JP2022134726A - 金属部品、樹脂部品及び熱硬化性エラストマー部品からなる成形品の製造方法 - Google Patents

金属部品、樹脂部品及び熱硬化性エラストマー部品からなる成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属部品、樹脂部品及び熱硬化性エラストマー部品からなる成形品を製造コストの増大を抑制しながら効率的に製造する。【解決手段】射出成形用金型Dを開き、金属部品M及び中子7で未加硫の熱硬化性エラストマー材料6を挟んだ状態で金型Dにセットする工程と、金型Dを閉じて型締めし、型締め力で中子7を所定位置まで押し込み、金属部品Mと中子7との間の隙間形状Bに沿って熱硬化性エラストマー材料6を変形させる工程と、金型DのゲートGから溶融した樹脂材料FをキャビティCに射出して樹脂部品を成形するとともに、熱硬化性エラストマー材料6を予備的加硫して熱硬化性エラストマー部品の形状にする工程と、金型Dから取り出した成形品における前記熱硬化性エラストマー部品を仕上げ加硫する工程とを含む。【選択図】図8B

Description

本発明は、金属部品、樹脂部品及び熱硬化性エラストマー部品からなる成形品の製造方法に関する。
金属部品及び樹脂部品からなる成形品として、金属部品である鋼板製円環状支持部材と、樹脂部品である樹脂製円環状磁石部材(プラスチック磁石)からなる磁気エンコーダがある(例えば、特許文献1参照)。
例えば自動車のホイール支持用軸受装置に前記磁気エンコーダを用いた場合(例えば、特許文献1の図1及び図2参照)、前記軸受装置における軸受の内輪と前記円環状支持部材との嵌合部の気密性を確保するニーズがある。
前記ニーズに応えるためには、前記嵌合部をシールする必要がある(例えば、特許文献2のシール部17参照)。特許文献2の磁気エンコーダの磁石部材は、磁性ゴム材又は樹脂材であり(特許文献2の[0017])、シール部17は磁性材を含んでいないゴム材である(特許文献2の[0019])。
特開2020-076620号公報 特開2020-144068号公報
金属部品、樹脂部品、及び熱硬化性エラストマー部品により構成される製品を製造する場合、以下のような製造方法が一般的である。
すなわち、先ず、前記金属部品をインサート品として射出成形金型内で射出成形を行って前記樹脂部品を成形する。次に、前記金属部品及び前記樹脂部品からなる成形品を圧縮加硫成形用金型内にセットして圧縮加硫成形を行って前記熱硬化性エラストマー部品を成形する。これらの成形工程を経ることで前記製品を製造する。
このような金属部品、樹脂部品及び熱硬化性エラストマー部品からなる成形品の製造方法では、射出成形用金型を含む成形機、及び圧縮加硫成形用金型を含む成形機の両方が必要になるので、製造コストが増大する。
本発明は、金属部品、樹脂部品及び熱硬化性エラストマー部品からなる成形品を製造コストの増大を抑制しながら効率的に製造できる製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る金属部品、樹脂部品及び熱硬化性エラストマー部品からなる成形品の製造方法は、前記課題解決のため、
射出成形用金型を開き、前記金属部品及び中子で未加硫の熱硬化性エラストマー材料を挟んだ状態で前記金型にセットする工程と、
前記金型を閉じて型締めし、型締め力で前記中子を所定位置まで押し込み、前記金属部品と前記中子との間の隙間形状に沿って前記熱硬化性エラストマー材料を変形させる工程と、
前記金型のゲートから溶融した樹脂材料を前記金型のキャビティに射出して前記樹脂部品を成形するとともに、前記熱硬化性エラストマー材料を予備的加硫して前記熱硬化性エラストマー部品の形状にする工程と、
前記金型から取り出した前記成形品における前記熱硬化性エラストマー部品を仕上げ加硫する工程と、
を含む。
また、本発明に係る金属部品、樹脂部品及び熱硬化性エラストマー部品からなる成形品の製造方法は、前記課題解決のため、
前記金属部品の所定範囲に熱硬化性樹脂接着剤を塗布する工程と、
前記接着剤に含まれる溶剤を揮発させて前記接着剤を乾燥固化させる工程と、
射出成形用金型を開き、前記金属部品及び中子で未加硫の熱硬化性エラストマー材料を挟んだ状態で前記金型にセットする工程と、
前記金型を閉じて型締めし、型締め力で前記中子を所定位置まで押し込み、前記金属部品と前記中子との間の隙間形状に沿って前記熱硬化性エラストマー材料を変形させる工程と、
前記金型のゲートから溶融した樹脂材料を前記金型のキャビティに射出して前記樹脂部品を成形するとともに、前記熱硬化性エラストマー材料を予備的加硫して前記熱硬化性エラストマー部品の形状にする工程と、
前記金型を冷却して前記樹脂材料を固化させる工程と、
前記金型を開いて前記中子とともに前記成形品を取り出す工程と、
前記成形品から前記中子を分離する工程と、
前記成形品を熱処理し、前記熱硬化性樹脂接着剤の硬化、前記熱硬化性エラストマー部品の仕上げ加硫、及び前記樹脂部品のアニール処理を同時に行う工程と、
を含む。
ここで、前記成形品は、アキシャル型の磁気エンコーダであり、
前記金属部品は、円筒部、及び前記円筒部の一端縁から径方向外方へ延出する円環部からなる円環状支持部材であり、
前記樹脂部品は、前記円環部に接合されたプラスチック磁石であり、
前記未加硫の熱硬化性エラストマー材料の形状は円環状であり、
前記熱硬化性エラストマー部品は、前記円筒部の内径嵌合部を密封するシールであるのが好ましい実施態様である。
このような製造方法によれば、金属部品及び中子とともに射出成形用金型にセットされた未加硫の熱硬化性エラストマー材料は、射出成形用金型の型締め力で押し込まれた中子により所要形状に変形する。
そして、射出成形用金型のキャビティに溶融した樹脂材料を射出して樹脂部品を成形する際に、前記樹脂材料の熱が前記熱硬化性エラストマー材料に伝わる。
それらにより、前記熱硬化性エラストマー材料は予備的加硫され、前記熱硬化性エラストマー部品の形状になる。射出成形用金型から取り出した成形品における熱硬化性エラストマー部品を仕上げ加硫することにより、熱硬化性エラストマー部品の加硫を完了させることができる。
本発明の金属部品、樹脂部品及び熱硬化性エラストマー部品からなる成形品の製造方法によれば、圧縮加硫成形用金型を含む成形機が不要になり、樹脂部品を製造する射出成形機及びその金型のみを使用して前記成形品を製造できるので、前記成形品の製造コストを低減できる。
本発明の実施の形態に係る金属部品、樹脂部品及び熱硬化性エラストマー部品からなる成形品の製造方法で製造した前記成形品である磁気エンコーダを、自動車のホイール支持用軸受装置に用いた例を示す要部拡大断面図である。 前記成形品である磁気エンコーダの部分断面斜視図である。 前記成形品である磁気エンコーダの要部拡大断面図である。 熱硬化性樹脂接着剤を塗布した金属部品である円環状支持部材、円環状である未加硫の熱硬化性エラストマー材料、及び中子の断面図である。 前記円環状支持部材の所定範囲に熱硬化性樹脂接着剤を塗布した状態を示す要部拡大断面図である。 射出成形用金型を開いて、前記円環状支持部材及び前記未加硫の熱硬化性エラストマー材料を、中子とともに可動型にセットした状態を示す断面図である。 図6Aの要部拡大図である。 射出成形用金型を閉じて型締めした状態を示す断面図である。 図7Aの要部拡大図である。 型締めにより未加硫の熱硬化性エラストマー材料が変形した状態を示す要部拡大断面図である。 射出成形用金型のゲートから溶融した樹脂材料を前記金型のキャビティに射出した状態を示す断面図である。 図8Aの要部拡大図である。 射出成形用金型を開いて取り出した中子及び成形品示す断面図である。 金属部品、樹脂部品及び熱硬化性エラストマー部品からなる成形品が軸受付きプーリである場合における、射出成形用金型のゲートから溶融した樹脂材料を前記金型のキャビティに射出した状態を示す要部拡大断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
図4及び図5において、熱硬化性樹脂接着剤Tの厚みを誇張して実際よりも大きくしており、図1~図3、及び図6A~図10では熱硬化性樹脂接着剤を省略している。
本明細書において、自動車のホイール支持用軸受装置(図1の符号10)の回転軸の方向を「軸方向」、軸方向に直交する方向を「径方向」という。軸方向から径方向へ離間した位置で軸方向及び径方向の両方に直交する方向を「周方向」という。
<自動車のホイール支持用軸受装置>
図1の要部拡大断面図は、自動車のホイール支持用軸受装置10を示している。軸受装置10の軸受は、外周面に内輪軌道面11Aが形成された内輪11、及び内周面に外輪軌道面12Aが形成された外輪12、並びに、内輪軌道面11A及び外輪軌道面12A間を転動する、ボールである転動体13,13,…等を有する。
軸受装置10は、前記軸受の他に、アキシャル型の磁気エンコーダ1、シール5、磁気センサ14等を備える。磁気エンコーダ1は、本発明の実施の形態に係る金属部品M、樹脂部品P及び熱硬化性エラストマー部品Eからなる成形品Aの製造方法で製造した成形品Aの一例である。磁気エンコーダ1は、外部雰囲気に曝される環境で使用される。
<金属部品、樹脂部品及び熱硬化性エラストマー部品からなる成形品である磁気エンコーダ>
図1に示す磁気エンコーダ1は、金属部品Mである円環状支持部材2、樹脂部品Pであるプラスチック磁石3、及び熱硬化性エラストマー部品Eであるシール4からなる。プラスチック磁石3は、円環状であり、N極とS極を一定間隔で周方向に多極に着磁したものである。プラスチック磁石3に対して軸方向と平行な方向から磁気センサ14が対向する。シール4は円環状であり、円環状支持部材2の円筒部2A(図2及び図3)の内径嵌合部を密封する。
(金属部品である円環状支持部材)
図2の部分断面斜視図、及び図3の要部拡大断面図に示すように、金属部品Mである円環状支持部材2は、円筒部2A及び円筒部2Aの端縁から径方向外方へ延びる円環部2Bからなる。円環状支持部材2は、ステンレス鋼製の板材からプレス加工により成形される。
(樹脂部品であるプラスチック磁石)
樹脂部品Pであるプラスチック磁石3は、ベース樹脂(バインダ)、及び磁性体粉等からなる。前記ベース樹脂としては、例えば、ポリアミド(PA6、PA12、PA612等)やポリフェニレンサルファイド(PPS)等の熱可塑性樹脂が好適に使用できる。前記磁性体粉としては、例えば、ストロンチウムフェライトやバリウムフェライト等のフェライト系磁性粉末、ネオジム系やサマリウム系等の希土類磁性粉末が使用できる。プラスチック磁石3は、例えば後述する射出成形工程を経て成形される。
(熱硬化性エラストマー部品であるシール)
熱硬化性エラストマー部品Eであるシール4は、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM、FEPM、FFKM等)、シリコーンゴム(SiR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等からなる。シール4は、例えば後述する射出成形工程及び熱処理工程を経て成形される。
<金属部品、樹脂部品及び熱硬化性エラストマー部品からなる成形品の製造方法>
(接着剤塗布工程)
図4の断面図、図5の要部拡大断面図に示すように、金属部品Mである円環状支持部材2の所定範囲に熱硬化性樹脂接着剤Tを塗布する。熱硬化性樹脂接着剤Tは、例えば、フェノール樹脂系接着剤やエポキシ樹脂系接着剤等である。円環状支持部材2の所定範囲への接着剤Tの塗布は、以下のような方法で行うことができる。
前記所定範囲が円環状支持部材2の全面である場合は、槽に入れた接着剤Tに円環状支持部材2を浸漬する。前記所定範囲が円環状支持部材2の一部の面である、図4及び図5のような場合は、パッド印刷処理、スクリーン印刷処理、又は刷毛塗り等によって行う。パッド印刷処理は、円環状支持部材2の接着剤Tを塗布する面に対して、所定領域に接着剤Tが付着したパッドを押し付ける。スクリーン印刷処理は、円環状支持部材2の接着剤Tを塗布する面に対して、所定領域に開孔部を有するスクリーン版上の接着剤Tを前記開孔部から押し出す。
(乾燥固化工程)
円環状支持部材2の所定範囲に接着剤Tを塗布した後、接着剤Tに含まれる溶剤を揮発させて接着剤Tを乾燥固化させる。
(金属部品及び未加硫の熱硬化性エラストマー材料を金型にセットする工程)
図4の断面図に示す円環状である未加硫の熱硬化性エラストマー材料6は、平板状の素材を打ち抜いて形成したものである。
図4の断面図に示す接着剤Tを塗布して乾燥固化させた円環状支持部材2、円環状の熱硬化性エラストマー材料6、及び中子7を、円環状支持部材2及び中子7で熱硬化性エラストマー材料6を挟むように組み付け、図6Aの断面図、及び図6Bの要部拡大断面図に示すように、射出成形用金型Dを開いて、可動型9にセットする。中子7の凸部7Aは、周方向に連続しており、径方向外方へ突出する。中子7の凸部7Bは、周方向に離間して複数設けられており、固定型8に向かって突出する。
中子7の径方向外方へ突出する凸部7Aは、図6Bに示すように先端部が円環状支持部材2に向かって傾斜している。その理由は、後工程の型締め工程で、未加硫の熱硬化性エラストマー材料6を径方向内方へ変形させ、シールとして機能させる形状に成形するためである。
(型締め工程)
図7Aの断面図、及び図7Bの要部拡大断面図に示すように、射出成形用金型Dの可動型9を閉じて型締めする。型締め力により、中子7の凸部7Bが固定型8のランナーRの平面8Aに当接して押される。すなわち、中子7は、可動型9及び円環状支持部材2に対して、図6A及び図6Bの位置から図中の左方へ押され、図7A及び図7Bの位置まで移動する。円環状である未加硫の熱硬化性エラストマー材料6は、図6Bから図7Bのように、円環状支持部材2と中子7との間の隙間形状Bに沿って変形する。図7Cの要部拡大断面図に示すように、中子7の径方向外方へ突出する凸部7Aの先端面Uの円環部2B側端と円環部2Bとの間には隙間がある。
未加硫の熱硬化性エラストマー材料6の体積V(図4、図6A及び図6Bの変形前と、図7A~図7Cの変形後で体積は略同じ)は、図7Cの要部拡大断面図に示す型締め後における円環状支持部材2と中子7との間の空間(中子7の径方向外方へ突出する凸部7Aの先端面Uを円環部2Bの表面まで軸方向と平行な方向へ延長した空間)Wに対して、例えば、0.7W≦V≦1.1Wとする。
体積Vが小さすぎると、シール4の機能が発現しなくなり、体積Vが大きすぎると、円環状支持部材2の円筒部2Aの内周面にシール4が入り込んだ形状となってしまうおそれがある。
(射出成形工程)
図8Aの断面図、及び図8Bの要部拡大断面図に示すように、射出成形用金型Dの固定型8のスプルーR及びランナーRを介して、ディスクゲートであるゲートGからキャビティCに溶融した樹脂材料Fを射出して樹脂部品P(図2及び図3)を成形する。溶融した樹脂材料Fの温度は、例えば200~360℃である。
射出成形用金型DのキャビティCに溶融した樹脂材料Fを射出して樹脂部品Pを成形する際に、溶融した樹脂材料Fの熱が熱硬化性エラストマー材料6に伝わる。したがって、熱硬化性エラストマー材料6は予備的加硫され、熱硬化性エラストマー部品E(図3)の形状になる。
(冷却固化工程)
射出成形用金型Dを冷却して樹脂材料Fを固化させる。
(成形品取出し工程)
可動型9を開き、図示しないエジェクターピンで押し出すことにより、図9の断面図のような、金属部品M、樹脂部品P及び熱硬化性エラストマー部品Eからなる成形品Aを中子7とともに取り出す。
(中子分離工程)
成形品Aから中子7を分離する。
(熱処理工程)
成形品Aを恒温槽に入れ、所定温度及び所定時間、成形品Aを熱処理する。それにより、熱硬化性樹脂接着剤Tの硬化、熱硬化性エラストマー材料6により成形された熱硬化性エラストマー部品E(シール4)の所要の仕上げ加硫による硬化、及び樹脂材料Fにより成形された樹脂部品P(プラスチック磁石3)のアニール処理を同時に行う。アニール処理により、樹脂部品Pの残留応力を除去し、樹脂部品Pの寸法を安定させる。
樹脂部品Pの射出成形のサイクルタイムよりも熱硬化性エラストマー部品Eの圧縮加硫成形のサイクルタイムは長いので、熱硬化性エラストマー部品Eの仕上げ加硫が必要になる。熱硬化性エラストマー部品Eの材質は、生産性をより向上するために、加硫時間が短いものを選択するのが望ましい。
熱硬化性エラストマー部品Eであるシール4の厚みは、例えば0.1mm~2mm程度である。シール4は、部品同士の嵌合部(図1~図3の例では円環状支持部材2の円筒部2Aと内輪11との嵌合部)を密封できればよいので、NBR、HNBR、ACM等の前記材料毎に、それらの性能を完全に発現させる必要はない。したがって、加硫温度×時間を前記材料毎に最適化する必要はない。
ここで、樹脂部品Pのアニール温度は100℃~150℃、アニール時間は2時間~5時間である。樹脂部品Pのアニール処理と同じ熱処理工程で熱硬化性エラストマー材料6を仕上げ加硫することで、NBR、HNBR、ACM等の前記材料は必要十分に加硫され、目的とする効果を発現できる。
<金属部品、樹脂部品及び熱硬化性エラストマー部品からなる成形品の別の例>
図10の要部拡大断面図は、金属部品M、樹脂部品P及び熱硬化性エラストマー部品Eからなる成形品Aが、磁気エンコーダ1ではない場合の一例を示しており、成形品Aが例えば軸受付きプーリである場合を示している。図10における図8Bと同一の符号は、相当する部品、部分又は材料であるので、詳細説明を省略する。
図10の例において、金属部品Mは、転がり軸受Hであり、樹脂部品Pは、ゲートGからキャビティC内に射出される溶融した樹脂材料Fにより成形される、円環状のプーリである。また、熱硬化性エラストマー部品Eは、熱硬化性エラストマー材料6により成形されるシールである。転がり軸受Hは、外輪15、内輪16、及び転動体17等からなり、外輪15に前記円環状のプーリが一体化される。
<作用効果>
以上のような本発明の実施の形態に係る金属部品M、樹脂部品P及び熱硬化性エラストマー部品Eからなる成形品Aの製造方法によれば、金属部品M及び中子7とともに射出成形用金型Dにセットされた未加硫の熱硬化性エラストマー材料6は、射出成形用金型Dの型締め力で押し込まれた中子7により所要形状に変形する。
そして、射出成形用金型DのキャビティCに溶融した樹脂材料Fを射出して樹脂部品Pを成形する際に、溶融した樹脂材料Fの熱が熱硬化性エラストマー材料6に伝わる。
それらにより、熱硬化性エラストマー材料6は予備的加硫され、熱硬化性エラストマー部品Eの形状になる。射出成形用金型Dから取り出した成形品Aにおける熱硬化性エラストマー部品Eを仕上げ加硫することにより、熱硬化性エラストマー部品Eの加硫を完了させることができる。
したがって、圧縮加硫成形用金型を含む成形機が不要になり、樹脂部品Pを製造する射出成形機及びその金型のみを使用して成形品Aを製造できるので、金属部品M、樹脂部品P及び熱硬化性エラストマー部品Eからなる成形品Aの製造コストを低減できる。
以上の実施の形態の記載はすべて例示であり、これに制限されるものではない。本発明の範囲から逸脱することなく種々の改良及び変更を施すことができる。
1 磁気エンコーダ
2 円環状支持部材
2A 円筒部
2B 円環部
3 プラスチック磁石
4,5 シール
6 熱硬化性エラストマー材料
7 中子
7A,7B 凸部
8 固定型
8A 平面
9 可動型
10 自動車のホイール支持用軸受装置
11 内輪
11A 内輪軌道面
12 外輪
12A 外輪軌道面
13 転動体
14 磁気センサ
15 外輪
16 内輪
17 転動体
A 金属部品、樹脂部品及び熱硬化性エラストマー部品からなる成形品
B 隙間形状
C キャビティ
D 射出成形用金型
E 熱硬化性エラストマー部品
F 溶融した樹脂材料
G ゲート
H 転がり軸受
M 金属部品
P 樹脂部品
R ランナー
S スプルー
T 熱硬化性樹脂接着剤
U 先端面
V 未加硫の熱硬化性エラストマー材料の体積
W 型締め後における円環状支持部材と中子との間の空間の容積

Claims (3)

  1. 金属部品、樹脂部品及び熱硬化性エラストマー部品からなる成形品の製造方法であって、
    射出成形用金型を開き、前記金属部品及び中子で未加硫の熱硬化性エラストマー材料を挟んだ状態で前記金型にセットする工程と、
    前記金型を閉じて型締めし、型締め力で前記中子を所定位置まで押し込み、前記金属部品と前記中子との間の隙間形状に沿って前記熱硬化性エラストマー材料を変形させる工程と、
    前記金型のゲートから溶融した樹脂材料を前記金型のキャビティに射出して前記樹脂部品を成形するとともに、前記熱硬化性エラストマー材料を予備的加硫して前記熱硬化性エラストマー部品の形状にする工程と、
    前記金型から取り出した前記成形品における前記熱硬化性エラストマー部品を仕上げ加硫する工程と、
    を含む方法。
  2. 金属部品、樹脂部品及び熱硬化性エラストマー部品からなる成形品の製造方法であって、
    前記金属部品の所定範囲に熱硬化性樹脂接着剤を塗布する工程と、
    前記接着剤に含まれる溶剤を揮発させて前記接着剤を乾燥固化させる工程と、
    射出成形用金型を開き、前記金属部品及び中子で未加硫の熱硬化性エラストマー材料を挟んだ状態で前記金型にセットする工程と、
    前記金型を閉じて型締めし、型締め力で前記中子を所定位置まで押し込み、前記金属部品と前記中子との間の隙間形状に沿って前記熱硬化性エラストマー材料を変形させる工程と、
    前記金型のゲートから溶融した樹脂材料を前記金型のキャビティに射出して前記樹脂部品を成形するとともに、前記熱硬化性エラストマー材料を予備的加硫して前記熱硬化性エラストマー部品の形状にする工程と、
    前記金型を冷却して前記樹脂材料を固化させる工程と、
    前記金型を開いて前記中子とともに前記成形品を取り出す工程と、
    前記成形品から前記中子を分離する工程と、
    前記成形品を熱処理し、前記熱硬化性樹脂接着剤の硬化、前記熱硬化性エラストマー部品の仕上げ加硫、及び前記樹脂部品のアニール処理を同時に行う工程と、
    を含む方法。
  3. 前記成形品は、アキシャル型の磁気エンコーダであり、
    前記金属部品は、円筒部、及び前記円筒部の一端縁から径方向外方へ延出する円環部からなる円環状支持部材であり、
    前記樹脂部品は、前記円環部に接合されたプラスチック磁石であり、
    前記未加硫の熱硬化性エラストマー材料の形状は円環状であり、
    前記熱硬化性エラストマー部品は、前記円筒部の内径嵌合部を密封するシールである、
    請求項1又は2に記載の金属部品、樹脂部品及び熱硬化性エラストマー部品からなる成形品の製造方法。
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