度が936kg/m、酢酸ビニル含量が20.0重量%(7.53mol%)であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン680)を33.3重量部、MFRが30g/10分、密度が954kg/m、酢酸ビニル含量が30.0重量%(13.3mol%)であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン750)を33.4重量部、MFRが3g/10分、密度が1000kg/m、酢酸ビニル含量が50.0重量%(24.6mol%)であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(ランクセス(株)製、商品名レバプレン500)を33.3重量部からなる樹脂組成物(G2、MFR24g/10分、密度963kg/m、酢酸ビニル含量34.0重量%(14.4mol%))を20.0重量部とした以外は接着剤(A1)の製造方法と同様の手法により、ケン化度が30重量%、MFRが11g/10分、ビニルアルコール含量が3.94mol%、ビニルエステル含量が9.19mol%である接着剤(A4)を得た。
[接着剤A5の製造方法]
7重量%の水酸化ナトリウムメタノール溶液中での加水分解処理時間を変更してケン化度を調整したこと以外は接着剤(A3)の製造方法と同様の手法により、ケン化度が30重量%、MFRが15g/10分、ビニルアルコール含量が2.61mol%、ビニルエステル含量が6.08mol%である接着剤(A5)を得た。
[接着剤A6の製造方法]
ポリオレフィン系樹脂(C)としてエチレン・酢酸ビニル共重合体(C2)を用いた以外は接着剤(A3)の製造方法と同様の手法により、ケン化度が46重量%、MFRが8g/10分、ビニルアルコール含量が4.00mol%、ビニルエステル含量が4.69mol%である接着剤(A6)を得た。
[接着剤A7の製造方法]
加水分解処理をしなかったこと以外は接着剤(A3)の製造方法と同様の手法により、ケン化度が0.00重量%、MFRが12g/10分、ビニルアルコール含量が0.00mol%、ビニルエステル含量が8.69mol%である接着剤(A7)を得た。
[接着剤A8の製造方法]
架橋剤(H1)を配合しなかったこと以外は接着剤(A3)の製造方法と同様の手法により、ケン化度が46重量%、MFRが23g/10分、ビニルアルコール含量が4.00mol%、ビニルエステル含量が4.69mol%である接着剤(A8)を得た。なお、この接着剤(A8)ではポリオレフィン系樹脂(C)とエチレン・ビニルエステル共重合体(D)がグラフトされた変性体(E)が含まれていない。
Figure 2022138321000001
実施例1
接着剤(A)として接着剤(A1)を、エチレン・ビニルアルコール共重合体(B)としてMFRが2.0g/10分、密度が1160kg/m、エチレン含量が32mol%、ケン化度が100重量%、融解熱量が46J/gであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールSP482B)(B1)を、ポリオレフィン(F)としてMFRが2.0g/10分、密度が910kg/mであるエチレン・1-ヘキセン共重合体(東ソー(株)製 商品名ニポロン-Z、HF210K、)を70重量部、MFRが2.0g/10分、密度が922kg/mである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン180)を30重量部となるようにドライブレンドしたポリオレフィン系樹脂組成物(MFR2.0g/10分、密度914kg/m、F1)を使用した。
まず、(A1)を25重量部、(B1)を75重量部となるようにドライブレンドし、40mmφ単軸押出機((株)プラコー製)を用いて、樹脂温度200℃、回転数25rpm、吐出量7.0kg/時の条件で溶融混練し、ペレット状のEVOH系樹脂組成物を得た。
次に、32/25/25mmφのスクリューを有した3層キャスト成形機((株)プラスチック工学研究所製)の中間層を形成する押出機(25mmφ)に(A1)が25重量部、(B1)が75重量部であるEVOH系樹脂組成物を供給し、内層及び外層を形成する2台の押出機(32mmφ及び25mmφ)に(F1)を供給し、中間層を210℃、内層及び外層を180℃の温度で押出し、引取速度16m/分で引取り、(F1)/EVOH系樹脂組成物/(F1)=11μm/5μm/11μmとなる厚み27μmの2種3層フィルムを得た。得られた2種3層フィルムを用いて、酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表2に示す。
実施例2
接着剤(A)として接着剤(A2)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により2種3層フィルムを得た。得られた2種3層フィルムを用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表2に示す。
実施例3
接着剤(A)として接着剤(A3)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により2種3層フィルムを得た。得られた2種3層フィルムを用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表2に示す。
実施例4
接着剤(A)として接着剤(A4)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により2種3層フィルムを得た。得られた2種3層フィルムを用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表2に示す。
実施例5
接着剤(A)として接着剤(A5)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により2種3層フィルムを得た。得られた2種3層フィルムを用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表2に示す。
実施例6
接着剤(A)として接着剤(A6)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により2種3層フィルムを得た。得られた2種3層フィルムを用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表2に示す。
実施例7
EVOH系樹脂組成物として接着剤(A3)を20重量部、エチレン・ビニルアルコール共重合体(B1)を80重量部とした以外は、実施例3と同様の手法により2種3層フィルムを得た。得られた2種3層フィルムを用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表2に示す。
実施例8
EVOH系樹脂組成物として接着剤(A3)を40重量部、エチレン・ビニルアルコール共重合体(B1)を60重量部とした以外は、実施例3と同様の手法により2種3層フィルムを得た。得られた2種3層フィルムを用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表2に示す。
実施例9
エチレン・ビニルアルコール共重合体(B)としてMFRが1.9g/10分、エチレン含量が33mol%、ケン化度が100重量%、密度が1180kg/m、融解熱量が62J/gであるエチレン・ビニルアルコール共重合体(三菱ケミカル(株)製 商品名Gソアノール GC3304B)(B2)を用いた以外は、実施例3と同様の手法により2種3層フィルムを得た。得られた2種3層フィルムを用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表2に示す。
実施例10
エチレン・ビニルアルコール共重合体(B)としてMFRが1.7g/10分、エチレン含量が32mol%、ケン化度が100重量%、密度が1180kg/m、融解熱量が68J/gであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールJ171B)(B3)を用いた以外は、実施例3と同様の手法により2種3層フィルムを得た。得られた2種3層フィルムを用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2022138321000002
比較例1
エチレン・ビニルアルコール共重合体(B)としてMFRが1.7g/10分、エチレン含量が32mol%、ケン化度が100重量%、密度が1190kg/m、融解熱量が70J/gであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールF171B)(B4)を用いた以外は、実施例1と同様の手法により2種3層フィルムを得た。得られた2種3層フィルムを用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表3に示す。接着性に劣っていた。
比較例2
エチレン・ビニルアルコール共重合体(B)として(B4)を用いた以外は、実施例2と同様の手法により2種3層フィルムを得た。得られた2種3層フィルムを用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表3に示す。接着性に劣っていた。
比較例3
エチレン・ビニルアルコール共重合体(B)として(B4)を用いた以外は、実施例3と同様の手法により2種3層フィルムを得た。得られた2種3層フィルムを用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表3に示す。接着性に劣っていた。
比較例4
エチレン・ビニルアルコール共重合体(B)としてMFRが1.7g/10分、エチレン含量が44mol%、ケン化度が100重量%、密度が1140kg/m、融解熱量が64J/gであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールE171B)(B5)を用いた以外は、実施例3と同様の手法により2種3層フィルムを得た。得られた2種3層フィルムを用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表3に示す。接着性に劣っていた。
比較例5
エチレン・ビニルアルコール共重合体(B)としてMFRが8.5g/10分、エチレン含量が35mol%、ケン化度が100重量%、密度が1180kg/m、融解熱量が76J/gであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールC109B)(B6)を用いた以外は、実施例3と同様の手法により2種3層フィルムを得た。得られた2種3層フィルムを用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表3に示す。接着性に劣っていた。
比較例6
接着剤(A)として接着剤(A7)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により2種3層フィルムを得た。得られた2種3層フィルムを用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表3に示す。接着性に劣っていた。
比較例7
接着剤(A)として接着剤(A8)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により2種3層フィルムを得た。得られた2種3層フィルムを用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表3に示す。接着性に劣っていた。
比較例8
接着剤(A)を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様の手法により2種3層フィルムを得た。得られた2種3層フィルムを用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表3に示す。接着性に劣っていた。
比較例9
EVOH系樹脂組成物として接着剤(A3)を65重量部、エチレン・ビニルアルコール共重合体(B1)を35重量部とした以外は、実施例3と同様の手法により2種3層フィルムを得た。得られた2種3層フィルムを用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表3に示す。ガスバリア性に劣っていた。
Figure 2022138321000003
実施例11
接着剤(A)として接着剤(A3)を、エチレン・ビニルアルコール共重合体(B)としてエチレン・ビニルアルコール共重合体(B1)を、ポリオレフィン(K)としてMFRが8g/10分、密度が919kg/mである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン203)(K1)を使用した。
まず、(A3)が42.9重量部、(B1)が57.1重量部、(K1)が42.9重量部となるようにドライブレンドし、二軸押出機を装着したラボプラストミル4C150((株)東洋精機製)を用いて、樹脂温度200℃、回転数100rpm、吐出量2.5kg/時の条件で溶融混練し、ペレット状のEVOH系樹脂組成物を得た。
次に、射出成形機MD100Xi2.7((株)宇部興産機械製)を用いて、樹脂温度220℃、射出圧200MPa 、金型温度50℃の条件下で得られたEVOH系樹脂組成物を射出成形した。得られた射出成形体を用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表4に示す。
実施例12
接着剤(A)として(A4)を用いた以外は、実施例11と同様の手法により射出成形体を得た。得られた射出成形体を用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表4に示す。
実施例13
エチレン・ビニルアルコール共重合体(B)として(B3)を用いた以外は、実施例11と同様の手法により射出成形体を得た。得られた射出成形体を用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表4に示す。
実施例14
EVOH系樹脂組成物として接着剤(A3)を37.5重量部、エチレン・ビニルアルコール共重合体(B1)を62.5重量部、ポリオレフィン(K1)を25.0重量部とした以外は、実施例11と同様の手法により射出成形体を得た。得られた射出成形体を用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表4に示す。
実施例15
接着剤(A)として(A4)を用いた以外は、実施例14と同様の手法により射出成形体を得た。得られた射出成形体を用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表4に示す。
比較例10
エチレン・ビニルアルコール共重合体(B)として(B6)を用いた以外は、実施例11と同様の手法により射出成形体を得た。得られた射出成形体を用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表4に示す。接着性に劣っていた。
比較例11
エチレン・ビニルアルコール共重合体(B)としてMFRが5.5g/10分、エチレン含量が44mol%、ケン化度が100重量%、密度が1140kg/m、融解熱量が64J/gであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールE105B)(B7)を用いた以外は、実施例11と同様の手法により射出成形体を得た。得られた射出成形体を用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表4に示す。接着性に劣っていた。
比較例12
エチレン・ビニルアルコール共重合体(B)として(B6)を用いた以外は、実施例12と同様の手法により射出成形体を得た。得られた射出成形体を用いて酸素透過度及びシール強度を評価した。結果を表4に示す。接着性に劣っていた。
Figure 2022138321000004
実施例記載のエチレン・ビニルアルコール共重合体(b)のエチレン含量C(mol%)と密度DEVOH(kg/m)の関係を図1に示す。この図の通り、明細書記載の式(1)を満たす実施例10(若しくは実施例13)は、式(1)を満たさない比較例3及び4(若しくは比較例10及び11)よりも接着性に優れる。更に、式(2)を満たす実施例3(若しくは実施例11)はより接着性に優れる。
なお、式(1)及び式(2)の傾きについては、Cが27mol%、DEVOHが1210kg/mであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールL171B)、Cが32mol%、DEVOHが1190kg/mであるエチレン・ビニルアルコール共重合体(B4)、Cが35mol%、DEVOHが1180kg/mであるエチレン・ビニルアルコール共重合体(B6)、Cが38mol%、DEVOHが1170kg/mであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールH171B)、Cが44mol%、DEVOHが1140kg/mであるエチレン・ビニルアルコール共重合体(B5)、Cが48mol%、DEVOHが1120kg/mであるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製 商品名エバールG156B)のCとDEVOHの相関から算出した。
本発明の樹脂組成物は、シール性やガスバリア性が要求される成形体に用いることができ、特に、食品や飲料、医薬品などの包装材料に用いられる成形体に好適に使用することができる。

Claims (13)

  1. 少なくとも下記(i)~(iii)を満たす接着剤(a)を10重量部以上60重量部以下、下記(iv)~(vi)を満たすエチレン・ビニルアルコール共重合体(b)を40重量部以上90重量部以下((a)、(b)の合計は100重量部)含む樹脂組成物。
    (i)ポリオレフィン系樹脂(c)、ポリオレフィン系樹脂(c)よりもビニルエステル含量が5.00mol%以上多いエチレン・ビニルエステル共重合体(d)、並びに(c)と(d)がグラフトされた変性体(e)を含む溶融混練物の加水分解物
    (ii)ビニルアルコール含量が0.50mol%以上40.0mol%以下
    (iii)ビニルエステル含量が30.0mol%以下
    (iv)エチレン含量が40mol%以下
    (v)DSCにより測定された融解熱量が70J/g未満
    (vi)ケン化度が70重量%以上
  2. 少なくとも下記(i)~(iii)を満たす接着剤(a)を10重量部以上60重量部以下、下記(vi)~(vii)を満たすエチレン・ビニルアルコール共重合体(b)を40重量部以上90重量部以下((a)、(b)の合計は100重量部)含む樹脂組成物。
    (i)ポリオレフィン系樹脂(c)、ポリオレフィン系樹脂(c)よりもビニルエステル含量が5.00mol%以上多いエチレン・ビニルエステル共重合体(d)、並びに(c)と(d)がグラフトされた変性体(e)を含む溶融混練物の加水分解物
    (ii)ビニルアルコール含量が0.50~40.0mol%
    (iii)ビニルエステル含量が30.0mol%以下
    (vi)ケン化度が70重量%以上
    (vii)エチレン含有量C(mol%)とISO1183-3に準拠して測定した密度DEVOH(kg/m)が下式(1)を満たす
    EVOH<-4.265×C+1325 (1)
  3. エチレン・ビニルアルコール共重合体(b)における融解熱量が50J/g以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. ポリオレフィン系樹脂(c)が、ビニルエステル含量0.50mol%以上10.0mol%以下であるエチレン・ビニルエステル共重合体である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. エチレン・ビニルエステル共重合体(d)におけるビニルエステル含量が12.0mol%以上35.0mol%以下である請求項1乃至4いずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. 接着剤(a)のJIS K6924-1(1997年)に準拠して測定されたメルトマスフローレートが5g/10分以上50g/10分以下である請求項1乃至5いずれか一項に記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至6いずれか一項に記載の樹脂組成物からなる層の両面にポリオレフィン系樹脂(f)を含む層が積層されている積層体。
  8. 少なくとも請求項7に記載の積層体を含むブロー成形品。
  9. 少なくとも請求項7に記載の積層体を含むシート成形品。
  10. 少なくとも請求項7に記載の積層体を含むフィルム成形品。
  11. 少なくとも基材層及び請求項7に記載の積層体を含む押出ラミネート成形品。
  12. 少なくとも請求項1乃至6いずれか一項に記載の樹脂組成物を含む射出成形品。
  13. 少なくとも請求項1乃至6いずれか一項に記載の樹脂組成物を含む圧縮成形品。
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