JP2022136821A - セラミック電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】メッキ性が良好で、かつ、素子本体に対する接合信頼性が高い焼付電極を有するセラミック電子部品を提供すること。【解決手段】本発明に係るセラミック電子部品は、ABO3で表されるペロブスカイト型化合物を主成分とするセラミック層と内部電極層とを含む素子本体と、素子本体の端面に形成してあり内部電極層の一部と電気的に接続している外部電極と、を有する。外部電極は、焼付電極層を有し、この焼付電極層が、素子本体の端面と接しており素子本体との接合境界の近傍に位置する第1領域と、第1領域の外側に位置し焼付電極層の外表面を構成している第2領域と、を有している。そして、第1領域には、少なくともB、Zn、Siを含むガラスフリットが含まれ、第2領域には、Cuよりも融点が高い酸化物が含まれている。【選択図】図2B

Description

本発明は、外部電極を有するセラミック電子部品に関する。
特許文献1に示すように、セラミック成分を含む素子本体と、当該素体の外面に形成してある外部電極と、を備えるセラミック電子部品が知られている。セラミック電子部品の外部電極としては、焼付電極が広く採用されており、焼付電極は、導体粉末とガラスフリットとを含む導電ペーストを素体表面に塗布して焼き付けることで形成できる。特許文献1では、上記のような焼付電極のうえにメッキ電極を形成することにより、外部電極のハンダ濡れ性を向上させている。
ただし、特許文献1で開示している外部電極では、メッキ不良が発生する虞がある。具体的に、焼付電極中にはガラスフリットが含まれ、焼付電極の外表面にガラスフリットが露出することがあり、メッキ電極の密着不具合や未析出などのメッキ不良が発生することがある。このようなメッキ不良を抑制するためには、焼付電極中のガラスフリットの含有量を減少させることが考えられる。しかしながら、ガラスフリットの含有量を減少させると、素体表面に対する焼付電極の接合強度が低下し、素体表面から焼付電極が剥離する虞がある。
以上のように、特許文献1に示すような従来技術では、焼付電極のメッキ性(メッキ電極の形成しやすさ)と素体に対する接合強度とを両立させることが困難であった。
特開平4-171912号公報
本発明は、このような実情を鑑みてなされ、その目的は、メッキ性が良好で、かつ、素子本体に対する接合信頼性が高い焼付電極を有するセラミック電子部品を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明に係るセラミック電子部品は、
セラミック層と内部電極層とを含む素子本体と、前記素子本体の端面に形成してあり前記内部電極層の少なくとも一端と電気的に接続している外部電極と、を有し、
前記セラミック層にはABOで表されるペロブスカイト型化合物が主成分として含まれ、
前記外部電極が、焼付電極層を有し、
前記焼付電極層が、前記素子本体の前記端面と接しており前記素子本体との接合境界の近傍に位置する第1領域と、前記第1領域の外側に位置し前記焼付電極層の外表面を構成している第2領域と、を有しており、
前記第1領域には、少なくともB、Zn、Siを含むガラスフリットが含まれ、前記第2領域には、Cuよりも融点が高い酸化物が含まれている。
本発明者は、セラミック電子部品が上記の構成を有することにより、焼付電極のメッキ性が良好となり、かつ、素子本体に対する外部電極(焼付電極)の接合信頼性が向上することを見出した。上記の効果が得られる理由は、必ずしも明らかではないが、以下に示す事由が考えられる。
まず、上記のとおり本発明のセラミック電子部品では、メッキ電極と接することとなる焼付電極層の外表面に、高融点酸化物を含む第2領域が存在している。このように外表面側に所定の高融点酸化物が存在していると、焼付電極層の外表面に、ガラスフリットなどの非金属成分が析出することを抑制できると考えられる。その結果、焼付電極のうえにメッキ電極を形成する際に、メッキ不良が生じることを抑制できる。
また、本発明のセラミック電子部品では、素子本体の端面と接合する第1領域に、所定の元素を含むガラスフリットが含まれている。当該ガラスフリットは、導体中、および、導体と素子端面との間に濡れ広がり、素子本体に対する焼付電極層の接合強度を向上させると考えられる。その結果、本発明のセラミック電子部品では、熱衝撃を受けたとしても、素子本体の端面から外部電極が剥離することを抑制できる。
特に、第1領域のガラスフリットや、第2領域の酸化物が、所定の組成比を満足する場合、外部電極(焼付電極層)のメッキ性および接合信頼性がより向上する。
すなわち、前記第1領域に含まれる前記ガラスフリットにおいて、
Bの含有量と、Znの含有量と、Siの含有量との和を1モル部とすると、
好ましくは、Znの含有量が0.20モル部~0.35モル部、Siの含有量が0.10モル部~0.30モル部、残部がBである。
また、好ましくは、前記第2領域に含まれる前記酸化物には、ZnとSiが主成分として含まれ、前記酸化物におけるSiの含有量に対するZnの含有量のモル比(Zn/Si)が、1.5~2.4である。
もしくは、好ましくは、前記第2領域に含まれる前記酸化物が、ZnSiOである。
また、好ましくは、前記素子本体の前記端面において、前記外部電極と接する前記セラミック層の端部には、境界層が存在する。そして、前記境界層には、Zn、Si、および、前記ペロブスカイト型化合物のAサイト元素が含まれていることが好ましい。
上記のようにセラミック層の端部に所定の元素を含む境界層が存在することにより、焼付電極の素子本体に対する接合信頼性がより向上する。接合信頼性がさらに向上する理由は、必ずしも明らかではないが、相互拡散現象が関係していると考えられる。具体的に、外部電極(特にガラスフリット)および素子本体(特に境界層、セラミック層)の共通元素(Zn、Si、Aサイト元素)や両者に固溶しやすい元素が、外部電極と素子本体との間で相互拡散することで、外部電極の接合強度がより向上すると考えられる。
また、上記の境界層が所定の組成を満たすことにより、外部電極の接合信頼性がさらに向上する。すなわち、前記境界層において、Znの含有量と、Siの含有量と、Aサイト元素の含有量との和を1モル部とすると、好ましくは、Aサイト元素の含有量が0.3モル部~0.45モル部、Znの含有量が0.15モル部~0.45モル部、残部がSiである。もしくは、前記境界層の主成分が、(Ca,Sr)Zn(Si)であることが好ましい。
また、好ましくは、前記焼付電極層の断面において、前記第1領域に占める導体の面積割合が、30%~60%である。焼付電極層が上記の要件を満たすことで、外部電極の接合信頼性がさらに向上する。
また、好ましくは、前記焼付電極層の断面において、前記第2領域に占める導体の面積割合が、70%~90%である。焼付電極層が上記の要件を満たすことで、外部電極のメッキ性がさらに向上する。
図1Aは、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサを示す断面図である。 図1Bは、本発明の他の実施形態に係る積層セラミックコンデンサを示す断面図である。 図2Aは、図1Aに示す領域IIAを拡大した要部断面図である。 図2Bは、図1Bに示す領域IIBを拡大した要部断面図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき詳細に説明する。
第1実施形態
本実施形態では、本発明に係るセラミック電子部品の一例として、図1Aに示す積層セラミックコンデンサ2について説明する。積層セラミックコンデンサ2は、素子本体4と、当該素子本体4の外面に形成してある一対の外部電極6と、を有する。
図1Aに示す素子本体4の形状は、通常、略直方体状であって、X軸方向で対向する2つの端面4aと、Y軸方向で対向する2つの側面4bと、Z軸方向で対向する2つの側面4bとを有する。ただし、素子本体4の形状は、特に制限されず、楕円柱状、円柱状、その他角柱状等であってもよい。また、素子本体4の外形寸法も、特に制限されず、たとえば、X軸方向の長さL0を0.4mm~5.7mm、Y軸方向の幅W0を0.2mm~5.0mm、Z軸方向の高さT0を0.2mm~3.0mmとすることができる。
なお、本実施形態において、X軸、Y軸、Z軸は、相互に垂直である。また、本実施形態において、「内側」は、積層セラミックコンデンサ2の中心により近い側を意味し、「外側」は、積層セラミックコンデンサ2の中心からより離れた側を意味する。
素子本体4は、X軸およびY軸を含む平面に実質的に平行なセラミック層10と内部電極層12とを有し、素子本体4の内部では、セラミック層10と内部電極層12とがZ軸方向に沿って交互に積層してある。ここで、「実質的に平行」とは、ほとんどの部分が平行であるが、多少平行でない部分を有していてもよいことを意味し、セラミック層10と内部電極層12とは、多少、凹凸があったり、傾いていたりしてもよい。
セラミック層10は、主成分として、一般式ABOで表されるペロブスカイト型化合物を含む。ここで、セラミック層10の主成分とは、セラミック層10全体に対して80モル%以上含有される成分を指す。本実施形態において、ペロブスカイト型化合物は、Aサイトに少なくともCaおよびSrを含むことが好ましく、ペロブスカイト型化合物の中でも、特に、ジルコン酸カルシウムストロンチウム(CSZ)をセラミック層10の主成分とすることがより好ましい。
ジルコン酸カルシウムストロンチウムは、一般的に、組成式(Ca1-xSr)m(Zr1-y-zTiHf)Oで表すことができる。上記組成式において、符号x、y、z、mは、それぞれ、元素比率を示しており、各元素比率は、特に限定されず、公知の範囲に設定することができる。
たとえば、mは、Bサイトに対するAサイトの元素比率を示しており、一般的に0.9~1.1の範囲とすることができる。また、xはAサイトに占めるSrの元素比率を示しており、0≦x≦1とすることができる。つまり、CaとSrとの比率は、任意であり、いずれか一方だけを含有していてもよい。また、Aサイトには微量にBaが含まれていてもよい。yはBサイトに占めるTiの元素比率を示し、zはBサイトに占めるHfの元素比率を示している。本実施形態では、0≦y+z≦0.1とすることが好ましい。なお、上記組成式における酸素(O)の元素比率は、化学量論組成から若干偏倚していてもよい。
また、セラミック層10には、上述した主成分の他に、副成分が含まれていてもよい。副成分としては、たとえば、Mn化合物、Si化合物、Al化合物、Mg化合物、Li化合物、B化合物などが挙げられ、副成分の種類や組み合わせ、およびその添加量は、特に限定されない。
セラミック層10の1層当たりの平均厚みTd(層間厚み)は、特に制限されず、たとえば、100μm以下とすることができ、好ましくは30μm以下である。また、セラミック層10の積層数については、所望の特性に応じて決定すればよく、特に限定されない。たとえば、20層以上、より好ましくは50層以上とすることができる。
一方、内部電極層12は、各セラミック層10の間に積層され、その積層数は、セラミック層10の積層数に応じて決定される。そして、内部電極層12の1層当たりの平均厚みTeは、特に制限されず、たとえば、3.0μm以下とすることが好ましい。
さらに、複数の内部電極層12については、一方の端部が、素子本体4のX軸方向で対向する2つの端面4aに交互に露出するように、積層してある。そして、一対の外部電極6が、それぞれ、素子本体4の一方の端面4aに形成され、交互に配置された内部電極層12の露出端に電気的に接続してある。このように内部電極層12および外部電極6を形成することで、外部電極6と内部電極層12とで、コンデンサ回路が構成される。
つまり、内部電極層12は、コンデンサ回路の一部として、各セラミック層10に電圧を印加する機能を果たす。そのため、内部電極層12の材質は、導電材を含んで構成される。具体的な材質としては、たとえば、Cu、Ni、Ag、Pd、Au、Pt、またはこれらの金属元素のうち少なくとも1種を含む合金を用いることができる。より好ましくは、内部電極層12に含まれる導電材は、セラミック層10の構成材料が耐還元性を有するため、NiまたはNi系合金である。また、NiまたはNi系合金を主成分とする場合には、Mn、Cu、Crなどから選択された1種類以上の内部電極用副成分が含有していてもよい。
なお、内部電極層12には、上記の導電材の他に、セラミック層10に含まれるセラミック成分が共材として含まれていてもよく、SやP等の非金属成分が微量に(たとえば、0.1質量%以下程度)含まれていてもよい。
図1Aに示すように、本実施形態の外部電極6は、素子本体4のX軸方向の端面4aに形成される端面部と、素子本体4の4つの側面4bにおいてX軸方向の端部に形成された延長部と、を一体的に有する。すなわち、一対の外部電極6は、それぞれ、素子本体4の端面4aから側面4bに回り込むように形成されている。なお、一対の外部電極6は、X軸方向で互いに接触しないように絶縁されている。
上述したように、本実施形態では、外部電極6の延長部が、素子本体4の4つの側面4bにそれぞれ形成してある。ただし、外部電極6の延長部は、必須ではなく、外部電極6が端面部のみで構成してあってもよい。もしくは、積層セラミックコンデンサ2を基板に面実装する場合には、外部電極6の延長部は、少なくとも基板の実装面と対向する側面4bに形成されていればよく、実装面とは反対側の側面4bには形成しなくともよい。
図2Aは、外部電極6と素子本体4との接合境界46を拡大した概略断面図である。なお、図2Aでは、一対の外部電極6のうち一方を示しているが、他方の外部電極6も図2Aと同様の特徴を有している。以下、図2Aに基づいて、本実施形態における外部電極6の詳細な特徴、および、外部電極6と素子本体4との接合状態について説明する。
図2Aに示すように、外部電極6は、導体61と非金属成分62とを含む焼付電極層6aを有しており、当該焼付電極層6aは、素子本体4の外面(端面4a)に接している。なお、外部電極6は、単一の電極層で構成してあってもよいし、複数の電極層を積層して構成してあってもよい。好ましくは、図2Aに示すように、メッキ電極層6bを有する。メッキ電極層6bを形成することにより、外部電極6のハンダ濡れ性が良好となる。
なお、複数の電極層で外部電極6を構成する場合は、素子本体4の外面と接するように上記の焼付電極層6aを形成し、その焼付電極層6aのうえに、他の焼付電極層や樹脂電極層、もしくはメッキ電極層などを形成する。図2Aでは、焼付電極層6a-Niメッキ層6b1-Snメッキ層6b2の三層構造(記載の順番に積層する)からなる外部電極6を例示している。
端面4aと接する焼付電極層6aの平均厚みTsは、5μm~200μmとすることができ、10μm~50μmとすることが好ましい。また、外部電極6が複数層で構成される場合は、外部電極6の平均厚みTtは、5μm~300μm程度とすることができ、100μm以下であることが好ましい。
本実施形態では、焼付電極層6aが、少なくとも2つの領域に分けられ、第1領域6a1および第2領域6a2を有する。
第1領域6a1は、素子本体4の端面4aと接しており、素子本体4との接合境界46の近傍に位置する。より具体的に、第1領域6a1は、接合境界46からX軸方向の外側に向かって所定距離t1の範囲内であり、所定距離t1は、焼付電極層6aの平均厚みTsに対して1/4倍~3/4倍であることが好ましい(すなわち1/4≦t1/Ts≦3/4)。
一方、第2領域6a2は、第1領域6a2の外側に位置しており、焼付電極層6aの外表面6abを構成している。より具体的に、第2領域6a2は、外表面6abからX軸方向の内側に向かって所定距離t2の範囲内であり、所定距離t2は、焼付電極層6aの平均厚みTsに対して1/4倍~3/4倍であることが好ましい(すなわち1/4≦t2/Ts≦3/4)。すなわち、第2領域6a2は、メッキ電極層6bと接する外表面近傍領域である。
なお、第1領域6a1と第2領域6a2との識別は、以下の手順に従う。すなわち、図2Aに示すような焼付電極層6aの断面において、X軸に略平行(端面4aに略垂直)に仮線を引き、その仮線に沿って所定距離t1の範囲内を第1領域6a1とし、仮線に沿って所定距離t2の範囲内を第2領域6a2とすればよい。
第1領域6a1と第2領域6a2とは、いずれも、焼付電極層6aの一部であり、導体61と、導体61中に分散した非金属成分62とを含むが、第1領域6a1と第2領域6a2とで、非金属成分62の構成や導体61の含有比などに違いがある。以下、第1領域6a1および第2領域6a2の特徴を詳述する。
第1領域6a1では、非金属成分62として、ガラスフリット621が含まれ、導体61中にガラスフリット621が分散している。なお、第1領域6a1の非金属成分62には、ガラスフリット621の他に、空隙や酸化物粒子など(図示しない)が含まれていてもよい。
このガラスフリット621は、少なくともB、Zn、Siを含む非晶質ガラスであり、ガラスフリット621の軟化温度は導体61の融点よりも低い。接合境界46に接する第1領域6a1に上記のガラスフリット621が含まれることで、焼付電極層6aの焼結性や接合強度が向上する。焼付電極層6aの形成時に、ガラスフリット621が軟化して、焼付電極層6aの内部における隙間や接合境界46の一部に入り込み、金属粉末(導体61の原料粉末)の結合や素子本体4に対する焼付電極層6aの結合を高める働きをすると考えられる。
また、ガラスフリット621は、以下の組成比を満たすことが好ましい。すなわち、Bの含有量と、Znの含有量と、Siの含有量との和を1モル部とすると、Znの含有量が0.20モル部~0.35モル部であることが好ましく、Siの含有量が0.10モル部~0.30モル部であることが好ましく、残部がB(好ましくはBの含有量が0.40モル部~0.70モル部)である。ガラスフリット621が上記の組成比を満たすことで、素子本体4に対する焼付電極層6aの接合強度がより向上する。
上述した3元素(B、Zn、Si)は、ガラスフリット621の主要元素であり、ガラスフリット621に占める酸素を除く3元素の合計含有量が、50モル%以上であることが好ましく、70モル%~80モル%であることがより好ましい。また、ガラスフリット621には、上記の主要元素の他に、セラミック層10のペロブスカイト型化合物を構成しているAサイト元素が含まれることが好ましく、Caまたは/およびSrが含まれることがより好ましい。ガラスフリット621にCaやSrなどのAサイト元素が含まれることで、焼付電極層6aの接合強度がより向上する傾向となる。
なお、ガラスフリット621におけるCaやSrなどのAサイト元素の含有量は、主要元素の合計含有量1.0モル部に対して、0.01モル部~0.2モル部であることが好ましく、0.05モル部~0.2モル部であることが好ましい。さらに、ガラスフリット621には、Al、Y、Zr、Mn、Mg、Ti、K、Na、Baなどが含まれていてもよい。
一方、第2領域6a2では、非金属成分62として、Cuよりも融点が高い高融点酸化物622が含まれ、その他に、空隙や酸化物粒子など(図示しない)が含まれていてもよい。ここで、本実施形態において「融点」とは、酸化物が融解し始める温度を意味し、状態図における固相線温度を指す。
本実施形態では、導体61の融点が、ガラスフリット621の軟化温度よりも高く、その導体61の融点よりも高融点酸化物622の融点のほうが高くなっている。メッキ電極層6bと接する第2領域6a2に上記の高融点酸化物622が含まれることで、メッキ電極層6bの未析出や密着不具合などが抑制される。高融点酸化物622により、外表面6abにおけるガラス成分の析出が抑制されたためと考えられる。
高融点酸化物622には、主成分として、ZnとSiが含まれることが好ましく、以下の組成比を満たすことがより好ましい。すなわち、高融点酸化物622において、Siの含有量に対するZnの含有量のモル比(Zn/Si)が、1.5~2.4であることがより好ましい。より具体的には、高融点酸化物622がZnSiOであることが好ましい。
上記の組成を満たす高融点酸化物622は、ガラスフリット621と接合しやすく、焼付電極層6aの焼結性や接合強度の向上に寄与する。また、上記の組成を満たす高融点酸化物622は、ガラスフリット621と接合しても、組成変動を起こし難いと考えられる。すなわち、高融点酸化物622が所定の組成を有する場合、高融点酸化物622がガラスフリット621と化学的に反応してガラス化したり、低融点化したりすることを抑制できると考えられる。その結果、焼付電極層6aの外表面6abに対するガラス成分の析出をより効果的に抑制でき、焼付電極層6aのメッキ性がより向上する。
なお、高融点酸化物622は、第2領域6a2だけでなく第1領域6a1中にも存在していてもよい。同様に、ガラスフリット621も第2領域6a2の内側に存在していてもよい。特に、第1領域6a1と第2領域6a2との間では、ガラスフリット621と高融点酸化物622とが混在し得る。
ただし、ガラスフリット621は、外表面6abに実質的に露出していないことが好ましい。換言すると、ガラスフリット621が、メッキ電極層6bと実質的に接していないことが好ましい。より具体的に、図2Aに示すような焼付電極層6aの断面において、メッキ電極層6bに対するガラスフリット621の接触箇所が、3箇所/100μm以下であることが好ましい。
上述した接触箇所の個数は、SEMなどで撮影した断面観察において、外表面6abの長さ100μm中に含まれる接触箇所の数を計測することで測定できる。なお、外表面6abの長さは、焼付電極層6aとメッキ電極層6bとの境界線の長さを意味し、当該境界線は、蛇行していたり、部分的に不明瞭となっていたりする場合がある。接触箇所の個数を測定する際には、境界線の蛇行箇所や不明瞭箇所などを正確に測定する必要はない。境界線(外表面6ab)と断面写真の1辺が実質的に平行となるように断面写真を撮影し、断面写真の幅を、境界線の長さ(外表面6abの長さ)とみなせばよい。
また、第1領域6a1の導体61と第2領域6a2の導体61とは、それぞれ組成が異なっていてもよいが、共通の組成であることが好ましい。焼付電極層6aの導体61は、CuまたはCu合金である。導体61をCu合金とする場合、導体61には、Cu以外にAl、Ni、Ag、Pd、Sn、Zn、P、Fe、Mnなどの元素が含まれ得る。そして、Cu以外の元素は、Cu100モル部に対して、5モル部以下とすることが好ましい。
第1領域6a1では、第1領域6a1の断面に占める導体61の平均面積割合A1が、30%~60%であることが好ましい。一方、第2領域6a2では、第2領域6a2の断面に占める導体61の平均面積割合A2が、70%~90%であることが好ましい。上記のように、第1領域6a1と第2領域6a2とでは、最適な導体61の含有割合が異なり、第1領域6a1のA1よりも第2領域6a2のA2のほうが大きいことが好ましく、A2/A1が、1.3~2.4であることがより好ましい。平均面積割合A1およびA2が上記の要件を満たすことで、焼付電極層6aのメッキ性と接合信頼性とを、より好適に両立させることができる。
なお、外部電極6は、SEM(走査型電子顕微鏡)またはSTEM(走査透過型電子顕微鏡)などによる断面観察で解析することができる。たとえば、導体61、ガラスフリット621、高融点酸化物622の組成は、断面観察の際に、電子線マイクロアナライザ(EPMA)による成分分析を行うことで測定できる。成分分析は、少なくとも3箇所以上で実施し、測定結果の平均値により各要素(61、621、622)の組成を算出することが好ましい。本実施形態において、EPMAで成分分析等を行う場合、X線分光器として、EDS(エネルギー分散型分光器)、もしくはWDS(波長分散型分光器)を使用することができる。
また、導体61の面積割合(A1、A2)は、SEMやSTEMなどの断面観察により得られた断面写真を画像解析することで測定できる。SEMの反射電子像やSTEMのHAADF像などで焼付電極層6aの断面を観察した場合、金属結合を有する導体61は、コントラストの明るい部分として認識でき、ガラスフリット621などの非金属成分62(その他、空隙や酸化物も含む)はコントラストの暗い部分として認識できる。そのため、焼付電極層6aの断面に占める導体61の面積割合は、断面写真を二値化するなどして、測定視野全体の面積に対するコントラストが明るい部分の面積の比率として算出できる。この面積割合の測定は、少なくとも5視野以上で実施し、その平均値を算出することが好ましい。
なお、上記のような断面観察において、第1領域6aと第2領域6a2との間には、境界が視認できる場合もあれば、境界が視認できない場合もある。そのため、第1領域6a1における平均面積割合A1を測定する場合には、観察視野を上述した所定距離t1の範囲内に設定する。同様に、第2領域6a2における平均面積割合A2を測定する場合には、観察視野を上述した所定距離t2の範囲内に設定する。
また、上記の断面観察において、導体61以外の箇所(コントラストが暗い部分)には、ガラスフリット621、高融点酸化物622、その他酸化物、空隙などを含む非金属成分62が存在する。SEMやSTEMの組成像では、酸化物とガラスの違いや、酸化物と空隙の違いを、コントラストの明暗によって判別することが容易ではない。そのため非金属成分62に占めるガラスの割合や、酸化物の割合を計測することが困難である。ただし、これらの割合を概算すると、第1領域6a1の非金属成分62としては、主としてガラスフリット621が含まれ、ガラスフリット621の個数割合が、高融点酸化物622、その他酸化物、空隙などよりも多い。また、第2領域6a2の非金属成分62としては、主として高融点酸化物622が含まれ、高融点酸化物622の個数割合が、ガラスフリット621、その他酸化、空隙などよりも多い。個数割合は、EPMAによる点分析で各領域中に含まれる非金属成分62の成分を分析することで概算できる。
次に、図1Aに示す積層セラミックコンデンサ2の製造方法の一例を説明する。
まず、素子本体4の製造工程について、説明する。素子本体4の製造工程では、焼成後にセラミック層10となる誘電体用ペーストと、焼成後に内部電極層12となる内部電極用ペーストとを準備する。
誘電体用ペーストは、たとえば以下のような方法で製造される。まず、誘電体原料を湿式混合等の手段によって均一に混合し、乾燥させる。その後、所定の条件で熱処理することで、仮焼粉を得る。次に、得られた仮焼粉に、公知の有機ビヒクルまたは公知の水系ビヒクルを加えて混練し、誘電体用ペーストを調製する。こうして得られた誘電体用ペーストを、ドクターブレード法などの手法によりシート化することで、セラミックグリーンシートを得る。なお、誘電体用ペーストには、必要に応じて、各種分散剤、可塑剤、誘電体、副成分化合物、ガラスフリットなどから選択される添加物が含有されていてもよい。
一方、内部電極用ペーストは、導電性金属またはその合金からなる導電性粉末と、公知のバインダや溶剤とを、混練して調製する。なお、内部電極用ペーストには、必要に応じて、共材としてセラミック粉末(たとえばジルコン酸カルシウムストロンチウム粉末)が含まれていてもよい。共材は、焼成過程において導電性粉末の焼結を抑制する作用を奏する。
次に、セラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷等の各種印刷法や転写法により、内部電極用ペーストを所定のパターンで塗布する。そして、内部電極パターンを形成したグリーンシートを複数層に渡って積層した後、積層方向にプレスすることでマザー積層体を得る。なお、この際、マザー積層体の積層方向の上面および下面には、セラミックグリーンシートが位置するように、セラミックグリーンシートと内部電極パターンとを積層する。
上記の工程により得られたマザー積層体を、ダイシングや押切りにより所定の寸法に切断し、複数のグリーンチップを得る。グリーンチップは、必要に応じて、可塑剤などを除去するために固化乾燥をしてもよく、固化乾燥後に水平遠心バレル機などを用いてバレル研磨してもよい。バレル研磨では、グリーンチップを、メディアおよび研磨液とともに、バレル容器内に投入し、当該バレル容器に対して回転運動や振動などを与えることで、切断時に生じたバリなどの不要箇所を研磨する。なお、バレル研磨後のグリーンチップは、水などの洗浄液で洗浄し乾燥させる。
次に、上記で得られたグリーンチップに対して、脱バインダ処理および焼成処理を施し、素子本体4を得る。
脱バインダ処理の条件は、セラミック層10の主成分組成や内部電極層12の主成分組成に応じて適宜決定すればよく、特に限定されない。たとえば、昇温速度を好ましくは5~300℃/時間、保持温度を好ましくは180~400℃、温度保持時間を好ましくは0.5~24時間とする。また、脱バインダ雰囲気は、空気もしくは還元性雰囲気とする。
焼成処理の条件は、セラミック層10の主成分組成や内部電極層12の主成分組成に応じて適宜決定すればよく、特に限定されない。たとえば、焼成時の保持温度は、好ましくは1200~1400℃、より好ましくは1220~1300℃であり、その保持時間は、好ましくは0.5~8時間、より好ましくは1~3時間であり、昇温速度および冷却速度(降温速度)は好ましくは50~500℃/時間である。また、焼成雰囲気は、還元性雰囲気とすることが好ましく、雰囲気ガスとしてはたとえば、NとHとの混合ガスを加湿して用いることができる。さらに、内部電極層12をNiやNi合金等の卑金属で構成する場合には、焼成雰囲気中の酸素分圧を、1.0×10-14~1.0×10-10MPaとすることが好ましい。
焼成後、得られた素子本体10に対し、必要に応じて、再酸化処理(アニール)を行ってもよい。アニール条件は、たとえば、アニール時の酸素分圧を焼成時の酸素分圧よりも高い酸素分圧とし、保持温度を1150℃以下とすることが好ましい。
上記した脱バインダ処理、焼成処理およびアニール処理において、Nガスや混合ガス等を加湿するためには、たとえばウェッター等を使用すればよく、この場合、水温は5~75℃程度が好ましい。また、脱バインダ処理、焼成処理およびアニール処理は、連続して行なっても、独立に行なってもよい。
次に、上記で得られた素子本体4の外面に、焼付電極層6aを形成する。焼付電極層6aの形成では、まず、第1領域6a1を構成するための第1導電性ペーストと、第2領域6a2を構成するための第2導電性ペーストとを準備する。第1導電性ペーストには、焼き付け処理後に導体61となる金属粉末とガラスフリット621とが含まれる。一方、第2導電性ペーストには、焼き付け処理後に導体61となる金属粉末と高融点酸化物622の粉末とが含まれる。なお、第1導電性ペーストおよび第2導電性ペーストには、上記の他に、適宜、バインダ、溶剤、分散剤、可塑剤、酸化物粉末などの副成分原料などが含まれ得る。
ペーストに添加するガラスフリット621は、たとえば、以下に示す手順により製造することができる。まず、ZnO粉末、SiO粉末、B粉末、CaCO粉末、SrCO粉末、その他酸化物粉末などの出発原料を所定の比率で混ぜ合わせた後、この混合物を坩堝に投入した状態で加熱し溶融させる。そして、溶融した混合物を水中に滴下して急冷させることで、ガラスを得る。その後、得られたガラスを、乳鉢やボールミルなどを用いて所定の粒径に粉砕することで、ガラスフリット621が得られる。この際、ガラスフリット621の組成は、出発原料の配合比により調整すればよい。一方、高融点酸化物622については、ZnO粉末、SiO粉末などの出発原料を所定の比率で混ぜ合わせた後、仮焼きし、所定の粒径に粉砕することで製造できる。高融点酸化物622の組成は、出発原料の配合比により調整すればよい。
また、導体61の面積割合A1、A2は、各導電性ペーストに添加する金属粉末の配合比により調整すればよい。
また、各導電性ペーストで使用するバインダや溶剤、分散剤は、特に限定されず誘電体用ペーストと同様の材質を使用することができる。たとえば、バインダは、アクリル、ブチラール、エチルセルロース等の通常の各種バインダから適宜選択することができ、溶剤は、アルコール、メチルエチルケトン、アセトン、トルエン、ターピネオール、ブチルカルビトール等の各種有機溶剤や水系溶剤から適宜選択することができる。
上述した2種類の導電性ペーストを準備した後、ディップ法または印刷法により、素子本体4の外面に第1導電性ペーストを塗布し乾燥させる。そして、素子本体4を、700℃~1000℃の温度で、0.1時間~3時間保持することで、第1導電性ペーストを焼付処理する。その後、ディップ法または印刷法により、焼き付けた第1導電性ペーストのうえに、第2導電性ペーストを塗布し乾燥させる。そして、素子本体4を、700℃~1000℃の温度で、0.1時間~3時間保持することで、第2導電性ペーストを焼付処理する。これにより、所定の第1領域6a1と第2領域6a2とを有する焼付電極層6aを形成することができる。なお、上記の工法では、第1導電性ペーストと第2導電性ペーストとを、別途、焼付処理したが、これらを同時に焼付処理してもよい。
焼付電極層6aの形成後は、電解メッキや無電解メッキなどのメッキ処理を施すことで、焼付電極層6aのうえにメッキ電極層6bを形成することができる。なお、焼付電極6aの上に樹脂電極を形成してもよく、この場合は、ディップ法や印刷法などにより、熱硬化性樹脂を含む樹脂電極用導電性ペーストを、焼付電極6aを覆うように塗布し、その後、硬化処理を施せばよい。樹脂電極の上にさらにメッキ電極層を形成してもよい。
以上の工程により、外部電極6を有する積層セラミックコンデンサ2が得られる。
得られた積層セラミックコンデンサ2は、ハンダ(溶融ハンダ、ハンダクリーム、ハンダペーストを含む)または導電性接着剤を用いて、プリント配線板などの基板に面実装することができ、各種電子機器等に使用される。もしくは、積層セラミックコンデンサ2は、ワイヤ状のリード端子や板状の金属端子を介して、基板に実装することも可能である。
(第1実施形態のまとめ)
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ2には、Cuを含む導体61と、当該導体61中に分散した非金属成分62とを含む焼付電極層6aを有している。この焼付電極層6aは、素子本体4の端面4aと接する第1領域6a1と、メッキ電極層6bと接する第2領域6a2とを有し、第1領域6a1に所定の元素を含むガラスフリット621が含まれ、第2領域6a2にCuよりも融点が高い高融点酸化物622が含まれている。
本発明者は、積層セラミックコンデンサ2が上記の構成を有することにより、焼付電極層6aのメッキ性が良好となり、かつ、素子本体に対する外部電極6の接合信頼性が向上することを見出した。すなわち、本実施形態の積層セラミックコンデンサ2では、メッキ不良が抑制され、外部電極6のハンダ濡れ性が良好となる。また、積層セラミックコンデンサ2は、熱衝撃を受けたとしても、素子本体4の端面4aから外部電極6が剥離することを抑制できる。
特に、ガラスフリット621、または、高融点酸化物622が、所定の組成比を満たすことで、焼付電極層6aのメッキ性と接合信頼性とを、より好適に両立させることができる。
上記の効果が得られる理由は、必ずしも明らかではないが、以下に示す事由が考えられる。
まず、本実施形態では、メッキ電極層6bと接する焼付電極層6aの外表面6abに高融点酸化物622を含む第2領域6a2が存在している。このように、外表面6abの近傍に高融点酸化物622が存在することで、焼付電極層6aの外表面6abに、ガラスフリット621が析出することを抑制できると考えられる。その結果、焼付電極層6aのうえにメッキ電極層6bを形成する際に、メッキ不良が生じることを抑制できる。
また、本実施形態では、素子本体4の端面4aと接合する第1領域6a1に、所定の元素を含むガラスフリット621が含まれている。当該ガラスフリット621は、焼き付け時に軟化して、導体61中、および、導体61と端面4aとの間に入り込み、素子本体4に対する焼付電極層6aの接合強度を向上させると考えられる。その結果、積層セラミックコンデンサ2では、熱衝撃を受けたとしても、素子本体4の端面4aから外部電極6が剥離することを抑制できる。
第2実施形態
以下、図1Bおよび図2Bに基づいて、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態における第1実施形態と共通の構成に関しては、説明を省略し、同様の符号を使用する。
第2実施形態では、外部電極6と素子本体4のセラミック層10との間に、境界層14が介在している(図2B参照)。この境界層14は、セラミック層10のX軸方向の端部に存在しており、素子本体4における端面4aの最表面の一部を構成している。なお、図1Bでは記載を省略しているが、外部電極6が、端面4aから側面4bの一部に跨って形成してある場合は、境界層14は、端面4a以外に、側面4bの最表面にも存在することが好ましい。
図2Bに示す断面では、内部電極層12が、境界層14を貫通して端面4aに露出しており、この露出した内部電極層12の端部が、外部電極6の焼付電極層6a(特に導体61)と電気的に接合している。ただし、X-Z断面を観察した場合、端面4aでは、境界層14が一部の内部電極層12の端部(X軸方向の端部)を覆っている箇所が存在していてもよい。各内部電極層12は、Y軸方向に沿って存在しており、各内部電極層12の端部が、一部でも境界層14を貫通し焼付電極層6aと直に接していれば、端部が部分的に境界層14で覆われていたとしても、各内部電極層12と外部電極6との電気的接合は確保できる。また、外部電極6の一部が境界層14の内部に入り込んでいてもよく、外部電極6と素子本体4の端面4a(境界層14や内部電極層12)との接合境界46は、不明瞭であってもよい。
また、境界層14のX軸方向の平均長さLr(平均厚み)は、0.5μm~10μmであることが好ましく、1μm~5μmであることがより好ましい。
境界層14は、所定の元素を含む酸化物を主成分とすることが好ましい。境界層14の主成分とは、境界層14全体に対して、50モル%以上含有される成分を指す。また、所定の元素とは、Zn、Si、および、セラミック層10に含まれるペロブスカイト型化合物のAサイト元素(好ましくは、Caまたは/およびSr)である。
また、境界層14の主成分酸化物は、ガラス化していない結晶質の酸化物であることが好ましく、具体的に以下の組成を満たすことが好ましい。すなわち、Znの含有量と、Siの含有量と、Aサイト元素の含有量との和を1モル部とすると、Aサイト元素の含有量が0.3モル部~0.45モル部であることが好ましく、Znの含有量が0.15モル部~0.45モル部であることが好ましく、残部がSi(好ましくは0.2モル部~0.45モル部)である。
そして、上記の組成比を満たす酸化物の中でも、特に、(Ca,Sr)Zn(Si)が境界層14に含まれることが好ましい。なお上記組成式におけるCa、Srの比率は、特に限定されない。
また、境界層14には、上述した主成分酸化物の他に、その他の化合物として、ZrO、または/および、セラミック層10の主成分化合物(ペロブスカイト型化合物)などが含まれることが好ましい。上記化合物は、境界層14を形成するための原料ペースト中に意図的に添加することで、境界層14中に含まれ得る。ただし、上記化合物は、セラミック層10から拡散して、境界層14に侵入することも考えられ、境界層14における上記化合物の含有量は、特に限定されない。
なお、境界層14には、さらに、Al、Ti、Ca、Bなどを含む微量化合物が含まれていてもよい。また、境界層14には、CuやNiなどの導電性の金属成分が含まれていてもよい。微量化合物や金属成分の含有量は特に限定されない。
上記の特徴を有する境界層14は、素子本体4のセラミック層10と焼付電極層6aとの接合強度を向上させる機能を有する。特に、焼付電極層6aに含まれるガラスフリット621の一部が、境界層14の一部に、直に接することで、端面4aに対する焼付電極層6aの接合強度がより向上する。ガラスフリット621と境界層14は、いずれも、Zn、Si、およびAサイト元素(Ca、Sr)を含んでおり、これら共通要素が、ガラスフリット621と境界層14との間で相互拡散することで、焼付電極層6aの接合強度が向上すると考えられる。
また、境界層14に直に接しているガラスフリット621の粒子は、アンカー効果が得られる形状であることが好ましい。「アンカー効果が得られる粒子形状」とは、粒子が境界層14の外面(Y-Z面)に沿って薄く広がるのではなく、図2Bに示すように、粒子が、境界層14の外面から焼付電極層6aの内側に向かって(すなわちX軸方向の外側に向かって)、3次元的に広がることを意味する。すなわち、接合境界46に位置するガラスフリット621の粒子が、接合境界46から導体61の隙間に向かって入り込むことで、フックの返しが食い込むようにアンカー効果が得られ、素子本体4に対する外部電極6の接合強度がより向上する。なお、上記のアンカー効果は、焼付電極層6aの原料ペーストに添加するガラスフリットの粒子形状を制御することにより実現できる。
なお、境界層14は、焼付電極層6aと同様に、SEMやSTEMなどによる断面観察により解析することができる。たとえば、境界層14の平均長さLrは、断面写真を画像解析することで測定できる。また、境界層14の組成は、EPMAによる成分分析により測定できる。
また、境界層14は、第1導電性ペーストを高温焼付処理するか、もしくは、境界層用ペーストを使用して形成することができ、境界層用ペーストを使用する方法を採用することが好ましい。なお、境界層14は、ペーストを用いずに、各種蒸着法によるセラミックコーティングにより形成してもよい。
高温焼付処理を採用する場合は、保持温度を800℃超過(より好ましくは850℃以上)1100℃以下とすることが好ましく、保持時間を0.5時間~3時間とすることが好ましい。通常の焼付処理よりも、より高い温度で第1導電性ペーストを焼き付けるか、もしくは、長時間かけて第1導電性ペーストを焼き付けることにより、境界層14が形成される。
境界層用ペーストを使用する場合は、焼成前のグリーンチップの外面、もしくは、焼成後の素子本体4の外面に、境界層用ペーストを塗布して焼き付けることで、境界層14を形成することができる。
この場合、境界層用ペーストには、境界層用原料粉末と、バインダ、溶剤が含まれ、その他必要に応じて、分散剤、可塑剤などを添加してもよい。境界層用原料粉末は、ZnO粉末と、SiO粉末と、B粉末、CaCO粉末、SrCO粉末などの出発原料を所定の比率で混合した後、仮焼きし粉砕することで得られる。境界層用原料粉末には、上記の他に、セラミック層10の主成分である誘電体化合物の粉末、ZrO粉末、Alなどの微量化合物の粉末、Cu粉末、Ni粉末またはCuやNiなどを含む合金粉末などを添加してもよい。
グリーンチップまたは素子本体4への境界層用ペーストの塗布方法としては、ディップ法、スクリーン印刷などの各種印刷法、ディスペンサーなどを用いた塗布法、スプレーを用いた噴霧法などを適用することができる。また、境界層用ペーストは、少なくとも端面4aに塗布し、その他、側面4bの一部に塗布してもよい。この際、境界層用ペーストの塗布量を制御することで、境界層14の平均長さLr(平均厚み)を調整することができる。
素子本体4に境界層用ペーストを塗布した場合は、塗布後に境界層用ペーストを乾燥させ、700℃~1000℃の温度で、0.1時間~3時間、焼き付け処理し、境界層14を形成する。この場合、境界層用ペーストの焼き付けは、第1導電性ペーストの焼き付けと同時に実施してもよい。境界層14の平均長さLrは、焼き付け処理の条件にも影響される。焼き付け処理時の温度を低く設定したり、保持時間を短くしたりすると、平均長さLrが小さくなる(平均厚みが薄くなる)傾向となる。平均長さLrは、上記の他に、境界層用ペーストの塗布量などにも影響され得る。なお、グリーンチップに対して境界層用ペーストを塗布した場合は、グリーンチップの焼成時に、境界層用ペーストが焼き付けられる。
なお、ペーストを使用して境界層を形成する場合、ペーストの塗布前、または/および、ペーストの焼付後に、素子本体4の端面4aに対してサンドブラスト処理または湿式バレル研磨を施すことが好ましい。サンドブラスト処理や湿式バレル研磨では、内部電極層12の端部よりもセラミック成分(セラミック層10または境界層14)が選択的に研磨され、端面4aの最表面に内部電極層12の端部が露出しやすくなる。つまり、サンドブラスト処理または湿式バレル研磨を実施することで、外部電極6に対する内部電極層12の電気的接合がより良好となる。なお、サンドブラスト処理や湿式バレル研磨を実施しない場合であっても、外部電極6と内部電極層12との導通はある程度確保できる。なぜならば、内部電極層12の導電材と外部電極6の導電材とが反応した後に、ガラスフリット621と、境界層14を構成する酸化物と、セラミック層10の主成分(ABO)とが反応するため、内部電極層12のX軸方向の端部に境界層用ペーストによる酸化物が形成されにくいからである。
(第2実施形態のまとめ)
第2実施形態の積層セラミックコンデンサ2において、焼付電極層6aとセラミック層10との間には、所定の元素を含む境界層4が存在する。境界層14が存在することにより、外部電極6の接合信頼性がさらに向上する。当該効果が得られる理由は、必ずしも明らかではないが、相互拡散現象が接合信頼性の向上に寄与していると考えられる。
具体的に、積層セラミックコンデンサ2では、境界層14が外部電極6との接合部に介在していることにより、素子本体4と外部電極6との間においてCa、Sr、Zn、Siなどが共通要素となる。このように、複数の共通要素が存在することにより、焼付電極層6aと境界層14との間では、複数の共通要素が相互拡散すると考えられる。その結果、素子本体4に対する外部電極6の接合強度が向上する。
特に、境界層14が所定の組成比を満足することで、境界層14は、素子本体4と外部電極6との間に生じる熱応力を緩和する働きを示すと考えられる。非晶質のガラスフリット621を含む焼付電極層6aと、結晶質のセラミック層10とでは、線膨張係数に差がある。一方で、境界層14が所定の組成を有する場合は、境界層14がセラミック層10に近似した線膨張係数を有することとなり、外部電極6と素子本体4との線膨張係数差が、境界層14が存在しない場合に比べて小さくなると考えられる。その結果、素子本体4と焼付電極6aとの接合境界46では、熱応力が発生し難くなり、熱衝撃に対する耐性がさらに向上すると考えられる。
なお、第2実施形態の積層セラミックコンデンサ2は、境界層14を有すること以外は、第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
たとえば、本実施形態では、セラミック電子部品として積層セラミックコンデンサ2を例示したが、本発明のセラミック電子部品は、たとえば、バンドパスフィルタ、積層三端子フィルタ、圧電素子、サーミスタ、バリスタなどであってもよい。
また、本実施形態では、セラミック層10と内部電極層12とをZ軸方向に積層したが、積層方向は、X軸方向もしくはY軸方向であってもよい。その場合、内部電極層12の露出面に合わせて外部電極6を形成すればよい。また、素子本体4は、必ずしも積層体である必要はなく、単層であってもよい。さらに、内部電極層12は、スルーホール電極を介して、素子本体4の外面に引き出されていてもよく、この場合、スルーホール電極と外部電極6とが電気的に接合する。
以下、本発明をさらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
(実験1)
実験1では、以下に示す手順で、実施例1、2に係る積層セラミックコンデンサ2を作製した。まず、誘電体用ペーストと内部電極用ペーストを作製し、これらペーストを用いて、シート法によりグリーンチップを製造した。この際、セラミック層10の主成分となる誘電体原料として、実施例1および実施例2では、ジルコン酸カルシウムストロンチウム(組成式:(Ca0.7Sr0.3)(Zr0.96Ti0.04)O)を用いた。また、各実施例では、いずれも、セラミック層10の副成分として、SiO、MnO、Alなどを添加し、内部電極層12の主成分はNiとした。
次いで、上記で得られたグリーンチップに対して、実施形態で述べた条件で脱バインダ処理を施し、その後、焼成処理することで素子本体4を得た。焼成処理の条件は、保持温度:1300℃、保持時間:2時間、雰囲気ガス:加湿したN+H混合ガスとした。そして、上記の素子本体4に対して、実施形態で述べた条件でアニール処理を施した。
次に、焼付電極層用の第1導電性ペーストと第2導電性ペーストとを準備した。実施例1の第1導電性ペーストには、導体61を構成するCu粉末と、非金属成分62としてB-Zn-Si系ガラスフリット621とを添加した。一方、実施例2の第1導電性ペーストには、導体61を構成するCu粉末と、非金属成分62としてB-Zn-Si-Ca-Sr系ガラスフリット621とを添加した。また、実施例1および実施例2では、いずれも、第2導電性ペーストに、Cu粉末と、ZnSiO粉末(高融点酸化物622)とを添加した。
次に、上記の第1導電性ペーストを、ディップ法により素子本体4の外面(端面4aおよび側面4bの一部)に塗布し、乾燥させた。その後、素子本体4を800℃で、0.5時間保持して、第1導電性ペーストを焼き付け、焼付電極層6aの一部を形成した。さらに、第1導電性ペーストを焼き付けた上に、第2導電性ペーストをディップ法により塗布し、乾燥させた。その後、素子本体4を800℃で、0.5時間保持して、第2導電性ペーストを焼き付け、第1領域6a1と第2領域6a2とを有する焼付電極層6aを形成した。
また、焼付電極層6aの上には、Niメッキ電極層およびSnメッキ電極層を形成した。このようにして、外部電極6が形成されたコンデンサ試料(積層セラミックコンデンサ2)を得た。なお、コンデンサ試料は、各実施例1、2につき300個以上、製造した。
実験1の各実施例1、2では、いずれも、コンデンサ試料における素子本体4の寸法が、L0×W0×T0=2.0mm×1.25mm×1.25mmであった。また、内部電極層12に挟まれたセラミック層10の積層数は、80とした。
また、各実施例1、2に係るコンデンサ試料から破壊検査用のサンプルを抽出し、当該サンプルを用いてSEMによる断面観察を行った。具体的に、抽出したサンプルをX-Z面に沿って切断し、当該断面を鏡面研磨した後、SEMによりセラミック層10の平均厚みTd、内部電極層12の平均厚みTe、焼付電極層6aの平均厚みTs、端面側における外部電極6の平均厚みTtを測定した。実施例1、2の測定結果は、いずれも下記のとおりであった。
セラミック層10の平均厚みTd:10μm
内部電極層12の平均厚みTe:1.5μm
焼付電極層6aの平均厚みTs:36μm
外部電極6の平均厚みTt:46μm
また、上記の断面観察では、EPMAにより焼付電極層6aに含まれる導体61、非金属成分62(ガラスフリット621、高融点酸化物622)の成分分析を実施した。その結果、いずれの実施例でも、原料ペースト(第1導電性ペースト、第2導電性ペースト)に添加した原料粉末の組成と、測定結果が概ね一致していることが確認できた。なお、断面観察では、すべての実施例で、第1領域6a1にガラスフリット621が含まれ、第2領域6a2に高融点酸化物622が含まれていることが確認できた。
実験1では、作製したコンデンサ試料のメッキ性(メッキ不良の有無)を評価するために、ハンダ濡れ性試験を実施した。また、作製したコンデンサ試料における外部電極6の接合信頼性を評価するために、熱衝撃試験(冷熱サイクル試験)を行った。以下、詳細を説明する。
ハンダ濡れ性試験
ハンダ濡れ性試験では、まず、試験の前処理として、コンデンサ試料を、温度:105℃-相対湿度100%RHで管理した恒温槽(PCT槽)内に、4時間保持した。その後、コンデンサ試料を、245℃のハンダ槽に3秒間浸漬させた。この際、Sn-Ag-Cuのハンダを使用し、コンデンサ試料の端面側0.1mmをハンダ槽に浸漬させた。そして、コンデンサ試料をハンダ槽から引き上げた後、コンデンサ試料の端面4aを観察し、端面4aに対してハンダが濡れ広がった面積を測定した。
ここで、ハンダの濡れ広がり面積とメッキ性との関係について説明しておく。メッキ不良としては、メッキ電極の剥がれや膨れなどの密着異常や、シミ、斑、ピット、ピンホールなどの未析出異常や、異物付着による異常などが挙げられる。このようなメッキ不良を存在する場合、メッキ電極のハンダに対する濡れ性が低下する傾向となる。そのため、上述したように、端面に対するハンダの濡れ広がり面積を計測することで、メッキ不良の有無や、メッキの形成しやすさを間接的に評価できる。
本実施例のハンダ濡れ性試験では、端面4aに対してハンダが濡れ広がった面積が95%以上である場合を合格とし、95%未満を不合格とした。当該試験は、各実施例につき10個のコンデンサ試料に対して実施し、不合格となったサンプルの比率(NG比率)を算出した。評価結果を表1に示す。
気槽式熱衝撃試験
気槽式熱衝撃試験では、1サイクルあたり、コンデンサ試料を、-55℃の気槽で30分保持した後、150℃の気槽で30分保持することとし、これを1000サイクル繰り返した。当該試験では、静電容量の減衰率に基づいて合否を判断することとし、試験前の静電容量Cαに対する試験後の静電容量Cβの比率(Cβ/Cα)が、0.9(90%)以上であるサンプルを合格、0.9未満であるサンプルを不合格とした。実験1では、各実施例につき、80個のサンプルに対して上記の試験を行い、不合格となったサンプルの比率(NG比率)を算出した。評価結果を表1に示す。
実験1では、上記の実施例1、2の他に、比較例1、2に係るコンデンサ試料を製造した。
比較例1
比較例1では、第1導電性ペーストのみで焼付電極層を形成したコンデンサ試料を製造した。比較例1の第1導電性ペーストには、Cu粉末と、B-Zn-Si-Ca-Sr系ガラスフリットを添加し、高融点酸化物は添加しなかった。そして、当該第1導電性ペーストのみを素子本体4の外面に塗布し、焼き付けることで、焼付電極層を形成した。この際、第1導電性ペーストのみを原料とする焼付電極層の平均厚みが、実施例1、2における焼付電極層6aの平均厚みTsと同程度となるように、ペーストの塗布量を制御した。比較例1において、第2導電性ペーストを使用しないこと以外の製造条件は、上述した実施例1、2と同様であり、比較例1についても実施例1、2と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
比較例2
比較例2では、第2導電性ペーストのみで焼付電極層を形成したコンデンサ試料を製造した。比較例2の第2導電性ペーストには、Cu粉末と、ZnSiO粉末を添加し、ガラスフリットは添加しなかった。そして、当該第2導電性ペーストのみを素子本体4の外面に塗布し、焼き付けることで、焼付電極層を形成した。この際、第2導電性ペーストのみを原料とする焼付電極層の平均厚みが、実施例1、2における焼付電極層6aの平均厚みTsと同程度となるように、ペーストの塗布量を制御した。比較例2において、第1導電性ペーストを使用しないこと以外の製造条件は、上述した実施例1、2と同様であり、比較例2についても実施例1、2と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 2022136821000002
表1に示すように、所定の高融点酸化物を含まない焼付電極層を形成した比較例1では、ハンダ濡れ性試験のNG比率が2/10であった。また、所定のガラスフリットを含まない焼付電極層を形成した比較例2では、気槽式熱衝撃試験のNG比率が2/80であった。この結果から、従来技術では、メッキ性と接合信頼性とを両立して満足させることが困難であることがわかる。
一方、本発明に係る実施例1、2では、いずれも、ハンダ濡れ性試験のNG率および気槽式熱衝撃試験のNG率が0%であり、メッキ性および接合信頼性が比較例1、2よりも向上した。この結果から、焼付電極層6aにおいて、接合境界46近傍に所定のガラスフリット621が含まれ、メッキ電極層6bとの界面近傍(外表面6ab近傍)に所定の高融点酸化物が含まれることで、メッキ性と接合信頼性とを両立して向上できることが確認できた。
(実験2)
実験2では、第1領域6a1に含まれるガラスフリット621の組成を変更して、実施例3~5に係るコンデンサ試料を製造した。具体的に、実験2では、B粉末と、ZnO粉末と、SiO粉末とを出発原料として、これら出発原料を混合し仮焼きした後、粉砕することで、ガラスフリット621を得た。この際、出発原料の配合比を調整することで、ガラスフリット621に含まれるB、Zn、Siの含有量を制御した。そして、上記で得られたガラスフリット621を用いて第1導電性ペーストを調製し、実験1の実施例1と同じ方法でコンデンサ試料を製造した。すなわち、実施例3~5では、第2領域6a2にZnSiO粉末(高融点酸化物622)が含まれていた。
得られたコンデンサ試料に含まれるガラスフリット621の組成は、SEM-EPMAによる成分分析により測定した。各実施例3~5の測定結果を表2に示す。
また、実験2では、実験1と同様に、ハンダ濡れ性試験および気槽式熱衝撃試験を実施した。評価結果を表2に示す。
Figure 2022136821000003
表2に示すように、実施例3~5では、ハンダ濡れ性試験および気槽式熱衝撃試験のNG率が、いずれも0%であった。この結果から、ガラスフリット621の組成が実施例3~5の範囲内である場合は、メッキ性と接合信頼性とを両立して満足できることが確認できた。
(実験3)
実験3では、第2領域6a2に含まれる高融点酸化物622の組成を変更して、実施例6、7に係るコンデンサ試料を製造した。具体的に、実験3では、ZnO粉末と、SiO粉末とを出発原料として、これら出発原料を混合し仮焼きした後、粉砕することで、高融点酸化物622の粉末を得た。この際、出発原料の配合比を調整することで、高融点酸化物622に含まれるZn、Siの含有量を制御した。そして、上記で得られた粉末を用いて第2導電性ペーストを調製し、実験1の実施例1と同じ方法でコンデンサ試料を製造した。すなわち、実施例6、7では、第1領域6a1にB-Zn-Si系のガラスフリット621が含まれていた。
得られたコンデンサ試料に含まれる高融点酸化物622の組成は、SEM-EPMAによる成分分析により測定した。各実施例6、7の測定結果を表3に示す。
また、実験3では、実験1と同様に、ハンダ濡れ性試験および気槽式熱衝撃試験を実施した。評価結果を表3に示す。
Figure 2022136821000004
表3に示すように、実施例6、7では、ハンダ濡れ性試験および気槽式熱衝撃試験のNG率が、いずれも0%であった。この結果から、高融点酸化物622の組成が実施例6、7の範囲内である場合は、メッキ性と接合信頼性とを両立して満足できることが確認できた。
(実験4)
実験4では、境界層14を形成していない実施例11に係るコンデンサ試料と、境界層14を形成した実施例12~14に係るコンデンサ試料とを、製造し、境界層14の有無による接合信頼性への影響を評価した。
実施例11
実施例11では、実験1の実施例1と同じ条件で、コンデンサ試料を製造した。すなわち、実施例11では、焼付電極層6aの第1領域6a1にB-Zn-Si系のガラスフリット621が含まれ、焼付電極層6aの第2領域6a2にZnSiOからなる高融点酸化物622が含まれていた。
実施例12
実施例12では、第1導電性ペーストを高温焼付処理することで、焼付電極層6aとセラミック層10との間に境界層14を形成した。具体的に、第1導電性ペーストを、温度900℃で、0.5時間保持することで焼付処理した。上記以外の実験条件は、実施例11と同様として実施例12に係るコンデンサ試料を得た。
上記で得られたコンデンサ試料の断面を、実験1と同様の方法で、SEM観察したところ、実施例12では、平均長さLrが1.5μmの境界層14が形成されていることが確認でき、当該境界層14には、(Ca,Sr)ZnSiが含まれていることが確認できた。
実施例13
実施例13では、焼成前のグリーンチップに対して境界層用ペーストを塗布し、グリーンチップの焼成処理と同時に、境界層用ペーストを焼き付けることで、焼付電極層6aとセラミック層10との間に境界層14を形成した。この際、境界層用ペーストには、(Ca,Sr)Zn(Si)粉末を添加しており、当該粉末は、CaCO粉末と、SrCO粉末と、ZnO粉末と、SiO粉末とを出発原料として仮焼き処理することで得た。なお、実施例13では、焼成後の素子本体4の端面4aに湿式バレル研磨を施した。上記以外の実験条件は、実施例11と同様として実施例13に係るコンデンサ試料を得た。
実施例13に係るコンデンサ試料の断面を、実験1と同様の方法で、SEM観察したところ、実施例13では、平均長さLrが1.8μmの境界層14が形成されていることが確認でき、当該境界層14には、表4に示す組成の酸化物が含まれていることが確認できた。
実施例14
実施例14では、焼成後の素子本体4の外面に対して境界層用ペーストを塗布し、900℃で、0.5時間焼付処理することで、焼付電極層6aとセラミック層10との間に境界層14を形成した。この際、境界層用ペーストには、(Ca,Sr)Zn(Si)粉末を添加しており、当該粉末は、CaCO粉末と、SrCO粉末と、ZnO粉末と、SiO粉末とを出発原料として仮焼き処理することで得た。なお、実施例14では、境界層用ペーストを塗布する前に、素子本体4の端面4aに湿式バレル研磨を施した。上記以外の実験条件は、実施例11と同様として実施例14に係るコンデンサ試料を得た。
実施例14に係るコンデンサ試料の断面を、実験1と同様の方法で、SEM観察したところ、実施例14では、平均長さLrが1.9μmの境界層14が形成されていることが確認でき、当該境界層14には、表4に示す組成の酸化物が含まれていることが確認できた。
実験4では、各実施例の接合信頼性を評価するために、実験1と同様の方法で、気槽式熱衝撃試験を実施した。さらに、実験4では、以下に示す条件で液槽式熱衝撃試験も実施した。
液槽式熱衝撃試験
液槽式熱衝撃試験では、冷熱サイクルを気槽ではなく液槽で行う。液槽を使用する場合、気槽を使用する場合に比べて、コンデンサ試料に対して急峻な温度変化が加わるため、気槽式試験よりもより過酷な条件でコンデンサ試料の接合信頼性を評価できる。具体的に、本実施例では、1サイクルあたり、コンデンサ試料を、-55℃の液槽で30分保持した後、150℃の液槽で30分保持することとし、これを1000サイクル繰り返した。なお、液槽式熱衝撃試験の合否は、気槽式熱衝撃試験と同様に、静電容量の減衰率に基づいて判断した。実験4では、各実施例につき、80個のサンプルに対して上記の試験を行い、不合格となったサンプルの比率(NG比率)を算出した。実験4における各実施例の評価結果を表4に示す。
Figure 2022136821000005
表4に示すように、境界層14を形成することで、焼付電極層6aの接合信頼性がさらに向上することが確認できた。また、実施例13、14で、液槽式熱衝撃試験のNG率が0%となっており、境界層用ペーストを用いて境界層14を形成することで、さらに、接合信頼性が向上することがわかった。
(実験5)
実験5では、境界層14の組成を変更して、実施例15~17に係るコンデンサ試料を製造した。境界層14の組成は、境界層用ペーストに添加する(Ca,Sr)Zn(Si)粉末の製造において、出発原料の配合比を調整することで制御した。実験5における上記以外の実験条件は、実験4の実施例14と同様とした。
実験5の各実施例について、SEMによる断面観察を実施したところ、各実施例15~17では、いずれも、平均長さLrが2μmの境界層14が形成されていることが確認できた。また、EPMAにより境界層14の成分分析を実施したところ、境界層14に含まれる各元素の含有量は、表5に示すとおりであった。
実験5では、ハンダ濡れ性試験と、液槽式熱衝撃試験とを、上述した条件で実施した。実験5の各実施例の評価結果を表5に示す。
Figure 2022136821000006
表5に示すように、実施例15~17では、ハンダ濡れ性試験および液槽式熱衝撃試験のNG率が、いずれも0%であった。この結果から、境界層14に含まれる各元素の含有比が実施例15~17の範囲内である場合には、焼付電極層6aの接合強度がより向上し、メッキ性と接合信頼性とを両立して満足できることが確認できた。
(実験6)
実験6では、焼付電極層6aの各領域6a1、6a2における導体61の平均面積割合A1、A2を変更して、実施例21~24に係るコンデンサ試料を製造した。導体61の平均面積割合A1、A2は、第1導電性ペーストおよび第2導電性ペーストに添加したCu粉末の配合比を調整することで制御した。SEMの断面観察により各実施例における平均面積割合A1、A2を測定した結果を、表6に示す。なお、各実施例の面積割合A1、A2は、製造した複数のコンデンサ試料から破壊試験用のサンプルを3個抽出し、当該抽出サンプルの断面を少なくとも5視野以上観察することで算出した。
実験6の上記以外の実験条件は、実験1の実施例1と同様として、各実施例21~24に係るコンデンサ試料を得た。また、実験6でも、ハンダ濡れ性試験および気槽式熱衝撃試験を実施した。実験6の評価結果を表6に示す。
Figure 2022136821000007
表6に示すように、各領域における導体61の平均面積割合A1、A2が所定の範囲内である場合、焼付電極層6aのメッキ性や接合信頼性がより向上することが確認できた。
2 … 積層セラミックコンデンサ
4 … 素子本体
4a … 端面
4b … 側面
10 … セラミック層
12 … 内部電極層
14 … 境界層
6 … 外部電極
6a … 焼付電極
6a1 … 第1領域
6a2 … 第2領域
61 … 導体
62 … 非金属成分
621 … ガラスフリット
622 … 高融点酸化物
6ab … 外表面(焼付電極層とメッキ電極層との境界)
6b … メッキ電極層
6b1 … Niメッキ層
6b2 … Snメッキ層
46 … 接合境界

Claims (9)

  1. セラミック層と内部電極層とを含む素子本体と、前記素子本体の端面に形成してあり前記内部電極層の少なくとも一端と電気的に接続している外部電極と、を有するセラミック電子部品であって、
    前記セラミック層には、ABOで表されるペロブスカイト型化合物が主成分として含まれ、
    前記外部電極が、焼付電極層を有し、
    前記焼付電極層が、前記素子本体の前記端面と接しており前記素子本体との接合境界の近傍に位置する第1領域と、前記第1領域の外側に位置し前記焼付電極層の外表面を構成している第2領域と、を有しており、
    前記第1領域には、少なくともB、Zn、Siを含むガラスフリットが含まれ、
    前記第2領域には、Cuよりも融点が高い酸化物が含まれているセラミック電子部品。
  2. 前記第1領域に含まれる前記ガラスフリットにおいて、
    Bの含有量と、Znの含有量と、Siの含有量との和を1モル部とすると、
    Znの含有量が0.20モル部~0.35モル部、
    Siの含有量が0.10モル部~0.30モル部、
    残部がBである請求項1に記載のセラミック電子部品。
  3. 前記第2領域に含まれる前記酸化物には、ZnとSiが主成分として含まれ、
    前記酸化物におけるSiの含有量に対するZnの含有量のモル比(Zn/Si)が、1.5~2.4である請求項1または2に記載のセラミック電子部品。
  4. 前記第2領域に含まれる前記酸化物が、ZnSiOである請求項1~3のいずれかに記載のセラミック電子部品。
  5. 前記素子本体の前記端面において、前記外部電極と接する前記セラミック層の端部には、境界層が存在し、
    前記境界層には、Zn、Si、および、前記ペロブスカイト型化合物のAサイト元素が含まれている請求項1~4のいずれかに記載のセラミック電子部品。
  6. 前記境界層において、
    Znの含有量と、Siの含有量と、Aサイト元素の含有量との和を1モル部とすると、
    Aサイト元素の含有量が0.3モル部~0.45モル部、
    Znの含有量が0.15モル部~0.45モル部、
    残部がSiである請求項5に記載のセラミック電子部品。
  7. 前記境界層の主成分が、(Ca,Sr)Zn(Si)である請求項5または6に記載のセラミック電子部品。
  8. 前記焼付電極層の断面において、
    前記第1領域に占める導体の面積割合が、30%~60%である請求項1~7のいずれかに記載のセラミック電子部品。
  9. 前記焼付電極層の断面において、
    前記第2領域に占める導体の面積割合が、70%~90%である請求項1~8のいずれかに記載のセラミック電子部品。
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