JP2022134266A - 真空装置の製造方法、及び、真空装置 - Google Patents

真空装置の製造方法、及び、真空装置 Download PDF

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Abstract

【課題】真空室を容易に形成できるようにする。【解決手段】真空装置を配置した真空加熱炉内を排気して高真空にしつつ、真空装置を温度Aまで加熱して部屋R3内を脱ガスし、その後、真空装置を高真空中で温度Cまで加熱し、当該温度Cを維持する。このような加熱により、筒状部材は、軟化してその自重により変形し、焼成されて、筐体の貫通孔を封止する封止部に変化する。これにより、真空装置の筐体内の部屋が真空室となる。その後、真空装置の温度を下げて、真空装置の温度を、封止部の軟化点以下かつガラス転移点以上の温度Bで維持し、前記の部屋内のゲッターを活性化させる。ゲッターを活性化させることで、真空室となっている前記の部屋の真空度が向上する。【選択図】図4

Description

本発明は、真空室を有する真空装置の製造方法、及び、真空装置に関する。
真空装置の真空室は、例えば、特許文献1に開示されているような方法で形成される。まず、真空室(基準圧力室7)となる部屋に連通するパイプ(真空引き用パイプ9)を介して当該部屋を真空引きする。その後、パイプの一部を加圧変形させ、加圧変形させた部分を抵抗溶接により溶接して封止することで、真空室を形成する。
特開昭63-133032号公報
特許文献1が開示する従来の真空室の形成では、真空引きのあとにパイプを物理的に変形させて封止を行う必要がある。従って、真空室の形成に手間がかかる。
本発明は、真空室を容易に形成できるようにすることを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点に係る真空装置の製造方法は、真空室となる部屋を内部に有する筐体であり、前記部屋と前記筐体の外部とを連通させる貫通孔を有する筐体と、前記貫通孔に配置され、前記部屋と前記筐体の前記外部とを連通させる連通路を有する部材と、を備える、真空室形成前の真空装置を形成する第1ステップと、前記真空装置を収容した真空加熱炉内の気体を排気することで前記部屋内の気体を前記部屋から前記連通路を介して排気し、前記真空加熱炉内で前記部材を加熱して軟化させることで前記部材をその自重により変形させて前記貫通孔を封止し、これにより前記真空室を形成する第2ステップと、を有する。
前記第1ステップで形成される前記真空装置は、加熱されることで活性化するゲッターを前記部屋内に備え、前記第2ステップでは、前記部材が変形して前記貫通孔を封止したあとも前記真空加熱炉内で前記真空装置を加熱して前記ゲッターを活性化させる、ようにしてもよい。
前記第2ステップでは、前記真空装置を第1加熱温度で加熱し、前記部材を軟化及び変形させ、その後、前記部材の温度を軟化点よりも低い温度とする第2加熱温度で前記真空装置を加熱して前記ゲッターを活性化させる、ようにしてもよい。
前記部材は、軟化点とガラス転移点とを有する材料により形成されており、前記第2加熱温度は、前記部材の温度を前記ガラス転移点よりも高く前記軟化点よりも低い温度に加熱する温度である、ようにしてもよい。
前記第2ステップでは、前記部材を変形させる加熱の前に、前記真空加熱炉内で当該加熱の際の加熱温度よりも低い加熱温度で前記真空装置を加熱することで前記部屋内を脱ガスする、ようにしてもよい。
前記貫通孔は、前記筐体の前記外部側に配置された第1部分と、前記筐体の前記部屋側に位置して第1部分と連通し、第1部分の中心軸方向からみて第1部分よりも小さい第2部分と、を備え、前記第1部分の内壁にテーパーが設けられている、ように構成されてもよい。
前記真空装置は、前記真空室の気圧と測定対象の気圧との差圧を検出する圧力センサである、ようにしてもよい。
本発明の第2の観点に係る真空装置は、真空室が形成される前の真空装置であって、前記真空室となる部屋を内部に有する筐体であり、前記部屋と前記筐体の外部とを連通させる貫通孔を有する筐体と、前記貫通孔に配置され、前記部屋と前記筐体の前記外部とを連通させる連通路を有し、加熱されることで自重により変形して前記貫通孔を封止するように形成された部材と、を備える。
本発明によれば、真空室が容易に形成される。
図1は、本発明の実施の形態に係る真空装置の製造方法の流れ図である。 図2は、真空室形成前の真空装置の断面図である。 図3は、真空加熱炉にて真空装置を加熱して真空室を形成する際の様子を示す模式図である。 図4の上段は、真空加熱炉内にて真空装置を加熱する際の真空装置の温度の時間経過を示すグラフであり、下段は、真空加熱炉内を排気する際の当該真空加熱炉内の気圧の時間経過を示すグラフである。 図1の真空装置の貫通孔、貫通孔に配置された筒状部材、及び、真空装置を加熱するヒータを示す真空装置及びヒータの拡大立面図及び拡大断面図である。 図5の筒状部材が変形して貫通孔を封止する封止部に変化した後の様子を示す真空装置及びヒータの拡大断面図である。 変形例に係る真空装置の貫通孔、貫通孔に配置された筒状部材、及び、真空装置を加熱するヒータを示す真空装置及びヒータの拡大立面図及び拡大断面図である。 図7の筒状部材が変形して貫通孔を封止する封止部に変化した後の様子を示す真空装置及びヒータの拡大断面図である。 筒状部材が変形して変形例に係る貫通孔を封止する封止部に変化した後の様子を示す真空装置及びヒータの拡大断面図である。
以下、本発明の実施に係る真空装置の製造方法について、図面を参照して説明する。本実施の形態で製造される真空装置は、半導体製造装置等の真空チャンバ内の真空度(気圧)を計測する隔膜真空計の圧力センサとする。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る真空装置の製造方法は、真空室が形成される前の真空装置10(図2参照)を形成するステップS11と、真空装置10を真空加熱炉101(図3参照)内に配置し、真空加熱炉101内の気体を排気しかつ真空加熱炉101内で真空装置10を加熱することで真空室を形成するステップS12と、を有する。
ステップS11で形成される真空装置10は、図2に示すように、真空室となる部屋R3を内部に有する筐体20であり、部屋R3と筐体20の外部とを連通させる貫通孔22Aを有する筐体20を備える。さらに、真空装置10は、貫通孔22Aに配置される筒状部材70であり、部屋R3と筐体20の外部とを連通させる連通路71を有する筒状部材70(図5も参照)も備える。以下、このような構成の真空装置10の詳細について説明する。
図2に示すように、真空装置10は、筐体20と、バッフル30と、センサ素子支持部40と、センサ素子50と、ゲッター60と、筒状部材70と、を備える。
筐体20は、第1筐体部材21と、第2筐体部材22と、第3筐体部材23と、を備え、上記各部材30~60を収容する。筐体20の内部には、筐体20の外の計測対象の気圧を有する空間である上記半導体計測装置の真空チャンバ内と連通する連通路R1と、連通路R1と連通して上記真空チャンバ内の気圧と同じ気圧を有する連通空間R2と、ステップS12で、連通空間R2の気圧と比較される真空の気圧が封入された真空室となる部屋R3と、が形成されている。
筐体20の第1筐体部材21は、連通路R1及び連通空間R2を区画するロート形状を有している。第1筐体部材21には、円筒状の第2筐体部材22が、溶接等により、センサ素子支持部40の後述の円盤状の金属薄板41の周縁部を挟んで接合されている。第2筐体部材22には、円板形状の第3筐体部材23が溶接等によりに接合されている。第3筐体部材23は、第2筐体部材22とともに、真空室となる部屋R3を区画している。
第3筐体部材23は、円盤形状の本体23Aと、本体23Aに形成された貫通孔23Bを通り、センサ素子50に接続されている電極23Cと、電極23Cが通る貫通孔23Bをシールするハーメチックシール23Dと、を備える。電極23Cは、センサ素子50が検出する後述の差圧の電気信号を筐体20の外部に伝送する。電極23Cは、リードピン23CAと、リードピン23CAが内部を通る円筒形状で金属製のシールド23CBと、リードピン23CAとシールド23CBとの間をシールするハーメチックシール23CCと、を備える。なお、電極の数は、任意であり、通常は複数設けられる。
第2筐体部材22には、径方向に貫通し、部屋R3と筐体20の外部(つまり径方向外側の空間)とを連通させる貫通孔22Aが設けられている。貫通孔22Aは、第2筐体部材22の径方向の外周側つまり筐体20の外部側に円柱状の大径部22Bを備え、内周側つまり部屋R3側に大径部22Bよりも小径の円柱状の小径部22Cを備える。大径部22Bと小径部22Cとは連通している。大径部22Bと小径部22Cとの各中心軸は、同じ軸線上に位置している。つまり、大径部22Bの中心軸方向から見て、小径部22Cは、大径部22Bの中央に配置されている。大径部22Bには、筒状部材70がはめ込まれている。
筐体20は、金属製の筐体本体20Sと、当該筐体本体に取り付けられた電極23C及びハーメチックシール23D等の各種部品と、を含んで構成されている。この実施の形態の筐体本体20Sは、例えば、第1筐体部材21と、第2筐体部材22と、第3筐体部材23の本体23Aと、から構成されている。
バッフル30は、第1筐体部材21に不図示の固定部材等により固定され、上記真空チャンバから連通路R1を通って上方の連通空間R2に流入する気体の流れを筐体20の外周方向に変える。
センサ素子支持部40は、センサ素子50を支持する。センサ素子支持部40は、円盤状の金属薄板41と、センサ素子50が固定された台座42と、を備える。金属薄板41は、上述のように、その周縁部が第1筐体部材21及び第2筐体部材22に接合されており、筐体20により支持されている。台座42は、第1円板42A及び第2円板42Bを備える。第1円板42Aと第2円板42Bとは、金属薄板41を上下から挟んだ状態でボルト及びナット等により締結されている。これにより、台座42は、金属薄板41に固定される。
センサ素子支持部40は、第1筐体部材21とともに連通空間R2を区画している。センサ素子支持部40の中央には、台座42及び金属薄板41を上下方向に貫通し、連通空間R2の気圧をセンサ素子50に導く貫通孔40Aが形成されている。
センサ素子50は、貫通孔40Aを覆うようにして台座42に密着した状態で固定されている。センサ素子50は、センサ素子支持部40、第2筐体部材22、及び、第3筐体部材23とともに部屋R3を区画している。センサ素子50は、部屋R3内の気圧と、貫通孔40Aを介して導かれる連通空間R2の気圧つまり上記真空チャンバ内の気圧(真空装置10の測定対象)との差圧を、例えば静電容量の変化により検出する。センサ素子50は、どのような方式のセンサ素子でもよく、例えば、圧電素子を利用したセンサ素子であってもよい。
ゲッター60は、加熱されることで活性化し、部屋R3を真空室としたときに当該部屋R3内に残留する残留気体を吸着する。この吸着により、部屋R3の真空度が向上する。このようなゲッター60としては、非蒸発型のゲッターがある。図示はしていないが、ゲッター60は、第3筐体部材23の本体23Aの部屋R3側の面に接着剤等で固定されるか、当該下面にボルト又は溶接等で取り付けられた固定部材により固定される。ゲッター60は、ボルト等により直接本体23Aに固定されてもよい。
筒状部材70は、第2筐体部材22の貫通孔22Aの大径部22Bに嵌め入れられる。筒状部材70は、円筒状であり、上述のように、貫通孔22Aに配置される(図2及び図5参照)。筒状部材70の中空部は、部屋R3と筐体20の外部とを連通させる連通路71を形成している。連通路71は、円柱形状であり、その中心軸が大径部22Bの中心軸に一致するように配置されている。連通路71は、貫通孔22Aの小径部22Cと連通することで、部屋R3と筐体20の外部とを連通させている。筒状部材70は、ガラス粉体を圧縮成形して形成された成形体であり、ステップS12での加熱により軟化するように構成されている。筒状部材70は、ここではガラス粉体によるガラス製とするが、合成樹脂粉体による合成樹脂製としてもよい。筒状部材70は、粉体で形成されたものでなくてもよい。
図1に示すステップS11では、例えば、第3筐体部材23を形成し、形成した第3筐体部材23にゲッター60を取り付ける。他方、センサ素子支持部40(金属薄板41)の周縁部を、第2筐体部材22と、バッフル30が取り付けられた第1筐体部材21とにより挟み込んで、これらを溶接して接合し、これらからなるユニットを形成する。その後、ステップS11で形成したユニットに、センサ素子50を配置しつつ、第3筐体部材23を溶接等により接合する。センサ素子50は、第3筐体部材23の電極23Cと電気的に接続された状態で、センサ素子支持部40に固定される。さらに、ステップS11では、適宜のタイミングで、筒状部材70が第2筐体部材22の貫通孔22Aの大径部22Bに嵌め入れられる。
真空装置10は、上述のように、ステップS12で加熱される。真空装置10は、この加熱によって不都合が生じないような材料で形成される。この点については、ステップS12を説明してから説明する。
ステップS12では、図3の模式図に示すように、ステップS11で形成された真空装置10が、真空加熱炉101内に配置される。真空装置10は、筐体20の貫通孔22Aの中心軸が上下方向(天地方向)に沿う向きで配置される。真空加熱炉101内には、真空装置10の筐体20に接触するヒータ102が配置されている。真空加熱炉101内の気体は、真空ポンプ103により排気される。
ヒータ102は、不図示のヒータ電源からの電流により発熱し、真空装置10を加熱する。ヒータ102に流れる電流量を制御することで、ヒータ102の温度(ヒータ温度)が制御される。図3において内部構造を省略しているが、ヒータ102は、例えば、シーズヒータ等が埋め込まれ円筒形状に形成されたバンドヒータである。ヒータ102は、真空装置10の筐体20の側面に接触し、当該筐体20を加熱することで真空装置10を加熱する。ヒータ102は、筒状部材70を露出させる露出孔102Aを備える。ヒータ102は、例えば、電磁誘導等により発熱するように構成されてもよい。ヒータ102は、ゲッター60を効率よく加熱するため、筐体20の第3筐体部材23に接触する部位をさらに備えてもよい。
ステップS12では、真空加熱炉101内の気体を真空ポンプ103により排気しつつ、真空装置10をヒータ102により加熱する。この排気及び加熱のプロセスを、図4を参照して説明する。なお、真空加熱炉101内は、当初、空気又は不活性ガス(例えば、窒素ガス)といった気体で満たされているものとする。また、下記で説明する真空装置10の各温度は、特に言及がない限り、真空装置10の筐体20(特に筐体20の大部分である筐体本体20S)の温度であり、当該筐体20の熱が伝わる筒状部材70の温度ともいえる。当該温度は、不図示の温度センサ等により検出される。また、ヒータ102の発熱温度であって真空装置10を加熱する加熱温度を、ヒータ温度ともいう。
ステップS12では、まず、ヒータ102のヒータ温度を上げて真空装置10を温度Aまで加熱するとともに(期間T0~T2)、真空加熱炉101内を排気することで真空加熱炉101内の気圧を1.00*10-4Paオーダーの高真空まで低下させる(期間T0~T1)。ここでは、真空装置10の温度が温度Aに達するよりも前に、気圧を1.00*10-4Paオーダーの高真空まで低下させる(時間T1<T2)。この高真空は、後述の冷却の途中(時間T8)まで維持される(例えば真空ポンプ103は稼働したままとする)。これにより、後述のように真空室を形成する際の加熱によって不純物等のガスが発生しても、部屋R3内の真空度を保つことができる。真空加熱炉101内の気体の排気により真空装置10の部屋R3内の気体も筒状部材70の連通路71を介して排気される。従って、真空加熱炉101内が高真空のときは部屋R3も高真空である。
真空装置10の温度が温度Aに達したときには、その温度Aが第1所定期間維持される(期間T2~T3)。この温度Aの維持は、高真空中で行われる。これにより、部屋R3内の内壁面、及び、ゲッター60等に付着した不純物がガス化して排気される脱ガスが行われる。温度Aは、筒状部材70のガラス転移点よりも低い温度である。このため、真空装置10の温度が温度Aであるときには、筒状部材70は、硬化状態のままである。
上記の脱ガス後、ヒータ102によるヒータ温度を上げて、真空装置10を高真空中で温度Cまで加熱し(期間T3~T4)、当該温度Cを第2所定期間維持する(期間T4~T5)。温度Cは、筒状部材70の軟化点よりも高く、筒状部材70の焼成に適した温度である。このような加熱により、図5に拡大して示す筒状部材70は、各粉体及び全体が軟化し、その自重により変形し、焼成されて、図6に示す封止部70Hに変化する。筒状部材70が変形して形成されたこの封止部70Hは、筒状部材70の連通路71が塞がった形状であり、筐体20の貫通孔22Aを封止している。これにより、部屋R3は、真空室となる。
その後、ヒータ102のヒータ温度を下げて、真空装置10の温度を、封止部70Hの軟化点以下かつガラス転移点以上の温度Bまで徐々に下げ(期間T5~T6)、封止部70Hの形状を安定させる。その後、温度Bを第3所定期間維持し(期間T6~T7)、ゲッター60を活性化させる。これにより、真空室となっている部屋R3の真空度が向上する。なお、第3所定期間の前から、具体的には、真空装置10が期間T3~T6においてゲッター60が活性化に必要な温度となったタイミングから、ゲッター60の活性化のための加熱は開始されている。従って、この実施の形態での第3所定期間の長さは、真空装置10が期間T3~T6においてゲッター60の活性化に必要な温度となる期間も考慮されて設定される。上述のように、ゲッター60の活性化のために、真空装置10は、封止部70Hのガラス転移点以上の温度に加熱される。これにより、部屋R3の真空度が向上したときに、真空度の向上度合いに応じて、封止部70Hの一部が筐体20の貫通孔22Aの小径部22C内に引き込まれる。
その後、ヒータ温度を徐々に下げて、真空装置10を冷却する(期間T7~T9)。当該冷却の途中で、高真空状態も解除され(時間T8)、真空加熱炉101内には空気又は不活性ガスが導入される。この冷却により、封止部70Hも冷却されガラス状態に硬化する。
以上のような一連の加熱により、部屋R3を真空室とした真空装置10が完成する。
上記の一連の加熱により、真空装置10は、最高で温度Cまで加熱される。また、ゲッター60を活性化するための温度Bは、筒状部材70のガラス転移点よりも高い。このようなことから、下記のような温度の大小関係が好ましい。つまり、筒状部材70のガラス転移点<ゲッター60を活性化させるための温度B<筒状部材70を変形させて貫通孔22Aを封止するための温度C<ステップS11で形成された真空装置10つまり真空室形成前の真空装置10の耐熱温度、となる温度の大小関係が好ましい。なお、真空装置10の耐熱温度とは、真空装置10がその温度で故障又は変形等しない温度である。
上記大小関係を満たすため、例えば、筐体20の金属部分である筐体本体20Sをニッケルークロムー鉄合金(例えばインコネル600)で形成し、筒状部材70を、ビスマス系無鉛ガラスで形成する。さらに、ハーメチックシール23D等をコバールガラスで形成し、センサ素子支持部40及びセンサ素子50をサファイヤ等で形成するとよい。このような場合、筒状部材70のガラス転移点は350℃で、ガラス軟化点は410℃で、推奨焼成温度は460℃である。そこで、温度Aを250℃、温度Bを370℃、温度Cを410~460℃とする。また、各部材の材料は任意であり、前記に限定されない。
以上の通り、本実施の形態では、ステップS11により、真空室となる部屋R3を有する筐体20及び筐体20の貫通孔22Aに配置された筒状部材70を備える真空室形成前の真空装置10を形成する。さらに、ステップS12により、真空装置10を収容した真空加熱炉101内の気体を排気することで部屋R3内の気体を部屋R3から排気する。かつ、真空加熱炉101内で真空装置10を加熱することで筒状部材70を加熱して軟化させる。軟化した筒状部材70は、自重により変形して封止部70Hとなって、真空装置10の筐体20の貫通孔22Aを封止する。これらにより、部屋R3が真空室となる。従って、本実施の形態では、筒状部材70を機械的な力を加えて変形させることなく、加熱のみにより貫通孔22Aを封止して真空室を形成するので、真空室が容易に形成される。
さらに、ステップS12では、筒状部材70を変形させて筐体20の貫通孔22Aを封止したあと、つまり、封止部70H形成後も、真空加熱炉101内で真空装置10を加熱してゲッター60を活性化させる。これにより、真空加熱炉101内で、真空室の形成及びゲッター60の活性化を一連の工程で行うことができ、真空室の真空度を容易に向上させることができる。特に、従来は、真空室の形成のため、真空引き、溶接、ゲッターの加熱の3工程を別々に行っているが、本実施の形態では、真空加熱炉101内で、ゲッター60の活性化までを一連の工程で行うことができ、真空室、特に、真空度がゲッター60によって向上した真空室を容易に形成できる。
さらに、ステップS12では、真空装置10を第1ヒータ温度(第1加熱温度)で加熱して真空装置10ないし筒状部材70の温度を温度Cまで上げて、筒状部材70を変形させ封止部Hを形成する。その後、ヒータ温度を下げ、筒状部材70の温度を軟化点よりも低い温度とする第2ヒータ温度(第2加熱温度)で真空装置10を加熱して、ゲッター60を活性化させる。これにより、封止部70Hの形状を安定化させた状態でゲッター60を活性化できる。従って、第1ヒータ温度のままで真空装置10を加熱してゲッター60を活性させてしまうことに比べて、筒状部材70の形状が安定せず、その一部が貫通孔22Aの小径部22C内に垂れ流れ、その後、部屋R3内に流入するといった不都合が抑制される。
さらに、上記第2ヒータ温度は、筒状部材70(封止部70H)の温度をガラス転移点よりも高く軟化点よりも低い温度Bに加熱する温度であることにより、封止部70Hの形成後に、当該封止部70Hを一定期間ゴム状態で保持することができる。これにより、封止部70Hが急激に冷えることによって割れる等の不都合が回避される。また、例えば、ゲッター60の活性化により部屋R3の真空度が上がって、その気圧が下がっても、この気圧の低下に追従して封止部70Hの一部が小径部22Cに引き込まれることで封止部70Hが変形することができる。これにより、封止部70Hは、その後の真空装置10の冷却時に、真空室となっている部屋R3の気圧に応じた形状で硬化できる。これにより、封止部70Hの硬化後に、ゲッター60の活性化前後での部屋R3の気圧差による負荷(封止部70Hを部屋R3に吸引する吸引力)が封止部70Hに掛かることが抑制される。
さらに、ステップS12では、真空装置10を温度Cまで上げて筒状部材70を変形させる加熱の前に、前記真空加熱炉内で、当該加熱の際の第1ヒータ温度(第1加熱温度)よりも低い第3ヒータ温度(第3加熱温度)で真空装置10を温度Aに加熱することで部屋R3内を脱ガスする。これにより、脱ガスからゲッター60の活性化までを真空加熱炉101で一連の工程で行うことができる。
さらに、ステップS11で形成される真空室形成前の真空装置10では、真空室となる部屋R3を内部に有する筐体20の貫通孔22Aに、連通路71を有し、加熱されることで自重により変形して貫通孔22Aを封止するように形成された筒状部材70が設けられている。これにより、真空加熱炉101内を真空引きし、当該真空加熱炉101内で筒状部材70を加熱して変形させることで、真空室が形成されるので、真空室が容易に形成される。
上記実施の形態では、一連の加熱処理等を真空加熱炉101内で行うことができる。従って、真空加熱炉101内にステップS11で形成された複数の真空装置10を入れて、当該複数の真空装置10について一度に上記加熱処理等を行い、各真空装置10について真空室を形成してもよい。これにより、複数の真空装置10それぞれの真空室の形成を一度に容易に行うことができる。
上記実施の形態については、種々の変形を施してもよい。例えば、真空装置10の形状は、適宜変更できる。例えば、筐体20は、上記実施の形態では円柱状の形状であるが、多角柱の形状であってもよい。筐体20の貫通孔22Aの形状も任意である。貫通孔22Aは、円柱形状でなく、多角柱形状であってもよい。筒状部材70の形状も貫通孔22Aの形状に応じて多角筒状であってもよい。ステップS12の各プロセスは、手動により行われても、不図示のコントローラによりヒータ102及び真空ポンプ103が制御されることで行われてもよい。
ステップS12において、真空装置10は、貫通孔22Aの中心軸が水平方向に沿う向きで真空加熱炉101内に配置されてもよい。このような場合であっても、加熱された筒状部材70は、自重により変形することで連通路71が塞がれ、その結果、貫通孔22Aを封止する封止部70Hに変形することができる。このような場合、ゲッター60を活性化させるヒータ温度を、上記のように、筒状部材70(封止部70H)の温度をガラス転移点よりも高い温度Bとするとよい。これにより、真空装置10ないし筒状部材70を温度Bとする加熱時において封止部70Hをゴム状態として封止部70Hの形状を保持でき、貫通孔22Aから軟化状態の封止部70Hの多くが流れ落ちてしまうことを防止される。
筐体20の第2筐体部材22の貫通孔22A、及び、筒状部材70を、図7に示すような貫通孔222A及び切り欠き部材270に変更してもよい。貫通孔222Aは、貫通孔22Aの大径部22B及び小径部22Cにそれぞれ対応する大径部222B及び小径部222Cを有する。小径部222Cは、大径部222Bの下部(大径部222B及び小径部222Cの中心軸が水平方向に沿う向きのときの天地方向を上下方向とした場合の下部)と連通するように配置されている。切り欠き部材270は、筒状部材70の連通路71に対応する連通路271を有する。連通路271は、小径部222Cと連通しており、切り欠き部材270の下部に設けられた切り欠き孔により構成されている。このような場合の真空装置10をステップS12において加熱する場合は、大径部222B及び小径部222Cの中心軸が水平方向に沿う向きで真空加熱炉101内に配置されてもよい。このような場合、加熱された切り欠き部材270は、図8に示すように、自重により変形することで連通路271が塞がれ、その結果、貫通孔222Aを封止する封止部270Hに変形することができる。ここでは、特に、自重による切り欠き部材270の変形により、連通路271を容易につぶすことができ、貫通孔222Aの下部に位置する小径部222Cを容易に封止できる。これらのように、上記実施の形態及び変形例における筐体20の貫通孔22A等に配置される部材は、連通路71等を有する部材であればよい。
上記貫通孔22A及び222Aといった、真空装置10の筐体20の、部屋R3と筐体20の外部とを連通させる貫通孔は、筐体20の外部側に配置された第1部分(上記では、大径部22B)と、部屋R3側に位置して第1部分と連通し、第1部分の中心軸方向からみて第1部分よりも小さい第2部分(上記では、小径部22C)と、を備えるものであるとよい。これにより、第1部分に、筒状部材70等の連通路を有する部材を配置することができ、当該部材が変形したときに第2部分を容易に塞ぐことができる。従って、変形後の当該部材つまり封止部が貫通孔を容易に封止できる。さらに、第1部分の内壁、具体的には、側内面又は底面にテーパーが設けられてもよい。例えば、図9に示すように、大径部22Bにおける、小径部22Cの開口が形成されている底面22BAを円錐台の側面形状とすることで、この底面BAにテーパーを設けてもよい。このようなテーパーにより、封止部70Hと貫通孔22Aの内壁との接合面積を大きくすることができ、封止部70Hの筐体20に対する良好な接合強度が得られる。なお、封止部70Hとなる前の筒状部材70の外面についても、底面BAに合わさるテーパーを設けてもよい。
ステップS12での、筒状部材70又は切り欠き部材270といった、封止部となる部材を加熱して変形させる際、当該部材を直接加熱してもよい。上記の軟化は、筒状部材70等の封止部となる部材が融点を有する場合、当該部材がその融点を超えて溶融することであってもよい。
本発明は、真空室を内部に有する筐体を有する真空装置及びその製造方法一般に適用できる。例えば、本発明は、真空室の気圧と測定対象の気圧との差圧を検出する圧力センサとして形成される真空装置及びその製造方法の他、真空チャンバを有する半導体製造装置、ランプ、電子管、真空断熱材、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の各種の真空装置及びその製造方法に適用可能である。なお、圧力センサは、測定対象の気圧を伝達するシリコンオイル等の液体が封入されたセンサであってもよい。
以上、実施の形態及び変形例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施の形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、本発明には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る、上記の実施の形態及び変形例に対する様々な変更が含まれる。上記実施の形態及び変形例に挙げた各構成は、矛盾の無い範囲で適宜組み合わせることができる。
10…真空装置、20…筐体、21…第1筐体部材、22…第2筐体部材、22A…貫通孔、22B…大径部、22BA…底面、22C…小径部、23…第3筐体部材、23A…本体、23B…貫通孔、23C…電極、23D…ハーメチックシール、30…バッフル、40…センサ素子支持部、40A…貫通孔、50…センサ素子、60…ゲッター、70…筒状部材、71…連通路、222A…貫通孔、222B…大径部、222C…小径部、270…切り欠き部材、271…連通路、R1…連通路、R2…連通空間、R3…部屋。

Claims (8)

  1. 真空室となる部屋を内部に有する筐体であり、前記部屋と前記筐体の外部とを連通させる貫通孔を有する筐体と、前記貫通孔に配置され、前記部屋と前記筐体の前記外部とを連通させる連通路を有する部材と、を備える、真空室形成前の真空装置を形成する第1ステップと、
    前記真空装置を収容した真空加熱炉内の気体を排気することで前記部屋内の気体を前記部屋から前記連通路を介して排気し、前記真空加熱炉内で前記部材を加熱して軟化させることで前記部材をその自重により変形させて前記貫通孔を封止し、これにより前記真空室を形成する第2ステップと、
    を有する真空装置の製造方法。
  2. 前記第1ステップで形成される前記真空装置は、加熱されることで活性化するゲッターを前記部屋内に備え、
    前記第2ステップでは、前記部材が変形して前記貫通孔を封止したあとも前記真空加熱炉内で前記真空装置を加熱して前記ゲッターを活性化させる、
    請求項1に記載の真空装置の製造方法。
  3. 前記第2ステップでは、
    前記真空装置を第1加熱温度で加熱し、前記部材を軟化及び変形させ、
    その後、前記部材の温度を軟化点よりも低い温度とする第2加熱温度で前記真空装置を加熱して前記ゲッターを活性化させる、
    請求項2に記載の真空装置の製造方法。
  4. 前記部材は、軟化点とガラス転移点とを有する材料により形成されており、
    前記第2加熱温度は、前記部材の温度を前記ガラス転移点よりも高く前記軟化点よりも低い温度に加熱する温度である、
    請求項3に記載の真空装置の製造方法。
  5. 前記第2ステップでは、前記部材を変形させる加熱の前に、前記真空加熱炉内で当該加熱の際の加熱温度よりも低い加熱温度で前記真空装置を加熱することで前記部屋内を脱ガスする、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の真空装置の製造方法。
  6. 前記貫通孔は、前記筐体の前記外部側に配置された第1部分と、前記筐体の前記部屋側に位置して第1部分と連通し、第1部分の中心軸方向からみて第1部分よりも小さい第2部分と、を備え、
    前記第1部分の内壁にテーパーが設けられている、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の真空装置の製造方法。
  7. 前記真空装置は、前記真空室の気圧と測定対象の気圧との差圧を検出する圧力センサである、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の真空装置の製造方法。
  8. 真空室が形成される前の真空装置であって、
    前記真空室となる部屋を内部に有する筐体であり、前記部屋と前記筐体の外部とを連通させる貫通孔を有する筐体と、
    前記貫通孔に配置され、前記部屋と前記筐体の前記外部とを連通させる連通路を有し、加熱されることで自重により変形して前記貫通孔を封止するように形成された部材と、
    を備える真空装置。
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