JP2022129847A - 樹脂組成物、成形体、電磁波吸収体、および、樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、成形体、電磁波吸収体、および、樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Shuta Izeki
英和 庄司
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Abstract

【課題】 電磁波の吸収率が高い樹脂組成物、成形体、電磁波吸収体、および、樹脂組成物の製造方法の提供。【解決手段】 熱可塑性樹脂(A)と、熱可塑性樹脂(B)と、カーボンナノチューブとを含み、熱可塑性樹脂(B)の少なくとも一部は、カーボンナノチューブのマスターバッチに由来し、熱可塑性樹脂(A)のSP値≧熱可塑性樹脂(B)のSP値を満たす(ここで、SP値は溶解度パラメータである)、樹脂組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂組成物、成形体、電磁波吸収体、および、樹脂組成物の製造方法に関する。
ミリ波レーダーは、30~300GHz、特に、60~90GHzの周波数の、1~10mmの波長を持つミリ波帯の電波を発信し、対象物に衝突して戻ってくる反射波を受信することによって障害物の存在や、対象物との距離や相対速度を検知するものである。ミリ波レーダーとしては、自動車の衝突防止用センサー、自動運転システム、道路情報提供システム、セキュリティシステム、医療・介護デバイス等幅広い分野の利用が検討されている。
かかるミリ波レーダー用の樹脂組成物として、特許文献1に記載のものが知られている。また、特許文献2には、電磁干渉遮蔽用または無線周波数干渉遮蔽用として用いられうる多機能性樹脂組成物が開示されている。
特開2019-197048号公報 特開2010-155993号公報
ここで、ミリ波レーダーにおいては、透過する電磁波が最も大きな誤作動の原因となる。そのため、電磁波の吸収率が高い樹脂組成物が求められている。
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであって、電磁波の吸収率が高い樹脂組成物、成形体、電磁波吸収体、および、樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、熱可塑性樹脂にカーボンナノチューブを配合する際に、カーボンナノチューブを前記熱可塑性樹脂よりもSP値が高い熱可塑性樹脂でマスターバッチ化されたものを用いることにより、得られる樹脂組成物の電磁波吸収率を向上できることを見出した。
具体的には、下記手段により、上記課題は解決された。
<1>熱可塑性樹脂(A)と、熱可塑性樹脂(B)と、カーボンナノチューブとを含み、前記熱可塑性樹脂(B)の少なくとも一部は、前記カーボンナノチューブのマスターバッチに由来し、熱可塑性樹脂(A)のSP値≧熱可塑性樹脂(B)のSP値を満たす(ここで、SP値は溶解度パラメータである)、樹脂組成物。
<2>前記マスターバッチにおけるカーボンナノチューブの濃度は、1~50質量%である、<1>に記載の樹脂組成物。
<3>前記熱可塑性樹脂(A)が、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリアミド樹脂から選択される、<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
<4>前記熱可塑性樹脂(B)が、ポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂およびポリオレフィン樹脂から選択される、<1>~<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<5>前記熱可塑性樹脂(A)のSP値と前記熱可塑性樹脂(B)のSP値の差が、0~8.0である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<6>前記熱可塑性樹脂(A)のSP値と前記熱可塑性樹脂(B)のSP値の差が、0.1~8.0である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<7>前記樹脂組成物中のカーボンナノチューブの含有量が0.01~10質量%である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<8>前記樹脂組成物を2mm厚に成形したときの、周波数76.5GHzにおける式(A)に従って求められる吸収率が50.0~100%である、<1>~<7>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
式(A)
Figure 2022129847000001
(上記式(A)中、Rはフリースペース法によって測定される反射減衰量を表し、Tはフリースペース法によって測定させる透過減衰量を表す。)
<9>前記樹脂組成物を2mm厚に成形したときの、周波数76.5GHzにおける式(B)に従って求められる反射率が40.0%以下である、<1>~<8>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
式(B)
Figure 2022129847000002
(上記式(B)中、Rは、フリースペース法によって測定される反射減衰量を表す。)
<10>前記樹脂組成物を2mm厚に成形したときの、周波数76.5GHzにおける式(C)に従って求められる透過率が25.0%以下である、<1>~<9>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
式(C)
Figure 2022129847000003
(上記式(C)中、Tはフリースペース法によって測定させる透過減衰量を表す。)
<11>前記熱可塑性樹脂(B)を、前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、1.0~100質量部含む、<1>~<10>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<12>電磁波吸収体用である、<1>~<11>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<13><1>~<12>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成された成形体。
<14><1>~<12>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成された電磁波吸収体。
<15>熱可塑性樹脂(A)と、熱可塑性樹脂(B)でマスターバッチ化されたカーボンナノチューブとを溶融混練することを含み、熱可塑性樹脂(A)のSP値≧熱可塑性樹脂(B)のSP値を満たす(ここで、SP値は溶解度パラメータである)、樹脂組成物の製造方法。
<16>前記樹脂組成物が、<1>~<12>のいずれか1つに記載の樹脂組成物である、<15>に記載の樹脂組成物の製造方法。
本発明により、電磁波の吸収率が高い樹脂組成物、成形体、電磁波吸収体、および、樹脂組成物の製造方法を提供可能になった。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は本実施形態のみに限定されない。
なお、本明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、各種物性値および特性値は、特に述べない限り、23℃におけるものとする。
本明細書において、重量平均分子量および数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)法により測定したポリスチレン換算値である。
本明細書において、反射減衰量および透過減衰量の単位は「dB」(デシベル)である。
本明細書で示す規格が年度によって、測定方法等が異なる場合、特に述べない限り、2021年1月1日時点における規格に基づくものとする。
本実施形態の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)と、熱可塑性樹脂(B)と、カーボンナノチューブとを含み、前記熱可塑性樹脂(B)の少なくとも一部は、前記カーボンナノチューブのマスターバッチに由来し、熱可塑性樹脂(A)のSP値≧熱可塑性樹脂(B)のSP値を満たす(ここで、SP値は溶解度パラメータである)ことを特徴とする。
このような構成とすることにより、電磁波の吸収率が高い樹脂組成物を提供可能になる。この理由は、以下の通りであると推測される。すなわち、SP値が高い樹脂は、相対的に極性基が多い。一方、カーボンナノチューブは、2種以上の樹脂と共に溶融混練すると、極性基がある樹脂の方に引き寄せられる傾向にある。そのため、カーボンナノチューブをマスターバッチ化する樹脂のSP値が、メインの熱可塑性樹脂のSP値よりも大きい場合、カーボンナノチューブマスターバッチとメインの熱可塑性樹脂を溶融混練しても、カーボンナノチューブがメインの熱可塑性樹脂中に分散されにくいと推測された。本実施形態では、カーボンナノチューブをマスターバッチ化する熱可塑性樹脂(B)のSP値を、熱可塑性樹脂(A)のSP値以下とすることにより、溶融混練の際に、カーボンナノチューブが熱可塑性樹脂(B)から熱可塑性樹脂(A)へと相関移動することによって熱可塑性樹脂(A)中に分散させ易くできたと推測される。特に、熱可塑性樹脂(A)のSP値と熱可塑性樹脂(B)のSP値の差を0.1以上とすることにより、より顕著にカーボンナノチューブの熱可塑性樹脂(A)中への分散を向上させることができると推測された。そして、カーボンナノチューブの熱可塑性樹脂(A)への分散性が向上することにより、高い電磁波吸収率を達成できた。
以下、本実施形態の樹脂組成物について説明する。
<SP値>
本実施形態の樹脂組成物においては、熱可塑性樹脂(A)のSP値≧熱可塑性樹脂(B)のSP値を満たす(ここで、SP値は溶解度パラメータである)。このような構成とすることにより、カーボンナノチューブの熱可塑性樹脂(A)への分散性が向上する傾向にある。
熱可塑性樹脂(A)のSP値と熱可塑性樹脂(B)のSP値の差は、0以上であり、0.1以上であることが好ましく、0.3以上であることがより好ましく、0.5以上であることがさらに好ましく、0.7以上であることが一層好ましく、1.0以上であることがより一層好ましい。また、熱可塑性樹脂(A)のSP値と熱可塑性樹脂(B)のSP値の差は、8.0以下であることが好ましく、7.0以下であることがより好ましく、6.0以下であることがさらに好ましく、5.0以下であることが一層好ましく、4.0以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、溶融混錬時の相溶性が向上する傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)および熱可塑性樹脂(B)について、それぞれ、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、混合物のSP値が上記範囲を満たすことが好ましい。
本実施形態において、既知のSP値をもつ溶媒に対する溶解度を求め、それを元にHansen Solubility Parameter in Practice ver.5.0 を用いて計算することができる。
<熱可塑性樹脂(A)>
本実施形態における熱可塑性樹脂(A)は、通常、樹脂組成物に含まれる樹脂成分のメイン成分である。
本実施形態で用いる熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂(熱可塑性ポリエステル樹脂);ポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状シクロオレフィン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリメタクリレート樹脂;等が好ましく例示され、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリアミド樹脂から選択されることがより好ましく、ポリエステル樹脂を含むことがさらに好ましく、ポリブチレンテレフタレート樹脂を含むことが一層好ましい。
本実施形態の樹脂組成物における熱可塑性樹脂(A)の含有量は、樹脂組成物中、30質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましく、45質量%以上であることが一層好ましく、50質量%以上であることがより一層好ましい。樹脂組成物が強化材を含まない場合は、熱可塑性樹脂(A)の含有量は、樹脂組成物中、60質量%以上であることがさらに好ましく、70質量%以上であることが一層好ましく、80質量%以上であることがより一層好ましく、90質量%以上であることがさらに一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、射出成形時の流動性がより向上する傾向にある。また、前記熱可塑性樹脂の含有量は、99質量%以下であることが好ましい。樹脂組成物が強化材を含む場合は、熱可塑性樹脂(A)の含有量は、樹脂組成物中、90質量%以下であることがより好ましく、80質量%以下であることがさらに好ましく、75質量%以下であることが一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、得られる成形体の機械的強度がより向上する傾向にある。
<熱可塑性樹脂(B)>
本実施形態の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(B)を含む。前記熱可塑性樹脂(B)の少なくとも一部は、前記カーボンナノチューブのマスターバッチに由来する。このような構成とすることにより、溶融混練の際に、カーボンナノチューブが熱可塑性樹脂(B)から熱可塑性樹脂(A)へ異動しやすくなり、樹脂組成物中におけるカーボンナノチューブの分散性が向上する。
また、熱可塑性樹脂(B)の一部は、カーボンナノチューブのマスターバッチに由来していなくてもよい。
熱可塑性樹脂(B)は、熱可塑性樹脂(A)との関係で設定される。すなわち、上述した熱可塑性樹脂(A)のSP値と熱可塑性樹脂(B)のSP値の関係を満たす限り、熱可塑性樹脂(B)の種類は定めるものでは無く、適宜選択することができる。
本実施形態で用いる熱可塑性樹脂(B)としては、ポリエステル樹脂(熱可塑性ポリエステル樹脂);ポリアミド樹脂; ポリカーボネート樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状シクロオレフィン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリメタクリレート樹脂;等が好ましく例示され、ポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂およびポリオレフィン樹脂から選択されることがより好ましく、ポリエステル樹脂およびポリスチレン系樹脂から選択されることがさらに好ましく、ポリスチレン系樹脂を含むことが一層好ましく、HIPS(好ましくはブタジエンゴム含有ポリスチレン)を含むことがより一層好ましい。
本実施形態の樹脂組成物における熱可塑性樹脂(B)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、1.0質量部以上であることが好ましく、2.0質量部以上であることがより好ましく、2.5質量部以上であることがさらに好ましい。前記下限値以上とすることにより、電磁波吸収性能がより向上する傾向にある。また、前記熱可塑性樹脂(B)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、100質量部以下であることが好ましく、80質量部以下であることがより好ましく、50質量部以下であることがさらに好ましく、30質量部以下であることが一層好ましく、10.0質量部以下であることがより一層好ましく、さらには、8.0質量部以下、7.0質量部以下、6.0質量部以下であることが好ましい。前記上限値以下とすることにより、得られる成形体の透過率および反射率をより低くできる傾向にある。
本実施形態においては、熱可塑性樹脂(B)の少なくとも一部は、マスターバッチ化するための樹脂として配合される。
マスターバッチにおける熱可塑性樹脂(B)の濃度は99質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることが好ましく、また、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましく、80質量%以上であることが一層好ましい。上記上限値以下および下限値以上の範囲とすることにより、カーボンナノチューブの熱可塑性樹脂(A)への分散性がより向上する傾向にある。
本実施形態における、熱可塑性樹脂の好ましいブレンド形態の一例は、熱可塑性樹脂(A)がポリエステル樹脂(好ましくは、ポリブチレンテレフタレート樹脂)を含むことであり、熱可塑性樹脂(B)がポリスチレン系樹脂を含むことである。本実施形態においては、樹脂組成物に含まれる樹脂成分の好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上がポリエステル樹脂(好ましくはポリブチレンテレフタレート樹脂)とポリスチレン系樹脂(好ましくはHIPS)からなる。
本実施形態における、熱可塑性樹脂の好ましい他の一例は、熱可塑性樹脂(A)がポリエステル樹脂(好ましくは、ポリブチレンテレフタレート樹脂)を含むことであり、熱可塑性樹脂(B)がポリエステル樹脂(好ましくは、ポリブチレンテレフタレート樹脂)を含むことである、本実施形態においては、樹脂組成物に含まれる樹脂成分の好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上がポリエステル樹脂(好ましくはポリブチレンテレフタレート樹脂)からなる。
以下、各熱可塑性樹脂の詳細について述べる。
<<ポリエステル樹脂>>
ポリエステル樹脂としては、公知の熱可塑性ポリエステル樹脂を用いることができ、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂が好ましく、少なくともポリブチレンテレフタレート樹脂を含むことがより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物に用いるポリブチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸単位および1,4-ブタンジオール単位がエステル結合した構造を有するポリエステル樹脂であって、ポリブチレンテレフタレート樹脂(ホモポリマー)の他に、テレフタル酸単位および1,4-ブタンジオール単位以外の、他の共重合成分を含むポリブチレンテレフタレート共重合体や、ホモポリマーとポリブチレンテレフタレート共重合体との混合物を含む。
ポリブチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸以外のジカルボン酸単位を1種または2種以上含んでいてもよい。
他のジカルボン酸の具体例としては、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ビフェニル-2,2’-ジカルボン酸、ビフェニル-3,3’-ジカルボン酸、ビフェニル-4,4’-ジカルボン酸、ビス(4,4’-カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’-ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類、1,4-シクロへキサンジカルボン酸、4,4’-ジシクロヘキシルジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸類、および、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸類等が挙げられる。
本実施形態で用いるポリブチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸単位が全ジカルボン酸単位の80モル%以上を占めることが好ましく、90モル%以上を占めることがより好ましい。
ジオール単位としては、1,4-ブタンジオールの外に1種または2種以上の他のジオール単位を含んでいてもよい。
他のジオール単位の具体例としては、炭素数2~20の脂肪族または脂環族ジオール類、ビスフェノール誘導体類等が挙げられる。具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノ一ル、4,4’-ジシクロヘキシルヒドロキシメタン、4,4’-ジシクロヘキシルヒドロキシプロパン、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加ジオール等が挙げられる。また、上記のような二官能性モノマー以外に、分岐構造を導入するためトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の三官能性モノマーや分子量調節のため脂肪酸等の単官能性化合物を少量併用することもできる。
本実施形態で用いるポリブチレンテレフタレート樹脂は、1,4-ブタンジオール単位が全ジオール単位の80モル%以上を占めることが好ましく、90モル%以上を占めることがより好ましい。
ポリブチレンテレフタレート樹脂は、上記した通り、テレフタル酸と1,4-ブタンジオールとを重縮合させたポリブチレンテレフタレート単独重合体が好ましい。また、カルボン酸単位として、前記のテレフタル酸以外のジカルボン酸1種以上および/またはジオール単位として、前記1,4-ブタンジオール以外のジオール1種以上を含むポリブチレンテレフタレート共重合体であってもよい。ポリブチレンテレフタレート樹脂が、共重合により変性したポリブチレンテレフタレート樹脂である場合、その具体的な好ましい共重合体としては、ポリアルキレングリコール類、特にはポリテトラメチレングリコールを共重合したポリエステルエーテル樹脂や、ダイマー酸共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂、イソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂が挙げられる。中でも、ポリテトラメチレングリコールを共重合したポリエステルエーテル樹脂を用いることが好ましい。
なお、これらの共重合体は、共重合量が、ポリブチレンテレフタレート樹脂全セグメント中の1モル%以上、50モル%未満のものをいう。中でも、共重合量が、好ましくは2モル%以上50モル%未満、より好ましくは3~40モル%、さらに好ましくは5~20モル%である。このような共重合割合とすることにより、流動性、靱性、耐トラッキング性が向上しやすい傾向にあり、好ましい。
ポリブチレンテレフタレート樹脂は、末端カルボキシル基量は、適宜選択して決定すればよいが、通常、60eq/ton以下であり、50eq/ton以下であることが好ましく、30eq/ton以下であることがさらに好ましい。上記上限値以下とすることにより、耐アルカリ性および耐加水分解性が向上する傾向にある。末端カルボキシル基量の下限値は特に定めるものではないが、ポリブチレンテレフタレート樹脂の製造の生産性を考慮し、通常、10eq/ton以上である。
なお、ポリブチレンテレフタレート樹脂の末端カルボキシル基量は、ベンジルアルコール25mLにポリブチレンテレフタレート樹脂0.5gを溶解し、水酸化ナトリウムの0.01モル/Lのベンジルアルコール溶液を用いて滴定により測定する値である。末端カルボキシル基量を調整する方法としては、重合時の原料仕込み比、重合温度、減圧方法などの重合条件を調整する方法や、末端封鎖剤を反応させる方法等、従来公知の任意の方法により行えばよい。
ポリブチレンテレフタレート樹脂の固有粘度は、0.5~2dL/gであるのが好ましい。成形性および機械的特性の点からして、0.6~1.5dL/gの範囲の固有粘度を有するものがより好ましい。固有粘度を0.5dL/g以上とすることにより、得られる樹脂組成物の機械強度がより向上する傾向にある。また、2dL/g以下とすることにより、樹脂組成物の流動性がより向上し、成形性が向上する傾向にある。
なお、ポリブチレンテレフタレート樹脂の固有粘度は、テトラクロロエタンとフェノールとの1:1(質量比)の混合溶媒中、30℃で測定する値である。
ポリブチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分またはこれらのエステル誘導体と、1,4-ブタンジオールを主成分とするジオール成分を、回分式または連続式で溶融重合させて製造することができる。また、溶融重合で低分子量のポリブチレンテレフタレート樹脂を製造した後、さらに窒素気流下または減圧下固相重合させることにより、重合度(または分子量)を所望の値まで高めることもできる。
ポリブチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と1,4-ブタンジオールを主成分とするジオール成分とを、連続式で溶融重縮合する製造法で得られたものが好ましい。
エステル化反応を遂行する際に使用される触媒は、従来から知られているものであってよく、例えば、チタン化合物、錫化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物等を挙げることができる。これらの中で特に好適なものは、チタン化合物である。エステル化触媒としてのチタン化合物の具体例としては、例えば、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタンアルコラート、テトラフェニルチタネート等のチタンフェノラート等を挙げることができる。
ポリエステル樹脂としては、上記の他、特開2010-174223号公報の段落番号0013~0016の記載を参酌でき、その内容は本明細書に組み込まれる。
<<ポリカーボネート樹脂>>
ポリカーボネート樹脂は、ジヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物を、ホスゲンまたは炭酸ジエステルと反応させることによって得られる、分岐していてもよい単独重合体または共重合体である。ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知のホスゲン法(界面重合法)や溶融法(エステル交換法)により製造したものを使用することができる。
原料のジヒドロキシ化合物としては、芳香族ジヒドロキシ化合物が好ましく、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4-ヒドロキシフェニル)-p-ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4-ジヒドロキシジフェニル等が挙げられ、好ましくはビスフェノールAが挙げられる。また、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物を使用することもできる。
ポリカーボネート樹脂としては、上述した中でも、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導される芳香族ポリカーボネート樹脂、または、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導される芳香族ポリカーボネート共重合体が好ましい。また、シロキサン構造を有するポリマーまたはオリゴマーとの共重合体等の、芳香族ポリカーボネート樹脂を主体とする共重合体であってもよい。さらには、上述したポリカーボネート樹脂の2種以上を混合して用いてもよい。
ポリカーボネート樹脂の分子量を調節するには、一価の芳香族ヒドロキシ化合物を用いればよく、例えば、m-およびp-メチルフェノール、m-およびp-プロピルフェノール、p-tert-ブチルフェノール、p-長鎖アルキル置換フェノール等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、5,000以上であることが好ましく、10,000以上であることがより好ましく、13,000以上であることがさらに好ましい。粘度平均分子量が5,000以上のものを用いることにより、得られる樹脂組成物の機械的強度がより向上する傾向にある。また、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、60,000以下であることが好ましく、40,000以下であることがより好ましく、30,000以下であることがさらに好ましい。60,000以下のものを用いることにより、樹脂組成物の流動性が向上し、成形性が向上する傾向にある。
ポリカーボネート樹脂を2種以上含む場合、混合物が上記範囲を満たすことが好ましい(以下、分子量について、同様に考える。)。
なお、本実施形態において、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ粘度計を用いて、20℃にて、ポリカーボネート樹脂のメチレンクロライド溶液の粘度を測定し固有粘度([η])を求め、次のSchnellの粘度式から算出される値を示す。
[η]=1.23×10-4Mv0.83
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、ホスゲン法(界面重合法)および溶融法(エステル交換法)のいずれの方法で製造したポリカーボネート樹脂も使用することができる。また、溶融法で製造したポリカーボネート樹脂に、末端のOH基量を調整する後処理を施したポリカーボネート樹脂も好ましい。
<<ポリアミド樹脂>>
ポリアミド樹脂としては、ラクタムの開環重合、アミノカルボン酸の重縮合、ジアミンと二塩基酸の重縮合により得られる酸アミドを構成単位とする高分子であり、脂肪族ポリアミド樹脂であっても、半芳香族ポリアミド樹脂であってもよい。
具体的には、ポリアミド6、11、12、46、66、610、612、6I、6/66、6T/6I、6/6T、66/6T、66/6T/6I、9T、10T、詳細を後述するキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリビス(4-アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド、ポリビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド等が挙げられる。なお、上記「I」はイソフタル酸成分、「T」はテレフタル酸成分を示す。また、ポリアミド樹脂としては、特開2011-132550号公報の段落番号0011~0013の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
本実施形態で用いるポリアミド樹脂は、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来するキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂が好ましい。キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂のジアミン由来の構成単位は、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、一層好ましくは90モル%以上、より一層好ましくは95モル%以上がメタキシリレンジアミンおよびパラキシリレンジアミンの少なくとも1種に由来する。キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂のジカルボン酸由来の構成単位は、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、一層好ましくは90モル%以上、より一層好ましくは95モル%以上が、炭素数が4~20のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する。炭素数が4~20のα,ω-直鎖脂肪族二塩基酸は、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカン二酸、エイコジオン酸などが好適に使用でき、アジピン酸およびセバシン酸がより好ましい。
キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂の原料ジアミン成分として用いることができるメタキシリレンジアミンおよびパラキシリレンジアミン以外のジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2-メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環式ジアミン、ビス(4-アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン等を例示することができ、1種または2種以上を混合して使用できる。
上記炭素数4~20のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、オルソフタル酸等のフタル酸化合物、1,2-ナフタレンジカルボン酸、1,3-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、1,6-ナフタレンジカルボン酸、1,7-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸といったナフタレンジカルボン酸類の異性体等を例示することができ、1種または2種以上を混合して使用できる。
<<ポリスチレン系樹脂>>
ポリスチレン系樹脂としては、スチレン系単量体の単独重合体、スチレン系単量体とスチレン系単量体と共重合可能な単量体との共重合体等が挙げられる。スチレン系単量体とは、例えばスチレン、α-メチルスチレン、クロルスチレン、メチルスチレン、tert-ブチルスチレンが挙げられる。本実施形態におけるスチレン系樹脂は、単量体単位のうち、50モル%以上がスチレン系単量体である。
ポリスチレン系樹脂としては、より具体的には、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル-アクリルゴム-スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル-スチレン-アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル-エチレンプロピレン系ゴム-スチレン共重合体(AES樹脂)、スチレン-IPN型ゴム共重合体等の樹脂等が挙げられる。
本実施形態では、スチレン系樹脂が、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル-アクリルゴム-スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル-スチレン-アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル-エチレンプロピレン系ゴム-スチレン共重合体(AES樹脂)、スチレン-IPN型ゴム共重合体であることが好ましく、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)であることがより好ましく、ブタジエンゴム含有ポリスチレンであることがさらに好ましい。
ポリスチレン系樹脂がゴム成分を含む場合、ポリスチレン系樹脂中のゴム成分の含有量は3~70質量%が好ましく、5~50質量%がより好ましく、7~30質量%がさらに好ましい。ゴム成分の含有量を3質量%以上とすることにより、耐衝撃性が向上する傾向にあり、50質量%以下とすることにより、難燃性が向上する傾向となり好ましい。また、ゴム成分の平均粒子径は、0.05~10μmであることが好ましく、0.1~6μmであることがより好ましく、0.2~3μmであることがさらに好ましい。平均粒子径が0.05μm以上であると耐衝撃性が向上しやすい傾向にあり、10μm以下であると外観が向上する傾向にあり好ましい。
ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量は、通常、50,000以上であり、好ましくは100,000以上であり、より好ましくは150,000以上であり、また、通常、500,000以下であり、好ましくは400,000以下であり、より好ましくは300,000以下である。また、数平均分子量は、通常、10,000以上であり、好ましくは30,000以上であり、より好ましくは50,000以上であり、また、好ましくは500,000以下であり、より好ましくは300,000以下である。
ポリスチレン系樹脂の、JIS K7210(温度200℃、荷重5kgf)に準拠して測定されるメルトフローレイト(MFR)は、0.1~30g/10分であることが好ましく、0.5~25g/10分であることがより好ましい。MFRが0.1g/10分以上であると流動性が向上する傾向にあり、30g/10分以下であると耐衝撃性が向上する傾向にある。
このようなポリスチレン系樹脂の製造方法としては、乳化重合法、溶液重合法、懸濁重合法あるいは塊状重合法等の公知の方法が挙げられる。
<カーボンナノチューブ>
本実施形態の樹脂組成物は、カーボンナノチューブを含む。カーボンナノチューブを含むことにより、樹脂組成物に電磁波吸収性を付与することができる。
本実施形態の樹脂組成物において、カーボンナノチューブは、熱可塑性樹脂(B)でマスターバッチ化して配合される。熱可塑性樹脂(B)でマスターバッチ化することにより、熱可塑性樹脂(A)中へのカーボンナノチューブの分散性を効果的に向上させることができる。
マスターバッチにけるカーボンナノチューブの濃度は、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることが好ましく、また、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましく、20質量%以下であることが一層好ましい。上記上限値以下および下限値以上の範囲とすることにより、カーボンナノチューブの熱可塑性樹脂(A)への分散性がより向上する傾向にある。
本実施形態に用いるカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブおよび/または多層カーボンナノチューブであり、少なくとも多層カーボンナノチューブを含むことが好ましい。また、部分的にカーボンナノチューブの構造を有している炭素材料も使用できる。また、カーボンナノチューブは、円筒形状に限らず、1μm以下のピッチでらせんが一周するコイル状形状を有していてもよい。
カーボンナノチューブは、市販品として入手可能であり、例えば、バイエルマテリアルサイエンス社製、ナノシル社製、昭和電工株式会社製、ハイペリオン・キャタリシス・インターナショナル社から入手可能なカーボンナノチューブが挙げられる。なお、カーボンナノチューブという名称の他にグラファイトフィブリル、カーボンフィブリルなどと称されることもある。
カーボンナノチューブの直径(数平均繊維径)としては、0.5~100nmが好ましく、1~30nmがより好ましい。カーボンナノチューブのアスペクト比としては、良好な電磁波吸収性を付与する観点から、5以上が好ましく、50以上がより好ましい。上限は特に定めるものではないが、例えば、500以下である。
本実施形態の樹脂組成物中のカーボンナノチューブの含有量は、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましく、0.2質量%以上であってもよく、さらには0.4質量%以上であってもよい。前記下限値以上とすることにより、電磁波吸収性が効果的に発揮される。また、本実施形態の樹脂組成物中のカーボンナノチューブの含有量は、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましく、6質量%以下であることがさらに好ましく、4質量%以下であることが一層好ましく、3質量%以下であることがより一層好ましく、2質量%以下であってもよく、さらには1質量%以下であってもよい。前記上限値以下とすることにより、樹脂の流動性がより向上する傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物は、また、カーボンナノチューブを、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、0.1質量部以上含むことが好ましい。前記下限値以上とすることにより、電磁波吸収性が効果的に発揮される。また、本実施形態の樹脂組成物は、カーボンナノチューブを、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、10.0質量部以下含むことが好ましく、8.0質量部以下であることがより好ましく、6.0質量部以下であることがさらに好ましく、4.0質量部以下であることが一層好ましく、3.0質量部以下であることがより一層好ましく、さらには、2.5質量部以下、特には、1.5質量部以下であってもよい。前記上限値以下とすることにより、樹脂の流動性がより向上する傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物は、カーボンナノチューブを1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<他の成分>
本実施形態の樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上記したもの以外に他の成分を含有していてもよい。他成分の例を挙げると、強化材、各種樹脂添加剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせおよび比率で含有されていてもよい。
各種樹脂添加剤としては、安定剤、離型剤、難燃剤、反応性化合物、顔料、染料、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。本実施形態の樹脂組成物は、安定剤および離型剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)、および、カーボンナノチューブ、ならびに、選択的に配合される他の成分の合計が100質量%となるように調整される。本実施形態の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)、および、カーボンナノチューブ、安定剤、および、離型剤の合計が樹脂組成物の99質量%以上を占めることも好ましい。さらに、本実施形態の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)、カーボンナノチューブ、強化材(好ましくはガラス繊維)、安定剤、および、離型剤の合計が樹脂組成物の99質量%以上を占めることも好ましい。
<<安定剤>>
本実施形態の樹脂組成物は、安定剤を含んでいてもよい。安定剤は、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、リン系化合物、硫黄系安定剤等が例示される。これらの中でも、ヒンダードフェノール系化合物が好ましい。また、ヒンダードフェノール系化合物とリン系化合物を併用することも好ましい。
安定剤としては、具体的には、特開2018-070722号公報の段落0046~0057の記載、特開2019-056035号公報の段落0030~0037の記載、国際公開第2017/038949号の段落0066~0078の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本実施形態の樹脂組成物は、安定剤を熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、0.01質量部以上含むことが好ましく、0.05質量部以上含むことがより好ましく、0.08質量部以上含むことがさらに好ましい。また、前記安定剤の含有量の上限値は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、3質量部以下であることが好ましく、2質量部以下であることがより好ましく、1質量部以下であることがさらに好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、安定剤を1種のみ含んでいても、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<離型剤>>
本実施形態の樹脂組成物は、離型剤を含むことが好ましい。
離型剤は、公知の離型剤を広く用いることができ、脂肪族カルボン酸のエステル化物、パラフィンワックス、ポリスチレンワックス、ポリオレフィンワックスが好ましく、ポリエチレンワックスがより好ましい。
離型剤としては、具体的には、特開2013-007058号公報の段落0115~0120の記載、特開2018-070722号公報の段落0063~0077の記載、特開2019-123809号公報の段落0090~0098の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本実施形態の樹脂組成物は、離型剤を熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、0.01質量部以上含むことが好ましく、0.08質量部以上含むことがより好ましく、0.2質量部以上含むことがさらに好ましい。また、前記離型剤の含有量の上限値は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、5質量部以下であることが好ましく、3質量部以下であることがより好ましく、1質量部以下であることがさらに好ましく、0.8質量部以下であることが一層好ましい。
樹脂組成物は、離型剤を1種のみ含んでいても、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<強化材>>
本実施形態の樹脂組成物は、強化材を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。強化材を含むことにより、得られる成形体の機械的強度を向上させることができる。
本実施形態で用いることができる強化材は、その種類等、特に定めるものではなく、繊維、フィラー、ビーズ等のいずれであってもよいが、繊維が好ましい。
強化材が繊維である場合、短繊維であってもよいし、長繊維であってもよい。
強化材が短繊維やフィラー、ビーズ等の場合、本実施形態の樹脂組成物は、ペレット、前記ペレットを粉末化したもの、および前記ペレットから成形されるフィルム等が例示される。
強化材が長繊維の場合、強化材は、いわゆる、UD材(Uni-Directional)用の長繊維、織物および編み物等のシート状の長繊維などが例示される。これらの長繊維を用いる場合、本実施形態の樹脂組成物の強化材以外の成分を、前記シート状の長繊維である強化材に含浸させて、シート状の樹脂組成物(例えば、プリプレグ)とすることができる。
強化材の原料は、ガラス、炭素(炭素繊維等)、アルミナ、ボロン、セラミック、金属(スチール等)等の無機物、および、植物(ケナフ(Kenaf)、竹等を含む)、アラミド、ポリオキシメチレン、芳香族ポリアミド、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、超高分子量ポリエチレン等の有機物などが挙げられ、ガラスが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、強化材として、ガラス繊維を含むことが好ましい。
ガラス繊維は、Aガラス、Cガラス、Eガラス、Rガラス、Dガラス、Mガラス、Sガラスなどのガラス組成から選択され、特に、Eガラス(無アルカリガラス)が好ましい。
ガラス繊維は、長さ方向に直角に切断した断面形状が真円状または多角形状の繊維状の材料をいう。ガラス繊維は、単繊維の数平均繊維径が通常1~25μm、好ましくは5~17μmである。数平均繊維径を1μm以上とすることにより、樹脂組成物の成形加工性がより向上する傾向にある。数平均繊維径を25μm以下とすることにより、得られる成形体の外観が向上し、補強効果も向上する傾向にある。ガラス繊維は、単繊維または単繊維を複数本撚り合わせたものであってもよい。
ガラス繊維の形態は、単繊維や複数本撚り合わせたものを連続的に巻き取ったガラスロービング、長さ1~10mmに切りそろえたチョップドストランド(すなわち、数平均繊維長1~10mmのガラス繊維)、長さ10~500μm程度に粉砕したミルドファイバー(すなわち、数平均繊維長10~500μmのガラス繊維)などのいずれであってもよいが、長さ1~10mmに切りそろえたチョップドストランドが好ましい。ガラス繊維は、形態が異なるものを併用することもできる。
また、ガラス繊維としては、異形断面形状を有するものも好ましい。この異形断面形状とは、繊維の長さ方向に直角な断面の長径/短径比で示される扁平率が、例えば、1.5~10であり、中でも2.5~10、さらには2.5~8、特に2.5~5であることが好ましい。
ガラス繊維は、本実施形態の樹脂組成物の特性を大きく損なわない限り、樹脂成分との親和性を向上させるために、例えば、シラン系化合物、エポキシ系化合物、ウレタン系化合物などで表面処理したもの、酸化処理したものであってもよい。
本実施形態の樹脂組成物は、強化材(好ましくはガラス繊維)を含む場合、その含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、10質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であることがより好ましく、30質量部以上であることがさらに好ましく、40質量部以上であることが一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、得られる成形体の機械的強度がより上昇する傾向にある。また、前記強化材(好ましくはガラス繊維)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、100質量部以下であることが好ましく、90質量部以下であることがより好ましく、85質量部以下であることがさらに好ましく、80質量部以下であることが一層好ましく、75質量部以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、成形体外観が向上し、かつ、樹脂組成物の流動性がより向上する傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物が強化材(好ましくはガラス繊維)を含む場合、その含有量は、樹脂組成物中、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましく、25質量%以上であることが一層好ましい。また、前記強化材(好ましくはガラス繊維)の含有量は、樹脂組成物中、50質量%以下であることがより好ましく、45質量%以下であることがさらに好ましく、40質量%以下であることがさらに好ましく、35質量%以下であることが一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、機械的強度がより上昇する傾向にある。また、前記上限値以下とすることにより、成形体の外観が向上し、かつ、樹脂組成物の溶融時の流動性がより向上する傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物は強化材(好ましくはガラス繊維)を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<樹脂組成物の物性>
本実施形態の樹脂組成物は、電磁波の吸収率が高いことが好ましい。
具体的には、本実施形態の樹脂組成物は、2mm厚(好ましくは、100mm×100mm×2mm厚さ)に成形したときの、周波数76.5GHzにおける式(A)に従って求められる吸収率が50.0~100%であることが好ましい。
式(A)
Figure 2022129847000004
(上記式(A)中、Rはフリースペース法によって測定される反射減衰量を表し、Tはフリースペース法によって測定させる透過減衰量を表す。)
前記吸収率は、53.0%以上であることが好ましく、55.0%以上であることがより好ましく、58.0%以上であることがさらに好ましく、60.0%以上であることが一層好ましく、64.0%以上であることがさらに一層好ましい。上限は、100%が理想であるが、90.0%以下であっても十分に要求性能を満たすものである。
本実施形態の樹脂組成物は、電磁波の反射率が低いことが好ましい。
具体的には、本実施形態の樹脂組成物は、2mm厚(好ましくは、100mm×100mm×2mm厚さ)に成形したときの、周波数76.5GHzにおける式(B)に従って求められる反射率が40.0%以下であることが好ましい。
式(B)
Figure 2022129847000005
(上記式(B)中、Rは、フリースペース法によって測定される反射減衰量を表す。)
前記反射率は、35.0%以下であることが好ましく、30.0%以下であることがより好ましく、26.0%以下であることがさらに好ましく、22.0%以下であることが一層好ましく、18.5%以下であることがより一層好ましい。下限は、0%が理想であるが、5.0%以上、さらには10.0%以上であっても十分に要求性能を満たすものである。
本実施形態の樹脂組成物は、透過率が低いことが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、2mm厚(好ましくは、100mm×100mm×2mm厚さ)に成形したときの、周波数76.5GHzにおける式(C)に従って求められる透過率が25.0%以下であることが好ましい。
式(C)
Figure 2022129847000006
(上記式(C)中、Tはフリースペース法によって測定させる透過減衰量を表す。)
前記透過率は、23.0%以下であることが好ましく、20.0%以下であることがより好ましい。下限は、0%が理想であるが、5.0%以上であっても十分に要求性能を満たすものである。
本実施形態の樹脂組成物は、上記式(A)に従って求められる吸収率、上記式(B)に従って求められる反射率、および、上記式(C)に従って求められる透過率のいずれをも満たすことが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、比誘電率が高いことが好ましい。また、本実施形態の樹脂組成物は、誘電正接が高いことも好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、周波数76.5GHzにおける比誘電率が4.50以上であることが好ましく、4.60以上であることがより好ましく、4.75以上であることがさらに好ましく、4.90以上であることが一層好ましく、5.00以上であることがより一層好ましく、5.10以上であることがより一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、得られる成形体の電磁波吸収率がより高くなる傾向にある。また、前記比誘電率の上限値は、8.00以下であることが好ましく、6.00以下であることがより好ましく、5.50以下であることがさらに好ましく、5.30以下であることが一層好ましく、5.20以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、得られる成形体の電磁波反射率をより低くすることができる傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物は、周波数76.5GHzにおける比誘電正接が0.10以上であることが好ましく、0.12以上であることがより好ましく、0.14以上であることがさらに好ましく、0.16以上であることが一層好ましく、0.18以上であることがより一層好ましく、0.21以上であることがさらに一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、得られる成形体の電磁波吸収率がより高くなる傾向にある。また、前記誘電正接の下限値は、特に定めるものでは無いが、例えば、0.50以下であり、さらには、0.40以下であってもよい。前記上限値以下とすることにより、得られる成形体の電磁波反射率をより低くすることができる傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物は、機械的強度に優れていることが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、特に、引張特性に優れていることが好ましい。
例えば、本実施形態の樹脂組成物をISO多目的試験片(厚さ4mm)に成形したときの、ISO527-1およびISO527-2に従って測定した引張最大点強度が、40MPa以上であることが好ましく、50MPa以上であることがより好ましい。前記引張最大点強度の上限値は特に定めるものではないが、例えば、200MPa以下でも、実用レベルである。
また、本実施形態の樹脂組成物をISO多目的試験片(厚さ4mm)に成形したときの、ISO527-1およびISO527-2に従って測定した引張弾性率が、1500MPa以上であることが好ましく、1800MPa以上であることがより好ましく、2000MPa以上であることがさらに好ましい。前記引張弾性率の上限は特に定めるものでは無いが、例えば、12000MPa以下でも実用レベルである。
さらに、本実施形態の樹脂組成物をISO多目的試験片(厚さ4mm)に成形したときの、ISO527-1およびISO527-2に従って測定した引張歪みが、1.0%以上であることが好ましく、2.0%以上であることがより好ましい。また、前記引張歪みの上限は特に定めるものでは無いが、例えば、30%以下でも実用レベルである。
また、本実施形態の樹脂組成物は、曲げ特性に優れていることが好ましい。
具体的には、本実施形態の樹脂組成物をISO多目的試験片(厚さ4mm)に成形したときの、曲げ強さが50MPa以上であることが好ましく、70MPa以上であることがより好ましい。また、前記曲げ強さの上限値は、特に定めるものではないが、例えば、300MPa以下が実際的である。
また、本実施形態の樹脂組成物をISO多目的試験片(厚さ4mm)に成形したときの、曲げ弾性率が1,500MPa以上であることが好ましく、2,000MPa以上であることがより好ましい。また、前記曲げ弾性率の上限値は、特に定めるものではないが、例えば、15,000MPa以下が実際的である。
さらに、本実施形態の樹脂組成物は、耐衝撃性に優れていることが好ましい。
具体的には、本実施形態の樹脂組成物をISO多目的試験片(厚さ4mm)に成形したときの、ISO179規格に従ったノッチ付シャルピー衝撃強さが2.0kJ/m2以上であることが好ましく、3.0kJ/m2以上であることがより好ましい。また、前記ノッチ付シャルピー衝撃強さの上限値は、特に定めるものではないが、例えば、50kJ/m2以下が実際的である。
本実施形態の樹脂組成物は、また、2mm厚(好ましくは、100mm×100mm×2mm厚さ)の試験片に成形したときのIEC60093に準拠した表面抵抗が1.0×1011Ω以上であることが好ましく、1.0×1012Ω以上であることがより好ましく、1.0×1013Ω以上であることがさらに好ましく、1.0×1014Ω以上であることが一層好ましく、また、1.0×1016Ω以下であることが好ましく、1.0×1015Ω以上であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、得られる成形体の電磁波吸収率がより高くなる傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物は、さらに、2mm厚(好ましくは、100mm×100mm×2mm厚さ)の試験片IEC60093に準拠した体積抵抗が1.0×1010Ω・cm以上であることが好ましく、1.0×1011Ω・cm以上であることがより好ましく、1.0×1012Ω・cm以上であることがさらに好ましく、1.0×1013Ω・cm以下であることが一層好ましく、1.0×1014Ω・cm以上であることがより一層好ましく、1.0×1015Ω・cm以上であることがさらに一層好ましく、また、1.0×1017Ω・cm以下であることが好ましく、1.0×1016Ω・cm以下であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、得られる成形体の電磁波吸収率がより高くなる傾向にある。
上記測定方法の詳細は実施例の記載に従って測定される。
<樹脂組成物の製造方法>
本実施形態の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物の常法の製法によって製造できる。例えば、熱可塑性樹脂(A)と、熱可塑性樹脂(B)でマスターバッチ化されたカーボンナノチューブとを溶融混練することによって、得られる。このとき、樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)のSP値≧熱可塑性樹脂(B)のSP値を満たす。
より具体的には、本実施形態の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)と、熱可塑性樹脂(B)でマスターバッチ化されたカーボンナノチューブと、必要に応じ配合される他の成分を押出機に投入し、溶融混練することによって製造される。
押出機には、各成分をあらかじめ混合して一度に供給してもよいし、各成分を予め混合することなく、ないしはその一部のみを予め混合し、フィーダーを用いて押出機に供給してもよい。押出機は、一軸押出機であっても、二軸押出機であってもよい。
また、ガラス繊維を配合する場合、押出機のシリンダー途中のサイドフィーダーから供給することが好ましい。
溶融混練に際しての加熱温度は、通常、170~350℃の範囲から適宜選ぶことができる。
<成形体の製造方法>
成形体、特に、電磁波吸収体は、本実施形態の樹脂組成物から形成される。
本実施形態における成形体の製造方法は、特に限定されず、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロー成形法等が挙げられ、中でも射出成形が好ましい。
<用途>
本実施形態の電磁波吸収体は、本実施形態の樹脂組成物から形成される。すなわち、本実施形態の樹脂組成物は、電磁波吸収体用(電磁波吸収部材用ともいう)であることが好ましく、少なくとも周波数60~90GHzの電磁波吸収体用であることがより好ましく、少なくとも周波数70~80GHzの電磁波吸収体用であることがさらに好ましい。このような電磁波吸収体は、好ましくは、レーダー用途に用いられる。具体的には、ミリ波レーダー用の筐体、カバー等に用いられる。
本実施形態の電磁波吸収体は、ブレーキ自動制御装置、車間距離制御装置、歩行者事故低減ステアリング装置、誤発信抑制制御装置、ペダル踏み間違い時加速抑制装置、接近車両注意喚起装置、車線維持支援装置、被追突防止警報装置、駐車支援装置、車両周辺障害物注意喚起装置などに用いられる車載用ミリ波レーダー;ホーム監視/踏切障害物検知装置、電車内コンテンツ伝送装置、路面電車/鉄道衝突防止装置、滑走路内異物検知装置などに用いられる鉄道・航空用ミリ波レーダー;交差点監視装置、エレベータ監視装置などの交通インフラ向けミリ波レーダー;各種セキュリティ装置向けミリ波レーダー;子供、高齢者見守りシステムなどの医療・介護用ミリ波レーダー;各種情報コンテンツ伝送用ミリ波レーダー;等に好適に利用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例で用いた測定機器等が廃番等により入手困難な場合、他の同等の性能を有する機器を用いて測定することができる。
原料
以下の原料を用いた。下記表1において、HIPSはハイインパクトポリスチレンを、PBTはポリブチレンテレフタレート樹脂を、PAはポリアミド樹脂を、CNTはカーボンナノチューブを、それぞれ意味している(表2についても同じ)。
Figure 2022129847000007
実施例1、2、比較例1
<樹脂組成物(ペレット)の製造>
表2に示すように、表1に記載の各成分をステンレス製タンブラーに入れ、1時間撹拌混合した。得られた混合物を、噛み合い型同方向二軸押出機(日本製鋼所社製「TEX-30α」、スクリュー径32mm、L/D=42)にメインフィード口から供給した。第一混練部のバレル温度を250℃に設定し、吐出量40kg/h、スクリュー回転数200rpmの条件で溶融混練し、ノズル数4穴(円形(φ4mm)、長さ1.5cm)の条件でストランドとして押出した。押出したストランドを水槽に導入して冷却し、ペレタイザーに挿入してカットすることで樹脂組成物(ペレット)を得た。
<76.5GHz電磁波吸収率、反射率、透過率>
上記で得られたペレットを用い、射出成形機(日精樹脂工業社製「NEX80」)にて、シリンダー設定温度260℃、金型温度80℃で射出成形し、100mm×100mm×2mm厚の試験片を得た。得られた試験片を用いて、周波数76.5GHzにおける、式(A)に従って求められる吸収率、式(B)に従って求められる反射率、および、式(C)に従って求められる透過率を以下の通り測定した。
測定に際し、キーサイト社製のネットワークアナライザ「N5252A」を用いた。
なお、射出成形体のTD(トランスバースディレクション)方向が、電場方向と平行になる向きに試験片を設置して測定した。
式(A)
Figure 2022129847000008
(上記式(A)中、Rはフリースペース法によって測定される反射減衰量を表し、Tはフリースペース法によって測定させる透過減衰量を表す。)
式(B)
Figure 2022129847000009
(上記式(B)中、Rは、フリースペース法によって測定される反射減衰量を表す。)
式(C)
Figure 2022129847000010
(上記式(C)中、Tはフリースペース法によって測定させる透過減衰量を表す。)
<比誘電率および誘電正接>
上記で得られたペレットを用い、射出成形機(日精樹脂工業社製「NEX80」)にて、シリンダー設定温度260℃、金型温度80℃で射出成形し、100mm×100mm×2mm厚の試験片を得た。
得られた試験片を用いて、周波数76.5GHzにおける、比誘電率および誘電正接を求めた。なお、射出成形体のTD(トランスバースディレクション)方向が、電場方向と平行になる向きに試験片を設置して測定した。
測定に際してはキーサイト社製のネットワークアナライザ「N5252A」を用いて測定し、比誘電率と誘電正接の値の推定は、キーサイト社製「N1500A材料測定スイート」を使用し、計算モデル「NISTプレシジョン」によって各値を算出した。
<引張特性>
上記で得られた樹脂ペレットを120℃で5時間乾燥したのちISO多目的試験片(厚さ4mm)を、射出成形機(日本製鋼所社製「J85AD」)を用いて、シリンダー温度250℃、金型温度80℃の条件で射出成形した。
成形した多目的ISO多目的試験片を用い、ISO527-1およびISO527-2に準拠し、最大点引張強度(単位:MPa)、引張弾性率(単位:MPa)および引張歪み(単位:%)を測定した。
<曲げ特性>
上記で得られた樹脂ペレットを120℃で5時間乾燥したのちISO多目的試験片(厚さ4mm)を、射出成形機(日本製鋼所社製「J85AD」)を用いて、シリンダー温度250℃、金型温度80℃の条件で射出成形した。
成形した多目的ISO多目的試験片を用い、ISO178に準拠し、曲げ強さ(単位:MPa)および曲げ弾性率(単位:MPa)を測定した。
<ノッチ付シャルピー衝撃強さ>
上記で得られた樹脂ペレットを120℃で5時間乾燥したのちISO多目的試験片(厚さ4mm)を、射出成形機(日本製鋼所社製「J85AD」)を用いて、シリンダー温度250℃、金型温度80℃の条件で射出成形した。
ISO179規格に従い、上記で得られたISO多目的試験片を所定のサイズ形状に切削し、シャルピー衝撃強さ(ノッチ付)の測定を行った。単位は、kJ/m2で示した。
<表面抵抗>
上記で得られたペレットを用い、射出成形機(日精樹脂工業社製「NEX80」)にて、シリンダー設定温度260℃、金型温度80℃で射出成形し、100mm×100mm×2mm厚の試験片を得た。
得られた試験片を用いて、IEC60093に準拠して表面抵抗(単位:Ω)を測定した。
測定にあたっては、ADVANTEST社製「R8340 ULTRA HIGH RESISTANCE METER」を用いた。
<体積抵抗>
上記で得られたペレットを用い、射出成形機(日精樹脂工業社製「NEX80」)にて、シリンダー設定温度260℃、金型温度80℃で射出成形し、100mm×100mm×2mm厚の試験片を得た。
得られた試験片を用いて、IEC60093に準拠して体積抵抗(単位:Ω・cm)を測定した。
測定にあたっては、ADVANTEST社製「R8340 ULTRA HIGH RESISTANCE METER」を用いた。
Figure 2022129847000011
上記表2において、CNT含有量は、樹脂組成物のカーボンナノチューブの量を示している。
上記結果から明らかなとおり、本発明の樹脂組成物は、電磁波吸収率が高かった。さらに、電磁波透過率および反射率が低かった。また、本発明の樹脂組成物から形成された成形体は、機械的強度に優れていた。

Claims (16)

  1. 熱可塑性樹脂(A)と、
    熱可塑性樹脂(B)と、
    カーボンナノチューブとを含み、
    前記熱可塑性樹脂(B)の少なくとも一部は、前記カーボンナノチューブのマスターバッチに由来し、
    熱可塑性樹脂(A)のSP値≧熱可塑性樹脂(B)のSP値を満たす(ここで、SP値は溶解度パラメータである)、
    樹脂組成物。
  2. 前記マスターバッチにおけるカーボンナノチューブの濃度は、1~50質量%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記熱可塑性樹脂(A)が、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリアミド樹脂から選択される、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記熱可塑性樹脂(B)が、ポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂およびポリオレフィン樹脂から選択される、請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記熱可塑性樹脂(A)のSP値と前記熱可塑性樹脂(B)のSP値の差が、0~8.0である、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記熱可塑性樹脂(A)のSP値と前記熱可塑性樹脂(B)のSP値の差が、0.1~8.0である、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記樹脂組成物中のカーボンナノチューブの含有量が0.01~10質量%である、請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記樹脂組成物を2mm厚に成形したときの、周波数76.5GHzにおける式(A)に従って求められる吸収率が50.0~100%である、請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
    式(A)
    Figure 2022129847000012
    (上記式(A)中、Rはフリースペース法によって測定される反射減衰量を表し、Tはフリースペース法によって測定させる透過減衰量を表す。)
  9. 前記樹脂組成物を2mm厚に成形したときの、周波数76.5GHzにおける式(B)に従って求められる反射率が40.0%以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
    式(B)
    Figure 2022129847000013
    (上記式(B)中、Rは、フリースペース法によって測定される反射減衰量を表す。)
  10. 前記樹脂組成物を2mm厚に成形したときの、周波数76.5GHzにおける式(C)に従って求められる透過率が25.0%以下である、請求項1~9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
    式(C)
    Figure 2022129847000014
    (上記式(C)中、Tはフリースペース法によって測定させる透過減衰量を表す。)
  11. 前記熱可塑性樹脂(B)を、前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、1.0~100質量部含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  12. 電磁波吸収体用である、請求項1~11のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  13. 請求項1~12のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成された成形体。
  14. 請求項1~12のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成された電磁波吸収体。
  15. 熱可塑性樹脂(A)と、熱可塑性樹脂(B)でマスターバッチ化されたカーボンナノチューブとを溶融混練することを含み、
    熱可塑性樹脂(A)のSP値≧熱可塑性樹脂(B)のSP値を満たす(ここで、SP値は溶解度パラメータである)、
    樹脂組成物の製造方法。
  16. 前記樹脂組成物が、請求項1~12のいずれか1項に記載の樹脂組成物である、請求項15に記載の樹脂組成物の製造方法。
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