JPH11138280A - レーザ溶接方法 - Google Patents

レーザ溶接方法

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JPH11138280A
JPH11138280A JP9361715A JP36171597A JPH11138280A JP H11138280 A JPH11138280 A JP H11138280A JP 9361715 A JP9361715 A JP 9361715A JP 36171597 A JP36171597 A JP 36171597A JP H11138280 A JPH11138280 A JP H11138280A
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laser beam
groove
welding
angle
laser
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JP9361715A
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English (en)
Inventor
Yasuo Kondo
康夫 近藤
Toshifumi Matsumoto
敏史 松本
Naoaki Fukuda
直晃 福田
Jun Takaishi
純 鷹石
Hiroshi Matsushita
宏 松下
Akira Matsunawa
朗 松縄
Seiji Katayama
聖二 片山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KINKI KO EN KAKO GIJUTSU KENKY
KINKI KO ENERGIE KAKO GIJUTSU KENKYUSHO
Original Assignee
KINKI KO EN KAKO GIJUTSU KENKY
KINKI KO ENERGIE KAKO GIJUTSU KENKYUSHO
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ溶接方法として、レーザ溶接装置の構
造複雑化や設備コストの上昇を伴わず、格別に入熱量を
大きくする必要もなく、溶接部のブローホールの発生を
効果的に防止ないし低減できる手段を提供する。 【解決手段】 被溶接材1,1同士を突き合わせた開先
線3に沿ってレーザビーム2を相対移動させつつ照射し
て開先面11を溶接するに当たり、レーザビーム2の照
射方向を開先線3に対する垂直方向から前進角α又は後
退角を持つように傾斜させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被溶接材同士を突
き合わせ、その開先線に沿ってレーザビームを相対移動
させつつ照射して開先面を溶接するレーザ溶接方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】レーザ溶接は、高精度、高能率な溶接技
術として、船舶、鉄構、原動機、プラント機器、各種機
械等の広範な産業分野で嘱望されている。しかして、一
般的に従来におけるレーザ溶接は、図1に示すように、
被溶接材1,1の加工された被溶接面を突き合わせてI
型開先10を構成し、レーザ溶接ヘッド20を開先線3
に沿って移動させつつ、このヘッド20より出射される
レーザビーム2を被溶接材1,1の表面に対して垂直
(開先線3との角度θ=90度)に照射する。このと
き、被溶接材1,1が数十mmの厚みを有していても、
レーザビーム2の高エネルギー密度により、照射位置で
開先面11に臨む両側の素材が厚み幅全体に溶融するた
め、1パス(1回の走査)で溶接が完了する。
【0003】しかしながら、このようなレーザ溶接で
は、図2の溶接部断面に示すように、被溶接材1,1の
厚みが大きくなるほど、溶接層4中に溶接欠陥となるブ
ローホールHが多発し、溶接継手の不良ないし品位低下
に繋がるという問題があった。これは、図3(イ)に示
すようにレーザビーム2の照射点の直下に形成されるキ
ーホール5から気体が後方側の素材の溶融領域6内へ入
り込んで気泡hとなり、この気泡hが浮力によって素材
溶融物中を鉛直に上昇してゆくが、同図(ロ)に示すよ
うに溶接の進行に伴って溶融領域6が一定幅を保ちつつ
前方へ移行するため、該気泡hが上方外部へ抜け出す前
に、その周囲の素材溶融物が冷却・凝固してしまい、も
って同図(ハ)に示すように凝固した溶接層4中にブロ
ーホールHとして残ることによると考えられる。なお、
ブローホールHの気体は、溶接部を大気から遮断するた
めに使用されるシールドガスや、レーザ誘起プラズマを
除去するために使用されるアシストガスを主成分とする
ことが多い。
【0004】そこで、従来においては、ブローホールH
の防止ないし低減を目的として、レーザビーム2を被溶
接材1,1の開先線3に沿って照射する際、a)照射軌
跡が図4(イ)の如きジグザグ状や同図(ロ)の如き螺
旋状を描くように設定したり、b)同図(ハ)の如く複
数の照射スポット2a,2bが近接する状態としたり、
c)同図(ニ)の如く開先線3に沿う細長いパターンの
照射スポット2cを生じるように設定したり、更には
d)照射スポットが所謂ぼかした状態となるように焦点
位置を被溶接材の表面から外方又は内方にずらせる(図
示省略)等の方法により、溶融した素材が冷却・凝固す
るのを遅らせ、もって溶融領域6内へ入り込んだ気泡h
が上方外部へ抜け出すための時間的余裕を得るようにし
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記a
の方法では照射軌跡をジグザグ状や螺旋状とするための
レーザビームの揺動機構、同bの方法では複数本のレー
ザビーム、同cの方法では照射スポットを細長いパター
ンとするための特殊な集光光学系、が各々必要となり、
いずれもレーザ溶接装置の構造複雑化、設備コストの上
昇を招くという問題がある。しかも、前記a及びdの方
法では開先線に沿うレーザビームの照射幅が広く多量の
素材を溶融させることになり、また同b及びcの方法で
も照射スポットの面積が大きくなるから、いずれにして
も図1で示す通常のレーザ溶接に比較して開先線の単位
長さ当たりの入熱量が増大し、エネルギーコストが高く
付くと共に、被溶接材自体や周辺器材に大きな入熱量に
起因した熱的悪影響が及ぶ懸念がある。
【0006】本発明は、上述の状況に鑑み、レーザ溶接
方法として、レーザ溶接装置の構造複雑化や設備コスト
の上昇を伴わず、しかも格別に入熱量を大きくする必要
もなく、溶接部のブローホールの発生を効果的に防止な
いし低減できる手段を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明に係るレーザ溶接方法は、図面の参
照符号を付して示せば、被溶接材1,1同士を突き合わ
せた開先線3に沿ってレーザビーム2を相対移動させつ
つ照射して開先面11を溶接するに当たり、該レーザビ
ーム2の照射方向を開先線3(3a,3b)に対する垂
直方向から前進角α又は後退角βを持つように傾斜させ
ることを特徴とする構成を採用したものである。すなわ
ち、この構成では、レーザビーム2の照射方向が従来の
レーザ溶接のような開先線3に対する垂直方向ではな
く、該垂直方向から前進角α又は後退角βを持つ傾斜方
向であるため、溶接進行中において、照射位置後方に生
じる溶融領域6の輪郭をその内部へ入り込んだ気泡hの
浮上・放出が促進される形状に容易に設定できる。
【0008】請求項2の発明では、上記請求項1のレー
ザ溶接方法において、開先面11の幅方向を非水平方向
として配置した被溶接材1,1同士を溶接する際、レー
ザビーム2の照射方向を、その照射位置後方に生じる素
材溶融物の前記幅方向における下位側の凝固よりも上位
側の凝固が遅れる傾斜方向に設定する構成としている。
この場合、溶融領域6内へ入り込んだ気泡hは素材溶融
物中を鉛直に上昇すると共に、この上昇過程で溶融領域
6もレーザビーム2の照射位置の移動に伴って一定幅
(溶接進行方向に沿う前後幅)を保ちつつ溶接進行方向
へ移行してゆくが、素材溶融物の凝固は前記幅方向にお
ける下位側よりも上位側が遅れるため、気泡hが上方外
部へ抜け出すための時間的余裕が得られることになる。
【0009】請求項3の発明では、上記請求項2のレー
ザ溶接方法において、開先面11の幅方向が非水平方向
であって且つ該開先面11の両側縁をなす開先線3a,
3bが水平方向に沿うように配置(A)〜(D)した被
溶接材1,1同士の溶接において、前進角αを持つ照射
方向としたレーザビーム2を上縁側の開先線3aに沿っ
て照射する構成としている。この場合、溶融領域6の輪
郭は菱形になり、開先面11の幅方向を基準とすれば、
素材溶融物の凝固は下位側よりも上位側が遅れることに
なるから、溶融領域6に入り込んだ気泡hが上方外部へ
抜け出すための時間的余裕が得られる。
【0010】請求項4の発明では、上記請求項2のレー
ザ溶接方法において、開先面11の幅方向が非水平方向
であって且つ該開先面11の両側縁をなす開先線3a,
3bが水平方向に沿うように配置(A)〜(D)した被
溶接材1,1同士の溶接において、後退角βを持つ照射
方向としたレーザビーム2を下縁側の開先線3bに沿っ
て照射する構成としている。この場合、請求項3と同様
に、溶融領域6の輪郭は菱形になり、開先面11の幅方
向を基準として素材溶融物の凝固は下位側よりも上位側
が遅れるから、溶融領域6に入り込んだ気泡hが上方外
部へ抜け出すための時間的余裕が得られる。
【0011】請求項5の発明では、上記請求項1のレー
ザ溶接方法において、開先面11の幅方向が水平方向で
あって且つ該開先面11の両側縁をなす開先線3,3が
非水平方向となるように配置(E)(F)した被溶接材
1,1同士の溶接において、前進角α又は後退角βを持
つ照射方向としたレーザビーム2を開先線3の上側から
下側へ移動させつつ照射する構成としている。この場
合、溶融領域6の溶接方向が下向きであるから、溶融領
域6と溶接層4との境界部6aは該溶融領域6における
上縁に位置する形で溶接の進行と共に下向移動してゆく
が、この境界部6aはレーザビーム2が前進角α又は後
退角βで照射されるために常時傾斜した状態となり、溶
融領域6に入り込んだ気泡hは上昇して前記境界部6a
近傍に達すると傾斜に沿って斜め上方へ移動し、速やか
に側方外部へ放出されることになる。
【0012】請求項6の発明に係るレーザ溶接方法は、
開先面11の幅方向が水平方向であって且つ該開先面1
1の両側縁をなす開先線3,3が非水平方向となるよう
に配置した被溶接材1,1同士の溶接において、開先線
3に対して垂直な照射方向としたレーザビーム2を開先
線3の下側から上側へ移動させつつ照射する構成とす
る。この場合、溶接方向が上向であるから、元来より溶
融領域6に気泡hが入り込みにくく、従ってレーザビー
ム2に前進角及び後退角を設定する必要は特にない。
【0013】請求項7の発明では、上記請求項1のレー
ザ溶接方法において、被溶接材1,1が管体であり、そ
の水平管部1a,1aの端面同士を突き合わせた全周を
溶接するに当たり、レーザビーム2を上半周部11aで
は前進角αを持つ照射方向、下半周部11bでは後退角
βを持つ照射方向に設定する構成としている。すなわ
ち、レーザビーム2の照射が上半周部11aの溶接では
前進角α、下半周部11bの溶接では後退角βであるた
め、共に溶融領域6における素材溶融物の凝固は下位側
よりも上位側が遅れることになり、溶融領域6に入り込
んだ気泡hが上方外部へ抜け出すための時間的余裕が得
られる。
【0014】請求項8の発明では、上記請求項1〜5及
び7のいずれかのレーザ溶接方法において、レーザビー
ム2の前進角α及び後退角βが5〜45度の範囲である
ため、溶融領域6の上下位での素材溶融物の凝固の時間
差、もしくは該溶融領域6と溶接層4との境界部6aの
傾斜による気泡hの排出促進作用を十分に発揮できると
共に、被溶接材1,1の開先面11の幅が広い場合でも
レーザビーム2の強度をさほど大きくせずに溶接を行え
る。すなわち、上記角度が5度未満では上記時間差及び
傾斜度合が僅かになるために気泡hの排出促進作用が小
さく、また上記角度が45度を越える場合は開先面11
を横切るレーザビーム2の行程が長くなるため、その行
程分の被溶接材1,1を一挙に溶融させる上で非常にエ
ネルギー密度の高いレーザビームを必要とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るレーザ溶接方
法の実施例を図面を参照して具体的に説明する。図5及
び図6における(A)〜(H)は、被溶接材1,1が板
体である場合の代表的な配置形態を模式的に例示したも
のである。すなわち、(A)では被溶接材1,1が水平
で開先面11は垂直、(B)では被溶接材1,1が垂直
で開先面11は傾斜、(C)では被溶接材1,1が傾斜
して開先面11は傾斜、(D)では被溶接材1,1が傾
斜して開先面11は垂直、という配置形態であるが、こ
れら(A)〜(D)における開先線3はいずれも水平方
向に沿っている。一方、(E)では被溶接材1,1が垂
直で開先面11及び開先線3も垂直となり、(F)では
被溶接材1,1が垂直で開先面11及び開先線3は傾斜
し、(G)では被溶接材1,1及び開先線3は傾斜して
開先面11が垂直となり、(H)では被溶接材1,1と
開先面11及び開先線3がいずれも傾斜している。
【0016】(A)の配置形態では溶接を上面側から行
う場合(下向溶接姿勢)と下面側から行う場合(上向溶
接姿勢)とがある。まず、上面側からの溶接では、図7
に示すように、レーザ溶接ヘッド20から出射されるレ
ーザビーム2は、従来のような被溶接材1,1の表面に
対する垂直方向yではなく、該垂直方向yから前進角α
をなす傾斜方向として上縁側の開先線3aに沿って照射
する。なお、この前進角αをなす傾斜方向は、言うまで
もなく垂直な開先面11の面内にある。
【0017】この場合、図8(イ)〜(ハ)に示すよう
に、移動するレーザビーム2の照射点の直下にキーホー
ル5が形成されると共に、その進行後方側に熱エネルギ
ーで溶解した素材が冷却・凝固して溶接層4に転化する
までの間の溶融状態を保つ溶融領域6を生じ、この溶融
領域6がレーザビーム2の移動に伴って常時一定幅を維
持する状態で前方へ移行するが、レーザビーム2が前進
角αをなすために当該溶融領域6の輪郭は正面から見て
後傾した平行四辺形となる。しかして、キーホール5か
ら気体が溶融領域6内へ入り込んで同図(イ)の如く気
泡hとなった際、この気泡hは浮力によって同図(ロ)
の如く素材溶融物中を鉛直に上昇し、その間も溶融領域
6は前方へ移行する。しかるに、該溶融領域6が後傾し
た平行四辺形をなすこと、つまり素材溶融物の凝固が鉛
直方向を基準として下位側よりも上位側が遅れることか
ら、同図(ハ)に示すように、該気泡hは素材溶融物が
凝固するまでに上方外部へ抜け出し可能となり、もって
溶接層4中にブローホールH〔図2,図3(ハ)参照〕
として残るのを防止ないし抑制でき、高品位の溶接継手
が得られる。
【0018】一方、下面側からの溶接では、図8(a)
〜(c)に示すように、レーザ溶接ヘッド20より出射
されるレーザビーム2は、やはり従来のような被溶接材
1,1の表面に対する垂直方向yではなく、該垂直方向
yから後退角βをなす傾斜方向として下縁側の開先線3
bに沿って照射する。従って、レーザビーム2の照射点
の直上に形成されるキーホール5の進行後方側には後傾
した平行四辺形の輪郭を有する溶融領域6を生じ、この
溶融領域6がレーザビーム2の移動に伴って常時一定幅
を維持する状態で前方へ移行する。しかして、同図
(a)の如くキーホール5から気体が溶融領域6内へ入
り込んで気泡hとなった際、この気泡hは素材溶融物中
を同図(b)の如く鉛直に上昇するが、前記同様に溶融
領域6は後傾した平行四辺形であって上位側の凝固が遅
れるため、同図(c)の如く該気泡hは溶接層(4)に
取り込まれる前に上方外部へ抜け出すことができる。
【0019】(B)の配置形態では横向溶接姿勢となる
が、レーザビーム2を図9(イ)の如く上縁側の開先線
3aに沿って照射する場合と、図10(イ)の如く下縁
側の開先線3bに沿って照射する場合とがある。しかし
て、前者の上縁側の開先線3aに沿うレーザビーム2の
照射方向は、図9(ロ)に示すように、開先面11の傾
斜面内における開先線3aと垂直な方向sに対して前進
角αを持つ傾斜方向に設定し、また後者の下縁側の開先
線3bに沿うレーザビーム2の照射方向は、図10
(ロ)に示すように、前記の開先線3bと垂直な方向s
に対して後退角βを持つ傾斜方向に設定する。
【0020】すなわち、図9(ロ)及び図10(ロ)に
示す溶接方法では、いずれも前述した(A)の配置形態
における溶接方法と同様に、キーホール5の後方に一定
幅を保って続く溶融領域6の輪郭が正面から見て後傾し
た平行四辺形となるから、キーホール5から気体が溶融
領域6内へ入り込んで気泡hとなった際、この気泡hは
浮力によって開先面11の傾斜に沿って素材溶融物中を
上方へ移動し、その間に溶融領域6も前方へ移行する
が、該溶融領域6における素材溶融物の凝固は開先面1
1の幅方向を基準として下位側よりも上位側が遅れるた
め、該気泡hは素材溶融物が凝固するまでに上方外部へ
抜け出すことができる。
【0021】(C)の配置形態における溶接は、レーザ
ビーム2を図11(イ)の実線で示すように上縁側の開
先線3aに沿って照射する場合と、同じく仮想線で示す
ようにく下縁側の開先線3bに沿って照射する場合とが
ある。しかして、前者の上縁側の開先線3aに沿うレー
ザビーム2の照射方向は、同図(ロ)に示すように、被
加工物1,1の表面に対する垂直方向yから前進角αを
持つ傾斜方向に設定し、また後者の下縁側の開先線3b
に沿うレーザビーム2の照射方向は、同図(ハ)に示す
ように、前記の垂直方向yから後退角βを持つ傾斜方向
に設定する。すなわち、図11(ロ)及び(ハ)に示す
溶接方法においても、前述した(A)の配置形態におけ
る溶接方法と同様に、キーホール5の後方に一定幅を保
って続く溶融領域6の輪郭が正面から見て後傾した平行
四辺形となるから、キーホール5から溶融領域6内へ入
り込んだ気泡は開先面11の傾斜に沿って上方へ移動
し、その間に溶融領域6も前方へ移行するが、該溶融領
域6における素材溶融物の凝固は開先面11の幅方向を
基準として下位側よりも上位側が遅れるため、ブローホ
ールとして残ることなく上方外部へ抜け出すことが可能
となる。
【0022】(D)の配置形態における溶接は、レーザ
ビーム2を図12(イ)の実線で示すように上縁側の開
先線3aに沿って照射する場合と、同じく仮想線で示す
ように下縁側の開先線3bに沿って照射する場合とがあ
る。しかして、前者の上縁側の開先線3aに沿うレーザ
ビーム2の照射方向は、同図(ロ)に示すように、開先
面11の傾斜面内における開先線3aと垂直な方向sに
対して前進角αを持つ傾斜方向に設定し、また後者の下
縁側の開先線3bに沿うレーザビーム2の照射方向は、
同図(ハ)に示すように、前記の開先線3bと垂直な方
向sに対して後退角βを持つ傾斜方向に設定する。すな
わち、図12(ロ)及び(ハ)に示す溶接方法において
も、前述した(A)の配置形態における溶接方法と同様
に、キーホール5の後方に一定幅を保って続く溶融領域
6の輪郭が正面から見て後傾した平行四辺形となるか
ら、キーホール5から溶融領域6内へ入り込んだ気泡は
開先面11の傾斜に沿って上方へ移動し、その間に溶融
領域6も前方へ移行するが、該溶融領域6における素材
溶融物の凝固は開先面11の幅方向を基準として下位側
よりも上位側が遅れるため、ブローホールとして残るこ
となく上方外部へ抜け出すことが可能となる。
【0023】なお、言うまでもなく、前記(A)〜
(D)の配置形態において、レーザビーム2の照射方向
の前進角αと後退角βとの関係を既述した図8〜図12
に示す方法とは逆に設定した場合は、溶融領域6の輪郭
が正面から見て前傾した平行四辺形となり、該溶融領域
6における素材溶融物の凝固は反対に開先面11の幅方
向を基準として下位側よりも上位側が速まることになる
から、該溶融領域6に入り込んだ気泡hは上昇し始めて
直ぐに周囲が凝固して溶接層4中に取り込まれる結果、
逆にブローホールが顕著になるので好ましくない。
【0024】また、上下に垂直配置した被溶接材1,1
の溶接において、開先面11が水平である場合は、レー
ザビーム2を前進角αあるいは後退角βを持つ傾斜方向
としても溶融領域6に入り込んだ気泡の放出促進効果は
得られない。従って、前記(B)の配置形態のように開
先面11を傾斜(開先線3は水平)した形態に加工する
か、被溶接材1,1が移動可能なものであれば前記
(A)又は(C)の配置形態として、既述のようにレー
ザビーム2を前進角αあるいは後退角βを持つ傾斜方向
として溶接するのがよい。しかして、前記(B)の配置
形態のように開先面11を傾斜した状態に加工したり、
前記(C)の配置形態のように被溶接材1,1を傾斜状
態とする場合、開先面11の水平面に対する傾斜角ψ
〔図9(イ),図10(イ)参照〕は5〜45度の範囲
に設定するのがよく、この傾斜角ψが小さ過ぎると気泡
の放出促進効果は不充分となり、逆に該傾斜角ψが大き
過ぎては被溶接材1,1の厚みの割に開先面11の幅が
広くなり過ぎるため、非常にエネルギー密度の高いレー
ザビーム2を使用しない限りは1バス(1回の走査)で
の溶接が困難になる。
【0025】(E)の配置形態では立向溶接姿勢とな
り、溶接は上進方向と下進方向の2通りがある。ただ
し、上進方向の溶接では、キーホール5が溶融領域6の
上縁に位置するため、元来より溶融領域6への気泡hの
入り込みを生じにくく、該気泡hに起因するプローホー
ルの問題も殆どないため、レーザビーム2に前進角αや
後退角βを設定する必要は特になく、被溶接材1,1の
表面に対して垂直方向で差支えない。しかるに、下進方
向の溶接では、図13〔イ〕に示すように、該レーザビ
ーム2は被溶接材1,1の表面との垂直方向yに対して
実線の如き前進角αもしくは仮想線の如き後退角βをな
す傾斜方向として照射する。
【0026】すなわち、下進方向の溶接では、キーホー
ル5が溶融領域6の下縁に位置するため、該溶融領域6
への気泡hの入り込みを生じ易いが、前記前進角αもし
くは後退角βを設定した場合は、溶融領域6が平行四辺
形の輪郭をなし、該溶融領域6の上縁つまり凝固した溶
接層4との境界部6aが常時傾斜した形になるから、図
13〔イ〕の如く溶融領域6へ入り込んだ気泡hは、浮
上して境界部6aの近傍に達しても、その傾斜に沿って
同図(ロ)の如く斜め上方へ移動できるので、溶接層4
に取り込まれることなく同図(ハ)の如く速やかに側方
外部へ放出され、もってブローホールの発生を効果的に
防止ないし抑制できる。
【0027】(F)の配置形態では、開先面11は傾斜
しているが、被溶接材1,1が垂直に配置しているの
で、前記(E)の場合と同様である。すなわち、上進方
向の溶接では、キーホール5が溶融領域6の上縁に位置
して該溶融領域6への気泡hの入り込みを生じにくいの
で、レーザビーム2に前進角αや後退角βを設定する必
要は特にない。しかして、下進方向の溶接では、キーホ
ール5が溶融領域6の下縁に位置して該溶融領域6への
気泡hの入り込みを生じ易いため、該レーザビーム2は
被溶接材1,1の表面との垂直方向に対して前進角αも
しくは後退角βをなす傾斜方向とすることにより、前記
(E)の場合と同様の傾斜誘導による気泡hの放出促進
効果が得られる〔図13(イ)〜(ハ)参照〕。
【0028】(G)の配置形態では、開先面11は垂直
であるが、被溶接材1,1が傾斜しているので、上進方
向及び下進方向の溶接共に、レーザビーム2の照射角度
によって気泡hの放出促進性に差異を生じる。しかし
て、図14(イ)に示すように、下進方向の溶接におい
て、レーザビーム2を上側の開先線3cに沿って照射す
る場合には、該レーザビーム2は被溶接材1,1の表面
との垂直方向yに対して実線の如き前進角αをなす傾斜
方向、またレーザビーム2を下側の開先線3dに沿って
照射する場合には、該レーザビーム2は前記垂直方向y
に対して仮想線の如き後退角βをなす傾斜方向とする。
一方、同図(ロ)に示すように、上進方向の溶接におい
て、レーザビーム2を上側の開先線3cに沿って照射す
る場合には、該レーザビーム2は前記垂直方向yに対し
て実線の如き前進角αをなす傾斜方向とし、またレーザ
ビーム2を下側の開先線3dに沿って照射する場合に
は、該レーザビーム2は前記垂直方向yに対して仮想線
の如き後退角βをなす傾斜方向とする。
【0029】すなわち、図14(イ)から明らかなよう
に、下進方向の溶接においてレーザビーム2が前記の前
進角α及び後退角βの傾斜方向であれば、キーホール5
に続く溶融領域6は上下頂点間の距離が大きい平行四辺
形となり、溶融領域6の素材溶融物の凝固は開先面11
の幅方向を基準として上位側が下位側よりも遅くなるこ
とに加え、溶融領域6と溶接層4との境界部6aも急傾
斜とてるから、キーホール5から気体が溶融領域6内へ
入り込んで気泡となった際(図示省略)、この気泡が素
材溶融物中を鉛直に上昇する間に溶融領域6も下方へ移
行しても、該気泡は素材溶融物が凝固するまでに上方外
部へ抜け出し可能となり、溶接層4中にブローホールと
して残ることを防止ないし抑制できる。
【0030】また、図14(ロ)から明らかなように、
上進方向の溶接においては、キーホール5が溶融領域6
の上縁に位置して該溶融領域6への気泡hの入り込みは
比較的に生じにくいが、レーザビーム2が前記の前進角
α及び後退角βの傾斜方向であれば、気泡が溶融領域6
に入り込むことがあっても、レーザビーム2の照射方向
が従来のように被溶接材1,1の表面に対して垂直方向
とする場合に比較し、溶融領域6の素材溶融物の凝固は
上位側が下位側よりも遅くなるから、やはり上方外部へ
の放出が促進されることになる。
【0031】(H)の配置形態では、被溶接材1,1と
開先面11及び開先線3がいずれも傾斜しているため、
前記(G)の配置形態よりも溶融領域6に入り込んだ気
泡の上昇速度が遅く、もって該気泡に起因するするブロ
ーホールの問題はより顕著になるが、レーザビーム2の
照射方向を前記(G)の配置形態の場合と同様の傾斜方
向に設定することにより、該気泡の上方外部への放出が
促進され〔図14(イ)〜(ロ)参照〕、ブローホール
の発生は防止ないし抑制される。
【0032】以上の(A)〜(H)の配置形態でのレー
ザ溶接方法を総括すれば、次の表1のようになる。しか
して、表中の溶接パターンの項において、アルファベッ
トA〜Hは配置形態に対応し、1〜4の数字は各配置形
態における溶接方法の種類別を示す。またレーザ照射角
に関し、溶接パターンE1,F1の「前後」とは、前進
角と後退角のいずれでもよいこと、溶接パターンE1,
F1における「──」は前進角及び後退角を設定しない
こと、を意味している。
【0033】
【表1】
【0034】なお、上記実施例では板体よりなる被溶接
材1,1が同じ面方向で配置すると共に開先線3を直線
状とする場合のレーザ溶接方法を説明したが、本発明
は、被溶接材1,1が板状でない場合、板状の被溶接材
1,1の端縁を互いに角度を持つ形で突き合わせて溶接
する場合、開先線3が曲線状や折れ曲がり状である場合
等にも適用可能であり、開先線3の各部分の状態を前記
(A)〜(H)の配置形態に当てはめ、各部分ごとにレ
ーザビーム2を既述の前進角α又は後退角βをなす傾斜
方向に設定すればよい。
【0035】例えば、図15(イ)に示すように、被溶
接材1,1が管体であって、その水平管部1a,1aの
垂直端面同士を突き合わせた環状の開先線3をレーザ溶
接する場合、レーザビーム2を上半周部11aの溶接で
は管体の半径方向に対して前進角αを持つ照射方向、下
半周部11bでは同じく後退角βを持つ照射方向に設定
する。すなわち、同図(ロ)で示すように、開先面11
の上半周部11aの溶接ではレーザビーム2が前進角
α、下半周部11bの溶接では同じく後退角βで照射さ
れるため、共に溶融領域6における素材溶融物の凝固は
下位側よりも上位側が遅れることになり、溶融領域6に
入り込んだ気泡(図示省略)が上方外部へ抜け出すため
の時間を確保でき、もって該気泡に起因したブローホー
ルの発生は防止ないし抑制される。なお、同図(ロ)の
矢印a〜dは溶接方向(時計回り)を示しており、前進
角αと後退角βとの切換えは管体の半径方向が水平にな
る部位、つまり矢印bの区間から矢印cの区間への移行
部位、並びに矢印dの区間から矢印aの区間への移行部
位で行えばよい。
【0036】本発明のレーザ溶接方法におけるレーザビ
ーム2の前進角α及び後退角βは、極めて小さくてもそ
の角度に対応した気泡の放出促進作用が発揮され、また
該角度が大きいほど放出促進作用も大となるから、特に
角度範囲が制約されることはないが、好ましくは5〜4
5度の範囲に設定することが推奨される。すなわち、こ
れら角度が5度未満では顕著なブローホール低減効果が
得られず、逆に45度を越える場合は、開先面11を横
切るレーザビーム2の行程が長くなるため、その行程分
の被溶接材1,1を一挙に溶融させる上で大きなエネル
ギー密度が必要になり、通常のレーザ溶接に用いるレー
ザビーム2では1バスでの溶接が困難になる。
【0037】なお、レーザビーム2を開先線3に沿って
照射するには、レーザ溶接ヘッド20を移動する方式の
他、被溶接材1,1側を移動ないし変位させる方式も採
用可能である。また被溶接材1,1の素材は通常は金属
であるが、セラミック等の他の材料にも本発明のレーザ
溶接方法を適用可能である。また本発明は、被溶接材
1,1の形状や寸法、開先面11の幅、長さ、形状、レ
ーザ溶接ヘッド20の形状等について、既述の実施例に
よって制約を受けるものではない。
【0038】
【発明の効果】請求項1の発明に係るレーザ溶接方法に
よれば、レーザビーム照射位置の後方に続く溶融領域に
入り込んだ気泡を効率よく外部へ放出させ、もって該気
泡に起因した溶接部のブローホールの発生を効果的に防
止ないし低減することが可能となり、しかもレーザ溶接
装置の構造複雑化や設備コストの上昇を伴わず、また格
別に入熱量を大きくする必要もなく、高品位の溶接継手
を提供できる。
【0039】請求項2の発明によれば、上記レーザ溶接
方法において、特に開先面の幅方向を非水平方向として
配置した被溶接材同士を溶接する際、溶融領域に入り込
んだ気泡を効率よく外部へ放出させ、もって溶接部のブ
ローホールの発生を効果的に防止ないし低減できる。
【0040】請求項3の発明によれば、上記レーザ溶接
方法において、特に開先面の幅方向が非水平方向であっ
て且つ該開先面の両側縁をなす開先線が水平方向に沿う
ように配置した被溶接材同士を、レーザビームを上縁側
の開先線に沿って照射して溶接する際、溶融領域に入り
込んだ気泡を効率よく外部へ放出させ、もって溶接部の
ブローホールの発生を効果的に防止ないし低減できる。
【0041】請求項4の発明によれば、上記レーザ溶接
方法において、特に開先面の幅方向が非水平方向であっ
て且つ該開先面の両側縁をなす開先線が水平方向に沿う
ように配置した被溶接材同士を、レーザビームを下縁側
の開先線に沿って照射して溶接する際、溶融領域に入り
込んだ気泡を効率よく外部へ放出させ、もって溶接部の
ブローホールの発生を効果的に防止ないし低減できる。
【0042】請求項5の発明によれば、上記レーザ溶接
方法において、特に開先面の幅方向が水平方向であって
且つ該開先面の両側縁をなす開先線が非水平方向となる
ように配置した被溶接材同士1,1を、溶接方向を下向
きとして溶接する際、溶融領域に入り込んだ気泡を効率
よく外部へ放出させ、もって溶接部のブローホールの発
生を効果的に防止ないし低減できる。
【0043】請求項7の発明によれば、上記レーザ溶接
方法において、特に被溶接材が管体であり、その水平管
部の端面同士を突き合わせた全周を溶接するに当たり、
溶融領域に入り込んだ気泡を効率よく外部へ放出させ、
もって溶接部のブローホールの発生を効果的に防止ない
し低減し、高品位の水平管継手を提供できる。
【0044】請求項8の発明によれば、上記レーザ溶接
方法において、溶融領域に入り込んだ気泡の排出促進作
用を十分に発揮できると共に、被溶接材の開先面の幅が
広い場合でもレーザビームの強度をさほど大きくせずに
1パスで溶接を行えるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のレーザ溶接方法を模式的に示す斜視図
である。
【図2】 従来のレーザ溶接方法による溶接部の縦断側
面図である。
【図3】 従来のレーザ溶接方法における溶接の進行状
況を順次示し、(イ)は溶融領域に気泡が入り込んだ直
後の縦断正面図、(ロ)は該気泡の浮上段階での縦断正
面図、(ハ)は該気泡がブローホールとして溶接層中に
取り込まれた段階での縦断正面図である。
【図4】 従来のレーザ溶接におけるブローホール抑制
手段を例示したものであり、(イ)はレーザビームの照
射軌跡をジグザグ状とする方法を示す平面図、(ロ)は
レーザビームの照射軌跡を螺旋状とする方法を示す平面
図、(ハ)はレーザビームの照射スポットを複数とする
方法を示す平面図、(ニ)はレーザビームを細長いパタ
ーンの照射スポットとして照射する方法を示す平面図で
ある。
【図5】 被溶接材が板体である場合の代表的な配置形
態を模式的に例示したものであり、(A)〜(D)はそ
れぞれ開先線が水平方向に沿う各配置形態を示す斜視図
である。
【図6】 被溶接材が板体である場合の代表的な配置形
態を模式的に例示したものであり、(E)〜(H)はそ
れぞれ開先線が非水平方向となった各配置形態を示す斜
視図である。
【図7】 本発明のレーザ溶接方法を図5の(A)の配
置形態に適用した実施例を模式的に示す斜視図である。
【図8】 本発明のレーザ溶接方法を図5の(A)の配
置形態に適用した実施例であって、(イ)〜(ハ)は上
縁側の開先線に沿ってレーザビームを照射する場合の溶
接の進行状況を順次示す縦断正面図、(a)〜(b)は
下縁側の開先線に沿ってレーザビームを照射する場合の
溶接の進行状況を順次示す縦断正面図である。
【図9】 本発明のレーザ溶接方法を図5の(B)の配
置形態に適用した実施例を示し、(イ)は上縁側の開先
線に沿ってレーザビームを照射する場合の縦断側面図、
(ロ)は同正面図である。
【図10】 本発明のレーザ溶接方法を図5の(B)の
配置形態に適用した実施例を示し、(イ)は下縁側の開
先線に沿ってレーザビームを照射する場合の縦断側面
図、(ロ)は同正面図である。
【図11】 本発明のレーザ溶接方法を図5の(C)の
配置形態に適用した実施例を示し、(イ)は縦断側面
図、(ロ)は上縁側の開先線に沿ってレーザビームを照
射する場合の正面図、(ハ)は下縁側の開先線に沿って
レーザビームを照射する場合の正面図である。
【図12】 本発明のレーザ溶接方法を図5の(D)の
配置形態に適用した実施例を示し、(イ)は縦断側面
図、(ロ)は上縁側の開先線に沿ってレーザビームを照
射する場合の縦断正面図、(ハ)は下縁側の開先線に沿
ってレーザビームを照射する場合の縦断正面図である。
【図13】 本発明のレーザ溶接方法を図6の(E)の
配置形態に適用した実施例を示し、(イ)〜(ハ)は溶
接の進行状況を順次示す縦断側面図である。
【図14】 本発明のレーザ溶接方法を図6の(G)の
配置形態に適用した実施例を示し、(イ)は溶接方向が
下向である場合の縦断側面図、(ロ)は溶接方向が上向
きである場合の縦断側面図である。
【図15】 本発明のレーザ溶接方法を管体からなる被
溶接材の水平管部同士の溶接に適用した実施例を示し、
(イ)は正面図、(ロ)は縦断側面図である。
【符号の説明】 1 被溶接材 1a 水平管部 10 開先 11 開先面 2 レーザビーム 20 レーザ溶接ヘッド 3 開先線 3a 上縁側の開先線 3b 下縁側の開先線 3c 上側の開先線 3d 下側の開先線 4 溶接層 5 キーホール 6 溶融領域 6a 境界部 α 前進角 β 後退角 y 被溶接材の表面に対する垂直方向(開先線に
対する垂直方向) s 開先線に対する垂直方向 h 気泡 H ブローホール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鷹石 純 兵庫県尼崎市道意町7丁目1番8 財団法 人近畿高エネルギー加工技術研究所内 (72)発明者 松下 宏 兵庫県尼崎市道意町7丁目1番8 財団法 人近畿高エネルギー加工技術研究所内 (72)発明者 松縄 朗 宝塚市中山五月台5丁目9番14号 (72)発明者 片山 聖二 吹田市山田西2−9 A2−408

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被溶接材同士を突き合わせた開先線に沿
    ってレーザビームを相対移動させつつ照射して開先面を
    溶接するに当たり、該レーザビームの照射方向を開先線
    に対する垂直方向から前進角又は後退角を持つように傾
    斜させることを特徴とするレーザ溶接方法。
  2. 【請求項2】 開先面の幅方向を非水平方向として配置
    した被溶接材同士の溶接において、レーザビームの照射
    方向を、その照射位置後方に生じる素材溶融物の前記幅
    方向における下位側の凝固よりも上位側の凝固が遅れる
    傾斜方向に設定する請求項1記載のレーザ溶接方法。
  3. 【請求項3】 開先面の幅方向が非水平方向であって且
    つ該開先面の両側縁をなす開先線が水平方向に沿うよう
    に配置した被溶接材同士の溶接において、前進角を持つ
    照射方向としたレーザビームを上縁側の開先線に沿って
    照射する請求項2記載のレーザ溶接方法。
  4. 【請求項4】 開先面の幅方向が非水平方向であって且
    つ該開先面の両側縁をなす開先線が水平方向に沿うよう
    に配置した被溶接材同士の溶接において、後退角を持つ
    照射方向としたレーザビームを下縁側の開先線に沿って
    照射する請求項2記載のレーザ溶接方法。
  5. 【請求項5】 開先面の幅方向が水平方向であって且つ
    該開先面の両側縁をなす開先線が非水平方向となるよう
    に配置した被溶接材同士の溶接において、前進角又は後
    退角を持つ照射方向としたレーザビームを開先線の上側
    から下側へ移動させつつ照射する請求項1記載のレーザ
    溶接方法。
  6. 【請求項6】 開先面の幅方向が水平方向であって且つ
    該開先面の両側縁をなす開先線が非水平方向となるよう
    に配置した被溶接材同士の溶接において、開先線に対し
    て垂直な照射方向としたレーザビームを開先線の下側か
    ら上側へ移動させつつ照射するレーザ溶接方法。
  7. 【請求項7】 被溶接材が管体であり、その水平管部の
    端面同士を突き合わせた全周を溶接するに当たり、レー
    ザビームを上半周部では前進角を持つ照射方向、下半周
    部では後退角を持つ照射方向に設定する請求項1記載の
    レーザ溶接方法。
  8. 【請求項8】 レーザビームの前進角及び後退角が5〜
    45度の範囲である請求項1〜5及び7のいずれかに記
    載のレーザ溶接方法。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1331058A1 (de) * 2002-01-26 2003-07-30 ThyssenKrupp Stahl AG Verfahren und Vorrichtung zur Herstellung einer Schweiss- oder Lötnaht mit einem Laser
US6717099B2 (en) 2002-06-10 2004-04-06 International Business Machines Corporation Part interface design for welding materials that are difficult to weld
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