JP2022131655A - ハンドタオル積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】M/F加工機で加工し、充填率の高い状態で紙製カートン、又はフィルムパックに充填した製品において、加工時にクリップずれが起こらず(加工適性が良く)、使用時(引き出し時)の紙粉発生が少ないハンドタオル積層体を提供する。【解決手段】2プライのシートを1組ずつ折り曲げて互いに重なりあうように積層され、紙製のカートン又はフィルムパックに充填された、ハンドタオル積層体であって、シートの紙厚が、0.52mm/10プライ以上0.81mm/10プライ以下であり、シート同士をCD方向に擦り合わせたときの静止摩擦係数が0.45以上0.85以下、動摩擦係数が0.20以上0.53以下であり、カートン又はフィルムパックの充填率が、45.0%以上71.5%以下であることを特徴とする、ハンドタオル積層体を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、M/F加工機で加工したハンドタオル積層体に関する。
マルチスタンド式インターフォルダー(以下、M/F加工機とも称する)は、高速で大量の家庭紙が生産できる設備であり、ティシューの加工用途で広く使われている。
M/F加工機は、高坪量品(ハンドタオル等)を加工することもできるが、一般的に普及しているインターフォルダー加工品は取り出し方向がMD(Machine Direction)方向となるのに対して、図1(図中における矢印D1がMD方向を示す)に示すように、M/F加工機で加工した加工品は積層体からの取り出し方向がCD(Cross Direction)方向となる。また、高坪量品は一般的に低坪量であるティシューと紙の物性、加工時の挙動が異なるため、紙の物性や機械の設定を調整する必要がある。
このようなM/F加工機で加工されたティシューやハンドタオルは、紙製カートンやフィルムパックに充填される。
また、近年、紙製カートンやフィルムパックのコンパクト化が進んでおり、カートン、フィルムパックの高さに対して、なるべくたくさんのティシューやハンドタオルを充填する(すなわち、充填率が高い)製品がトレンドとなっている。
例えば、特許文献1には、ポップアップ方式で折り畳まれた薄葉紙と、該薄葉紙を収容する直方体の収納箱とからなり、収納箱の上面に設けられた開裂用ミシン目に沿って蓋部を取り除くことによって露出する開口部から薄葉紙を取り出す薄葉紙入り収納箱であって、開口部が、上面の中心から長方形の4つの角に向かって延在する長手開口部分を有してなり、開口部における上面の中心から長手開口部分の延在方向の端までの長さが、上面における中心から角までの長さの70%以上90%以下であり、長手開口部分の幅が10mm以上30mm以下である薄葉紙入り収納箱が開示されている。
特開2020-070072号公報
しかし、M/F加工機でハンドタオルを加工するときに、クリップ(カートンやフィルムパックに挿入する前のハンドタオルの束)が一部の層のみ長手方向や短手方向にずれる、いわゆるクリップずれが起きやすいという問題がある。例えば、クリップをカートン又はフィルムパックに挿入する前に、クリップの向きが図1の矢印D1方向を中心軸として90°回転する機構があり、当該機構で起こる遠心力により主に短手方向(図1の矢印D1に直交する方向)にクリップずれが起こることがある。
低坪量であるティシューの加工時には、クリップずれ現象は発生せず、ハンドタオルの加工時では顕著に発生した。その後、種々の検討から、一般的にティシューと比較して高坪量なハンドタオルは、紙同士の摩擦係数が低い(紙の表面がツルツルしている)という事を突き止めた。
摩擦係数の高いティシューは、遠心力が働いても紙同士の摩擦によりクリップずれは発生しなかったが、摩擦係数の低いハンドタオルは、遠心力により紙同士が滑ってしまい、クリップずれが発生していた。
そこで、クレープやカレンダーの調整(紙厚の調整)により、摩擦係数を高くすると、充填率が高い(クリップが押しつぶされている)製品では、カートン、フィルムパック等から取り出す際に紙同士の擦れによる紙粉が発生するという別の問題が発生した。
以上から、M/F加工機で加工し、取り出し方向がCD方向となる、充填率の高い2プライのハンドタオル製品において、クリップずれの防止(加工適性の改善)と使用時(引き出し時)の紙粉発生の抑制をバランス良く満たすことは難しかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、M/F加工機で加工し、充填率の高い状態で紙製カートン、又はフィルムパックに充填した製品において、加工時にクリップずれが起こらず(加工適性が良く)、使用時(引き出し時)の紙粉発生が少ないハンドタオル積層体を提供することを目的とする。
発明者は鋭意検討を行い、2プライのシートを1組ずつ折り曲げて互いに重なりあうように積層され、紙製のカートン又はフィルムパックに充填された、ハンドタオル積層体において、紙厚並びにCD方向(クリップずれが起こりやすい方向)の静止摩擦係数及び動摩擦係数を適切に調整することで、加工時にクリップずれが起こらず(加工適性が良く)、使用時(引き出し時)の紙粉発生が少ないハンドタオル積層体とすることができ、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の態様は、2プライのシートを1組ずつ折り曲げて互いに重なりあうように積層され、紙製のカートン又はフィルムパックに充填された、ハンドタオル積層体であって、上記シートの紙厚が、0.52mm/10プライ以上0.81mm/10プライ以下であり、上記シート同士をCD方向に擦り合わせたときの静止摩擦係数が0.45以上0.85以下、動摩擦係数が0.20以上0.53以下であり、上記カートン又はフィルムパックの充填率が、45.0%以上71.5%以下であることを特徴とする、ハンドタオル積層体である。
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載のハンドタオル積層体であって、上記シートのクレープ高さが、15μm以上38μm以下であることを特徴とするものである。
(3)本発明の第3の態様は、(1)又は(2)に記載のハンドタオル積層体であって、上記シートのクレープ本数が、10本/6mm以上32本/6mm以下であることを特徴とするものである。
(4)本発明の第4の態様は、(1)から(3)のいずれかに記載のハンドタオル積層体であって、上記シートの1プライの坪量が、14.9g/m以上17.9g/m以下であることを特徴とするものである。
(5)本発明の第5の態様は、(1)から(4)のいずれかに記載のハンドタオル積層体であって、上記シートのTSA装置によって測定されるTS750が、19.1dBVrms以上27.3dBVrms以下であることを特徴とするものである。
(6)本発明の第6の態様は、(1)から(5)のいずれかに記載のハンドタオル積層体であって、上記シートの、乾燥時の縦方向の引張強度(DMDT)と乾燥時の横方向の引張強度(DCDT)との積の平方根(G.M.T.)が、6.4N/25mm以上10.8N/25mm以下であることを特徴とするものである。
(7)本発明の第7の態様は、(1)から(6)のいずれかに記載のハンドタオル積層体の製造方法であって、M/F加工機で150クリップ/min以上550クリップ/min以下のスピードで加工することを特徴とする、ハンドタオル積層体の製造方法である。
本発明によれば、M/F加工機で加工し、充填率の高い状態で紙製カートン、又はフィルムパックに充填した製品において、加工時にクリップずれが起こらず(加工適性が良く)、使用時(引き出し時)の紙粉発生が少ないハンドタオル積層体を提供することができる。
M/F加工機で加工したハンドタオル積層体からのシートの取り出し方向を説明する斜視図である。 本実施形態に係るハンドタオル積層体におけるシートの、クレープの本数と高さの測定方法を示す図面である。 本実施形態に係るハンドタオル積層体におけるシートの、クレープの本数と高さの測定方法を示す別の図面である。 図3の部分拡大図である。 ティッシュソフトネス測定装置TSAの測定原理を示す図面である。 ティッシュソフトネス測定装置TSAによるサンプルのTS750値を示す図面である。 本実施形態に係る製造方法において使用可能なマシンワインダーの一例を示す概念図である。 本実施形態に係る製造方法において使用可能なM/F加工機のフォールディング部の構成を示す概念図である。 図8のフォールディング部を構成する折り畳みプレート装置の斜視図である。 プルユニットにより圧縮加工を行う一例を説明する概略図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
さらに、本明細書において、「略」を付した用語は、当業者の技術常識の範囲内でその「略」を除いた用語の意味を示すものであり、「略」を除いた意味自体をも含むものとする。
<ハンドタオル積層体>
本実施形態に係るハンドタオル積層体300は、2プライのシート100を1組ずつ折り曲げて互いに重なりあうように積層され、紙製のカートン又はフィルムパックに充填された、ハンドタオル積層体300であり、シート100は、紙厚が、0.52mm/10プライ以上0.81mm/10プライ以下であり、シート100同士をCD方向に擦り合わせたときの静止摩擦係数が0.45以上0.85以下、動摩擦係数が0.20以上0.53以下であり、カートン又はフィルムパックの充填率が、45.0%以上71.5%以下であることを特徴とする、ハンドタオル積層体300である。
後述するように、本実施形態に係るハンドタオル積層体300は、2プライのシート100を1組ずつ折り曲げて、互いに重なりあうように積層されたものである(図1参照)。本実施形態に係るハンドタオル積層体300は、1組ずつポップアップ式に連続して取り出すことができる。
なお、本明細書において、縦方向とは、ハンドタオルを抄紙した際の流れ方向、すなわちMD(Machine Direction)方向をいう。横方向とは、縦方向に垂直な方向、すなわちCD(Cross Direction)方向をいう。
シート100の原料は、パルプ100質量%であってもよいし、古紙原料等を配合したものであってもよい。例えば、ミルクカートンの再生原料(MSF)を配合してもよい。MSFを配合する場合、例えば、その配合率は50質量%以下であることが好ましい。
シート100の坪量は、14.9g/m以上17.9g/m以下であることが好ましく、16.0g/m以上17.5g/m以下であることがより好ましい。坪量は、JIS P 8124に準拠して測定することができる。なお、この場合における坪量は1プライの坪量である。
シート100の紙厚は、0.52mm/10プライ以上0.81mm/10プライ以下であり、0.58mm/10プライ以上0.71mm/10プライ以下であることが好ましい。紙厚は、JIS P 8111の条件下(23±1℃、50±2%相対湿度)でシックネスゲージ(例えば、尾崎製作所製、ダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定することができる。測定条件として、測定荷重3.7kPa、測定子直径3mmで、測定子と測定台の間に試料(シート100×10枚)を置き、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取る。測定は、10回繰り返して得られた数値を平均する。
坪量、紙厚を上記の範囲内とすることにより、加工時にクリップずれが起こらず(加工適性が良く)、使用時(引き出し時)の紙粉発生が少ないハンドタオル積層体300となる。
なお、後述する静止摩擦係数及び動摩擦係数は、シート100の坪量の調整により値を変えることはできるが、坪量が14.9g/m未満であるとシート100吸水性が劣りハンドタオルとしての機能を満たせず、坪量が17.9g/mを超えると使用時に発生する紙粉が増える、製造コスト増に直結する等の問題がある。したがって、後述するクレープ高さや、マシンワインダー10におけるカレンダーの圧力を変更し、紙厚を調整することで、適切な摩擦係数の範囲に収めるものとする。
シート100において、シート100同士をCD方向に擦り合わせたときの静止摩擦係数が0.45以上0.85以下であり、0.55以上0.75以下であることが好ましい。また、動摩擦係数が0.20以上0.53以下であり、0.30以上0.41以下であることが好ましい。静止摩擦係数及び動摩擦係数をいずれも上記の範囲内とすることにより、加工時にクリップずれが起こらず(加工適性が良く)、使用時(引き出し時)の紙粉発生が少ないハンドタオル積層体300となる。
静止摩擦係数と動摩擦係数は、ISO 15359に準拠して、野村事株式会社製「自動摩擦試験機 NSF-100」を用いて測定することができる。ISO 15359では、同一サンプルを用いて静止摩擦係数及び動摩擦係数を3回ずつ測定し、静止摩擦係数については1回目と3回目の値を採用し、動摩擦係数については3回目の値を採用するが、本実施形態に係るハンドタオル積層体300のシート100においては、静止摩擦係数は1回目の値、動摩擦係数は3回目の値を採用する。
シート100の、乾燥時の縦方向の引張強度(DMDT)と乾燥時の横方向の引張強度(DCDT)との積の平方根(G.M.T.)は、6.4N/25mm以上10.8N/25mm以下であることが好ましく、7.5N/25mm以上9.6N/25mm以下であることがより好ましい。
G.M.T.を上記の範囲内とすることにより、加工時にクリップずれが起こらず(加工適性が良く)、使用時(引き出し時)の紙粉発生が少ないハンドタオル積層体300となる。DMDT及びDCDTは、JIS P 8113(紙及び板紙 引張り特性の試験方法)に準拠して、幅25mmの試験片について測定され、G.M.T.はDMDTとDCDTの積の平方根(幾何平均)とする。
シート100のクレープ高さは、15μm以上38μm以下であることが好ましく、20μm以上35μm以下であることがより好ましい。また、シート100のクレープ本数は、10本/6mm以上32本/6mm以下であることが好ましく、15本/6mm以上25本/6mm以下であることがより好ましい。
クレープとはハンドタオル積層体300の製造工程において、抄紙機によってシート100がMD方向に機械的に圧縮されることにより形成される波状の皺であり、シート100の嵩(バルク感)、柔らかさ、吸水性、表面の滑らかさ、美観(クレープの形状)、伸び等を一層向上させることができる。シート100のクレープ高さ、クレープ本数を上記の範囲内とすることにより、紙厚、摩擦係数を適切な範囲に調整することができ、加工時にクリップずれが起こらず(加工適性が良く)、使用時(引き出し時)の紙粉発生が少ないハンドタオル積層体300となる。
クレープの本数と高さは、マイクロスコープを用いて測定して求める。マイクロスコープとしては、KEYENCE社製の製品名「ワンショット3D測定マクロスコープ VR-3100」を使用することができる。マイクロスコープの画像の観察・測定・画像解析ソフトウェアとしては、製品名「VR-H1A」を使用することができる。又、測定条件は、倍率38倍、視野面積8mm×6mm(シート100のMD方向が6mmの辺に平行の条件で測定する。なお、測定倍率と視野面積は、求めるクレープの大きさによって、適宜変更してもよい。なお、3次元測定機や輪郭形状測定機は、点や線で測定されるが、ワンショット3D測定の場合、面全体を測定するため、全体の形状やうねりがわかりやすい。
ここで、図2から図4を用いてクレープの本数と高さの具体的な測定方法について説明する。図2は、マイクロスコープによるX-Y平面の画像である。図2の上下方向がシート100のMD方向、左右方向がシート100のCD方向となる。なお、図2の高さプロファイル(マッピング、図示せず)のX-Y平面画像のCD方向に任意の位置で、MD方向に平行な線分S1-S2(図示しない)を画像の上下全体に引くと、クレープの高さ(測定断面曲線)プロファイルが得られる。なお、個々のクレープはCD方向に沿って延びており、線分S1-S2はこれら複数のクレープを横断するので、X-Y平面画像のCD方向のどの位置で線分S1-S2を引いても、クレープの高さプロファイルはほとんど変わらない。
ここで、高さプロファイルは、実際のハンドタオル積層体300のシート100表面の凹凸を表す(測定)断面曲線Sであるが、ノイズ(ハンドタオル積層体300のシート100表面に繊維塊があったり、繊維がヒゲ状に伸びていたり、繊維のない部分に起因した急峻なピーク)をも含んでおり、クレープの高さや本数の算出に当たっては、このようなノイズピークを除去する必要がある。そこで、所定のフィルタ条件(λs:150μm(150μmより細かいノイズをカットする)、λc:2.5mm(2.5mmより大きい波(うねり、サンプル自体の傾き)をカットする)にて断面曲線Sを処理し、粗さ曲線W(図3に示す曲線)を算出する(上記ソフトウェア上で自動的に求められる)。ただし、λsはJIS B0601「3.1.1.1」に記載の「粗さ成分とそれより短い波長成分との境界を定義するフィルタ」、λcは同規格に記載の「粗さ成分とうねり成分との境界を定義するフィルタ」である。
得られた粗さ曲線Wについて、上記ソフトウェア上で自動的に算出されたRc(山谷(凹凸)の平均高さ)をクレープ高さとする。ただし、RcはJIS B 0601(2013)「4.1.4」に記載の「粗さ曲線要素の平均高さ」である。次に、図3の粗さ曲線Wから、山の数を計測してクレープの本数を求める。計測は目視でもよく、ソフトウェア(例えば、表計算ソフトウェアなど)で算出できればその値でもよい。ここで、図3の部分拡大図である図4を参照し、山の数の計測方法を説明する。1つの山は、隣接する、上に凸の変曲点と、下に凸の変曲点で規定する。変曲点は、粗さ曲線W上で曲率の符号(プラス、マイナス)が変化する点(この点で0)である。また、高さが3μm未満の場合は計測に含めない。又、高さプロファイル1画像につき線分S1-S2を3本設定し、図3の粗さ曲線Wを3つ得る。そして、これら3つの粗さ曲線Wそれぞれにつき、山の数とRcを求める。試料の画像を3枚用意し、合計9個のデータ(山の数とRc)を平均して求めた、クレープ高さと本数を採用する。
シート100の、ティシューソフトネス測定装置(TSA装置)により測定したときにTSA装置上のソフトウェアにて自動的に取得した、低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度(TS750)は、19.1dBVrms以上27.3dBVrms以下であることが好ましく、21.2dBVrms以上25.4dBVrms以下であることがより好ましい。このTS750は、シート100の滑らかさの指標であり、TS750が上記の範囲内のものとなることにより、加工時にクリップずれが起こらず(加工適性が良く)、使用時(引き出し時)の紙粉発生が少なく、かつ、ハンドタオル積層体300のハンドフィールがバランスよく維持される。
TSA測定装置は、図5(a)及び(b)に示すティッシュソフトネス測定装置TSA50であって、シート100(サンプル)の上から、回転したブレード付ロータを押付けたときの各種センサーで検知した振動データを、振動解析してパラメータ化(TS値)することにより、主にティッシュやハンドタオル積層体300等のソフトネス(手触り感)を定量評価するものであり、ドイツのエムテック(Emtec Electronic GmbH、日本代理店は三洋貿易株式会社)社製の商品名である。
ティッシュソフトネス測定装置TSA50を用いた具体的な測定は、以下のとおりとなる。(i)図5(a)に示すように、ティッシュソフトネス測定装置TSA50の円形の試料台51を外側から覆うようサンプル52(emtec社のサンプルパンチを使用し、直径が約112.8mmの円形となるように処理したもの)をセットし、サンプル52の外周をサンプル固定リング53及びゴム製リップ54により固定する。(ii)図5(b)に示すように、ブレード付きロータ55を一定で変更可能な力でサンプル52の上から押す。この工程では、力センサー56は、ブレード55aの押し込み圧力をコントロールする。押し込み圧力が100mNに達すると、ブレード付きロータ55をモーター55bにより、サンプル52の上で回転数2.0/秒で回転させる。(iii)試料台51の振動を、試料台51内部に設置した振動センサー51aで測定し、振動周波数を解析して、パラメータ化(TS値)する。振動周波数は、クレープ加工の構造的な寸法及びブレード55aの回転数に依存する。ブレード55a自身の水平振動の誘発(共振周波数:6500Hz)は、サンプル52の表面を進むとき、サンプル52の凸部による瞬間的な遮断とブレード55aの振動に起因して起こる。低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度をTS750値とする。(i)から(iii)の手順により、シート100の滑らかさが数値化できる。シート100のサンプル52の1サンプルにつき5回測定し、その平均値をシート100のTS750値とする。
また、振動解析してパラメータ化(TS値)するソフトウェアは、emtec measurement systemを用いる。本ソフトウェアには、各種アルゴリズム(例えば、Base Tissue、Facial、TP等)が備えられ、TS750値をソフトウェア上で自動的に取得し、このTS750値又は坪量、紙厚、プライ数等から各種アルゴリズムの種類によって、HF(ハンドフィール)値が計算される。本発明では、HF値ではなく、TS750値を規定しており、上記測定条件を満たせば、アルゴリズムは何を使用しても良く、TS750値は、アルゴリズムの種類によって変わることはない。
図6は、ティッシュソフトネス測定装置TSA50によるサンプル52のTS7値及びTS750値の測定図である。図5に示すように、ブレード55aは一定の垂直位置にあり、図6の右方向(1)から左方向(3)へサンプル52上を水平運動する。この水平運動により、サンプル52に垂直振動が発生し、この振動周波数を解析して、TS750値を得る。TS750値は、滑らかさや凹凸性の強さと相関性を有する値であり、数値が大きいほど粗く、より強い凹凸であることを意味する。
シート100の長さ(引き出し方向に平行な方向の長さ)は、特に限定されないが、180mm以上220mm以下であることが好ましい。また、シート100の幅(引き出し方向に垂直な方向の長さ)は、特に限定されないが、200mm以上240mm以下であることが好ましい。シート100の長さ及び幅を上記の範囲内とすることにより、手の水分をふき取る際に使いやすい、使用感に優れるハンドタオル積層体300となる。
ハンドタオル積層体300の組数は、60組以上140組以下であることが好ましく、80組以上120組以下であることがより好ましい。60組以上であれば、カートン、フィルムパックの交換頻度を少なくでき、使用感が一層向上する。140組以下であれば、1箱、1パックの充填率が適度なものとなり、使用感に優れるハンドタオル積層体300となる。なお、組数はハンドタオルを収納するカートンやフィルムパックのサイズにより、適宜変更が可能である。
本実施形態に係るハンドタオル積層体300の包装形態は特に限定されず、例えば、紙製のカートン又はフィルムパック(ガゼット包装、ピロー包装等のフィルム包装)等を適宜選択することができる。また、ハンドタオル積層体300を、ポップアップ式に連続取り出し可能とする際の、取り出し口の形状も限定されない。例えば、ハンドタオル積層体300をカートンに収納する場合、窓フィルムを設けてもよいし、設けなくてもよい。
このとき、カートン又はフィルムパックの高さが、30mm以上65mm以下であることが好ましく、37mm以上55mm以下であることがより好ましい。また、カートン又はフィルムパックの長さ(長手方向の寸法)は200mm以上260mm以下であることが好ましく、幅(短手方向の寸法)は95mm以上125mm以下であることが好ましい。さらに、ハンドタオル積層体300のクリップ(カートン、フィルムパック挿入前のシート100の束)高さが、26mm以上62mm以下であることが好ましく、33mm以上51mm以下であることがより好ましい。
なお、カートン又はフィルムパックの長さ、幅及び高さは、いずれもカートン又はフィルムパックのある面の端部のそれぞれと、端部間の中央部の3箇所を測定し、それらの平均値と定義する。例えば、カートン又はフィルムパックの高さをTとする場合、カートン又はフィルムパックのある側面の両端部のそれぞれの高さ(T1、T2)を測定し、更に当該側面の端部間の中央部の高さ(T3)を測定して、T=(T1+T2+T3)/3としてTを求める。このようにカートン又はフィルムパックの長さ、幅及び高さを求めることで、中身のハンドタオル積層体300の容積等によってカートン又はフィルムパックが変形しても、正確な値を求めることができる。
また、クリップ高さはクリップの四隅の高さをそれぞれ測定し、その平均値と定義する。
そして、本実施形態に係るハンドタオル積層体300の充填率(%)は、45.0%以上71.5%以下であり、50.5%以上62.5%以下であることが好ましい。ハンドタオル積層体300の充填率が上記の範囲内であることにより、加工時にクリップずれが起こらず(加工適性が良く)、使用時(引き出し時)の紙粉発生が少ないハンドタオル積層体300となる。
なお、本実施形態に係るハンドタオル積層体300の充填率は、クリップ体積(シートの幅×シートの長さ×紙厚(mm/1プライ)×2(プライ)×組数)をシートの幅で割った値:クリップ断面積を、カートン又はフィルムパック断面積(カートン又はフィルムパックの幅×カートン又はフィルムパックの高さ)で割った値と定義する。すなわち、クリップ断面積/カートン断面積×100(%)を充填率(%)として求める。
<ハンドタオル積層体の製造方法>
上述した本実施形態に係るハンドタオル積層体300は、例えば、以下の製造方法によって作製することができる。なお、以下の製造方法においては図面中に付した符号を参照しながら説明する。
本実施形態に係るハンドタオル積層体300の製造方法としては、(1)コンベア30によってシート100を搬送しながら、マルチフォルダ式折機のフォールディング部20によってシート100を1組ずつ折り曲げて、互いに重なりあうように積層して、未圧縮の積層体200を得る積層工程と、(2)圧縮加工部によって未圧縮の積層体200を圧縮して、ハンドタオル積層体300を得る圧縮工程と、を含み、圧縮加工部は、フォールディング部20よりもコンベア30の下流に配置され、コンベア30の上下に配置されたプルベルト40を備え、圧縮工程は、ハンドタオル積層体300を構成するシート100の全てが積層された後に、未圧縮の積層体200を、上下に配置されたプルベルト40の間を通過させることによって圧縮する工程を行うことが好ましい。
(抄紙工程)
ハンドタオル積層体300を構成するシート100は、抄紙機を用いて抄造することによって得ることができる。抄造時の抄き出し水流速度/ワイヤー速度(J/W比)は、通常、0.85以上1.00以下の範囲に制御して抄紙することが好ましい。
ハンドタオルでは、湿潤紙力が重要であるため、湿潤紙力増強剤(例えば、ポリアミン・ポリアミドエピクロルヒドリン系)を紙料スラリーに添加することが好ましい。また、乾燥紙力を上げるための乾燥紙力増強剤を更に添加することも好ましい。
そして、シート100に柔らかさと嵩、吸水性を付与するため、上述したクレープ処理を施すことが好ましい。シート100にクレープ処理を施すことにより、嵩(バルク感)、柔らかさ、吸水性、表面の滑らかさ、美観(クレープの形状)、伸び等を一層向上させることができる。例えば、抄造後に乾燥工程を行い、その乾燥工程において、ヤンキードライヤーからクレーピングドクターにてシート100を剥す際にクレープが形成され、リールの速度差(リールの速度がヤンキードライヤーより遅い)によりクレープを保持することができる。
(搬送工程)
そして、ハンドタオル積層体300を構成するシート100は、クレーンやフォークリフトを用いて次工程に搬送される。コンベアによってライン上を搬送してもよい。
(カレンダー処理工程)
図7は、本実施形態に係る製造方法において使用可能なマシンワインダーの一例を示す概念図である。
抄紙工程によって得られたシート100は、カレンダー処理工程を施すことが好ましい。カレンダー処理は、例えば、図7に示すマシンワインダー10によって行うことができる。このマシンワインダー10では、リールパートでシート100が1プライずつ巻き取られたリール11及び12がマシンワインダー10にセットされ、原反ロール15となる。この際、1スタック目のカレンダー機13、2スタック目のカレンダー機14の順に2段階で、2枚重なった状態でカレンダー処理される(矢印D2参照)。もちろん、1スタック目のカレンダー機13と2スタック目のカレンダー機14のどちらか一方で1段階のみカレンダー処理してもよい。オンマシンカレンダーでカレンダー処理することも可能である。
また、図示はしないが、原反ロール15にエンボス加工を施してもよい。エンボス加工を施す場合、カレンダー処理はエンボス加工を行う前に施すことが好ましい。
(積層工程)
図8は、本実施形態に係る製造方法において使用可能なM/F加工機のフォールディング部の構成を示す概念図であり、図9は、図8のフォールディング部を構成する折り畳みプレート装置の斜視図である。
まず、積層工程では、1組のシート100を1組ずつ折り曲げて、これを重なりあうように折込む。シート100の折り込み形態は、ポップアップ式に順次シート100を1組ずつ取り出せる形態であれば特に限定されず、例えば、V折り、Z折り等とすることができるが、シートの中央部で2つ折りとし、積層することが好ましい。その際の積層体の長さ(長手方向の寸法)は、シート100の長さの50%以上65%以下となることが好ましい。シート100の折り込みは、M/F加工機によって行うことができる。そして、シート100の組数は、後述するフォールディング部20の折り畳みプレート装置20a,20b,20c・・・の配置数等を工夫することによって、様々な組数で折り込むことができる。
図8では便宜上、3つの折り畳みプレート装置20a,20b,20cのみを表示しているが、M/F加工機のフォールディング部20は、搬送ライン上に配置された複数の折り畳みプレート装置20a,20b,20c・・・を備える。つまり、個々の折り畳みプレート装置20a,20b,20c・・・は、それぞれシート100(「ウェッブ」等と呼ばれることもある。)を互い違いに折り畳んで1組の折り畳み積層体とする。例えば、ハンドタオル積層体300の組数が140組である場合、シート100を140組積層することとなり、折り畳みプレート装置20a,20b,20c・・・の配置数も、組数と同数の140体を搬送ライン上に配置してもよい。
続いて、1体の折り畳みプレート装置20aにおける折り畳みについて説明する。図9に示すように、折り畳みプレート装置20aでは、製品幅に切断された複数のシート100が導入され、第1のガイドロール21によって繰出し方向を変化させられた後、1組のシート100が接触するように第2のガイドロール22で方向付けられ、最後に(図9に示す)折り板23に案内されて互いに折り畳まれることによって、長尺の折り畳み積層体(「積層体バンドル」等と呼ばれることもある。)である未圧縮の積層体200を形成する。
さらに、本実施形態によれば、フォールディング部20は、隣り合う折り畳みプレート装置20a,20b,20c・・・の間の少なくとも1つに、コンベア30の上方に配置されたタッチロール24を少なくとも1つを備え、積層工程は、コンベア30によって搬送されるシート(例えば、図8及び図9であれば、未圧縮の積層体200)を、その上方からタッチロール24によって支持することが好ましい。
タッチロール24は、被搬送物(例えば、シート100や未圧縮の積層体200等)を積極的に押圧して送るピンチロールやニップロールと異なり、圧をかけずに自身の自重によって被搬送物を支持するロールである。本実施形態では、組数全てのシート100が積層されるまで(すなわち、フォールディング部20による積層工程を終えるまで)は、極力シート100を圧縮しないようにすることで、シート100について紙厚、破れにくさ、手触り感等の物性のばらつきを抑えることができる。このような観点から、本実施形態では、タッチロール24を用いることが好ましい。これによって、シート100を個別に圧縮することなく、コンベア30上を高い安定性をもって案内することができる。
図8では、折り畳みプレート装置20aと折り畳みプレート装置20bの間にタッチロール24が1つ配置され、折り畳みプレート装置20bと折り畳みプレート装置20cの間にタッチロール24が1つ配置され、さらに、折り畳みプレート装置20cの下流にもタッチロール24が配置されている。しかし、本実施形態では、タッチロール24は、隣り合う折り畳みプレート装置の全ての間に設ける必要はなく、少なくとも1つの間に設けるのが好ましい。
タッチロール24は、いずれも、金属製の略円柱形状のロール体であり、その直径は10mm以上50mm以下であることが好ましい。タッチロール24が金属製である場合、金属の種類は限定されず、例えば、アルミ、スチール、鉄等が挙げられる。また、タッチロール24の質量は、いずれも100g以上1000g以下であることが好ましい。このような寸法形状とすることによって、タッチロール24の自身の自重だけで、シート100を高い安定性で案内することができる。
そして、タッチロール24は、コンベア30の搬送方向(未圧縮の積層体200の搬送方向、矢印D3参照)に対して自由回転可能であることが好ましい。このように自由回転することによって、搬送時に意図しない抵抗力や押圧力が発生することなく搬送速度に同期できるので、組数全てのシート100が積層されるまで(すなわち、フォールディング部20での積層工程を終えるまで)は、極力圧縮することなく、コンベア30上を案内することができる。
M/F加工機は、フォールディング部20の前段にPR(ペアレントロール)スタンドを多数(例えば、3つ以上)備え、PRスタンドからウェッブをフォールディング部20に繰り出す構成とすることができる。その他、本実施形態の作用が得られる範囲内であれば、適宜M/F加工機の構成を改変してもよい。
このようにして、1体の折り畳みプレート装置20aで折り畳まれた1組の積層体は、コンベア30の下流に配置されている次の折り畳みプレート装置20bの1組の積層体とかみ合うように折り畳まれる。続けて、更に次なる折り畳みプレート装置20cで折り畳まれた積層体が、これにかみ合うように折り畳まれる。このようにして、コンベア30上に配置された折り畳みプレート装置(不図示)で折り畳まれた積層体が、順次に連続的にかみ合わされることによって、未圧縮の積層体200が得られる。
(圧縮工程)
図10は、プルユニットにより圧縮加工を行う一例を説明する概略図である。
次に、図10を参照しつつ、圧縮工程及びそれを行う圧縮加工部について説明する。圧縮加工部として、例えば、プルユニット(「プルベルト」等と呼ばれることもある。)40を用いることができる。圧縮工程では、未圧縮の積層体200を、その上下に配置された上プルユニット41及び下プルユニット42の間を通過させることによって圧縮することができる。
未圧縮の積層体200(積層体バンドル)は、プルユニット40に装入されて、上プルユニット41及び下プルユニット42によって積層方向に圧縮加工されて、圧縮加工された積層体バンドルが得られる。これがカットオフソーやログソー等によって製品の長さ(ハンドタオルの長手長)に矢印C方向にカットされてハンドタオル積層体300(「クリップ」等と呼ばれることもある)が得られる。
なお、以上の工程によるハンドタオル積層体300の加工スピードは150クリップ/min以上550クリップ/min以下であることが好ましい。
プルユニット40は、上下にそれぞれ複数組のロール(上プルユニット41及び下プルユニット42)が配置されている。これら上下のロール組には、それぞれゴムベルト等のベルトが張架されており、駆動ロール43,44によってロール45,46を回転させることにより、上下のベルトが所定の速度で走行し(矢印D4,D5参照)、両ベルトの間に未圧縮の積層体200が搬送されて、そこで圧縮加工する構成である。
圧縮加工部は、フォールディング部20よりも下流に1つのみ配置されていることが好ましい。具体的には、プルユニット40は、M/F加工機の最下流の折り畳みプレート装置(不図示)の下流に配置されていることが好ましい。この場合のプルユニット40は、最下流の折り畳みプレート装置の下流に配置されていればよく、その配置数は特に限定されないが、1つのみであることがより好ましい。プルユニット40の配置条件をこのように制御することで、ハンドタオル積層体300を構成するシート100の全てが、同一の圧縮力及び圧縮回数によって圧縮されるため、シート100ごとの紙厚のばらつきがなく、その結果、破れにくさ等の物性のばらつきも抑制できる。
なお、図示はしないが、得られたハンドタオル積層体300は、後続のカートナーや包装機等によって箱詰め包装されたりして、最終製品とすることができる。
以上説明したとおり、本実施形態によれば、M/F加工機で加工し、充填率の高い状態で紙製カートン、又はフィルムパックに充填した製品において、加工時にクリップずれが起こらず(加工適性が良く)、使用時(引き出し時)の紙粉発生が少ないハンドタオル積層体300を製造することができる。
以下の実施例及び比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
<ハンドタオル積層体の作製>
(実施例1)
図7、図8、図9、及び図10に示す構成を有する製造装置を用いて、2プライの1組のシート100を折り曲げて、互いに重なりあうように積層されたハンドタオル積層体300を作製した。具体的には、図9及び図10のフォールディング部20について、100体の折り畳みプレート装置20a,20b,20c・・・をライン上に配置するとともに、略円柱形上であるタッチロール24(スチール製、直径:20mm、質量:700g)を、40組、60組、100組、組みあがったクリップにタッチするように3か所ライン上に配置した。具体的には、まず、パルプ70質量%、MSF30質量%の条件で抄紙して、シート100を得た。次に、得られたシート100を、紙厚を規定範囲に収めるため、カレンダー処理を行った。続いて、M/F加工機にて積層工程、圧縮工程を行った。そして、ログソーで裁断して、組数が100組であるハンドタオル積層体300(シート長さ198mm、シート幅216mm)を得た後、紙製のカートンに収納した。
(実施例2~11、比較例1~6)
各表に示す条件に変更した以外は実施例1と同様にして、ハンドタオル積層体300を得た。
<評価方法>
(坪量)
シート100の坪量は、JIS P 8124に準拠して測定した。
(紙厚)
シート100の紙厚は、JIS P 8111の条件下(23±1℃、50±2%相対湿度)でシックネスゲージ(尾崎製作所製のアップライト ダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK R1-B型」)を用い、測定子に3.7kPaの圧力を加え、測定子直径3mmで、測定子と測定台の間に試料(シート100×10枚)を置き、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取った。測定は、10回繰り返して得られた数値を平均とした。
(G.M.T.)
シート100の乾燥時の縦方向の引張強度(DMDT)及び乾燥時の横方向の引張強度(DCDT)は、いずれもJIS P 8113の引張試験方法に基づいて、1プライで測定した。そして、得られたDMDT及びDCDTの積の平方根からG.M.T.を求めた。
なお、これらの測定は、JIS P 8111の条件下(23±1℃、50±2%相対湿度)において測定した。
(TSA装置によって測定されるTS750)
ティシューソフトネス測定装置TSA(emtec社製、「Tissue Softness Analyzer」)を用いて、上述した測定方法によりTSA装置上のソフトウェアにて自動的に取得した、低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度(TS750)を測定した。
(充填率)
紙製のカートン又はフィルムパックに充填したハンドタオル積層体300について、上述した求め方により充填率を求めた。
(シートの静止摩擦係数及び動摩擦係数)
シート100同士をCD方向に擦り合わせたときの静止摩擦係数及び動摩擦係数について、ISO 15359に準拠して、野村事株式会社製「自動摩擦試験機 NSF-100」を用いて測定した。静止摩擦係数及び動摩擦係数は、ともに1回目の値を採用した。
(シートのクレープ高さ及びクレープ本数)
シート100のクレープ高さ及びクレープ本数について、KEYENCE社製のマイクロスコープ「ワンショット3D測定マクロスコープ VR-3100」及び画像の観察・測定・画像解析ソフトウェア「VR-H1A」を用いて、上述した測定方法により求めた。
(クリップずれ発生頻度)
各実施例及び比較例に記載した条件(加工スピード)で、ハンドタオル積層体300をM/F加工機で加工した際の、1直分(8時間)でクリップずれが発生した頻度を(クリップずれの発生回数/加工クリップ総数×100)(%)で求めた。なお、クリップずれ発生頻度に基づき、以下の基準で評価した。
(評価基準)
0.05%未満:優→クリップずれはほぼ発生せず、加工適性が良好である。
0.05%以上0.1%未満:良→クリップずれの発生は少なく、加工適性は問題ない。
0.1%以上:不可→クリップずれが多く発生し、加工適性に劣る。
(使用感(紙粉)の評価)
得られたハンドタオル積層体300について50名を対象とし、使用した際の紙粉の発生について官能評価を行い、各人が1点から5点で評価した。
「優◎」:使用時(取り出し時)に紙粉の発生がほぼなく、使用感が良好であると感じる。50名の評価の平均点が4.0点以上。
「良○」:使用時(取り出し時)に紙粉が少々発生するものの、問題なく使用できると感じる。50名の評価の平均点が3.0点以上、4.0点未満。
「不可×」:取り出し時に紙粉の発生が多く、使用すると粉っぽく感じ、使用感が悪いと感じる。50名の評価の平均点が3.0点未満。
表1に、各実施例の条件及び評価結果を示し、表2に、各比較例の条件及び評価結果を示す。なお、上記の評価が全て良(○)以上で合格とした。
Figure 2022131655000002
Figure 2022131655000003
以上より、本実施例によればM/F加工機で加工し、充填率の高い状態で紙製カートン、又はフィルムパックに充填した製品において、加工時にクリップずれが起こらず(加工適性が良く)、使用時(引き出し時)の紙粉発生が少ないハンドタオル積層体300が得られることが少なくとも確認された。
10:マシンワインダー、
11,12:リール、
13,14:カレンダー機、
15:原反ロール、
20:フォールディング部、
20a,20b,20c:折り畳みプレート装置、
21:第1のガイドロール、
22:第2のガイドロール、
23:折り板、
24:タッチロール、
30:コンベア、
40:プルユニット(プルベルト)、
41:上プルユニット、
42:下プルユニット、
43,44:駆動ロール、
45,46:ロール、
50:ティッシュソフトネス測定装置TSA、
51:試料台
51a:振動センサー、
52:サンプル、
53:サンプル固定リング、
54:ゴム製リップ、
55:ブレード付きロータ
55a:ブレード、
55b:モーター、
56:力センサー、
100:シート、
200:未圧縮の積層体、
300:ハンドタオル積層体、
D1,D2,D3,D4,D5:矢印

Claims (7)

  1. 2プライのシートを1組ずつ折り曲げて互いに重なりあうように積層され、紙製のカートン又はフィルムパックに充填された、ハンドタオル積層体であって、
    前記シートの紙厚が、0.52mm/10プライ以上0.81mm/10プライ以下であり、
    前記シート同士をCD方向に擦り合わせたときの静止摩擦係数が0.45以上0.85以下、動摩擦係数が0.20以上0.53以下であり、
    前記カートン又はフィルムパックの充填率が、45.0%以上71.5%以下であることを特徴とする、ハンドタオル積層体。
  2. 前記シートのクレープ高さが、15μm以上38μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のハンドタオル積層体。
  3. 前記シートのクレープ本数が、10本/6mm以上32本/6mm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のハンドタオル積層体。
  4. 前記シートの1プライの坪量が、14.9g/m以上17.9g/m以下であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のハンドタオル積層体。
  5. 前記シートのTSA装置によって測定されるTS750が、19.1dBVrms以上27.3dBVrms以下であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のハンドタオル積層体。
  6. 前記シートの、乾燥時の縦方向の引張強度(DMDT)と乾燥時の横方向の引張強度(DCDT)との積の平方根(G.M.T.)が、6.4N/25mm以上10.8N/25mm以下であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のハンドタオル積層体。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のハンドタオル積層体の製造方法であって、M/F加工機で150クリップ/min以上550クリップ/min以下のスピードで加工することを特徴とする、ハンドタオル積層体の製造方法。
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