JP2022132150A - 易接着ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】蒸着層への易接着性と白色性を有する易接着ポリエステルフィルムを提供する。【解決手段】ポリエステルフィルムの少なくとも片面に易接着層を有する易接着ポリエステルフィルムであり、易接着層表面から測定した際の白色度が75以上105以下、易接着ポリエステルフィルムの易接着層表面の中心面平均粗さSRaが10~45nmであり、かつ、前記易接着ポリエステルフィルムの総厚みが15~50μmである易接着ポリエステルフィルム。【選択図】なし
Description
本発明は易接着ポリエステルフィルムに関するものである。
近年におけるエレクトロニクス技術の発達によって電気電子機器の高性能化、小型化、軽量化が進むことに伴い、それらの材料も金属材料からプラスチック材料への転換が進んでいる。さらには、各材料においても、小型化、薄型化の要請は強く、フィルムについても例外ではない。そのため、それらの製品の筐体、部材に貼付けされるラベルにも、より薄く、かつ、優れた意匠性を求められており、将来的にもこれらの特性は継続的に要請されることが想定される。
一般的なラベル基材としては、紙がコスト面から多く使用されているが、防水性や寸法安定性等が必要な用途には白色化されたプラスチックが用いられている。しかし、従来のラベル基材は、良好な印字複写性等は有しているものの、その薄膜化やトータルでの軽量化には生産性やハンドリング性の観点から限りがある。
さらにラベル基材においては、印字性を維持しつつ、意匠性や取り扱い性を向上させる観点から蒸着工程を入れることも多い。当該用途においては、蒸着層の基材表面への密着性が重要であり、密着性向上のため、基材フィルムの上に、接着層が設けられることが一般的である。基材フィルムと蒸着層との密着性が乏しいと界面で剥離し、加飾層の外観を損なったり、剥離した層が他部材を汚染したりするのがその理由である。
基材フィルムに密着性を付与する方法としては、基材となるポリエステルフィルムの表面にコロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理等を行うことにより表面を活性化する方法、酸、アルカリ、アミン水溶液等の薬剤により表面をエッチングする方法、フィルム表面にアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の各種樹脂をプライマ層として設ける方法が知られている。(特許文献1~3)
前述のように電気電子機器用途のラベルについて、白色の基材フィルムが適用されている部材には、環境負荷の低減などの市場要求により薄膜化が求められている。かかる要求に応えるために、現行の白色ポリエステルフィルムを単に薄膜化すると、白色度が低下する。白色度を高めるためには、白色顔料の含有量を増加させる方法が挙げられるが、かかる方法を用いると生産性や蒸着層への接着性が下がり、従来の技術では達成は困難であることがわかった。
本発明の課題は、上記課題である白色性、生産性、蒸着層への接着性を併せ持つ、ポリエステルフィルムを提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、以下の構成を有する。
(1)ポリエステルフィルムの少なくとも片面に易接着層を有する易接着ポリエステルフィルムであり、易接着層表面から測定した際の白色度が75以上105以下、易接着ポリエステルフィルムの易接着層表面の中心面平均粗さSRaが10~45nmであり、かつ、前記易接着ポリエステルフィルムの総厚みが15~51μmである易接着ポリエステルフィルム。
(2)易接着表面の3次元表面突起数SPcと易接着層を設けた側とは反対の表面の3次元表面突起数SPcの差の絶対値が50個/0.2mm2以上である(1)に記載の易接着ポリエステルフィルム。ここで言う3次元表面突起数SPcとは3次元表面粗さ計(小坂研究所製、ET4000AK)を用い、触針法により、針径 2(μmR)、針圧 10(mg)、測定長 500(μm)、縦倍率 20000(倍)、CUT OFF 250(μm)、測定速度 100(μm/s)、測定間隔 5 (μm)、記録本数 80本、ヒステリシス幅 ±6.25(nm)、基準面積 0.1(mm2)の各条件で測定を行った時に得られる、粗さ曲面の中心面の高さをゼロベースラインとして、2.5nmを超える突起個数をフィルム表面0.2mm2当たりでカウントしたものである。
(3)前記易接着層の厚みが15~250nmである、(1)または(2)に記載の易接着ポリエステルフィルム。
(4)前記ポリエステルフィルムは、3層積層構成である(1)~(3)のいずれかに記載の易接着ポリエステルフィルム。
(5)前記ポリエステルフィルムの易接着層を有する側の表面層(A層)が粒子含有量が0.1質量%未満である(4)に記載の易接着ポリエステルフィルム。
(6)前記ポリエステルフィルムの内層(B層)に、粒子が10~40質量%含有してなる(4)または(5)に記載の易接着ポリエステルフィルム。
(7)ポリエステルフィルムは、A層/B層/C層の3種3層構成である、(4)~(6)のいずれかに記載の易接着ポリエステルフィルム。
(8)前記ポリエステルフィルムのA層と反対側の表層を構成する層であるC層が、粒子含有量が0.1質量%未満である層である(4)~(7)のいずれかに記載の易接着ポリエステルフィルム。
(9)前記易接着ポリエステルフィルムの易接着層の上面に蒸着層を設けて使用される(1)~(8)のいずれかに記載の易接着ポリエステルフィルム。
(1)ポリエステルフィルムの少なくとも片面に易接着層を有する易接着ポリエステルフィルムであり、易接着層表面から測定した際の白色度が75以上105以下、易接着ポリエステルフィルムの易接着層表面の中心面平均粗さSRaが10~45nmであり、かつ、前記易接着ポリエステルフィルムの総厚みが15~51μmである易接着ポリエステルフィルム。
(2)易接着表面の3次元表面突起数SPcと易接着層を設けた側とは反対の表面の3次元表面突起数SPcの差の絶対値が50個/0.2mm2以上である(1)に記載の易接着ポリエステルフィルム。ここで言う3次元表面突起数SPcとは3次元表面粗さ計(小坂研究所製、ET4000AK)を用い、触針法により、針径 2(μmR)、針圧 10(mg)、測定長 500(μm)、縦倍率 20000(倍)、CUT OFF 250(μm)、測定速度 100(μm/s)、測定間隔 5 (μm)、記録本数 80本、ヒステリシス幅 ±6.25(nm)、基準面積 0.1(mm2)の各条件で測定を行った時に得られる、粗さ曲面の中心面の高さをゼロベースラインとして、2.5nmを超える突起個数をフィルム表面0.2mm2当たりでカウントしたものである。
(3)前記易接着層の厚みが15~250nmである、(1)または(2)に記載の易接着ポリエステルフィルム。
(4)前記ポリエステルフィルムは、3層積層構成である(1)~(3)のいずれかに記載の易接着ポリエステルフィルム。
(5)前記ポリエステルフィルムの易接着層を有する側の表面層(A層)が粒子含有量が0.1質量%未満である(4)に記載の易接着ポリエステルフィルム。
(6)前記ポリエステルフィルムの内層(B層)に、粒子が10~40質量%含有してなる(4)または(5)に記載の易接着ポリエステルフィルム。
(7)ポリエステルフィルムは、A層/B層/C層の3種3層構成である、(4)~(6)のいずれかに記載の易接着ポリエステルフィルム。
(8)前記ポリエステルフィルムのA層と反対側の表層を構成する層であるC層が、粒子含有量が0.1質量%未満である層である(4)~(7)のいずれかに記載の易接着ポリエステルフィルム。
(9)前記易接着ポリエステルフィルムの易接着層の上面に蒸着層を設けて使用される(1)~(8)のいずれかに記載の易接着ポリエステルフィルム。
本発明により、蒸着層への易接着性と白色性を有する易接着ポリエステルフィルムを提供することが出来る。
以下、本発明の易接着ポリエステルフィルムについて詳細に説明する。
本発明におけるポリエステルとは、ジカルボン酸由来の構造単位(ジカルボン酸成分)とジオール由来の構造単位(ジオール成分)のエステル結合により形成されるポリマーを指す。
ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、4,4’-ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’-ジフェニルスルホンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、および、各種芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸とのエステル誘導体が挙げられる。これらのジオール成分はエチレングリコール以外に1種類のみでもよく、2種類以上を併用してもよい。
また、ジオール成分としては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2-ビス(4-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、スピログリコールなどを挙げることができる。これらのジカルボン酸成分はエチレングリコール以外に1種類のみでもよく、2種類以上を併用してもよい。
これらのジカルボン酸成分、ジオール成分の中でも、耐溶剤性、耐熱性の観点から、ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸が好ましく、ジオール成分としては、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、イソソルベート、スピログリコールが好ましく用いられる。耐溶剤性、耐熱性に加え、製造コストの観点からは、テレフタル酸とエチレングリコールの組合せが最も好ましい。
本発明の易接着ポリエステルフィルムを構成するポリエステルが、テレフタル酸とエチレングリコールの組合せからなる、いわゆるポリエチレンテレフタレートとなる場合、テレフタル酸以外のジカルボン酸成分は、ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分100モル%に対して0モル%以上20モル%以下が好ましく、0モル以上10モル%以下がより好ましく、0モル%以上2モル以下がさらに好ましく、特に好ましくは、0モル%、すなわちジカルボン酸成分がテレフタル酸成分のみからなる構成である。テレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分が全ジカルボン酸成分100モル%に対して20モル%を超えると、ポリエステルフィルムの融点が低下したり結晶性が低下したりして、耐熱性が不十分となったり、厚みムラが大きくなる場合がある。
また、本発明の易接着ポリエステルフィルムを構成するポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートとなる場合、エチレングリコール以外のジオール成分は、ポリエステルを構成する全ジオール成分100モル%に対して0モル%以上33モル%以下が好ましく、0%モル以上10モル%以下がより好ましく、0モル%以上5モル%以下がさらに好ましく。特に好ましくは0モル%、すなわちジオール成分がエチレングリコールのみからなる構成である。エチレングリコール以外のジオール成分が全ジオール成分100モル%に対して33モル%を超えると、ポリエステルフィルムの融点が低下したり結晶性が低下したりして、耐熱性が不十分となったり、厚みムラが大きくなる場合がある。
本発明のポリエステルフィルムは、その積層の有無および積層の層数に制限はないが、3層以上の積層構造を有するポリエステルフィルムであることが好ましい。3層以上の積層構造を有するポリエステルフィルムの少なくとも一方の表層を構成する層(A層)の表面に易接着層を有し、前記A層における粒子含有量が0.1質量%未満であり、前記ポリエステルフィルムが粒子を前記ポリエステルフィルム全体に対して10~35質量%含有することが好ましく、より好ましくは、12~30質量%であり、さらに好ましくは、14~28質量%である。ポリエステルフィルムが前述の3層以上の積層であるとき、前記ポリエステルフィルムの表層を有さない層(B層)が粒子を含有することが好ましい。またB層の少なくとも片面に前述の粒子含有量が0.1質量%未満であるポリエステル層(A層)を有することが好ましい。粒子を含有する層(B層)の少なくとも片面にポリエステル層(A層)を有し、かつ、該層が少なくとも片面の表層を構成することで、ポリエステルフィルムの生産性や走行安定性を向上し、かつ、ポリエステルフィルムの製造工程におけるB層の粒子脱落による汚染を防止することができる。また、A層が構成する表面は、片面でも両面でも良く、A層/B層/A層(2種3層)、A層/B層/C層(3種3層)といった層構成が好ましい態様として選択できる。
このとき、A層の反対側の表層を構成する層は粒子含有量が0.1質量%未満である層であることが好ましい。粒子を含有する層の両面に、粒子含有量が0.1質量%未満であるポリエステル層を設けることで、フィルムの生産性や走行安定性をさらに向上させ、後述する易接着層との密着性を向上させることもできる。本発明のポリエステルフィルムにおいては、前述の3層構成が好ましいが、白色性や生産性、その他特性を損なわない限り、4層以上の構成を取ってもよい。また、各層には、その特性を損なわない限り、帯電防止剤や界面活性剤等、他の添加物を添加した層であってもよい。前述のA層、B層を持つ構成として、A層/B層の2層構成を取ると、蒸着工程やそれ以降の白色ラベルに加工する工程においてカールが発生しやすくなる場合がある。例えば、蒸着工程でカールが発生すると、易接着ポリエステルフィルムと蒸着層との密着性に劣る場合がある。白色ラベルに加工する工程でカールが発生すると、ラベルとしての取り扱い性に劣る場合がある。
本発明の易接着ポリエステルフィルムのポリエステルフィルムが前述の3層構成を有する場合、両表層の厚みの合計と、積層ポリエステルフィルム全体の厚みの比(積層ポリエステルフィルムの両表層の厚みの和)/(積層ポリエステルフィルム全体の厚み)が0.07以上0.20以下であることが好ましい。0.07以上とすることで、製膜性が良好となり、0.20以下とすることで白色性・隠蔽性に優れる。
本発明の易接着ポリエステルフィルムのポリエステルフィルムが前述の3層構成を有する場合、粒子をポリエステルフィルムの内層(B層)に対して15~40質量%含有していることが、実施の好ましい態様である。より好ましくは、15~35質量%であり、さらに好ましくは、18~30質量%である。粒子を前述の下限以上とすると、ポリエステルフィルムの白色性や隠蔽性が良好となり、粒子を前述の上限以下とすると、ポリエステルフィルムの製膜性が良好となる。粒子としては、白色顔料を用いることが好ましい。すなわち本発明の易接着ポリエステルフィルムの積層ポリエステルフィルムは、白色顔料を積層ポリエステルフィルム全体に対して10~35質量%含有していることが、より好ましい態様である。白色顔料としては、炭酸カルシウム、珪酸アルミ、リン酸カルシウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化ランタン、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛(鉛白)、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛、硫化亜鉛、マイカ、雲母チタン、タルク、クレー、カオリン、フッ化リチウムおよびフッ化カルシウム等を使用することができる。白色度向上の観点からは、より好ましくは、酸化チタンと炭酸カルシウムまたは硫酸バリウムが選択される。なお、無機粒子の粒径としては、数平均粒径で0.1μm以上3.0μm以下のものを使用することが優れた反射性、隠蔽性を実現する上で好適である。なお、各層における粒子の含有量の測定方法は実施例に記載のポリエステルフィルムの各層における粒子含有量の測定方法で求めることとする。
本発明の易接着ポリエステルフィルムのポリエステルフィルムは、少なくとも片面の表層を構成するA層において、粒子含有量が0.1質量%未満であることが好ましい態様である。ここで言う粒子とは、無機粒子、有機粒子のいずれか一方もしくは両方が選択される。0.1質量%未満とすることで、ポリエステルフィルムの平滑性が良好となり、蒸着加工工程において蒸着抜け等の問題の発生を抑制できる。製膜性の観点からは、少なくとも片面の表層を構成するA層において、粒子をA層全体に対して0.02~0.08質量%含有することが好ましい。一方でフィルムの走行安定性、ポリエステルフィルムロールのシワの抑制性、巻取性の観点からは、ポリエステルフィルムの少なくとも一方の表層は粒子を含有することが好ましい。そのため、A層が形成する表層の反対側の表層(C層)においては、粒子の含有量が0.1質量%を超える層を有することも好ましい態様の一つである。一方、A層とC層のポリエステル組成や粒子含有量の違いが大きいと、蒸着工程やそれ以降の白色ラベルに加工する工程においてカールが発生しやすくなるため、これらの工程においては、A層とC層の組成は近いほど、易接着ポリエステルの取り扱い性は向上する。この観点からは、A層が形成する表層の反対側の表層(C層)も、当該層における粒子含有量が0.1質量%未満であることが好ましい。
本発明に用いられる無機粒子としては特に指定は無いが、湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ等のシリカ粒子や、上記白色顔料を使用することができる。有機粒子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フッ素樹脂などが好適に用いられるが、製膜性や蒸着層との密着性との観点からは、シリカ粒子、酸化チタン、硫酸バリウムが好ましく用いられる。
本発明の易接着ポリエステルフィルムにおいては、総厚みが15~51μmであることが肝要である。好ましくは、15~50μm、より好ましくは、15~40μm、さらに好ましくは、15~35μmである。総厚みがこの範囲に入ることで、電子機器等、薄さと白さが要求されるラベル部材として好適なフィルムを得ることが出来る。また、総厚みを15μm以上に厚くすることで、白色性と共に製膜性を良好とすることができる。また、総厚みを前述の上限以下とすることで、ラベルとしての加工時や、特に小型の部材への貼り付け時にハンドリング性を良好とすることができる。なお、各層の厚みや総厚みは実施例に記載の方法で求めるものとする。
本発明の易接着ポリエステルフィルムは、密度が1.20~1.50g/cm3であることが好ましい。密度がこの範囲に入ることで、総厚みが15~51μmという薄膜でありながら、高い白色性を持つ易接着ポリエステルフィルムの生産性を維持することが出来る。密度が1.20g/cm3未満である場合は、粒子の周辺に形成される空隙が多くなりすぎたり、空隙が大きくなりすぎたりすることで、製膜性に劣る場合がある。1.50g/cm3より高い場合は、粒子が多くなりすぎて、ポリエステルフィルムの延伸時の破断が発生しやすく、生産性に劣る場合がある。より好ましくは、1.25~1.45g/cm3である。なお、密度は実施例に記載の方法で求めるものとする。
本発明の易接着ポリエステルフィルムにおいては、前記積層ポリエステルフィルムのA層側表面に易接着層を有することが肝要である。粒子含有量が0.1質量%未満であるA層側表面に易接着層を有することが好ましい。前記、A層表面に易接着層を有する易接着ポリエステルフィルムとすることで、蒸着層と易接着ポリエステルフィルムの層間密着性を付与し、総厚みが15~51μmの易接着ポリエステルフィルムにおいても蒸着層積層後の各工程における取り扱い性を高めると共に、印字後のラベルにおいても高いレベルの品位を得ることが可能となる。易接着層を有さない場合や、易接着層を設けるポリエステルフィルムの表層が粒子を含有する場合、蒸着層の剥がれや蒸着ムラが発生し、ラベルとして使用した時に蒸着片の散乱や蒸着層の割れ、ヒビ、欠け等により見た目や耐久性に劣ることとなる。
なお、本発明において、易接着層とは、日立製作所製S-2100A形走査型電子顕微鏡を用いて倍率10000倍にて、易接着ポリエステルフィルムの断面を観察した時に、ポリエステルフィルムの表層側に観察される厚さ0.4μm以下の樹脂層のことを指す。
本発明の易接着ポリエステルフィルムの易接着層は、ポリエステルフィルムの少なくとも一面に、樹脂組成物を塗布して、加熱し、易接着層を形成せしめる工程によって得られることが好ましい態様として挙げられる。この形成方法において、樹脂組成物を構成する樹脂は、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂、アクリル樹脂などの各種バインダー樹脂から選ばれる1種または2種以上の混合物であり、前記樹脂組成物には、イソシアネート化合物、メラミン化合物、カルボジイミド化合物などの架橋剤、架橋触媒、易滑剤、界面活性剤、酸化防止剤、熱開始剤などの各種添加剤を含んでいてもよい。
前述の製造方法においては、樹脂組成物をポリエステルフィルム上に塗布する際に、樹脂組成物には溶媒が含まれていることが好ましい。すなわち、前述の樹脂組成物を溶媒に溶解または分散せしめて、樹脂組成物とし、これをポリエステルフィルムに塗布してもよい。塗布後に、溶媒を乾燥させ、かつ加熱することで易接着層が積層された易接着ポリエステルフィルムを得ることができる。なお、本発明では、溶媒としては、水、または水とメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類など水に可溶である有機溶媒が任意の比率で混合させているものを指す。特に水の比率が高いほど、加熱工程での急激な蒸発を抑制し、均一な樹脂層を形成できるだけでなく、環境負荷の点で優れているため、好ましい。
本発明の易接着ポリエステルフィルムにおいては、易接着層の中心面平均粗さSRaが10~45nmであることが重要である。表面の粗さを制御する方法としては、易接着層や、易接着層を設けるポリエステルフィルムの表面を有する層に含有する粒子の粒子含有量や粒子径を制御する方法や、易接着層表面や易接着層を設けるポリエステルフィルム表面に微細加工(エンボス加工やプラズマ処理)をする方法が挙げられる。表面粗さ形成に使用される粒子は、公知の粒子であればよく、たとえば、内部粒子、無機粒子、有機粒子が挙げられる。無機粒子としては、例えば、湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミ、マイカ、カオリン、クレーなど、有機粒子としては、スチレン、シリコーン、アクリル酸類、メタクリル酸類、ポリエステル類、ジビニル化合物などを構成成分とする粒子を使用することができる。なかでも、湿式および乾式シリカ、アルミナなどの無機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸、メタクリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼンなどを構成成分とする粒子を使用することが好ましい。さらに、これらの内部粒子、無機粒子および有機粒子は二種以上を併用してもよい。
易接着層表面の中心面平均粗さSRaを前述の下限以上とすると、フィルムの滑り、エア抜け性を良好にすることができ、フィルム巻き取り工程での凹凸欠点等の発生を抑制し、生産性を良好にすることができる。また、易接着層表面の表面粗さ中心面平均粗さSRaを前述の上限以下とすると、蒸着工程における蒸着層の性能を良好にすることができる。生産性と蒸着性能の観点からより好ましくは、10~40nmが好ましい。表面粗さを制御する方法は、前述した方法が挙げられる。しかしながら、本発明の易接着ポリエステルフィルムはかかる方法により得られたフィルムに限定して解釈されるものではない。 本発明の易接着ポリエステルフィルムの易接着層表面の反対面の中心面平均粗さSRaについては、特に限られるものでは無いが、フィルムの走行安定性、取り扱い性、生産性の観点からは、10~250nmであることが好ましい。易接着層表面の反対面の表面粗さ中心面平均粗さSRaを前述の下限以上とすることでフィルムの滑り、エア抜け性を良好にすることができ、フィルム巻き取り工程での凹凸欠点等の発生を抑制し、生産性を良好にすることができる。易接着層表面の反対面の表面粗さ中心面平均粗さSRaを前述の上限以下とすると、フィルムがカールして取り扱い性が悪化するのを抑制できる。なお、各表面における中心面平均粗さSRaは実施例に記載の方法で求めるものとする。
一方で大きな突起が易接着層中に存在すると、当該突起部分で蒸着層が安定せず、易接着性に劣ることがあることがわかった。突起数と蒸着層の安定性を鋭意検討した結果、0.2mm2における、突起高さ2.5mmを超える突起の個数である、3次元表面突起数SPcに一定の相関が有ることが判明した。本発明の易接着ポリエステルフィルムの3次元表面突起数SPcは、50個/0.2mm2以上であることが好ましい。
ここで言う3次元表面突起数SPcとは3次元表面粗さ計(小坂研究所製、ET4000AK)を用い、触針法により、針径 2(μmR)、針圧 10(mg)、測定長 500(μm)、縦倍率 20000(倍)、CUT OFF 250(μm)、測定速度 100(μm/s)、測定間隔 5 (μm)、記録本数 80本、ヒステリシス幅 ±6.25(nm)、基準面積 0.1(mm2)の各条件で測定を行った時に得られる、粗さ曲面の中心面の高さをゼロベースラインとして、2.5nmを超える突起個数をフィルム表面0.2mm2当たりでカウントしたものである。
本発明の易接着ポリエステルフィルムの易接着層表面の反対面については、3次元表面突起数SPcは、特に限られるものでは無く、フィルムの走行安定性、取り扱い性、エア抜け性に影響を与えることはない。ただし、易接着層表面と、その反対面の3次元表面突起数SPcの差の絶対値は、50個/0.2mm2以上であることが好ましい。50個/0.2mm2以上とすることでフィルムの滑り、エア抜け性を良好にすることができ、かつ、易接着層と蒸着層の密着性を確保できる。前述のSPcの差の絶対値については、上限は特に定められないが、大きくするためには、易接着層の作製において、粒子含有塗材を多量に適用する必要が有り、粒子脱落による工程汚染の懸念や、生産コストに劣る場合があるため、200個/0.2mm2以下が好ましい態様である。なお、各表面における3次元表面突起数SPcは実施例に記載の方法で求めるものとする。本発明の易接着ポリエステルフィルムにおいては、易接着層表面の中心面平均粗さSRaが上述の範囲であることが肝要であり、3次元表面突起数SPcが上述の範囲に有ることが好ましく、かつ、前記A層における粒子含有量が0.1質量%未満であることが好ましいことは上述の通りである。本発明者らが鋭意検討した結果、蒸着層への易接着性は、易接着ポリエステルフィルムの光沢度と相関を有することがわかった。すなわち、本発明においては、易接着ポリエステルフィルムは、易接着層側表面の光沢度は、70~100%であることが好ましい。より好ましくは75~97%である。光沢度が70%以上とすることで、光が乱反射をしない程度に表面の平滑性が良好であり、蒸着層との密着性が良好となる。光沢度が100%以下とすることで、光が適度に乱反射する程度にフィルム表面に凹凸が形成されており、易接着ポリエステルフィルムの巻取性を良好にできる。なお、光沢度は実施例に記載の方法で求めるものとする。
本発明の易接着ポリエステルフィルムにおける易接着層は、厚みが100~250nmであることが好ましい。より好ましくは120~220nmである。易接着層の厚みを前述の下限以上とすることで、蒸着層との密着性を良好にすることができ、また、易接着層に含有させた粒子、あるいは、易接着層に接するポリエステルフィルムの表層に含有する粒子が脱落することで蒸着ムラになったり周辺部材を汚染したりすることを抑制できる。また、易接着層の厚みを前述の上限以下とすることで、易接着層の塗布工程における溶媒の量を少なくできるため、塗布後の乾燥工程で蒸発が不十分なことによる工程の汚染やフィルムの破れの発生を抑制でき生産性を良好にできる。
本発明の易接着ポリエステルフィルムは、易接着層のぬれ張力が、50mN/m以上であることが好ましい。本発明の発明者らが鋭意検討した結果、易接着層のぬれ性は、蒸着層を設けた際の蒸着層と易接着層の密着性に相関を有することが判った。密着性の観点からは、より好ましくは53mN/m以上65mN/m以下である。ぬれ性が50mN/m以上とすることで、蒸着層と易接着層の密着性が良好で、蒸着層が剥がれ、ラベルとして組み込んだ時に周辺部材を汚染する場合を抑制できる。ただし、ぬれ性が50mN/m以上であっても、易接着層表面の粗さ中心面平均粗さSRaが40nmより粗い場合は、蒸着層が部分的に剥がれる場合が有るため、より好ましい態様として、易接着層表面の粗さ中心面平均粗さSRaが40nmであり、かつ、易接着層のぬれ張力を50mN/m以上とすることが挙げられる。なお、易接着のぬれ張力は実施例に記載の方法で求めるものとする。
本発明の易接着ポリエステルフィルムに対しては、前記A層における粒子含有量が0.1質量%未満であることが好ましい態様であるが、表面粗さを上述の範囲とするためには、易接着層についても、それに近い態様が好ましい。粒子を含有する場合は、その数平均粒子径として、0.05~0.50μmのものが好適に用いられる。より好ましくは0.05~0.30μm、さらに好ましくは0.07~0.15μmである。粒子径を前述の上限以下の大きさとすることで、粒子脱落によりラベルおよび周辺部材を汚染したり、蒸着層が粒子部分より剥がれたりすることを抑制できる。粒子径を前述の下限以上とすることで、易接着層の平滑性を良好にしつつ、走行性を良好にすることができる。粒子の含有量としては、易接着層を構成する樹脂を100質量部として、0.5~3.0質量部が易接着ポリエステルフィルム表面の粗さを維持する観点からは好ましい。より好ましくは0.7~2.5質量部である。前述の上限以下とすることで、粒子脱落による工程およびラベル周辺部材を汚染するのを抑制でき、前述の下限以上とすることで、走行性を良好にできる。
なお、実施例に記載の方法で求められる易接着層における面積基準での粒子含有量について、0.2~3.5%であることが好ましく、0.4~3.0%であることがより好ましい。前述の上限以下とすることで、粒子脱落による工程およびラベル周辺部材を汚染するのを抑制でき、前述の下限以上とすることで、走行性を良好にできる。なお、前記粒子径は実施例に記載の方法で求める数平均粒子径のことを指す。
本発明の易接着ポリエステルフィルムについて、前記易接着層は、上述の粒子の脱落および、蒸着層の剥がれを抑制する関連から、バインダー樹脂を含むことが好ましい態様である。
本発明にかかるバインダー樹脂層としては、特に限定されないが、有機成分を主体とする樹脂が好ましく、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、あるいは2種以上の共重合体もしくは混合物としたものを用いてもよい。中でもポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルもしくはメタクリル樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂が耐熱性、粒子分散性、塗布性、基材との屈折率差の点から特に好ましく使用される。
本発明の易接着ポリエステルフィルムは、白色度が75以上105以下であることが重要である。白色度をこの範囲とすることで、易接着ポリエステルフィルムの白さと生産性の両立が可能となる。白色度を75以上とすることで、ラベルとしての白色性、隠蔽性を良好にすることができる。白色度を105以下とすることで、添加する粒子が多いことによるポリエステルフィルム生産中の破断を抑制し、生産性を良好にすることができる。なお、白色度は実施例に記載の方法で求めるものとする。
本発明の易接着ポリエステルフィルムは、長手方向および幅方向の破断強度がいずれも100~210MPaであることが好ましい。なお、本発明における長手方向とは、フィルムの製膜方向であり、幅方向とは製膜方向と直交する方向をあらわす。破断強度を前述の下限以上とすることでフィルムの剛性を高くでき、後工程でフィルムが破断する等の不具合が発生するのを抑制できる。破断強度が前述の上限以下とすることで打ち抜き工程で加工設備を傷める等の不具合が発生するのを抑制できる。加工性の観点からより好ましくは、150MPa以上200MPa以下が好ましい。破断強度を制御する方法は、ポリエステルフィルムに粒子等の結晶核剤を含有させ、ポリエステルフィルムの結晶性を制御する方法や、延伸方法・延伸温度・延伸倍率を調整する方法が挙げられる。しかしながら、本発明の易接着ポリエステルフィルムを得る方法はこれらに限定されない。なお、各方向における破断強度は実施例に記載の方法で求めるものとする。
次に、本発明の易接着ポリエステルフィルムの好ましい製造方法を以下に説明するが、本発明はかかる例に限定して解釈されるものではない。
ポリエステルを押出機に供給し溶融押出する。この際、押出機内を流通窒素雰囲気下で、酸素濃度を0.7体積%以下とし、樹脂温度は265℃~295℃に制御することが好ましい。また、2種類以上の異なる層を積層させる場合はそれぞれ別々の押出機に供給して溶融押出した後、フィードブロック、マルチマニホールドなどの装置を使用して各溶融押出ポリマーを合流させて積層状態にする。
ついで、フィルターやギヤポンプを通じて、異物の除去、押出量の均整化を各々行い、Tダイより冷却ドラム上にシート状に吐出する。その際、高電圧を掛けた電極を使用して静電気で冷却ドラムと樹脂を密着させる静電印加法、キャストドラムと押出したポリマーシート間に水膜を設けるキャスト法、キャストドラム温度をポリエステル樹脂のガラス転移点~(ガラス転移点-20℃)にして押出したポリマーを粘着させる方法、もしくは、これらの方法を複数組み合わせた方法により、シート状ポリマーをキャストドラムに密着させ、冷却固化し、未延伸フィルムを得る。これらのキャスト法の中でも、ポリエステルを使用する場合は、生産性や平面性の観点から、静電印加する方法が好ましく使用される。キャストドラムの表面温度は、延伸性の観点から、25℃以下が好ましい。
本発明の易接着ポリエステルフィルムのポリエステルフィルムは、高温での加工適性、厚みムラの抑制などの観点から、二軸配向フィルムとすることが好ましい。二軸配向フィルムは、未延伸フィルムを長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する、あるいは、幅方向に延伸した後、長手方向に延伸する逐次二軸延伸方法により、または、フィルムの長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方法などにより延伸を行うことで得ることができる。
かかる延伸方法における延伸倍率としては、長手方向に、好ましくは、2.8倍以上3.5倍以下、さらに好ましくは3倍以上3.3倍以下が採用される。また長手方向の延伸温度は、95℃以上130℃以下が好ましく、延伸前に85℃で1秒以上予熱することが好ましい。幅方向の延伸倍率としては、好ましくは2.8倍以上4.0倍以下、さらに好ましくは、3倍以上3.8倍以下で、長手方向の延伸倍率にそろえることが好ましい。また、85℃の熱収縮率を抑制させるため、延伸前半温度を100℃以上120℃以下、延伸中盤温度を105℃以上130℃以下、さらに延伸後半温度を110℃以上150℃以下とし、延伸前に85℃で1秒以上予熱することが好ましい。
その後、必要に応じて2回目の縦延伸を行ってもよい。2回目の縦延伸を行う場合の延伸倍率は、1倍以上2倍以下が好ましく、1倍以上1.5倍以下がより好ましい。また、延伸温度は、95℃以上130℃以下が好ましい。
さらに、二軸延伸後にフィルムの熱処理を行う。熱処理はオーブン中、加熱したロール上など従来公知の任意の方法により行うことができる。この熱処理は70℃以上ポリエステルの結晶融解ピーク温度以下の温度で行われるが、好ましくは190℃以上である。
さらに、本発明の易接着ポリエステルフィルムでは、蒸着層とフィルムとの密着性を向上させるため、ポリエステルフィルムのA層側表面に易接着層をコーティングさせる。コーティング層をフィルム製造工程内のインラインで設ける方法としては、少なくとも一軸延伸を行ったフィルム上にコーティング層組成物を水に分散させたものをメタリングリングバーやグラビアロールなどを用いて均一に塗布し、延伸を施しながら塗剤を乾燥させる方法が好ましい。
かかる方法により得られた易接着ポリエステルフィルムは、蒸着層との密着性に優れ、白色度・隠蔽性に優れるため、ラベル用途、特に電子部品貼り付け用ラベル用途に適して好ましく用いられる。そのため、易接着ポリエステルフィルムの易接着層の上面に蒸着層を設けて使用する用途に好適に用いられる。
本発明における特性の測定方法、および効果の評価方法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの組成
ポリエステル樹脂およびフィルムをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解し、1H-NMRおよび13C-NMRを用いて各モノマー残基成分や副生ジエチレングリコールについて含有量を定量した。積層フィルムの場合は、積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体を構成する成分を採取して評価した。なお、本発明のフィルムについては、フィルム製造時の混合比率から計算により、組成を算出した。
ポリエステル樹脂およびフィルムをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解し、1H-NMRおよび13C-NMRを用いて各モノマー残基成分や副生ジエチレングリコールについて含有量を定量した。積層フィルムの場合は、積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体を構成する成分を採取して評価した。なお、本発明のフィルムについては、フィルム製造時の混合比率から計算により、組成を算出した。
(2)フィルム厚み、層厚み、易接着層厚み
フィルムをエポキシ樹脂に包埋し、フィルムの長手方向の断面をミクロトームで切り出した。該断面を日立製作所製S-2100A形走査型電子顕微鏡を用いてフィルムの断面を撮影し、フィルム厚みおよびポリエステルの各層の厚み、易接着層厚みを求めた。なお、フィルム厚み、層厚みを測定するときは倍率を4000倍とし、易接着層厚みを測定するときは倍率を10000倍とした。
フィルムをエポキシ樹脂に包埋し、フィルムの長手方向の断面をミクロトームで切り出した。該断面を日立製作所製S-2100A形走査型電子顕微鏡を用いてフィルムの断面を撮影し、フィルム厚みおよびポリエステルの各層の厚み、易接着層厚みを求めた。なお、フィルム厚み、層厚みを測定するときは倍率を4000倍とし、易接着層厚みを測定するときは倍率を10000倍とした。
(3)ポリエステルフィルムの各層における粒子含有量
積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体を構成する成分を採取し、採取した成分1gを1N-KOHメタノール溶液200mlに投入して加熱還流し、ポリマーを溶解した。溶解が終了した該溶液に200mlの水を加え、ついで該液体を遠心分離器にかけて粒子を沈降させ、上澄み液を取り除いた。粒子にはさらに水を加えて洗浄、遠心分離を2回繰り返した。このようにして得られた粒子を乾燥させ、その質量を量ることで粒子の含有量を算出した。積層フィルムの場合は、積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体を構成する成分を採取し、評価することができる。
積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体を構成する成分を採取し、採取した成分1gを1N-KOHメタノール溶液200mlに投入して加熱還流し、ポリマーを溶解した。溶解が終了した該溶液に200mlの水を加え、ついで該液体を遠心分離器にかけて粒子を沈降させ、上澄み液を取り除いた。粒子にはさらに水を加えて洗浄、遠心分離を2回繰り返した。このようにして得られた粒子を乾燥させ、その質量を量ることで粒子の含有量を算出した。積層フィルムの場合は、積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体を構成する成分を採取し、評価することができる。
(4)ポリエステルフィルム中の粒子の平均粒子径
(3)で得られた粒子について、スペクトリス株式会社製レーザー回折式粒度分布測定装置(マスターサイザー2000)にかけて粒度分布を測定し、その数平均を当該粒子の平均粒子径として測定することが可能である。積層フィルムの場合は、積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体を構成する成分を採取し、評価することができる。なお、本発明のフィルムについては、同一技術を用いて粒子メーカーにて測定・評価された粒子径の測定値を入手し、用いた。
(3)で得られた粒子について、スペクトリス株式会社製レーザー回折式粒度分布測定装置(マスターサイザー2000)にかけて粒度分布を測定し、その数平均を当該粒子の平均粒子径として測定することが可能である。積層フィルムの場合は、積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体を構成する成分を採取し、評価することができる。なお、本発明のフィルムについては、同一技術を用いて粒子メーカーにて測定・評価された粒子径の測定値を入手し、用いた。
(5)易接着層の粒子の数平均粒子径
日立製作所製S-2100A形走査型電子顕微鏡を用いて倍率10000倍にて、易接着層の断面を観察し、1枚または2枚以上の断面写真を得る。得られた写真から、無作為に30個の粒子を選定し、それぞれについて、無機粒子部分を油性ペンで塗りつぶし、イメージアナライザーを使用して、各粒子の面積を測定し、円形に近似してその直径を粒子径として算出する。こうして得られた30個の粒子の粒子径が最大のものから3個および最小のものから3個を除き、残る24個の粒子の粒子径を得て、この24個の粒子の粒子径から、数平均粒子径(数平均粒子直径)を算出したものである。
日立製作所製S-2100A形走査型電子顕微鏡を用いて倍率10000倍にて、易接着層の断面を観察し、1枚または2枚以上の断面写真を得る。得られた写真から、無作為に30個の粒子を選定し、それぞれについて、無機粒子部分を油性ペンで塗りつぶし、イメージアナライザーを使用して、各粒子の面積を測定し、円形に近似してその直径を粒子径として算出する。こうして得られた30個の粒子の粒子径が最大のものから3個および最小のものから3個を除き、残る24個の粒子の粒子径を得て、この24個の粒子の粒子径から、数平均粒子径(数平均粒子直径)を算出したものである。
(6)易接着層の粒子含有量
日立製作所製S-2100A形走査型電子顕微鏡を用いて倍率10000倍にて、易接着層の断面を観察し、観察される全ての粒子を塗りつぶし、イメージアナライザーを使用して、粒子の面積和を測定し算出した。同じ写真に対し、易接着層全体を塗りつぶし、イメージアナライザーを使用して、易接着層の面積を測定した。
(粒子の面積和)÷(易接着層の面積)を計算することで、易接着層の粒子含有量(%)
を算出した。
日立製作所製S-2100A形走査型電子顕微鏡を用いて倍率10000倍にて、易接着層の断面を観察し、観察される全ての粒子を塗りつぶし、イメージアナライザーを使用して、粒子の面積和を測定し算出した。同じ写真に対し、易接着層全体を塗りつぶし、イメージアナライザーを使用して、易接着層の面積を測定した。
(粒子の面積和)÷(易接着層の面積)を計算することで、易接着層の粒子含有量(%)
を算出した。
(7)フィルムの中心面平均粗さSRaおよび、3次元表面突起数SPc
3次元表面粗さ計(小坂研究所製、ET4000AK)を用い、次の条件で触針法により測定を行った。なお、中心面平均粗さSRaは、対象表面の粗さ曲面の高さと粗さ曲面の中心面の高さの差をとり、その絶対値の平均値を表したものであり、3次元表面突起数SPcは、粗さ曲面の中心面の高さをゼロベースラインとして、2.5nmを超える突起個数をフィルム表面0.2mm2当たりでカウントしたものである。
針径 2(μmR)
針圧 10(mg)
測定長 500(μm)
縦倍率 20000(倍)
CUT OFF 250(μm)
測定速度 100(μm/s)
測定間隔 5 (μm)
記録本数 80本
ヒステリシス幅 ±6.25(nm)
基準面積 0.1(mm2) 。
3次元表面粗さ計(小坂研究所製、ET4000AK)を用い、次の条件で触針法により測定を行った。なお、中心面平均粗さSRaは、対象表面の粗さ曲面の高さと粗さ曲面の中心面の高さの差をとり、その絶対値の平均値を表したものであり、3次元表面突起数SPcは、粗さ曲面の中心面の高さをゼロベースラインとして、2.5nmを超える突起個数をフィルム表面0.2mm2当たりでカウントしたものである。
針径 2(μmR)
針圧 10(mg)
測定長 500(μm)
縦倍率 20000(倍)
CUT OFF 250(μm)
測定速度 100(μm/s)
測定間隔 5 (μm)
記録本数 80本
ヒステリシス幅 ±6.25(nm)
基準面積 0.1(mm2) 。
(8)密度
フィルムを100×100mm角に切取り、ダイアルゲージ(三豊製作所製No.2109-10)に、直径10mmの測定子(No.7002)を取り付けたものにて10点の厚みを測定し、厚みの平均値d(μm)を計算する。また、このフィルムを直示天秤にて秤量し、重さw(g)を10-4gの単位まで読み取る。下記の式で計算される値を密度とする。
密度=w/d×100 (g/cm3)。
フィルムを100×100mm角に切取り、ダイアルゲージ(三豊製作所製No.2109-10)に、直径10mmの測定子(No.7002)を取り付けたものにて10点の厚みを測定し、厚みの平均値d(μm)を計算する。また、このフィルムを直示天秤にて秤量し、重さw(g)を10-4gの単位まで読み取る。下記の式で計算される値を密度とする。
密度=w/d×100 (g/cm3)。
(9)ぬれ張力
和光純薬(株)製ぬれ試薬を使用し、JIS K6768(1999年)に準じ、フィルムの易接着層表面のぬれ張力測定を実施した。綿棒をぬれ試薬に浸し、5mm×100mmの形状にぬれ試薬を約1秒で塗布し、塗布2秒後の塗布形状にて、塗布直後と形状変化無き状態となるぬれ指数の数値をぬれ性とした。
和光純薬(株)製ぬれ試薬を使用し、JIS K6768(1999年)に準じ、フィルムの易接着層表面のぬれ張力測定を実施した。綿棒をぬれ試薬に浸し、5mm×100mmの形状にぬれ試薬を約1秒で塗布し、塗布2秒後の塗布形状にて、塗布直後と形状変化無き状態となるぬれ指数の数値をぬれ性とした。
(10)破断強度
“テンシロン”(登録商標)引っ張り試験機を用いて、引っ張り速度300mm/min、幅10mm、試料長100mmとして、測定回数n=5とし、長手方向、幅方向のそれぞれが試料長方向になるよう測定し、その平均値を破断強度とした。
“テンシロン”(登録商標)引っ張り試験機を用いて、引っ張り速度300mm/min、幅10mm、試料長100mmとして、測定回数n=5とし、長手方向、幅方向のそれぞれが試料長方向になるよう測定し、その平均値を破断強度とした。
(11)白色度
分光式色差計SE-2000型(日本電色工業(株)製)を用い、JIS L-1015(2010年)に準じ、C光源を用い、視野角を2度に設定してて色の三刺激値であるX値、Y値、Z値を測定し、下記式より白色度を計算して求めた。
白色度=4×0.847×Z値-3×Y値
(12)光沢度
JIS-Z-8741(1997年)に規定された方法に従って、スガ試験機製デジタル変角光沢度計UGV-5Dを用いて、易接着ポリエステルフィルムの易接着層表面の60度光沢度の測定を行った。測定はn=5で行い、最大値と最小値を除いた平均値を採用した。
分光式色差計SE-2000型(日本電色工業(株)製)を用い、JIS L-1015(2010年)に準じ、C光源を用い、視野角を2度に設定してて色の三刺激値であるX値、Y値、Z値を測定し、下記式より白色度を計算して求めた。
白色度=4×0.847×Z値-3×Y値
(12)光沢度
JIS-Z-8741(1997年)に規定された方法に従って、スガ試験機製デジタル変角光沢度計UGV-5Dを用いて、易接着ポリエステルフィルムの易接着層表面の60度光沢度の測定を行った。測定はn=5で行い、最大値と最小値を除いた平均値を採用した。
(13)走行安定性
速度200m/minでフィルムロールを1000m巻き取り、巻き上がったフィルムロールの表層を1m引き出してフィルム表面を目視観察し、しわ、折れの有無を確認する。10ロール巻き取った時に、しわ、折れの発生した製品の本数を数え、以下の基準に従い判定した。
◎:10ロール中0ロール
○:10ロール中1ロール
△:10ロール中2ロール~5ロール
×:10ロール中6ロール以上。
速度200m/minでフィルムロールを1000m巻き取り、巻き上がったフィルムロールの表層を1m引き出してフィルム表面を目視観察し、しわ、折れの有無を確認する。10ロール巻き取った時に、しわ、折れの発生した製品の本数を数え、以下の基準に従い判定した。
◎:10ロール中0ロール
○:10ロール中1ロール
△:10ロール中2ロール~5ロール
×:10ロール中6ロール以上。
(14)層間密着性
易接着ポリエステルフィルムの易接着層の有る面にバッチ式蒸着装置を用いてアルミニウムを蒸着し、易接着層上に0.25μmの膜厚の金属層を設けた評価用試験体を得た。蒸着の条件は、到達真空度を0.02Paとして、厚み0.3mmのタングステンボードにアルミニウムを5g載せ、電流200Aで20秒間蒸着することで行った。こうして得られた評価用試験体の蒸着面側に対し、間隔スペーサー(コーテック株式会社製:型番CROSS CUT GUIDE1.0)、カッターナイフを用い、評価用試験体にタテ方向6回、ヨコ方向6回の切り込みを1mm間隔で入れた(本操作により、5×5=25マスの格子を作製した。)。作製した格子上に透明感圧付着粘着テープ(日東電工株式会社製:型番31B)を圧着し、圧着したテープを約60°の方向に引き剥がし、剥離した格子の数を求めた。測定はN=5で実施し、平均値を取って以下の基準で評価した。
○:25マス全ての格子で剥離なし(剥離個数が0マス以上1マス未満)であった。
△:25マス中1マス以上2マス未満の格子が剥離した。
×:25マス中2マス以上の格子が剥離した。
易接着ポリエステルフィルムの易接着層の有る面にバッチ式蒸着装置を用いてアルミニウムを蒸着し、易接着層上に0.25μmの膜厚の金属層を設けた評価用試験体を得た。蒸着の条件は、到達真空度を0.02Paとして、厚み0.3mmのタングステンボードにアルミニウムを5g載せ、電流200Aで20秒間蒸着することで行った。こうして得られた評価用試験体の蒸着面側に対し、間隔スペーサー(コーテック株式会社製:型番CROSS CUT GUIDE1.0)、カッターナイフを用い、評価用試験体にタテ方向6回、ヨコ方向6回の切り込みを1mm間隔で入れた(本操作により、5×5=25マスの格子を作製した。)。作製した格子上に透明感圧付着粘着テープ(日東電工株式会社製:型番31B)を圧着し、圧着したテープを約60°の方向に引き剥がし、剥離した格子の数を求めた。測定はN=5で実施し、平均値を取って以下の基準で評価した。
○:25マス全ての格子で剥離なし(剥離個数が0マス以上1マス未満)であった。
△:25マス中1マス以上2マス未満の格子が剥離した。
×:25マス中2マス以上の格子が剥離した。
(ポリエステルの製造)
製膜に供したポリエステル樹脂は以下のように準備した。
製膜に供したポリエステル樹脂は以下のように準備した。
(ポリエステル樹脂)
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が100モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が100モル%であるポリエチレンテレフタレート樹脂(固有粘度0.65)。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が100モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が100モル%であるポリエチレンテレフタレート樹脂(固有粘度0.65)。
(酸化チタンマスター)
前記ポリエステル樹脂中に数平均粒子径0.2μmのアナターゼ型酸化チタン粒子を粒子濃度50質量%で含有したポリエチレンテレフタレート白色顔料マスター(固有粘度0.60)。
前記ポリエステル樹脂中に数平均粒子径0.2μmのアナターゼ型酸化チタン粒子を粒子濃度50質量%で含有したポリエチレンテレフタレート白色顔料マスター(固有粘度0.60)。
(硫酸バリウムマスター)
前記ポリエステル樹脂中に数平均粒子径0.6μmの硫酸バリウム粒子を粒子濃度50質量%で含有したポリエチレンテレフタレート白色顔料マスター(固有粘度0.60)。
前記ポリエステル樹脂中に数平均粒子径0.6μmの硫酸バリウム粒子を粒子濃度50質量%で含有したポリエチレンテレフタレート白色顔料マスター(固有粘度0.60)。
(PMPマスター)
前記ポリエステル樹脂中に、ポリメチルペンテン樹脂(三井化学株式会社製 DX820)を濃度30質量%で含有したポリエチレンテレフタレート樹脂マスター(固有粘度0.55)。
前記ポリエステル樹脂中に、ポリメチルペンテン樹脂(三井化学株式会社製 DX820)を濃度30質量%で含有したポリエチレンテレフタレート樹脂マスター(固有粘度0.55)。
(シリカマスターA)
前記ポリエステル樹脂中に数平均粒子径2.2μmの凝集シリカ粒子A(以下シリカAとも言う)を粒子濃度2重量%で含有したポリエチレンテレフタレート粒子マスター(固有粘度0.65)。
前記ポリエステル樹脂中に数平均粒子径2.2μmの凝集シリカ粒子A(以下シリカAとも言う)を粒子濃度2重量%で含有したポリエチレンテレフタレート粒子マスター(固有粘度0.65)。
(シリカマスターB)
前記ポリエステル樹脂中に数平均粒子径6.0μmの凝集シリカ粒子B(以下シリカBとも言う)を粒子濃度2質量%で含有したポリエチレンテレフタレート粒子マスター(固有粘度0.65)。
前記ポリエステル樹脂中に数平均粒子径6.0μmの凝集シリカ粒子B(以下シリカBとも言う)を粒子濃度2質量%で含有したポリエチレンテレフタレート粒子マスター(固有粘度0.65)。
(塗料組成物)
本発明におけるポリエステルフィルムの少なくとも一方に易接着層を得るために、以下の塗料組成物を準備した。
(ポリエステル樹脂塗料)
互応化学工業社製ポリエステル樹脂塗料“Z-836”を使用した。
本発明におけるポリエステルフィルムの少なくとも一方に易接着層を得るために、以下の塗料組成物を準備した。
(ポリエステル樹脂塗料)
互応化学工業社製ポリエステル樹脂塗料“Z-836”を使用した。
(アクリル樹脂塗料)
日本カーバイド工業社製アクリル樹脂塗料“RX-7013”を使用した。
日本カーバイド工業社製アクリル樹脂塗料“RX-7013”を使用した。
(シリカ粒子分散塗料A)
粒子径0.08μmのシリカ粒子を乳化することで水中に均一分散された塗料を使用した(触媒化成社製“カタロイド”(登録商標))。
粒子径0.08μmのシリカ粒子を乳化することで水中に均一分散された塗料を使用した(触媒化成社製“カタロイド”(登録商標))。
(シリカ粒子分散塗料B)
粒子径0.14μmのシリカ粒子を乳化することで水中に均一分散された塗料を使用した(触媒化成社製“スフェリカ”(登録商標))。
粒子径0.14μmのシリカ粒子を乳化することで水中に均一分散された塗料を使用した(触媒化成社製“スフェリカ”(登録商標))。
(シリカ粒子分散塗料C)
粒子径0.30μmのシリカ粒子を乳化することで水中に均一分散された塗料を使用した(日本触媒社製“シーホスター”(登録商標))。
粒子径0.30μmのシリカ粒子を乳化することで水中に均一分散された塗料を使用した(日本触媒社製“シーホスター”(登録商標))。
(シリカ粒子分散塗料D)
粒子径1.00μmのシリカ粒子を乳化することで水中に均一分散された塗料を使用した(触媒化成社製“スフェリカ”(登録商標))。
粒子径1.00μmのシリカ粒子を乳化することで水中に均一分散された塗料を使用した(触媒化成社製“スフェリカ”(登録商標))。
(実施例1)
表のA層欄に記載の粒子種が、A層欄に記載の粒子量となるようにした組成で混合し、150℃3時間真空乾燥して単軸押出機に供給した(A層)。さらに、表1のB層欄に記載の粒子種が、B層欄に記載の粒子量となるようにした組成で混合し、別の単軸押出機にも乾燥し供給した(B層)。これらポリマーを別流路として280℃で溶融し、フィードブロックでA層/B層/A層となるように、かつ、総厚みが表記載の厚みになり、かつ、各層厚みが表の各層欄の厚みになるよう積層し、Tダイより15℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ、未延伸シートを得た。次いで、長手方向への予熱温度100℃で予熱を行い、延伸温度101℃で長手方向に3.1倍延伸し、すぐに金属ロールで冷却化した。このフィルムに空気中でコロナ放電処理を施し、基材となるポリエステルフィルム表面の濡れ張力を50mN/mとし、その処理面に下記の塗料組成物溶液を片面にメタバーにて塗布した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度110℃で予熱を行い、延伸温度115℃で幅方向に3.6倍延伸し、そのまま、ロール加熱方式により100℃の加熱処理を行った後、テンター内にて、熱処理温度200℃で3秒、220℃で4秒実施し、幅方向に7%のリラックスを掛けながら熱処理を行い、易接着ポリエステルフィルムを得た。
表のA層欄に記載の粒子種が、A層欄に記載の粒子量となるようにした組成で混合し、150℃3時間真空乾燥して単軸押出機に供給した(A層)。さらに、表1のB層欄に記載の粒子種が、B層欄に記載の粒子量となるようにした組成で混合し、別の単軸押出機にも乾燥し供給した(B層)。これらポリマーを別流路として280℃で溶融し、フィードブロックでA層/B層/A層となるように、かつ、総厚みが表記載の厚みになり、かつ、各層厚みが表の各層欄の厚みになるよう積層し、Tダイより15℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ、未延伸シートを得た。次いで、長手方向への予熱温度100℃で予熱を行い、延伸温度101℃で長手方向に3.1倍延伸し、すぐに金属ロールで冷却化した。このフィルムに空気中でコロナ放電処理を施し、基材となるポリエステルフィルム表面の濡れ張力を50mN/mとし、その処理面に下記の塗料組成物溶液を片面にメタバーにて塗布した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度110℃で予熱を行い、延伸温度115℃で幅方向に3.6倍延伸し、そのまま、ロール加熱方式により100℃の加熱処理を行った後、テンター内にて、熱処理温度200℃で3秒、220℃で4秒実施し、幅方向に7%のリラックスを掛けながら熱処理を行い、易接着ポリエステルフィルムを得た。
前記、塗料組成物溶液は、表2記載の樹脂を含有する前記樹脂塗料および表2記載の粒子を含む前記粒子分散塗料を用い、樹脂の固形分100質量部に対し、界面活性剤を固形分比0.1質量部加えたものに、粒子の固形分が表2記載の割合となるように調製した。
得られたフィルムの各物性は、表3,4の通りとなった。
得られたフィルムの各物性は、表3,4の通りとなった。
(実施例2~9、12~18、比較例1~3、6~14)
粒子種、粒子含有量、総厚み、各層厚み、易接着層の樹脂および粒子を表1,2のようになるように調製した以外は、実施例1と同様にして易接着ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各物性は、表3,4の通りとなった。
粒子種、粒子含有量、総厚み、各層厚み、易接着層の樹脂および粒子を表1,2のようになるように調製した以外は、実施例1と同様にして易接着ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各物性は、表3,4の通りとなった。
(実施例10、11)
表1のC層欄に記載の粒子種が、C層欄に記載の粒子量となるようにした組成で混合し、150℃3時間真空乾燥して単軸押出機に供給した(C層)ことと、フィードブロックでA層/B層/C層となるように、かつ、総厚みが表1記載の厚みになり、かつ、各層厚みが表1の各層欄の厚みになるよう積層したこと以外は、実施例1と同様にして易接着ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各物性は、表3,4の通りとなった。
表1のC層欄に記載の粒子種が、C層欄に記載の粒子量となるようにした組成で混合し、150℃3時間真空乾燥して単軸押出機に供給した(C層)ことと、フィードブロックでA層/B層/C層となるように、かつ、総厚みが表1記載の厚みになり、かつ、各層厚みが表1の各層欄の厚みになるよう積層したこと以外は、実施例1と同様にして易接着ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各物性は、表3,4の通りとなった。
(比較例4)
フィードブロックでA層/B層の2層構成となるようにした以外は、実施例1と同様にして易接着ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各物性は、表3,4の通りとなった。
フィードブロックでA層/B層の2層構成となるようにした以外は、実施例1と同様にして易接着ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各物性は、表3,4の通りとなった。
(比較例5)
B層の単軸押し出し機のみを使用し、B層のみの構成とした以外は、実施例1と同様にして易接着ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各物性は、表3,4の通りとなった。
B層の単軸押し出し機のみを使用し、B層のみの構成とした以外は、実施例1と同様にして易接着ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各物性は、表3,4の通りとなった。
本発明のポリエステルフィルムは、蒸着層との密着性に優れ、白色性に優れるため、ラベル用途、特に電子部品貼り付け用ラベル用途に適して好ましく用いられる。
Claims (9)
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面に易接着層を有する易接着ポリエステルフィルムであり、易接着層表面から測定した際の白色度が75以上105以下、易接着ポリエステルフィルムの易接着層表面の中心面平均粗さSRaが10~45nmであり、かつ、前記易接着ポリエステルフィルムの総厚みが15~51μmである易接着ポリエステルフィルム。
- 易接着表面の3次元表面突起数SPcと易接着層を設けた側とは反対の表面の3次元表面突起数SPcの差の絶対値が50個/0.2mm2以上である請求項1に記載の易接着ポリエステルフィルム。ここで言う3次元表面突起数SPcとは3次元表面粗さ計(小坂研究所製、ET4000AK)を用い、触針法により、針径 2(μmR)、針圧 10(mg)、測定長 500(μm)、縦倍率 20000(倍)、CUT OFF 250(μm)、測定速度 100(μm/s)、測定間隔 5 (μm)、記録本数 80本、ヒステリシス幅 ±6.25(nm)、基準面積 0.1(mm2)の各条件で測定を行った時に得られる、粗さ曲面の中心面の高さをゼロベースラインとして、2.5nmを超える突起個数をフィルム表面0.2mm2当たりでカウントしたものである。
- 前記易接着層の厚みが15~250nmである、請求項1または2に記載の易接着ポリエステルフィルム。
- 前記ポリエステルフィルムは、3層積層構成である請求項1~3のいずれかに記載の易接着ポリエステルフィルム。
- 前記ポリエステルフィルムの易接着層を有する側の表面層(A層)が粒子含有量が0.1質量%未満である請求項4に記載の易接着ポリエステルフィルム。
- 前記ポリエステルフィルムの内層(B層)に、粒子が10~40質量%含有してなる請求項4または5に記載の易接着ポリエステルフィルム。
- ポリエステルフィルムは、A層/B層/C層の3種3層構成である、請求項4~6のいずれかに記載の易接着ポリエステルフィルム。
- 前記ポリエステルフィルムのA層と反対側の表層を構成する層であるC層が、粒子含有量が0.1質量%未満である層である請求項4~7のいずれかに記載の易接着ポリエステルフィルム。
- 前記易接着ポリエステルフィルムの易接着層の上面に蒸着層を設けて使用される請求項1~8のいずれかに記載の易接着ポリエステルフィルム。
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