JP2022131444A - 電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】信頼性が高い電解コンデンサを提供する。【解決手段】開示される電解コンデンサ100は、コンデンサ素子110と、コンデンサ素子110を収納する有底筒状のケース101と、ケース101の開口部を封止する封口体130とを含む。電解コンデンサ100は、封口体130上に形成された、第1の樹脂を含む樹脂含有層140と、ケース101の外面に形成された、第2の樹脂を含む外装樹脂層102とをさらに含む。第1の樹脂は第2の樹脂とは異なる。ケース101の開口端101eの近傍は、開口端101eがケース101の内側に向かうように曲がっている。樹脂含有層140は、ケース101の内面に接触している。【選択図】図1

Description

本開示は、電解コンデンサに関する。
巻回式のコンデンサ素子を含む電解コンデンサは、一般的に、コンデンサ素子を収容するケースと、ケースの開口を封口する封口体とを含む。封口体は、高温環境下などで劣化することがある。封口体が劣化すると、電解コンデンサの封止性が低下する。そこで、高温でも封止性を維持できる電解コンデンサが提案されている。
特許文献1(特開2013-187446号公報)は、「コンデンサ素子と、該コンデンサ素子を収納する外装ケースと、該外装ケースの開口部を封口する封口弾性部材と、該封口弾性部材の封口を助勢する封口助勢部材と」を備える電解コンデンサを開示している。特許文献1の電解コンデンサでは、前記封口弾性部材は、広温度帯域封口弾性部材であり、前記封口助勢部材は、広温度帯域封口助勢部材である。
特開2013-187446号公報
現在、信頼性がより高い電解コンデンサが求められている。本開示は、信頼性がより高い電解コンデンサを提供することを目的の1つとする。
本開示の一局面は、電解コンデンサに関する。当該電解コンデンサは、コンデンサ素子と、前記コンデンサ素子を収納する有底筒状のケースと、前記ケースの開口部を封止する封口体とを含む電解コンデンサであって、前記封口体上に形成された、第1の樹脂を含む樹脂含有層と、前記ケースの外面に形成された、第2の樹脂を含む外装樹脂層とをさらに含み、前記第1の樹脂は前記第2の樹脂とは異なり、前記ケースの開口端の近傍は、前記開口端が前記ケースの内側に向かうように曲がっており、前記樹脂含有層は、前記ケースの内面に接触している。
本開示によれば、信頼性が高い電解コンデンサが得られる。
本開示の電解コンデンサの一例を模式的に示す断面図である。 図1に示した電解コンデンサの一部を模式的に示す図である。
本開示に係る実施形態の例について以下に説明する。なお、以下の説明では、本開示の実施形態について例を挙げて説明するが、本開示は以下で説明する例に限定されない。以下の説明では、具体的な数値や材料を例示する場合があるが、本開示の効果が得られる限り、他の数値や他の材料を適用してもよい。この明細書において、「数値A~数値B」という場合、当該範囲には数値Aおよび数値Bが含まれ、「数値A以上で数値B以下」に置き換えることができる。
(電解コンデンサ)
本実施形態に係る電解コンデンサは、コンデンサ素子と、コンデンサ素子を収納する有底筒状のケースと、ケースの開口部を封止する封口体とを含む。本実施形態に係る電解コンデンサを、以下では「電解コンデンサ(C)」と称する場合がある。電解コンデンサ(C)は、封口体上に形成された、第1の樹脂を含む樹脂含有層と、ケースの外面に形成された、第2の樹脂を含む外装樹脂層とをさらに含む。封口体上に形成された第1の樹脂を含む樹脂含有層を、以下では「樹脂含有層(R)」と称する場合がある。第1の樹脂は第2の樹脂とは異なる。ケースの開口端の近傍は、ケースの開口端がケースの内側に向かうように曲がっている。樹脂含有層(R)は、ケースの内面に接触している。
樹脂含有層(R)と外装樹脂層とは、異なる目的で形成される。そのため、それらは、異なる樹脂(第1の樹脂と第2の樹脂)を含む。第1の樹脂を含む樹脂含有層(R)と、第2の樹脂を含む外装樹脂層とが接触した場合、それらの樹脂の物性の違いから、接触している部分が劣化しやすくなる。特に、第2の樹脂が樹脂含有層(R)に入り込んでいる場合、その部分から、樹脂含有層(R)にクラックが形成されやすくなる。樹脂含有層(R)が劣化したり、樹脂含有層(R)にクラックが形成されたりすると、外気による封口体の劣化が加速される。
本実施形態に係る電解コンデンサ(C)は、以下の(1)~(3)の条件の少なくとも1つを満たすことが好ましい。電解コンデンサ(C)は、(1)~(3)の条件のいずれか1つを満たしてもよいし、それらの2つを満たしてもよいし、それらのすべてを満たしてもよい。
(1)樹脂含有層(R)は、外装樹脂層とは接触していない。
(2)ケースの中心軸を含む断面において、開口端が延びる方向Dとケースの側面部が延びる方向とがケースの内側に向かってなす角度αは、90°以上で175°以下である。角度αは、好ましくは95°以上で140°以下である。
(3)ケースの開口端は、樹脂含有層(R)の内部に入り込んでいない。
電解コンデンサ(C)は、上記(1)の条件を満たしてもよい。樹脂含有層(R)に含まれる第1の樹脂と、外装樹脂層に含まれる第2の樹脂とは異なる。異なる樹脂が接触すると、両者の樹脂の性質(例えば、熱膨張係数や耐熱性など)の差から、それらが接触する部分で劣化が進行しやすい。樹脂含有層(R)と外装樹脂層とが接触しないように両者を配置することによって、樹脂含有層(R)の劣化を抑制でき、特に、高温環境下における樹脂含有層(R)の劣化を抑制できる。
電解コンデンサ(C)は、上記(2)の条件を満たしてもよい。角度αを90°以上(例えば95°以上)とすることによって、ケースの開口端が樹脂含有層(R)の内部に入りこむことを抑制できるとともに、樹脂含有層(R)と外装樹脂層とが接触することを抑制できる。角度αを175°以下(例えば140°以下)とすることによって、封口体の固定をしやすくなるとともに、封口体の膨張を抑制できる。
電解コンデンサ(C)が上記(2)の条件を満たす場合、角度αは、90°以上、95°以上、または100°以上であってもよく、175°以下、140°以下、120°以下、または100°以下であってもよい。これらの下限と上限とは、下限が上限を下回る限り、任意に組み合わせることができる。
上記(3)の条件を満たすことによって、ケースの開口端が樹脂含有層(R)の内部に入りこんだ部分から樹脂含有層(R)が劣化することを抑制できる。また、上記(3)の条件を満たすことによって、上記(2)の条件を満たすことが容易になる。
以上のように、電解コンデンサ(R)は、信頼性が高く、特に高温環境下における信頼性が高い。
(封口体)
封口体(封口部材)は、弾性を有する絶縁性材料で形成される。封口体の材料の例には、ゴムや樹脂が含まれる。高い耐熱性が得られやすい観点からは、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(ハイパロンゴムなど)、ブチルゴム、イソプレンゴムなどが好ましい。封口体の材料に特に限定はなく、封口体に用いられる公知の材料を用いてもよい。
封口体は、ケースの開口部の形状に対応する形状(例えば円盤状)を有する。ケースの開口端近傍の部分が封口体を押圧するように当該部分を変形させることによって、ケースを封口できる。通常、封口体には、陽極リードおよび陰極リードを通すための貫通孔が形成されている。
封口体の厚さに限定はなく、ケースの開口部を封止できる厚さであればよい。
(樹脂含有層(R))
樹脂含有層(R)を形成することによって、ケースの開口部の封止性を高めることができる。さらに、樹脂含有層(R)を形成することによって、封口体の劣化を抑制できる。
樹脂含有層(R)は、塗布によって樹脂含有層(R)を形成することが可能な材料で形成されている。樹脂含有層(R)は、第1の樹脂を含む。樹脂含有層(R)は、第1の樹脂に加えて他の材料を含んでもよい。他の材料の例には、フィラーが含まれる。フィラーには、絶縁性の無機フィラーを用いてもよい。フィラーの例には、アルミナ、シリカ、ガラス、タルク、クレー、マイカ等が含まれる。樹脂含有層(R)における第1の樹脂の含有率に特に限定はなく、10質量%~80質量%の範囲(例えば30質量%~60質量%の範囲)にあってもよい。
第1の樹脂は、絶縁性の樹脂である。第1の樹脂として、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などを用いてもよい。第1の樹脂の例には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド等が含まれる。樹脂含有層(R)は、2種以上の樹脂を含んでもよい。樹脂含有層(R)に含まれる樹脂の少なくとも1種は、外装樹脂層に含まれる第2の樹脂とは異なる。樹脂含有層(R)が複数種の樹脂を含む場合、それらの樹脂に占める第1の樹脂の割合は、50質量%以上であってもよい。
樹脂含有層(R)は、封口体の表面のうち、露出している外側の表面の大部分を覆うことが好ましい。例えば、樹脂含有層(R)は、封口体の露出している外側の表面の70%以上、80%以上、90%以上の面積を覆ってもよく、当該表面のすべてを覆ってもよい。樹脂含有層(R)が覆う面積を高くすることによって、封口体の劣化の抑制効果と封止性とをより高めることができる。
樹脂含有層(R)の厚さに特に限定はなく、封口体の劣化を抑制する効果が得られる厚さであればよい。樹脂含有層(R)の中央部の厚さは、0.2mm~3.0mmの範囲(例えば0.5mm~1.0mmの範囲)にあってもよい。当該厚さを0.5mm以上とすることによって、樹脂含有層(R)を形成することによる効果を特に高めることができる。樹脂含有層(R)の厚さは、封口体の厚さよりも薄いことが好ましい。樹脂含有層(R)は、例えば、樹脂含有層(R)の材料である塗液を封口体に塗布(例えば滴下による塗布)して硬化させることによって形成できる。樹脂含有層(R)は、通常、開口端近傍のケースの形状を加工した後(例えば後述する凹部および曲がり部を形成した後)に形成されるが、形成の順序はそれに限定されない。樹脂含有層(R)の厚さは、樹脂含有層(R)を形成する際の条件で変更できる。例えば、樹脂含有層(R)の材料である塗液の塗布量などによって制御できる。
樹脂含有層(R)のうちケースと接している部分の厚さは、樹脂含有層(R)の中央部における厚さよりも厚くてもよい。この構成によれば、樹脂含有層(R)とケースとの界面を介してガス(例えば大気中の酸素ガス)や水分が侵入することを特に抑制できる。なお、塗液を用いて樹脂含有層(R)を形成することによって、この構成を実現することが可能である。
(外装樹脂層)
外装樹脂層を形成することによって、ケースの外面に極性マークや識別記号などの印刷を行うことが可能になる。外装樹脂層は、ケースの外面の少なくとも一部に形成されている。典型的には、外装樹脂層は、ケースの外面の全部または大部分(例えば外面の面積の80%以上)を覆うように形成される。第2の樹脂を含む外装樹脂層は、ケースの内面上には形成されていない。
外装樹脂層は、実質的に樹脂のみ(例えば第2の樹脂のみ)で形成されていてもよいし、他の材料を含んでもよい。外装樹脂層は、第2の樹脂に加えて他の樹脂を含んでもよい。外装樹脂層が2種類以上の樹脂を含む場合、すべての樹脂に占める第2の樹脂の割合は、50質量%以上、80質量%以上、または90質量%以上であってもよい。外装樹脂層を構成する第2の樹脂の例には、ナイロン、ポリエステル樹脂などが含まれる。外装樹脂層は、外装樹脂層の材料である樹脂(または樹脂組成物)を塗布した後に硬化させることによって形成したコーティング層であってもよい。あるいは、外装樹脂層となる樹脂フィルムをラミネートすることによって、外装樹脂層を形成してもよい。
第1の樹脂の耐熱性は第2の樹脂の耐熱性よりも高いことが好ましい。例えば、第1の樹脂のガラス転移点(ガラス転移温度)は、第2の樹脂のガラス転移点よりも高くてもよい。また、第1の樹脂の熱分解温度は、第2の樹脂の熱分解温度よりも高くてもよい。第1の樹脂として、第2の樹脂よりも耐熱性が高い樹脂を用いることによって、高温による封口体の劣化を特に抑制できる。
第1の樹脂の耐熱性が第2の樹脂の耐熱性よりも高くなる両者の組み合わせの例には、第1の樹脂がエポキシ樹脂であり、第2の樹脂がナイロンまたはポリエステル樹脂である組み合わせが含まれる。例えば、第1の樹脂がエポキシ樹脂であり、第2の樹脂が、当該エポキシ樹脂のガラス転移点よりも低いガラス転移点を有するナイロンまたはポリエステル樹脂である。
電解コンデンサ(C)の構成要素の例について、以下に説明する。ただし、本開示に係る電解コンデンサ(C)の構成要素は、以下に例示するものに限定されない。電解コンデンサ(C)は、以下に示す構成要素以外の構成要素を必要に応じて含んでもよい。
(コンデンサ素子)
コンデンサ素子は、表面に誘電体層が形成された陽極体と、陰極体と、それらの間に配置されたセパレータおよび電解質を含む。通常、陽極箔(陽極体)と陰極箔(陰極体)との間にセパレータが配置されるようにそれらを巻回することによって得られた巻回体を、コンデンサ素子は含む。陽極体には陽極リードが接続されている。陰極体には陰極リードが接続されている。コンデンサ素子の構成要素に特に限定はなく、コンデンサ素子に用いられる公知の構成要素を用いてもよい。コンデンサ素子の製造方法に限定はなく、公知の方法で形成してもよい。
(陽極体)
陽極体(陽極箔)には、例えば、表面が粗面化された金属箔(陽極箔)が用いられる。金属箔を構成する金属には、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁作用金属、または弁作用金属を含む合金を用いることが好ましい。金属箔表面の粗面化は、公知の方法(例えばエッチング処理)によって行うことができる。
(誘電体層)
誘電体層は、陽極箔の表面に形成される。具体的には、誘電体層は、粗面化された金属箔の表面に形成されるため、陽極箔の表面の孔や窪み(ピット)の内壁面に沿って形成される。誘電体層の形成方法は特に限定されず、金属箔を化成処理することによって形成してもよい。
(陰極体)
陰極体(陰極箔)には、例えば、金属箔(陰極箔)が使用される。陰極体(陰極箔)を構成する金属には、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁作用金属、または弁作用金属を含む合金を用いることが好ましい。陰極箔には、必要に応じて、粗面化および/または化成処理を行ってもよく、表面にカーボンやチタンを含む層を形成してもよい。
(セパレータ)
セパレータには、絶縁性の材料からなる不織布や多孔質膜などを用いることができる。例えば、セパレータには、セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ビニロン、ポリアミド(例えば、脂肪族ポリアミド、アラミドなどの芳香族ポリアミド)の繊維を含む不織布を用いてもよい。
(電解質)
電解質の例には、電解液、固体電解質、および、固体電解質と電解液との混合物が含まれる。電解液の例には、有機塩などの溶質が溶解している非水溶媒が含まれる。非水溶媒は、有機溶媒であってもよいし、イオン性液体であってもよい。非水溶媒の例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、スルホラン、γ-ブチロラクトン、N-メチルアセトアミドなどが含まれる。有機塩の例には、マレイン酸トリメチルアミン、ボロジサリチル酸トリエチルアミン、フタル酸エチルジメチルアミン、フタル酸モノ1,2,3,4-テトラメチルイミダゾリニウム、フタル酸モノ1,3-ジメチル-2-エチルイミダゾリニウムなどが含まれる。なお、電解液(液状成分)として、電解質を含まない液体(非水溶媒)を用いてもよい。
固体電解質の例には、マンガン化合物、導電性高分子などが含まれる。導電性高分子の例には、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、およびこれらの誘導体などが含まれる。導電性高分子を含む固体電解質(固体電解質層)は、原料モノマーを誘電体層上で化学重合および/または電解重合することによって形成してもよい。あるいは、導電性高分子を含む液体を、誘電体層に塗布することによって、固体電解質を配置してもよい。導電性高分子には、ドーパント(例えば高分子ドーパント)が含まれていてもよい。
(リード)
陽極リードは、陽極体に接続される。陰極リードは陰極体に接続される。これらは、リードとして機能するものであればよい。これらには、公知のリードを用いてもよく、例えば、金属からなるリードを用いることができる。
(ケース)
ケースは、有底筒状のケースである。筒状部は、角筒状であってもよいが、典型的には円筒状である。ケースには公知のケースを用いてもよく、例えば、金属からなるケースを用いることができる。
以下では、本開示の電解コンデンサの例について、図面を参照して具体的に説明する。以下で説明する例には、上述した構成を適用できる。また、以下で説明する例は、上述した記載に基づいて変更できる。また、以下で説明する事項を、上記の実施形態に適用してもよい。また、以下で説明する実施形態において、本開示の電解コンデンサに必須ではない構成要素は省略してもよい。
(実施形態1)
実施形態1では、本実施形態に係る電解コンデンサ(C)の一例について、図面を参照しながら説明する。実施形態1の電解コンデンサ100の断面図を図1に模式的に示す。図1は、ケース101の中心軸C(ケース101の筒状部101aの中心軸)を含む断面である。換言すれば、図1に示す断面は、中心軸Cに沿った断面である。
電解コンデンサ100は、ケース101、外装樹脂層102、コンデンサ素子110、陽極リード121、陰極リード122、封口体130、および樹脂含有層140を含む。ケース101は、有底の円筒状のケースである。コンデンサ素子110は、ケース101に収容されている。ケース101の外面101sbの全面またはほぼ全面には外装樹脂層102が形成されている。
図2は、一部が展開された状態のコンデンサ素子110を模式的に示す斜視図である。コンデンサ素子110は、表面に誘電体層(図示せず)が形成された箔状の陽極体111と、箔状の陰極体112と、これらの間に配置されたセパレータ113および電解質(図示せず)とを含む。陽極体111および陰極体112は、それらの間にセパレータ113が配置された状態で巻回されている。巻回体の最外周は、巻止めテープ114によって固定される。なお、図2は、巻回体の最外周を固定する前の、一部が展開された状態を示している。陽極体111には陽極リード121が接続され、陰極体112には陰極リード122が接続されている。陽極リード121は、棒状部121aとリード部121bとを含む。陰極リード122は、棒状部122aとリード部122bとを含む。陽極リード121は、棒状部121aの先につながっている板状部(図示せず)をさらに含み、板状部が陽極体111に固定されている。陰極リード122は、棒状部122aの先につながっている板状部(図示せず)をさらに含み、板状部が陰極体112に固定されている。
封口体130は、ケース101の開口部近傍に配置され、ケース101を封口している。ケース101は、筒状部(円筒状部)101aと底部101bとを有する。筒状部101aのうち、封口体130と接する部分の一部には、リング状の凹部101cが形成されている。凹部101cは、筒状部101aの中心軸Cに向かって突き出している。凹部101cが封口体130を押すことによって、封口体130が強固に固定される。ケース101は、その開口端101eの近傍に、開口端101eがケース101の内側に向かうように曲がる曲がり部101fを有する。ここで、開口端101eの近傍とは、図1の断面において、開口端101eからの長さ(外面101sbに沿った長さ)が、ケース101の側壁部(底部101bから立ち上がっている筒状部)の長さ(外面101sbに沿った長さ)の例えば30%以下(例えば20%以下)である範囲であってもよい。別の観点では、曲がり部101fは、ケース101の側壁部に形成されている。
封口体130上(より詳細には、封口体130の外側の表面上)には、樹脂含有層140が形成されている。樹脂含有層140は、ケース101の内面101saと接触しているが、ケース101の外面101sb側には延びていない。すなわち、樹脂含有層140は、外装樹脂層102とは接触していない。また、ケース101の開口端101eは、樹脂含有層140に入り込んでいない。樹脂含有層140の上面は、ケース101の開口端101eよりも、ケース101の内側に存在する。
ケース101の中心軸Cを含む断面(図1に示す断面)において、開口端101eが延びる方向Dとケース101の側面部(筒状部101aの外面101sb)が延びる方向とがケース101の内側に向かってなす角度αは、90°以上で175°以下である。なお、角度αは、例えば、図1の断面において、筒状部101aの外面101sbの延長線と、開口端101eにおける内面101saの接線の延長線との交点の角度とすることができる。
角度αを90°以上とした場合において、樹脂含有層140と外装樹脂層102とが開口端101eの近傍で接触してその部分で樹脂含有層140にクラックが発生したと仮定する。その場合であっても、発生したクラックは、封口体130に向かって進行しにくい。その観点では、角度αは大きい方がより好ましく、90°以上であることが好ましい。ただし、封口体130を固定する観点や、封口体130の膨張を抑制する観点では、角度αは小さいことが好ましい。
本実施形態に係る電解コンデンサ(C)は、図示していない構成要素を必要に応じて含んでもよい。例えば、ケース101の開口部を覆う座板などを含んでもよい。
本実施形態に係る電解コンデンサ(C)の製造方法の例として、電解コンデンサ100の製造方法の一例について以下に説明する。ただし、電解コンデンサ(C)は、以下の製造方法以外の方法で製造してもよい。
まず、外面が外装樹脂層102で覆われたケース、封口体130、陽極リード121および陰極リード122が接続されたコンデンサ素子110を準備する。外面が外装樹脂層102で覆われたケースの形成方法に限定はなく、一般的な方法によって形成できる。一例の方法では、まず、金属板(例えばアルミニウム板)の片面に外装樹脂層102を形成する。外装樹脂層102は、外装樹脂層の材料を塗布した後に硬化させることによって形成してもよい。あるいは、外装樹脂層となる樹脂フィルムを金属板の片面にラミネートすることによって形成してもよい。次に、金属板を金属加工(例えば深絞り加工)することによって、ケース形状を形成する。その後、金属板からケースを切り離す。次に、必要に応じて、ケースの開口端をトリミングする。このようにして、外装樹脂層102が形成されたケースが得られる。ケースは、ケース101の形状となる前のケースであり、有底円筒状のケースである。コンデンサ素子110は、一般的な方法で形成できる。
次に、コンデンサ素子110に接続された陽極リード121および陰極リード122を、封口体130の貫通孔に通す。次に、封口体130と一体となったコンデンサ素子110をケース内に収容する。なお、コンデンサ素子110の電解質層(固体電解質層)は、コンデンサ素子110に封口体130を装着する前に形成してもよいし、コンデンサ素子110となる巻回体(陽極体111、陰極体112、およびセパレータ113の巻回体)に封口体130を装着した後に形成してもよい。
電解質として電解液を含む電解質を用いる場合には、予めコンデンサ素子110に電解液を含浸させておいてもよいし、電解液の少なくとも一部をケース内に注液してもよい。次に、横絞り加工によって、封口体130の固定、凹部101cの形成を行い、また、曲がり部101fを形成する。この加工によって、ケース101が形成される。また、この加工によって、封口体130が固定され、ケース101の開口部が封口される。曲がり部101fの角度は、加工条件を変えることによって容易に制御できる。
次に、封口体130の表面のうち外側に露出している表面を覆うように、樹脂含有層140を形成する。例えば、樹脂含有層140の材料である塗液を封口体130上に滴下したのち、当該塗液を硬化させてもよい。このとき、樹脂含有層を均一に付着させるために、エアブローを行ったり、振動を加えたりしてもよい。塗液は、硬化前の第1の樹脂を含む樹脂組成物であってもよい。塗液の硬化の際には、必要に応じて加熱処理や乾燥処理を行ってもよい。このようにして、電解コンデンサ100を製造できる。塗液の塗布量を変えることによって、樹脂含有層140の厚さを制御できる。なお、一般的に、表面張力などの影響によって、塗液を用いて形成される樹脂含有層140の厚さは、ケース101と接触している部分の方が中央部よりも大きくなる。
実施例によって本開示に係る電解コンデンサをより詳細に説明する。この実施例では、ケースの開口端近傍の形状、および、樹脂含有層の有無を変化させて3つの電解コンデンサ(コンデンサA1、C1、C2)を作製した。それぞれのコンデンサは、定格電圧が6.3V、定格容量が330μF、ケースの筒状部の直径は6.3mmとした。そして、作製した電解コンデンサを評価した。
(コンデンサA1)
コンデンサA1として、図1に示した電解コンデンサと同様の形状を有する電解コンデンサを作製した。具体的には、電解コンデンサ100の製造方法として例示した方法と同様の方法でコンデンサA1を作製した。樹脂含有層(R)の第1の樹脂には、エポキシ樹脂を用いた。外装樹脂層には、ナイロン樹脂を用いた。図1に示す角度αは、約135°とした。図1に示すように、コンデンサA1の樹脂含有層(R)は、ケース外面の外装樹脂層とは接触していない。
(コンデンサC1)
図1に示す角度αが約60°となるように形成したことを除いて、コンデンサA1と同様の方法および材料でコンデンサC1を作製した。ケースの開口端は、樹脂含有層(R)に入り込んでおり、樹脂含有層(R)はケース外面の外装樹脂層と接触していた。
(コンデンサC2)
樹脂含有層(R)を形成しなかったことを除いて、コンデンサA1と同様の方法および材料でコンデンサC2を作製した。
上記の3つのコンデンサについて、高温(150℃)の環境下に1500時間放置する実験を行った。そして、初期、高温1000時間放置後、および、高温1500時間放置後のそれぞれにおいて、コンデンサの容量およびESR(等価直列抵抗)の値を測定した。それらの評価結果を表1に示す。
Figure 2022131444000002
なお、コンデンサC2は、高温で1000時間放置後の劣化が大きかったため、その後の評価を行わなかった。表1に示すように、本開示に係るコンデンサA1は、高温放置された後でも、ESRが低く、高い信頼性を示した。一方、コンデンサC1およびC2は、高温放置によって容量が大きく低下し、ESRの値が大幅に上昇した。これは、封口体の劣化によるものであると考えられる。
本開示は、電解コンデンサに利用できる。
100 :電解コンデンサ
101 :ケース
101a :筒状部
101e :開口端
101sa :内面
101sb :外面
102 :外装樹脂層
110 :コンデンサ素子
130 :封口体
140 :樹脂含有層
C :中心軸
D :方向
α :角度

Claims (6)

  1. コンデンサ素子と、前記コンデンサ素子を収納する有底筒状のケースと、前記ケースの開口部を封止する封口体とを含む電解コンデンサであって、
    前記封口体上に形成された、第1の樹脂を含む樹脂含有層と、
    前記ケースの外面に形成された、第2の樹脂を含む外装樹脂層とをさらに含み、
    前記第1の樹脂は前記第2の樹脂とは異なり、
    前記ケースの開口端の近傍は、前記開口端が前記ケースの内側に向かうように曲がっており、
    前記樹脂含有層は、前記ケースの内面に接触している、電解コンデンサ。
  2. 前記樹脂含有層は、前記外装樹脂層とは接触していない、請求項1に記載の電解コンデンサ。
  3. 前記ケースの中心軸を含む断面において、前記開口端が延びる方向と前記ケースの側面部が延びる方向とが前記ケースの内側に向かってなす角度は、90°以上で175°以下である、請求項1または2に記載の電解コンデンサ。
  4. 前記角度は、95°以上で140°以下である、請求項3に記載の電解コンデンサ。
  5. 前記第1の樹脂の耐熱性は前記第2の樹脂の耐熱性よりも高い、請求項1~4のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
  6. 前記樹脂含有層のうち前記ケースと接している部分の厚さは、前記樹脂含有層の中央部における厚さよりも厚い、請求項1~5のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
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