JP2022132914A - 潤滑油供給油路構造 - Google Patents

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亮 柿実
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Abstract

【課題】潤滑油の供給安定性を確保しつつ、ベアリングへの潤滑油の導入を改善する。【解決手段】潤滑油供給油路構造は、回転体をケースに回転支持するベアリングの潤滑油供給油路構造であって、回転体の回転軸の内側に形成された第1油路と、第1油路と連通し回転軸の外側に設けられた第2油路と、第2油路と連通し回転体を貫通してベアリングに向けて開口する第3油路と、第2油路と第3油路との連結点よりも径方向外側の位置に設けられ、第2油路から供給される潤滑油の遠心方向への飛散を抑制する壁とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は潤滑油供給油路構造に関する。
特許文献1には、回転体であるクラッチハブがかき上げた潤滑油を第2、第3の通路を介してサイドベアリングに導き潤滑を行う潤滑構造が開示されている。
特開2010-242828号公報
回転体がかき上げた油をもとに潤滑を行う場合、回転体の回転速度に依存して油のかき上げ量が大きく変化する。このためこの場合は安定した潤滑油の供給が難しい。潤滑油の供給安定性を確保するためには、回転軸に内部油路を形成し、当該内部油路に圧送される潤滑油をベアリングに導くことが考えられる。ベアリングには、回転軸の内部油路から回転軸の外部油路を介して潤滑油を導くことが考えられる。
しかしながらこの場合、ベアリングに導入しようとする潤滑油が回転体の回転による遠心力で遠心方向に飛散する結果、ベアリングに対し潤滑油が十分供給されない虞がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、潤滑油の供給安定性を確保可能にしつつ、ベアリングへの潤滑油の導入を改善することを目的とする。
本発明のある態様の潤滑油供給油路構造は、回転体をケースに回転支持するベアリングの潤滑油供給油路構造であって、前記回転体の回転軸の内側に形成された第1油路と、前記第1油路と連通し前記回転軸の外側に設けられた第2油路と、前記第2油路と連通し前記回転体を貫通して前記ベアリングに向けて開口する第3油路と、前記第2油路と前記第3油路との連結点よりも径方向外側の位置に設けられ、前記第2油路から供給される潤滑油の遠心方向への飛散を抑制する壁とを備える。
この態様によれば、回転軸の内側に形成された第1油路を介してベアリングに潤滑油を供給するので、潤滑油の供給安定性が確保可能になる。また、壁が第2油路から供給される潤滑油の遠心方向への飛散を抑制するので、壁の径方向内側に潤滑油が留まり易くなる。結果、潤滑油が壁に妨げられることなく飛散していた場合と比較して、第3油路を介してベアリングに潤滑油が導入され易くなり、ベアリングへの潤滑油の導入も改善される。
本発明の実施形態に係る装置を備えたハイブリッド車両の概略構成図である。 回転電機の断面図である。 凸部の周辺部の拡大図である。 潤滑油供給油路構造の変形例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、車両100の概略構成図である。図1に示すように、車両100はハイブリッド車両であり、エンジン1と、エンジン1と駆動輪5とを結ぶ動力伝達経路に設けられた装置としての動力伝達装置10と、を備える。
本実施形態では、動力伝達装置10は変速機であって、バリエータ20と、前後進切換え機構30と、回転電機40と、を備える。
回転電機40は、動力伝達経路におけるバリエータ20とエンジン1との間に設けられる。
回転電機40は、ハウジング41と、ハウジング41のエンジン1側の開口部に設けられた固定部材としてのカバー42と、ハウジング41の内周に設けられたステータ43と、回転軸44と、回転軸44の外周に設けられたロータ80と、ロータ80と入力軸11とを断接するクラッチ48と、を備える。ロータ80は、ロータフレーム81と、ロータフレーム81の外周に設けられたコア82と、を備える。
回転電機40は、カバー42を動力伝達装置10のケース12にボルト(図示せず)で締結して動力伝達装置10に固定される。
入力軸11は、ベアリング50を介してカバー42に回転自在に支持されており、エンジン1の出力回転が入力される。また、回転軸44は、ベアリング51を介してハウジング41に回転自在に支持される。
クラッチ48は、ノーマルオープンの油圧式クラッチである。クラッチ48は、油圧コントロールバルブユニット(図示せず)によって調圧された油圧により、締結・解放が制御される。クラッチ48は湿式多板式クラッチとされる。
クラッチ48が締結されると、入力軸11とロータ80とが直結する。すなわち、入力軸11と回転軸44とが直結して同速回転する。
回転電機40は、バッテリ(図示せず)からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することができる。また、回転電機40は、ロータ80が駆動輪5から回転エネルギを受ける場合には発電機として機能し、バッテリを充電することができる。
バリエータ20は、V溝が整列するよう配設されたプライマリプーリ2及びセカンダリプーリ3と、プーリ2、3のV溝に掛け渡されたベルト4と、を有する。
プライマリプーリ2と同軸にエンジン1が配置され、エンジン1とプライマリプーリ2との間に、エンジン1の側から順に、回転電機40、前後進切換え機構30が設けられている。
前後進切換え機構30は、ダブルピニオン遊星歯車組30aを主たる構成要素とし、そのサンギヤは回転電機40の回転軸44に結合され、キャリアはバリエータ20のプライマリプーリ2に結合される。前後進切換え機構30は、さらに、ダブルピニオン遊星歯車組30aのサンギヤおよびキャリア間を直結する前進クラッチ30b、及びリングギヤを固定する後進ブレーキ30cを備える。そして、前進クラッチ30bの締結時には、回転軸44からの入力回転がそのままの回転方向でプライマリプーリ2に伝達され、後進ブレーキ30cの締結時には、回転軸44からの入力回転が逆転されてプライマリプーリ2へと伝達される。
前進クラッチ30bは、車両100の走行モードとして前進走行モードが選択された場合に油圧コントロールバルブユニットからクラッチ圧が供給されることで締結される。後進ブレーキ30cは、車両100の走行モードとして後進走行モードが選択された場合に油圧コントロールバルブユニットからブレーキ圧が供給されることで締結される。
プライマリプーリ2の回転は、ベルト4を介してセカンダリプーリ3に伝達され、セカンダリプーリ3の回転は、出力軸8、歯車組9及びディファレンシャルギヤ装置15を経て駆動輪5へと伝達される。
上記の動力伝達中にプライマリプーリ2及びセカンダリプーリ3間の変速比を変更可能にするために、プライマリプーリ2及びセカンダリプーリ3のV溝を形成する円錐板のうち一方を固定円錐板2a、3aとし、他方を軸線方向へ変位可能な可動円錐板2b、3bとしている。
これら可動円錐板2b、3bは、油圧コントロールバルブユニットからプライマリプーリ圧及びセカンダリプーリ圧を供給することにより固定円錐板2a、3aに向けて付勢され、これによりベルト4を円錐板に摩擦係合させてプライマリプーリ2及びセカンダリプーリ3間での動力伝達を行う。
変速に際しては、目標変速比に対応させて発生させたプライマリプーリ圧及びセカンダリプーリ圧間の差圧により両プーリ2、3のV溝の幅を変化させ、プーリ2、3に対するベルト4の巻き掛け円弧径を連続的に変化させることで目標変速比を実現する。
回転電機40と前後進切換え機構30との間には、回転電機40の周方向に沿って弧状に延伸するオイル供給部材としてのパイプ53と、前後進切換え機構30の回転電機40側を覆い、パイプ53を介して回転電機40と軸方向に対向する中間カバー31と、が設けられる。
パイプ53は、中間カバー31の内部に設けられた油路と接続されており、中間カバー31を介して供給された油を回転電機40側に形成された複数の孔53aから回転電機40のステータ43に向けて噴出させるようになっている。
中間カバー31には、ブッシュ54を介してスプロケット55が回転自在に支持されている。スプロケット55は、接続部材56を介して回転電機40の回転軸44と接続されており、スプロケット55はさらに、オイルポンプ6の入力軸6aに設けられたスプロケット6bとチェーン57で連結されている。これにより、回転電機40が回転すると、オイルポンプ6が駆動されて油圧コントロールバルブユニットに油が供給される。
ブッシュ54及びスプロケット55は、径方向においてパイプ53とオーバーラップする位置に設けられる。「径方向にオーバーラップする」とは、径方向から見たときに少なくとも一部が重なるように配置されることを意味する。また、チェーン57は、弧状のパイプ53の一端と他端との間、すなわち、パイプ53の切欠き部を通るように配置される。これにより、動力伝達装置10の軸方向のサイズを抑制することができる。
車両100は以上のように構成され、運転モードとして、バッテリから供給される電力によって回転電機40を駆動して回転電機40のみの駆動力によって走行するEVモードと、エンジン1のみの駆動力によって走行するエンジン走行モードと、エンジン1の駆動力と回転電機40の駆動力とによって走行するHEVモードと、を有する。
EVモードでは、車両100は、クラッチ48を解放し、前進クラッチ30b及び後進ブレーキ30cのいずれか一方を締結した状態で、バッテリからの電力によって回転電機40のみを駆動して走行する。
エンジン走行モードでは、車両100は、クラッチ48と、前進クラッチ30b及び後進ブレーキ30cのいずれか一方と、を締結した状態で、エンジン1のみを駆動して走行する。
HEVモードでは、車両100は、クラッチ48と、前進クラッチ30b及び後進ブレーキ30cのいずれか一方と、を締結した状態で、エンジン1と回転電機40とを駆動して走行する。
続いて、図2を参照しながら、回転電機40の構成について詳しく説明する。図2は、回転電機40の断面図である。
図2に示すように、ハウジング41は、外周側に設けられた筒状部41aと、内周側に設けられてハウジング41の内側に向かって延びる筒状部41bと、を有する。筒状部41aの内周には、ステータ43が固定される。筒状部41bは、ベアリング51を介して回転軸44を回転自在に支持する。
ステータ43は、ステータコア431とインシュレータ432とステータコイル433とを有して構成される。ステータコア431は薄板の電磁鋼板を多数積層して構成される。インシュレータ432は例えば樹脂製であり、ステータコア431に設けられステータコア431とステータコイル433とを絶縁する。ステータコイル433はインシュレータ432に巻き付けられる。
ハウジング41におけるパイプ53と対向する面には、周方向に沿って長穴状の開口部41cが形成されている。これにより、矢印で示すように、パイプ53の孔53aから噴出した油が、開口部41cを通ってステータコイル433に直接吹き付けられる。
結果、発熱するステータコイル433が効率よく冷却されるので、ステータ43を効率よく冷却でき、これにより回転電機40を効率よく冷却することができる。油は冷媒液に相当し、パイプ53は冷媒液供給部に相当する。なお、開口部41cの形状及び数は適宜設定可能である。
カバー42は、外周側が動力伝達装置10のケース12に固定される。また、カバー42は、内周側に設けられてハウジング41側に向かって延びる筒状部42aを有する。筒状部42aは、ベアリング50を介して入力軸11を回転自在に支持する。
筒状部42aと入力軸11との間には、外部への油の漏出を防止するためのシール部材59が設けられる。
回転軸44はエンジン1側で入力軸11に挿入される。入力軸11と回転軸44との間には、軸方向の荷重を受けるニードルベアリング60と径方向の荷重を受けるニードルベアリング61と、が設けられる。
入力軸11における前後進切換え機構30側の端部には、クラッチハブ62が溶接で固定される。クラッチハブ62は、外周側に設けられてエンジン1側に向かって延びる筒状部62aを有する。筒状部62aの外周には、スプライン結合によって軸方向に摺動自在にクラッチ48の複数のドライブプレート48aが取り付けられる。
回転軸44の外周には、ロータフレーム81が溶接で固定される。ロータフレーム81は、外周側に設けられた筒状部81aを有する。筒状部81aの外周には、コア82が固定される。
筒状部81aの内周には、スプライン結合によって軸方向に摺動自在にクラッチ48の複数のドリブンプレート48bが取り付けられる。リテーナプレート63は、ピストンアーム64とは反対側の端部に配置されたドリブンプレート48bと、筒状部81aの内周の溝に固定されたリング65との間に介装される。リテーナプレート63は、軸方向の厚みがドリブンプレート48bより厚く、ドライブプレート48a及びドリブンプレート48bの倒れを防止する。
油圧コントロールバルブユニットからピストン油室66に締結圧が供給されると、ピストン67がリターンスプリング68を圧縮しながらエンジン1側に向けて移動する。クラッチ48は、ニードルベアリング69及びピストンアーム64を介してピストン67から伝達される押圧力によって締結状態となる。ニードルベアリング69は、ピストン67がピストンアーム64の回転に伴って連れ回ることを抑制している。
回転電機40は潤滑油供給油路構造90を備える。潤滑油供給油路構造90は第1油路91、第2油路92、第3油路93及び第4油路94を有する。第1油路91は回転軸44の内部油路であり、回転軸44の内側に形成される。第1油路91は回転軸44を軸方向に貫通し、第1油路91には潤滑油が圧送される。第1油路91から延びる矢印は潤滑油の進行経路を示す。
第2油路92は回転軸44の外部油路であり、第1油路91と連通し回転軸44の外側に設けられる。第2油路92は入力軸11に挿入される部分の回転軸44と、回転軸44が挿入される部分の入力軸11とにより形成される油路を含み、当該油路にはニードルベアリング61が介在している。第2油路92はさらに回転軸44及びロータフレーム81のうち少なくとも回転軸44と、入力軸11及びクラッチハブ62のうち少なくとも入力軸11との軸方向に互いに対向する部分により形成される油路を含む。当該油路にはニードルベアリング60が介在している。第2油路92は第3油路93に連結する。第2油路92及び第3油路93の連結点Cより径方向外側には第4油路94が形成される。
第3油路93はロータフレーム81に設けられる。第3油路93は第2油路92に連通しロータフレーム81を貫通してベアリング51に向けて開口する。第3油路93は軸方向に延伸し、ベアリング51の側方からベアリング51に向けて開口する。ベアリング51には第3油路93を介して第2油路92から潤滑油が導入される。第3油路93は周方向に沿って複数設けることができる。
第4油路94は第2油路92とクラッチ48とを連通する。第4油路94はロータフレーム81と、クラッチハブ62及び入力軸11のうち少なくともクラッチハブ62との軸方向に互いに対向する部分により形成される。第4油路94は連結点Cに径方向外側から連結する。
第2油路92には貫通孔95が連通する。貫通孔95は入力軸11に形成され、第2油路92とベアリング50及びシール部材59間の空間とを連通する。当該空間にはさらに貫通孔96が連通する。貫通孔96は筒状部42aに形成され、当該空間と筒状部42aの外側空間とを連通する。第2油路92からは貫通孔95を介してベアリング50及びシール部材59にも潤滑油が導入される。また、貫通孔95を通過した潤滑油の一部はさらに貫通孔96を通過する。潤滑油供給油路構造90は貫通孔95、貫通孔96を第5油路、第6油路としてさらに含む構成と把握することもできる。
ロータフレーム81には凸部97が設けられる。凸部97は連結点Cよりも径方向外側の位置に設けられる。凸部97はクラッチハブ62と軸方向に対向する部分のロータフレーム81に設けられ、第4油路94に介在する。凸部97は円環状に設けられ、凸部97とクラッチハブ62との間には隙間が設けられる。凸部97は軸方向に沿って立ち上がる径方向内側の内周壁及び径方向外側の外周壁を有し、内周壁は第2油路92から遠心方向に飛散する潤滑油の障壁となって潤滑油の飛散を抑制する。
クラッチハブ62には張り出し部98が設けられる。張り出し部98はクラッチハブ62の外周側の部分で内周側の部分よりも軸方向に張り出す。張り出し部98は斜面を有し、斜面を介してクラッチハブ62の内周側の部分に接続する。
潤滑油供給油路構造90では、次のように潤滑油が供給される。すなわち、第1油路91に圧送された潤滑油は第2油路92に供給される。第2油路92に供給された潤滑油は第1油路91を流通していたときとは軸方向反対方向に流れの向きを変えて第2油路92を流通する。ニードルベアリング61にはこの際に潤滑油が供給される。潤滑油はその後、径方向に流れの向きを変えてニードルベアリング60を通過する。
ニードルベアリング60を通過して第2油路92から供給される潤滑油の一部は、回転軸44及びロータフレーム81の回転により遠心方向に飛散する。凸部97は、第2油路92から供給される潤滑油が遠心方向に飛散しても、内周壁により潤滑油の飛散を抑制する。結果、飛散が抑制される分、第3油路93を介してベアリング51に潤滑油が導入され易くなるので、ベアリング51への潤滑油の導入が改善される。
凸部97を乗り越えた潤滑油は、第4油路94を介して第3油路93よりも径方向外側の位置で回転軸44及びロータフレーム81と入力軸11及びクラッチハブ62とを駆動結合させるクラッチ48に導入される。このため、ベアリング51に導入されなかった潤滑油の有効利用も図られる。
凸部97は例えばロータフレーム81の代わりにクラッチハブ62に設けることもできる。本実施形態では凸部97をロータフレーム81に設けることで、さらに次に説明するようにベアリング51への潤滑油の導入が改善される。
図3は凸部97の周辺部の拡大図である。凸部97をロータフレーム81に設けた場合、飛散した潤滑油は凸部97に衝突した後、凸部97の基端側に形成される径方向内側の角隅部に捕集される。このため、クラッチハブ62に凸部97を設けた場合と比較して、ロータフレーム81に設けられた第3油路93を介してベアリング51に潤滑油が導入され易くなる。本実施形態では、遠心方向への潤滑油の飛散を円環状の凸部97より周方向全体に亘って抑制するので、例えば遠心方向に飛散した潤滑油を凸部97の径方向内側に偏在させた状態で、第3油路93を介してベアリング51に潤滑油を導入することができる。凸部97は径方向内側に留められる潤滑油を第3油路93に導くことが可能な範囲内で、第3油路93から径方向外側に離間して設けることができる。
張り出し部98の斜面でも、第2油路92から供給される潤滑油の遠心方向への飛散を抑制し、ベアリング51への潤滑油の導入を改善し得る。但し、張り出し部98の斜面が緩やかな場合(斜面角が軸方向に直交する面に対し45°より小さい場合)は、飛散を抑制した潤滑油が斜面に留められるよりも径方向外側に導かれ易くなる。
このため、張り出し部98で潤滑油の飛散を抑制するには、斜面角が軸方向に直交する面に対し45°より大きいことが好ましい。斜面角は軸方向に直交する面に対し90°を超える開度であってもよい。このことは、凸部97の径方向内側の壁を斜面で構成する場合についても同様である。張り出し部98も凸部97と同様、径方向内側に留められる潤滑油を第3油路93に導くことが可能な範囲内で、第3油路93から径方向外側に離間して設けることができる。
本実施形態では張り出し部98よりも径方向内側に凸部97が設けられており、凸部97が第4油路94の軸方向幅を狭めるほど、潤滑油の飛散は凸部97により抑制され易くなる。第4油路94の軸方向幅は凸部97により十分狭められている。このため、本実施形態では凸部97によって潤滑油の飛散が抑制され、張り出し部98によっては潤滑油の飛散は特段抑制されない。従って、本実施形態では張り出し部98は潤滑油の飛散を抑制する壁には相当しない。第4油路94の軸方向幅が凸部97により十分狭められていない場合、張り出し部98も第2油路92から供給される潤滑油の遠心方向への飛散を抑制する壁として機能させることができる。
本実施形態では凸部97が壁に相当する。また、回転軸44及びロータフレーム81が回転体に相当し、回転軸44が回転体の回転軸に相当する。ハウジング41はケースに相当し、入力軸11及びクラッチハブ62は回転軸44及びロータフレーム81で例示される回転体と異なる他の回転体に相当する。
次に本実施形態の主な作用効果について説明する。
(1)潤滑油供給油路構造90は、回転軸44及びロータフレーム81をハウジング41に回転支持するベアリング51の潤滑油供給油路構造である。潤滑油供給油路構造90は、回転軸44の内側に形成された第1油路91と、第1油路91と連通し回転軸44の外側に設けられた第2油路92と、第2油路92と連通しロータフレーム81を貫通してベアリング51に向けて開口する第3油路93と、第2油路92と第3油路93との連結点Cよりも径方向外側の位置に設けられ、第2油路92から供給される潤滑油の遠心方向への飛散を抑制する凸部97とを備える。
このような構成によれば、回転軸44の内側に形成された第1油路91を介してベアリング51に潤滑油を供給するので、潤滑油の供給安定性が確保可能になる。また、凸部97が第2油路92から供給される潤滑油の遠心方向への飛散を抑制するので、凸部97の径方向内側に潤滑油が留まり易くなる。結果、潤滑油が凸部97に妨げられることなく飛散していた場合と比較して、第3油路93を介してベアリング51に潤滑油が導入され易くなり、ベアリング51への潤滑油の導入も改善される。
(2)回転軸44及びロータフレーム81は、第3油路93よりも径方向外側の位置で回転軸44及びロータフレーム81と入力軸11及びクラッチハブ62とを駆動結合させるクラッチ48と連結する。第2油路92は、連結点Cに径方向外側から連結する第4油路94を介してクラッチ48に連通し、凸部97を乗り越えた潤滑油はクラッチ48に導入される。このような構成によれば、ベアリング51に導入されなかった潤滑油の有効利用を図ることもできる。
(4)凸部97はロータフレーム81に設けられる。このような構成によれば、クラッチハブ62に凸部97を設けた場合と比較して、ロータフレーム81に設けられた第3油路93を介してベアリング51に潤滑油を導き易くすることができ、ベアリング51への潤滑油の導入をさらに改善できる。
潤滑油供給油路構造90は次のように構成されてもよい。
図4は潤滑油供給油路構造90の変形例を示す図である。この例では、クラッチハブ62に凸部99がさらに設けられる。凸部99は回転軸44及びロータフレーム81に対向する対向部材としての入力軸11及びクラッチハブ62に設けられる。この例では凸部99はクラッチハブ62に設けられる。凸部99は第2油路92及び第3油路93の連結点Cよりも径方向外側の位置に設けられる。凸部99は円環状の形状を有し、内周面及び外周面は軸方向に沿って立ち上がる。凸部99は凸部97よりも径方向内側の位置に設けられ、第4油路94の軸方向幅は凸部99により十分に狭められている。
従って、この例では凸部99が第2油路92から供給される潤滑油の遠心方向への飛散を抑制する一方、凸部97は潤滑油の飛散を特段抑制しない。このためこの例では、凸部99が壁に相当し、凸部97は凸部99で例示される壁と異なる他の壁に相当する。凸部97は凸部99とともに第2油路92から供給される潤滑油の遠心方向への飛散を抑制するように構成されてもよい。
この例では、次のような作用効果が得られる。
(3)凸部99は凸部97とともにラビリンス構造の油路を形成する。ラビリンス構造は少なくとも一箇所で屈曲し、潤滑油の径方向外側への移動を抑制する。このため、ラビリンス構造の油路を有しない場合と比較して、凸部99の径方向内側に潤滑油が留まり易くなる。結果、第3油路93を介してベアリング51に潤滑油がさらに導入され易くなるので、ベアリング51への潤滑油の導入をさらに改善できる。
(4)凸部97と凸部99とは径方向位置が入れ替えられてもよい。この場合、ロータフレーム81に設けられた凸部97の径方向内側に潤滑油が溜り易くなるので、ロータフレーム81に設けられた第3油路93を介してベアリング51に潤滑油を導き易くなる。結果、ベアリング51への潤滑油の導入がさらに改善される。この場合、凸部97が壁に相当し、凸部99が他の壁に相当する。
張り出し部98の斜面は緩やかで、凸部97を乗り越えた潤滑油は軸方向より径方向に導かれ易いので、凸部97と張り出し部98とはラビリンス構造の油路を形成しない。斜面角が軸方向に直交する面に対し45°より大きい場合、凸部97を乗り越えた潤滑油は径方向より軸方向に導かれ易くなる。つまりこの場合は、径方向に進行していた潤滑油が径方向よりも軸方向に導かれ易くなるので、油路が屈曲しているとみなすことができる。このためこの場合は、凸部97と張り出し部98とはラビリンス構造の油路を形成しているとみなすことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば上述した実施形態では、凸部97が円環状に設けられる場合について説明した。しかしながら、凸部97は例えば第3油路93と周方向位置が重なるように円弧状に設けられてもよい。或いは、凸部97は例えば周方向において第3油路93に隣接して或いは第3油路93と周方向位置が部分的に重なるように第3油路93の両側に設けられるとともに、径方向内側に留められる潤滑油を第3油路93に導くようにハの字状に設けられてもよい。これらの場合でも、凸部97が設けられる結果、凸部97の径方向内側に潤滑油が留まり易くなるので、第3油路93を介したベアリング51への潤滑油の供給を改善できる。このことは凸部99についても同様である。
11 入力軸(他の回転体、対向部材)
41 ハウジング(ケース)
44 回転軸(回転体)
48 クラッチ
51 ベアリング
62 クラッチハブ(他の回転体、対向部材)
81 ロータフレーム(回転体)
90 潤滑油供給油路構造
91 第1油路
92 第2油路
93 第3油路
94 第4油路
97 凸部(壁、他の壁)
99 凸部(壁)
C 連結点

Claims (4)

  1. 回転体をケースに回転支持するベアリングの潤滑油供給油路構造であって、
    前記回転体の回転軸の内側に形成された第1油路と、
    前記第1油路と連通し前記回転軸の外側に設けられた第2油路と、
    前記第2油路と連通し前記回転体を貫通して前記ベアリングに向けて開口する第3油路と、
    前記第2油路と前記第3油路との連結点よりも径方向外側の位置に設けられ、前記第2油路から供給される潤滑油の遠心方向への飛散を抑制する壁と、
    を備える潤滑油供給油路構造。
  2. 請求項1に記載の潤滑油供給油路構造であって、
    前記回転体は、前記第3油路よりも径方向外側の位置で前記回転体と他の回転体とを駆動結合させるクラッチと連結し、
    前記第2油路は、前記連結点に径方向外側から連結する第4油路を介して前記クラッチに連通し、
    前記壁を乗り越えた潤滑油は、前記クラッチに導入される潤滑油供給油路構造。
  3. 請求項1又は2に記載の潤滑油供給油路構造であって、
    前記壁は、前記回転体及び前記回転体に軸方向に対向する対向部材の一方に設けられ、
    前記回転体及び前記対向部材の他方に設けられるとともに前記連結点よりも径方向外側の位置に設けられた他の壁をさらに有し、
    前記壁は、前記他の壁とともにラビリンス構造の油路を形成する潤滑油供給油路構造。
  4. 請求項1から3いずれか1項に記載の潤滑油供給油路構造であって、
    前記壁は、前記回転体に設けられる潤滑油供給油路構造。
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