JP2022136055A - 廃太陽光発電パネル由来のカバーガラスの処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】廃太陽光発電パネル由来のカバーガラスを有効に利用する方法を提案すること。【解決手段】廃太陽光発電パネル由来のカバーガラスの処理方法であって、溶剤としてSiO2源を必要とする非鉄製錬炉に、前記カバーガラスを前記SiO2源の一部として供給することを含む処理方法。【選択図】なし

Description

本発明は、廃太陽光発電パネル由来のカバーガラスの処理方法に関する。
廃太陽光発電パネルを有効利用する方法としては、太陽光発電パネルに用いられているガラスを分離し、ガラスカレットとしてリサイクル利用することや、セル部分を分離し、セルの電極に用いられる銀や銅などの有価物を回収する方法が知られているが、ガラスとセルを混在させないよう分離して回収することが容易ではなく、大量に処理することが難しいという問題がある。また、セルに含まれる銀や銅については、処理の困難さによって、処理コストが回収できないことから廃棄物として回収されないケースもある。
また、近年、太陽電池発電の普及に伴い、大量の太陽光発電パネルが製造され、使用されている。そのため、昨今では廃太陽光発電パネルの廃棄量は低いが、数十年後、使用寿命を迎える太陽光発電パネルの大量出現により、廃太陽光発電パネルの発生量が急激に増加すると予測される。上記廃太陽光発電パネルの処理の困難さとあいまって、深刻な産業廃棄物問題につながる懸念がある。そこで、廃太陽光発電パネルの効率的な処理方法が望まれている。
太陽光発電パネルには、一般にフレーム(通常はアルミニウム製)と、カバーガラスと、バックシート(通常はポリフッ化ビニリデン等の樹脂)と、太陽電池セルと、太陽電池セルの表裏面を封止する封止剤(通常はEVA樹脂製)とを有し、さらに太陽電池セルから外部へ電力を供するためのケーブルなどを有する。これらの部材のうち、カバーガラスは廃太陽光発電パネルの質量の大きな部分を占める。
カバーガラスの回収方法として、太陽電池モジュールから取り出された太陽電池セルを包囲して封入する封止材とカバーガラスとの積層体が加温液中に浸漬させられて加温された後、前記積層体が前記加温液中に浸漬させられて加温されながら前記カバーガラスから前記封止材が削剥されることを特徴とする太陽電池モジュールの板ガラスの回収方法が提案されている(特許文献1:特開2018-176002号公報)。
特開2018-176002号公報
特許文献1のほかにも、廃太陽光発電パネルからカバーガラスを回収する技術が複数提案されているが、回収されたカバーガラスをどのように利用するかに関しての検討が十分に行われておらず、前述のように、今後の廃太陽光発電パネルの発生量の急激な増加に対処するために、カバーガラスが持つ経済的価値を、有効にかつ効率的に再利用する方法が必要とされている。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、一実施形態において、廃太陽光発電パネル由来のカバーガラスを有効に利用する方法を提案することを課題とする。
本発明者は鋭意検討の結果、廃太陽光発電パネルのフレームと他の部材を分離したうえ、カバーガラスを非鉄製錬炉の溶剤として利用することで、上記課題を解決することができることを見いだした。本発明は上記知見に基づき完成されたものであり、以下に例示される。
[1]
廃太陽光発電パネル由来のカバーガラスの処理方法であって、
溶剤としてSiO2源を必要とする非鉄製錬炉に、前記カバーガラスを前記SiO2源の一部として供給することを含む処理方法。
[2]
前記カバーガラスに由来するNaの量を基準に、前記カバーガラスの供給量を調整することを含む、[1]に記載の処理方法。
[3]
前記カバーガラス及び他のSiO2源を混合してから、前記非鉄製錬炉に供給することをさらに含む、[1]又は[2]に記載の処理方法。
[4]
前記SiO2源は、前記カバーガラス及び珪酸鉱を含み、前記SiO2源の合計質量に対し、前記カバーガラスの供給量を10%以下とする、[1]~[3]のいずれか1項に記載の処理方法。
[5]
前記カバーガラスを前記珪酸鉱の粉砕装置に投入し、前記珪酸鉱とともに粉砕及び混合することをさらに含む、[4]に記載の処理方法。
[6]
前記非鉄製錬炉は銅製錬用の自溶炉又は転炉である、[1]~[5]のいずれか1項に記載の処理方法。
[7]
前記カバーガラスは、少なくとも前記カバーガラスと、フレームと、太陽電池セルと、封止剤と、ケーブルとを有する廃太陽光発電パネルから由来するものであり、
前記方法は、さらに前記フレーム及び前記ケーブルを分離する分離工程を含む、
[1]~[6]のいずれか1項に記載の処理方法。
[8]
さらに、前記分離工程の後、前記カバーガラスを剥離することで、前記太陽電池セル及び前記封止剤から前記カバーガラスを分離し、前記カバーガラスをSiO2源の一部として非鉄製錬炉に供給する工程を含む、[7]に記載の処理方法。
[9]
さらに、前記カバーガラスから分離した前記太陽電池セル及び前記封止剤を焼却し、焼却物を非鉄製錬炉で処理する工程を含む、[8]に記載の処理方法。
本発明によれば、廃太陽光発電パネル由来のカバーガラスを有効に利用することができる。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
(1.廃太陽光発電パネル)
廃太陽光発電パネルの具体的な構成や素材は限定されないが、典型的には、少なくともカバーガラスと、フレームと、太陽電池セルと、封止剤と、ケーブルとを有するものである。フレームは、通常アルミニウム製であり、封止剤は、通常EVA樹脂などのプラスチック製であり、ケーブルは、通常絶縁材料に覆われる銅線である。一例として、廃太陽光発電パネルにおいて、カバーガラス、EVA封止剤、太陽電池セル、EVA封止剤、バックシートが順に積層されており、表側がカバーガラスで構成され、裏側がバックシートで構成されている。太陽電池セルには、外部に電力を出力するためのケーブルが設けられている。ほかにも、電気回路を形成するために、より多くのケーブルが含まれる場合がある。
(2.カバーガラスの利用)
廃太陽光発電パネル由来のカバーガラスの成分は、典型的にはSiO2:50~65%、酸化マグネシウム:2~4%、酸化ナトリウム:10~16%であり、その他、酸化カルシウム、酸化アルミニウム等が含まれている。通常のガラスと比較して、酸化ナトリウムの量が比較的に多いという特徴がある。本発明の方法は、一実施形態において、溶剤としてSiO2源を必要とする非鉄製錬炉に、廃太陽光発電パネル由来のカバーガラスをSiO2源の一部として供給することを含む。以下、銅を非鉄金属の一例として説明する。
銅製錬炉では、銅精鉱を酸化反応させて銅品位65%程度の銅マットと、FeやSiが主成分のスラグを製造する自溶炉や、銅マットを酸化反応させて、銅品位99%程度の粗銅を製造する転炉などがある。自溶炉や転炉では酸化反応熱により原料を溶融状態にして保持し、銅マットとスラグ、または粗銅とスラグの2相に分離してそれぞれ回収するが、適切なスラグ組成にして溶融時の融点を下げる目的で溶剤が添加される。
溶剤にはさまざまな種類があるが、SiO2を主成分とする珪酸鉱を用いるのが一般的である。珪酸鉱を溶剤として用いる場合、自溶炉や転炉では以下の反応が発生する。
自溶炉:CuFeS2+SiO2+O2→Cu2S・FeS+2FeO・SiO2+SO2
転炉:Cu2S・FeS+SiO2+O2→Cu+2FeO・SiO2+SO2
前述のように、廃太陽光発電パネル由来のカバーガラスにはSiO2が多く含まれるので、カバーガラスをSiO2源として用いることが可能である。また、銅製錬炉の中でも、銅精鉱の処理量が大きく、より多くのSiO2源を必要とする自溶炉に、カバーガラスを供給することで、より多くの処理量を期待できる。
ただし、前述のように、廃太陽光発電パネル由来のカバーガラスは、通常のガラスと比較して、酸化ナトリウムの量が比較的に多いが、非鉄製錬炉に存在する酸化ナトリウムが多いと、スラグへのFeOの溶解度が小さくなる傾向がある。FeOの溶解度が小さくなると、2FeO・SiO2の生成反応が阻害されるので、結果として、SiO2源が溶剤として十分に機能せず、スラグの形成が阻害される恐れがある。そのため、廃太陽光発電パネル由来のカバーガラスは、SiO2源の全部ではなく、一部として供給する必要がある。
好ましくは、カバーガラスに由来するNaの量を基準として、カバーガラスの供給量を調整する。より具体的には、SiO2源として、廃太陽光発電パネル由来のカバーガラス及び珪酸鉱を含む場合、SiO2源の合計質量に対し、カバーガラスの供給量を10%以下とすることが好ましい。SiO2源の合計質量に対するカバーガラスの供給量の下限は特に限定されるものではないが、珪酸鉱との代替効果を得る目的で、0.1%以上、1%以上、3%以上、又は、5%以上としてもよい。カバーガラスの供給量を調整する考え方として、溶剤を含む、非鉄製錬炉に供給する装入原料全体のNa濃度に応じて調整してもよい。例えば、全ての装入原料のNa濃度(質量割合)の上限としては、0.2%以下とすることが好ましい。装入原料全体のNa濃度の下限は特に限定されるものではないが、珪酸鉱との代替効果を得る目的から、0.001%以上、0.01%以上、0.04%以上、0.05%以上、又は0.1%以上としてもよい。廃太陽光発電パネル由来のカバーガラス及び珪酸鉱以外のSiO2源は特に限定されないが、例えばテレビのブラウン管、建築用板ガラス、自動車用ガラスなどの産業系ガラスなどが考えられる。好ましくは、SiO2源は、カバーガラス及び珪酸鉱である。
SiO2源の一部として、廃太陽光発電パネル由来のカバーガラスを使用する場合、カバーガラス及び他のSiO2源を混合してから、非鉄製錬炉に供給することが好ましい。カバーガラス及び他のSiO2源を十分に混合させることで、成分の急激な変動を回避することができ、安定したスラグの形成が可能である。
また、珪酸鉱を自溶炉などの非鉄製錬炉のSiO2源として使用する場合、珪酸鉱を粉砕装置により粉砕してから非鉄製錬炉に投入することが通常であるが、廃太陽光発電パネル由来のカバーガラスも珪酸鉱の粉砕装置に投入して、珪酸鉱とともに粉砕及び混合することが好ましい。これにより、さらに成分の均一化を図ることが可能である。
(3.カバーガラスの準備)
前述のように、カバーガラスの材料源である廃太陽光発電パネルは、少なくともカバーガラスと、フレームと、太陽電池セルと、封止剤と、ケーブルとを有するが、これらの部材のうち、フレームは通常アルミニウム製であり、ケーブルは通常銅線を含むので、これらの有価金属を別途回収することが、廃棄物を減らして廃太陽光発電パネルの経済的価値を高めるうえで好ましい。
フレーム及びケーブルを太陽光発電パネルから分離する方法は特に限定されないが、フレームを手作業により解体したうえで、ケーブルを手作業により選別して取りはずす方法や、カバーガラスを機械により押し割ることによりフレームを分離させ、その後ケーブルを手作業により選別する方法が挙げられる。
フレーム及びケーブルを分離した後、カバーガラスに付着している太陽電池セル及び封止剤は、カバーガラスから剥離する工程をさらに経てから、カバーガラスを非鉄製錬炉のSiO2源として使用することができる。ただし、本発明の別の一実施形態では、太陽電池セルはカバーガラスから剥離せず、カバーガラスとともに非鉄製錬炉に投入することができる。太陽電池セル部分もSiO2源を含むことがあり、またセルに含まれる銀や銅は銅マットに溶解し、最終的に電気銅や、銀として回収可能だからである。
本発明の別の一実施形態において、フレーム及びケーブルを分離した後、太陽電池セルを別段カバーガラスから剥離しないが、封止膜などの樹脂成分を減らすために、非鉄製錬炉のSiO2源として使用する前に、カバーガラス及び太陽電池セルを焼却する工程を実施することができる。
本発明の別の一実施形態において、フレーム及びケーブルを分離した後、カバーガラスを剥離し、非鉄製錬炉のSiO2源として使用し、残った太陽電池セル及び封止剤は焼却して樹脂成分を減少させた後に非鉄製錬炉に投入し、太陽電池セルに含まれる銀等を回収する工程を実施することができる。
以上のように、廃太陽光発電パネル由来のカバーガラスはSiO2源として非鉄製錬炉に供給することにより再利用されるので、処理量を大きく向上させることが可能であり、廃太陽光発電パネル大量発生に対処することが可能である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(比較例のるつぼ試験)
廃太陽光発電パネルのカバーガラスと組成が類似するソーダガラスを用いて、廃太陽光発電パネルのカバーガラスと銅精鉱との反応性について模擬試験を行った。このソーダガラスの組成を表1に示す。また、通常の溶剤として使用される珪酸鉱の組成も表1に示す。このソーダガラスと珪酸鉱をディスクミルで粉砕した。
Figure 2022136055000001
また、表2に示される組成を有する銅精鉱を用意した。
Figure 2022136055000002
まず、加熱炉を1300℃までに昇温した。次に、Fe/SiO2が1.05となるように、銅精鉱と溶剤の割合を調整して混合し、るつぼに充填し、このるつぼを加熱炉に投入した。比較例では珪酸鉱をソーダガラスに置き換えた。表3に、参考例及び比較例において、珪酸鉱、ソーダガラス、銅精鉱それぞれの使用量、及び珪酸鉱とソーダガラスの合計質量に対するソーダガラスの割合を示す。
Figure 2022136055000003
次に、1L/minの速度で空気をるつぼに吹き込み、30分間保持した。その後、加熱炉からるつぼを取り出し、大気中で自然冷却した。その結果、参考例において、スラグとマットの2相に分離し、スラグの主成分はFe2SiO4とSiO2であることを確認した。すなわち、スラグが正常に形成したことが判明した。一方、比較例では、FeとSiO2は反応せずガラスが分相し、期待されるスラグは形成せず、ソーダガラスは溶剤として機能しなかったことが分かった。その理由は、ソーダガラス由来のNa成分量が多すぎることにより2FeO・SiO2の生成反応が阻害されたことと推測される。
(るつぼ試験)
廃太陽光発電パネルを手作業で解体し、カバーガラスを分離した。このカバーガラスの組成は表4に示される。また、通常の溶剤として使用される珪酸鉱の組成も表4に示す。このカバーガラスと珪酸鉱をディスクミルで粉砕した。
Figure 2022136055000004
また、表2に示される組成を有する銅精鉱を用意した。
まず、加熱炉を1300℃までに昇温した。次に、Fe/SiO2が1.05となるように、銅精鉱と溶剤の割合を調整して混合し、るつぼに充填し、このるつぼを加熱炉に投入した。参考例では珪酸鉱のみを使用したのに対し、試験例では一部珪酸鉱をカバーガラスに置き換えた。表5に、参考例及び試験例において、珪酸鉱、カバーガラス、銅精鉱それぞれの使用量、及び珪酸鉱とカバーガラスの合計質量に対するカバーガラスの割合を示す。参考例において、銅精鉱、カバーガラス、珪酸鉱を合わせた装入原料全体のNa濃度は0.0041%であった。試験例において、銅精鉱、カバーガラス、珪酸鉱を合わせた装入原料全体のNa濃度は0.18%であった。
Figure 2022136055000005
次に、1L/minの速度で空気をるつぼに吹き込み、30分間保持した。その後、加熱炉からるつぼを取り出し、大気中で自然冷却した。結果として、参考例と試験例のいずれにおいても、スラグとマットの2相に分離し、スラグの主成分はFe2SiO4とSiO2であることを確認した。すなわち、スラグが正常に形成したことが判明した。また、溶剤の一部をカバーガラスに置き換えた試験例については、カバーガラスが残存することなくスラグが生成されていたことから溶剤として機能したことを確認した。
(実機試験)
廃太陽光発電パネルから分離したカバーガラスを用意した。このカバーガラスの組成は表6に示される。
Figure 2022136055000006
このカバーガラスを、表7の割合で、珪酸鉱とともに、銅精鉱を酸化反応させる自溶炉に供給した。なお、供給量(t)は、1日の量を示す。
Figure 2022136055000007
各例の自溶炉の処理により得られるスラグのサンプルを採取し、スラグ中の銅品位をXRF(蛍光X線分析)により測定し、従来例1の数値を1として、各例の相対値を評価した。結果を表8に示す。
Figure 2022136055000008
仮に、廃太陽光発電パネル由来のカバーガラスが溶剤として機能しない場合、2FeO・SiO2が生成する反応が妨げられ、FeOが酸素で酸化されるので、相対的にマグネタイトの生成量が増加し、スラグ溶体の粘度が上昇する。スラグ溶体の粘度が上昇すれば、スラグ中のマット粒子の沈降が遅くなり、スラグ中のCuの品位が上昇する。ところが、実施例では、スラグ中のCuの品位の上昇が見受けられないことから、廃太陽光発電パネル由来のカバーガラスがSiO2源(溶剤)として機能していることが確認された。
このことより、廃太陽光発電パネル由来のカバーガラスは、SiO2源として非鉄製錬炉に供給することが可能であることが分かった。

Claims (9)

  1. 廃太陽光発電パネル由来のカバーガラスの処理方法であって、
    溶剤としてSiO2源を必要とする非鉄製錬炉に、前記カバーガラスを前記SiO2源の一部として供給することを含む処理方法。
  2. 前記カバーガラスに由来するNaの量を基準に、前記カバーガラスの供給量を調整することを含む、請求項1に記載の処理方法。
  3. 前記カバーガラス及び他のSiO2源を混合してから、前記非鉄製錬炉に供給することをさらに含む、請求項1又は2に記載の処理方法。
  4. 前記SiO2源は、前記カバーガラス及び珪酸鉱を含み、前記SiO2源の合計質量に対し、前記カバーガラスの供給量を10%以下とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の処理方法。
  5. 前記カバーガラスを前記珪酸鉱の粉砕装置に投入し、前記珪酸鉱とともに粉砕及び混合することをさらに含む、請求項4に記載の処理方法。
  6. 前記非鉄製錬炉は銅製錬用の自溶炉又は転炉である、請求項1~5のいずれか1項に記載の処理方法。
  7. 前記カバーガラスは、少なくとも前記カバーガラスと、フレームと、太陽電池セルと、封止剤と、ケーブルとを有する廃太陽光発電パネルから由来するものであり、
    前記方法は、さらに前記フレーム及び前記ケーブルを分離する分離工程を含む、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の処理方法。
  8. さらに、前記分離工程の後、前記カバーガラスを剥離することで、前記太陽電池セル及び前記封止剤から前記カバーガラスを分離し、前記カバーガラスを前記SiO2源の一部として非鉄製錬炉に供給する工程を含む、請求項7に記載の処理方法。
  9. さらに、前記カバーガラスから分離した前記太陽電池セル及び前記封止剤を焼却し、焼却物を非鉄製錬炉で処理する工程を含む、請求項8に記載の処理方法。
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