JP2002083702A - 対サージ防御装置の作製方法及びその方法により作製された装置 - Google Patents

対サージ防御装置の作製方法及びその方法により作製された装置

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JP2002083702A JP2001186126A JP2001186126A JP2002083702A JP 2002083702 A JP2002083702 A JP 2002083702A JP 2001186126 A JP2001186126 A JP 2001186126A JP 2001186126 A JP2001186126 A JP 2001186126A JP 2002083702 A JP2002083702 A JP 2002083702A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対サージ防御装置の作製方法の自動化 【解決手段】 高抵抗被膜の絶縁破壊現象を利用した対
サージ防御装置を作製するにあたり、対サージ防御装置
の主要部材を固定し、かつそれらと電気的接触を作り、
酸化剤及び耐火剤を封入できるような構造の容器及びキ
ャップ、主要部材、酸化剤及び耐火剤を予め準備する。
これら要素を用いて対サージ防御装置を組立てるに際し
て、キャップ、主要部材及び容器に加える力を調整する
工程を取り入れて、主要部材の高抵抗被膜の接触部の圧
力と、この主要部材に対して電極を形成する機械的接点
における接触圧の双方を制御できるようにする。これに
より、対サージ防御装置の作製の自動化が実現されると
ともに、精度のよい装置の生産効率が向上する。また、
破壊電圧を高精度に制御できる対サージ装置をきわめて
再現性良く作製できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、対サージ防御装置の作
製方法及びその方法により作製された装置に関する。対
サージ防御装置は、避雷器に代表されるように、突発的
に発生する高電圧あるいは大電流から、各種の電気機器
を防御するための装置である。本発明は、超高速の応答
速度、大きなサージ耐量等の優れた特性をもち、かつ交
換することなしに自動的にくり返し使用することが可能
な対サージ防御装置を、作製する方法及びその方法によ
り作製された装置に関し、作製の自動化を実現可能とす
るものである。
【0002】
【従来技術】従来、避雷器としては、2つの電極を設け
たガラス管内にガスを封入したガラス管型避雷器が使用
されてきた。このガラス管型避雷器においては、はじめ
電極間は絶縁された状態にあるが、高電圧が加わると徐
々に放電が起こり電極間が導通し電流がアースに放出さ
れる。しかしながら、放電が終了した後でも、電極間の
絶縁性はすぐには回復せずこの間続流を遮断することが
できない。このような不具合を解消するため、表面にそ
れ自身の酸化膜を有する複数のモリブデン棒を、酸化膜
どうしが互いに接触するように組合わせて成るモリブデ
ン避雷器が提案された(平成7年特許出願公告第118
361号、“モリブデン避雷器”、発明者及び出願人:
大森清太)。このモリブデン避雷器には、上述のような
ガラス型避雷器がもつ短所がない。即ち、モリブデン避
雷器では、アースへの電流放出が極めて短時間でなされ
るとともに、空気等の酸素雰囲気中であれば電極間の絶
縁性が自動的に再び回復し、くり返し使用が可能となる
ため非常に有用である。
【0003】原理はモリブデンの酸化で生じた酸化膜の
絶縁破壊現象を利用したもので、絶縁破壊に伴う欠損部
分は、直ちに再び酸化されるため、くり返し使用するこ
とが可能になっている。
【0004】モリブデン避雷器のような絶縁破壊を利用
した対サージ防御装置の原理は、モリブデン以外に、タ
ンタル、クロム、及びアルミニウム等の金属にも適用で
きる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】モリブデン避雷器はガ
ラス管型避雷器にない優れた特性を有するものではある
が、その作製の自動化はきわめて困難であった。その理
由は組立て段階で微妙な調整が必要であったことにあ
る。モリブデン避雷器の主要部材における高抵抗被膜の
接触部での絶縁破壊電圧は、接触部に加わる圧力によっ
て変化するため、組立ての際、印加する力の微妙な調整
が必要であった。また、モリブデン避雷器の表面に高抵
抗被膜を有する主要部材への電気的接続は、主要部材を
入れる容器の底部及び上部の導電性部分と主要部材を接
触させることによって、行っていた。その理由は、高抵
抗被膜が絶縁破壊を起こした時、大きな電流が電極を貫
いて流れ、それによって熱が発生し、電極の形成方法及
び材料によっては、電極が溶融する可能性があり、機械
的に接触させる単純な構造の方が信頼性があるからであ
る。機械的な接触で導電性をもたせるには、ある程度の
力で押しつける必要がある。しかるに、圧力を加えすぎ
ると、上述のように、高抵抗被膜の絶縁破壊電圧が変化
してしまう。このように、上記2種類の圧力の兼ね合い
を考慮に入れて、これら圧力を適正値に設定するよう調
整するためには職人芸的な勘に頼らざるを得ず、モリブ
デン避雷器を高精度で、かつ自動的に組立てるのは困難
であった。
【0006】本発明は、上述のような従来技術における
問題点に鑑みなされたものであり、モリブデン避雷器を
含む対サージ防御装置の自動的な作製を可能とする有効
な方法を提供することを目的とする。より具体的にいう
と、本発明は、対サージ防御装置の作製にあたり、モリ
ブデン避雷器主要部材の高抵抗被膜の接触部に加わる圧
力と、この主要部材に対して電気的接触(電極)を形成
する機械的接点における接触圧の双方を精度よく適正値
に制御し得る自動的作製方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、高抵抗被膜の絶縁破壊現象を利用した
対サージ防御装置の作製方法において、対サージ防御装
置の主要部材を固定し、かつそれらと電気的接触を作
り、酸化剤及び耐火剤を封入できるような構造の容器及
びキャップ、主要部材、酸化剤及び耐火剤を予め準備
し、組立てに際して、加える力を調整する工程を入れる
ことにより、対サージ防御装置の自動的な作製を実現す
る。
【0008】本発明の対サージ防御装置の作製方法にお
いては、基本的に、表面に高抵抗被膜を有する複数の主
要部材と、底部の少なくとも一部が導電性を有し、及び
主要部材を収納し、かつ固定し得る形状を有する容器
と、底部の少なくとも一部が導電性を有し、及び主要部
材を固定し得る形状を有する、容器を閉じるためのキャ
ップとを予め準備した上で、容器を保持台上に載置し、
かつ固定する工程と、複数の主要部材を、容器内の底部
の導電性部分の内側表面上に接触させながら順に上方に
積載する工程と、キャップを、積載された主要部材のう
ちの最上部のものの表面上にキャップの導電性部分と接
触するように載置する工程と、キャップ底面、複数の主
要部材及び容器の底面が所定の力で押されるように、キ
ャップに予め決められた力を加え、その状態でキャップ
と容器を、相互に動かないように固定する工程と、該容
器内が密封されるよう、キャップ及び容器を一体として
封じる工程とが、この順で遂行されるようになってい
る。さらに、2番目の(複数の主要部材を積載する)工
程の後で酸化剤と耐火剤の混合物を、容器内に入れて主
要部材を保持しつつ容器に振動を加えることにより酸化
剤と耐火剤の混合物を安定させるとともに、必要に応じ
て酸化剤と耐火剤の混合物を追加し、これにより最上部
以外の主要部材のすべてと最上部の主要部材の一部分を
酸化剤と耐火剤の混合物で埋めるようにする工程が追加
される。
【0009】さらに、別の実施例においては、第4の工
程は他の手法でもなされ得る。例えば、分割されたカバ
ーが容器上に、真空グリッパーとの間にすき間が生じな
いように置かれる。カバーの少なくとも1つは入力口を
有する。カバーを適当な手段で浮き上がらないように抑
えたまま、この入力口を通して、加圧した気体ととも
に、酸化剤及び耐火剤を容器内に吹きつける。この間、
第1の真空グリッパーは主要部材をしっかり保持する。
【0010】さらに別の実施例においては、内部キャッ
プで主要部材の一部を固定する。この間、真空グリッパ
ーは主要部材を保持したままである。内部キャップには
適当な手段で、あらかじめ決められた力を加えられ、容
器に対し固定される。内部キャップを固定した後、真空
グリッパーを主要部材からはずす。次に、外部キャップ
が、内部キャップ上に置かれる。外部キャップにはあら
かじめ決められた力を加え、容器に対し固定される。
【0011】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を、以下におい
て、実施例に基づき図面を参照して説明する。
【0012】主要部材を円柱状のモリブデンとした場合
を例に、実施例について述べる。
【0013】先ず主要部材であるモリブデンは予め酸化
し、表面に高抵抗被膜を形成しておく。高抵抗被膜の形
成に際しての前処理及び酸化は、先に出願された特願2
000−93106号及び特願2000−93107号
に述べられているように行った。
【0014】また、主要部材、酸化剤及び耐火剤を封入
する容器及びキャップも、予め作製しておく。
【0015】容器(1)は一実施例において、図1に示
されるように、円柱状であるが、底部(2)の少なくと
も一部は主要部材(3)を固定するとともに、最下部の
主要部材(3)への下部電極(4)を形成する形状をも
つ導電性材料で作られている。主要部材(3)が円柱状
の場合、主要部材(3)を固定する容器(1)の底部
は、円柱の円周の3分の1程度と接するようなくぼみを
もつと有利である。図1において点線は容器(1)内部
の主要部材(3,7)及び底部(2)の形状を、概念的
に示す。
【0016】図2は図1の線A−A’でとった断面図、
図3は図1の線B−B’でとった断面図である。底部
(2)以外の胴部(5)はセラミックなど耐熱性をもつ
材料で作られる。容器(2)は後の工程でキャップが上
部から入れられるように、最上部は空いている。
【0017】また、容器(1)の内部には複数の主要部
材を積み重ね保持されるように、少なくとも2本の主要
部材ホルダー(6)が、主要部材(3,7)をはさむよ
うに、形成されている。主要部材(3,7)が円柱状で
あり、それらを上下に積み重ねる場合は、主要部材ホル
ダー(6)は主要部材(3,7)の各側に2本ずつ、合
計4本以上あると有利である。主要部材ホルダー(6)
は容器(1)の胴部(5)又は底部(2)から突き出し
た構造が適当である。主要部材ホルダー(6)の高さ
は、積み重ねる主要部材の最上部のものの半径程度まで
とし、キャップを容器内に挿入した際、キャップの底に
触れないようにするのが望ましい。主要部材ホルダー
(6)は電気的に絶縁性で、かつ耐熱性の材料で作られ
る。
【0018】キャップ(8)は最終的に容器(1)と組
合わせ密封できるよう、容器(1)の内径と可能な限り
近い外径を有する。図4はキャップ(8)の概略図であ
る。キャップ(8)の底部(上部電極)(10)の少な
くとも一部は最上部の主要部材(7)への上部電極(1
0)を形成する形状をもつ導電性材料で作られており、
最上部の主要部材(7)を固定するよう上に向いたくぼ
みをもつ。くぼみは円柱状の主要部材(7)の上の3分
の1程度と接触する深さである。キャップ(8)は容器
(1)の内側で、上下に動くことができ、組立て工程に
おいて、キャップの外側、上部から力を加えた時、主要
部材(3,7)を押すことができる。
【0019】酸化剤及び耐火剤は、予め所定の比率で混
合しておくのが望ましい。酸化剤及び耐火剤の混合比に
ついては、先に出願された(特願2000−93108
号)に述べられている。
【0020】以上のように、各構成要素を準備した後、
以下の工程1ないし7、さらには8で組立てを行う。
【0021】なお、工程1ないし8の各々の工程におけ
る処理の概要を、図5にまとめて示した。
【0022】第1の工程(501)において、容器
(1)を垂直に保持台(100)上にセットする。容器
(1)の固定は保持台(100)の主表面上で水平に移
動できる固定部(101)で行えばよく、この装置及び
方法は当業者には周知である。図6は保持台(100)
上に容器(1)が固定された状態を示す。
【0023】第2の工程(502)において、最下部と
なる第2の主要部材(3)を、たとえば第1の真空グリ
ッパー(102)のようなもので吊り下げた後、容器
(1)内に挿入する。図7はこの工程を概念的に示す。
主要部材(3)が容器(1)の底部(2)に達した後、
主要部材(3)から第1の真空グリッパー(102)を
はずす。図8はこの段階での状況を示す。
【0024】第3の工程(503)においては、第2の
工程(502)と同様に、所定の数の主要部材を容器
(1)内にセットする。第1の真空グリッパー(10
2)は主要部材を保持したままとする。図9は主要部材
が2本の場合の実施例におけるこの段階での構成を示
す。第3の工程で挿入された主要部材は(7)で示され
ている。
【0025】第4の工程(504)において、酸化剤及
び耐火剤(9)を容器内に入れ、保持台(100)に上
下方向の振動を与え、酸化剤及び耐火剤(9)を安定さ
せる。必要に応じて、振動を与えた時、酸化剤及び耐火
剤(9)を追加し、再度保持台(100)を上下方向に
振動させる。これらをくり返し、最終的に酸化剤及び耐
火剤(9)が、最上部の主要部材(7)の直径方向の下
から例えば、4分の3程度までが埋まるようにする。こ
の時、容器の下部電極と主要部材、又は主要部材間の接
触が保たれるように注意する。
【0026】この第4の工程(504)の間、最上部の
主要部材(7)は第1の真空グリッパー(102)に保
持されたままである。従って、第1の真空グリッパー
(102)は保持台(100)が振動する際、それに対
応できるよう、柔軟性のある可動部分(103)をもつ
必要がある。図10は第4の工程(504)を概念的に
示す。第4の工程が終了した後、最上部の主要部材
(7)から、第1の真空グリッパー(102)をはず
す。図11は第1の真空グリッパー(102)をはずし
た後の装置を、断面図で示す。
【0027】第5の工程(505)において、第2の真
空グリッパー(104)により、キャップ(8)を吊り
下げ、主要部材(3,7)が固定されるように方向をあ
わせ、容器(1)内に挿入する。第2の真空グリッパー
(104)は、キャップ(8)を保持したままとする。
図12はこの状態を示す。
【0028】第6の工程(506)において、第2の真
空グリッパー(104)に下向きの力を加え、キャップ
(8)を所定の力で押すようにする。第2の真空グリッ
パーの上部末端部分には、(描かれていない)圧力の発
生源及びそれを監視する圧力メータなどが取りつけられ
ている。所定の力が加わった状態で、キャップ(8)と
容器(1)の位置関係が固定されるように、図13に示
されるように、キャップ(8)と容器(1)の上端部を
止め金具(13)等周知の方法で固定する。第6の工程
(506)において、第2の真空グリッパー(104)
を通して、キャップ(8)に所定の力が加わるように、
第2の真空グリッパー(104)は力の印加時には、硬
直するものである必要がある。また、ここで上部電極と
主要部材間の接触が保たれていることに注意する。容器
(1)とキャップ(8)の位置関係が固定されたら、キ
ャップ(8)から第2の真空グリッパー(104)をは
ずす。
【0029】第7の工程(507)で、キャップ(8)
と容器(1)の上端を封じ、容器(1)内が密閉される
ようにする。封じる方法は、当業者には周知である。な
お、第6の工程において、上述の説明では、キャップ
(8)と容器(1)の上端部を固定し、第7の工程にお
いて、上端を封じるようにしたが、固定することと、封
じることを同時に行ってもよく、また、酸化剤等を投入
しない場合などには、必要がなければ密封しなくともよ
い。
【0030】本発明の第2の実施例において、キャップ
(11)は図14に示されるように、容器(1)内の残
留気体中の水分を排気するための排気口(12)をも
つ。この場合は、上記第7の工程でキャップ(11)と
容器(1)の上端を封じた後、第8の工程(508)と
して、排気口(12)から容器(1)内の残留気体を排
気して減圧状態とした後、排気口(12)を封じる。
【0031】上記第8の工程(508)を加えることに
より、完成した対サージ防御装置の特性の均一性と信頼
性は著しく向上する。
【0032】一実施例において、主要部材は直径6m
m、長さ6mmの円柱状モリブデンで、容器(1)の内
径は12mm、高さ18mmであった。主要部材(3,
7)は上記モリブデンを、700℃において、13分
間、水分を含まない酸素中で酸化することにより、作製
した。酸化剤として塩素酸カリウム1.5g、耐火剤
4.5gを予め混合した。完成した対サージ防御装置
は、700Vの絶縁破壊電圧を示した。
【0033】本発明の方法により作製される対サージ防
御装置は、広範囲の絶縁破壊電圧を持たすことが可能
で、避雷器だけでなく、一般的にサージから各種機器を
保護するために使用できる。
【0034】また、以上示した実施例は単に例を示すた
めのものであって、本発明の精神を離れることなく、様
々な変形あるいは修正を考案することができる。
【0035】たとえば、容器(1)及び主要部材(3,
7)の形状は円柱状に限定されない。
【0036】また、容器と最下部の主要部材、あるいは
キャップと最上部の主要部材間を、金属の融着等によ
り、電気的に接続することはさしつかえない。
【0037】なお、第4の工程において、最初の段階で
投入された酸化剤及び耐火剤が適量であれば、2度目以
降の酸化剤及び耐火剤の追加は必ずしも必要ではない。
さらに、サージによる絶縁破壊後に主要部材表面の高抵
抗膜が、その雰囲気中で(例えば、酸素含有雰囲気中
で)、すみやかに回復する場合には、酸化剤及び耐火剤
を加える第4の工程は必ずしも必要ではない。また、酸
化剤及び耐火剤を、例えば、吹きつけるようにして容器
内に投入すれば、第4の工程における酸化剤等の安定化
のための、容器を固定した保持台の振動操作は不必要と
なる。
【0038】主要部材と容器の内径の関係は、主要部材
が容器内に水平にセットできれば、特に制限はないが、
容器の内壁と主要部材が接触すると、容器の内壁を伝わ
って電流が流れる可能性があるため、主要部材と容器の
内壁は、底部の導電部を除いて接触しないことが望まし
い。また、容器とキャップの底面は必ずしも図2に示さ
れるように曲面でなく、主要部材(3,7)が主要部材
ホルダー(6)によってしっかり固定されれば、平面で
もよい。さらに、上述の実施例において、複数の主要部
材は水平に積み重ねたが、容器及びキャップ等の変更に
より、電気的な条件が満たされれば垂直に並べても良
い。また、当業者にとっては明らかなように、必要とさ
れる対サージ防御装置の品質や作製工程の利便性に応じ
て適宜上述の製作工程や酸化剤等に修正や、追加、削除
を行うことが可能である。
【0039】例えば、第3の実施例においては、分割さ
れたカバー(208)が容器(1)上に、真空グリッパ
ー(102)との間にすき間が生じないように置かれる
(図15)。カバー(208)の少なくとも1つは入力
口(212)を有する。カバー(208)を適当な手段
(図示されていない)で浮き上がらないように抑えたま
ま、この入力口(212)を通して、加圧した気体とと
もに、酸化剤及び耐火剤(9)を容器(1)内に吹きつ
ける。この間、第1の真空グリッパー(102)は主要
部材(7)を、しっかり保持する。この場合、第1の真
空グリッパー(102)は可動部分を持つ必要はなく、
また酸化剤及び耐火剤を安定化させるために振動を加え
る必要はない。カバー(208)は2つ以上に分割して
もよく、あるいは分割せず、第1の真空グリッパー(1
02)が貫通し、すべらすことのできるようにした孔を
有するものでもよい。
【0040】上述の実施例では、キャップ(8)は、第
1の真空グリッパー(102)を主要部材(7)からは
ずした後に、容器(1)上に置かれる(図11,12参
照)。しかし、真空グリッパーで主要部材を保持したま
まキャップができれば主要部材の配置はゆるむことなく
保たれる。第4の実施例においては、図16(a)に示
されるように、内部キャップ(1008)で主要部材
(7)の一部を固定する。この間、真空グリッパー(1
02)は主要部材(7)を保持したままである。図16
(b)の上面図において、破線で示された部分は、内部
キャップ(1008)の下になり、それによって固定さ
れた部分である。内部キャップ(1008)には(図示
されていない)適当な手段で、あらかじめ決められた力
を加えられ、容器(1)に対し固定される。内部キャッ
プ(1008)もカバー(208)と同様、分割する必
要はない。内部キャップ(1008)を固定した後、第
1の真空グリッパー(102)を主要部材(7)からは
ずす。次に図17に示したように、第2の真空グリッパ
ー(104)で外部キャップ(2008)を持ち上げ、
内部キャップ(1008)上に置く。外部キャップ(2
008)は主要部材の内部キャップ(1008)の下に
入らない露出部分と接触し、電極を形成する導電性部分
をもつ。外部キャップ(2008)にはあらかじめ決め
られた力を加え、容器(1)に対し固定した後、容器
(1)とともに封じる。
【0041】さらに、第5の実施例としては、図8
(a)に示すようにして、対サージ防御装置を構成する
主要部分(主構成部分)が形成される。まず、表面に高
抵抗被膜を有する第一の主要部材(3)と、同じく表面
に高抵抗被膜を有する第二の主要部材(7)とを準備
し、それぞれの高抵抗被膜が所定の圧力で接触するよう
に圧接し、第一の絶縁性の支持部材(12)(固定され
る主要部材間が短絡されない構成ならばよい)で所定の
圧力が維持されるように固定する。ここで固定方法は例
えば万力のような機械的な方法、あるいは接着といった
化学的な方法など当業者には周知の方法を利用すること
ができる。また、図15(b)に示すよう第一の主要部
材と第二の主要部材の間に一ないしそれ以上の主要部材
を、表面の高抵抗被膜同士が所定の圧力で接触するよう
に挿入して装置全体の絶縁破壊電圧を制御することも可
能である。
【0042】次に、それぞれの主要部材の表面の高抵抗
被膜あるいは内部金属等(表面の高抵抗被膜あるいは内
部金属等の選択は当業者には周知のように用途によって
決定される)に電極材料を溶着あるいは圧接によって取
り付ける。圧接を選択した場合は第二の絶縁性の支持部
材(13)によって所定の圧力で電極材料と主要部材を
固定する。この第5の実施例では、二つの電極について
言及したが用途によっては複数設けることも可能であ
る。また、電極の接続と主要部材同士の圧接はどちらを
先に行っても良く、第一および第二の支持部材を共通に
することも可能である。
【0043】上述のように作製された主構成部分を密封
可能な容器に入れ、電極からケーブルなどにより容器外
からのアクセスを可能とする。さらに、容器と主構成部
分の隙間を酸化剤と耐火材の混合物で充填する。また、
容器に排気口を取り付け内部のガスの水分を減圧にする
ことによって取り除くようにしてもよい。
【0044】当業者ならばすぐに想定できるように、例
えば、図9に示すようにして、主要部材同士を圧接する
第一の支持部材、さらには電極材料を主要部材に圧接す
るための第二の支持部材として外囲器を利用すること、
あるいは外囲器の壁の一部に電極材料を利用して電極
(4,11)を形成することも設計次第で可能である。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、避雷器主要部材の高抵
抗被膜の接触部に加わる圧力と、この主要部材に電極を
提供するための機械接点の接触圧の双方を精度よく定量
的に制御することができる。このため、高抵抗被膜の絶
縁破壊現象などを利用した対サージ防御装置の作製の自
動化が実現される。そして、ロボットの利用等により、
精度がよく均一な絶縁破壊電圧を有する対サージ防御装
置が自動的に作製できるため生産効率を著しく向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に従う対サージ防御装置の容
器及びその中に組込まれる主要部材を概念的に示す図で
ある。
【図2】図1の線A−A’でとった断面図である。
【図3】図1の線B−B’でとった断面図である。
【図4】本発明の一実施例に従う対サージ防御装置のキ
ャップを概念的に示す図である。
【図5】本発明の作製方法についての一連の工程の概要
をフローチャートにて示す図である。
【図6】本発明の作製方法の各工程における対サージ防
御装置を概念的に示す図である。
【図7】本発明の作製方法の各工程における対サージ防
御装置を概念的に示す図である。
【図8】本発明の作製方法の各工程における対サージ防
御装置を概念的に示す図である。
【図9】本発明の作製方法の各工程における対サージ防
御装置を概念的に示す図である。
【図10】本発明の作製方法の各工程における対サージ
防御装置を概念的に示す図である。
【図11】本発明の作製方法の各工程における対サージ
防御装置を概念的に示す図である。
【図12】本発明の作製方法の各工程における対サージ
防御装置を概念的に示す図である。
【図13】本発明の作製方法の各工程における対サージ
防御装置を概念的に示す図である。
【図14】本発明の第2の実施例に従う対サージ防御装
置のキャップを概念的に示す図である。
【図15】本発明の第3の実施例に従い、カバーを用い
酸化剤及び耐火剤を挿入し、振動を与えることなく安定
化させる工程における対サージ防御装置を概念的に示す
図である。
【図16】本発明の第4の実施例に従い、主要部材の一
部を固定するための内部キャップを主要部材上に置き、
所定の力を加え容器と固定する工程における対サージ防
御装置を概念的に示す図である。
【図17】本発明の第4の実施例に従い、外部キャップ
を主要部材上に置き、所定の力を加え容器と固定する工
程における対サージ防御装置を概念的に示す図である。
【図18】本発明の第5の実施例に従う対サージ防御装
置の主構成部分を概念的に示す図である。
【図19】本発明の第5の実施例に従う対サージ防御装
置の電極を含み、支持部材をかねる外囲器を概念的に示
す図である。
【符号の説明】
1 容器 2 底部 3 最下部の主要部材、主要部材 4 下部電極 5 胴部 6 主要部材ホルダー 7 最上部の主要部材、主要部材 8 キャップ 9 酸化剤及び耐火剤 10 底部(上部電極) 11 上部電極 12 第1の支持部材 13 第2の支持部材 100 保持台 101 固定部 102 真空グリッパー 103 可動部分 104 第2の真空グリッパー 208 カバー 212 入力口 1008 内部キャップ 2008 外部キャップ

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に高抵抗被膜を有する複数の主要部
    材と、底部の少なくとも一部が導電性を有し、及び該主
    要部材を収容し、かつ固定し得る形状を有する容器と、
    底部の少なくとも一部が導電性を有し、及び該主要部材
    を固定し得る形状を有する該容器を閉じるためのキャッ
    プとを予め準備し、 該容器を保持台上に載置し、かつ固定する工程と、 該複数の主要部材を、該容器の底部の内側表面上から順
    に上に積載する工程と、 該キャップを、該積載された主要部材のうちの最上部の
    ものの表面上に載置する工程と、 該キャップ底面、該複数の主要部材及び該容器の底面が
    所定の力で押されるように、該キャップに予め定められ
    た圧力を加え、その状態で該キャップと該容器を相互に
    動かないように固定する工程と、 該容器内が密封されるよう、該キャップ及び容器を一体
    として封じる工程とを含む、対サージ防御装置の作製方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の対サージ防御装置の作
    製方法において、さらに該主要部材を積載する工程の後
    で、該容器内に酸化剤と耐火剤の混合物を入れて、該主
    要部材を保持しつつ、該容器に振動を加えることによ
    り、該酸化剤と耐火剤の混合物を安定化させるととも
    に、必要に応じて該酸化剤と耐火剤の混合物を追加し
    て、これにより最上部以外の主要部材のすべてと、最上
    部の主要部材の一部分を該酸化剤と耐火剤の混合物で埋
    めるようにする工程を含むものである対サージ防御装置
    の作製方法。
  3. 【請求項3】 表面に高抵抗被膜を有する複数の主要部
    材と、底部の少なくとも一部が導電性を有し、該主要部
    材を収容し、かつ固定し得る形状を有し、及び該主要部
    材を側部から支持する支持部を有する容器と、酸化剤及
    び耐火剤を所定の比率で混合したものと、底部の少なく
    とも一部が導電性でかつ主要部材が固定される形状を有
    し、該容器の内壁と近接して容器内に入れられるような
    外壁を有するキャップとを予め準備し、 容器を保持台上に固定する第1の工程;第1の主要部材
    を真空グリッパー等の手段で吊り下げ、容器内の底部に
    置き、主要部材が容器の底部に達した後、真空グリッパ
    ーをはずす第2の工程;第2の主要部材を真空グリッパ
    ー等で吊り下げ、第1の主要部材上に置き、真空グリッ
    パーは第2の主要部材を保持したままとする第3の工
    程;酸化剤及び耐火剤を容器内に入れ、真空グリッパー
    等で主要部材を保持したまま、容器支持台に上下方向の
    振動を与え、酸化剤及び耐火剤を安定させ、必要に応じ
    て酸化剤及び耐火剤を追加し、再び容器支持台に振動を
    与え、酸化剤及び耐火剤を安定させ、必要に応じて酸化
    剤及び耐火剤の追加と振動による安定化をくり返し、最
    終的に最上部以外の主要部材すべてと最上部の主要部材
    の半径方向の約4分の3までが酸化剤及び耐火剤の中に
    埋めるようにした後、真空グリッパーを、最上部の主要
    部材からはずす第4の工程;真空グリッパー等により、
    キャップを吊り下げ、底部が主要部材を固定する方向
    に、キャップを容器内に挿入し、真空グリッパーは、キ
    ャップを保持したままとする第5の工程;キャップ、複
    数の主要部材及び容器が所定の力で押されるように、真
    空グリッパーを通して、キャップに予め決められた力を
    加え、その状態でキャップと容器が相互に動かないよう
    止め金具等でキャップと容器を固定した後、真空グリッ
    パーをキャップからはずす第6の工程;及び容器内が密
    封されるよう、キャップと容器を一体として封じる第7
    の工程を含む対サージ防御装置の作製方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の対サージ防御装置の作
    製方法において、さらに該容器内が密封されるよう、該
    キャップと該容器を一体として封じる第8の工程を含む
    ものである対サージ防御装置の作製方法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の対サージ防御装
    置の作製方法において、 該第3の工程において、該主要部材は3個以上で、それ
    らを積み重ね、最上部の主要部材を積み重ねた後、真空
    グリッパーで最上部の主要部材を保持したまま該第4の
    工程に進むようになっている対サージ防御装置の作製方
    法。
  6. 【請求項6】 表面に高抵抗被膜を有する複数の主要部
    材と、底部の少なくとも一部が導電性を有し、該主要部
    材を収容し、かつ固定し得る形状を有し、及び該主要部
    材を側部から支持する支持部を有する容器と、酸化剤及
    び耐火剤を所定の比率で混合したものと、底部の少なく
    とも一部が導電性でかつ主要部材が固定される形状を有
    し、該容器の内壁と近接して容器内に入れられるような
    外壁を有するキャップとを予め準備し、 容器を保持台上に固定する第1の工程;第1の主要部材
    を真空グリッパー等の手段で吊り下げ、容器内の底部に
    置き、主要部材が容器の底部に達した後、真空グリッパ
    ーをはずす第2の工程;第2の主要部材を真空グリッパ
    ー等で吊り下げ、第1の主要部材上に置き、真空グリッ
    パーは第2の主要部材を保持したままとする第3の工
    程;真空グリッパー等が貫通できる孔を有し、かつ入力
    口を有するカバーを容器上に置き、カバーが浮き上がら
    ないよう抑えたまま、入力口を通して、加圧した気体と
    ともに酸化剤及び耐火剤を、最上部以外の主要部材すべ
    てと最上部主要部材の半径方向の約4分の3までが酸化
    剤及び耐火剤の中に埋まるようなあらかじめ決められた
    量吹き込んだ後、真空グリッパーを最上部の主要部材か
    らはずす第4の工程;真空グリッパー等により、キャッ
    プを吊り下げ、底部が主要部材を固定する方向に、キャ
    ップを容器内に挿入し、真空グリッパーは、キャップを
    保持したままとする第5の工程;キャップ、複数の主要
    部材及び容器が所定の力で押されるように、真空グリッ
    パーを通して、キャップに予め決められた力を加え、そ
    の状態でキャップと容器が相互に動かないよう止め金具
    等でキャップと容器を固定した後、真空グリッパーをキ
    ャップからはずす第6の工程;及び容器内が密封される
    よう、キャップと容器を一体として封じる第7の工程を
    含む対サージ防御装置の作製方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の対サージ防御装置の作
    製方法において、さらに該容器内が密封されるよう、該
    キャップと該容器を一体として封じる第8の工程を含む
    ものである対サージ防御装置の作製方法。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7に記載の対サージ防御装
    置の作製方法において、 該第3の工程において、該主要部材は3個以上で、それ
    らを積み重ね、最上部の主要部材を積み重ねた後、真空
    グリッパーで最上部の主要部材を保持したまま該第4の
    工程に進むようになっている対サージ防御装置の作製方
    法。
  9. 【請求項9】 表面に高抵抗被膜を有する複数の主要部
    材と、底部の少なくとも一部が導電性を有し、該主要部
    材を収容し、かつ固定し得る形状を有し、及び該主要部
    材を側部から支持する支持部を有する容器と、酸化剤及
    び耐火剤を所定の比率で混合したものと、底部の少なく
    とも一部が導電性でかつ主要部材が固定される形状を有
    し、該容器の内壁と近接して容器内に入れられるような
    外壁を有するキャップとを予め準備し、 容器を保持台上に固定する第1の工程;第1の主要部材
    を真空グリッパー等の手段で吊り下げ、容器内の底部に
    置き、主要部材が容器の底部に達した後、真空グリッパ
    ーをはずす第2の工程;第2の主要部材を真空グリッパ
    ー等で吊り下げ、第1の主要部材上に置き、真空グリッ
    パーは第2の主要部材を保持したままとする第3の工
    程;酸化剤及び耐火剤を容器内に入れ、真空グリッパー
    等で主要部材を保持したまま、容器支持台に上下方向の
    振動を与え、酸化剤及び耐火剤を安定させ、必要に応じ
    て酸化剤及び耐火剤を追加し、再び容器支持台に振動を
    与え、酸化剤及び耐火剤を安定させ、必要に応じて酸化
    剤及び耐火剤の追加と振動による安定化をくり返し、最
    終的に最上部以外の主要部材すべてと最上部の主要部材
    の半径方向の約4分の3までが酸化剤及び耐火剤の中に
    埋めるようにする第4の工程;真空グリッパー等で主要
    部材を保持したまま、最上部の主要部材の一部を固定で
    きる内部キャップを主要部材上に置き、内部キャップに
    あらかじめ決められた力を加え、主要部材を固定した
    後、容器に対し内部キャップを固定し、真空グリッパー
    等を主要部材からはずす第5の工程;内部キャップの下
    に入らず露出された主要部材の部分と接し、それへの電
    極を形成する導電性部分を有する外部キャップを、真空
    グリッパー等により吊り下げ、底部が主要部材を固定す
    る方向に容器内に挿入し、真空グリッパーは外部キャッ
    プを保持したままとする第6の工程;外部キャップ、複
    数の主要部材及び容器が所定の力で押されるように、真
    空グリッパーを通して、外部キャップにあらかじめ決め
    られた力を加え、その状態で外部キャップと容器を相互
    に動かないよう止め金具等で外部キャップと容器を固定
    する第7の工程(真空グリッパーははずしてもはずさな
    いままでもよい);及び容器内が密封されるよう、キャ
    ップと容器を一体として封じる第8の工程を含む対サー
    ジ防御装置の作製方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の対サージ防御装置の
    作製方法において、さらに該容器内が密封されるよう、
    該キャップと該容器を一体として封じる第8の工程を含
    むものである対サージ防御装置の作製方法。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10に記載の対サージ防
    御装置の作製方法において、 該第3の工程において、該主要部材は3個以上で、それ
    らを積み重ね、最上部の主要部材を積み重ねた後、真空
    グリッパーで最上部の主要部材を保持したまま該第4の
    工程に進むようになっている対サージ防御装置の作製方
    法。
  12. 【請求項12】 表面に高抵抗被膜を有する複数の主要
    部材と、底部の少なくとも一部が導電性を有し、及び該
    主要部材を収容し、かつ固定し得る形状を有する容器
    と、底部の少なくとも一部が導電性を有し、及び該主要
    部材を固定し得る形状を有する、該容器を閉じるための
    キャップとを予め準備し、 該容器を保持台上に載置し、かつ固定する工程と、 該複数の主要部材を、該容器の底部の内側表面上から順
    に上に積載する工程と、 該キャップを、該積載された主要部材のうちの最上部の
    ものの表面上に載置する工程と、 該キャップ底面、該複数の主要部材及び該容器の底面が
    所定の力で押されるように、該キャップに予め定められ
    た圧力を加え、その状態で該キャップと該容器を相互に
    動かないように固定する工程と、 該容器内が密封されるよう、該キャップ及び容器を一体
    として封じる工程とを含む方法により作製された対サー
    ジ防御装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の対サージ防御装置
    において、 該作製方法が、さらに該主要部材を積載する工程の後
    で、該容器内に酸化剤と耐火剤の混合物を入れて、該主
    要部材を保持しつつ該容器に振動を加えることにより、
    該酸化剤と耐火剤の混合物を安定化させるとともに、必
    要に応じて該酸化剤と耐火剤の混合物を追加して、これ
    により最上部以外の主要部材のすべてと、最上部の主要
    部材の一部分を該酸化剤と耐火剤の混合物で埋めるよう
    にする工程を含むものである対サージ防御装置。
  14. 【請求項14】 表面に高抵抗被膜を有する複数の主要
    部材と、底部の少なくとも一部が導電性を有し、該主要
    部材を収容し、かつ固定し得る形状を有し、及び該主要
    部材を側部から支持する支持部を有する容器と、酸化剤
    及び耐火剤を所定の比率で混合したものと、底部の少な
    くとも一部が導電性でかつ主要部材が固定される形状を
    有し、該容器の内壁と近接して容器内に入れられるよう
    な外壁を有するキャップとを予め準備し、 容器を保持台上に固定する第1の工程;第1の主要部材
    を真空グリッパー等の手段で吊り下げ、容器内の底部に
    置き、主要部材が容器の底部に達した後、真空グリッパ
    ーをはずす第2の工程;第2の主要部材を真空グリッパ
    ー等で吊り下げ、第1の主要部材上に置き、真空グリッ
    パーは第2の主要部材を保持したままとする第3の工
    程;酸化剤及び耐火剤を容器内に入れ、真空グリッパー
    等で主要部材を保持したまま、容器支持台に上下方向の
    振動を与え、酸化剤及び耐火剤を安定させ、必要に応じ
    て酸化剤及び耐火剤を追加し、再び容器支持台に振動を
    与え、酸化剤及び耐火剤を安定させ、必要に応じて酸化
    剤及び耐火剤の追加と振動による安定化をくり返し、最
    終的に最上部以外の主要部材すべてと最上部の主要部材
    の半径方向の約4分の3までが酸化剤及び耐火剤の中に
    埋めるようにした後、真空グリッパーを、最上部の主要
    部材からはずす第4の工程;真空グリッパー等により、
    キャップを吊り下げ、底部が主要部材を固定する方向
    に、キャップを容器内に挿入し、真空グリッパーは、キ
    ャップを保持したままとする第5の工程;キャップ、複
    数の主要部材及び容器が所定の力で押されるように、真
    空グリッパーを通して、キャップに予め決められた力を
    加え、その状態でキャップと容器が相互に動かないよう
    止め金具等でキャップと容器を固定した後、真空グリッ
    パーをキャップからはずす第6の工程;及び容器内が密
    封されるよう、キャップと容器を一体として封じる第7
    の工程を含む方法により作製された対サージ防御装置。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の対サージ防御装置
    において、 該作製方法がさらに、該容器内が密封されるよう、該キ
    ャップと該容器を一体として封じる第8の工程を含むも
    のである対サージ防御装置。
  16. 【請求項16】 請求項14又は15に記載の対サージ
    防御装置において、 該第3の工程において、該主要部材は3個以上で、それ
    らを積み重ね、最上部の主要部材を積み重ねた後、真空
    グリッパーで最上部の主要部材を保持したまま該第4の
    工程に進むようになっている対サージ防御装置。
  17. 【請求項17】 表面に高抵抗被膜を有する複数の主要
    部材と、底部の少なくとも一部が導電性を有し、該主要
    部材を収容し、かつ固定し得る形状を有し、及び該主要
    部材を側部から支持する支持部を有する容器と、酸化剤
    及び耐火剤を所定の比率で混合したものと、底部の少な
    くとも一部が導電性でかつ主要部材が固定される形状を
    有し、該容器の内壁と近接して容器内に入れられるよう
    な外壁を有するキャップとを予め準備し、 容器を保持台上に固定する第1の工程;第1の主要部材
    を真空グリッパー等の手段で吊り下げ、容器内の底部に
    置き、主要部材が容器の底部に達した後、真空グリッパ
    ーをはずす第2の工程;第2の主要部材を真空グリッパ
    ー等で吊り下げ、第1の主要部材上に置き、真空グリッ
    パーは第2の主要部材を保持したままとする第3の工
    程;真空グリッパー等が貫通できる孔を有し、かつ入力
    口を有するカバーを容器上に置き、カバーが浮き上がら
    ないよう抑えたまま、入力口を通して、加圧した気体と
    ともに酸化剤及び耐火剤を、最上部以外の主要部材全て
    と最上部の主要部材の半径方向の約4分の3までが酸化
    剤及び耐火剤の中に埋まるようなあらかじめ決められた
    量吹き込んだ後、真空グリッパーを最上部の主要部材か
    らはずす第4の工程;真空グリッパー等により、キャッ
    プを吊り下げ、底部が主要部材を固定する方向に、キャ
    ップを容器内に挿入し、真空グリッパーは、キャップを
    保持したままとする第5の工程;キャップ、複数の主要
    部材及び容器が所定の力で押されるように、真空グリッ
    パーを通して、キャップに予め決められた力を加え、そ
    の状態でキャップと容器が相互に動かないよう止め金具
    等でキャップと容器を固定した後、真空グリッパーをキ
    ャップからはずす第6の工程;及び容器内が密封される
    よう、キャップと容器を一体として封じる第7の工程を
    含む方法により作製された対サージ防御装置。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の対サージ防御装置
    において、 該作製方法がさらに、該容器内が密封されるよう、該キ
    ャップと該容器を一体として封じる第8の工程を含むも
    のである対サージ防御装置。
  19. 【請求項19】 請求項17又は18に記載の対サージ
    防御装置において、 該第3の工程において、該主要部材は3個以上で、それ
    らを積み重ね、最上部の主要部材を積み重ねた後、真空
    グリッパーで最上部の主要部材を保持したまま該第4の
    工程に進むようになっている対サージ防御装置。
  20. 【請求項20】 表面に高抵抗被膜を有する複数の主要
    部材と、底部の少なくとも一部が導電性を有し、該主要
    部材を収容し、かつ固定し得る形状を有し、及び該主要
    部材を側部から支持する支持部を有する容器と、酸化剤
    及び耐火剤を所定の比率で混合したものと、底部の少な
    くとも一部が導電性でかつ主要部材が固定される形状を
    有し、該容器の内壁と近接して容器内に入れられるよう
    な外壁を有するキャップとを予め準備し、 容器を保持台上に固定する第1の工程;第1の主要部材
    を真空グリッパー等の手段で吊り下げ、容器内の底部に
    置き、主要部材が容器の底部に達した後、真空グリッパ
    ーをはずす第2の工程;第2の主要部材を真空グリッパ
    ー等で吊り下げ、第1の主要部材上に置き、真空グリッ
    パーは第2の主要部材を保持したままとする第3の工
    程;酸化剤及び耐火剤を容器内に入れ、真空グリッパー
    等で主要部材を保持したまま、容器支持台に上下方向の
    振動を与え、酸化剤及び耐火剤を安定させ、必要に応じ
    て酸化剤及び耐火剤を追加し、再び容器支持台に振動を
    与え、酸化剤及び耐火剤を安定させ、必要に応じて酸化
    剤及び耐火剤の追加と振動による安定化をくり返し、最
    終的に最上部以外の主要部材すべてと最上部の主要部材
    の半径方向の約4分の3までが酸化剤及び耐火剤の中に
    埋めるようにする第4の工程;真空グリッパー等で主要
    部材を保持したまま、最上部の主要部材の一部を固定で
    きる内部キャップを主要部材上に置き、内部キャップに
    あらかじめ決められた力を加え、主要部材を固定した
    後、容器に対し内部キャップを固定し、真空グリッパー
    等を主要部材からはずす第5の工程;内部キャップの下
    に入らず露出された主要部材の部分と接し、それへの電
    極を形成する導電性部分を有する外部キャップを、真空
    グリッパー等により吊り下げ、底部が主要部材を固定す
    る方向に容器内に挿入し、真空グリッパーは外部キャッ
    プを保持したままとする第6の工程;外部キャップ、複
    数の主要部材及び容器が所定の力で押されるように、真
    空グリッパーを通して、外部キャップにあらかじめ決め
    られた力を加え、その状態で外部キャップと容器を相互
    に動かないよう止め金具等で外部キャップと容器を固定
    する第7の工程(真空グリッパーははずしてもはずさな
    いままでもよい);及び容器内が密封されるよう、キャ
    ップと容器を一体として封じる第8の工程を含む対サー
    ジ防御装置の作製方法。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の対サージ防御装置
    において、 該作製方法がさらに、該容器内が密封されるよう、該キ
    ャップと該容器を一体として封じる第8の工程を含むも
    のである対サージ防御装置。
  22. 【請求項22】 請求項20又は21に記載の対サージ
    防御装置において、 該第3の工程において、該主要部材は3個以上で、それ
    らを積み重ね、最上部の主要部材を積み重ねた後、真空
    グリッパーで最上部の主要部材を保持したまま該第4の
    工程に進むようになっている対サージ防御装置。
  23. 【請求項23】 主構成部分を含む対サージ防御装置で
    あって、 該主構成部分は、表面に高抵抗被膜を有する第一の主要
    部材及び第二の主要部材と、それぞれの主要部材に接続
    された第一の電極及び第二の電極と、絶縁性支持手段と
    を含み、 該第一の主要部材と該第二の主要部材は、第一の所定の
    圧力で、相互にそれぞれの表面の高抵抗被膜の少なくと
    も一部分が圧接されるように該絶縁性支持手段によって
    固定されていることを特徴とする対サージ防御装置。
  24. 【請求項24】 主構成部分を含む対サージ防御装置で
    あって、 該主構成部分は、表面に高抵抗被膜を有する第一の主要
    部材及び第二の主要部材と、それぞれの主要部材に接続
    された第一の電極及び第二の電極と、表面に高抵抗被膜
    を有する一ないしそれ以上の主要部材と、絶縁性支持手
    段とを含み、 該第一の主要部材、該一ないしそれ以上の主要部材と該
    第一の主要部材は、第一の所定の圧力で、相互にそれぞ
    れの表面の高抵抗被膜の少なくとも一部分が圧接される
    ように該絶縁性支持手段によって固定されていることを
    特徴とする対サージ防御装置。
  25. 【請求項25】 該第一の電極及び該第二の電極は、電
    極材料が溶着によって該第一の主要部材及び該第二の主
    要部材にそれぞれ接続されて形成される請求項23又は
    24に記載の対サージ防御装置。
  26. 【請求項26】 該第一の電極及び該第二の電極は、電
    極材料が第二の所定の圧力で第二の絶縁性支持手段によ
    って、該第一の主要部材及び該第二の主要部材にそれぞ
    れ圧接されて接続される請求項23又は24に記載の対
    サージ防御装置。
  27. 【請求項27】 該主構成部分が、該第一の電極及び該
    第二の電極に外部からアクセス可能なように外囲器に封
    じられ、その隙間を酸化物と耐火物の混合物によって充
    填された請求項25又は請求項26に記載の対サージ防
    御装置。
  28. 【請求項28】 該外囲器が、排気口を通して内部のガ
    スの条件を制御できる請求項27に記載の対サージ防御
    装置。
  29. 【請求項29】 該第一の電極及び該第二の電極が、該
    外囲器の一部を利用して形成される請求項27に記載の
    対サージ防御装置。
  30. 【請求項30】 該外囲器が、該第一の所定の圧力及び
    該第二の所定の圧力を維持するための支持手段をかねる
    請求項27に記載の対サージ防御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005277161A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Sanyo Electric Industries Co Ltd 避雷器
JPWO2005067114A1 (ja) * 2003-12-26 2007-12-20 アレイプロトテック株式会社 避雷装置、及び避雷装置の製造方法
JP2010074174A (ja) * 2009-11-13 2010-04-02 Sosei Riko Kk 対サージ防御装置及びその作製方法

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