JP2022137887A - 水平耐力パネル及び建物 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性、施工性が良く、ブレースを介して一対の柱で効果的に荷重を負担することが可能な水平耐力パネル及び建物を得る。【解決手段】水平耐力パネル18に斜材ブレース24、26が設けられ、斜材ブレース24の軸心線L1と柱19の軸心線L2との交点Pが上部梁16から離間して配置され、斜材ブレース26の軸心線L1と柱19の軸心線L2との交点Rが基礎12から離間して配置される。また、柱19と柱20の間に横材ブレース28、32が略水平に架け渡され、横材ブレース28、32の軸心線L3上に当該交点P、Rがそれぞれ含まれるように配置される。これにより、水平耐力パネル18の上部18A側に伝達された荷重を簡単な構成で効果的に柱19と柱20に分担させることができる。【選択図】図2
Description
本発明は、水平耐力パネル及び建物に関する。
例えば、圧縮ブレースの座屈対策に関する技術として、下記特許文献1には、外周枠の内側に張り出した取り付けプレートにブレースを取り付ける耐力フレームの構造が記載されている。また、下記特許文献2には、柱とブレースの固着位置を構造心より上側又は下側にずらした耐力フレームの構造が記載されている。
しかしながら、上記先行技術では、圧縮ブレースの座屈については改善されるものの、柱頭及び柱脚の接合部の納まりが複雑であり、生産性及び施工性がよくない。また、耐力フレームが負担するせん断力が2本の柱に分担されず、構造耐力上の荷重負担の効率がよくない。
本発明は上記事実を考慮し、生産性、施工性が良く、ブレースを介して一対の柱で効果的に荷重を負担することが可能な水平耐力パネル及び建物を得ることが目的である。
第1の態様に係る水平耐力パネルは、一対の柱と、前記一対の柱間に斜めに架け渡され、斜材ブレース本体の軸心線と前記柱の軸心線の交点が基礎の上面及び上部梁の下面の少なくとも一方から離間して配置された斜材ブレースと、前記一対の柱間に略水平に架け渡され、横材ブレース本体の延長線上に前記交点が含まれるように配置された横材ブレースと、を有している。
第1の態様に係る水平耐力パネルでは、一対の柱と、斜材ブレース(ブレース)と、横材ブレース(ブレース)と、を備えている。斜材ブレースは、一対の柱間に斜めに架け渡されており、当該斜材ブレースによって、地震、風等による横からの水平荷重に対して水平耐力パネルの変形が抑制される。
ここで、斜材ブレースは、当該斜材ブレース(斜材ブレース本体)の軸心線と柱の軸心線の交点が基礎の上面及び上部梁の下面の少なくとも一方から離間して配置されている。また、横材ブレースは、一対の柱間に略水平に架け渡されており、当該横材ブレース(横材ブレース本体)の延長線上に当該交点が含まれるように配置されている。
なお、「横材ブレースの延長線上に当該交点が含まれる」とは、横材ブレースの部材幅分を延長させた線上に当該交点が設けられていればよいという意味である。例えば、横材ブレースの軸心線上は、横材ブレースの部材幅の中心線上とされるが、横材ブレースの延長線上では、横材ブレースの部材幅だけ広い範囲となる。
本態様では、斜材ブレース本体の軸心線と柱の軸心線の交点が基礎の上面及び上部梁の下面の少なくとも一方から離間し、かつ横材ブレースの延長線上に当該交点が含まれるように横材ブレースが配置される。
つまり、本態様では、斜材ブレース本体の軸心線と柱の軸心線の交点が基礎の上面から離間し、かつ横材ブレースの延長線上に当該交点が含まれるように当該横材ブレースが配置される場合と、斜材ブレース本体の軸心線と柱の軸心線の交点が上部梁の下面から離間し、かつ横材ブレースの延長線上に当該交点が含まれるように当該横材ブレースが配置される場合と、斜材ブレース本体の軸心線と柱の軸心線の交点が基礎の上面及び上部梁の下面からそれぞれ離間し、かつ横材ブレースの延長線上に当該交点が含まれるように当該横材ブレースが配置される場合の3パターンがある。
例えば、斜材ブレースの軸心線と柱の軸心線の交点が上部梁の下面から離間し、かつ横材ブレースの延長線上に当該交点が含まれるように当該横材ブレースが配置されることで、上部梁によって伝達された荷重(軸力及びせん断力を含む)を、当該横材ブレースによって一方の柱と他方の柱の相互に分担させることができると共に、当該斜材ブレースによって一方の柱に分担された荷重を他方の柱へ伝達させることができる。
また、斜材ブレースの軸心線と柱の軸心線の交点が基礎の上面から離間し、かつ横材ブレースの延長線上に当該交点が含まれるように当該横材ブレースが配置されることで、当該斜材ブレースによって、他方の柱から一方の柱へ伝達された荷重を、当該横材ブレースによって一方の柱と他方の柱に分担させることができる。
つまり、本態様では、上部梁から伝達された荷重を2本の柱に対して略均等に分散(分担)させ、基礎側へ伝達することが可能となる。このように、2本の柱で効率的に荷重を分担させることによって、柱脚部の特殊補強は軽減され、柱と斜材ブレース、横材ブレースとの接合部において単純な納まりとすることができる。
第2の態様に係る水平耐力パネルは、第1の態様に係る水平耐力パネルにおいて、前記横材ブレースの軸心線上に前記交点が設けられている。
第2の態様に係る水平耐力パネルでは、横材ブレースの軸心線上に斜材ブレースの軸心線と柱の軸心線の交点が設けられるように当該横材ブレースを配置している。外力が作用する部材の軸心線は当該部材の中立面に含まれるため、横材ブレースの軸心線と斜材ブレースの軸心線と柱の軸心線とが交わるように配置されることによって、荷重の伝達効率が向上する。
また、本態様では、斜材ブレースの軸心線と柱の軸心線の交点は、基礎の上面、上部梁の下面から離間して配置されているため、横材ブレースの軸心線上に当該交点が設けられることによって、横材ブレースは基礎の上面、上部梁の下面から離間して配置されることが可能となる。
このように、横材ブレースが、基礎の上面、上部梁の下面から離間して配置されることによって、横材ブレースと、基礎の上面、上部梁の下面の間には、隙間が設けられることになる。この隙間を利用して、水平耐力パネルを建物に組付ける際の納まりを容易に行うことができる。
第3の態様に係る水平耐力パネルは、第1の態様又は第2の態様に係る水平耐力パネルにおいて、前記斜材ブレース及び前記横材ブレースを前記柱に接合させるガセットプレートをさらに含んで構成され、前記柱の柱脚側に設けられた柱脚側ガセットプレートの下面は、前記基礎の上面から離間して配置されている。
第3の態様に係る水平耐力パネルでは、斜材ブレースと横材ブレースは、ガセットプレートを介して柱に接合されている。当該ガセットプレートにおける柱の柱脚側に設けられた柱脚側ガセットプレートの下面は、基礎の上面から離間して配置されているため、当該柱脚側ガセットプレートに接合された横材ブレースは、基礎の上面から離間して配置されることになる。これにより、当該横材ブレースが、柱の下面に取り付けられる下面プレートと干渉しないように設定することが可能となる。
第4の態様に係る水平耐力パネルは、第1の態様~第3の態様の何れか1の態様に係る水平耐力パネルにおいて、前記斜材ブレース及び前記横材ブレースを前記柱に接合させるガセットプレートをさらに含んで構成され、前記柱の柱頭側に設けられた柱頭側ガセットプレートの上面は、前記上部梁の下面から離間して配置されている。
第4の態様に係る水平耐力パネルでは、斜材ブレースと横材ブレースは、ガセットプレートを介して柱に接合されている。当該ガセットプレートにおける柱の柱頭側に設けられた柱頭側ガセットプレートの上面は、上部梁の下面から離間して配置されているため、当該柱頭側ガセットプレートに接合された横材ブレースは、上部梁の下面から離間して配置されることになる。これにより、当該横材ブレースが、柱の上面に取り付けられる上面プレートと干渉しないように設定することが可能となる。
第5の態様に係る水平耐力パネルは、第1の態様~第4の態様の何れか1の態様に係る水平耐力パネルにおいて、前記柱を前記基礎に接合させる柱脚側接合部は、前記横材ブレースの下方側に設けられた第1接合部と、前記柱を間において前記第1接合部の反対側に設けられた第2接合部と、を含んで構成され、前記第1接合部及び前記第2接合部は、平面視で前記横材ブレースの軸心線と略重なる位置に設定されている。
第5の態様に係る水平耐力パネルでは、柱を基礎に接合させる柱脚側接合部は、第1接合部及び第2接合部を含んで構成されており、第1接合部は、横材ブレースの下方側に設けられている。また、第2接合部は、柱を間において当該第1接合部の反対側に設けられており、第1接合部及び第2接合部は、平面視で横材ブレースの軸心線と略重なる位置に設定されている。
これにより、本態様では、例えば、平面視で横材ブレースの軸心線と直交する線と重なる位置に接合部が設定された場合と比較して、水平耐力パネルに作用するせん断力に対して、柱脚側接合部における接合力が強くなる。
第6の態様に係る水平耐力パネルは、第1の態様~第5の態様の何れか1の態様に係る水平耐力パネルにおいて、前記柱を前記上部梁に接合させる柱頭側接合部は、前記横材ブレースの上方側に設けられた第3接合部と、前記柱を間において前記第3接合部の反対側に設けられた第4接合部と、を含んで構成され、前記第3接合部及び前記第4接合部は、平面視で前記横材ブレースの軸心線と略重なる位置に設定されている。
第6の態様に係る水平耐力パネルでは、柱を上部梁に接合させる柱頭側接合部は、第3接合部及び第4接合部を含んで構成されており、第3接合部は、横材ブレースの上方側に設けられている。また、第4接合部は、柱を間において当該第3接合部の反対側に設けられており、第3接合部及び第4接合部は、平面視で横材ブレースの軸心線と略重なる位置に設定されている。
これにより、本態様では、例えば、平面視で横材ブレースの軸心線と直交する線と重なる位置に接合部が設定された場合と比較して、水平耐力パネルに作用するせん断力に対して、柱頭側接合部における接合力が強くなる。
第7の態様に係る水平耐力パネルは、第1の態様~第6の態様の何れか1の態様に係る水平耐力パネルにおいて、前記柱は、対向する一対のフランジ部と前記一対のフランジ部間を繋ぐウエブ部とで構成されたH形鋼が用いられ、前記斜材ブレース及び前記横材ブレースを前記柱に接合させるガセットプレートが平板状を成し前記ウエブ部の延長線上において前記フランジ部に固定されると共に、前記斜材ブレースの軸心線上及び前記横材ブレースの軸心線上に当該ガセットプレートが配置されている。
第7の態様に係る水平耐力パネルでは、柱は、対向する一対のフランジ部と当該一対のフランジ部間を繋ぐウエブ部とで構成されたH形鋼が用いられている。斜材ブレース及び横材ブレースを当該柱に接合させるガセットプレートは平板状を成しており、柱のウエブ部の延長線上において当該ガセットプレートは柱のフランジ部に固定されると共に、斜材ブレースの軸心線上及び横材ブレースの軸心線上に当該ガセットプレートが配置されている。
つまり、本態様では、斜材ブレースの軸心線上にガセットプレート及び柱のウエブ部を配置すると共に、横材ブレースの軸心線上にガセットプレート及び柱のウエブ部を配置している。これにより、本態様では、斜材ブレースに沿って伝達された荷重を、当該斜材ブレースからガセットプレート及び柱のウエブ部へ効率よく伝達させることができると共に、横材ブレースに沿って伝達された荷重を、当該横材ブレースからガセットプレート及び柱のウエブ部へ効率よく伝達させることができる。
第8の態様に係る建物は、第1の態様~第7の態様の何れか1の態様に係る水平耐力パネルが外壁、間仕切壁の一部に用いられている。
第8の態様に係る建物では、水平耐力パネルの納まりが単純なため、外壁、間仕切壁の一部として、上部梁と基礎の間に当該水平耐力パネルを取り付けることができる。なお、間仕切壁について、いわゆるスケルトンとして、水平耐力パネルの躯体が露出しているものも含まれる。
以上説明したように、本態様によれば、生産性、施工性が良く、ブレースを介して一対の柱で効果的に荷重を負担することができる。
以下、図面を用いて、本発明の一実施形態に係る水平耐力パネルが適用された建物について説明する。
<建物の構成>
図1に示す建物10は、例えば、小規模店舗等として用いられ、図示しないべた基礎の上に建てられている。当該ベタ基礎の立上がり部(以下、「基礎」12は矩形状を成しており、基礎12に沿って所定の間隔で複数の柱14が上下方向に沿って配設されている。柱14の上端には、H形鋼又は溝形鋼等で形成された上部梁16が固定されており、上部梁16によって柱14間は架け渡されている。そして、基礎12と上部梁16の間には、後述する水平耐力パネル18が複数架設されている。
図1に示す建物10は、例えば、小規模店舗等として用いられ、図示しないべた基礎の上に建てられている。当該ベタ基礎の立上がり部(以下、「基礎」12は矩形状を成しており、基礎12に沿って所定の間隔で複数の柱14が上下方向に沿って配設されている。柱14の上端には、H形鋼又は溝形鋼等で形成された上部梁16が固定されており、上部梁16によって柱14間は架け渡されている。そして、基礎12と上部梁16の間には、後述する水平耐力パネル18が複数架設されている。
また、建物10の上部には、建物10の正面側を前部10Aとし、裏面側を後部10Bとして、建物10の奥行方向(妻方向;矢印A方向)に沿って屋根ユニット11が設けられている。この屋根ユニット11は、水勾配を考慮して建物10の正面側から裏面側へ向かうにつれて下方側へ向かう方向へ傾斜する、いわゆる片流れ屋根とされている。
当該屋根ユニット11は、建物10の妻方向(矢印A方向)を長手方向とする略直方体状を成す屋根フレーム13で構成されており、当該屋根フレーム13は、長尺状の鋼材が複数組み合わされることで形成されたトラス構造を有している。
本実施形態では、屋根ユニット11の下方側に上部梁16が設けられており、当該上部梁16が柱14に固定されている。つまり、当該上部梁16を介して屋根ユニット11が柱14によって支持されるようになっている。
(水平耐力パネルの構成)
ここで、本実施形態に係る水平耐力パネル18の構成について説明する。
ここで、本実施形態に係る水平耐力パネル18の構成について説明する。
図2に示されるように、本実施形態に係る水平耐力パネル18は、例えば、一対の柱19、20(柱14)と、斜材ブレース24、26と、横材ブレース28、30、32と、ガセットプレート34、36、38、40、42、44と、を含んで構成されている。
柱19、20には、H形鋼がそれぞれ用いられており、柱19、20は、対向する一対のフランジ部21、22と、フランジ部21とフランジ部22を繋ぐウエブ部23と、を含んでそれぞれ構成されている。
当該フランジ部22は、水平耐力パネル18の外面側とされ、フランジ部21は水平耐力パネル18の内面側とされる。当該柱19、20の上端面19A、20Aには、それぞれ柱頭プレート14Aが溶接により一体化されており、柱19、20の下端面19B、20Bには、それぞれベースプレート14Bが溶接により一体化されている。なお、本実施形態では、柱19、20の軸心線をそれぞれL2とする。また、柱19、20は、H形鋼以外にも、CT形鋼又は角形鋼管の中央を補強した部材が用いられてもよい。
また、斜材ブレース24、26、横材ブレース28、30、32には、角形鋼管が用いられており、本実施形態では、斜材ブレース24の軸心線をL1とし、横材ブレース28の軸心線をL3とする。なお、斜材ブレース24、26、横材ブレース28、30、32について、角形鋼管等の管状の部材に限らず、溝形鋼、平鋼、アングル材等、棒状の部材が用いられてもよい。但し、断面非対称の部材を用いる場合、荷重が偏心して伝達されるため、部材を背合わせにして2本で構成する等、偏心し難くすることが望ましい。
一方、ガセットプレート34、36、38、40、42、44は鋼板等で形成された矩形平板状を成している。ガセットプレート34、40は、水平耐力パネル18の上部18A側に設けられ、ガセットプレート36、42は、水平耐力パネル18の高さ方向の中央部18B、ガセットプレート38、44は、水平耐力パネル18の下部18C側にそれぞれ設けられている。
ここで、図3に示されるように、ガセットプレート(柱頭側ガセットプレート)34は、柱19の柱頭側において、垂直方向を長手方向として配置され、かつガセットプレート34の上辺部(上面)34Aが略水平に配置されるように設定されている。さらに、ガセットプレート34は、上辺部34Aが柱19の柱頭プレート14Aよりも下方側に位置するように設定されると共に、水平耐力パネル18の幅方向の内側に位置する柱19のフランジ部21側において、ウエブ部23の延長線上に溶接されている。
図2に示されるように、ガセットプレート36は、柱19の高さ方向の中央部において、水平方向を長手方向として配置されると共に、柱19のフランジ部21側において、ウエブ部23の延長線上に溶接されている。
図4に示されるように、ガセットプレート(柱脚側ガセットプレート)38は、柱19の柱脚側において、垂直方向を長手方向として配置され、かつガセットプレート38の下辺部(下面)38Aが略水平に配置されるように設定されている。さらに、ガセットプレート38は、下辺部38Aが柱19のベースプレート14Bよりも上方側に位置するように設定されると共に、柱19のフランジ部21側において、ウエブ部23の延長線上に溶接されている。
また、図2に示されるように、ガセットプレート(柱頭側ガセットプレート)40は、柱20の柱頭側において、水平方向を長手方向として配置され、かつガセットプレート40の上辺部40Aが略水平に配置されるように設定されている。さらに、ガセットプレート40は、上辺部40Aが柱20の柱頭プレート14Aよりも下方側に位置するように設定されると共に、水平耐力パネル18の幅方向の内側に位置する柱20のフランジ部21側において、ウエブ部23の延長線上に溶接されている。
ガセットプレート42は、柱20の高さ方向の中央部において、垂直方向を長手方向として配置されると共に、柱20のフランジ部21側において、ウエブ部23の延長線上に溶接されている。
ガセットプレート(柱脚側ガセットプレート)44は、柱20の柱脚側において、水平方向を長手方向として配置され、かつガセットプレート44の下辺部44Aが略水平に配置されるように設定されている。さらに、ガセットプレート44は、下辺部44Aが柱20のベースプレート14Bよりも上方側に位置するように設定されると共に、柱20のフランジ部21側において、ウエブ部23の延長線上に溶接されている。
一方、斜材ブレース24は、水平耐力パネル18の上部18A側において、柱19及び柱20に対して斜めに架け渡されており、柱19から柱20に向かうにつれて下方側へ向かって傾斜して配置されている。斜材ブレース24の長手方向の一端部(柱19側)は、ガセットプレート34の下部側に溶接され、斜材ブレース24の長手方向の他端部(柱20側)は、ガセットプレート42の上部側に溶接されている。
斜材ブレース26は、水平耐力パネル18の下部18C側において、柱19及び柱20に対して斜めに架け渡されており、柱20から柱19に向かうにつれて下方側へ向かって傾斜して配置されている。斜材ブレース26の長手方向の一端部(柱19側)は、ガセットプレート38の上部側に溶接され、斜材ブレース26の長手方向の他端部(柱20側)は、ガセットプレート42の下部側に溶接されている。
また、横材ブレース28は、水平耐力パネル18の上部18A側において、柱19及び柱20に対して略水平に架け渡されている。横材ブレース28の長手方向の一端部(柱19側)は、ガセットプレート34の上部側に溶接され、横材ブレース28の長手方向の他端部(柱20側)は、ガセットプレート40の高さ方向の中央部に溶接されている。
ここで、斜材ブレース24の軸心線L1と柱19の軸心線L2の交点をPとすると、横材ブレース28は、当該交点Pが当該横材ブレース28の軸心線L3上となるように配置されている。言い換えると、本実施形態では、斜材ブレース24の軸心線L1、柱19の軸心線L2及び横材ブレース28の軸心線L3が、交点Pで交わるように設定されている。
横材ブレース30は、水平耐力パネル18の高さ方向の中央部18Bにおいて、柱19及び柱20に対して略水平に架け渡されている。横材ブレース30の長手方向の一端部(柱19側)は、ガセットプレート36の高さ方向の中央部に溶接され、横材ブレース30の長手方向の他端部(柱20側)は、ガセットプレート42の高さ方向の中央部に溶接されている。
ここで、斜材ブレース24の軸心線L1、斜材ブレース26の軸心線L1及び柱20の軸心線L2の交点をQとすると、横材ブレース30は、当該交点Qが当該横材ブレース30の軸心線L3上となるように配置されている。言い換えると、本実施形態では、斜材ブレース24、26の軸心線L1、柱20の軸心線L2及び横材ブレース30の軸心線L3が、交点Qで交わるように設定されている。
横材ブレース32は、水平耐力パネル18の下部18C側において、柱19及び柱20に対して略水平に架け渡されている。横材ブレース32の長手方向の一端部(柱19側)は、ガセットプレート38の下部側に溶接され、横材ブレース32の長手方向の他端部(柱20側)は、ガセットプレート44の高さ方向の中央部に溶接されている。
また、斜材ブレース26の軸心線L1と柱19の軸心線L2の交点をRとすると、横材ブレース32は、当該交点Rが当該横材ブレース32の軸心線L3上となるように配置されている。言い換えると、本実施形態では、斜材ブレース26の軸心線L1、柱19の軸心線L2及び横材ブレース32の軸心線L3が、交点Rで交わるように設定されている。
以上のように、斜材ブレース24、26及び横材ブレース28、30、32は、それぞれガセットプレート34、36、38、40、42、44に対して溶接(接合)されるようになっている。
例えば、図5には、柱19の柱脚側の斜視図が示されている。この図に示されるように、角形鋼管で形成された斜材ブレース26の長手方向の一端部(柱19側)には、互いに対向する上壁部46及び下壁部48の幅方向の中央部において、当該斜材ブレース26の軸心線L1に沿って矩形状のスリット50が形成されている。
このスリット50の幅寸法は、ガセットプレート38の板厚よりも若干大きくなるように形成されており、当該スリット50内にガセットプレート38を挿入可能とされている。ガセットプレート38がスリット50内に挿入された後、当該スリット50の形状に沿って斜材ブレース26がガセットプレート38に溶接される(溶接部Y)。
また、角形鋼管で形成された横材ブレース32の長手方向の一端部(柱19側)には、互いに対向する上壁部52及び下壁部54の幅方向の中央部において、当該横材ブレース32の軸心線L3に沿って矩形状のスリット56が形成されている。
このスリット56の幅寸法は、ガセットプレート38の板厚よりも若干大きくなるように形成されており、当該スリット56内にガセットプレート38を挿入可能とされている。ガセットプレート38がスリット56内に挿入された後、当該スリット56の形状に沿って斜材ブレース26がガセットプレート38に溶接される(溶接部Y)。
前述のように、ガセットプレート38は、柱19のフランジ部21側において、ウエブ部23の延長線上に溶接されている(溶接部X)。このため、ガセットプレート38の溶接部X、斜材ブレース26の溶接部Y及び横材ブレース32の溶接部Yは、柱19のウエブ部23と略同一平面上に設けられることになる。
なお、説明は割愛するが、図2に示す他のガセットプレート34、36、40、42、44においても、ガセットプレート38と略同様に、斜材ブレース24、26及び横材ブレース28、30、32がそれぞれ溶接される。
一方、図2に示されるように、柱19、20の下端面19B、20Bには、それぞれベースプレート14Bが溶接により一体化されており、当該ベースプレート14Bが基礎12に固定される。図5に示されるように、ベースプレート14Bは、平板状を成しており、ウエブ部23に沿った方向を長手方向とし、フランジ部21、22からそれぞれ張り出す長さとなるように設定されている。
図2、図4に示されるように、当該ベースプレート14Bには、柱19、20を間において、それぞれ一対の図示しない締結孔が形成されている。この締結孔内にはそれぞれアンカーボルト58が挿通され、ボルト59を介してベースプレート14Bが基礎12に固定される(締結部60、62)。
なお、柱脚側接合部としての締結部60、62のうち、締結部(第2接合部)60は、水平耐力パネル18の幅方向の外側に設けられており、締結部(第1接合部)62は水平耐力パネル18の幅方向の内側に設けられている。また、締結部60、62以外にも締結部が設けられてもよい。
ここで、ガセットプレート38は、下辺部38Aが柱19のベースプレート14Bよりも上方側に位置するように設定され、横材ブレース32は、当該ガセットプレート38の下部側に溶接され、柱19及び柱20に対して略水平に架け渡されている。つまり、横材ブレース32と基礎12の上面12Aの間には、隙間t1が設けられている。そして、当該締結部60、62は、平面視で横材ブレース32の軸心線L3と重なる位置に設定されている。
また、図2、図3に示されるように、柱19、20の上端面19A、20Aには、それぞれ柱頭プレート14Aが溶接により一体化されており、当該柱頭プレート14Aが上部梁16に固定される。柱頭プレート14Aは、ベースプレート14Bと同様に、平板状を成しており、ウエブ部23に沿った方向を長手方向とし、フランジ部21、22からそれぞれ張り出す長さとなるように設定されている。
そして、当該柱頭プレート14Aには、柱19、20を間において、それぞれ一対の図示しない締結孔が形成されている。この締結孔内にはそれぞれボルト64が挿通され、当該ボルト64を介して柱頭プレート14Aが上部梁16に固定される(締結部66、68)。
なお、柱頭側接合部としての締結部66、68のうち、締結部(第4接合部)66は、水平耐力パネル18の幅方向の外側に設けられており、締結部(第3接合部)68は水平耐力パネル18の幅方向の内側に設けられている。また、締結部66、68以外にも締結部が設けられてもよい。
ここで、ガセットプレート34は、上辺部34Aが柱19の柱頭プレート14Aよりも下方側に位置するように設定され、横材ブレース28は、当該ガセットプレート34の上部側に溶接され、柱19及び柱20に対して略水平に架け渡されている。つまり、横材ブレース28と上部梁16の下面16Aの間には、隙間t2が設けられている。そして、当該締結部66、68は、平面視で横材ブレース28の軸心線L3と重なる位置に設定されている。
(水平耐力パネルの作用及び効果)
次に、本実施形態に係る水平耐力パネル18の作用及び効果について説明する。
次に、本実施形態に係る水平耐力パネル18の作用及び効果について説明する。
図2に示されるように、本実施形態では、水平耐力パネル18において、当該水平耐力パネル18の上部18A側に設けられた斜材ブレース24は、柱19から柱20に向かうにつれて下方側へ向かって傾斜して配置されており、当該斜材ブレース24の軸心線L1と柱19の軸心線L2との交点Pが上部梁16の下面16Aから離間して配置されている。また、横材ブレース28は、柱19と柱20の間に略水平に架け渡されており、当該横材ブレース28の軸心線L3上に当該交点Pが含まれるように配置されている。
また、水平耐力パネル18の下部18C側に設けられた斜材ブレース26は、柱20から柱19に向かうにつれて下方側へ向かって傾斜して配置されており、当該斜材ブレース26の軸心線L1と柱19の軸心線L2との交点Rが基礎12の上面12Aから離間して配置されている。また、横材ブレース32は、柱19と柱20の間に略水平に架け渡されており、当該横材ブレース32の軸心線L3上に当該交点Rが含まれるように配置されている。
以上のような構成により、本実施形態では、水平耐力パネル18の上部18A側では、上部梁16から当該水平耐力パネル18の柱19、20へ伝達された荷重(特にせん断力)が横材ブレース28によって柱19と柱20に分担されると共に、斜材ブレース24によって柱19から柱20へ伝達させることができる。そして、水平耐力パネル18の中央部18Bでは、横材ブレース30によって、柱19と柱20に荷重を分担させることができる。また、水平耐力パネル18の下部18C側では、斜材ブレース26によって柱20に伝達された荷重を柱19へ伝達させると共に、当該柱19、20へ伝達された荷重(特にせん断力)を横材ブレース32によって柱19と柱20に分担させる。
つまり、本実施形態における水平耐力パネル18では、斜材ブレース24、26によって、地震、風等による横からの水平荷重に対して当該水平耐力パネル18の変形を抑制すると共に、建物10の屋根ユニット11(図1参照)から伝達された荷重を2本の柱19、20に対して略均等に分担させ、基礎12側へ伝達することが可能となる。
このように、2本の柱19、20で効率的に荷重を分担させることによって、柱19、20の柱脚部の特殊補強は軽減され、ガセットプレート38、44において、単純な納まりとすることができる。つまり、柱脚部にダイアフラムやスチフナ等の補強部材を設ける必要はなく、簡単な構成を実現することができる。
したがって、本実施形態における水平耐力パネル18では、生産性、施工性が良く、斜材ブレース24、26、及び横材ブレース28、30、32を介して一対の柱19、20で効果的に荷重を負担することができる。なお、本実施形態では、水平荷重に対して水平耐力パネル18の変形を抑制する斜材ブレースが角形鋼管(管状)で形成されている。つまり、本実施形態では、簡単な構成で斜材ブレースとして機能している。
また、水平耐力パネル18の横材ブレース28、30、32の軸心線L3、斜材ブレース24、26の軸心線L1、柱19、21の軸心線L2は、各部材の中立面に含まれる。このため、本実施形態では、横材ブレース28の軸心線L3と斜材ブレース24の軸心線L1と柱19の軸心線L2とが交わる(交点P)ように配置されると共に、横材ブレース32の軸心線L3と斜材ブレース26の軸心線L1と柱19の軸心線L2とが交わる(交点R)ように配置されることによって、荷重伝達効率が向上する。
また、本実施形態では、水平耐力パネル18の上部18A側に設けられたガセットプレート34は、柱19の柱頭側において、垂直方向を長手方向として配置され、かつガセットプレート34の上辺部34Aは水平に配置され、上辺部34Aが柱19の柱頭プレート14Aよりも下方側に位置するように設定される。
つまり、ガセットプレート34の上辺部34Aは、上部梁16の下面16Aから離間して配置されている。このため、当該ガセットプレート34に接合された横材ブレース28は、上部梁16の下面16Aから離間して配置されることになる。これにより、当該横材ブレース28が、柱19、20の上端面19A、20Aにそれぞれ取り付けられる柱頭プレート14Aと干渉しないように設定することが可能となる。
一方、水平耐力パネル18の下部18C側に設けられたガセットプレート38は、柱19の柱脚側において、垂直方向を長手方向として配置され、かつガセットプレート38の下辺部38Aは水平に配置され、下辺部38Aが柱19のベースプレート14Bよりも上方側に位置するように設定される。
つまり、ガセットプレート38の下辺部38Aは、基礎12の上面12Aから離間して配置されている。このため、当該ガセットプレート38に接合された横材ブレース32は、基礎12の上面12Aから離間して配置されることになる。これにより、当該横材ブレース32が、柱19、20の下端面19B、20Bにそれぞれ取り付けられるベースプレート14Bと干渉しないように設定することが可能となる。
したがって、本実施形態では、横材ブレース28が上部梁16の下面16Aから離間して配置され、これにより、横材ブレース28と上部梁16の下面16Aの間には、隙間t2が設けられる。また、横材ブレース32が基礎12の上面12Aから離間して配置され、これにより、横材ブレース32と基礎12の上面12Aの間には、隙間t1が設けられる。
このように、水平耐力パネル18において、横材ブレース28と上部梁16の下面16Aの間に隙間t2が設けられることによって、水平耐力パネル18を上部梁16に組付ける際に、横材ブレース28の上方側に対してボルト締結(締結部68)を行うことができる。また、横材ブレース32と基礎12の上面12Aの間に隙間t1が設けられることによって、水平耐力パネル18を基礎12に組付ける際に、横材ブレース32の下方側に対してボルト締結(締結部62)を行うことができる。
つまり、この隙間t1、t2を利用して、水平耐力パネル18を建物10(図1参照)に組付ける際の納まりを容易に行うことができる。また、作業スペースを確保することができ作業性もよくなる。一般に、水平耐力パネルにおいて、設計通りの強度を発揮するためには、適切に建物に取付ける必要があり、水平耐力パネルの柱の締結部は、柱軸心に対して均等に配置することが望ましい。このため、本実施形態によれば、水平耐力パネル18において、設計通りの強度を発揮させることが可能となる。
また、図3に示されるように、水平耐力パネル18では、柱19、20を上部梁16に接合させる締結部66、68のうち、締結部68は、横材ブレース28の上方側に設けられている。また、締結部66は、柱19、20を間において当該締結部68の反対側に設けられており、締結部68及び締結部66は、平面視で横材ブレース28の軸心線L3と重なる位置に設定されている。
これにより、本実施形態では、例えば、図示はしないが、平面視で横材ブレース28の軸心線L3と直交する線と重なる位置に接合部が設定された場合と比較して、水平耐力パネルに作用するせん断力に対して、柱頭側接合部(締結部66、68)における締結力が強くなる。
本実施形態では、締結部68及び締結部66は、平面視で横材ブレース28の軸心線L3と重なる位置に設定したが、直交する線と重なる位置に接合部設定しても良い。例えば、上部梁にH鋼を使用した場合など横材ブレース28の軸線上L3と重なる位置はH鋼のウエブがあり締結部を設定できない。このような場合は、ウエブを避けて締結部を設定する。この場合においては、締結力の強化はできないが、納まりの容易化及び作業性の向上の効果を得ることができる。
また、図4に示されるように、水平耐力パネル18では、柱19、20を基礎12に接合させる締結部60、62のうち、締結部62は、横材ブレース32の下方側に設けられている。また、締結部60は、柱19、20を間において当該締結部62の反対側に設けられており、締結部62及び締結部60は、平面視で横材ブレース32の軸心線L3と重なる位置に設定されている。
これにより、本実施形態では、例えば、図示はしないが、平面視で横材ブレース32の軸心線L3と直交する線と重なる位置に接合部が設定された場合と比較して、水平耐力パネルに作用するせん断力に対して、柱脚側接合部(締結部60、62)における接合力が強くなる。
特に、締結部60、62では、アンカーボルト58により基礎12に留め付ける(固定させる)ため、柱19、20の軸心に対して均等にアンカーボルト58を配置するのが望ましい。例えば、比較例として、図示はしないが、柱の中央にアンカーボルトを1本配置する方法もあるが、この場合、柱からの荷重を1本のアンカーボルトで負担するため、当該アンカーボルトの径は太くなり、且つ基礎定着長さも長くなり、基礎断面が大きくなってしまう。
これに対して、本実施形態では、ガセットプレート38及び当該ガセットプレート38に接合された横材ブレース32は、基礎12の上面12Aから離間して配置されるため、当該横材ブレース32が、柱19、20のベースプレート14Bと干渉しない。したがって、本実施形態では、複数本のアンカーボルトを配置する場合に効果的である。なお、締結部66、68において、締結部60、62側と略同様の効果が得られる。
さらに、図2、図5に示されるように、本実施形態では、柱19、20は、対向する一対のフランジ部21、22と、フランジ部21とフランジ部22を繋ぐウエブ部23と、を含んでそれぞれ構成されたH形鋼が用いられている。また、ガセットプレート34、36、38、40、42、44は平板状を成しており、柱19、20のウエブ部23の延長線上に溶接されている。
また、斜材ブレース24、26にはスリット50がそれぞれ形成されており、当該スリット50を介して、斜材ブレース24がガセットプレート34、42に溶接され、斜材ブレース24がガセットプレート38、42に溶接される。
さらに、横材ブレース28、30、32にはスリット56がそれぞれ形成されており、当該スリット56を介して、横材ブレース28がガセットプレート34、40に溶接され、横材ブレース30がガセットプレート36、42に溶接される。また、横材ブレース32がガセットプレート38、44に溶接される。
つまり、水平耐力パネル18では、斜材ブレース24の軸心線L1上にガセットプレート34、42が設けられ、斜材ブレース24の軸心線L1上にガセットプレート38、42が設けられている。ガセットプレート34、38、42の延長線上には、柱19、20のウエブ部23が設けられている。
また、横材ブレース28の軸心線L3上にガセットプレート34、40が設けられ、横材ブレース30の軸心線L3上にガセットプレート36、42が設けられ、横材ブレース32の軸心線L3上にガセットプレート38、44が設けられている。ガセットプレート34、36、40、42、44の延長線上には、柱19、20のウエブ部23が設けられている。
これにより、本実施形態では、斜材ブレース24に沿って伝達された荷重を、当該斜材ブレース24からガセットプレート42及び柱20のウエブ部23へ効率よく伝達させることができると共に、斜材ブレース26に沿って伝達された荷重を、当該斜材ブレース26からガセットプレート38及び柱19のウエブ部23へ効率よく伝達させることができる。
一方、水平耐力パネル18では、横材ブレース28に沿って伝達された荷重を、当該横材ブレース28からガセットプレート34及び柱19のウエブ部23、ガセットプレート40及び柱20のウエブ部23へそれぞれ効率よく伝達させることができる。
また、横材ブレース30に沿って伝達された荷重を、当該横材ブレース30からガセットプレート36及び柱19のウエブ部23、ガセットプレート42及び柱20のウエブ部23へそれぞれ効率よく伝達させることができる。
さらに、横材ブレース32に沿って伝達された荷重を、当該横材ブレース32からガセットプレート38及び柱19のウエブ部23、ガセットプレート44及び柱20のウエブ部23へそれぞれ効率よく伝達させることができる。
すなわち、本実施形態では、斜材ブレース24、26、横材ブレース28、30、32に沿って伝達された荷重を、当該斜材ブレース24、26、横材ブレース28、30、32からガセットプレート34、36、38、40、42、44のいずれかへ伝達した後、当該ガセットプレート34、36、38、40、42、44の延長線上に存在する柱19、20のウエブ部23へ伝達するため、荷重伝達効率が上がる。
なお、水平耐力パネル18では、斜材ブレース24、26以外に横材ブレース28、30、32を設けることによって、水平耐力パネル18自体の剛性を向上させることができる。また、当該横材ブレース30は必ずしも必要ではないが、横材ブレース30を設けることによって、水平耐力パネル18の高さ方向の中央部18Bの位置決めがなされる。さらに、柱19、20が長い場合、横材ブレース30を設けることによって、水平耐力パネル18の幅方向の内側において当該柱19、20の座屈変形を抑制することができる。
<その他の実施形態>
(変形例1)
(変形例1)
図2に示されるように、本実施形態では、水平耐力パネル18において、2本の斜材ブレース24、26が設けられているが、これに限るものではない。例えば、変形例1として、図6(A)に示されるように、水平耐力パネル70において、斜材ブレース72が1本であってもよい。
この場合、斜材ブレース72の軸心線L4と柱76の軸心線L5の交点をSとし、斜材ブレース72の軸心線L4と柱74の軸心線L5の交点をTとすると、横材ブレース78は、当該交点Sが当該横材ブレース78の軸心線L6上となるように配置され、横材ブレース80は、当該交点Tが当該横材ブレース80の軸心線L6上となるように配置される。
水平耐力パネル70では、柱脚側、柱頭側で斜材ブレース72と横材ブレース78、80とで交わる柱74、76が異なるが、当該水平耐力パネル70において、横材ブレース78、80を配置することによって、水平耐力パネル18と略同様の効果を得ることが可能となる。
本実施形態では、斜材ブレース72おいて、柱74、76との間で成す角度が所定の範囲内を維持できるのであれば、部材数が少ないため、水平耐力パネル70の施工性はよく、生産性も向上するため好ましい。
また、ここでは、水平耐力パネル70において、上下2本の横材ブレース78、80を配置しているが、水平耐力パネル70が負担する水平荷重から生じる軸力を考慮した場合、柱脚側に比べ柱頭側では、柱74、76に作用する応力が少ない。このため、部材断面を大きくする等、部材断面に余裕があり、横材ブレース78を配置しなくても良い場合は、当該横材ブレース78について省略することもできる。
(変形例2)
また、図2に示されるように、水平耐力パネル18では、角形鋼管で形成された管状の斜材ブレース24、26が用いられているが、これに限るものではない。例えば、図7に示されるように、水平耐力パネル82では、ターンバックル付きの一対の線状のブレース84、86を用いてもよい。
また、図2に示されるように、水平耐力パネル18では、角形鋼管で形成された管状の斜材ブレース24、26が用いられているが、これに限るものではない。例えば、図7に示されるように、水平耐力パネル82では、ターンバックル付きの一対の線状のブレース84、86を用いてもよい。
ターンバックル付きのブレース84、86では、引張力のみを負担するため、建物が受ける、左右両方向の水平荷重に対して効果が得られるようにブレース84とブレース86をX状に配置している。
ここで、本実施形態では、柱脚側に横材ブレース92が設けられている。水平耐力パネル82に横揺れの荷重が入力された場合、ブレース84又はブレース86には引張力が作用し、当該横材ブレース92が設けられていない場合、当該ブレース84又はブレース86を介して伝達された荷重が柱88又は柱90に集中してしまう場合がある。このため、当該横材ブレース92によって、柱88又は柱90に伝達された荷重を、当該横材ブレース92を介して分担させることができる。
また、本実施形態では、ブレース84の軸心線L7と柱90の軸心線L8の交点をUとし、ブレース86の軸心線L7と柱88の軸心線L8の交点をVとすると、横材ブレース92は、当該交点U、Vが当該横材ブレース92の軸心線L9上となるように配置される。この場合も水平耐力パネル18と略同様の効果を得ることができる。
当該ターンバックル付きの一対のブレース84、86では、角形鋼管の斜材ブレース24、26(図2参照)と比較して、水平耐力パネル82自体の構成を簡易的にすることができる。このため、水平耐力パネル82において、当該水平耐力パネル82の高さを変更したり、柱88と柱90との距離を変更したりする場合に、水平耐力パネル18(図2参照)に比べ比較的容易に対応することができる。つまり、水平耐力パネル82では、水平耐力パネル18よりも剛性は低くなるが、汎用性は高くフレキシブルに対応できる。
以上、本発明を実施するための一形態として一実施例を用いて説明したが、本発明はこうした一実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上述した一実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
10 建物
12 基礎
12A 上面(基礎の上面)
14 柱
14A 柱頭プレート(柱頭側接合部)
14B ベースプレート(柱脚側接合部)
16 上部梁
16A 下面(上部梁の上面)
18 水平耐力パネル
19 柱
20 柱
21 フランジ部
22 フランジ部
23 ウエブ部
24 斜材ブレース
26 斜材ブレース
28 横材ブレース
30 横材ブレース
32 横材ブレース
34 ガセットプレート(柱頭側ガセットプレート)
36 ガセットプレート
38 ガセットプレート(柱脚側ガセットプレート)
40 ガセットプレート(柱頭側ガセットプレート)
42 ガセットプレート
44 ガセットプレート(柱脚側ガセットプレート)
60 締結部(第2接合部)
62 締結部(第1接合部)
66 締結部(第4接合部)
68 締結部(第3接合部)
70 水平耐力パネル
72 斜材ブレース
74 柱
76 柱
78 横材ブレース
80 横材ブレース
82 水平耐力パネル
84 ブレース(斜材ブレース)
86 ブレース(斜材ブレース)
88 柱
90 柱
92 横材ブレース
L1 軸心線(斜材ブレースの軸心線)
L2 軸心線(柱ブレースの軸心線)
L3 軸心線(横材ブレースの軸心線)
L4 軸心線(斜材ブレースの軸心線)
L5 軸心線(柱ブレースの軸心線)
L6 軸心線(横材ブレースの軸心線)
L7 軸心線(斜材ブレースの軸心線)
L8 軸心線(柱ブレースの軸心線)
L9 軸心線(横材ブレースの軸心線)
P 交点(斜材ブレース本体の軸心線と柱の軸心線の交点)
Q 交点(斜材ブレース本体の軸心線と柱の軸心線の交点)
R 交点(斜材ブレース本体の軸心線と柱の軸心線の交点)
S 交点(斜材ブレース本体の軸心線と柱の軸心線の交点)
T 交点(斜材ブレース本体の軸心線と柱の軸心線の交点)
U 交点(斜材ブレース本体の軸心線と柱の軸心線の交点)
V 交点(斜材ブレース本体の軸心線と柱の軸心線の交点)
12 基礎
12A 上面(基礎の上面)
14 柱
14A 柱頭プレート(柱頭側接合部)
14B ベースプレート(柱脚側接合部)
16 上部梁
16A 下面(上部梁の上面)
18 水平耐力パネル
19 柱
20 柱
21 フランジ部
22 フランジ部
23 ウエブ部
24 斜材ブレース
26 斜材ブレース
28 横材ブレース
30 横材ブレース
32 横材ブレース
34 ガセットプレート(柱頭側ガセットプレート)
36 ガセットプレート
38 ガセットプレート(柱脚側ガセットプレート)
40 ガセットプレート(柱頭側ガセットプレート)
42 ガセットプレート
44 ガセットプレート(柱脚側ガセットプレート)
60 締結部(第2接合部)
62 締結部(第1接合部)
66 締結部(第4接合部)
68 締結部(第3接合部)
70 水平耐力パネル
72 斜材ブレース
74 柱
76 柱
78 横材ブレース
80 横材ブレース
82 水平耐力パネル
84 ブレース(斜材ブレース)
86 ブレース(斜材ブレース)
88 柱
90 柱
92 横材ブレース
L1 軸心線(斜材ブレースの軸心線)
L2 軸心線(柱ブレースの軸心線)
L3 軸心線(横材ブレースの軸心線)
L4 軸心線(斜材ブレースの軸心線)
L5 軸心線(柱ブレースの軸心線)
L6 軸心線(横材ブレースの軸心線)
L7 軸心線(斜材ブレースの軸心線)
L8 軸心線(柱ブレースの軸心線)
L9 軸心線(横材ブレースの軸心線)
P 交点(斜材ブレース本体の軸心線と柱の軸心線の交点)
Q 交点(斜材ブレース本体の軸心線と柱の軸心線の交点)
R 交点(斜材ブレース本体の軸心線と柱の軸心線の交点)
S 交点(斜材ブレース本体の軸心線と柱の軸心線の交点)
T 交点(斜材ブレース本体の軸心線と柱の軸心線の交点)
U 交点(斜材ブレース本体の軸心線と柱の軸心線の交点)
V 交点(斜材ブレース本体の軸心線と柱の軸心線の交点)
Claims (8)
- 一対の柱と、
前記一対の柱間に斜めに架け渡され、斜材ブレース本体の軸心線と前記柱の軸心線の交点が基礎の上面及び上部梁の下面の少なくとも一方から離間して配置された斜材ブレースと、
前記一対の柱間に略水平に架け渡され、横材ブレース本体の延長線上に前記交点が含まれるように配置された横材ブレースと、
を含んで構成された水平耐力パネル。 - 前記横材ブレースの軸心線上に前記交点が設けられている請求項1に記載の水平耐力パネル。
- 前記斜材ブレース及び前記横材ブレースを前記柱に接合させるガセットプレートをさらに含んで構成され、
前記柱の柱脚側に設けられた柱脚側ガセットプレートの下面は、前記基礎の上面から離間して配置されている請求項1又は請求項2に記載の水平耐力パネル。 - 前記斜材ブレース及び前記横材ブレースを前記柱に接合させるガセットプレートをさらに含んで構成され、
前記柱の柱頭側に設けられた柱頭側ガセットプレートの上面は、前記上部梁の下面から離間して配置されている請求項1~請求項3の何れか1項に記載の水平耐力パネル。 - 前記柱を前記基礎に接合させる柱脚側接合部は、
前記横材ブレースの下方側に設けられた第1接合部と、
前記柱を間において前記第1接合部の反対側に設けられた第2接合部と、
を含んで構成され、
前記第1接合部及び前記第2接合部は、平面視で前記横材ブレースの軸心線と略重なる位置に設定されている請求項1~請求項4の何れか1項に記載の水平耐力パネル。 - 前記柱を前記上部梁に接合させる柱頭側接合部は、
前記横材ブレースの上方側に設けられた第3接合部と、
前記柱を間において前記第3接合部の反対側に設けられた第4接合部と、
を含んで構成され、
前記第3接合部及び前記第4接合部は、平面視で前記横材ブレースの軸心線と略重なる位置に設定されている請求項1~請求項5の何れか1項に記載の水平耐力パネル。 - 前記柱は、対向する一対のフランジ部と前記一対のフランジ部間を繋ぐウエブ部とで構成されたH形鋼が用いられ、
前記斜材ブレース及び前記横材ブレースを前記柱に接合させるガセットプレートが平板状を成し前記ウエブ部の延長線上において前記フランジ部に固定されると共に、前記斜材ブレースの軸心線上及び前記横材ブレースの軸心線上に当該ガセットプレートが配置されている請求項1~請求項6の何れか1項に記載の水平耐力パネル。 - 請求項1~請求項7の何れか1項に記載の水平耐力パネルが外壁又は間仕切壁の一部に用いられた建物。
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2021
- 2021-03-09 JP JP2021037595A patent/JP2022137887A/ja active Pending
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