JP2022134382A - 光触媒部材及び光触媒装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光触媒物質が光触媒作用を発揮し得る光を安定して供給可能であり且つ長期間使用可能な光触媒装置を提供することを目的とする。【解決手段】透光性を有するマトリクス材及び前記マトリクス材の表面において露出するように前記マトリクス材に保持された複数の光触媒粒子からなる光触媒部材であって、複数の光触媒粒子の各々のマトリクス材からの露出面を含む1の領域は、他の領域よりもバンドギャップが小さいことを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、光触媒部材及び光触媒装置に関する。
光触媒物質の光触媒作用を利用した装置として、例えば、特許文献1には、光触媒物質が担持された多孔質体と、当該多孔質体と対向するように離隔して配され、紫外領域の波長の光を照射可能な光源とを含む流体浄化装置が開示されている。
国際公開第2008/105295号
例えば、特許文献1のような装置において、上記した多孔質体と光源との間をホルムアルデヒドやトルエンなどの有害物質を含むガスが流れることで当該多孔質体の表面に有害物質が付着した際に、光触媒作用によって当該有害物質を分解する場合を考える。
上記した装置を用いる場合、ガスが不透明であったり、光源の光出射面や多孔質体の表面に埃が堆積したり当該光出射面や多孔質体の表面が汚れた際に、光源から出射された光を当該埃や汚れが阻害し、光触媒物質に照射されにくくなる恐れがある。このような場合、光触媒物質の光触媒作用が発揮されなくなることで、上記した有害物質を分解できなくなるという問題点が挙げられる。
また、上記した装置を用いる場合、光触媒物質を活性化させるために紫外領域の波長の光を用いているため、装置の構成部材の光劣化が起こりやすく装置寿命を長く保つことができないという問題点が挙げられる。
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、光触媒物質が光触媒作用を発揮し得る光を安定して供給可能であり且つ長期間使用可能な光触媒装置を提供することを目的とする。
本発明による光触媒部材は、透光性を有するマトリクス材及びマトリクス材の表面において露出するようにマトリクス材に保持された複数の光触媒粒子からなる光触媒部材であって、複数の光触媒粒子の各々のマトリクス材からの露出面を含む1の領域は、他の領域よりもバンドギャップが小さいことを特徴とする。
本発明による光触媒装置は、底部と、底部の上面に配され、可視光を出射する発光素子と、底部の上面に配され、発光素子を露出する開口を有する枠形状を有する壁部と、発光素子を覆うように配され、可視光に対して透光性を有するマトリクス材及びマトリクス材の表面において露出するようにマトリクス材に保持された複数の光触媒粒子からなる光触媒部材と、を有し、複数の光触媒粒子の各々のマトリクス材からの露出面を含む1の領域は、他の領域よりも小さいバンドギャップを有することを特徴とする。
また、本発明による光触媒装置は、各々が可視光に対して透光性を有する板状のマトリクス材及びマトリクス材の一方の主面において露出するようにマトリクス材に保持された複数の光触媒粒子からなり、かつ一方の主面同士が対向するように配置された第1及び第2の光触媒部材と、可視光を出射し、当該出射した可視光をマトリクス材の一方の主面以外の表面から導入可能な発光部と、を有し、複数の光触媒粒子の各々のマトリクス材の一方の主面からの露出面を含む1の領域は、他の領域よりも小さいバンドギャップを有することを特徴とする。
実施例1に係る光触媒装置の上面図である。 実施例1に係る光触媒装置の断面図である。 実施例1に係る光触媒装置の一部を模式的に示した図である。 実施例1に係る光触媒装置の使用例を示した断面図である。 実施例2に係る光触媒装置の斜視図である。 実施例2の変形例に係る光触媒装置の斜視図である。 実施例2の変形例に係る光触媒装置の斜視図である。 光触媒モジュール及び固定フレームの斜視図である。
以下、本発明の実施例について図面を参照して具体的に説明する。なお、図面において同一の構成要素については同一の符号を付け、重複する構成要素の説明は省略する。
図1~図2を参照しつつ、実施例1に係る光触媒装置10の構成について説明する。図1は、本発明の実施例1に係る光触媒装置10の上面図である。図2は、図1の光触媒装置10の2-2線に沿った断面図である。
[光触媒装置]
実施例1の光触媒装置10は、凹部を有する支持体11と、当該凹部の底面に載置された発光素子13と、発光素子13を覆うように支持体11上に配された光触媒キャップ15とを含んで構成される。
[支持体]
支持体11は、上面形状が矩形の絶縁性を有する部材である。支持体11は、矩形の平板状の底部11Aと、当該底部11Aの上面の外縁に沿って設けられた開口11Oを有する壁部11Bとから構成される。本実施例において、支持体11は、絶縁性を有する窒化アルミ(AlN)からなる。なお、支持体11には、例えば、酸化アルミニウム(Al)や窒化ケイ素(Si)等の絶縁性を有するセラミックスを用いてもよい。
アノード電極21及びカソード電極22は、支持体11の底部11Aの下面において互いに離間して形成されている平板状の金属電極である。アノード電極21及びカソード電極22は、タングステン(W)又はW合金からなり、その表面にはニッケル(Ni)/金(Au)の金属表面処理が施されている(表記「a/b」は、a金属層、b金属層の順にて積層されていることを表す)。
アノード配線23は、支持体11の底部11Aの上面の中央の領域に形成されている金属配線である。アノード配線23は、支持体11の底部11Aを上下方向に貫通するW合金からなる導通ビア23Vを介してアノード電極21に電気的に接続されている。
カソード配線24は、支持体11の底部11Aの上面においてアノード配線23と離隔して形成されている金属配線である。カソード配線24は、支持体11の底部11Aを上下方向に貫通するW合金からなる導通ビア24Vを介してカソード電極22に電気的に接続されている。アノード配線23及びカソード配線24は、W合金からなり、その上にはNi/Auの金属表面処理が施されている。
支持体11は、例えば、アノード配線23及びカソード配線24が形成された平板状のセラミックグリーンシート(底部11Aに相当)上に、枠状のセラミックグリーンシート(壁部11Bに相当)を積層して焼成することによって形成され得る。
支持体11の壁部11Bの上面には、後述する光触媒キャップ15との接合のために用いられる支持体枠縁金属層25が当該壁部11Bの上面に沿って枠状に形成されている。本実施例において、支持体枠縁金属層25は、W又はW合金からなり、その表面にはNi/Auの金属表面処理が施されている。
[発光素子]
発光素子13は、支持体11の底部11Aの上面の略中央に配されており、上面に光の出射領域を有する上面形状が矩形の発光素子である。本実施例において、発光素子13は、波長範囲が415~780nmの可視光を出射する発光ダイオード(LED:Light Emission Diode)である。発光素子13は、支持基板とn型半導体層、発光層、p型半導体層からなる光電変換層とを含んで構成される(いずれも図示せず)。
発光素子13は、底部11Aの上面の中央の領域に配されているアノード配線23に電気的に接合されている。具体的には、発光素子13の下面に設けられているアノード電極パッド(図示せず)とアノード配線23とが、金錫合金(Au-20wt%Sn)からなる素子接合層26を介して電気的に接合されている(表記「a-b」は、a、bからなる合金を表す)。
また、発光素子13は、支持体11の底部11Aの上面に配されているカソード配線24に電気的に接合されている。具体的には、発光素子13の上面に設けられているカソード電極パッド(図示せず)とカソード配線24とが、Auからなるボンディングワイヤ27を介して電気的に接合されている。本実施例において、ボンディングワイヤ27は、発光素子13の上面の一辺に沿って設けられた2つのカソード電極パッドからカソード配線24へそれぞれ配されている。
上記したように、アノード配線23は、アノード電極21に電気的に接続されており、カソード配線24は、カソード電極22に電気的に接続されている。また、アノード配線23は、発光素子13のアノード電極パッド(図示せず)に接続されており、カソード配線24は、ボンディングワイヤ27を介して発光素子13のカソード電極パッド(図示せず)に接続されている。これらの配線は、絶縁体である支持体11によって電気的に絶縁されている。従って、発光素子13は、底部11Aの下面に設けられたアノード電極21及びカソード電極22に通電されることで、上方に向けて可視光を出射する。
なお、上記したアノード電極21、カソード電極22、アノード配線23、カソード配線24、導通ビア23V、24V及びボンディングワイヤ27は、W、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、銀(Ag)等のセラミックス成形時に使用できる高導電性金属、Ni、チタン(Ti)、アルミ(Al)等の結着性の高い金属、Au、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の酸化されない貴金属から、目的に応じて適宜選択される。
[光触媒キャップ]
光触媒キャップ15は、支持体11の壁部11Bの上面に接合されている上面形状が矩形の平板状の部材である。光触媒キャップ15は、基材31及び当該基材31の上面に形成されている光触媒層32から構成される。
基材31は、上下方向において互いに平行な2面を有する板状の透光性部材である。基材31の下面は、発光素子13から出射された可視光の入射面であり、当該入射された可視光は、基材31の内部から上面に向かって進行する。本実施例において、基材31は、発光素子13から出射された可視光の透光率が高い光学ガラスから構成されている。
光触媒層32は、基材31の上面に亘って形成された光触媒層であり、その内部に複数の光触媒粒子を含んでいる。本実施例において、光触媒層32は、透光性を有するマトリクス材(母材)と当該マトリクス材に分散させられて保持されている複数の酸化チタン粒子(以下、酸化チタン粒子と称する)とによって構成される。
光触媒キャップ15の下面には、当該光触媒キャップ15の外縁に沿って枠状のキャップ枠縁金属層34が形成されている。本実施例において、キャップ枠縁金属層34は、クロム(Cr)/Ni/Auがこの順で積層されている。
キャップ枠縁金属層34は、支持体11の壁部11Bの上面に形成された支持体枠縁金属層25と金錫合金(Au-20wt%Sn)からなるキャップ接合層35を介して接合されている。言い換えれば、光触媒キャップ15は、キャップ接合層35を介して支持体11に接合されている。
本実施例において、光触媒キャップ15は、支持体11の底部11Aに配された発光素子13及び当該発光素子13に接続された配線(アノード配線23及びカソード配線24)を封止する封止体として機能し得る。支持体11の壁部11Bと光触媒キャップ15とによって囲まれた内空間(開口11O)には、例えば、窒素ガスや大気などの充填ガスが封入される。当該充填ガスは、当該内空間に収められている発光素子13を、光触媒装置10の外部において発生し得る腐食性ガスや水分を含む雰囲気ガスから保護する。
[光触媒層の構成]
ここで、図3を用いて光触媒キャップ15の光触媒層32の構成について詳述する。図3は、光触媒層32の構成を模式的に示した図である。上記したように、光触媒層32は、酸化チタン粒子P1及びP2と当該酸化チタン粒子を分散させて保持する透光性を有するマトリクス材32Mとによって構成される。本実施例において、マトリクス材32Mは、基材31上でガラスフリット(低融点ガラス粉末)が溶融して固着したものである。
図3において、光触媒層32の上面32Sは、外部に露出されている露出面である。酸化チタン粒子P1は、光触媒層32の上面32Sにおいて当該粒子の表面の一部が外部に露出している酸化チタン粒子を指す。酸化チタン粒子P2は、光触媒層32内において当該粒子のいずれの表面も光触媒層32から露出していない酸化チタン粒子を指す。
本実施例において、酸化チタン粒子P1及びP2は、アナターゼ型又はルチル型の結晶構造を有する二酸化チタン(TiO)である。また、本実施例において、酸化チタン粒子P1及びP2の平均粒径は、サブμmから数十μmとすることができる。特に、光触媒層32の内部における可視光(励起光)の後方散乱を抑えたい場合には、ミー散乱を生起させる粒径(光触媒層32に入射する可視光の波長に対して1/4~2倍程度の大きさ)よりも大きい数μm以上がよい。また、当該粒径は、光触媒層32の形成時の厚みを抑えるために数十μm以下がよい。更には、当該粒径は、発光素子13から出射した光の酸化チタン粒子への入射効率が高く、また、光触媒層32の表面で酸化チタン粒子の露出面積を大きくできる表面積比(粒子表面積/粒子体積)である5μm~35μmが好適である。
光触媒層32の上面32Sにおいて、外部に露出している酸化チタン粒子P1の表面領域及び表面近傍の粒子内部領域を含む部分PA(図中ハッチング部分)は、結晶中において当該部分PAを除いた部分(図中ハッチングがなされていない部分)よりも酸素欠損が多く生じている部分である(以下、酸素欠損部PAと称する)。
酸化チタン粒子P1の酸素欠損部PAは、酸素欠損が生じていない部分よりもバンドギャップが小さくなっている。具体的には、酸化チタン粒子P1の酸素欠損部PAには、結晶中の価電子帯と導電帯との間において酸素欠損に起因した準位が形成されており、当該準位と価電子帯又は導電帯との間のエネルギーギャップが、酸素欠損部PAにおけるバンドギャップとなる。
従って、酸化チタン粒子P1の酸素欠損部PAは、酸素欠損が生じていない部分よりもバンドギャップエネルギーが小さく、そのエネルギーから換算される波長は可視光以上の長波長となる。すなわち、酸化チタン粒子P1の酸素欠損部PAは、可視光を吸収して光触媒効果を発揮することが可能となる。
酸化チタン粒子P1の酸素欠損部PAは、可視光を吸収するため、外観目視において黒色又は灰色を呈している。言い換えれば、光触媒装置10の上面は、外観目視において黒色又は灰色を呈している。
[光触媒装置の光触媒作用]
次に、図2及び図3を用いて光触媒装置の光触媒作用について説明する。図2において、発光素子13から出射された可視光は、基材31の下面から入射され、基材31の上面に形成された光触媒層32へと進行する。図3において、光L1は、基材31に入射して光触媒層32に到達した可視光である。また、酸化チタン粒子P2へと入射した光L2及び酸化チタン粒子P1へと入射した光L3も可視光である。
上記したように、酸化チタン粒子P2は、アナターゼ型又はルチル型の結晶構造を有するTiOであり、そのバンドギャップエネルギーは、アナターゼ型が3.2eV(換算波長387nm)、ルチル型が3.0eV(換算波長413nm)である。すなわち、酸化チタン粒子P2は、アナターゼ型及びルチル型の酸化チタンのバンドギャップに相当する光の波長より短い波長領域の光を吸収し、それよりも長波長の光を透過させる。従って、光L1から酸化チタン粒子P2へと入射した可視光である光L2は、酸化チタン粒子P2に吸収されることなく透過していく。
酸化チタン粒子P2を透過して酸化チタン粒子P1に到達した光である光L3は、酸化チタン粒子P1の酸素欠損部PA以外の領域(酸素欠損の無い領域)から入射される。光L3は、酸素欠損部PA以外の領域において、酸化チタン粒子P2と同様にその内部を透過し得る。
酸化チタン粒子P1の酸素欠損部PAにおけるバンドギャップエネルギーは、およそ1.5eV(換算波長827nm)である。すなわち、酸化チタン粒子P1の酸素欠損部PAは、酸素欠損部PAのバンドギャップエネルギー以上に相当する光の波長領域の光を吸収する。従って、酸化チタン粒子P1の酸素欠損部PA以外の領域を透過して当該酸素欠損部PAに到達した可視光である光L3は、酸素欠損部PAによって吸収されることで光触媒作用が発揮される。
すなわち、本発明の光触媒装置10で利用される可視光は、酸素欠損の無い酸化チタンのバンドギャップに相当する波長よりも長波長の光から、酸素欠損を有する酸化チタン粒子のバンドギャップに相当する波長よりも短波長の光である。
上記した酸化チタン粒子の光触媒作用とは、例えば、酸素欠損部PAで吸収された光(励起光)によって酸化チタン粒子から発生する正孔や電子によって、当該酸化チタン粒子表面に接触する物質を酸化または還元反応させる作用である。また、例えば、酸素や水分の存在下において、スーパーオキサイドアニオンやヒドロキシラジカルを生成することによって当該酸化チタン粒子表面に接触する物質を酸化または還元反応させる作用である。
酸化チタン粒子の光触媒作用は、当該酸化チタン粒子表面に接触する物質を酸化また還元反応させること以外に、当該表面に接触する菌やウイルスを殺菌また滅菌する作用も有する。また、当該表面に接触する臭い物質を消臭する作用も有する。
本実施例によれば、光触媒装置10の光触媒作用は、発光素子13から出射された可視光が、汚れが付着する面である光触媒キャップ15の上面の裏側から(光触媒層32の内部側から)進行し、当該光触媒キャップ15の上面に露出している酸化チタン粒子P1の酸素欠損部PAに到達することによって発揮される。すなわち、本実施例によれば、発光素子13から出射された可視光は、汚れが付着し得る光触媒キャップ15の上面を通らないで酸化チタン粒子P1の酸素欠損部PAに到達する。従って、光触媒キャップ15の上面に付着した汚れによって可視光の進行が遮られることがないため、発光素子13から酸化チタン粒子P1の酸素欠損部PAに安定して可視光を供給することが可能となり、継続的に光触媒作用を発揮させることができる。
また、本実施例によれば、上記したように、酸化チタン粒子P1の酸素欠損部PAの光触媒作用を発揮させるための光として可視光を用いている。そのため、光触媒装置10の方が、紫外光を用いて酸化チタン粒子の光触媒作用を生起させる光触媒装置と比較して、構成部材の光劣化が起こりにくいため長期間使用できる。従って、光触媒装置10の寿命を長く保つことができる。
また、本実施例によれば、発光素子13から出射される可視光を紫色光~青色光とした場合、酸化チタン粒子P1の粒子間から当紫色光~青色光が漏れた際に、当該紫色光~青色光によって光触媒キャップ15の上面に接触する物質が励起状態になり得る。これによって、当該物質に対する酸化チタン粒子の光触媒作用による反応(酸化または還元反応)効率を向上できる。
[光触媒キャップの作製方法]
ここで、本実施例における光触媒キャップ15の作製方法について説明する。まず、アナターゼ型又はルチル型の酸化チタン粒子とマトリクス材(例えば、低融点ガラスフリット)とを混合し、基材31(例えば、板状のホウ珪酸ガラス)上に塗布して乾燥させる。その後、乾燥させた基材31と酸化チタン粒子が分散されたマトリクス材とを溶融炉に入れ、当該マトリクス材を溶融させて固着させる(工程1)。
次に、工程1によって基材31に固着したマトリクス材の表面を機械研磨することによって、当該マトリクス材の内部に分散している酸化チタン粒子をマトリクス材の表面に露出させる(工程2)。
次に、波長が355nmのレーザ光を出射するレーザ光源を用いて、上記した酸化チタン粒子が露出された面に当該レーザ光を照射する。このとき、レーザ光の照射強度や照射時間及び焦点位置などを調節することによって、当該レーザ光はマトリクス材から露出している酸化チタン粒子の表面のみに照射される。これによって、レーザ光が照射された酸化チタン粒子の表面は、酸素原子が脱離した酸素欠損部となる(工程3)。
以上の工程により、酸素欠損部PAを有する酸化チタン粒子P1及び酸化チタン粒子P2を含む光触媒層32を備える光触媒キャップ15を作製することができる。
なお、上記した工程2(酸化チタン粒子の露出工程)において、酸化チタン粒子の露出面は、マトリクス材の表面よりも突出するように構成されていてもよい。これによって、上記工程3によって形成される酸素欠損部の表面積は、マトリクス材の表面と酸化チタン粒子の表面の高さを同一とした場合と比べて増加する。すなわち、光触媒装置10における光触媒作用の有効面積を増やすことができる。
また、基材31上に光触媒層32を形成させる際において、基材31及びマトリクス材32Mは、互いの密着性及び屈折率の観点から同一の材料であることが好ましいが、その材料に限定されない。例えば、マトリクス材の材料として、酸素欠損部PAの酸化チタンを励起する可視光を透過するが酸素欠損を形成する紫外光であるレーザ光を透過しないソーダガラス等を用いることで、光触媒層32の内部の酸化チタン粒子(P2)に、酸素欠損部PAが形成されることを防止できる。言い換えれば、光触媒層32の内部における励起光(可視光L2)の損失を防止できる。
また、基材31及びマトリクス材32Mは、例えば、少なくとも可視光に対して透光性を有するシリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂材から構成されていてもよい。樹脂材料は、形状自由度が高いのでドーム状の光触媒キャップ等を容易に形成することができる。
また、基材31及びマトリクス材32Mは、透光性を有する多孔質ガラスや多孔質セラミックス等の多孔質体であってもよい。基材31及びマトリクス材32Mを多孔質体とした場合、汚れ物質が付着し得る表面積が大きくなることで当該物質を捕捉し易くなる。これによって、汚れ物質を捕捉した状態で酸化チタン粒子の光触媒作用によって当該物質を除去することができる。
[光触媒キャップの他の作製方法]
本実施例における光触媒キャップ15の作製方法として、基材31上に酸化チタン粒子が分散されたマトリクス材を塗布する工程について説明したが、光触媒キャップは、マトリクス材から酸化チタン粒子の表面の一部が露出され、当該露出部分が可視光を吸収する構成であればよい。
例えば、光触媒キャップは、酸化チタン粒子が分散されたマトリクス材自体であってもよい。例えば、材料が透光性のガラスである場合、酸化チタン粒子が分散されたマトリクス材を平板状に形成し、その一方の面を研磨することによってマトリクス材に分散されている酸化チタン粒子を露出させる。その後、当該酸化チタン粒子の露出面に対してレーザ光を照射させることで、可視光応答可能な光触媒キャップを形成することができる。
また、酸化チタン粒子が分散された透光性を有する樹脂を平板状に成形した場合においても、当該樹脂の一方の面を研磨し、酸化チタン粒子を露出させた後にレーザ光を照射させて酸素欠損部を形成させることで、可視光応答可能な光触媒キャップを形成することができる。
なお、マトリクス材には、酸化チタン粒子のほかにAg粒子担持セラミック等を混合させてもよい。これにより、Agイオンによる抗菌作用を補助機能とした可視光応答可能な光触媒キャップを形成することができる。
なお、本実施例において、光触媒層32中に分散されている光触媒粒子は、酸化チタン粒子に限定されず、例えば、酸化亜鉛(ZnO)粒子であってもよい。酸化亜鉛粒子をマトリクス材に分散させて露出させた場合においても、その露出面をレーザ光を用いて酸素欠損部とすることによって、可視光を吸収して光触媒作用を発揮する光触媒キャップを作製ことができる。
[他の光触媒装置]
本実施例において開口11Oは充填ガスによって封止されるとしたが、樹脂を材料として光触媒キャップを形成する場合には、当該光触媒キャップが封止材料としての役割を担っていてもよい。すなわち、封止材料と触媒キャップとを一体化させてもよい。
具体的には、例えば、上記した発光素子13が載置された支持体11の開口11Oに酸化チタン粒子が分散されたシリコーン樹脂を充填し、硬化した後に表面を研磨して酸化チタン粒子を露出させる。この露出した酸化チタン粒子にレーザ光を照射させて酸素欠損部を形成させることで、樹脂によって封止された可視光応答可能な光触媒装置を作製することができる。
本実施例において、支持体11の壁部11Bと光触媒キャップ15との接合部は、複数の金属層(支持体枠縁金属層25、キャップ接合層35、キャップ枠縁金属層)によって接合されるとしたが、光触媒キャップ15によって発光素子13が封止可能であればよく、その構成に限定されない。例えば、支持体11の壁部11Bと光触媒キャップ15とは、樹脂によって接合されていてもよい。
また、光触媒キャップ15によって封止されている支持体11の開口11O内には、発光素子13及び発光素子13に接続された配線以外の部材が含まれていてもよい。例えば、支持体11の底部11Aには、上記配線の一部にツェナーダイオードが接続されていてもよく、当該ツェナーダイオードが光触媒キャップ15によって封止されていてもよい。
[実施例1の光触媒装置の使用例]
ここで、図4を用いて、光触媒装置10の具体的な使用例について説明する。図4は、光触媒装置10が設置された流体ノズル37の断面図の一部である。流体ノズル37は、その内部を空気や水等の流体が流体ノズル37の伸長方向に(図中矢印方向に)流れるノズルである。
光触媒装置10は、当該光触媒装置10における光触媒キャップ15の光触媒層32の上面32Sが流体ノズル37の伸長方向と垂直になるように設置され、固定フレーム38によって固定されている。光触媒キャップ15の酸素欠損部である光触媒装置10の上面は、流体ノズル37を流れる流体に接している。
例えば、流体ノズル37を流れる流体がホルムアルデヒドやトルエンなどの有害物質を含むガスである場合、当該ガスが光触媒装置10の上面を流れることによって、光触媒装置10の上面に有害物質が付着する。当該上面に付着した有害物質は、上記した光触媒層32の上面32Sに露出された光触媒粒子の酸素欠損部PAの光触媒作用によって分解される。
また例えば、流体ノズル37を流れる流体に菌やウイルス等が含まれる場合には、光触媒層32の上面32Sに露出された光触媒粒子の酸素欠損部PAの光触媒作用によって滅菌や殺菌をすることもできる。
次に図5を用いて実施例2について説明する。実施例2は、酸素欠損部を有する光触媒粒子を含む部材の構成及び当該部材に可視光が入射されることで生じる光触媒作用の点について実施例1と同様である。
[実施例2の光触媒装置の構成]
図5は、実施例2に係る光触媒装置40の斜視図である。第1のモジュール41は、複数の板状部材から構成される光学部材である。第1のモジュール41のうちの導光板42は、互いに平行な2つの主面を有する透光性部材である。本実施例において、導光板42は後述する光触媒板43を配置した側の主面方向へ当該導光板内を伝搬する光を偏向する構造を備えたガラスから構成される。
第1のモジュール41のうちの光触媒板43は、互いに平行な2面を有し、導光板42の一方の主面に亘って設けられている光学部材である。光触媒板43は、実施例1における光触媒キャップ15の光触媒層32と同様に、透光性を有するマトリクス材と当該マトリクス材に分散させられて保持されている酸化チタン粒子とから構成される。
第1のモジュール41のうちの反射板44は、導光板42の他方の主面に亘って設けられている光学部材である。反射板44は、例えば、入射した光を受けて鏡面反射光及び拡散反射光を生じさせる樹脂からなる。
第2のモジュール46は、第1のモジュール41と離隔して配されている板状の光学部材である。第2のモジュール46は、第1のモジュール41と同様の構成を有する。すなわち、第2のモジュール46は、導光板47と、導光板47の一方の主面に設けられた光触媒板48と、導光板47の他方の主面に設けられた反射板49とから構成される。
第1のモジュール41及び第2のモジュール46は、第1のモジュール41における光触媒板43の表面43Sと第2のモジュール46における光触媒板48の表面48Sとが互いに対向するように配されている。言い換えれば、第1の光触媒部材としての光触媒板43の表面43Sと第2の光触媒部材としての光触媒板48の表面48Sとは、互いに対向するように離隔して配されている。
連通路形成部材51は、第1のモジュール41と第2のモジュール46との間において、当該第1のモジュール41及び第2のモジュール46を接続する板状の部材である。連通路形成部材51は、第1のモジュール41の光触媒板43及び第2のモジュール46の光触媒板48の面内において、互いに対向するように離隔して2つ配されている。本実施例において、連通路形成部材51は、例えば、ガラス等の光学部材である。
本実施例によれば、第1のモジュール41と第2のモジュール46と2つの連通路形成部材51とによって角筒の態様を示すことで、当該角筒内を流体が図中上下方向に通過可能な流体連通路が形成されている。言い換えれば、連通路形成部材51は、光触媒板43の表面43S及び光触媒板48の表面48Sと共に流体連通路を形成している。
固定フレーム53は、凹形状に形成され、図中上下方向に沿って伸長しているフレームである。固定フレーム53の凹部内には、複数の光源LSが図中上下方向に沿って離隔して配されている。固定フレーム53は、例えば、Al等の金属から構成される。
固定フレーム53は、第1のモジュール41及び第2のモジュール46の各々の一端面側にそれぞれ接続されている。具体的には、2つの固定フレーム53の各々は、当該固定フレーム53の凹部内に第1のモジュール41及び第2のモジュール46の各々の一端面が差し込まれる態様で、当該第1のモジュール41及び第2のモジュール46をそれぞれ固定している。
光源LSは、基板と当該基板に接続された可視光を出射するLEDとを含んで構成される。当該基板は、複数の光源LSの各々に給電するための電源回路(図示せず)に電気的に接続される。本実施例において、光源LSの各々から出射された可視光は、第1のモジュールの導光板42及び第2のモジュール46の導光板47の各々の一端面に入射される。
上記したLEDが紫外光を含まないLEDである場合、光触媒層32に含まれる酸化チタン粒子の光触媒層32から露出した部分以外の面(マトリクス材との接触面)を変質させることがない。なお、光源LSとして蛍光ランプや放電灯を用いる場合は、紫外光カットフィルタを光源と光触媒層32の間に設ければよい。
[光触媒板の構成]
第1のモジュールの光触媒板43の表面43S及び第2のモジュール46の光触媒板48の表面48Sは、実施例1の光触媒層32と同様の構造を有している。言い換えれば、光触媒板43の表面43S及び光触媒板48の表面48Sにおいては、酸化チタン粒子が当該酸化チタン粒子を保持するマトリクス材から露出しており、当該露出した面を含む領域は、当該露出面を除く他の領域よりも酸素欠損が多く生じている。すなわち、実施例1と同様に、酸化チタン粒子の酸素欠損が生じている領域は、酸素欠損が生じていない領域よりもバンドギャップが小さくなっている。
従って、本実施例において、光触媒板43の表面43S及び光触媒板48の表面48Sにおいて露出している酸化チタン粒子の酸素欠損部は、実施例1と同様に、可視光を吸収して光触媒効果を発揮することが可能である。なお、光触媒板43の表面43S及び光触媒板48の表面48Sにおいて露出している酸化チタン粒子の酸素欠損部は、可視光を吸収可能であるため、外観目視において黒色又は灰色を呈している。
[光触媒装置の光触媒作用]
上記したように、光源LSの各々から出射された可視光は、第1のモジュール41の導光板42及び第2のモジュール46の導光板47の各々の一端面に入射される。当該入射した可視光は、各々の導光板内部にて伝播され、当該導光板の一方の主面に設けられた光触媒板に向かうか、又は当該導光板の他方の主面に設けられた反射板において反射されて光触媒板へと進行する。
第1のモジュール41の光触媒板43及び第2のモジュール46の光触媒板48の各々に入射した可視光は、実施例1と同様に、当該光触媒板43及び光触媒板48の内部からその表面に向かって進行していく。従って、可視光が光触媒板43の表面43S及び光触媒板48の表面48Sにおいて露出している酸化チタン粒子の酸素欠損部に吸収されることによって、当該酸素欠損部において光触媒作用が発揮される。
ここで、例えば、第1のモジュール41及び第2のモジュール46と2つの連通路形成部材51とによって形成された流体連通路を、ホルムアルデヒドやトルエンなどの有害物質を含むガス又は液体(以下、単に流体とも称する)が図中矢印方向に流れる場合を考える。
この場合、上記したガス又は液体が流体連通路を通過することによって、第1のモジュール41の光触媒板43の表面43S及び第2のモジュール46の光触媒板48の表面48Sの各々に有害物質が付着する。付着した有害物質は、光触媒板43の表面43S及び光触媒板48の表面48Sの各々において露出されている酸化チタン粒子の酸素欠損部の光触媒作用によって分解される。
[実施例2の変形例]
次に、図6を用いて実施例2の変形例について説明する。図6は、実施例2の変形例に係る光触媒装置50の斜視図である。光触媒装置50は、モジュール及び連通路形成部材の構成が実施例2と異なっており、それ以外の点において実施例2と同様の構成を有する。以下に実施例2と異なる点について説明する。
[実施例2の変形例の光触媒装置の構成]
第3のモジュール55は、第1のモジュール41と第2のモジュール46との間に配されている複数の板状部材から構成される光学部材である。第3のモジュール55は、導光板56の一方の主面に設けられた光触媒板57及び導光板56の他方の主面に設けられた反射板58が、当該反射板58を背にして2つ設けられている。すなわち、第3のモジュール55は、両主面において光触媒板57が現れるように配されている。
第3のモジュール55は、第1のモジュール41及び第2のモジュール46と連通路形成部材51を介して接続されている。具体的には、実施例2と同様に、第3のモジュール55の一方の光触媒板57と第1のモジュール41の光触媒板43とが2つの連通路形成部材51を介して接続され、第3のモジュール55の他方の光触媒板57と第2のモジュール46の光触媒板48とが2つの連通路形成部材51を介して接続されている。
従って、本変形例によれば、光触媒装置50は、第1のモジュール41及び第3のモジュール55と2つの連通路形成部材51とによって形成される流体連通路と、第2のモジュール46及び第3のモジュール55と2つの連通路形成部材51とによって形成される流体連通路との2つの流体連通路を有している。
固定フレーム59は、固定フレーム53と同様に、凹部を有するAl等の金属からなるフレームである。固定フレーム59は、図中上下方向に伸長しており、当該伸長方向に沿って複数の光源LSが当該凹部内に離隔して配されている。
固定フレーム59は、第3のモジュール55の一端面側に接続されている。具体的には、固定フレーム59は、固定フレーム53と同様に、当該固定フレーム59の凹部内において第3のモジュール55の一方の端面が差し込まれる態様で、当該第3のモジュール55を固定している。実施例2と同様に、光源LSの各々から出射された可視光は、第3のモジュール55の導光板56の一端面に入射される。
[光触媒装置の光触媒作用]
本変形例において、光源LSの各々から出射された可視光は、第1のモジュール41の導光板42、第2のモジュール46の導光板47、及び第3のモジュール55の導光板56の各々の一端面に入射される。当該入射した可視光は、導光板内部にて伝播され、当該導光板の一方の主面に設けられた光触媒板に向かうか、又は当該導光板の他方の主面に設けられた反射板において反射されて光触媒板へと進行し得る。
第1のモジュール41の光触媒板43、第2のモジュール46の光触媒板48及び第3のモジュール55の光触媒板57の各々に入射した可視光は、実施例2と同様に、当該光触媒板の各々の内部からその表面に向かって可視光が進行する。従って、可視光が光触媒板43の表面43S、光触媒板48の表面48S、光触媒板57の表面57S1及び57S2の各々において露出している酸化チタン粒子の酸素欠損部に吸収されることによって、当該酸素欠損部において光触媒作用が発揮される。
[上記モジュールを用いた他の光触媒装置]
実施例2又はその変形例において、上記したモジュールの各々と連通路形成部材51とによって形成される流体連通路には、例えば、当該流体連通路を流れる流体の有害物質に対して光触媒作用を発揮させるための部材がさらに設けられていてもよい。
ここで、図7を用いて、上記した流体連通路に設置可能な部材について説明する。図7は、拡散フィルタ61が設けられた光触媒装置50の斜視図である。拡散フィルタ61は、図中上下方向に不織布の山折り及び谷折りが交互に繰り返されることで形成される不織布からなるエアフィルタである。拡散フィルタ61は、山折り及び谷折りが交互に繰り返されることによって、例えば、当該拡散フィルタ61内を気体が通過する際に当該気体の流れが乱れて拡散される。
拡散フィルタ61の表面には、酸化チタン粒子が担持されており、当該酸化チタン粒子の表面領域は、当該表面領域以外の領域に比べて酸素欠陥が多く生じている。すなわち、拡散フィルタ61は、当該拡散フィルタ61の表面における酸化チタン粒子の酸素欠損部に可視光が照射されることで光触媒作用を発揮する。
光源LSから出射された可視光が光触媒板の表面に露出された酸化チタン粒子の酸素欠損部に入射される際には、当該光触媒板の表面から可視光の漏れ光が出てくる可能性がある。この場合、上記した漏れ光が第1のモジュール41及び第2のモジュール46との間に配された拡散フィルタ61に照射されることによって、当該拡散フィルタ61に担持されている酸化チタン粒子の酸素欠陥部において光触媒作用が発生する。
例えば、有害物質を含むガス等の流体が上記した流体連通路に設けられた拡散フィルタ61を通過する際に、当該ガス等の流体の気流が拡散されることで、有害物質が拡散フィルタ61の表面に付着する。従って、拡散フィルタ61内を通過するガスに含まれ得る有害物質を上記した漏れ光を利用して分解することができる。よって、上記した流体連通路に拡散フィルタ61を設けることで、上記したモジュールの光触媒板の各々の表面における酸化チタン粒子の光触媒作用と拡散フィルタ61の表面における酸化チタン粒子の光触媒作用との相乗効果を狙うことができる。
なお、拡散フィルタ61の表面には、酸化チタン粒子のほかにAg粒子が担持されていてもよい。これにより、Agイオンによる抗菌作用を補助機能とした可視光応答可能な拡散フィルタ61を形成することができる。
上記した第1~第3のモジュール(41、46、55)は、可視光が光触媒板の裏面から入射され、当該光触媒板の表面に露出された酸素欠陥部を有する酸化チタン粒子に当該可視光が照射される構成であればよく、例えば、上記した反射板を有していなくてもよい。
図8は、光触媒モジュール63及び固定フレーム53の斜視図である。光触媒モジュール63は、板状の光触媒板のみから構成される。光触媒モジュール63は、光源LSから光が入射される一端面を除いた5面の表面63Sにおいて、酸化チタン粒子の酸素欠損部が露出している構成となっている。
従って、光源LSから出射された可視光が、光触媒モジュール63の一端面から内部へと進行し、当該一端面を除く5面の表面63Sの各々に到達することで、当該表面における酸化チタン粒子の酸素欠損部で光触媒作用が発揮される。光触媒モジュール63は、例えば、当該光触媒モジュール63の5面の表面63Sがガス等の流体に接するように配置される。
なお、上記した光触媒モジュール63は、酸化チタン粒子の酸素欠損部が露出している表面の裏面から可視光が入射されて当該酸素欠陥部に照射される構成であればよく、その形状は板状に限定されない。光触媒モジュール63は、例えば、多角柱状であってもよく、曲面を有していてもよい。
また、光触媒モジュール63は、その表面または内部に分散された酸化チタン粒子によって、当該光触媒モジュール63の一端面から入射した光源LSの光を散乱できるため、光触媒モジュール63の略全表面における酸化チタン粒子の酸素欠損部PAを励起できる。
また、実施例2及びその変形例の光触媒装置においても、実施例1の光触媒装置と同様に、光触媒装置の上面(光触媒粒子の酸素欠損部)を流れる流体に含まれる菌やウイルスを滅菌又は殺菌する作用を有し、また、臭い物質を消臭する作用を有する。
また、酸化チタン粒子とマトリクス材とによって形成される光触媒層は、基材31の表面に薄膜形成できるため酸化チタン粒子の使用量を抑えることができ、安価に製造することができる。
なお、実施例1で説明した光触媒キャップの作製方法は、実施例2及び実施例2の変形例で説明した光触媒板の作製時においても適用可能である。また、実施例2及び実施例2の変形例において、固定フレームに設けられた光源LSの各々から可視光が出射されて導光板に入射されるとしたが、当該可視光を入射させる方法は限定されない。例えば、可視光は、導光板の一端面及び一端面と対向する他端面の両端面から入射されてもよく、また、1つの光源から出射された可視光が枝分かれして導光板の各々に供給されていてもよい。
本発明に係る光触媒装置における各部分の形状、寸法又は構成は、上述した実施例及び変形例に限られるものではなく、用途等に応じて適宜変更可能である。
10、40、50 光触媒装置
11 支持体
13 発光素子
15 光触媒部材
21 アノード電極
22 カソード電極
23 アノード配線
24 カソード配線
25 支持体枠縁金属層
26 素子接合層
27 ボンディングワイヤ
31 基材
32 光触媒層
34 キャップ枠縁金属層
35 キャップ接合層
37 流体ノズル
38、53、59 固定フレーム
41 第1のモジュール
42、47、56 導光板
43、48、57 光触媒板
44、49、58 反射板
46 第2のモジュール
51 連通路形成部材
55 第3のモジュール
61 拡散フィルタ
63 光触媒モジュール

Claims (15)

  1. 透光性を有するマトリクス材及び前記マトリクス材の表面において露出するように前記マトリクス材に保持された複数の光触媒粒子からなる光触媒部材であって、
    前記複数の光触媒粒子の各々の前記マトリクス材からの露出面を含む1の領域は、他の領域よりもバンドギャップが小さいことを特徴とする光触媒部材。
  2. 前記複数の光触媒粒子の各々の前記1の領域は、前記複数の光触媒粒子の各々において前記他の領域よりも酸素欠損が多く生じている領域であることを特徴とする、請求項1に記載の光触媒部材。
  3. 前記マトリクス材は板状であり、前記複数の光触媒粒子は、前記マトリクス材の一方の主面において露出するように前記マトリクス材に保持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光触媒部材。
  4. 前記複数の光触媒粒子の各々の前記1の領域は、前記マトリクス材の前記表面から突出していることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の光触媒部材。
  5. 前記複数の光触媒粒子の各々は、酸化チタン又は酸化亜鉛の粒子であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の光触媒部材。
  6. 底部と、
    前記底部の上面に配され、可視光を出射する発光素子と、
    前記底部の上面に配され、前記発光素子を露出する開口を有する枠形状を有する壁部と、
    前記発光素子を覆うように配され、可視光に対して透光性を有するマトリクス材及び前記マトリクス材の表面において露出するように前記マトリクス材に保持された複数の光触媒粒子からなる光触媒部材と、を有し、
    前記複数の光触媒粒子の各々の前記マトリクス材からの露出面を含む1の領域は、他の領域よりも小さいバンドギャップを有することを特徴とする光触媒装置。
  7. 前記マトリクス材は板状であり、前記複数の光触媒粒子の各々は、前記マトリクス材の一方の主面において露出するように前記マトリクス材に保持されていることを特徴とする請求項6に記載の光触媒装置。
  8. 各々が可視光に対して透光性を有する板状のマトリクス材及び前記マトリクス材の一方の主面において露出するように前記マトリクス材に保持された複数の光触媒粒子からなり、かつ前記一方の主面同士が対向するように配置された第1及び第2の光触媒部材と、
    可視光を出射し、当該出射した可視光を前記マトリクス材の前記一方の主面以外の表面から導入可能な発光部と、を有し、
    前記複数の光触媒粒子の各々の前記マトリクス材の前記一方の主面からの露出面を含む1の領域は、他の領域よりも小さいバンドギャップを有することを特徴とする光触媒装置。
  9. 前記第1及び第2の光触媒部材の前記マトリクス材の各々の他方の主面には、光反射板が配されていることを特徴とする、請求項8に記載の光触媒装置。
  10. 前記第1及び第2の光触媒部材の前記マトリクス材の各々の前記一方の主面と共に流体連通路を形成する連通路形成部材を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の光触媒装置。
  11. 前記複数の光触媒粒子の各々の前記1の領域は、前記複数の光触媒粒子の各々において前記他の領域よりも酸素欠損が多く生じている領域であることを特徴とする、請求項6乃至10のいずれか1つに記載の光触媒装置。
  12. 前記複数の光触媒粒子の各々の粒径は、前記可視光の波長よりも大きいことを特徴とする、請求項6乃至11のいずれか1つに記載の光触媒装置。
  13. 前記複数の光触媒粒子の各々の前記1の領域は、前記マトリクス材の前記一方の主面から突出していることを特徴とする、請求項7乃至12のいずれか1つに記載の光触媒装置。
  14. 前記複数の光触媒粒子の各々は、酸化チタン又は酸化亜鉛の粒子であることを特徴とする、請求項6乃至13のいずれか1つに記載の光触媒装置。
  15. 可視光に対して透光性を有するマトリクス材及び前記マトリクス材の表面において露出するように前記マトリクス材に保持され、前記マトリクス材からの露出面を含む1の領域が他の領域よりも小さいバンドギャップを有する複数の光触媒粒子からなる光触媒部材と、
    可視光を出射し、当該出射した可視光を前記複数の光触媒粒子の前記1の領域以外の領域から導入可能な発光部と、を有することを特徴とする光触媒装置。
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