JPWO2005067114A1 - 避雷装置、及び避雷装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定した避雷効果を長期間にわたって維持可能な避雷装置を提供する。【解決手段】表面に電気的絶縁性酸化皮膜の形成された高融点金属を有するエネルギー吸収体1,2と、エネルギー吸収体1,2に接続された導電性電極4,5と、を備え、エネルギー吸収体1,2の表面に形成された電気的絶縁性酸化皮膜が接触することによって非導電ギャップが形成され、エネルギー吸収体1,2が封止ケース3によって封止され、封止ケース3の内部雰囲気が低湿度雰囲気とされている。
Description
本発明は、落雷によって生じる通信機器等への雷害を防止すると共に、通信機器等の破壊を防ぐ避雷装置等に関する。
従来、弱電力の電気機器、電子機器、通信機器、制御装置、あるいは通信回線などにおいて、雷害、特に誘導雷を防止するために、避雷装置が用いられている。図17は、従来の避雷装置の構成の一例を示す概略図である。図17において、従来の避雷装置は、直列に接続された、ギャップを形成するギャップ部101と、エネルギー吸収体としての抵抗体102とを有する。ギャップ部101、及び抵抗体102は、それぞれ電極端子103,104に接続されている。電極端子103は、雷害防止線に接続され、電極端子104は、接地線に接続されている。ギャップ部101は、誘導雷等の高電圧落雷があった場合に放電する放電用ギャップであり、ガラスケースで封止されている。抵抗体102は、落雷のエネルギーを吸収するために接続されている。このエネルギー吸収の作用は、環境外気、特に高湿度の雰囲気の影響を受けるものである。高湿度の雰囲気では、エネルギー吸収量が低下してしまう。
ここで、近年の電子機器等は急速に高速化、低電圧化してきており、そのような電子機器等においては、落雷に起因する過電圧を短時間で吸収する必要がある。しかしながら、上記従来の避雷装置では、過電圧の吸収速さが遅く、電子機器等に印加される過電圧を適切に抑制することが困難であり、電子機器等が破壊される恐れがあるという問題があった。
一方、落雷に起因する過電圧を短時間で吸収可能な避雷装置として、放電用ギャップと、エネルギー吸収体とが一体として構成された避雷装置も開発されている(例えば、特許文献1参照)。図18は、その従来の避雷装置の構成の一例を示す概略図である。図18において、従来の避雷装置は、表面に電気的絶縁性酸化皮膜を形成したモリブデン金属105,106を有する。それらのモリブデン金属の相互の酸化皮膜が圧接されることにより、放電ギャップが形成されている。また、モリブデン金属105,106がエネルギー吸収体となっている。モリブデン金属105,106には、それぞれ電極端子107,108が接続されている。この電極端子107,108の間に高電圧が加わると、モリブデン金属105,106の間で放電が起こり、電子機器等に過電圧が印加されることを抑制する。この従来の避雷装置では、電極端子107,108の間の電圧が低電圧であっても、非常に微弱ながら電極端子107,108の間に電流が流れており、そのために電極端子107,108の間に落雷に起因する過大な電圧が印加された場合にも、短時間で吸収することができるというメリットがある。
特公平7−118361号公報(第1頁−第3頁、第1図等)
しかしながら、図18で示す従来の避雷装置において、モリブデン金属105,106は環境外気を遮断するように封止されていない。場合によっては、モリブデン金属105,106が外装ケースに収容されていることもあるが、その外装ケースは、環境外気を遮断するようにモリブデン金属105,106を封止するものではなく、主に安全性を考慮してモリブデン金属105,106を覆っているものである。したがって、環境外気、特に高湿度の雰囲気の影響を受けて、モリブデン金属105,106の表面に形成された酸化皮膜や、モリブデン自体が劣化や変質、あるいは昇華し、その結果、放電ギャップとエネルギー吸収の性能が変化しうることとなり、本来有する放電特性、すなわち、落雷に起因する過大な電圧に対する高速対応性を長期間にわたって維持することが難しく、安定した避雷効果を長期間にわたって維持することが困難であるという問題がある。
また、図17で示す従来の避雷装置においても、エネルギー吸収体としての抵抗体102が封止されていないため、環境外気の影響を受けて、エネルギー吸収の特性が変化しうることとなり、安定したエネルギー吸収効果を長期にわたって維持すること、すなわち、安定した避雷効果を長期間にわたって維持することが困難であるという問題もあった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、安定した避雷効果を長期間にわたって維持可能な避雷装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、安定した避雷効果を長期間にわたって維持可能な避雷装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による避雷装置は、表面に電気的絶縁性酸化皮膜の形成された高融点金属を有するエネルギー吸収体と、前記エネルギー吸収体に接続された導電性電極と、を備え、前記エネルギー吸収体の表面の電気的絶縁性酸化皮膜によって非導電ギャップが形成され、前記エネルギー吸収体が封止されていることを特徴とするものである。
このような構成により、エネルギー吸収体が封止されているため、環境外気の影響を受けることがなく、エネルギー吸収特性や、放電特性等を長期間にわたって維持することができる。
また、本発明による避雷装置では、2以上の前記エネルギー吸収体を備え、当該2以上のエネルギー吸収体が、表面の電気的絶縁性酸化皮膜を介して互いに接触していてもよい。
このような構成により、2以上のエネルギー吸収体の間において、非導電ギャップを形成することができる。
このような構成により、2以上のエネルギー吸収体の間において、非導電ギャップを形成することができる。
本発明による避雷装置は、表面に電気的絶縁性酸化皮膜の形成された高融点金属を有するエネルギー吸収体と、一端が前記エネルギー吸収体に接続され、他端が雷害防止線に接続された第1の導電性電極と、一端が前記エネルギー吸収体に接続され、他端が接地線、あるいは他の雷害防止線に接続された第2の導電性電極と、を備え、前記エネルギー吸収体の表面の電気的絶縁性酸化皮膜によって非導電ギャップが形成され、前記エネルギー吸収体が封止されていることを特徴とするものである。
このような構成により、エネルギー吸収体が封止されているため、環境外気の影響を受けることがなく、エネルギー吸収特性や、放電特性等を長期間にわたって維持することができる。
また、本発明による避雷装置では、2以上の前記エネルギー吸収体を備え、当該2以上のエネルギー吸収体が、表面の電気的絶縁性酸化皮膜を介して互いに接触していてもよい。
このような構成により、2以上のエネルギー吸収体の間において、非導電ギャップを形成することができる。
このような構成により、2以上のエネルギー吸収体の間において、非導電ギャップを形成することができる。
また、本発明による避雷装置では、前記2以上のエネルギー吸収体が、無機系接着剤により接着されることによって接触しており、その接触領域に非導電ギャップが形成されていてもよい。
このような構成により、押圧することなく2以上のエネルギー吸収体を接触させることができる。押圧によって2以上のエネルギー吸収体を接触させた場合には、エネルギー吸収体の表面に形成されている酸化皮膜を押圧によって破壊することもありうるが、接着によって接触させた場合には、そのようなこともない。
また、本発明による避雷装置では、前記無機系接着剤が固まった後に弾性を有してもよい。
このような構成により、非導電ギャップにおいて発生した放電の衝撃によって、接着が外れることを防止することができうる。
このような構成により、非導電ギャップにおいて発生した放電の衝撃によって、接着が外れることを防止することができうる。
また、本発明による避雷装置では、前記エネルギー吸収体は絶縁外装によって封止されていてもよい。
このような構成により、エネルギー吸収体を封止している封止ケースとエネルギー吸収体や導電性電極との間での放電が発生することがなく、非導電ギャップにおいて、適切な放電がなされることとなる。
このような構成により、エネルギー吸収体を封止している封止ケースとエネルギー吸収体や導電性電極との間での放電が発生することがなく、非導電ギャップにおいて、適切な放電がなされることとなる。
また、本発明による避雷装置では、前記エネルギー吸収体が、絶縁外装と、前記第1の導電性電極及び/または前記第2の導電性電極とによって封止されていてもよい。
このような構成により、絶縁外装と導電性電極とによって、エネルギー吸収体を封止する封止ケースを効率よく形成することができうる。
このような構成により、絶縁外装と導電性電極とによって、エネルギー吸収体を封止する封止ケースを効率よく形成することができうる。
また、本発明による避雷装置では、前記絶縁外装が、当該絶縁外装の組み立て時に前記非導電ギャップを観察可能なように形成されていてもよい。
このような構成により、導電性電極の間に所定の高電圧を印加し、非導電ギャップにおける放電状態を、組み立て段階において観察することができる。その結果、適切な放電が行われる避雷装置と、そうでない避雷装置とを区別することができうる。
このような構成により、導電性電極の間に所定の高電圧を印加し、非導電ギャップにおける放電状態を、組み立て段階において観察することができる。その結果、適切な放電が行われる避雷装置と、そうでない避雷装置とを区別することができうる。
また、本発明による避雷装置では、前記封止によって形成された内部雰囲気が、低湿度雰囲気であってもよい。
このような構成により、エネルギー吸収体を低湿度雰囲気に保持することができ、その結果、エネルギー吸収特性や放電特性等を長期にわたって保持することができる。
このような構成により、エネルギー吸収体を低湿度雰囲気に保持することができ、その結果、エネルギー吸収特性や放電特性等を長期にわたって保持することができる。
また、本発明による避雷装置では、前記高融点金属がタングステンであってもよい。
このような構成により、避雷装置にとって好適な高融点金属によってエネルギー吸収体を構成することができる。
このような構成により、避雷装置にとって好適な高融点金属によってエネルギー吸収体を構成することができる。
また、本発明による避雷装置では、前記エネルギー吸収体の表面の電気的絶縁性酸化皮膜と、前記エネルギー吸収体の素地である高融点金属との間に、表面の電気的絶縁性酸化皮膜と比較して酸化数の低い中間酸化物層が存在してもよい。
このような構成により、皮膜組成が連続的となり、剥離が生じにくくなるメリットがある。
このような構成により、皮膜組成が連続的となり、剥離が生じにくくなるメリットがある。
本発明による避雷装置の製造方法は、高融点金属からなるエネルギー吸収体の表面に電気的絶縁性酸化皮膜を形成する酸化ステップと、前記酸化ステップで形成された電気的絶縁性酸化皮膜によって非導電ギャップを形成するギャップ形成ステップと、前記エネルギー吸収体を封止する封止ステップと、を備えたものである。
このような構成により、エネルギー吸収体の封止された避雷装置を製造することができる。
このような構成により、エネルギー吸収体の封止された避雷装置を製造することができる。
また、本発明による避雷装置の製造方法では、前記酸化ステップで、前記高融点金属を所定温度の酸化性雰囲気中で所定時間維持することにより前記電気的絶縁性酸化皮膜を形成してもよい。
このような構成により、温度や時間を調整することで、任意の厚さの酸化皮膜をエネルギー吸収体の表面に形成することができうる。
このような構成により、温度や時間を調整することで、任意の厚さの酸化皮膜をエネルギー吸収体の表面に形成することができうる。
また、本発明による避雷装置の製造方法では、前記酸化ステップで、前記高融点金属の表面に、当該高融点金属と同一物質の酸化物からなる粉末を着接し、所定温度で所定時間維持することにより前記電気的絶縁性酸化皮膜を形成してもよい。
このような構成により、高融点金属の表面に着接する粉末の厚さを調整することにより、容易に酸化皮膜の膜厚をコントロールすることができる。また、表面の滑らかな酸化皮膜を形成することができうる。
このような構成により、高融点金属の表面に着接する粉末の厚さを調整することにより、容易に酸化皮膜の膜厚をコントロールすることができる。また、表面の滑らかな酸化皮膜を形成することができうる。
本発明による避雷装置等によれば、電気機器等を落雷、特に誘導雷から効果的に保護することができ、安定した避雷性能、雷害防止性能を長期にわたって維持することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1による避雷装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施の形態による避雷装置の構成を示す概略図である。図1において、本実施の形態による避雷装置は、表面に電気的絶縁性酸化皮膜の形成された高融点金属を有するエネルギー吸収体1,2と、そのエネルギー吸収体1,2の高融点金属にそれぞれ接続された導電性電極4,5と、エネルギー吸収体1,2を環境外気、特に高湿度の雰囲気の影響を受けないように封止する封止ケース3とを備える。エネルギー吸収体1,2が互いに接触していることによって、酸化皮膜により非導電ギャップ(放電ギャップ)が形成されている。したがって、この避雷装置では、エネルギー吸収体1,2によってエネルギーを吸収すると共に、非導電ギャップが形成されている。落雷に起因する高電圧が発生した場合には、この非導電ギャップにおいて放電が行われることにより、高電圧が吸収されることとなる。なお、電気的絶縁性酸化皮膜は、非線形の電気伝導特性を有するものであり、低電圧が印加された場合であっても、非常に微弱ながら電流が流れうるものであるとする。また、所定のしきい値以上の電圧が印加された場合には、電流が流れることにより、落雷に起因する高電圧を吸収することができるようになっている。ここで、高電圧を吸収するとは、高電圧を接地に逃がす場合や、エネルギー吸収体1,2によって吸収する場合などが含まれる。
以下、本発明の実施の形態1による避雷装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施の形態による避雷装置の構成を示す概略図である。図1において、本実施の形態による避雷装置は、表面に電気的絶縁性酸化皮膜の形成された高融点金属を有するエネルギー吸収体1,2と、そのエネルギー吸収体1,2の高融点金属にそれぞれ接続された導電性電極4,5と、エネルギー吸収体1,2を環境外気、特に高湿度の雰囲気の影響を受けないように封止する封止ケース3とを備える。エネルギー吸収体1,2が互いに接触していることによって、酸化皮膜により非導電ギャップ(放電ギャップ)が形成されている。したがって、この避雷装置では、エネルギー吸収体1,2によってエネルギーを吸収すると共に、非導電ギャップが形成されている。落雷に起因する高電圧が発生した場合には、この非導電ギャップにおいて放電が行われることにより、高電圧が吸収されることとなる。なお、電気的絶縁性酸化皮膜は、非線形の電気伝導特性を有するものであり、低電圧が印加された場合であっても、非常に微弱ながら電流が流れうるものであるとする。また、所定のしきい値以上の電圧が印加された場合には、電流が流れることにより、落雷に起因する高電圧を吸収することができるようになっている。ここで、高電圧を吸収するとは、高電圧を接地に逃がす場合や、エネルギー吸収体1,2によって吸収する場合などが含まれる。
封止ケース3としては、例えば、耐熱ガラスやセラミックによるケース等を用いることができる。ここで、封止ケース3の材料としては、炭素を含むもの(例えば、樹脂など)以外の材料が好適である。封止ケース3が炭素を含む場合には、その炭素がエネルギー吸収体1,2の周りに浮遊することがあり、そのような環境下でエネルギー吸収体1,2の間において落雷に起因する放電が発生すると、エネルギー吸収体1,2の表面に形成された酸化皮膜が飛散し、その飛散した箇所に炭素が付着することもありうる。そのような場合には、その炭素によって、エネルギー吸収体1,2の高融点金属の素地同士が短絡してしまい、放電ギャップが破壊されて、避雷装置としての役割を果たすことができなくなるからである。図1で示す封止ケース3は、エネルギー吸収体1,2の封止状態を擬似的に示すものであり、具体的な封止ケース3の形態等については、後述する。
封止ケース3による封止によって形成される内部雰囲気は、低湿度雰囲気である。ここで、低湿度雰囲気とは、雨天時のような高湿度ではない乾燥雰囲気のことであり、湿度が約80%以下の雰囲気のことである。この低湿度雰囲気は、不活性ガスを封入することにより、あるいは、内部雰囲気を真空にすることによって形成することができる。不活性ガスとしては、例えば、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガスのような希ガスを用いてもよく、窒素ガスなどを用いてもよい。なお、単に湿度の低い雰囲気において封止することにより、封止ケース3内に低湿度雰囲気を形成するようにしてもよい。
高融点金属とは、例えば、モリブデン(Mo)やタングステン(W)、あるいは、モリブデンとタングステンの合金などの融点の高い(融点が2000℃以上)金属のことである。なお、モリブデンとタングステンの合金としてはそれぞれが50%ずつ含まれる合金を用いることができるが、高融点金属としては、合金を用いるまでもなく、モリブデンやタングステンのみであってもよい。
また、図1では図示していないが、エネルギー吸収体1,2を導電性電極によって挟持するように構成してもよい。この導電性電極としては、例えば、銅や真鍮等の良導体を用いることができる。この導電性電極は、エネルギー吸収体1,2の素地(高融点金属の部分)に接続されてもよく、あるいは、この導電性電極と、エネルギー吸収体1,2の表面に形成された酸化皮膜との間において、非導電ギャップが形成されてもよい。このように、エネルギー吸収体と導電性電極との接続は、酸化皮膜を介したものであってもよく、エネルギー吸収体の素地と導電性電極との接続であってもよい。
なお、図1においては、説明の便宜上、避雷装置が2個のエネルギー吸収体1,2を備える場合について説明しているが、エネルギー吸収体の個数は2個に限定されず、1個であってもよく、3個以上であってもよい。ただし、エネルギー吸収体が1個の場合には、エネルギー吸収体の表面の酸化皮膜を介して、エネルギー吸収体の素地と、導電性電極との間で非導電ギャップが形成されることとなる。3個以上のエネルギー吸収体は、電気的絶縁性酸化皮膜を介して互いに接触することにより、2以上の非導電ギャップを形成する。また、2以上のエネルギー吸収体が互いに接触するとは、すべてのエネルギー吸収体が他の1以上のエネルギー吸収体と接することである。このように、非導電ギャップは、エネルギー吸収体とエネルギー吸収体との間で形成されてもよく、あるいは、エネルギー吸収体と導電性電極との間で形成されてもよい。
また、エネルギー吸収体の体積を変化させることにより、エネルギーの吸収量を変化させることもできる。例えば、棒状のエネルギー吸収体の直径や長さを変えることにより、エネルギーの吸収量を調整することができうる。また、エネルギー吸収体の個数を変化させることによっても、エネルギーの吸収量を調整することができる。
次に、本実施の形態による避雷装置の製造方法について説明する。
次に、本実施の形態による避雷装置の製造方法について説明する。
本実施の形態による避雷装置は、高融点金属からなるエネルギー吸収体の表面に電気的絶縁性酸化皮膜を形成し、その電気的絶縁性酸化皮膜によって非導電ギャップを形成し、そのエネルギー吸収体を封止することによって製造することができる。
表面に酸化皮膜の形成される高融点金属の形状としては、例えば、図2で示されるような形状がある。図2(a)は、円柱棒状の高融点金属の表面に酸化皮膜を形成したものである。図2(b)は、端面が半球形状の棒状の高融点金属の表面に酸化皮膜を形成したものである。図2(c)は、円柱平板の高融点金属の表面に酸化皮膜を形成したものである。図2(d)は、球状の高融点金属の表面に酸化皮膜を形成したものである。
その酸化皮膜の形成方法としては、(1)高融点金属を所定温度の酸化性雰囲気中で所定時間維持する方法や、(2)高融点金属の表面に、高融点金属と同一物質の酸化物からなる粉末を着接し、所定温度で所定時間維持する方法などがある。以下、それぞれの方法について、詳細に説明する。
(1)高融点金属の表面を酸化させる方法
図3は、高融点金属の表面への酸化皮膜の形成に関する雰囲気温度と酸化膜厚との関係を示すグラフである。図3において、横軸は雰囲気温度(℃)であり、縦軸は酸化膜厚(μm)である。このグラフでは、モリブデン(Mo)と、タングステン(W)のそれぞれについて、所定の温度の酸化性雰囲気中で約30分保持した場合の酸化膜厚が示されている。ここで、酸化性雰囲気とは、金属(ここではモリブデンやタングステン)を酸化するのに十分な量の酸素の存在する雰囲気のことであり、通常の空気中などの雰囲気を用いることができる。雰囲気温度は、例えば、通常の恒温度維持槽を用いることにより維持することができる。また、モリブデン等の高融点金属は、例えば、多孔質のセラミック平板上に保持された状態で表面に酸化皮膜が形成される。
図3は、高融点金属の表面への酸化皮膜の形成に関する雰囲気温度と酸化膜厚との関係を示すグラフである。図3において、横軸は雰囲気温度(℃)であり、縦軸は酸化膜厚(μm)である。このグラフでは、モリブデン(Mo)と、タングステン(W)のそれぞれについて、所定の温度の酸化性雰囲気中で約30分保持した場合の酸化膜厚が示されている。ここで、酸化性雰囲気とは、金属(ここではモリブデンやタングステン)を酸化するのに十分な量の酸素の存在する雰囲気のことであり、通常の空気中などの雰囲気を用いることができる。雰囲気温度は、例えば、通常の恒温度維持槽を用いることにより維持することができる。また、モリブデン等の高融点金属は、例えば、多孔質のセラミック平板上に保持された状態で表面に酸化皮膜が形成される。
図3のグラフから明らかなように、モリブデンを約600℃の酸化性雰囲気中で約30分保持することで、約10μmの膜厚の酸化皮膜をモリブデンの表面に形成することができる。また、モリブデンを約700℃の酸化性雰囲気中で約30分保持することで、約22μmの膜厚の酸化皮膜をモリブデンの表面に形成することができる。一方、タングステンを約700℃の酸化性雰囲気中で約30分保持することで、約10μmの膜厚の酸化皮膜をタングステンの表面に形成することができる。また、タングステンを約800℃の酸化性雰囲気中で約30分保持することで、約40μmの膜厚の酸化皮膜をタングステンの表面に形成することができる。
図3のグラフからわかるように、モリブデンやタングステンを所定温度の酸化雰囲気中で所定の時間維持することで、酸化皮膜、すなわち、酸化モリブデン(MoO3)や、酸化タングステン(WO3)を所望の厚さで全周辺にわたって形成することができる。
(2)酸化物の粉末を利用する方法
図4は、酸化物の粉末を利用して高融点金属の表面に酸化皮膜を形成する方法を説明するための図である。図4において、まず、モリブデンやタングステンである高融点金属10と、その高融点金属と同一物質の酸化物からなる粉末11を用意する。その粉末11は、例えば、モリブデンの酸化物(MoO3)の微粉末や、タングステンの酸化物(WO3)の微粉末である。そして、高融点金属10の表面に粉末11を着接する。この粉末11の着接は、例えば、粉末11を高融点金属10の表面に塗布したり、圧接したりするなどによって行われる。その結果、高融点金属10の表面に酸化物の粉末11による所定の厚さの粉末層12が形成されることになる。その後、粉末層12の形成された高融点金属10を、恒温度維持槽等を用い、所定の温度に所定時間維持することにより、高融点金属10の表面に酸化物の粉末層12を融着させることができ、表面に所定の酸化皮膜の形成された高融点金属13を得ることができる。
図4は、酸化物の粉末を利用して高融点金属の表面に酸化皮膜を形成する方法を説明するための図である。図4において、まず、モリブデンやタングステンである高融点金属10と、その高融点金属と同一物質の酸化物からなる粉末11を用意する。その粉末11は、例えば、モリブデンの酸化物(MoO3)の微粉末や、タングステンの酸化物(WO3)の微粉末である。そして、高融点金属10の表面に粉末11を着接する。この粉末11の着接は、例えば、粉末11を高融点金属10の表面に塗布したり、圧接したりするなどによって行われる。その結果、高融点金属10の表面に酸化物の粉末11による所定の厚さの粉末層12が形成されることになる。その後、粉末層12の形成された高融点金属10を、恒温度維持槽等を用い、所定の温度に所定時間維持することにより、高融点金属10の表面に酸化物の粉末層12を融着させることができ、表面に所定の酸化皮膜の形成された高融点金属13を得ることができる。
このように酸化物の粉末を利用して表面に酸化皮膜を形成する方法では、高融点金属10の表面に着接する粉末11の厚さを調整することにより、容易に酸化皮膜の膜厚をコントロールすることができる。また、酸化物の融点の方が素地の高融点金属の融点よりも低いため、粉末層12の形成された高融点金属を、酸化物の融点以上、高融点金属の融点以下の温度で保持することにより、粉末層12のみを融解させることができ、その結果、表面の滑らかな酸化皮膜を形成することができ、表面に酸化皮膜の形成された高融点金属の表面の平坦性を確保することができる。
なお、上記(1)、(2)以外の方法によって酸化皮膜が高融点金属の表面において形成されるようにしてもよい。
なお、上記(1)、(2)以外の方法によって酸化皮膜が高融点金属の表面において形成されるようにしてもよい。
また、避雷装置に用いるモリブデン、及びタングステンの性状を比較した場合、酸化皮膜の生成実験において、モリブデンに比べタングステンがより安定して酸化皮膜が生成されることが判明している。したがって、雷害防止のために利用される高融点金属としては、タングステンがより好適な材料であると考えられる。
また、酸化条件の設定により、酸化モリブデン(MoO3)と、素地である金属モリブデンの間に、中間酸化物(MoO2.X等)層を生成させることもできる。ここで、「X」は、0以上、1未満の数字である。そのような中間酸化物層を設けることにより、皮膜組成が連続的となり、剥離が生じにくくなる。タングステンの場合も同様である。
高融点金属であるタングステン(W)に、酸化皮膜(WO3)を形成した場合、酸化皮膜は数10KΩ〜数MΩ程度の半導体的な抵抗を有する。そのため、酸化皮膜の形成されたタングステンをエネルギー吸収体として互いに接触させると、図5に示すように、正および負の数10V〜数100V程度まで、数ミリA〜数10mA程度の小電流が流れる状態を示し、そのあと、電圧の上昇により急速に電流が増大する電圧抑制特性を示す。この特性は、半導体のゼナーダイオードの特性と似ている。しかし、ゼナーダイオードの場合には、電流耐量が極めて小さく、短時間でも大きな電流耐量を得ることが困難である。それに対して、タングステンに酸化皮膜を形成したエネルギー吸収体によって構成した避雷装置では、タングステン素材が高い融点を有することにより、大きな電流耐量を得ることができる。したがって、そのような避雷装置は、比較的低い電圧の両極性電圧抑制特性と、エネルギー吸収耐量が大きいという特性とを有し、電気機器や電子機器を保護するために有用な特性を備えているということができる。なお、抑制電圧の値は、タングステンに形成される酸化皮膜の厚さや、接触させるエネルギー吸収体の個数によって設定することができる。
また、高融点金属の表面に形成される酸化膜厚は、10μmから100μm程度の間で任意の厚さで形成することができる。その膜厚を変えることにより、非導電ギャップを変えることができ、雷害防止の耐電圧の値を幅広く任意に設定することができる。
非導電ギャップを形成する方法としては、酸化皮膜の形成されたエネルギー吸収体同士を、酸化皮膜を介して接触させることによってエネルギー吸収体間において非導電ギャップを形成するようにしてもよく、あるいは、酸化皮膜の形成されたエネルギー吸収体の酸化皮膜上に導電性電極を接触させることによって、導電性電極とエネルギー吸収体の間において非導電ギャップを形成するようにしてもよい。
次に、本実施の形態による避雷装置の構成例について、具体的に説明する。なお、下記の構成例において、封止した内部雰囲気が希ガスの封入等によって低湿度雰囲気となるのは、上述した通りであるとする。
[構成例1]
図6(a)は、本構成例による避雷装置の構成を示す概略図であり、図6(b)は、本構成例による避雷装置の断面を示す断面図である。図6において、避雷装置は、表面に電気的絶縁性酸化皮膜の形成された円柱状の高融点金属からなるエネルギー吸収体20と、外装ケース21と、高融点金属20を線状接触で圧接する導電性電極22,23とを備える。外装ケース21は、耐熱ガラスやセラミックなどの絶縁性を有する外装、すなわち絶縁外装である。この外装ケース21にエネルギー吸収体20を収容可能な長方形の孔が形成されている。導電性電極22,23は、エネルギー吸収体20を挟持するための内方向に向かった突起が形成されている。また、導電性電極23には、エネルギー吸収体20の圧接状態を調整するための調整ネジ24が設けられている。この調整ネジ24によって導電性電極23の突起部分が押されることにより、エネルギー吸収体20と、両端の導電性電極22,23とが圧接されることとなる。
図6(a)は、本構成例による避雷装置の構成を示す概略図であり、図6(b)は、本構成例による避雷装置の断面を示す断面図である。図6において、避雷装置は、表面に電気的絶縁性酸化皮膜の形成された円柱状の高融点金属からなるエネルギー吸収体20と、外装ケース21と、高融点金属20を線状接触で圧接する導電性電極22,23とを備える。外装ケース21は、耐熱ガラスやセラミックなどの絶縁性を有する外装、すなわち絶縁外装である。この外装ケース21にエネルギー吸収体20を収容可能な長方形の孔が形成されている。導電性電極22,23は、エネルギー吸収体20を挟持するための内方向に向かった突起が形成されている。また、導電性電極23には、エネルギー吸収体20の圧接状態を調整するための調整ネジ24が設けられている。この調整ネジ24によって導電性電極23の突起部分が押されることにより、エネルギー吸収体20と、両端の導電性電極22,23とが圧接されることとなる。
外装ケース21の長方形の孔にエネルギー吸収体20が収容された後に、その孔は両端の導電性電極22,23によって封止される。この封止を行う封止剤としては、例えば、セメント系接着剤や、ガラス系接着剤のような炭素を含まない接着剤が好適である。封止の後に、調整ネジ24を調整することで、エネルギー吸収体20の圧接状態を調整することができる。この場合には、外装ケース21と、導電性電極22,23とによって、エネルギー吸収体20を封止する封止ケースが構成されている。
この構成例では、図6(b)で示されるように、エネルギー吸収体20と導電性電極22との間、及びエネルギー吸収体20と導電性電極23との間に、線状接触によって2箇所の非導電ギャップが形成されている。
[構成例2]
図7(a)は、本構成例による避雷装置の構成を示す概略図であり、図7(b)は、本構成例による避雷装置の断面を示す断面図である。図7において、避雷装置は、表面に電気的絶縁性酸化皮膜の形成された円柱状の高融点金属からなるエネルギー吸収体31,32と、外装ケース33と、導電性電極34,35とを備える。外装ケース33は、構成例1と同様に絶縁外装であり、エネルギー吸収体31,32を収容可能な長方形の孔が形成されている。また、導電性電極34,35には、エネルギー吸収体31,32を挟持可能な突起が設けられている。この突起は、外装ケース33の孔と嵌合する形状となっている。
図7(a)は、本構成例による避雷装置の構成を示す概略図であり、図7(b)は、本構成例による避雷装置の断面を示す断面図である。図7において、避雷装置は、表面に電気的絶縁性酸化皮膜の形成された円柱状の高融点金属からなるエネルギー吸収体31,32と、外装ケース33と、導電性電極34,35とを備える。外装ケース33は、構成例1と同様に絶縁外装であり、エネルギー吸収体31,32を収容可能な長方形の孔が形成されている。また、導電性電極34,35には、エネルギー吸収体31,32を挟持可能な突起が設けられている。この突起は、外装ケース33の孔と嵌合する形状となっている。
エネルギー吸収体31,32は、並んだ状態で外装ケース33の孔に収容され、導電性電極34,35の突起によって圧接される。そして、導電性電極34,35の突起によってエネルギー吸収体31,32は、圧接され、封止される。封止剤としては、構成例1と同様に、セメント系接着剤等が用いられる。
この構成例では、図7(b)で示されるように、エネルギー吸収体31,32の間と、各エネルギー吸収体31,32と、導電性電極34,35との間との3箇所において、非導電ギャップが形成されている。
[構成例3]
図8(a)は、本構成例による避雷装置の構成を示す概略図であり、図8(b)、図8(c)は、本構成例による避雷装置の断面を示す断面図である。図8において、避雷装置は、表面に電気的絶縁性酸化皮膜の形成された円柱状(棒状)の高融点金属からなるエネルギー吸収体40と、外装ケース41,42と、導電性電極43,44とを備える。外装ケース41,42は、構成例1と同様に絶縁外装である。外装ケース41は、3本のエネルギー吸収体40を収容可能な領域を有する箱形のものであり、外装ケース42は、外装ケース41の開口部を封止する蓋状のものである。導電性電極43は、断面が略コの字形状を有するものであり、断面図(図8(c))によって示されるように、外装ケース41の内側の部分が湾曲しており、3本のエネルギー吸収体40を押圧するバネ状のものである。したがって、この導電性電極43は、弾性を有する材料によって構成される。その材料としては、例えば、燐青銅板等を用いてもよい。導電性電極44についても同様である。
図8(a)は、本構成例による避雷装置の構成を示す概略図であり、図8(b)、図8(c)は、本構成例による避雷装置の断面を示す断面図である。図8において、避雷装置は、表面に電気的絶縁性酸化皮膜の形成された円柱状(棒状)の高融点金属からなるエネルギー吸収体40と、外装ケース41,42と、導電性電極43,44とを備える。外装ケース41,42は、構成例1と同様に絶縁外装である。外装ケース41は、3本のエネルギー吸収体40を収容可能な領域を有する箱形のものであり、外装ケース42は、外装ケース41の開口部を封止する蓋状のものである。導電性電極43は、断面が略コの字形状を有するものであり、断面図(図8(c))によって示されるように、外装ケース41の内側の部分が湾曲しており、3本のエネルギー吸収体40を押圧するバネ状のものである。したがって、この導電性電極43は、弾性を有する材料によって構成される。その材料としては、例えば、燐青銅板等を用いてもよい。導電性電極44についても同様である。
3本のエネルギー吸収体40は、並んだ状態で外装ケース41の収容領域に収容され、導電性電極43,44によって圧接される。そして、外装ケース42によって、エネルギー吸収体40は封止される。封止剤としては、構成例1と同様に、セメント系接着剤等が用いられる。
この構成例では、3本のエネルギー吸収体40の間での線状の接触(2箇所)と、エネルギー吸収体40と導電性電極43,44との線状の接触(2箇所)との合計4箇所において、非導電ギャップが形成されている。
なお、ここでは、エネルギー吸収体40が3個である場合について説明したが、3個に限定されるものではなく、1個や2個、あるいは4個以上であってもよい。エネルギー吸収体40の個数を多くすることによって、エネルギー吸収体40によって形成される非導電性ギャップの静電容量の合計値を小さくすることができ、高速応答性を向上させることができうる。このエネルギー吸収体40の個数としては、1個から5個程度が好適である。
また、エネルギー吸収体40の長さも、任意に設定することができる。長さを変えることにより、エネルギー吸収体40によって形成される非導電性ギャップの静電容量や、エネルギー吸収体40によるエネルギー吸収量を変化させることができ、任意の静電容量やエネルギー吸収量を実現することができうる。
また、エネルギー吸収体40を収容する外装ケースの形状も任意であり、エネルギー吸収体40を封止できるのであれば、どのような形状であってもよい。例えば、図9で示されるように、コの字形状の下部外装ケース45に、コの字形状の上部外装ケース46がはめ込まれることによって、エネルギー吸収体40が封止されるように構成してもよい。
[構成例4]
図10(a)は、本構成例による避雷装置の構成を示す概略図であり、図10(b)は、本構成例による避雷装置の断面を示す断面図である。図10において、避雷装置は、表面に電気的絶縁性酸化皮膜の形成された円柱状の高融点金属からなるエネルギー吸収体51,53と、そのエネルギー吸収体51,53が圧入埋め込み、あるいはネジ状挿入等されている導電性電極52,54と、外装ケース55とを備える。エネルギー吸収体51,53は、導電性電極52,54に圧入等された側の他端が、平面状に形成されている。外装ケース55は、中心部に丸孔を有する円筒形状をしており、構成例1と同様に絶縁外装である。また、導電性電極54には、エネルギー吸収体53を円柱長さ方向に調整可能なように調整ネジ56が設けられている。導電性電極52,54と、エネルギー吸収体51,53の素地(高融点金属)とは、エネルギー吸収体51,53が圧入埋め込み等されることにより、接続されているものとする。したがって、導電性電極52,54と、エネルギー吸収体51,53とは、それぞれ一体的に構成されており、導電性電極52,54と、エネルギー吸収体51,53との間では、非導電ギャップは形成されていない。
図10(a)は、本構成例による避雷装置の構成を示す概略図であり、図10(b)は、本構成例による避雷装置の断面を示す断面図である。図10において、避雷装置は、表面に電気的絶縁性酸化皮膜の形成された円柱状の高融点金属からなるエネルギー吸収体51,53と、そのエネルギー吸収体51,53が圧入埋め込み、あるいはネジ状挿入等されている導電性電極52,54と、外装ケース55とを備える。エネルギー吸収体51,53は、導電性電極52,54に圧入等された側の他端が、平面状に形成されている。外装ケース55は、中心部に丸孔を有する円筒形状をしており、構成例1と同様に絶縁外装である。また、導電性電極54には、エネルギー吸収体53を円柱長さ方向に調整可能なように調整ネジ56が設けられている。導電性電極52,54と、エネルギー吸収体51,53の素地(高融点金属)とは、エネルギー吸収体51,53が圧入埋め込み等されることにより、接続されているものとする。したがって、導電性電極52,54と、エネルギー吸収体51,53とは、それぞれ一体的に構成されており、導電性電極52,54と、エネルギー吸収体51,53との間では、非導電ギャップは形成されていない。
エネルギー吸収体51,53は、円筒形の外装ケース55の中心の丸孔に挿入され、導電性電極52,54によって、封止される。封止剤としては、構成例1と同様に、セメント系接着剤等が用いられる。また、調整ネジ56を調整することにより、エネルギー吸収体51,53の間のギャップ圧力が調整される。
この構成例では、図10(b)で示されるように、エネルギー吸収体51,53の間の1箇所において、面状の非導電ギャップが形成されている。
この構成例では、図10(b)で示されるように、エネルギー吸収体51,53の間の1箇所において、面状の非導電ギャップが形成されている。
[構成例5]
図11(a)は、本構成例による避雷装置の構成を示す概略図であり、図11(b)は、本構成例による避雷装置の断面を示す断面図である。図11において、避雷装置は、表面に電気的絶縁性酸化皮膜の形成された円柱状の高融点金属からなるエネルギー吸収体61,63,65と、エネルギー吸収体61,63が圧入埋め込み、あるいはネジ状挿入等されている導電性電極62,64と、外装ケース66とを備える。エネルギー吸収体61,63は、導電性電極62,64に圧入等された側の他端が、平面状に形成されている。外装ケース66は、中心部に丸孔を有する円筒形状をしており、構成例1と同様に絶縁外装である。導電性電極62,64と、エネルギー吸収体61,63の素地(高融点金属)とは、エネルギー吸収体61,63が圧入埋め込み等されることにより、接続されているものとする。したがって、導電性電極62,64と、エネルギー吸収体61,63とは、それぞれ一体的に構成されており、導電性電極62,64と、エネルギー吸収体61,63との間では、非導電ギャップは形成されていない。
図11(a)は、本構成例による避雷装置の構成を示す概略図であり、図11(b)は、本構成例による避雷装置の断面を示す断面図である。図11において、避雷装置は、表面に電気的絶縁性酸化皮膜の形成された円柱状の高融点金属からなるエネルギー吸収体61,63,65と、エネルギー吸収体61,63が圧入埋め込み、あるいはネジ状挿入等されている導電性電極62,64と、外装ケース66とを備える。エネルギー吸収体61,63は、導電性電極62,64に圧入等された側の他端が、平面状に形成されている。外装ケース66は、中心部に丸孔を有する円筒形状をしており、構成例1と同様に絶縁外装である。導電性電極62,64と、エネルギー吸収体61,63の素地(高融点金属)とは、エネルギー吸収体61,63が圧入埋め込み等されることにより、接続されているものとする。したがって、導電性電極62,64と、エネルギー吸収体61,63とは、それぞれ一体的に構成されており、導電性電極62,64と、エネルギー吸収体61,63との間では、非導電ギャップは形成されていない。
エネルギー吸収体61,63は、円筒形の外装ケース66の中心の丸孔に挿入される。エネルギー吸収体65は、エネルギー吸収体61,63の間で面接触によって挟持されている。そして、それらのエネルギー吸収体61,63,65は、導電性電極62,64によって、封止される。封止剤としては、構成例1と同様に、セメント系接着剤等が用いられる。
この構成例では、図11(b)で示されるように、エネルギー吸収体61,63,65の間の2箇所において、面状の非導電ギャップが形成されている。ここで、図11(b)で示されるように、エネルギー吸収体65の端面(円柱の上面と下面)の面積は、エネルギー吸収体61,63の端面の面積よりも大きく構成されている。そのため、エネルギー吸収体61とエネルギー吸収体65の間、あるいはエネルギー吸収体63とエネルギー吸収体65の間において、相互に接触位置のずれが起こったとしても、非導電ギャップを形成する接触面積の変化が生じないように構成されている。また、エネルギー吸収体65を挿入することによって、非導電ギャップによって構成される静電容量を小さくすることができ、高速応答性を向上させることができる。さらに、エネルギー吸収体65を挿入することによって、エネルギー吸収量が増大されることとなる。
なお、導電性電極64等に、エネルギー吸収体63等を円柱長さ方向に調整可能な調整ネジが設けられていてもよい。
なお、導電性電極64等に、エネルギー吸収体63等を円柱長さ方向に調整可能な調整ネジが設けられていてもよい。
[構成例6]
図12(a)は、本構成例による避雷装置の構成を示す概略図であり、図12(b)は、本構成例による避雷装置の断面を示す断面図である。図12において、避雷装置は、表面に電気的絶縁性酸化皮膜の形成された円柱状の高融点金属からなるエネルギー吸収体71,73と、エネルギー吸収体71,73が圧入埋め込み、あるいはネジ状挿入等されている導電性電極72,74と、外装ケース75とを備える。エネルギー吸収体71は、導電性電極72に圧入等された側の他端が、半球状に形成されている。一方、エネルギー吸収体73は、導電性電極74に圧入等された側の他端が、平面状に形成されている。外装ケース75は、中心部に丸孔を有する円筒形状をしており、構成例1と同様に絶縁外装である。導電性電極72,74と、エネルギー吸収体71,73の素地(高融点金属)とは、エネルギー吸収体71,73が圧入埋め込み等されることにより、接続されているものとする。したがって、導電性電極72,74と、エネルギー吸収体71,73とは、それぞれ一体的に構成されており、導電性電極72,74と、エネルギー吸収体71,73との間では、非導電ギャップは形成されていない。
図12(a)は、本構成例による避雷装置の構成を示す概略図であり、図12(b)は、本構成例による避雷装置の断面を示す断面図である。図12において、避雷装置は、表面に電気的絶縁性酸化皮膜の形成された円柱状の高融点金属からなるエネルギー吸収体71,73と、エネルギー吸収体71,73が圧入埋め込み、あるいはネジ状挿入等されている導電性電極72,74と、外装ケース75とを備える。エネルギー吸収体71は、導電性電極72に圧入等された側の他端が、半球状に形成されている。一方、エネルギー吸収体73は、導電性電極74に圧入等された側の他端が、平面状に形成されている。外装ケース75は、中心部に丸孔を有する円筒形状をしており、構成例1と同様に絶縁外装である。導電性電極72,74と、エネルギー吸収体71,73の素地(高融点金属)とは、エネルギー吸収体71,73が圧入埋め込み等されることにより、接続されているものとする。したがって、導電性電極72,74と、エネルギー吸収体71,73とは、それぞれ一体的に構成されており、導電性電極72,74と、エネルギー吸収体71,73との間では、非導電ギャップは形成されていない。
エネルギー吸収体71,73は、円筒形の外装ケース75の中心の丸孔に挿入される。エネルギー吸収体71,73は、導電性電極72,74によって、封止される。封止剤としては、構成例1と同様に、セメント系接着剤等が用いられる。
この構成例では、図12(b)で示されるように、エネルギー吸収体71,73の間の1箇所において、点状の非導電ギャップが形成されている。このように、半球状の端面と、平面状の端面とによって非導電ギャップが形成されているため、エネルギー吸収体71,73の相互の位置の変化に関わりなく、適切な点接触状態を維持することができる。
なお、導電性電極74等に、エネルギー吸収体73等を円柱長さ方向に調整可能な調整ネジが設けられていてもよい。
なお、導電性電極74等に、エネルギー吸収体73等を円柱長さ方向に調整可能な調整ネジが設けられていてもよい。
[構成例7]
図13(a)は、本構成例による避雷装置の構成を示す概略図であり、図13(b)は、本構成例による避雷装置の断面を示す断面図である。図13において、避雷装置は、表面に電気的絶縁性酸化皮膜の形成された円柱状の高融点金属からなるエネルギー吸収体81,83,85と、エネルギー吸収体81,83が圧入埋め込み、あるいはネジ状挿入等されている導電性電極82,84と、外装ケース86とを備える。エネルギー吸収体81,83は、導電性電極82,84に圧入等された側の他端が、平面状に形成されている。外装ケース86は、中心部に長方形の孔を有する略円筒形状をしており、構成例1と同様に絶縁外装である。導電性電極82,84と、エネルギー吸収体81,83の素地(高融点金属)とは、エネルギー吸収体81,83が圧入埋め込み等されることにより、接続されているものとする。したがって、導電性電極82,84と、エネルギー吸収体81,83とは、それぞれ一体的に構成されており、導電性電極82,84と、エネルギー吸収体81,83との間では、非導電ギャップは形成されていない。
図13(a)は、本構成例による避雷装置の構成を示す概略図であり、図13(b)は、本構成例による避雷装置の断面を示す断面図である。図13において、避雷装置は、表面に電気的絶縁性酸化皮膜の形成された円柱状の高融点金属からなるエネルギー吸収体81,83,85と、エネルギー吸収体81,83が圧入埋め込み、あるいはネジ状挿入等されている導電性電極82,84と、外装ケース86とを備える。エネルギー吸収体81,83は、導電性電極82,84に圧入等された側の他端が、平面状に形成されている。外装ケース86は、中心部に長方形の孔を有する略円筒形状をしており、構成例1と同様に絶縁外装である。導電性電極82,84と、エネルギー吸収体81,83の素地(高融点金属)とは、エネルギー吸収体81,83が圧入埋め込み等されることにより、接続されているものとする。したがって、導電性電極82,84と、エネルギー吸収体81,83とは、それぞれ一体的に構成されており、導電性電極82,84と、エネルギー吸収体81,83との間では、非導電ギャップは形成されていない。
エネルギー吸収体81,83は、円筒形の外装ケース86の中心の長方形の孔に挿入される。エネルギー吸収体85は、エネルギー吸収体81,83の間で線接触によって挟持されている。そして、それらのエネルギー吸収体81,83,85は、導電性電極82,84によって、封止される。封止剤としては、構成例1と同様に、セメント系接着剤等が用いられる。
この構成例では、図13(b)で示されるように、エネルギー吸収体81,83,85の間の2箇所において、線状の非導電ギャップが形成されている。エネルギー吸収体85の長さ(円柱の長さ)は、エネルギー吸収体81,83の端面の直径よりも大きく構成されている。そのため、エネルギー吸収体85のずれが起こったとしても、非導電ギャップを形成する接触面積の変化が生じないように構成されている。また、エネルギー吸収体85を挿入することによって、非導電ギャップによって構成される静電容量を小さくすることができ、高速応答性を向上させることができる。さらに、エネルギー吸収体85を挿入することによって、エネルギー吸収量が増大されることとなる。
なお、導電性電極84等に、エネルギー吸収体83等を円柱長さ方向に調整可能な調整ネジが設けられていてもよい。
なお、導電性電極84等に、エネルギー吸収体83等を円柱長さ方向に調整可能な調整ネジが設けられていてもよい。
[構成例8]
上記各構成例では、エネルギー吸収体を導電性電極によって圧接することによって非導電ギャップを形成する場合につい説明したが、2以上のエネルギー吸収体が、無機系接着剤により接着されることによって接触しており、その接触領域に非導電ギャップが形成される場合について本構成例で説明する。
上記各構成例では、エネルギー吸収体を導電性電極によって圧接することによって非導電ギャップを形成する場合につい説明したが、2以上のエネルギー吸収体が、無機系接着剤により接着されることによって接触しており、その接触領域に非導電ギャップが形成される場合について本構成例で説明する。
図14は、本構成例による避雷装置の構成を示す概略図である。本構成例による避雷装置は、無機系接着剤によって接着されることによってエネルギー吸収体が接触している以外、図9で示される避雷装置の構成と同様である。図14において、下部外装ケース45に3本のエネルギー吸収体40が挿入され、互いに接触している状態で、エネルギー吸収体40の両端の領域、すなわち領域A1,A2を無機系接着剤により接着する。この接着によって、エネルギー吸収体40は、互いに接触した状態で固定されると共に、下部外装ケース45に対しても固定されることになる。なお、本構成例では、導電性電極43,44によって3本のエネルギー吸収体40を押圧する必要がないため、導電性電極43,44は、単にエネルギー吸収体40の表面に触れるように構成されればよい。
エネルギー吸収体40の接着に無機系の接着剤を使用することによって、有機性の炭素成分がエネルギー吸収体40の周りに浮遊しないようにすることができる。また、その無機系の接着剤は固まった後でも弾性を有するものが好ましい。放電発生時の衝撃を吸収することによって、接着が外れることを防止することができ、エネルギー吸収体40の接触状態を安定して維持することができるからである。そのような接着剤として、例えば、特殊シリコーン変性ポリマーを約20%含み、可塑剤を約10%含み、無機物を約70%含む接着剤や、特殊シリコーン変性ポリマーを約70%含み、無機物を約30%含む接着剤などを用いてもよい。
なお、本構成例では、外装ケースが、下部外装ケース45と、上部外装ケース46とに分かれていることによって、上部外装ケース46をかぶせる前に、非導電ギャップを観察可能なように形成されている。したがって、上部外装ケース46をかぶせる前に、導電性電極43,44の間に所定の高電圧を印加することにより、非導電ギャップでの放電について観察し、適切に放電が行われている場合には上部外装ケース46をかぶせて、下部外装ケース45と上部外装ケース46とを接着して避雷装置を完成し、適切に放電が行われていない場合には、不適切な点を直す、あるいは、その避雷装置の組み立てを行わないようにしてもよい。すなわち、エネルギー吸収体40の封止で用いられる絶縁外装は、その絶縁外装の組み立て時に非導電ギャップを観察可能なように形成されていてもよい。ここで、適切に放電が行われている場合とは、各非導電ギャップの酸化皮膜の一部で放電が起こっている場合である。例えば、非導電ギャップで短絡が発生している場合には、放電を観察することができず、適切な放電が行われていないことになる。
また、本構成例では、エネルギー吸収体40同士だけでなく、エネルギー吸収体40と下部外装ケース45とも接着する場合について説明したが、エネルギー吸収体40と下部外装ケース45とは接着しなくてもよい。その場合には、導電性電極43,44は、エネルギー吸収体40の位置を固定できる程度にエネルギー吸収体40を押圧してもよい。
また、本構成例では、エネルギー吸収体40の両端の領域を接着する場合について説明したが、エネルギー吸収体40が互いに接触するように接着するのであれば、その接着する領域は問わない。例えば、エネルギー吸収体40の中心付近の領域を接着してもよい。
また、上記各構成例において、エネルギー吸収体の表面に形成された酸化皮膜は、非導電ギャップが形成されている領域に少なくとも形成されていればよく、それ以外の領域には、酸化皮膜がなくてもよい。
また、上記各構成例において、エネルギー吸収体の封止が、絶縁外装のみによって行われる場合と、絶縁外装と2つの導電性電極とによって行われる場合について説明したが、エネルギー吸収体の封止は、絶縁外装と1つの導電性電極とによって行われてもよい。例えば、一端の閉じられた円柱状の絶縁外装と、その絶縁外装の開口部を封止する導電性電極とによって、絶縁外装の内部に収容されたエネルギー吸収体の封止が行われるようにしてもよい。
また、上記各構成例において、面状、線状、点状の非導電ギャップが構成される場合について説明したが、それらの2種以上の非導電ギャップが1つの避雷装置において形成されてもよい。
次に、落雷に起因する高電圧が発生した場合の避雷装置の動作について説明する。落雷に起因する高電圧が導電性電極の間に印加された場合には、非導電ギャップにおいて放電が行われ、その高電圧を吸収する。この場合に、その放電の行われた非導電ギャップの位置における酸化皮膜は、放電のエネルギーによって飛散するが、次の落雷時には、非導電ギャップの他の位置において放電が行われることとなり、繰り返して高電圧の吸収を行うことができる。
以上のように、本実施の形態による避雷装置によれば、雷害のエネルギーを吸収するエネルギー吸収体を、環境外気の影響を受けないように封止するように構成することで、高湿度の環境でも、雷害防止性能が低下しないようにすることができる。
また、高融点金属の表面に酸化皮膜を形成し、導電性電極と高融点金属との間、あるいは、高融点金属と高融点金属との間において、面状、線状、点状などの各種の非導電ギャップを形成し、高融点金属をエネルギー吸収体として用いると共に、エネルギー吸収体と非導電ギャップとを一体的な構成として環境外気の影響を受けないように封止することで、エネルギー吸収体の表面に形成されている酸化皮膜が高湿度の外気等によって劣化することがなく、安定した放電性能、エネルギー吸収性能を長期にわたって維持することができ、その結果、避雷性能、雷害防止性能を長期にわたって維持することができる。
なお、本実施の形態において、導電性電極によってエネルギー吸収体を圧接する場合について説明したが、導電性電極以外の付勢手段等によってエネルギー吸収体を圧接し、導電性電極は単にエネルギー吸収体の素地(高融点金属そのもの)に接続されているだけでもよい。このような場合には、導電性電極は、例えば、単なるリード線等であってもよい。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2による避雷装置について、図面を参照しながら説明する。
図15は、本実施の形態による避雷装置の構成を示す概略図である。図15において、本実施の形態による避雷装置は、直列に接続された、ギャップを形成するギャップ部91と、エネルギー吸収体92とを有する。ギャップ部91、及びエネルギー吸収体92は、それぞれ導電性電極94,95に接続されている。ギャップ部91は、誘導雷等の高電圧落雷があった場合に放電する放電用ギャップであり、ガラスケース等で封止されている。エネルギー吸収体92は、抵抗体であり、落雷のエネルギーを吸収するために接続されている。このエネルギー吸収体92も封止ケース93で封止されている。この封止ケース93としては、実施の形態1と同様に、例えば耐熱ガラスや、セラミックケースなどを用いることができる。また、封止によって形成された内部雰囲気は、低湿度雰囲気である。その低湿度雰囲気は、例えば、不活性ガスを封入することによって形成されてもよく、あるいは、その内部雰囲気を真空にすることによって形成されてもよい。
以下、本発明の実施の形態2による避雷装置について、図面を参照しながら説明する。
図15は、本実施の形態による避雷装置の構成を示す概略図である。図15において、本実施の形態による避雷装置は、直列に接続された、ギャップを形成するギャップ部91と、エネルギー吸収体92とを有する。ギャップ部91、及びエネルギー吸収体92は、それぞれ導電性電極94,95に接続されている。ギャップ部91は、誘導雷等の高電圧落雷があった場合に放電する放電用ギャップであり、ガラスケース等で封止されている。エネルギー吸収体92は、抵抗体であり、落雷のエネルギーを吸収するために接続されている。このエネルギー吸収体92も封止ケース93で封止されている。この封止ケース93としては、実施の形態1と同様に、例えば耐熱ガラスや、セラミックケースなどを用いることができる。また、封止によって形成された内部雰囲気は、低湿度雰囲気である。その低湿度雰囲気は、例えば、不活性ガスを封入することによって形成されてもよく、あるいは、その内部雰囲気を真空にすることによって形成されてもよい。
以上のように、エネルギー吸収体92を封止ケース93によって封止することで、エネルギー吸収の作用に対して、環境外気、特に高湿度の雰囲気の影響を受けることがなくなり、安定したエネルギー吸収性能を長期間にわたって維持することが可能となる。
なお最後に、上記各実施の形態における避雷装置がどのように使用されるのかについて、簡単に説明する。図16(a)は、電源ラインに対して避雷装置を用いた場合の構成について示す図である。図16(a)で示されるように、避雷装置の2つの導電性電極が雷害を防止したい線(雷害防止線)L1,L2にそれぞれ接続されてもよく、あるいは、避雷装置の導電性電極の一端は雷害が雷害防止線L1,L2に接続され、他の導電性電極の一端が接地線に接続されてもよい。このようにして、落雷に起因して発生した電源ライン上の高電圧を、避雷装置によって効率よく吸収することができうる。ここで、図16(a)では、3個の避雷装置を示しているが、そのいずれか1個を用いるだけであってもよく、あるいは、その2以上の任意の組み合わせの避雷装置を用いてもよい。なお、電源ラインに対して避雷装置を用いる場合には、電源ラインと接地との間に避雷装置を設けることが好適である。
図16(b)は、電子機器等への信号線に対して避雷装置を用いた場合の構成について示す図である。図16(b)で示されるように、避雷装置の2つの導電性電極が雷害防止線L3と、雷害防止線L4とにそれぞれ接続されてもよく、あるいは、図16(a)と同様に、雷害防止線L3,L4と、接地線との間に避雷装置が設けられてもよい。このように避雷装置を備えることで、落雷に起因して発生した高電圧を効率よく吸収することができ、電子機器等が高電圧によって破壊されることを回避することができうる。ここで、図16(b)では、3個の避雷装置を示しているが、そのいずれか1個を用いるだけであってもよく、あるいは、その2以上の任意の組み合わせの避雷装置を用いてもよい。なお、電子機器等への信号線に対して避雷装置を用いる場合には、信号線間(図16(b)ではL3とL4との間)に避雷装置を設けることが好適である。
なお、上記各実施の形態において、エネルギー吸収体は、表面に酸化皮膜の形成された高融点金属を有するものであればよい。すなわち、エネルギー吸収体は、表面に酸化皮膜の形成された高融点金属からなるものであってもよく、高融点金属や酸化皮膜以外の物質を一部に含むものであってもよい。
以上のように、本発明による避雷装置等によれば、長期間にわたって避雷性能を維持可能であり、落雷、特に誘導雷に起因する高電圧を効果的に吸収し、電子機器等を保護する避雷装置等として有用である。
Claims (23)
- 表面に電気的絶縁性酸化皮膜の形成された高融点金属を有するエネルギー吸収体と、
前記エネルギー吸収体に接続された導電性電極と、を備え、
前記エネルギー吸収体の表面の電気的絶縁性酸化皮膜によって非導電ギャップが形成され、
前記エネルギー吸収体が封止されていることを特徴とする避雷装置。 - 2以上の前記エネルギー吸収体を備え、
当該2以上のエネルギー吸収体は、表面の電気的絶縁性酸化皮膜を介して互いに接触している、請求項1記載の避雷装置。 - 表面に電気的絶縁性酸化皮膜の形成された高融点金属を有するエネルギー吸収体と、
一端が前記エネルギー吸収体に接続され、他端が雷害防止線に接続された第1の導電性電極と、
一端が前記エネルギー吸収体に接続され、他端が接地線、あるいは他の雷害防止線に接続された第2の導電性電極と、を備え、
前記エネルギー吸収体の表面の電気的絶縁性酸化皮膜によって非導電ギャップが形成され、
前記エネルギー吸収体が封止されていることを特徴とする避雷装置。 - 前記電気的絶縁性酸化皮膜は、前記非導電ギャップが形成されている領域に少なくとも形成されている、請求項3記載の避雷装置。
- 2以上の前記エネルギー吸収体を備え、
当該2以上のエネルギー吸収体は、表面の電気的絶縁性酸化皮膜を介して互いに接触している、請求項3または4記載の避雷装置。 - 前記2以上のエネルギー吸収体は、押圧されることによって接触しており、その接触領域に非導電ギャップが形成されている、請求項5記載の避雷装置。
- 前記2以上のエネルギー吸収体は、無機系接着剤により接着されることによって接触しており、その接触領域に非導電ギャップが形成されている、請求項5記載の避雷装置。
- 前記無機系接着剤は固まった後に弾性を有する、請求項7記載の避雷装置。
- 前記エネルギー吸収体は絶縁外装によって封止されている、請求項3から8のいずれか記載の避雷装置。
- 前記エネルギー吸収体は、絶縁外装と、前記第1の導電性電極及び/または前記第2の導電性電極とによって封止されている、請求項3から8のいずれか記載の避雷装置。
- 前記絶縁外装は、当該絶縁外装の組み立て時に前記非導電ギャップを観察可能なように形成されている、請求項9または10記載の避雷装置。
- 前記非導電ギャップは、面状の非導電ギャップを含む、請求項3から10のいずれか記載の避雷装置。
- 前記非導電ギャップは、線状の非導電ギャップを含む、請求項3から10のいずれか記載の避雷装置。
- 前記非導電ギャップは、点状の非導電ギャップを含む、請求項3から10のいずれか記載の避雷装置。
- 前記封止によって形成された内部雰囲気は、低湿度雰囲気である、請求項3から14のいずれか記載の避雷装置。
- 前記低湿度雰囲気は、不活性ガスを封入することにより、あるいは、前記内部雰囲気を真空にすることによって形成される、請求項15記載の避雷装置。
- 前記高融点金属はモリブデンである、請求項3から16のいずれか記載の避雷装置。
- 前記高融点金属はタングステンである、請求項3から16のいずれか記載の避雷装置。
- 前記高融点金属は、モリブデンとタングステンとの合金である、請求項3から16のいずれか記載の避雷装置。
- 前記エネルギー吸収体の表面の電気的絶縁性酸化皮膜と、前記エネルギー吸収体の素地である高融点金属との間に、表面の電気的絶縁性酸化皮膜と比較して酸化数の低い中間酸化物層が存在する、請求項3から19のいずれか記載の避雷装置。
- 高融点金属からなるエネルギー吸収体の表面に電気的絶縁性酸化皮膜を形成する酸化ステップと、
前記酸化ステップで形成された電気的絶縁性酸化皮膜によって非導電ギャップを形成するギャップ形成ステップと、
前記エネルギー吸収体を封止する封止ステップと、を備えた避雷装置の製造方法。 - 前記酸化ステップでは、前記高融点金属を所定温度の酸化性雰囲気中で所定時間維持することにより前記電気的絶縁性酸化皮膜を形成する、請求項21記載の避雷装置の製造方法。
- 前記酸化ステップでは、前記高融点金属の表面に、当該高融点金属と同一物質の酸化物からなる粉末を着接し、所定温度で所定時間維持することにより前記電気的絶縁性酸化皮膜を形成する、請求項21記載の避雷装置の製造方法。
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