JP2022136736A - 調光フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便に低コストで製造可能であり、繰り返し屈曲性に優れる調光フィルムを提供すること。【解決手段】本発明のフィルムは、吸水層を備えた調光フィルムであって、吸水層は、エポキシ樹脂(A)と硬化促進剤(B)と吸水性ポリマー(C)とを含んだ樹脂組成物の硬化物からなり、エポキシ樹脂(A)は、エポキシ樹脂(A)の全量を100質量%としたとき、フェノキシ樹脂であるエポキシ樹脂(A1)50乃至100質量%と、分子内に2個以上のエポキシ基を有する、エポキシ樹脂(A1)とは異なるエポキシ樹脂(A2)0乃至50質量%とを含有し、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、硬化促進剤(B)0.005乃至5.0質量部の割合で含有し、エポキシ樹脂(A)と硬化促進剤(B)との合計量100質量部に対して吸水性ポリマー(C)0.1質量部以上1質量部未満の範囲内にある調光フィルム。【選択図】図1
Description
本発明は、調光フィルムに関する。
自動車や建築物等に用いられる窓ガラスとして、内部に調光層が設けられ、この調光層に電圧を印加することにより光の透過を制御する調光ガラスが提案されている。
調光ガラスは、一対のガラス間に調光フィルムを備えている。調光フィルムは、一対の中間フィルム間に電極層を介して調光層が挟まれた構造を有している。調光層には、例えば、高分子分散型液晶などが使用される(例えば、特許文献1参照。)。
調光層は、ガラス板の貼り合せに使用されるシーリング材又は接着剤等に含まれる可塑剤や大気中の水分の影響により、電気信号に対する応答性が低下する可能性がある。このことから、調光フィルムは、調光素子を保護するための工夫を施すことが求められている。例えば、特許文献2は、調光フィルムとガラス板との接着を、調光フィルムの周縁部から離れた位置でのみ行い、調光フィルムの端部を、上記接着に使用する接着剤よりも透湿性が低いシール材で封止することを特徴とする調光ガラスを開示している。
上記調光ガラスは電圧制御により調光を可能としており、施工にもコストが非常にかかる。より低コスト且つ、調光したい領域に簡易的に設置できる部材であることが望ましい。しかしながら、施工には貼り合わせ等の技術が必要であり、折シワ等が入ってしまうと、そのシワをきっかけとして部材の性能が損なわれる可能性が有る。よって、繰り返しの施工に耐えうる屈曲性が部材として求められる。
本発明は、簡便に低コストで製造可能であり、屈曲性に優れる調光フィルムを提供することを目的とし、特に屈曲面や折りたたんで使用する部材への適合を目的とする。
本発明の第1側面によると、吸水層を備えた調光フィルムであって、前記吸水層は、エポキシ樹脂(A)と硬化促進剤(B)と吸水性ポリマー(C)とを含んだ樹脂組成物の硬化物からなり、前記エポキシ樹脂(A)は、エポキシ樹脂(A)の全量を100質量%としたとき、フェノキシ樹脂であるエポキシ樹脂(A1)50乃至100質量%と、分子内に2個以上のエポキシ基を有する、前記エポキシ樹脂(A1)とは異なるエポキシ樹脂(A2)0乃至50質量%とを含有し、前記エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、硬化促進剤(B)0.005乃至5.0質量部の割合で含有し、前記エポキシ樹脂(A)と硬化促進剤(B)との合計量100質量部に対して吸水性ポリマー(C)0.1質量部以上1質量部未満の範囲内にある調光フィルムが提供される。
本発明の第2側面によると、前記硬化促進剤(B)がイミダゾール系骨格を有する第1側面に係る調光フィルムが提供される。
本発明の第3側面によると、前記エポキシ樹脂(A1)はエポキシ当量が3000乃至20000g/当量である第1又は第2側面の何れかに係る調光フィルムが提供される。
本発明の第4側面によると、前記エポキシ樹脂(A2)はエポキシ当量が50乃至500g/当量である第1乃至第3側面の何れかに係る調光フィルムが提供される。
本発明の第5側面によると、前記エポキシ樹脂(A1)は重量平均分子量が1000乃至100000である第1乃至第4側面の何れかに係る調光フィルムが提供される。
本発明の第6側面によると、前記エポキシ樹脂(A2)は重量平均分子量が100乃至10000である第1乃至第5側面の何れかに係る調光フィルムが提供される。
本発明の第7側面によると、前記硬化促進剤(B)は2-エチル-4-メチルイミダゾールである第1乃至第6側面の何れかに係る調光フィルムが提供される。
本発明の第8側面によると、前記吸水性ポリマー(C)はポリアクリル酸重合体からなる高吸水性樹脂粉末を含んだ第1乃至第7側面の何れかに係る調光フィルムが提供される。
本発明の第9側面によると、YIが2以下である第1乃至第8側面の何れかに係る調光フィルムが提供される。
本発明の第10側面によると、全光線透過率Ttが90%以上である第1乃至第9側面の何れかに係る調光フィルムが提供される。
本発明の第11側面によると、粘着層を更に備え、前記吸水層と前記粘着層とは積層構造を有している第1乃至第10側面の何れかに係る調光フィルムが提供される。
本発明の第12側面によると、前記吸水層の膜厚は1乃至250μmの範囲内にあり、且つ前記粘着層の膜厚は1μm乃至50μmの範囲内にある第11側面に係る調光フィルムが提供される。
本発明によると、簡便に低コストで製造可能であり、屈曲性に優れる調光フィルムが提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
<調光フィルム>
図1は、本発明の一実施形態に係る調光フィルムを概略的に示す断面図である。
ここで述べる「調光」とは、ヘイズを変化させる機能である。「調光」は、例えば、水分の吸収によってヘイズを大きくし、水分の放出によってヘイズを小さくすることを意味する。「調光」は、他の例によれば、水分の吸収によってヘイズを小さくし、水分の放出によってヘイズを大きくすることを意味する。
ヘイズは、全光線透過率と拡散光透過率との比に応じて変化する。「調光」は、全光線透過率の変化を伴うものであってもよく、全光線透過率の変化を伴わないものであってもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る調光フィルムを概略的に示す断面図である。
ここで述べる「調光」とは、ヘイズを変化させる機能である。「調光」は、例えば、水分の吸収によってヘイズを大きくし、水分の放出によってヘイズを小さくすることを意味する。「調光」は、他の例によれば、水分の吸収によってヘイズを小さくし、水分の放出によってヘイズを大きくすることを意味する。
ヘイズは、全光線透過率と拡散光透過率との比に応じて変化する。「調光」は、全光線透過率の変化を伴うものであってもよく、全光線透過率の変化を伴わないものであってもよい。
この調光フィルム1は、吸水層2と粘着層3とを備えた自立膜である。ここで使用する用語「自立膜」とは、基板などの支持体によって支持されなくとも、それ自体を単独で取り扱うことができるフィルムを意味している。また、ここで使用する用語「フィルム」は、薄層形状及び可撓性を有している物品を意味し、厚さの概念は含まない。
<吸水層>
吸水層2は、水分の吸収及び放出が可能な層である。吸水層2は、吸収した水分量に応じて光散乱能が変化する。ここでは、一例として、吸水層2は、吸収した水分が多い場合に高い光散乱能を示し、吸収した水分が少ない場合に低い光散乱能を示すこととする。
吸水層2は、水分の吸収及び放出が可能な層である。吸水層2は、吸収した水分量に応じて光散乱能が変化する。ここでは、一例として、吸水層2は、吸収した水分が多い場合に高い光散乱能を示し、吸収した水分が少ない場合に低い光散乱能を示すこととする。
乾燥状態の吸水層2の膜厚は、1乃至250μmの範囲内にあることが好ましい。薄すぎる場合、吸水に伴う光学的変化が小さい可能性がある。厚すぎる場合、水分量が小さい吸水層2において、高い透明性が得られない可能性がある。
吸水層2は、吸水性ポリマーとこれよりも低い吸水性を示すポリマー等を含んだ混合物からなる。吸水性ポリマーよりも低い吸水性を示すポリマーは、例えば、疎水性ポリマーである。この吸水層2は、例えば、後述する樹脂組成物の硬化物からなる。即ち、吸水層2は、ガラス、金属、炭素、タンパク質、セルロース、及び合成樹脂等の各種材料からなる織布又は不織布や、そのような材料からなる多孔質層を含んでいない。
上記の樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)と、硬化促進剤(B)と、吸水性ポリマー(C)とを含んでいる。以下に、各成分について説明する。エポキシ樹脂(A)は、互いに異なるエポキシ樹脂(A1)及び(A2)を含む。
[エポキシ樹脂(A1)]
エポキシ樹脂(A1)は、フェノキシ樹脂である。エポキシ樹脂(A)の全量(100質量%とする)のうち、エポキシ樹脂(A1)は、50~100質量%、より好ましくは70~95質量%の範囲で含有されることが好ましい。
エポキシ樹脂(A1)は、フェノキシ樹脂である。エポキシ樹脂(A)の全量(100質量%とする)のうち、エポキシ樹脂(A1)は、50~100質量%、より好ましくは70~95質量%の範囲で含有されることが好ましい。
フェノキシ樹脂とは、通常、エピハロヒドリンと2価フェノール化合物とを反応させて得られる樹脂、または2価のエポキシ化合物と2価のフェノール化合物とを反応させて得られる樹脂を指す。本発明においてはこれらのうち、特に重量平均分子量1000~100000の高分子量エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂が特に好ましい。
エポキシ樹脂(A1)としては、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格およびジシクロペンタジエン骨格からなる群から選択された少なくとも1つの骨格を有するフェノキシ樹脂が好ましい。中でも、耐熱性がより一層高められるので、フルオレン骨格および/またはビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂が特に好ましい。
上述のようにエポキシ樹脂(A1)は、構造単位の異なる複数のエポキシ樹脂を含むものであってもよい。
エポキシ樹脂(A1)のエポキシ当量は、3000乃至20000g/当量であることが好ましい。
本発明に用いられるフェノキシ樹脂は特に限定されず、公知のフェノキシ樹脂等を用いることができ、その具体例としては新日鉄住金化学社製FX280、FX293、三菱ケミカル社製jERYX8100、jERYX1256、jERYX6954、jERYX7200等が挙げられる。
[エポキシ樹脂(A2)]
上記エポキシ樹脂(A1)以外のエポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であることが好ましい。
上記エポキシ樹脂(A1)以外のエポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であることが好ましい。
エポキシ樹脂(A2)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上の混合体として使用することができる。
エポキシ樹脂(A2)は、溶融粘度制御の観点から、その重量平均分子量が、好ましくは、100~10000であり、より好ましくは、200~2000である。平均分子量が100より低いものでは、耐熱性が劣る傾向にあり、10000より高いと、エポキシ樹脂の融点が高くなり、作業性が低下する傾向がある。
エポキシ樹脂(A2)のエポキシ当量は、50乃至500g/当量であることが好ましい。
また、本発明において、エポキシ樹脂としては、その目的を損なわない範囲において、エポキシ樹脂(A1)とエポキシ樹脂(A2)以外のエポキシ樹脂(以下、他のエポキシ樹脂)を使用してもよい。他のエポキシ樹脂の含有量は、エポキシ樹脂(A1)とエポキシ樹脂(A2)の合計に対して、通常、50質量%以下、好ましくは、30質量%以下である。
エポキシ樹脂(A1)の割合が50質量%以上であることにより、エポキシ樹脂(A1)を配合することによる可撓性を十分に得ることができ、所望の屈曲性を得ることができる。エポキシ樹脂(A1)と(A2)が混合されることで硬化性、硬化物の物性がさらに良くなり屈曲性は十分なものとなる。特に製膜過程でのタック低減により、ライン汚染を防止することができる。
[硬化促進剤(B)]
本発明のエポキシ樹脂組成物には硬化促進剤が好適に用いられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には硬化促進剤が好適に用いられる。
硬化促進剤としては、有機ホスフィン類系硬化促進剤、ホスホニウム塩系硬化促進剤、テトラフェニルボロン塩系硬化促進剤、金属系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、有機酸ジヒドラジド硬化促進剤、ハロゲン化ホウ素アミン錯体系硬化促進剤などが挙げられる。
これらの硬化促進剤は1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
有機ホスフィン類系硬化促進剤、ホスホニウム塩系硬化促進剤、テトラフェニルボロン塩系硬化促進剤の中で、本発明のエポキシ樹脂組成物用硬化促進剤として使用可能な化合物としては、トリフェニルホスフィン、ジフェニル(p-トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(アルキル・アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィン、トリアルキルホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン等の有機ホスフィン類又はこれら有機ホスフィン類と有機ボロン類との錯体やこれら有機ホスフィン類と無水マレイン酸、1,4-ベンゾキノン、2,5-トルキノン、1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルベンゾキノン、2,6-ジメチルベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン、フェニル-1,4-ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタンなどの化合物を付加してなる化合物等が例示される。
エポキシ樹脂を効率的に硬化させる硬化促進剤として、金属系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤等も広く用いられている。
金属系硬化促進剤としては、特に制限されるものではなく、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体などが挙げられる。有機金属塩としては、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。
金属系硬化促進剤としては、硬化性、溶剤溶解性の観点から、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート、亜鉛(II)アセチルアセトナート、ナフテン酸亜鉛、鉄(III)アセチルアセトナートが好ましく、特にコバルト(III)アセチルアセトナート、ナフテン酸亜鉛が好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、 1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムク酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられる。
アミン系硬化促進剤としては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミン;4-ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン等のアミン化合物などが挙げられる。
硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂(A)100質量%に対し、0.005~5質量%の範囲が好ましく、0.01~2質量%の範囲がより好ましい。0.005質量%未満では硬化が遅くなり熱硬化時間が長く必要となる傾向にあり、1質量%を超えると樹脂組成物の保存安定性が低下したり、熱膨張率が増加したりする傾向となる。
[吸水性ポリマー(C)]
吸水性ポリマー(C)は、吸水層2に吸水能を与える働きを有する。
吸水性ポリマー(C)は、吸水層2に吸水能を与える働きを有する。
吸水性ポリマー(C)としては、例えば、ポリアクリル酸重合体からなる高吸水性樹脂粉末;並びに、合成ポリマー系ポリアクリル酸塩系、ポリスルホン酸塩系、無水マレイン酸塩系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキシド系天然物由来系、ポリアスパラギン酸塩系、ポリグルタミン酸塩系、ポリアルギン酸塩系、デンプン系、セルロース系、及びポリアクリル酸ナトリウム系吸水性樹脂等が挙げられる。吸水性ポリマー(C)としては、具体的には、商品名「SAP」(荒川化学工業(株)製);並びに、商品名「サンフレッシュST-500D」、サンフレッシュ GT-1、「サンフレッシュST-500D」、「サンフレッシュST-500MPSA」、「サンフレッシュST-573」、「サンフレッシュST-250」、及び「アクアパールE-200」(何れも三洋化成工業(株)製)等の市販品を使用することができる。
吸水性ポリマー(C)の量は、エポキシ樹脂(A)と硬化促進剤(B)との合計量100質量部に対して0.1質量部以上1質量部未満の範囲内にあることが好ましい。吸水性ポリマー(C)の量が少なすぎると、吸水層2は十分に吸水できないため、吸水に伴う光学的変化が小さい。吸水性ポリマー(C)の量が多すぎると、高い透明性を有する硬化物を得られない可能性と、吸水した吸水性ポリマー(C)が調光フィルム1から離脱する可能性とがある。
[その他の成分(D)]
樹脂組成物は、その他成分(D)として、上記成分(A)に該当しないエポキシ樹脂を含有してもよい。他のエポキシ樹脂を含むことにより、本発明のエポキシ樹脂組成物の強度、耐熱性等を更に向上させることができる。本発明のエポキシ樹脂組成物においては、他のエポキシ樹脂として、成分(A)以外のエポキシ樹脂を、その特徴に応じて特に制限なく用いることができる。
樹脂組成物は、その他成分(D)として、上記成分(A)に該当しないエポキシ樹脂を含有してもよい。他のエポキシ樹脂を含むことにより、本発明のエポキシ樹脂組成物の強度、耐熱性等を更に向上させることができる。本発明のエポキシ樹脂組成物においては、他のエポキシ樹脂として、成分(A)以外のエポキシ樹脂を、その特徴に応じて特に制限なく用いることができる。
また、樹脂組成物は、その他成分(D)として、例えば、硬化性調整のためにビニルエーテル化合物のようなカチオン反応性化合物を更に含有していてもよい。また、樹脂組成物は、その低粘度化や反応速度調整のためにオキセタン化合物を更に含有していてもよい。また、樹脂組成物は、基材と樹脂組成物を硬化してなる層との密着性調整のためにラジカル反応性化合物を更に含有していてもよい。
樹脂組成物は、その他の成分(D)として、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤(HALS等)、つや消し剤(シリカ、ガラス粉、金属酸化物等)、着色剤(染料、顔料等)、光拡散剤、低収縮剤、沈降防止剤、消泡剤、帯電防止剤、防曇剤、分散剤、増粘剤、タレ止め剤、乾燥剤、レベリング剤、カップリング剤、付着促進剤、防錆顔料、熱安定剤、皮膜物質改質剤、スリップ剤、スリキズ剤、可塑剤、防菌剤、防カビ剤、防汚剤、難燃剤、重合防止剤、光重合促進剤、増感剤、熱開始剤(熱カチオン重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤)、及び離型剤等の添加剤の1以上を更に含有していてもよい。
その他成分(D)の量は、エポキシ樹脂(A)と硬化促進剤(B)との合計量100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、1質量部以下であることがより好ましい。
吸水層2の原料としての樹脂組成物は、上述した成分を均一に混合することにより得る。この混合には、例えば、特に限定されないが、ディスパーミキサ、ウルトラミキサ、ホモジナイザ、及び遊星攪拌脱泡機等の攪拌機を用いることができる。
<粘着層>
吸水層2と粘着層3とは、積層構造を形成している。粘着層3は、ガラス板又はプラスチック板等の支持体に、吸水層2を接着させる働きを有している。粘着層3の膜厚は、1μm乃至50μmの範囲内にあることが好ましい。粘着層3は、樹脂組成物を含む。粘着層3は、再剥離性であること又は微粘着性であることが好ましい。そのような樹脂組成物は、例えば、ウレタン系粘着剤である。ウレタン系粘着剤としては、具体的には、商品名「サイアバインSH-101」、「サイアバインSH-101M」、「サイアバインSH-109」、及び「サイアバインSH-109H」(何れも東洋インキ(株)製)等の市販品を使用することができる。粘着層3は、イソシアネート硬化剤を更に含んでいてもよい。イソシアネート硬化剤としては、具体的には、商品名「T-501B」(東洋インキ(株)製)等の市販品を使用することができる。
吸水層2と粘着層3とは、積層構造を形成している。粘着層3は、ガラス板又はプラスチック板等の支持体に、吸水層2を接着させる働きを有している。粘着層3の膜厚は、1μm乃至50μmの範囲内にあることが好ましい。粘着層3は、樹脂組成物を含む。粘着層3は、再剥離性であること又は微粘着性であることが好ましい。そのような樹脂組成物は、例えば、ウレタン系粘着剤である。ウレタン系粘着剤としては、具体的には、商品名「サイアバインSH-101」、「サイアバインSH-101M」、「サイアバインSH-109」、及び「サイアバインSH-109H」(何れも東洋インキ(株)製)等の市販品を使用することができる。粘着層3は、イソシアネート硬化剤を更に含んでいてもよい。イソシアネート硬化剤としては、具体的には、商品名「T-501B」(東洋インキ(株)製)等の市販品を使用することができる。
粘着層3は、微粘着層であることが好ましい。微粘着層は、例えば、窓枠に対する貼付及び剥離を繰り返すことが可能である。
なお、粘着層3は省略することができる。例えば、粘着層3を設ける代わりに、調光フィルム1を貼付する支持体に対して、接着剤又は粘着剤を塗布してもよい。
粘着層3を構成する樹脂組成物は、例えば、上述した成分を均一に混合することにより得る。この混合には、例えば、特に限定されないが、ディスパーミキサ、ウルトラミキサ、ホモジナイザ、及び遊星攪拌脱泡機等の攪拌機を用いることができる。
<調光フィルムの製造>
図1に示す調光フィルム1は、例えば、吸水層2の原料としての樹脂組成物からなる塗膜を支持体上に形成し、必要に応じてこの塗膜に電離放射線を照射し、更に、塗膜をプリベークに供して、塗膜を硬化させ、その後、硬化した膜を支持体から剥離し、硬化した膜に粘着層3を貼り合わせることにより得る。調光フィルム1の製造には、例えば、図2に示す装置を利用することができる。
図1に示す調光フィルム1は、例えば、吸水層2の原料としての樹脂組成物からなる塗膜を支持体上に形成し、必要に応じてこの塗膜に電離放射線を照射し、更に、塗膜をプリベークに供して、塗膜を硬化させ、その後、硬化した膜を支持体から剥離し、硬化した膜に粘着層3を貼り合わせることにより得る。調光フィルム1の製造には、例えば、図2に示す装置を利用することができる。
図2は、調光フィルム製造装置の一例を概略的に示す図である。
この調光フィルム製造装置100は、ロール・ツー・ロール式のダイコータである。このフィルム製造装置は、巻出ロール110と、キャリアフィルム120と、ガイドロール130a乃至130eと、バックアップロール140と、ダイヘッド150と、電離放射線照射機160と、ヒータ170と、剥離ロール180と、巻取ロール190a及び190bとを含んでいる。
巻出ロール110には、キャリアフィルム120が巻かれている。巻出ロール110は、キャリアフィルム120を巻き出す。
キャリアフィルム120は、ベルト形状を有している。キャリアフィルム120上には、上述した吸水層の原料としての樹脂組成物を塗布し、このキャリアフィルム120上でこの樹脂組成物からなる塗膜の硬化を行う。
キャリアフィルム120は、上記樹脂組成物の硬化物を剥離可能に支持し得るものである。キャリアフィルム120としては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートフタレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム(CAPフィルム)、セルローストリアセテート及びセルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体からなるフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリスルホン系フィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム、及びポリアリレート系フィルムを挙げることができる。
キャリアフィルム120の厚さは、制限を設けるわけではないが、6乃至700μmの範囲内にあることが好ましく、40乃至250μmの範囲内にあることがより好ましく、50乃至150μmの範囲内にあることが更に好ましい。
ガイドロール130a乃至130eは、巻出ロール110から巻き出されたキャリアフィルム120を、ダイヘッド150とバックアップロール140との間の領域、電離放射線照射機160の正面の領域、ヒータ170、及び巻取ロール190aへと順次案内する。
バックアップロール140は、ダイヘッド150と向き合うように設置されている。バックアップロール140は、ダイヘッド150とバックアップロール140との間を通過するキャリアフィルム120の裏面上を転動して、キャリアフィルム120とダイヘッド150との距離を一定に保つ役割を果たす。
ダイヘッド150は、ダイヘッド150とバックアップロール140との間を通過するキャリアフィルム120の表面上に、吸水層2の原料としての樹脂組成物を供給する。これにより、キャリアフィルム120の表面上に、この樹脂組成物からなる塗膜を形成する。
ここでは、吸水層2の原料としての樹脂組成物の塗工にダイヘッド150を利用するダイコート法について説明しているが、この樹脂組成物の塗工には他の方法を利用してもよい。この樹脂組成物の塗工には、例えば、ディッピング法、ワイヤーバーを使用する方法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、カーテン法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、及びグラビアオフセット法等の周知の方法を用いることができる。
上記樹脂組成物からなる塗膜の硬化後の厚さ、即ち、吸水層2の厚さは、1乃至250μmの範囲内にあることが好ましい。薄すぎる場合、吸水層2の強度が低く、吸水層2がキャリアフィルム120から剥離する際に破断してしまう可能性が高い。厚すぎる場合、反応熱が高くなることで硬化物の貯蔵弾性率が非常に高くなり、その結果、吸水層2は、硬く脆い性状となり、可撓性が不十分となる可能性がある。
電離放射線照射機160は、キャリアフィルム120の表面と向き合うように設置されている。キャリアフィルム120上の塗膜に対して、電離放射線を照射する。キャリアフィルム120が電離放射線を透過させるものである場合、電離放射線照射機160は、キャリアフィルム120の裏面と向き合うように設置してもよい。
ここで、用語「電離放射線」は、吸水層2の原料としての樹脂組成物が含む成分、具体的には酸発生剤を分解(電離)させて、樹脂組成物中に酸を発生させ得る高エネルギーな放射線、例えば、X線又は紫外線を意味している。電離放射線としては、典型的には、紫外線を利用する。
電離放射線照射機160は、塗膜に電離放射線を照射することにより、上記樹脂組成物が酸発生剤を含んでいる場合に前記酸発生剤を活性化させる。即ち、酸発生剤を分解(電離)させて、この樹脂組成物中に酸を発生させる。酸は、この樹脂組成物中での重合や架橋を促進する触媒としての役割を果たす。
電離放射線照射機160の光源としては、前記酸発生剤の分解に適した波長の光を放射するものを適宜選択する。この光源としては、400nm以下の波長を放射するランプが好ましい。そのようなランプとしては、例えば、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、及び可視光ハロゲンランプが挙げられる。
電離放射線照射は、空気中で行ってもよいし、窒素及びアルゴン等の不活性ガス中で行ってもよい。
電離放射線の積算光量は、10乃至3000mJ/cm2の範囲内とすることが好ましく、100乃至1000mJ/cm2の範囲内とすることがより好ましく、200乃至500mJ/cm2の範囲内とすることが更に好ましい。
ヒータ170は、電離放射線を照射した塗膜に対してポストベークを行う。ポストベークを行うことにより、吸水層2の原料としての樹脂組成物中での上記反応を完結させる。ポストベークを行うと、吸水層2における架橋密度を高めることができ、耐熱性が高まる。
ヒータ170による加熱には、例えば、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、及び赤外線照射等の加熱方法を、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。加熱温度は、80℃乃至200℃の範囲内とすることが好ましい。加熱時間は、0.5乃至60分の範囲内とすることが好ましい。
剥離ロール180は、キャリアフィルム120に支持された吸水層2上を転動するように設置されている。剥離ロール180は、キャリアフィルム120の移動方向に対して、吸水層2の移動方向を急激且つ大きく異ならしめ、これにより、吸水層2をキャリアフィルム120から剥離する。
巻取ロール190aは、吸水層2を剥離したキャリアフィルム120を巻き取る。また、巻取ロール190bは、キャリアフィルム120から剥離した吸水層2を巻き取る。
巻取ロール190aは、キャリアフィルム120に張力を与える。巻取ロール190aがキャリアフィルム120に与える張力は、キャリアフィルム120の厚さや材質によって異なるが、10乃至500N/mの範囲内とすることが好ましい。
以上のようにして、吸水層2を形成する。
その後、巻き取った吸水層2を繰り出し、これに粘着層3を貼り合わせる。
調光フィルム1は、例えば、以上のようにして製造する。
なお、上記の説明では、巻き取った吸水層2に粘着層3を貼り合わせたが、同時重層塗布により、吸水層2と粘着層3とを同時に形成してもよい。
この調光フィルム1は、ガラス繊維布などの基材を含んでいない。従って、この調光フィルム1は、ガラス繊維布などの基材を含んだフィルムと比較して、コストの点で有利である。また、この調光フィルム1は、上述した吸水層2の原料としての樹脂組成物から得られる。このような調光フィルム1は、透明性、吸水性、耐熱性及び繰り返しの屈曲に対する屈曲性に優れている。即ち、この調光フィルム1は、安価に製造することができ、透明性、耐熱性及び屈曲性に優れ、吸水によって調光可能な自立膜としてのフィルムである。
上記の通り、調光フィルム1は、吸水によって調光可能である。本発明者は、調光フィルム1が吸水によって調光可能であるのは、以下に説明する1以上の理由によると考えている。
本発明者は、吸水層2には、吸水性ポリマー(C)の含有量が多い第1領域と、吸水性ポリマー(C)の含有量が少ない第2領域とが存在していると考えている。吸水性ポリマー(C)は親水性であり、吸水層2に含まれる吸水性ポリマー(C)以外の成分は、吸水性ポリマー(C)よりも親水性が低い。従って、第1領域は、吸水しやすく、第2領域は吸水しにくい。
吸水層2の水分量が少ない状態では、吸水層2の表面は平滑である。それ故、吸水層2の表面では、入射光の散乱はほとんど生じない。
これに対し、吸水層2の水分量が多い状態では、第1領域は膨張するが、第2領域はほとんど膨張しない。従って、吸水層2の表面に凹凸が生じる。凹凸が生じた吸水層2の表面は、光を散乱させやすい。よって、吸水層2の表面で入射光の散乱を生じる。
また、吸水層2の水分量が少ない状態において、第1及び第2領域の屈折率は一様であると仮定する。この場合、第1領域と第2領域との界面において、光の反射及び屈折は生じにくい。よって、調光フィルム1に入射した光はほとんど散乱することなしに透過する。
また、この場合、吸水層2に吸水させると、水分は主に第1領域に取り込まれるため、第1領域の屈折率は大きく変化する。一方、第2領域の屈折率はほとんど変化しない。その結果、第1領域の屈折率と第2領域の屈折率とのは差が大きくなる。従って、第1領域と第2領域との界面において、光の反射及び屈折が生じやすくなる。よって、調光フィルム1に入射した光は散乱する。
更に、吸水層2の水分量が少ない状態では、第1及び第2領域並びに粘着層3における屈折率は一様であると仮定する。この場合、第1領域と粘着層3との界面及び第2領域と粘着層3との界面において、光の反射及び屈折は生じにくい。よって、調光フィルム1に入射した光はほとんど散乱することなしに透過する。
また、この場合、吸水層2に吸水させると、水分は主に第1領域に取り込まれるため、第1領域の屈折率は大きく変化する。一方、第2領域の屈折率及び粘着層3の屈折率はほとんど変化しない。その結果、第1領域の屈折率と粘着層3の屈折率との差が大きくなる。よって、第1領域と粘着層3との界面においても、光の反射及び屈折は生じやすくなる。その結果、調光フィルム1に入射した光は散乱する。
上述した理由の1以上により、調光フィルム1は、吸水量によって光散乱能が変化すると考えられる。
調光フィルム1には、吸水層2の表面に水を液体又は蒸気の状態で供給することによって、水分を吸収させることができる。水分を吸収させた調光フィルム1は、例えば、吸水層2の表面を外気に曝すことによって水分を放出させることができる。この水分の放出は、調光フィルム1を加熱することで促進することができる。
上記の通り、調光フィルム1において、水分の吸収及び放出は可逆的に変化させることができる。従って、調光フィルム1が有する光散乱能も可逆的に変化させることができる。
上述した調光フィルム1は、例えば、自動車や建築物の窓板に貼り合せて使用することができる。粘着層3は、例えば、窓枠に対する貼付及び剥離を繰り返すことが可能である。従って、調光フィルム1は、ガラス板又はプラスチック板等の支持体に対して複数回貼り直すことが可能である。
上述した調光フィルム1は、例えば、建築物の窓板の外側に設置してもよい。このように調光フィルム1を設置すると、建築物の内側を濡らさずに、建築物の外側を水で濡らすことで調光することができる。
また、上述した調光フィルム1は、例えば、建築物に用いられる窓板の内側に設置してもよい。このように調光フィルム1を設置すると、例えば、建築物の内側から霧吹きなどで調光フィルム1を吸水させることで調光することができる。
また、上述した調光フィルム1は、例えば、建築物に用いられる一対の窓板の間隙に設置しても良い。このように調光フィルム1を設置すると、例えば、二枚の窓板の間に水を供給する装置を更に設置することで調光することができる。
また、上述した調光フィルム1は、例えば、折り畳み式のパーテーションやフォルダブル式ディスプレイなどに貼ることにより部屋の湿度変化に応じた調光層として使用することができる。
以下に、本発明の実施例を記載する。但し、本発明は、以下に記載する事項に限定されるわけではない。
<実施例1>
図1に示す調光フィルム1を以下の手順で作製した。
図1に示す調光フィルム1を以下の手順で作製した。
先ず、フェノキシ樹脂(A1)としてjER YX6954BH30(エポキシ当量11200g/当量、重量平均分子量Mw38700、固形分30wt%、三菱ケミカル社製)を用い、エポキシ樹脂(A2)としてjER 157S65B80(エポキシ当量206g/当量、固形分80wt%、三菱ケミカル社製)を用い、硬化促進剤(B)としてjERキュアEMI24(固形分100wt%、三菱ケミカル社製)を用い、吸水性ポリマー(C)としてサンフレッシュST-500MPSA(三洋化成工業(株)製)を用い、表1に示す固形分比となるよう調合し遊星攪拌脱泡機(マゼルスターKK5000、KURABO社製)を用いて15分間攪拌して、塗液を調製した。
次に、粘着層3の原料として、100質量部のウレタン系粘着剤と15質量部のイソシアネート硬化剤とを遊星攪拌脱泡機(マゼルスターKK5000、KURABO製)を用いて15分間攪拌して、第2塗液を調製した。ここで、ウレタン系粘着剤としてはサイアバインSH-109を使用し、イソシアネート硬化剤としてはT-501Bを使用した(何れも東洋インキ(株)製)。
次に、第1及び第2塗液を用いて、図2を参照しながら説明した方法により、厚さが25μmの吸水層2と厚さが25μmの粘着層3とを同時重層塗布により製造した。ここでは、キャリアフィルム120として、厚さが100μmの離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)製シート(TP03、パナック社製)を使用し、粘着層3がPET面に接するように塗布した。また、ベークは160℃にて30分間にわたって行った。なお、キャリアフィルム120は、50N/mの張力で巻き取った。作製した調光フィルム1を50℃の環境下で2日間養生し、粘着層3の硬化を十分に進行させた。
<実施例2及び比較例1乃至3>
以下の表1に示すように吸水性ポリマーの配合量を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により調光フィルムを作製した。
以下の表1に示すように吸水性ポリマーの配合量を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により調光フィルムを作製した。
<比較例4乃至15>
以下の表1に示すようにエポキシ樹脂(A1)、(A2)、硬化促進剤(B)の配合量を変更し、吸水性ポリマーの配合量を0とした以外は実施例1と同様の方法により調光フィルムを作製した。
以下の表1に示すようにエポキシ樹脂(A1)、(A2)、硬化促進剤(B)の配合量を変更し、吸水性ポリマーの配合量を0とした以外は実施例1と同様の方法により調光フィルムを作製した。
<比較例16乃至17>
エポキシ樹脂(A)、硬化促進剤(B)の代わりに、70質量部の脂環式エポキシ化合物と、30質量部のポリオール化合物と、0.05質量部の酸発生剤と、吸水性ポリマー(C)とを以下の表1の配合とし、遊星攪拌脱泡機(マゼルスターKK5000、KURABO製)を用いて15分間攪拌して、第1塗液を調製した。ここで、脂環式エポキシ化合物(A)としては、セロキサイド2021P((株)ダイセル製)を使用した。また、ポリオール化合物(B)としては、プラクセル308((株)ダイセル製)を使用した。また、酸発生剤(C)としては、CPI-110A(サンアプロ(株)製)を使用した。そして、吸水性ポリマー(D)としては、サンフレッシュST-500MPSA(三洋化成工業(株)製)を使用した。
エポキシ樹脂(A)、硬化促進剤(B)の代わりに、70質量部の脂環式エポキシ化合物と、30質量部のポリオール化合物と、0.05質量部の酸発生剤と、吸水性ポリマー(C)とを以下の表1の配合とし、遊星攪拌脱泡機(マゼルスターKK5000、KURABO製)を用いて15分間攪拌して、第1塗液を調製した。ここで、脂環式エポキシ化合物(A)としては、セロキサイド2021P((株)ダイセル製)を使用した。また、ポリオール化合物(B)としては、プラクセル308((株)ダイセル製)を使用した。また、酸発生剤(C)としては、CPI-110A(サンアプロ(株)製)を使用した。そして、吸水性ポリマー(D)としては、サンフレッシュST-500MPSA(三洋化成工業(株)製)を使用した。
フィルムの硬化条件としては電離放射線照射機160を用い、光源としては、高圧水銀ランプ(アイグラフィックス(株)製)を使用した。露光は、積算光量が500mJ/cm2となるように行い、ベークを150℃180秒間とした以外は実施例1と同様の方法で調光フィルムを作製した。
<比較例18乃至21>
脂環式エポキシ化合物とポリオール化合物との代わりに、ラジカル硬化性組成物である70質量部のBS575CB(荒川化学工業(株)製)と30質量部の紫光7000B(新中村化学(株)製)とを使用し、酸発生剤(C)の使用を省略し、吸水性ポリマーの配合量を表1に示すように変更したこと以外は、比較例16乃至17と同様の方法により調光フィルムを作製した。
脂環式エポキシ化合物とポリオール化合物との代わりに、ラジカル硬化性組成物である70質量部のBS575CB(荒川化学工業(株)製)と30質量部の紫光7000B(新中村化学(株)製)とを使用し、酸発生剤(C)の使用を省略し、吸水性ポリマーの配合量を表1に示すように変更したこと以外は、比較例16乃至17と同様の方法により調光フィルムを作製した。
<評価方法>
(Yellow Index)
分光透過率計(UV-VISIBLE SPECTROPHOTOMETER UV2450、SHIMADZU社製)を用い、ASTM E313に準じてYellow Index(以下YIと略記)を算出した。YIが1以下の場合を「A」と判定し、2以下を「B」と判定し、2を超える場合を「C」と判定した。前記「A」、「B」評価の場合調光フィルムとして許容されるものと判断した。
(Yellow Index)
分光透過率計(UV-VISIBLE SPECTROPHOTOMETER UV2450、SHIMADZU社製)を用い、ASTM E313に準じてYellow Index(以下YIと略記)を算出した。YIが1以下の場合を「A」と判定し、2以下を「B」と判定し、2を超える場合を「C」と判定した。前記「A」、「B」評価の場合調光フィルムとして許容されるものと判断した。
(調光性)
ヘイズメーター(NDH2000、日本電色工業(株)製)を用い、JIS K7361-1:1997に準拠した方法を使用して、実施例1及び2並びに比較例1乃至3及び比較例17乃至22に係る調光フィルムの全光線透過率を測定した。また、上記ヘイズメーターを用い、JIS K7136:2000に準拠した方法を使用してこれら調光フィルムのヘイズを測定した。
ヘイズメーター(NDH2000、日本電色工業(株)製)を用い、JIS K7361-1:1997に準拠した方法を使用して、実施例1及び2並びに比較例1乃至3及び比較例17乃至22に係る調光フィルムの全光線透過率を測定した。また、上記ヘイズメーターを用い、JIS K7136:2000に準拠した方法を使用してこれら調光フィルムのヘイズを測定した。
また、実施例1及び2並びに比較例1乃至3及び比較例16乃至21に係る調光フィルムを、純水に30分間浸漬させた後に、上述した方法を用いて全光線透過率及びヘイズを測定した。
更に、実施例1及び2並びに比較例1乃至3及び比較例16乃至21に係る調光フィルムを、純水に30分間浸漬させ、150℃の環境下で60分加熱後に、上述した方法を用いて全光線透過率及びヘイズを測定した。
そして、実施例1及び2並びに比較例1乃至3に係る調光フィルムについては、調光性の有無を以下の基準によって判断した。
・調光性有り「○」:調光性フィルムが下記要件1乃至3のすべてを満たしていた場合。
1.浸漬前、浸漬後及び加熱後の各々において、その全光線透過率と比較例1に係る調光フィルムの全光線透過率との差の絶対値が、1%以下であること。
2.浸漬前及び加熱後の各々において、そのヘイズと比較例1に係る調光フィルムのヘイズとの差の絶対値が1%以下であること。
3.浸漬後において、そのヘイズと比較例1に係る調光フィルムのヘイズとの差の絶対値が、5%以上であること。または、各フィルム自体の浸漬前と浸漬後のヘイズが5%以上変化し、浸漬した後加熱した際に浸漬前と比較してヘイズの変化が1%以下であること。
・調光性無し「×」:調光フィルムが上記要件1乃至3の少なくとも1つを満たしていなかった場合。
・調光性有り「○」:調光性フィルムが下記要件1乃至3のすべてを満たしていた場合。
1.浸漬前、浸漬後及び加熱後の各々において、その全光線透過率と比較例1に係る調光フィルムの全光線透過率との差の絶対値が、1%以下であること。
2.浸漬前及び加熱後の各々において、そのヘイズと比較例1に係る調光フィルムのヘイズとの差の絶対値が1%以下であること。
3.浸漬後において、そのヘイズと比較例1に係る調光フィルムのヘイズとの差の絶対値が、5%以上であること。または、各フィルム自体の浸漬前と浸漬後のヘイズが5%以上変化し、浸漬した後加熱した際に浸漬前と比較してヘイズの変化が1%以下であること。
・調光性無し「×」:調光フィルムが上記要件1乃至3の少なくとも1つを満たしていなかった場合。
また、比較例16及び17に係る調光フィルムについては、調光性の有無を以下の基準で判断した。
・調光性あり「○」:調光フィルムが下記要件4乃至6の全てを満たしていた場合。
4.浸漬前、浸漬後及び加熱後の各々において、その全光線透過率と比較例16に係る調光フィルムの全光線透過率との差の絶対値が1%以下であること。
5.浸漬前及び加熱後の各々において、そのヘイズと比較例16に係る調光フィルムのヘイズとの差の絶対値が1%以下であること。
6.浸漬後において、そのヘイズと比較例16に係る調光フィルムのヘイズとの差の絶対値が、5%以上であること。または、各フィルム自体の浸漬前と浸漬後のヘイズが5%以上変化し、浸漬した後加熱した際に浸漬前と比較してヘイズの変化が1%以下であること。
・調光性無し「×」:調光フィルムが上記要件4乃至6の少なくとも1つを満たしていなかった場合。 以上の結果より、調光フィルムにおける、吸水に伴う全光線透過率及びヘイズの変化、並びに加熱による調光フィルムの光散乱能の可逆性を評価した。
・調光性あり「○」:調光フィルムが下記要件4乃至6の全てを満たしていた場合。
4.浸漬前、浸漬後及び加熱後の各々において、その全光線透過率と比較例16に係る調光フィルムの全光線透過率との差の絶対値が1%以下であること。
5.浸漬前及び加熱後の各々において、そのヘイズと比較例16に係る調光フィルムのヘイズとの差の絶対値が1%以下であること。
6.浸漬後において、そのヘイズと比較例16に係る調光フィルムのヘイズとの差の絶対値が、5%以上であること。または、各フィルム自体の浸漬前と浸漬後のヘイズが5%以上変化し、浸漬した後加熱した際に浸漬前と比較してヘイズの変化が1%以下であること。
・調光性無し「×」:調光フィルムが上記要件4乃至6の少なくとも1つを満たしていなかった場合。 以上の結果より、調光フィルムにおける、吸水に伴う全光線透過率及びヘイズの変化、並びに加熱による調光フィルムの光散乱能の可逆性を評価した。
また、比較例18乃至21に係る調光フィルムについては、調光性の有無を以下の基準で判断した。
・調光性あり「○」:調光フィルムが下記要件7乃至9の全てを満たしていた場合。
7.浸漬前、浸漬後及び加熱後の各々において、その全光線透過率と比較例18に係る調光フィルムの全光線透過率との差の絶対値が1%以下であること。
8.浸漬前及び加熱後の各々において、そのヘイズと比較例18に係る調光フィルムのヘイズとの差の絶対値が1%以下であること。
9.浸漬後において、そのヘイズと比較例18に係る調光フィルムのヘイズとの差の絶対値が、5%以上であること。または、各フィルム自体の浸漬前と浸漬後のヘイズが5%以上変化し、浸漬した後加熱した際に浸漬前と比較してヘイズの変化が1%以下であること。
・調光性無し「×」:調光フィルムが上記要件7乃至9の少なくとも1つを満たしていなかった場合。 以上の結果より、調光フィルムにおける、吸水に伴う全光線透過率及びヘイズの変化、並びに加熱による調光フィルムの光散乱能の可逆性を評価した。
・調光性あり「○」:調光フィルムが下記要件7乃至9の全てを満たしていた場合。
7.浸漬前、浸漬後及び加熱後の各々において、その全光線透過率と比較例18に係る調光フィルムの全光線透過率との差の絶対値が1%以下であること。
8.浸漬前及び加熱後の各々において、そのヘイズと比較例18に係る調光フィルムのヘイズとの差の絶対値が1%以下であること。
9.浸漬後において、そのヘイズと比較例18に係る調光フィルムのヘイズとの差の絶対値が、5%以上であること。または、各フィルム自体の浸漬前と浸漬後のヘイズが5%以上変化し、浸漬した後加熱した際に浸漬前と比較してヘイズの変化が1%以下であること。
・調光性無し「×」:調光フィルムが上記要件7乃至9の少なくとも1つを満たしていなかった場合。 以上の結果より、調光フィルムにおける、吸水に伴う全光線透過率及びヘイズの変化、並びに加熱による調光フィルムの光散乱能の可逆性を評価した。
なお、ここでは調光フィルムの一例として、全光線透過率がほとんど変化しないものを想定しているが、調光フィルム1は、ヘイズの変化に伴って全光線変化率が変化してもよい。
(繰り返し屈曲性)
面状体無負荷U字伸縮試験機(DMX-FS、YUASA社製)を用い、フィルムの曲面が2mmφとなるように折り曲げ、1回/秒にて1000回繰り返した後のフィルムの状態を観察し、破断や折痕が生じなかったものを「〇」と判定し、破断や折痕が生じたものを「×」と判定した。
面状体無負荷U字伸縮試験機(DMX-FS、YUASA社製)を用い、フィルムの曲面が2mmφとなるように折り曲げ、1回/秒にて1000回繰り返した後のフィルムの状態を観察し、破断や折痕が生じなかったものを「〇」と判定し、破断や折痕が生じたものを「×」と判定した。
(吸水性ポリマーのフィルムからの離脱性)
調光性フィルムを、105℃100%RHの環境下で96時間静置して、吸水性ポリマー(D)の離脱の有無を確認した。吸水性ポリマーの離脱が無かった場合を「○」、有った場合を「×」とした。
調光性フィルムを、105℃100%RHの環境下で96時間静置して、吸水性ポリマー(D)の離脱の有無を確認した。吸水性ポリマーの離脱が無かった場合を「○」、有った場合を「×」とした。
以下の表1に、評価結果を纏める。表1における「-」は、該当する項目が未評価であることを示す。
表1に示すように、実施例1及び2に係る調光フィルム1は、調光性、可撓性、吸水性ポリマーの調光フィルム1からの離脱性の全てについて優れた性能を示した。これに対し、比較例1乃至21に係る調光フィルムは、YI、調光性、繰り返し屈曲性、吸水性ポリマーの調光フィルムからの離脱性の少なくとも1つの性能が不十分であった。
本発明は、窓ガラス等に用いる調光フィルムに利用できる。
1…調光フィルム、2…吸水層、3…粘着層、100…フィルム製造装置、110…巻出ロール、120…キャリアフィルム、130a乃至130e…ガイドロール、140…バックアップロール、150…ダイヘッド、160…電離放射線照射機、170…ヒータ、180…剥離ロール、190a及び190b…巻取ロール。
Claims (12)
- 吸水層を備えた調光フィルムであって、前記吸水層は、エポキシ樹脂(A)と硬化促進剤(B)と吸水性ポリマー(C)とを含んだ樹脂組成物の硬化物からなり、前記エポキシ樹脂(A)は、前記エポキシ樹脂(A)の全量を100質量%としたとき、フェノキシ樹脂であるエポキシ樹脂(A1)50乃至100質量%と、分子内に2個以上のエポキシ基を有する、前記エポキシ樹脂(A1)とは異なるエポキシ樹脂(A2)0乃至50質量%とを含有し、前記エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、硬化促進剤(B)0.005乃至5.0質量部の割合で含有し、前記エポキシ樹脂(A)と硬化促進剤(B)との合計量100質量部に対して吸水性ポリマー(C)0.1質量部以上1質量部未満の割合で含有する調光フィルム。
- 前記硬化促進剤(B)がイミダゾール系骨格を有する請求項1記載の調光フィルム。
- 前記エポキシ樹脂(A1)はエポキシ当量が3000乃至20000g/当量である請求項1または2記載の調光フィルム。
- 前記エポキシ樹脂(A2)はエポキシ当量が50乃至500g/当量である請求項1乃至3の何れか1項に記載の調光フィルム。
- 前記エポキシ樹脂(A1)は重量平均分子量が1000乃至100000である請求項1乃至4の何れか1項に記載の調光フィルム。
- 前記エポキシ樹脂(A2)は重量平均分子量が100乃至10000である請求項1乃至5の何れか1項に記載の調光フィルム。
- 前記硬化促進剤(B)は2-エチル-4-メチルイミダゾールである請求項1乃至6の何れか1項に記載の調光フィルム。
- 前記吸水性ポリマー(C)はポリアクリル酸重合体からなる高吸水性樹脂粉末を含んだ請求項1乃至7の何れか1項に記載の調光フィルム。
- YIが2以下である請求項1乃至8の何れか1項に記載の調光フィルム。
- 全光線透過率Ttが90%以上である請求項1乃至9の何れか1項に記載の調光フィルム。
- 粘着層を更に備え、前記吸水層と前記粘着層とは積層構造を有している請求項1乃至10の何れか1項に記載の調光フィルム。
- 前記吸水層の膜厚は1乃至250μmの範囲内にあり、且つ前記粘着層の膜厚は1μm乃至50μmの範囲内にある請求項11に記載の調光フィルム。
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