JP2022135806A - 下地処理方法および下地処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造物等の下地処理作業におけるレーザー照射の条件を適正化した下地処理方法および下地処理装置を提供する。【解決手段】初期酸化被膜(スケール)として、基材(Fe)2の上層にヘマタイト(Fe2O3)およびマグネタイト(Fe3O4)を主成分とする酸化被膜3が表面に存在する処理対象物1に対して、前処理では、酸化被膜3を溶融させるのに有効なレーザー密度に設定したパルスレーザー光を照射して、上記酸化被膜3を溶融させる。後処理では、上記前処理において上記酸化被膜3の溶融により発生されるスラグ3Bを冷却して凝固させ、上記酸化被膜3の最表層のスラグ3Bを除去するのに有効なレーザー密度に設定したパルスレーザー光を照射して、上記付着物の最表層のスラグを除去する後処理を行う。レーザーケレン後の鋼板表面は、密着性の低いスラグ3Bが除去されて、密着性の高い密着性の高い酸化被膜(Fe3O4)3Aのみとなる。【選択図】図6
Description
本発明は、レーザー照射によって処理対象物の付着物を除去する下地処理方法および下地処理装置に関し、特に、塗装、ライニング、接着などの各種作業に供されるワークに最適な条件でのレーザーケレン作業が実施可能な下地処理方法および下地処理装置に関する。
ここで、対象物の表面に付着している酸化被膜を除去する処理をケレン処理と称す。
例えば、橋梁等の鋼構造物の表面には、用途や機能に応じて、塗装、舗装、ライニング、樹脂シート等、種々の被膜が形成される。かかる被膜は、風雨に晒されることが多く、時間の経過とともに、劣化したり酸化物や汚れ等が付着したりすることとなる。鉄部に付着している汚れや錆をしっかりと落とさずに、塗料を塗布してもしっかり塗料が付着しないので、すぐに剥がれてしまうなど、本来の耐久性を発揮することができない。その為、下地処理作業を行い、確実に汚れや錆を除去し密着性を向上させる必要がある。そこで、かかる被膜を有する構造物等では、定期的に洗浄や剥離(下地処理作業を含む)等の除去作業を行い、必要に応じて、被膜の塗り替えや張り替え等の処理を行っている。
従来、対象物表面の錆や塗膜を除去するにおいては、塗膜剥離剤やショトブラストによる剥離処理が行われていたが、作業環境及び作業効率が悪いばかりでなく、大量の除去物の回収・廃棄処理に問題があることから、レーザー照射による錆の除去や塗膜剥離処理が提案されている。
例えば、液体中に設置したターゲットに、パルスレーザー加工をレーザースポットがターゲットに一定間隔以上離れて、スキャンして照射する金属ナノコロイド生成方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、水面からターゲットまでの距離を一定に保ち、かつ水面とターゲット表面を平行とし、パルスレーザレーザ加工を等速で照射することが記載されている。
また、高い残留応力を持つ脆性材の切断加工においても亀裂など生じさせることなく加工可能なレーザー加工装置およびレーザー加工方法として、レーザー光をパルス発振して加工対象物に一定の繰り返し周波数で照射すると共に走査するレーザー光照射機構を備え、照射機構が、繰り返し周波数をH、レーザー光のビーム径をa、レーザー光の同一加工線上への走査回数をn、パルスレーザー光の1照射あたりの移動距離Lをn/2×aとしたとき、レーザー光の走査速度SをL/(1/H)とすると共に、走査回数1回目のレーザー光の照射開始位置をL1として、走査回数n回目のレーザー光の照射開始位置Lnを、L1+(L/n)×(n-1)として走査毎に照射開始位置をずらして照射を行うことが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、鋼板表面の酸化被膜、塗膜などの付着物をレーザーにて除去する表面処理方法として、第1回目のレーザー照射により上記付着物を除去し、第1回目のレーザー照射により生じた熱影響部を第2回目のレーザー照射により除去するようにした表面処理方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
上述の如く、鋼材の塗装や溶接などにおいては、その作業の実施前に当該部位の表面にあるスケール(製造時に生成した鉄酸化物)を除去する必要がある。通常は、鋼材表面に微小な鉄球などをぶつけ、その運動エネルギーによりスケー ルを除去するショットブラストが用いられるが(小規模な場合はハンディグラインダ)、粉塵、騒音、振動などの環境面に加え、使用したショット球や除去後の廃棄物処分に大きなコストがかかるといった問題がある。
そこで、従来より、環境面、コストともに改善できる方法としてレーザーによる下地処理作業が行われている。
レーザー照射による塗膜剥離処理では、レーザーアブレーションにより、化学薬品を使用することなく、処理対象物の表面の塗装膜を除去することができる。
しかしながら、特許文献1の開示技術は、液体中に設置したターゲットに、パルスレーザーをレーザースポットがターゲットに一定間隔以上離れて、スキャンして照射する金属ナノコロイド生成方法において、パルス毎のレーザー照射ピッチをスポット径の10倍以上離して照射するものであり、金属ナノコロイド生成分野固有のものであり、通常の場合においては、スポット径間の距離を大きく離すことにより、未照射部位が発生することは明確であり、この部分の処理ができないという問題がある。
また、特許文献2の開示技術は、レーザーによる熱影響を抑えることによる切断に関する方法であるが、パルス当たりの照射ピッチをスポット径の1.5倍にすることにより、重ね照射を回避し、発生した未照射部位は、次回および次々回の照射により埋めていくという方法である。本方法では、複数回の照射が必要になるため、作業効率が低下するという問題がある。
さらに、特許文献3の開示技術は、第1回目のレーザー照射により上記付着物を除去するために、非常に大きなレーザーエネルギーが必要となり、その結果、過剰な熱が鋼板表面に投入されることで、熱影響部が生じ、当該熱影響部を除去するために第2のレーザー照射を行うものである。上記熱影響層は、FeOを主体とする酸化被膜であり、後の塗装による塗膜の耐候性、防錆性に悪影響を及ぼすものとされている。この方法では、鋼板表面に付着した酸化被膜をレーザーにて完全に除去するためには、大きなレーザーエネルギーが必要となり、レーザー装置も大型・高価なものとなる問題がある。
レーザーは、その集光特性からエネルギー密度を高めた加工が可能となるが、設備能力(コスト)と作業効率から最適な条件で使用する必要がある。当然ながら、レーザーの集光率を高くした(スポット径の小さい)レーザー密度の高い作業では、品質(下地処理作業ではスケールの除去性能)は優れているが、作業時間が長くなり作業能率が低下する。一方、レーザー集光率を低くした(スポット径の大きい)レーザー密度の低い作業では、品質は低下するが、照射時間が短くなる。したがって、作業における品質と作業能率から最適な条件を設定する必要がある。
そこで、本発明の目的は、上述の如き従来の実情に鑑み、塗装、ライニング、接着などの各種作業に供されるワークに最適な条件でのレーザーケレン作業が実施可能で、しかも、装置を大型化せず、設備費も安価な下地処理方法および下地処理装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、レーザー照射による下地処理作業を自動化して、作業環境を改善するとともに、作業者の安全と健康を確保することにある。
本発明の他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下に説明される実施の形態の説明から一層明らかにされる。
本件発明者等は、処理対象物の付着物についてレーザー照射による変化挙動を詳細観察し、熱間圧延のままの鋼材表面の酸化スケールは、密着性の高いマグネタイト(Fe3O4)と密着性の低いヘマタイト(Fe2O3)が混在する構造となっており、レーザー光のパルス照射によって溶融させることで、レーザー照射終了直後に当該部分が冷却・凝固され、新たに凝固した酸化被膜は密着性の高いマグネタイトから成り、かつ凝固した酸化被膜の上部には溶融により発生したスラグを浮揚・分離させることができることを確認した。
そこで、本発明では、処理対象物の付着物をレーザー光のパルス照射によって溶融させる前処理と、冷却・凝固させることで上記付着物の最表層に析出されるスラグをレーザー光のパルス照射によって除去する後処理を行う。
すなわち、本発明は、レーザー光のパルス照射によって処理対象物である鋼材の表面に付着する付着物を除去する下地処理方法であって、マグネタイト(Fe3O4)とヘマタイト(Fe2O3)が混在する構造となる上記付着物にレーザー光をパルス照射することより溶融させる前処理工程と、レーザー照射終了後に当該部分が冷却・凝固され、上記付着物の最表層に浮揚したスラグをレーザー光のパルス照射により除去する後処理を行う後処理工程とを有することを特徴とする。
本発明に係る下地処理方法において、上記前処理工程では、パルス照射するレーザー光の1パルス当たりのレーザー密度を、レーザー照射距離に基づくパルスレーザー光のスポット径dpと、1パルス当たりの照射位置の移動距離dmに基づいて、上記付着物を溶融させるのに有効なレーザー密度に設定したパルスレーザー光を照射して、上記付着物を溶融させる前処理を行い、上記後処理工程では、上記前処理工程において上記付着物を溶融させるレーザー照射を終了した後に、当該部分が冷却・凝固され上記付着物の最表層に浮揚したスラグを除去するにあたり、パルス照射するレーザー光の1パルス当たりのレーザー密度を、レーザー照射距離に基づくパルスレーザー光のスポット径dpと、1パルス当たりの照射位置の移動距離dmに基づいて、上記付着物の最表層のスラグを除去するのに有効なレーザー密度に設定したパルスレーザー光を照射して、上記付着物の最表層のスラグを除去する後処理を行うものとすることができる。
ここで、レーザー照射距離とは、レーザー光を集光するレンズと被対象物表面との距離である。したがって、レーザー照射距離がレンズの焦点距離に等しい場合にスポット径は最小となる。
本発明に係る下地処理方法では、上記前処理工程における1パルス当たりの照射位置の移動距離dm1に対し、上記後処理工程では、2倍以上の移動距離dm2となる移動速度で上記パルスレーザー光の照射位置を移動させて、後処理を行うものとすることができる。
また、本発明に係る下地処理方法において、上記前処理工程では、1パルス当たりの照射位置の移動距離dm1が上記パルスレーザー光のスポット径dpより小さくなる移動速度で上記パルスレーザー光の照射位置を移動させて、前処理を行い、上記後処理工程では、1パルス当たりの照射位置の移動距離dm2が上記パルスレーザー光のスポット径dpと等しい移動速度で上記パルスレーザー光の照射位置を移動させて、後処理を行うものとすることができる。
本発明は、レーザー光のパルス照射によって処理対象物の付着物を除去する下地処理装置であって、上記処理対象物である鋼材の処理対象領域にパルスレーザー光を照射するレーザー照射距離を可変設定する照射距離可変設定手段と、上記処理対象領域を含む作業領域内でパルスレーザー光の照射位置を移動させるスキャン手段を備え、上記処理対象物である鋼材の処理対象領域にパルスレーザー光を照射するパルスレーザー光照射装置と、上記パルスレーザー光照射装置の動作を制御する制御装置とを備え、上記制御装置は、上記パルスレーザー光照射装置により、パルス照射するレーザー光の1パルス当たりのレーザー密度を、レーザー照射距離に基づくパルスレーザー光のスポット径dpと、1パルス当たりの照射位置の移動距離dmに基づいて、上記付着物を溶融させるのに有効なレーザー密度に設定したパルスレーザー光を照射して、上記付着物を溶融させるように、上記パルスレーザー光照射装置の動作を制御する前処理制御と、
上記付着物の溶融後の冷却により発生するスラグを、パルス照射するレーザー光の1パルス当たりのレーザー密度を、レーザー照射距離に基づくパルスレーザー光のスポット径dpと、1パルス当たりの照射位置の移動距離dmに基づいて、上記付着物の最表層のスラグを除去するのに有効なレーザー密度に設定したパルスレーザー光を照射して、上記付着物の最表層のスラグを除去するように、上記パルスレーザー光照射装置の動作を制御する後処理制御を行うことを特徴とする。
上記付着物の溶融後の冷却により発生するスラグを、パルス照射するレーザー光の1パルス当たりのレーザー密度を、レーザー照射距離に基づくパルスレーザー光のスポット径dpと、1パルス当たりの照射位置の移動距離dmに基づいて、上記付着物の最表層のスラグを除去するのに有効なレーザー密度に設定したパルスレーザー光を照射して、上記付着物の最表層のスラグを除去するように、上記パルスレーザー光照射装置の動作を制御する後処理制御を行うことを特徴とする。
本発明に係る下地処理装置において、上記制御装置は、上記前処理制御における1パルス当たりの照射位置の移動距離dm1に対し、上記後処理制御では、2倍以上の移動距離dm2となる移動速度で上記パルスレーザー光の照射位置を移動させるものとすることができる。
また、本発明に係る下地処理装置において、上記制御装置は、上記前処理制御では、1パルス当たりの照射位置の移動距離dm1が上記パルスレーザー光のスポット径dpより小さくなる移動速度で上記パルスレーザー光の照射位置を移動させ、上記後処理制御では、1パルス当たりの照射位置の移動距離dm2が上記パルスレーザー光のスポット径dpと等しい移動速度で上記パルスレーザー光の照射位置を移動させるものとすることができる。
本発明では、パルス照射するレーザー光の1パルス当たりのレーザー密度を、レーザー照射距離に基づくパルスレーザー光のスポット径dpと、1パルス当たりの照射位置の移動距離dmに基づいて、上記付着物を溶融させるのに有効なレーザー密度に設定したパルスレーザー光を照射して、上記付着物を溶融させる前処理を行い、上記前処理において上記付着物の溶融により発生されるスラグを冷却して凝固させ、パルス照射するレーザー光の1パルス当たりのレーザー密度を、レーザー照射距離に基づくパルスレーザー光のスポット径dpと、1パルス当たりの照射位置の移動距離dmに基づいて、上記付着物の最表層のスラグを除去するのに有効なレーザー密度に設定したパルスレーザー光を照射して、上記付着物の最表層のスラグを除去する後処理を行うことにより、レーザーケレン後の鋼板表面には、密着性の低いスラグが除去されて、密着性の高い酸化被膜のみとすることができる。
したがって、本発明によれば、塗装、ライニング、接着などの各種作業に供されるワークに最適な条件でのレーザーケレン作業を行うことができ、しかも、装置を大型化せず、設備費も安価な下地処理方法および下地処理装置を提供することができる。
また、本発明によれば、従来の機械的な下地処理作業(ショットブラスト)を自動化することができ、これにより、作業者の環境面での改善や、複雑形状の対象材の下地処理作業も可能になる。
すなわち、本発明では、加工作業の品質と能率の両面から最適な条件を与えることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、共通の構成要素については、共通の指示符号を図中に付して説明する。また、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
本発明に係る下地処理方法は、例えば図1のブロック図に示すように、ロボットにより下地処理作業を行う下地処理装置100により実施される。
この下地処理装置100において、下地処理作業用のロボットは、多関節リンクから構成されるマニピュレータロボット、3軸(X,Y,Z)から構成される3軸ロボット、あるいは移動台車による搬送装置なども含めたものであり、この下地処理装置100では、マニピュレータ20(ロボットアーム21を含む)とロボット制御部30からなるマニピュレータロボット40が採用されている。
すなわち、この下地処理装置100は、パルスレーザー光照射装置10をマニピュレータロボット40に持たせてレーザー光のパルス照射によって処理対象物1の付着物を除去する下地処理作業を行うもので、パルスレーザー光照射装置10、マニピュレータロボット40、統括制御装置50などからなる。
パルスレーザー光照射装置10は、レーザー発振部11と、レーザー発振部11からレーザー光を伝送する光ファイバー12およびレーザー光を照射するレーザーヘッド部13からなる。
このパルスレーザー光照射装置10は、統括制御装置50によりレーザー光照射条件が制御され、レーザー発振部11によりパルスレーザー光Lpを発生し、レーザーヘッド部13から出射して、処理対象物1に照射する。
このパルスレーザー光照射装置10のレーザーヘッド部13には、図2に示すように、2つのモータ131X、131Yと2つのミラー132X、132Yからなる2軸のガルバノミラー機構130が設けられている。
この2軸のガルバノミラー機構130は、レーザー発振部11から光ファイバー12を介して供給されるパルスレーザー光LpをX軸方向とY軸方向に独立してレーザーの反射角度を変更させて走査することができるようになっている。
2軸のガルバノミラー機構130は、処理対象物1の処理対象領域内でパルスレーザー光Lpの照射位置を移動させるスキャン手段として機能する。
すなわち、ミラー132Xは、モータ131XによりZ軸周りに回転することにより、処理対象物1に照射するパルスレーザー光LpをX軸方向に走査する。
また、ミラー132Yは、モータ131YによりX軸周りに回転することにより、処理対象物1に照射するパルスレーザー光LpをY軸方向に走査する。
なお、上記2軸のガルバノミラー機構130における二つのミラー132X、132Yは、それぞれポリゴンミラーに置き換えることができる。
すなわち、パルスレーザー光照射装置10のレーザーヘッド部13の位置を固定した状態で、所定の範囲内を照射することができるようになっている。
なお、ガルバノミラーやポリゴンミラーによる走査では光軸が法線方向と一致するのは一点のみで、パルスレーザー光Lpの焦点位置は円弧状に位置することになるので、この2軸のガルバノミラー機構130は、テレセントリックf-θレンズ(あるいはテレセントリックf-θレンズと同等の光学特性を有するテレセントリック光学系)133を介してパルスレーザー光Lpを処理対象物1に照射するようになっている。すなわち、カルバノミラー走査によるレーザー照射では、処理対象物1まで焦点距離が変化するので、レーザー処理能力の低下幅が小さい範囲内でパルスレーザー光Lpの照射位置を走査するように、レーザー照射範囲を制約する必要がある。
また、マニピュレータロボット40のマニピュレータ20は、多関節のロボットアーム21を備え、ロボットアーム21の先端部21Aに上記パルスレーザー光照射装置10のレーザーヘッド部13が取り付けられている。
すなわち、上記ロボットアーム21の先端部21Aに取り付けられた上記パルスレーザー光照射装置10のレーザーヘッド部13は、上記マニピュレータロボット40の作業範囲内の任意の位置において、任意の方向に向けてパルスレーザー光Lpを照射することができるようになっている。
また、このマニピュレータロボット40は、処理対象物1の処理対象領域にレーザーヘッド部13からパルスレーザー光Lpを照射するレーザー照射距離を可変設定する照射距離可変設定手段として機能する。
統括制御装置50は、上記ロボットアーム21の先端部21Aに取り付けられたパルスレーザー光照射装置10のレーザーヘッド部13が予め設定したマニピュレータロボット40による下地処理作業軌道を通過するように所定のロボット動作条件をロボット制御部30に送信し、ロボット制御部30はこれに基づいてロボットを制御するとともに、パルスレーザー光照射装置10のレーザー照射条件をレーザー発振部11に送信し、レーザー発振部11はこれに基づきレーザー照射するとともにガルバノミラー機構130が動作することにより、この下地処理装置100による一連の下地処理作業動作を自動制御する。
この下地処理装置100におけるマニピュレータロボット40の制御は、基本的には、ロボット制御部30を用いて事前にティーチングにより動作軌道がプログラミングされる。
また、レーザー照射は、統括制御装置50にて決定されたレーザー照射パターンをレーザー発振部11に指令を出し、レーザー発振部11は、統括制御装置50からの指令に基づきレーザーヘッド部13に組み込まれているガルバノミラー機構130を駆動することによりレーザー照射を所定の通り実施する。
統括制御装置50は、ロボット制御部30から、ロボットがレーザー照射すべき所定の位置に到着した信号を受け取り、レーザー発振部11にレーザー照射開始の指令を送る。また、統括制御装置50は、レーザー発振部11から、レーザー照射完了の信号を受け取り、ロボット制御部30に次の照射位置に移動する開始指令を送る。
統括制御装置50は以上の制御動作をレーザー照射開始位置から終了位置まで繰り返すことにより、処理対象物1の処理対象領域全体の下地処理作業を実施する。
すなわち、図3に示すように、2軸のガルバノミラー機構130によるパルスレーザー光Lpの照射位置の走査範囲すなわちレーザー照射範囲の大きさを、例えば、50mm×50mmとした四角の基本面積で、処理対象物1の全処理対象領域をX方向に(n-1)分割し、Y方向に(m-1)分割し、左上端点を(1,1)とし、X軸方向に50mm進んだ点を(1,2)とし、順次進めていき右方向の終端を(1,n)とする。
次に、Y方向下向きに50mm進んだ点を(2,n)とし、今度はX方向を左方向に50mm進んだ点を(2,n-1)とし、順次進めていき左方向の終点を(2,1)とする。
以降同様に、右下の最終点(m,n)まで、この操作を実施する。
マニピュレータ40の移動方法としては、上記点に基づき、左上点(1,1)からスタートし、斜線で示す照射範囲AR11を2軸のガルバノミラー機構130により走査して下地処理作業を行った後、次の(1,2)点にレーザーヘッド部13を移動させ、同様に点々で示す照射範囲AR12を2軸のガルバノミラー機構130により走査して下地処理作業を実施する。
なお、2軸のガルバノミラー機構130による走査では、図4の(A)に示す照射軌跡RTS1のように、ガルバノミラー132XによりX軸方向に往復送りしながらガルバノミラー132YによりY軸方向に送ることにより折り返してジグザグ状に照射したり、図4の(A)に示す照射軌跡RTS2のように、X軸方向の送りとY軸方向の送りを組み合わせて渦巻き状に照射するものとすることができる。
更には、図4の(B)に示す照射軌跡RTS3のように、図4の(A)の照射軌跡RTS1のように折り返して照射する場合において、2列目以降は、前列の照射位置の中間位置に照射し、これを最終底辺まで実施することもできる。
ここで、この下地処理装置100により実施される下地処理方法は、図5に工程図を示すように、前処理工程ST1と後処理工程ST2を有する。
この下地処理方法は、レーザー光のパルス照射によって処理対象物1である鋼材の表面に付着する酸化被膜3を除去する下地処理方法であって、マグネタイト(Fe3O4)とヘマタイト(Fe2O3)が混在する構造となる上記酸化被膜3にレーザー光をパルス照射することより溶融させる前処理工程ST1と、レーザー照射終了後に当該部分が冷却・凝固され、上記付着物の最表層に浮揚したスラグをレーザー光のパルス照射により除去する後処理を行う後処理工程ST2とを有する。
上記パルスレーザー光照射装置10、マニピュレータロボット40、統括制御装置50などからなる下地処理装置100において、上記統括制御装置5は、パルスレーザー光照射装置10の動作を前処理工程ST1と後処理工程ST2で次のように制御する。
図6は、この下地処理装置100による下地処理の各工程の前後における処理対象物1の断面構造を模式的に示す図であり、(A)は処理前の処理対象物1の模式的な断面図であり、(B)は前処理後の処理対象物1の模式的な断面図であり、(C)は後処理後の処理対象物1の模式的な断面図である。
図6の(A)に示すように、処理対象物1には、初期酸化被膜(スケール)として、基材(Fe)2の上層にヘマタイト(Fe2O3)およびマグネタイト(Fe3O4)を主成分とする厚さt1の酸化被膜3が存在する。レーザー照射前の処理対象物1の表面に付着物として付着している初期酸化被膜は、ヘマタイト、マグネタイトを主成分とするが、それ以外の不純物も含んでいる。
上記統括制御装置50は、前処理工程ST1において、パルス照射するレーザー光の1パルス当たりのレーザー密度を、レーザー照射距離に基づくパルスレーザー光のスポット径dpと、1パルス当たりの照射位置の移動距離dmに基づいて、上記酸化被膜3を溶融させるのに有効なレーザー密度に設定したパルスレーザー光を照射して、上記酸化被膜3を溶融させるように、上記パルスレーザー光照射装置10の動作を制御する前後処理制御を行う。
すなわち、前処理工程ST1では、1回目のレーザー照射LS1を実施して酸化被膜3を溶融させる。
前処理工程ST1において1回目のレーザー照射LS1における個々のスポット照射より溶融された酸化被膜3は、それぞれのレーザー照射LS1が終了すると自然冷却により非常に速い冷却速度で冷却され凝固する。これは、酸化被膜3自体が非常に薄いものであり(10μm以下)、熱容量が小さいことによる。この様に急冷された酸化被膜3は、非常に密着性の高いマグネタイト(Fe3O4)が主体の酸化被膜3Aとなる。同時に、該酸化被膜3Aの上層にはスラグ3Bが浮遊・付着するが、該スラグ3Bは密着性が非常に低いものである。
ここで、溶融後の冷却であるが、上記は雰囲気の大気による自然冷却であるが、これに限定するものではなく、更に速い冷却速度が必要な場合は、冷却媒体を使用した冷却を行っても良い。
すなわち、前処理後の処理対象物1の表面は、図6の(B)に示すように、マグネタイト(Fe3O4)が主体の酸化被膜3Aと析出されたスラグ3Bとの2層構造の厚さt2の酸化被膜3’が付着した状態となる。
上記統括制御装置50は、後処理工程ST2において、上記付着物の表層に溶融により発生したスラグ3Bを冷却して凝固させ、パルス照射するレーザー光の1パルス当たりのレーザー密度を、レーザー照射距離に基づくパルスレーザー光のスポット径dpと、1パルス当たりの照射位置の移動距離dmに基づいて、上記付着物の最表層のスラグ3Bを除去するのに有効なレーザー密度に設定したパルスレーザー光を照射して、上記酸化被膜3’の最表層のスラグ3Bを除去するように、上記パルスレーザー光照射装置10の動作を制御する後処理制御を行う。
ここで、スラグは、元の酸化被膜が含有する不純物により生成されたものであり、一般的には、マグネタイト(Fe3O4)より比重が軽く、溶融により表層部に浮揚するものである。
すなわち、後処理工程ST2では、2回目のレーザー照射LS2を実施して上記酸化被膜3’の最表層のスラグ3Bを除去する。
後処理後の処理対象物1の表面は、図6の(C)に示すように、非常に密着性の高いマグネタイト(Fe3O4)が主体の酸化被膜3Aのみとなる。
このように、この下地処理装置100による下地処理では、初期酸化被膜(スケール)として、基材(Fe)2の上層にヘマタイト(Fe2O3)およびマグネタイト(Fe3O4)を主成分とする厚さt1の酸化被膜3が存在する処理対象物1に対して上記前処理工程(ST1)における1回目のレーザー照射LS1と、上記後処理工程(ST2)における2回目のレーザー照射LS2を行うことにより、処理対象物1の表面を密着性の高いマグネタイト(Fe3O4)を主体とする酸化被膜3Aとするとともに、最表面に発生する密着性の極めて低いスラグ3Bが除去できるので、その後の工程である塗装や接着における付着力を向上することができる。
上記統括制御装置50は、上記前処理制御における1パルス当たりの照射位置の移動距離dm1に対し、上記後処理制御では、2倍以上の移動距離dm2となる移動速度で上記パルスレーザー光の照射位置を移動させるものとすることができる。
ここで、前処理工程ST1における1回目のレーザー照射は、後処理工程ST2における2回目のレーザー照射によりスラグが十分に分離できればよく、テスト等で設定したスラグが十分に分離できる適切な回数でのレーザー照射をまとめて1回目のレーザー照射とすることができる。また、後処理工程ST2における2回目のレーザー照射のスキャン速度としては、前処理工程ST1における1回目のレーザー照射に比べ、2倍以上の速度にすることが望ましい。このようにして得られた後処理後の処理対象物1の表面は、密着性の高いマグネタイト(Fe3O4)を主体とする酸化被膜3Aとなる。
上記パルスレーザー光照射装置10により処理対象物1に照射するパルスレーザー光におけるレーザースポットLSのスキャン速度を変化させた時の照射状況を図7に示す。
図7の(A)は、照射するパルスレーザー光のスポット径dpの(1/√2)倍の距離dm1だけ移動させる場合である。この場合は、レーザースポットLSをオーバラップさせることで未照射部分を無くすことができる最も効率的な場合である。図7の(B)は、照射するパルスレーザー光のスポット径dpの(1/2)倍の距離dm1’だけ移動させる場合であり、この場合も未照射部分は無くなるが、レーザースポットLSのオーバラップ率が大きくなり、エネルギーの投入効率としては図7の(A)の場合より劣る。図7の(C)は、スポット径dpに等しい距離dm2だけ移動させるスキャン速度の場合である。
また、図7においては、X方向(水平方向)とY方向(垂直方向)におけるスキャン速度は同じ値にしているが、これに限定するものではなく、X方向(水平方向)とY方向(垂直方向)をそれぞれ異なる速度に設定しても良い。
ここで、上記照射するパルスレーザー光のスポット径dpは、使用するレーザー装置の光学系により異なるが、レーザー光の照射距離(レーザーヘッド出射側のレンズから被対象物までの距離)が焦点距離である場合のスポット径dpが最小であり、レーザー照射距離を焦点距離に対して長くしたり、短くすることでスポット径dpを変化させる(レーザー光をデフォーカスする)ことが可能である。この場合のスポット径dpは焦点位置の場合のスポット径よりも大きくなり、レーザー照射のエネルギーも小さくなる。
上記統括制御装置50は、上記前処理制御では、1パルス当たりの照射位置の移動距離dm1が上記パルスレーザー光のスポット径dpより小さくなる移動速度で上記パルスレーザー光の照射位置を移動させ、上記後処理制御では、1パルス当たりの照射位置の移動距離dm2が上記パルスレーザー光のスポット径dpと等しい移動速度で上記パルスレーザー光の照射位置を移動させるものとすることができる。
すなわち、この下地処理装置100における統括制御装置50では、まず1回目のレーザー照射LS1を図7の(B)に示す方法によるスキャン速度(スポット径dpの(1/2)倍の距離dm1’だけ移動させる場合)で酸化被膜3を溶融させると、レーザー照射終了後には、自然冷却により溶融した酸化被膜は凝固すると同時に、スラグ3Bが酸化被膜3Aの上面に浮揚・分離する。そして、最表面に発生したスラグ3Bを図7の(C)に示す方法によるスキャン速度(スポット径dpに等しい距離dm2だけ移動させる場合)によるレーザー照射LS2により除去する。
この下地処理装置100における統括制御装置50では、それぞれのワークに対するレーザー照射の最適条件を決定すべく、処理対象物1毎の作業仕様(加工品質や作業能率など)に基づき、最適なスポット径dp(レーザー密度)を実現するためのレーザー照射距離を関数プログラムとして内蔵されており、これに基づいて照射距離と1パルス当たりのレーザー移動距離が設定される。ここで、最適なスポット径dpは、事前のオフライン試験等の結果から、処理対象物1毎に所定の品質・能率が得られるように決められる。上記処理対象物1の処理対象領域に照射するパルスレーザー光Lpのスポット径dpをレーザー照射距離によって可変にすることができ、上記処理対象物1の処理対象領域に照射するパルスレーザー光Lpをデフォーカスさせることによりスポット径dpを最適値に設定することができる。
スポット径dpは上記デフォーカスすることにより大きくすることが可能となり、スポット径dpが大きくなるとスキャン速度も速くすることができる。
また、溶融した酸化被膜の冷却に関しては、酸化被膜3が非常に薄い場合には、自然冷却(空冷)による冷却でもよいが、初期スケール厚が厚くなり、自然冷却では冷却速度が不足するような場合には、窒素ガスなどをレーザー照射部に噴射することで冷却速度を大きくすることが可能である。
なお、レーザー照射は、ロボットを用いる方法以外に、人がレーザーヘッドを手で保持して照射する方法でも良いが、レーザー照射の均一性を確保する意味においては、ロボットなど機械装置を用いることが望ましい。
1 処理対象物、2 基材(Fe)、3,3’ 酸化被膜、3A 酸化被膜(Fe3O4)、3B スラグ、10 レーザー照射装置、11 レーザー発振部、12 光ファイバー、13 レーザーヘッド部、20 マニピュレータ、21 ロボットアーム、21A 先端部、30 ロボット制御部、40 マニピュレータロボット、50 統括制御装置、100 下地処理装置、130 ガルバノミラー機構、131X、131Y モータ、132X、132Y ミラー、133 テレセントリックf-θレンズ
Claims (7)
- レーザー光のパルス照射によって処理対象物である鋼材の表面に付着する付着物を除去する下地処理方法であって、
マグネタイト(Fe3O4)とヘマタイト(Fe2O3)が混在する構造となる上記付着物にレーザー光をパルス照射することより溶融させる前処理工程と、
レーザー照射終了後に当該部分が冷却・凝固され、上記付着物の最表層に浮揚したスラグをレーザー光のパルス照射により除去する後処理を行う後処理工程とを有することを特徴とする下地処理方法。 - 上記前処理工程では、パルス照射するレーザー光の1パルス当たりのレーザー密度を、レーザー照射距離に基づくパルスレーザー光のスポット径dpと、1パルス当たりの照射位置の移動距離dmに基づいて、上記付着物を溶融させるのに有効なレーザー密度に設定したパルスレーザー光を照射して、上記付着物を溶融させる前処理を行い、
上記後処理工程では、上記前処理工程において上記付着物を溶融させるレーザー照射を終了した後に、当該部分が冷却・凝固され上記付着物の最表層に浮揚したスラグを除去するにあたり、パルス照射するレーザー光の1パルス当たりのレーザー密度を、レーザー照射距離に基づくパルスレーザー光のスポット径dpと、1パルス当たりの照射位置の移動距離dmに基づいて、上記付着物の最表層のスラグを除去するのに有効なレーザー密度に設定したパルスレーザー光を照射して、上記付着物の最表層のスラグを除去する後処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の下地処理方法。 - 上記前処理工程における1パルス当たりの照射位置の移動距離dm1に対し、上記後処理工程では、2倍以上の移動距離dm2となる移動速度で上記パルスレーザー光の照射位置を移動させて、後処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の下地処理方法。
- 上記前処理工程では、1パルス当たりの照射位置の移動距離dm1が上記パルスレーザー光のスポット径dpより小さくなる移動速度で上記パルスレーザー光の照射位置を移動させて、前処理を行い
上記後処理工程では、1パルス当たりの照射位置の移動距離dm2が上記パルスレーザー光のスポット径dpと等しい移動速度で上記パルスレーザー光の照射位置を移動させて、後処理を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の下地処理方法。 - レーザー光のパルス照射によって処理対象物の付着物を除去する下地処理装置であって、
上記処理対象物である鋼材の処理対象領域にパルスレーザー光を照射するレーザー照射距離を可変設定する照射距離可変設定手段と、上記処理対象領域を含む作業領域内でパルスレーザー光の照射位置を移動させるスキャン手段を備え、上記処理対象物である鋼材の処理対象領域にパルスレーザー光を照射するパルスレーザー光照射装置と、
上記パルスレーザー光照射装置の動作を制御する制御装置と
を備え、
上記制御装置は、上記パルスレーザー光照射装置により、パルス照射するレーザー光の1パルス当たりのレーザー密度を、レーザー照射距離に基づくパルスレーザー光のスポット径dpと、1パルス当たりの照射位置の移動距離dmに基づいて、上記付着物を溶融させるのに有効なレーザー密度に設定したパルスレーザー光を照射して、上記付着物を溶融させるように、上記パルスレーザー光照射装置の動作を制御する前処理制御と、
上記付着物の溶融後の冷却により発生するスラグを、パルス照射するレーザー光の1パルス当たりのレーザー密度を、レーザー照射距離に基づくパルスレーザー光のスポット径dpと、1パルス当たりの照射位置の移動距離dmに基づいて、上記付着物の最表層のスラグを除去するのに有効なレーザー密度に設定したパルスレーザー光を照射して、上記付着物の最表層のスラグを除去するように、上記パルスレーザー光照射装置の動作を制御する後処理制御を行うことを特徴とする下地処理装置。 - 上記制御装置は、上記前処理制御における1パルス当たりの照射位置の移動距離dm1に対し、上記後処理制御では、2倍以上の移動距離dm2となる移動速度で上記パルスレーザー光の照射位置を移動させることを特徴とする請求項5に記載の下地処理装置。
- 上記制御装置は、上記前処理制御では、1パルス当たりの照射位置の移動距離dm1が上記パルスレーザー光のスポット径dpより小さくなる移動速度で上記パルスレーザー光の照射位置を移動させ、
上記後処理制御では、1パルス当たりの照射位置の移動距離dm2が上記パルスレーザー光のスポット径dpと等しい移動速度で上記パルスレーザー光の照射位置を移動させる
ことを特徴とする請求項5に記載の下地処理装置。
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