JP2022137889A - 真贋判定装置およびプログラム - Google Patents

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俊介 安達
Shunsuke Adachi
孝次 稲垣
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Abstract

【課題】本人確認証の真贋判定を好適に行うことのできる真贋判定装置等を提供する。【解決手段】真贋判定装置3は、ユーザ端末5から受信したIDカードの撮影画像を用いてIDカードの真贋判定を行うものである。真贋判定装置3は、IDカードの所定部分の空間周波数特性に基づくIDカードの真贋判定を行う真贋判定手段302を有する。真贋判定手段302は、上記所定部分を顔画像とし、当該顔画像について評価対象のフーリエ変換画像を作成し、当該評価対象のフーリエ変換画像と正のフーリエ変換画像との差異に関する評価値を求め、評価値に基づき真贋判定を行う。【選択図】図4

Description

本発明は、真贋判定装置とそのプログラムに関する。
金融機関では口座開設時に運転免許証等のIDカード(本人確認証)による本人確認が必要であるが、特殊詐欺などの犯罪目的から別人になりすまして口座開設を行うためにIDカードを偽造、変造等するケースが増えつつある。
通常の金融機関では、ユーザが金融機関に出向いてIDカードを提出し、金融機関側は提出されたIDカードを用いて対面により本人確認するのが一般的である。この場合、IDカードをじっくりと観察でき、カードの触感でも不自然さを検出できる。
また特許文献1、2にはIDカードの券面をスキャナ等の読取装置で読取って得た画像からIDカードの真贋を判定する真贋判定装置が記載されており、提出されたIDカードをスキャナ等の読取装置で読取ることでIDカードの真贋判定を行うことも可能である。
特開2011-34535号公報 特開2019-117549号公報
最近ではネット銀行などインターネット上の金融機関も一般的になってきている。この種の金融機関では、スマートフォン等のカメラでIDカードの券面を撮影し、その撮影画像を金融機関に送ることで本人確認が行われるものもある。
この場合、本人確認は対面でなく画像だけで行われるので、偽造を見破るための工夫が望まれている。しかしながら、IDカードの撮影画像から偽造を検出することは難しく、オンラインでの申請等における課題となっていた。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、本人確認証の真贋判定を好適に行うことのできる真贋判定装置等を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための第1の発明は、本人確認証の真贋判定装置であって、前記本人確認証を撮影した撮影画像を用い、前記本人確認証の所定部分の空間周波数特性に基づく前記本人確認証の真贋判定を行う真贋判定手段を有することを特徴とする真贋判定装置である。
本人確認証の所定部分の空間周波数特性は、当該部分の印画方式や印画解像度等に応じて異なる。そのため、本人確認証の撮影画像から当該部分の空間周波数特性に基づく真贋判定を行うことで、特定の印画方式、印画解像度等で当該部分が印画された真の本人確認証と、その他の印画方式や印画解像度等で当該部分が印画された真でない本人確認証を好適に判別できる。
前記所定部分は、例えば顔画像である。
顔画像は、色の変化が少ない部分が比較的広いので、空間周波数特性による真贋判定を行うのに適している。
前記真贋判定手段は、前記所定部分についてフーリエ変換画像を作成し、当該フーリエ変換画像を評価対象のフーリエ変換画像として正のフーリエ変換画像との差異に関する評価値を求め、前記評価値に基づき真贋判定を行うことが望ましい。
より具体的には、上記のように真贋判定の対象となる本人確認証の所定部分について、その空間周波数特性を示すフーリエ変換画像を作成し、正のフーリエ変換画像との差異に関する評価値を求め、当該評価値を用いることで本人確認証の真贋判定を好適に行うことができる。
前記評価値は、評価対象のフーリエ変換画像における正のフーリエ変換画像の輝点の位置と、評価対象のフーリエ変換画像の前記輝点の位置を含む検査範囲において最も輝度の高い位置との間の距離を用いて求めることが望ましい。
評価値は、正のフーリエ変換画像の特徴として現れる輝点を利用し、評価対象のフーリエ変換画像における当該輝点の位置(輝点が現れるべき位置)と、当該輝点の位置を含む検査範囲に現れる輝度の高い位置との間の距離を用いて求めることができる。この距離が小さいと、評価対象のフーリエ変換画像が正のフーリエ変換画像と類似し、本人確認証の真らしさが高いといえる。
前記評価値は、前記距離と、評価対象のフーリエ変換画像の前記検査範囲において最も輝度の高い位置の輝度に応じた係数とを用いて求められることも望ましい。
評価対象のフーリエ変換画像の上記位置の輝度も、評価対象のフーリエ変換画像と正のフーリエ変換画像との差異を判断できる要因であり、輝度に応じた係数を用いることで真贋判定をより精度良く行うことができる。
前記真贋判定装置は、前記撮影画像をユーザ端末から受信する受信手段を有することが望ましい。
これにより、ユーザ端末から送信された本人確認証の撮影画像の真贋判定を真贋判定装置によって行う真贋判定システムをネットワークを利用して構築できる。
第2の発明は、コンピュータを、本人確認証の真贋判定装置であって、前記本人確認証を撮影した撮影画像を用い、前記本人確認証の所定部分の空間周波数特性に基づく前記本人確認証の真贋判定を行う真贋判定手段を有する真贋判定装置として機能させるためのプログラムである。
本発明により、本人確認証の真贋判定を好適に行うことのできる真贋判定装置等を提供することができる。
真贋判定システム1を示す図。 真贋判定装置3のハードウェア構成を示す図。 ユーザ端末5のハードウェア構成を示す図。 真贋判定装置3の機能構成を示す図。 IDカード10を示す図。 IDカード10への印画について説明する図。 IDカード10への印画について説明する図。 インクの配置の例。 真贋判定方法を示すフローチャート。 IDカード10の撮影画面の例。 真贋判定の手順を示すフローチャート。 真贋判定方法について説明する図。 真贋判定方法について説明する図。 真贋判定方法について説明する図。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
(1.真贋判定システム1)
図1は、本発明の実施形態に係る真贋判定装置3を有する真贋判定システム1を示す図である。真贋判定システム1は、真贋判定装置3とユーザ端末5とをネットワークを介して通信可能に接続して構成される。真贋判定システム1では、ユーザのIDカード10を撮影した撮影画像をユーザ端末5から真贋判定装置3に送信し、真贋判定装置3にて当該撮影画像からIDカード10の真贋判定を行う。
図2は真贋判定装置3のハードウェア構成を示す図である。真贋判定装置3は、制御部31、記憶部32、通信部33等をバス等で接続して構成されたコンピュータにより実現できる。ただしこれに限ることは無く適宜様々な構成をとることができ、複数のコンピュータによって真贋判定装置3を実現することも可能である。
制御部31はCPU、ROM、RAMなどから構成される。CPUは、記憶部32、ROMなどの記憶媒体に格納された真贋判定装置3の処理に係るプログラムをRAM上のワークエリアに呼び出して実行する。ROMは不揮発性メモリであり、ブートプログラムやBIOSなどのプログラム、データなどを恒久的に保持している。RAMは揮発性メモリであり、記憶部32、ROMなどからロードしたプログラムやデータを一時的に保持するとともに、制御部31が各種処理を行うために使用するワークエリアを備える。
記憶部32はハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリ等であり、後述する処理に際し真贋判定装置3が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OSなどが格納される。
通信部33はネットワークを介した通信を媒介する通信インタフェースであり、ユーザ端末5との間で通信を行う。
ユーザ端末5はユーザの所持する端末であり、IDカード10を撮影してその撮影画像を真贋判定装置3に送信する。ユーザ端末5としては、例えばスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末などが用いられる。
図3はユーザ端末5のハードウェア構成を示す図である。図3に示すように、ユーザ端末5は、制御部51、記憶部52、表示部53、入力部54、通信部55、カメラ56、音声入出力部57等をバス等により接続して構成される。ただしこれに限ることは無く、適宜様々な構成をとることができる。
制御部51、記憶部52、通信部55は上述した制御部31、記憶部32、通信部33と略同様である。また表示部53は液晶パネル等のディスプレイ装置を有し、ユーザ端末5に入力を行うための入力部54としてタッチパネルが設けられている。音声入出力部57は、音声の入出力に用いるマイクやスピーカーを備える。
カメラ56は、光学レンズ、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の撮像素子、A/D(Analog/Digital)変換部等から構成されるエリアカメラである。カメラ56は、光学レンズを介して入力された被写体像を撮像素子により光電変換し、アナログ画像信号を生成する。そして、A/D変換部によりアナログ画像信号をデジタル画像データに変換する。
図4は、真贋判定装置3の機能構成を示す図である。真贋判定装置3は、受信手段301、真贋判定手段302等を有する。
受信手段301は、真贋判定装置3の制御部31が、通信部33を介してユーザ端末5からIDカード10の撮影画像を受信するものである。
真贋判定手段302は、真贋判定装置3の制御部31が、ユーザ端末5から受信したIDカード10の撮影画像を用い、IDカード10の真贋判定を行うものである。この真贋判定の詳細については後述する。
(2.IDカード10)
IDカード10は、本実施形態において真贋判定の対象となる本人確認証である。本人確認証は、金融機関や携帯電話キャリア、各種の行政機関等で本人確認に用いられる媒体をいい、例えば在留カード、運転免許証、マイナンバーカード、特別永住者カードなどである。
図5はIDカード10の概略を示す図であり、IDカード10の券面の一例を模式的に示したものである。IDカード10は、略矩形状のカード基材に、カード所持者の氏名12、生年月日13、住所14および顔画像18、IDカード10の交付年月日15、発行番号16、有効期限17などを印画して形成したものである。
後述するように、本実施形態ではIDカード10の顔画像18の空間周波数特性に基づく真贋判定を行うが、この顔画像18はサーマルヘッドを用いた熱転写方式によりカード基材上の決まった位置に印画される。特に本実施形態では、溶融型の熱転写方式で顔画像18の印画が行われるものとする。
(3.熱転写方式での印画方法)
熱転写方式による印画は、図6(a)に示す熱転写プリンタ100によって行われる。熱転写プリンタ100では、供給リール101に巻付けた熱転写リボン200を巻出して矢印に示すIDカード10の搬送方向に搬送しつつ、その途中でサーマルヘッド110により熱転写リボン200に熱を加えて熱転写リボン200の転写層をIDカード10に転写する。転写後の熱転写リボン200は巻取リール102で巻取られる。
図6(b)は熱転写リボン200の転写層202の例であり、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)などの各色のインクが熱転写リボン200の基材上に面順次に配列される。
図7(a)に示すように、サーマルヘッド110は、その下面に設けた発熱体111から熱転写リボン200に熱を加える。図7(b)に示すように、発熱体111はサーマルヘッド110の下面に複数並べて配置される。発熱体111の配列方向はIDカード10の搬送方向と平面において直交し、IDカード10の短辺方向に対応する。
溶融型熱転写方式では、発熱体111が図7(a)の転写層202の範囲aに熱を加えると、この範囲のインクがIDカード10に接着し、熱転写リボン200が巻取リール102に巻取られてIDカード10から離れる際に熱転写リボン200の基材201から剥離する。これによりIDカード10上に転写層202のインクが転写される。発熱体111による加熱がされない範囲では、転写層202のインクはIDカード10に転写されない。
IDカード10を搬送ローラ103で搬送しつつ発熱体111による加熱のオンオフを発熱体111ごとに制御し、Y、M、C等の転写層202のインクの転写を行うことで、顔画像18の印画が行われる。顔画像18は発熱体111の大きさを単位ドットとして印画される。
溶融型熱転写方式では、中間色について面積変調型の階調表現が行われ、各色のインクの配置がディザ法により決められる。例えば図8は所定色Aのインクの配置(ドットパターン)の例であり、図8のドットパターンが上下左右に繰り返すことにより所定色Aのインクの配置が特定の空間周波数特性を有することになる。例えば図8では、所定色Aのインクが矢印に示す方向に沿って一定の周期で表れる。本実施形態では、このような方向と周期に由来する顔画像18の空間周波数特性に基づく真贋判定を行う。
(4.真贋判定方法)
図9は、真贋判定システム1で実行される真贋判定方法の流れを示すフローチャートである。図9のS1~S2、S7~S8はユーザ端末5の制御部51がユーザ端末5の各部を制御して実行する処理であり、S3~S6は真贋判定装置3の制御部31が真贋判定装置3の各部を制御して実行する処理である。
本実施形態では、まずユーザがユーザ端末5を操作して記憶部52に予め格納された専用のアプリケーションプログラムを立ち上げる。すると、ユーザ端末5は表示部53にメニュー画面(不図示)を表示させ、メニュー画面でのユーザの選択に応じてカメラ56を起動し、IDカード10の券面を撮影する(S1)。
図10はこの時のIDカード10の撮影画面の例である。本実施形態では、カメラ起動時にユーザ端末5の表示部53にインストラクションを表示するなどして、所定の枠531内にIDカード10を収めるよう促してIDカード10の撮影を行う。
ユーザ端末5は、IDカード10を撮影すると、撮影画像(jpeg画像)を真贋判定装置3に送信する(S2)。真贋判定装置3は、IDカード10の撮影画像を受信する(S3)と、撮影画像を用いてIDカード10の真贋を判定する(S4)。
本実施形態の真贋判定は、IDカード10の顔画像18の印画方式、印画解像度等の違いにより顔画像18の空間周波数特性が異なることを利用して行う。真贋判定方法の詳細については後述する。
真贋判定装置3は、IDカード10が真でないと判定した場合(S5;NO)、IDカード10が真でない旨をユーザ端末5に送信する(S6)。ユーザ端末5は、IDカード10が真でない旨を受信すると(S7)、これを表示部53に表示し(S8)、処理を終了する。
一方、真贋判定装置3は、IDカード10を真と判定した場合(S5;YES)、真贋判定処理を完了する。例えばインターネット上の金融機関で口座を開設する際の本人確認として上記真贋判定を行う場合、真贋判定処理の後、口座開設に必要な情報としてIDカード10の券面のユーザ情報(氏名や生年月日など)をIDカード10の撮影画像から取得してその登録を行い、記憶部52にユーザ情報を記憶することができる。
(5.顔画像18の空間周波数特性に基づく真贋判定)
前記したように、本実施形態では、印画方式、印画解像度等の違いによりIDカード10の顔画像18の空間周波数特性が異なることを利用してS4(図9参照)の真贋判定を行う。
すなわち、印画方式には、溶融型熱転写方式の他、インクジェット方式、レーザー方式、昇華型熱転写方式などがあるが、印画方式の違いにより前記した空間周波数特性が変わるため、溶融型熱転写方式で顔画像18が印画された正のIDカード10と、その他の印画方式で顔画像18が印画された偽のIDカード10を区別できる。
また、空間周波数特性は印画解像度によっても変わり、同じ印画方式で印画されたIDカード10であっても、特定の解像度で顔画像18が印画された正のIDカード10と、異なる解像度で顔画像18が印画された偽のIDカード10を区別できる。その他、空間周波数特性は印刷機の機種によっても変わるため、同じ印画方式、印画解像度で印画されたIDカード10であっても、特定の機種の印刷機を用いて顔画像18が印画された正のIDカード10と、異なる機種の印刷機で顔画像18が印画された偽のIDカード10を区別できる。
図11は、S4における真贋判定の手順を示すフローチャートである。本実施形態では、S4において、まずIDカード10の撮影画像の解像度(dpi)を、周波数解析を行うのに必要な解像度に変換する(S41)。変換後の解像度は撮影画像の解像度よりも小さいが、これらの解像度は、いずれも、顔画像18の印画時の1ドットが、画像中で1画素以上のサイズとなるような値である。
本実施形態では、次に、IDカード10の撮影画像をグレースケール画像に変換し(S42)、撮影画像から顔画像18を抽出する(S43)。そして、図12(a)に示すように、顔画像18から、周波数解析を行う対象となる一部の領域の画像Im(領域画像という)を切り出す(S44)。領域画像Imは、領域内での色の変化が少ないことが望ましく、本実施形態では顔画像18のうち肌色の領域とする。なお、後述するように本実施形態では周波数解析として高速フーリエ変換を行うため、領域画像Imの縦横のサイズは2のべき乗とすることが望ましい。
次に、真贋判定装置3は、領域画像Imの輝度情報に対し、既知の周波数解析手法である高速フーリエ変換を実行する(S45)。
図12(b)の左図は、高速フーリエ変換による解析結果として得られるフーリエ変換画像210の一例である。フーリエ変換画像210は領域画像Imの空間周波数特性を表したものであり、右図に示すように、画像210内の点pの原点Oからの距離bが空間周波数の値、点pの原点Oに対する方向(便宜的に原点Oを通る基準線に対する角度θで表す)が当該空間周波数での輝度変化が生じている方向、点pの明るさ(白さ)が当該空間周波数での輝度変化のパワー(振幅の2乗)を表している。
図13は、(a)溶融型熱転写方式による印画を行った顔画像18、(b)(a)とは異なる解像度で溶融型熱転写方式による印画を行った顔画像18、(c)インクジェット方式による印画を行った顔画像18、(d)レーザー方式による印画を行った顔画像18、(e)昇華型熱転写方式による印画を行った顔画像18のそれぞれについて、S41~S45で説明した手順により同じ方法で作成したフーリエ変換画像の例である。
図13に示すように、これらのフーリエ変換画像は互いに異なり、特定の解像度で溶融型熱転写方式による顔画像18の印画を行った真のIDカード10と、異なる印画方式や解像度で印画を行った偽のIDカード10をフーリエ変換画像の比較により判別できることがわかる。なおフーリエ変換画像は原点Oに関して点対称な画像なので、フーリエ変換画像の比較は原点Oに対する4つの象限のうち隣り合う2つの象限についてのみ行えばよい。図13では原点Oの上側の2つの象限を示している。
真贋判定装置3は、真贋判定の対象となるIDカード10の顔画像18についてS41~S45の手順によりフーリエ変換画像210を作成し、これを評価対象のフーリエ変換画像210として、正のIDカード10の顔画像18についてのフーリエ変換画像(正のフーリエ変換画像という)との差異に関する評価値を算出する(S46)。
本実施形態では、正のフーリエ変換画像において周囲より明るい点を輝点とし、輝点の位置を含む所定範囲を検査範囲として設定する。図14(a)は正のフーリエ変換画像220における輝点Pと検査範囲Dの位置を例示したものである。輝点Pの位置は、予め多数の正のIDカード10の顔画像18についてS41~S45の手順で評価対象のフーリエ変換画像210と同じ方法によりフーリエ変換画像220を作成し、これらのフーリエ変換画像220から輝点Pが現れると推定される位置として設定できる。ただし輝点Pの位置の設定方法はこれに限らない。また検査範囲Dは輝点Pの近傍の範囲であればよく、その設定方法は任意である。
そして、S46では、評価対象のフーリエ変換画像210について、上記の輝点Pと検査範囲Dを図14(b)に示すように重畳し、検査範囲D内で最も輝度の高い位置を検出する。Tはその一例であり、左下の検査範囲D内で最も輝度の高い位置を示したものである。
真贋判定装置3は、図14(c)に示すように、評価対象のフーリエ変換画像210の個々の検査範囲Dについて、正のフーリエ変換画像220の輝点Pの位置と、検査範囲Dにおいて最も輝度の高い位置Tとの間の距離Lを求め、距離Lを所定の係数Vで割った値L/Vを算出する。そして、各検査範囲Dについて求めた値L/Vの総和Σ(L/V)を前記の評価値として算出する。係数Vは、位置Tの輝度に応じた値であり、位置Tが明るいほど大きな値とする。
値L/Vは、評価対象のフーリエ変換画像210において輝点Pの近くに明るい点がある程、小さくなる。従って、評価値Σ(L/V)が小さければ、評価対象のフーリエ変換画像210が正のフーリエ変換画像220と類似していることになる。
真贋判定装置3は、上記のようにして求めた評価値Σ(L/V)を閾値と比較して真贋判定を行い(S47)、評価値Σ(L/V)が閾値未満であればIDカード10を真とし(S5;YES)、評価値Σ(L/V)が閾値以上であれば、IDカード10を真でないとする(S5;NO)。
なお、本実施形態ではIDカード10の撮影画像(jpeg画像)をグレースケール画像に変換しているが、これは、jpeg画像の場合、元データのjpeg圧縮により色情報が変わってしまう(輝度情報は保持される)ためである。一方、画像形式には色情報が保持されるものもあり、その場合はグレースケール変換を行わず、領域画像ImのRGB各成分について上記の評価値Σ(L/V)を算出し、RGB各成分について算出した評価値Σ(L/V)の合計を閾値と比較することもできる。RGB各成分について評価値Σ(L/V)を求め、真贋判定に利用することで、真贋判定の精度が向上する。
以上説明したように、本実施形態では、IDカード10の顔画像18の空間周波数特性が、顔画像18の印画方式や印画解像度等に応じて異なることを利用し、空間周波数特性に基づく真贋判定を行うことで、特定の印画方式、印画解像度等で顔画像18が印画された真のIDカード10と、その他の印画方式や印画解像度等で顔画像18が印画された真でないIDカード10を好適に判別できる。
上記の真贋判定について、より具体的には、真贋判定の対象となるIDカード10の顔画像18について、その空間周波数特性を示すフーリエ変換画像210を作成し、正のフーリエ変換画像220との差異に関する評価値を求め、当該評価値を用いてIDカード10の真贋判定を行うことができる。
評価値は、正のフーリエ変換画像220の特徴として現れる輝点Pを利用し、当該輝点Pの位置と、評価対象のフーリエ変換画像210において上記輝点Pを含む検査範囲Dに現れる輝度の高い位置Tとの間の距離Lを用いて求めることができる。この距離Lが小さいと、評価対象のフーリエ変換画像210が正のフーリエ変換画像220と類似し、IDカード10の真らしさが高いといえる。
また評価対象のフーリエ変換画像210の上記位置Tの輝度も、評価対象のフーリエ変換画像210と正のフーリエ変換画像220との差異を判断できる要因であり、輝度に応じた係数Vを用いることで真贋判定をより精度良く行うことができる。
さらに、本実施形態の真贋判定装置3は、ユーザ端末5から送信されたIDカード10の撮影画像の真贋判定を行うことで、真贋判定装置3とユーザ端末5による真贋判定システム1をネットワークを利用して構築できる。
しかしながら、本発明は以上の実施形態で説明したものに限らない。例えば本実施形態では口座開設時の本人確認として真贋判定を行うことについて例示したが、本実施形態の真贋判定の適用場面あるいは適用目的は特に限定されない。
また本実施形態では評価値Σ(L/V)を用いて真贋判定を行っているが、評価値として図13(a)~(e)のようなフーリエ変換画像の差異を表現できる別の値を用いることも可能である。また真贋判定は顔画像18の空間周波数特性に基づくものであればよく、フーリエ変換画像の差異を利用するものに限定されることもない。
また本実施形態では正のIDカード10の顔画像18を溶融型熱転写方式で印画されたものとしているが、その他の印画方式で顔画像18が印画されたものを正とする場合もあり、その場合も、図13(a)~(e)のようなフーリエ変換画像の差異を表現できる評価値を用いるなどして顔画像18の空間周波数特性に基づく真贋判定を行うことは可能である。
また本実施形態では顔画像18の空間周波数特性によりIDカード10の真贋判定を行ったが、これに限ることはない。印画方式や印画解像度、印画に用いた印刷機の機種等が既知であるIDカード10中の所定部分であれば、顔画像18以外であっても本実施形態と同様の手法で当該部分の空間周波数特性により真贋判定を行うことができ、例えばIDカード10中のベタ塗り部分や特定のマークの部分などであってもよい。ただし、顔画像18は色の変化が少ない部分が比較的広いので、空間周波数特性による真贋判定を行うのに適している。
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1:真贋判定システム
3:真贋判定装置
5:ユーザ端末
10:IDカード
18:顔画像
100:熱転写プリンタ
110:サーマルヘッド
111:発熱体
210、220:フーリエ変換画像
301:受信手段
302:真贋判定手段

Claims (7)

  1. 本人確認証の真贋判定装置であって、
    前記本人確認証を撮影した撮影画像を用い、前記本人確認証の所定部分の空間周波数特性に基づく前記本人確認証の真贋判定を行う真贋判定手段を有することを特徴とする真贋判定装置。
  2. 前記所定部分は、顔画像であることを特徴とする請求項1記載の真贋判定装置。
  3. 前記真贋判定手段は、前記所定部分についてフーリエ変換画像を作成し、当該フーリエ変換画像を評価対象のフーリエ変換画像として正のフーリエ変換画像との差異に関する評価値を求め、前記評価値に基づき真贋判定を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の真贋判定装置。
  4. 前記評価値は、評価対象のフーリエ変換画像における正のフーリエ変換画像の輝点の位置と、評価対象のフーリエ変換画像の前記輝点の位置を含む検査範囲において最も輝度の高い位置との間の距離を用いて求めることを特徴とする請求項3記載の真贋判定装置。
  5. 前記評価値は、前記距離と、評価対象のフーリエ変換画像の前記検査範囲において最も輝度の高い位置の輝度に応じた係数とを用いて求められることを特徴とする請求項4に記載の真贋判定装置。
  6. 前記真贋判定装置は、前記撮影画像をユーザ端末から受信する受信手段を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の真贋判定装置。
  7. コンピュータを、
    本人確認証の真贋判定装置であって、
    前記本人確認証を撮影した撮影画像を用い、前記本人確認証の所定部分の空間周波数特性に基づく前記本人確認証の真贋判定を行う真贋判定手段を有する真贋判定装置として機能させるためのプログラム。
JP2021037597A 2021-03-09 2021-03-09 真贋判定装置およびプログラム Pending JP2022137889A (ja)

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