JP2004111311A - サージアブソーバ - Google Patents
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Abstract
【課題】サージアブソーバにおいて、取り扱いが容易で低電圧で動作を可能にすること。
【解決手段】互いに一定の間隔を開けて配された一対の放電電極1と、これらの放電電極を放電ガスと共に封じた絶縁性材料からなる気密容器2と、該気密容器の内外を貫通すると共に一端が前記一対の放電電極に別々に接続された一対のリード端子3と、前記一対の放電電極を支持する誘電体部材4とを備えたサージアブソーバであって、前記誘電体部材の表面には、一対の前記放電電極にそれぞれ接触すると共に互いに間隙を介して対向状態に配された一対のトリガ電極5が形成され、前記トリガ電極は、カーボンナノチューブで形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】互いに一定の間隔を開けて配された一対の放電電極1と、これらの放電電極を放電ガスと共に封じた絶縁性材料からなる気密容器2と、該気密容器の内外を貫通すると共に一端が前記一対の放電電極に別々に接続された一対のリード端子3と、前記一対の放電電極を支持する誘電体部材4とを備えたサージアブソーバであって、前記誘電体部材の表面には、一対の前記放電電極にそれぞれ接触すると共に互いに間隙を介して対向状態に配された一対のトリガ電極5が形成され、前記トリガ電極は、カーボンナノチューブで形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信線、電源線、アンテナ等、電子機器が外部から信号や電力を得るための入力部に接続し、外部から浸入する異常電圧から電子機器を保護し、事故を未然に防ぐために使用されるサージアブソーバに関する。
【0002】
【従来の技術】
サージアブソーバは、電話機やモデム等の電子機器が通信線と接続する部分、或いはCRT駆動回路など、雷サージや静電気等の異常電圧による電撃を受けやすい部分に接続され、外部から浸入する異常電圧によって電子機器が破壊されるのを防ぐために使用されている。
【0003】
従来のサージアブソーバとしては、種々の構成のものが用いられているが、例えば、金属の棒からなる電極間に絶縁物からなるスペーサを用いて電極間間隔を保持し、このスペーサの表面に単なるカーボン或いは金属からなる線状の電極を形成していた(例えば、特許文献1参照)。
また、他のサージアブソーバとして、電極を封止している近傍のガラス内面上に非常に活性な金属を付着させたものも用いられている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−273800号公報(第3頁、図3等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のサージアブソーバでは、以下の課題が残されている。すなわち、スペーサ上の電極に単なるカーボン或いは金属を用いているため、十分な電界放出による電子供給ができず、低電圧化を図ることが困難であった。また、封止ガラス内面に活性な金属を付着させる場合、非常に活性な金属を取り扱う為に金属が酸化されやすく、取り扱いには非常に注意しなければならなかった。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、取り扱いが容易で低電圧動作が可能なサージアブソーバを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のサージアブソーバは、互いに一定の間隔を開けて配された一対の放電電極と、これらの放電電極を放電ガスと共に封じた絶縁性材料からなる気密容器と、該気密容器の内外を貫通すると共に一端が前記一対の放電電極に別々に接続された一対のリード端子と、前記一対の放電電極を支持する誘電体部材とを備えたサージアブソーバであって、前記誘電体部材の表面には、一対の前記放電電極にそれぞれ接触すると共に互いに間隙を介して対向状態に配された一対のトリガ電極が形成され、前記トリガ電極は、カーボンナノチューブで形成されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のサージアブソーバは、互いに一定の間隔を開けて配された一対の放電電極と、これらの放電電極を放電ガスと共に封じた絶縁性材料からなる気密容器と、該気密容器の内外を貫通すると共に一端が前記一対の放電電極に別々に接続された一対のリード端子と、前記一対の放電電極を支持する誘電体部材とを備えたサージアブソーバであって、前記誘電体部材の表面には、一方の前記放電電極に一端が接触又は間隙を介して対向状態に配されると共に他方の放電電極に他端が間隙を介して対向状態に配されたトリガ電極が形成され、該トリガ電極は、カーボンナノチューブで形成されていることを特徴とする。
【0009】
これらのサージアブソーバでは、トリガ電極がカーボンナノチューブで形成されているので、電子放出能が高いカーボンナノチューブの電界集中効果により、低電圧で動作可能となると共に、酸化され難い材料であるため、取り扱い性に優れている。
【0010】
本発明のサージアブソーバは、互いに一定の間隔を開けて配された一対の放電電極と、これらの放電電極を放電ガスと共に封じた絶縁性材料からなる気密容器と、該気密容器の内外を貫通すると共に一端が前記一対の放電電極に別々に接続された一対のリード端子とを備えたサージアブソーバであって、前記気密容器の内面かつ前記放電電極の近傍に、少なくとも一方の放電電極と非接触状態のカーボン層が形成され、該カーボン層は、カーボンナノチューブで形成されていることを特徴とする。
【0011】
このサージアブソーバでは、カーボン層がカーボンナノチューブで形成されているので、電子放出能が高いカーボンナノチューブの電界集中効果により、低電圧で動作可能となると共に、酸化され難い材料であるため、取り扱い性に優れている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るサージアブソーバの第1実施形態を、図1を参照しながら説明する。
【0013】
本実施形態のサージアブソーバは、図1の(a)(b)に示すように、互いに一定の間隔を開けて配された一対の棒状放電電極1と、これらの放電電極1を不活性ガスを主体とした放電ガスと共に封じたガラス容器(絶縁性材料からなる気密容器)2と、該ガラス容器2の底部で内外を貫通すると共に一端が一対の放電電極1に別々に接続された一対のリード端子3と、一対の放電電極1を支持するセラミックス等の誘電体部材であるスペーサ4とを備えている。
【0014】
上記スペーサ4の表面には、一対の放電電極1にそれぞれ接触すると共に互いにスペーサ4中央部の間隙Dを介して対向状態に配された一対のトリガ電極5が形成されている。また、このトリガ電極5は、カーボンナノチューブで形成されている。なお、上記間隔Dは、トリガ電極5がショートしない程度の間隔で1〜100μmの範囲内で設定される。
上記放電電極1は、リード端子3に接続されNi(ニッケル)等の高導電性金属からなる丸棒状部材1aの上半分表面に、BaO(酸化バリウム)等の耐スパッタ性膜1bが被膜されたものである。
【0015】
次に、本実施形態のサージアブソーバの製造方法を説明する。
【0016】
まず、スペーサ4の上面にカーボンナノチューブペーストを印刷する。この際、カーボンナノチューブペーストを、スペーサ4中央部において間隙Dを介して対向状態に印刷する。次に、スペーサ4に所定の間隔を開けて形成された一対の貫通孔に上記一対の放電電極1を挿入して固定する。なお、放電電極1は、予めリード端子3の先端に固定しておく。そして、この状態で焼成を行い、カーボンナノチューブからなるトリガ電極5をスペーサ4上に形成する。
【0017】
焼成後、この状態で、スペーサ4に固定された放電電極1をガラス管内に挿入し、内部に不活性ガス(例えば、H2,He,Ne,Ar,Xe等)を満たした状態でガラス管を溶かして上部と下部とを閉塞させて密閉状態のガラス容器2とする。この際、リード端子3を介して放電電極1がガラス容器2の内外を貫通するようにする。このようにして、本実施形態のサージアブソーバが作製される。このサージアブソーバでは、サージアブソーバが接続された回路にサージが印加されると、間隔Dを介して対向するトリガ電極5間でグロー放電が最初に生じ、続いて放電電極1間で主放電であるアーク放電が生じることにより、サージ吸収が行われる。
【0018】
このように本実施形態では、トリガ電極5がカーボンナノチューブで形成されているので、電子放出能が高いカーボンナノチューブの電界集中効果により、放電開始電圧が低くなると共に、酸化され難い材料であるため、取り扱い性に優れている。
【0019】
次に、本発明に係るサージアブソーバの第2実施形態を、図2を参照しながら説明する。
【0020】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、スペーサ4の上面に一対のトリガ電極5が形成されているのに対し、第2実施形態では、図2の(a)(b)に示すように、スペーサ4に、一方の放電電極1に一端が接触していると共に他方の放電電極1に他端が間隙Dを介して対向状態に配されたトリガ電極5が形成されている点で異なっている。
【0021】
すなわち、本実施形態では、サージアブソーバが接続された回路にサージが印加されると、間隔Dを介して対向するトリガ電極5先端と他方の放電電極1との間でグロー放電が最初に生じ、続いて放電電極1間で主放電であるアーク放電が生じることにより、サージ吸収が行われる。
また、本実施形態では、第1実施形態と同様に、トリガ電極5がカーボンナノチューブで形成されているので、放電開始電圧が低くなると共に、酸化され難い材料であるため、取り扱い性に優れている。
【0022】
次に、本発明に係るサージアブソーバの第3実施形態を、図3を参照しながら説明する。
【0023】
第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、スペーサ4により放電電極1を固定して支持し、スペーサ4上のトリガ電極5により初期放電を行っているのに対し、第3実施形態では、図3の(a)(b)に示すように、スペーサを搭載せず、放電電極1はガラス容器2の底部で固定し、支持していると共に、ガラス容器2の内面かつ放電電極1の近傍に、放電電極1と非接触状態のカーボン層15が形成され、該カーボン層15がカーボンナノチューブで形成されている点である。
【0024】
すなわち、本実施形態のサージアブソーバでは、サージアブソーバが接続された回路にサージが印加されると、カーボン層15と放電電極1下部との間でグロー放電が最初に生じ、続いて放電電極1間で主放電であるアーク放電が生じることにより、サージ吸収が行われる。
【0025】
次に、本実施形態のサージアブソーバの製造方法について説明すると、まず、放電電極1を封止するガラス容器2の下部内面に、予めカーボンナノチューブペーストを塗布しておく。次に、放電電極1とガラス容器2とを加熱して固定する際に、同時にカーボンナノチューブペーストを焼成して、カーボン層15を形成する。なお、カーボン層15とは反対側、すなわちガラス容器2の上部を封止する際に、内部のガスを不活性ガスで満たした状態でガラスを溶かして密閉することにより、本実施形態のサージアブソーバが作製される。
【0026】
本実施形態では、カーボン層15がカーボンナノチューブで形成されているので、第1及び第2実施形態と同様に、電子放出能が高いカーボンナノチューブの電界集中効果により、低電圧で動作可能となると共に、酸化され難い材料であるため、取り扱い性に優れている。
【0027】
次に、本発明に係るサージアブソーバの第4実施形態を、図4を参照しながら説明する。
【0028】
第4実施形態と第3実施形態との異なる点は、第3実施形態では、カーボン層15がガラス容器2の下部内面に形成されると共に、放電電極1はガラス容器2の下部のみで固定されているのに対し、第4実施形態では、図4の(a)(b)に示すように、カーボン層15がガラス容器2の上部内面に形成されると共に、放電電極1が第1及び第2実施形態のようにスペーサ4によっても固定されて支持されている点で異なっている。
【0029】
すなわち、本実施形態では、サージアブソーバが接続された回路にサージが印加されると、カーボン層15と放電電極1上部との間でグロー放電が最初に生じ、続いて放電電極1間で主放電であるアーク放電が生じることにより、サージ吸収が行われる。
なお、本実施形態でも、第3実施形態と同様に、カーボン層15がカーボンナノチューブで形成されているので、低電圧で動作可能となると共に、酸化され難い材料であるため、取り扱い性に優れている。
【0030】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0031】
例えば、上記第2実施形態では、他方の放電電極側にのみ間隙が形成されているが、他の形態として、一方の放電電極側にも間隙が形成されて、トリガ電極が両放電電極に対して間隙を介して対向しているものでも構わない。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
本発明のサージアブソーバによれば、トリガ電極がカーボンナノチューブで形成されている、又はカーボン層がカーボンナノチューブで形成されているので、電子放出能が高いカーボンナノチューブの電界集中効果により、低電圧で動作可能となると共に、酸化され難い材料であるため、取り扱い性に優れている。したがって、放電開始電圧が低く高性能かつ作製容易なサージアブソーバを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサージアブソーバの第1実施形態を示す斜視図及び要部断面図である。
【図2】本発明に係るサージアブソーバの第2実施形態を示す斜視図及び要部断面図である。
【図3】本発明に係るサージアブソーバの第3実施形態を示す斜視図及び要部断面図である。
【図4】本発明に係るサージアブソーバの第4実施形態を示す斜視図及び要部断面図である。
【符号の説明】
1 放電電極
2 ガラス容器(気密容器)
3 リード端子
4 スペーサ(誘電体部材)
5 トリガ電極
15 カーボン層
D 間隙
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信線、電源線、アンテナ等、電子機器が外部から信号や電力を得るための入力部に接続し、外部から浸入する異常電圧から電子機器を保護し、事故を未然に防ぐために使用されるサージアブソーバに関する。
【0002】
【従来の技術】
サージアブソーバは、電話機やモデム等の電子機器が通信線と接続する部分、或いはCRT駆動回路など、雷サージや静電気等の異常電圧による電撃を受けやすい部分に接続され、外部から浸入する異常電圧によって電子機器が破壊されるのを防ぐために使用されている。
【0003】
従来のサージアブソーバとしては、種々の構成のものが用いられているが、例えば、金属の棒からなる電極間に絶縁物からなるスペーサを用いて電極間間隔を保持し、このスペーサの表面に単なるカーボン或いは金属からなる線状の電極を形成していた(例えば、特許文献1参照)。
また、他のサージアブソーバとして、電極を封止している近傍のガラス内面上に非常に活性な金属を付着させたものも用いられている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−273800号公報(第3頁、図3等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のサージアブソーバでは、以下の課題が残されている。すなわち、スペーサ上の電極に単なるカーボン或いは金属を用いているため、十分な電界放出による電子供給ができず、低電圧化を図ることが困難であった。また、封止ガラス内面に活性な金属を付着させる場合、非常に活性な金属を取り扱う為に金属が酸化されやすく、取り扱いには非常に注意しなければならなかった。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、取り扱いが容易で低電圧動作が可能なサージアブソーバを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のサージアブソーバは、互いに一定の間隔を開けて配された一対の放電電極と、これらの放電電極を放電ガスと共に封じた絶縁性材料からなる気密容器と、該気密容器の内外を貫通すると共に一端が前記一対の放電電極に別々に接続された一対のリード端子と、前記一対の放電電極を支持する誘電体部材とを備えたサージアブソーバであって、前記誘電体部材の表面には、一対の前記放電電極にそれぞれ接触すると共に互いに間隙を介して対向状態に配された一対のトリガ電極が形成され、前記トリガ電極は、カーボンナノチューブで形成されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のサージアブソーバは、互いに一定の間隔を開けて配された一対の放電電極と、これらの放電電極を放電ガスと共に封じた絶縁性材料からなる気密容器と、該気密容器の内外を貫通すると共に一端が前記一対の放電電極に別々に接続された一対のリード端子と、前記一対の放電電極を支持する誘電体部材とを備えたサージアブソーバであって、前記誘電体部材の表面には、一方の前記放電電極に一端が接触又は間隙を介して対向状態に配されると共に他方の放電電極に他端が間隙を介して対向状態に配されたトリガ電極が形成され、該トリガ電極は、カーボンナノチューブで形成されていることを特徴とする。
【0009】
これらのサージアブソーバでは、トリガ電極がカーボンナノチューブで形成されているので、電子放出能が高いカーボンナノチューブの電界集中効果により、低電圧で動作可能となると共に、酸化され難い材料であるため、取り扱い性に優れている。
【0010】
本発明のサージアブソーバは、互いに一定の間隔を開けて配された一対の放電電極と、これらの放電電極を放電ガスと共に封じた絶縁性材料からなる気密容器と、該気密容器の内外を貫通すると共に一端が前記一対の放電電極に別々に接続された一対のリード端子とを備えたサージアブソーバであって、前記気密容器の内面かつ前記放電電極の近傍に、少なくとも一方の放電電極と非接触状態のカーボン層が形成され、該カーボン層は、カーボンナノチューブで形成されていることを特徴とする。
【0011】
このサージアブソーバでは、カーボン層がカーボンナノチューブで形成されているので、電子放出能が高いカーボンナノチューブの電界集中効果により、低電圧で動作可能となると共に、酸化され難い材料であるため、取り扱い性に優れている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るサージアブソーバの第1実施形態を、図1を参照しながら説明する。
【0013】
本実施形態のサージアブソーバは、図1の(a)(b)に示すように、互いに一定の間隔を開けて配された一対の棒状放電電極1と、これらの放電電極1を不活性ガスを主体とした放電ガスと共に封じたガラス容器(絶縁性材料からなる気密容器)2と、該ガラス容器2の底部で内外を貫通すると共に一端が一対の放電電極1に別々に接続された一対のリード端子3と、一対の放電電極1を支持するセラミックス等の誘電体部材であるスペーサ4とを備えている。
【0014】
上記スペーサ4の表面には、一対の放電電極1にそれぞれ接触すると共に互いにスペーサ4中央部の間隙Dを介して対向状態に配された一対のトリガ電極5が形成されている。また、このトリガ電極5は、カーボンナノチューブで形成されている。なお、上記間隔Dは、トリガ電極5がショートしない程度の間隔で1〜100μmの範囲内で設定される。
上記放電電極1は、リード端子3に接続されNi(ニッケル)等の高導電性金属からなる丸棒状部材1aの上半分表面に、BaO(酸化バリウム)等の耐スパッタ性膜1bが被膜されたものである。
【0015】
次に、本実施形態のサージアブソーバの製造方法を説明する。
【0016】
まず、スペーサ4の上面にカーボンナノチューブペーストを印刷する。この際、カーボンナノチューブペーストを、スペーサ4中央部において間隙Dを介して対向状態に印刷する。次に、スペーサ4に所定の間隔を開けて形成された一対の貫通孔に上記一対の放電電極1を挿入して固定する。なお、放電電極1は、予めリード端子3の先端に固定しておく。そして、この状態で焼成を行い、カーボンナノチューブからなるトリガ電極5をスペーサ4上に形成する。
【0017】
焼成後、この状態で、スペーサ4に固定された放電電極1をガラス管内に挿入し、内部に不活性ガス(例えば、H2,He,Ne,Ar,Xe等)を満たした状態でガラス管を溶かして上部と下部とを閉塞させて密閉状態のガラス容器2とする。この際、リード端子3を介して放電電極1がガラス容器2の内外を貫通するようにする。このようにして、本実施形態のサージアブソーバが作製される。このサージアブソーバでは、サージアブソーバが接続された回路にサージが印加されると、間隔Dを介して対向するトリガ電極5間でグロー放電が最初に生じ、続いて放電電極1間で主放電であるアーク放電が生じることにより、サージ吸収が行われる。
【0018】
このように本実施形態では、トリガ電極5がカーボンナノチューブで形成されているので、電子放出能が高いカーボンナノチューブの電界集中効果により、放電開始電圧が低くなると共に、酸化され難い材料であるため、取り扱い性に優れている。
【0019】
次に、本発明に係るサージアブソーバの第2実施形態を、図2を参照しながら説明する。
【0020】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、スペーサ4の上面に一対のトリガ電極5が形成されているのに対し、第2実施形態では、図2の(a)(b)に示すように、スペーサ4に、一方の放電電極1に一端が接触していると共に他方の放電電極1に他端が間隙Dを介して対向状態に配されたトリガ電極5が形成されている点で異なっている。
【0021】
すなわち、本実施形態では、サージアブソーバが接続された回路にサージが印加されると、間隔Dを介して対向するトリガ電極5先端と他方の放電電極1との間でグロー放電が最初に生じ、続いて放電電極1間で主放電であるアーク放電が生じることにより、サージ吸収が行われる。
また、本実施形態では、第1実施形態と同様に、トリガ電極5がカーボンナノチューブで形成されているので、放電開始電圧が低くなると共に、酸化され難い材料であるため、取り扱い性に優れている。
【0022】
次に、本発明に係るサージアブソーバの第3実施形態を、図3を参照しながら説明する。
【0023】
第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、スペーサ4により放電電極1を固定して支持し、スペーサ4上のトリガ電極5により初期放電を行っているのに対し、第3実施形態では、図3の(a)(b)に示すように、スペーサを搭載せず、放電電極1はガラス容器2の底部で固定し、支持していると共に、ガラス容器2の内面かつ放電電極1の近傍に、放電電極1と非接触状態のカーボン層15が形成され、該カーボン層15がカーボンナノチューブで形成されている点である。
【0024】
すなわち、本実施形態のサージアブソーバでは、サージアブソーバが接続された回路にサージが印加されると、カーボン層15と放電電極1下部との間でグロー放電が最初に生じ、続いて放電電極1間で主放電であるアーク放電が生じることにより、サージ吸収が行われる。
【0025】
次に、本実施形態のサージアブソーバの製造方法について説明すると、まず、放電電極1を封止するガラス容器2の下部内面に、予めカーボンナノチューブペーストを塗布しておく。次に、放電電極1とガラス容器2とを加熱して固定する際に、同時にカーボンナノチューブペーストを焼成して、カーボン層15を形成する。なお、カーボン層15とは反対側、すなわちガラス容器2の上部を封止する際に、内部のガスを不活性ガスで満たした状態でガラスを溶かして密閉することにより、本実施形態のサージアブソーバが作製される。
【0026】
本実施形態では、カーボン層15がカーボンナノチューブで形成されているので、第1及び第2実施形態と同様に、電子放出能が高いカーボンナノチューブの電界集中効果により、低電圧で動作可能となると共に、酸化され難い材料であるため、取り扱い性に優れている。
【0027】
次に、本発明に係るサージアブソーバの第4実施形態を、図4を参照しながら説明する。
【0028】
第4実施形態と第3実施形態との異なる点は、第3実施形態では、カーボン層15がガラス容器2の下部内面に形成されると共に、放電電極1はガラス容器2の下部のみで固定されているのに対し、第4実施形態では、図4の(a)(b)に示すように、カーボン層15がガラス容器2の上部内面に形成されると共に、放電電極1が第1及び第2実施形態のようにスペーサ4によっても固定されて支持されている点で異なっている。
【0029】
すなわち、本実施形態では、サージアブソーバが接続された回路にサージが印加されると、カーボン層15と放電電極1上部との間でグロー放電が最初に生じ、続いて放電電極1間で主放電であるアーク放電が生じることにより、サージ吸収が行われる。
なお、本実施形態でも、第3実施形態と同様に、カーボン層15がカーボンナノチューブで形成されているので、低電圧で動作可能となると共に、酸化され難い材料であるため、取り扱い性に優れている。
【0030】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0031】
例えば、上記第2実施形態では、他方の放電電極側にのみ間隙が形成されているが、他の形態として、一方の放電電極側にも間隙が形成されて、トリガ電極が両放電電極に対して間隙を介して対向しているものでも構わない。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
本発明のサージアブソーバによれば、トリガ電極がカーボンナノチューブで形成されている、又はカーボン層がカーボンナノチューブで形成されているので、電子放出能が高いカーボンナノチューブの電界集中効果により、低電圧で動作可能となると共に、酸化され難い材料であるため、取り扱い性に優れている。したがって、放電開始電圧が低く高性能かつ作製容易なサージアブソーバを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサージアブソーバの第1実施形態を示す斜視図及び要部断面図である。
【図2】本発明に係るサージアブソーバの第2実施形態を示す斜視図及び要部断面図である。
【図3】本発明に係るサージアブソーバの第3実施形態を示す斜視図及び要部断面図である。
【図4】本発明に係るサージアブソーバの第4実施形態を示す斜視図及び要部断面図である。
【符号の説明】
1 放電電極
2 ガラス容器(気密容器)
3 リード端子
4 スペーサ(誘電体部材)
5 トリガ電極
15 カーボン層
D 間隙
Claims (3)
- 互いに一定の間隔を開けて配された一対の放電電極と、これらの放電電極を放電ガスと共に封じた絶縁性材料からなる気密容器と、該気密容器の内外を貫通すると共に一端が前記一対の放電電極に別々に接続された一対のリード端子と、前記一対の放電電極を支持する誘電体部材とを備えたサージアブソーバであって、
前記誘電体部材の表面には、一対の前記放電電極にそれぞれ接触すると共に互いに間隙を介して対向状態に配された一対のトリガ電極が形成され、
前記トリガ電極は、カーボンナノチューブで形成されていることを特徴とするサージアブソーバ。 - 互いに一定の間隔を開けて配された一対の放電電極と、これらの放電電極を放電ガスと共に封じた絶縁性材料からなる気密容器と、該気密容器の内外を貫通すると共に一端が前記一対の放電電極に別々に接続された一対のリード端子と、前記一対の放電電極を支持する誘電体部材とを備えたサージアブソーバであって、
前記誘電体部材の表面には、一方の前記放電電極に一端が接触又は間隙を介して対向状態に配されると共に他方の放電電極に他端が間隙を介して対向状態に配されたトリガ電極が形成され、
該トリガ電極は、カーボンナノチューブで形成されていることを特徴とするサージアブソーバ。 - 互いに一定の間隔を開けて配された一対の放電電極と、これらの放電電極を放電ガスと共に封じた絶縁性材料からなる気密容器と、該気密容器の内外を貫通すると共に一端が前記一対の放電電極に別々に接続された一対のリード端子とを備えたサージアブソーバであって、
前記気密容器の内面かつ前記放電電極の近傍に、少なくとも一方の放電電極と非接触状態のカーボン層が形成され、
該カーボン層は、カーボンナノチューブで形成されていることを特徴とするサージアブソーバ。
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