JP2022126532A - ポリアミド4の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高分子量のポリアミド4を高収率で得ることができる製造装置を提供する。【解決手段】本発明のポリアミド4の製造装置は、二軸混練押出機を有し、重合触媒および重合開始剤を用い、2-ピロリドンからポリアミド4を重合する重合機構と、前記重合機構から排出される生成物を収容体で受け、当該収容体内における少なくとも一部の生成物の位置を動かしながら生成物に含まれるポリアミド4をさらに重合させる動作機構とを有する。【選択図】図1
Description
本発明は、ポリアミド4の製造装置に関する。
2-ピロリドンを重合して得られるポリアミド4は、機械的強度に優れた材料として知られている。また、ポリアミド4は、生分解性を示すことから、マイクロプラスチック問題の解決に貢献し得る材料としても、近年注目を集めている。ポリアミド4の具体的用途としては、化粧料、吸着剤、触媒の担持体、繊維、ロープ、タイヤコードなど、幅広い用途を挙げることができる。
ここで、例えば、特許文献1においては、2-ピロリドンと塩基性重合触媒とを含有する混合物を、二酸化炭素を含む圧縮性流体に接触させて前記混合物を溶融又は溶解させた後、前記2-ピロリドンを開環重合させる2-ピロリドン重合体の製造方法が開示されている。また、特許文献2においては、単一のシリンダを有する連続式反応装置の供給口から原料組成物を連続して供給し、排出口から生成物を連続して排出してポリアミドを製造することが開示されている。また、特許文献3においては、2-ピロリドンを含む単量体を1次重合するための連続反応器と、前記1次重合体を2次重合するための押出反応器と、を含む、粒子状ポリアミド樹脂の連続製造装置および方法が開示されている。
ところで、ポリアミド4は、用途にあわせて最適な物性となる分子量が選択される。また、工業的生産方法として連続反応による製造方法が求められていた。しかし、従来から知られている製造方法では、高分子量のポリアミド4を連続的に製造することは困難であった。
そこで、本発明は、高分子量のポリアミド4を連続的に製造することができる製造装置を提供することを目的とする。
そこで、本発明は、高分子量のポリアミド4を連続的に製造することができる製造装置を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、二軸混練押出機を有し、重合触媒および重合開始剤を用い、2-ピロリドンからポリアミド4を重合する重合機構と、前記重合機構から排出される生成物を収容体で受け、当該収容体内における少なくとも一部の生成物の位置を動かしながら生成物に含まれるポリアミド4をさらに重合させる動作機構とを有するポリアミド4の製造装置である。
ここで、前記動作機構は、前記収容体に収容された生成物の粉砕、攪拌、揺動および押圧のうち少なくともいずれか1つを行うとよい。
また、前記動作機構は、前記収容体の内部に設けられ、駆動力を受けて回転することで、前記重合機構から排出される粉体のポリアミド4を砕く回転体を有するとよい。
また、前記動作機構から排出されるポリアミド4を精製する精製機構を有するとよい。
また、前記収容体の内部に不活性ガスを供給する供給体を有するとよい。
また、前記二軸混練押出機の内部に不活性ガスを供給する他の供給体を有するとよい。
また、前記動作機構は、前記収容体の内部に設けられ、駆動力を受けて回転することで、前記重合機構から排出される粉体のポリアミド4を砕く回転体を有するとよい。
また、前記動作機構から排出されるポリアミド4を精製する精製機構を有するとよい。
また、前記収容体の内部に不活性ガスを供給する供給体を有するとよい。
また、前記二軸混練押出機の内部に不活性ガスを供給する他の供給体を有するとよい。
他の観点から捉えると、本明細書に開示される技術は、二軸混練機を有し、重合触媒および重合開始剤を用い、2-ピロリドンからポリアミド4を重合する重合機構と、前記重合機構から排出される生成物を収容体で受け、当該収容体内における少なくとも一部の生成物の位置を動かしながら生成物に含まれるポリアミド4をさらに重合させる動作機構とを有するポリアミド4の製造装置である。
本明細書に開示される技術によれば、高分子量のポリアミド4を高収率で製造する製造装置を提供することができる。
以下、本発明の製造装置の一実施形態について説明する。
<ポリアミド4>
本発明の製造方法で製造するポリアミド4とは、2-ピロリドンを重合させて得られるポリマーである。ポリアミド4の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、ポリアミド4の重量平均分子量(Mw)の下限は、265,000、300,000、400,000などを選択することができる。また、ポリアミド4の重量平均分子量(Mw)の上限は、2,800,000、2,900,000、3,000,000などを選択することができる。
<ポリアミド4>
本発明の製造方法で製造するポリアミド4とは、2-ピロリドンを重合させて得られるポリマーである。ポリアミド4の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、ポリアミド4の重量平均分子量(Mw)の下限は、265,000、300,000、400,000などを選択することができる。また、ポリアミド4の重量平均分子量(Mw)の上限は、2,800,000、2,900,000、3,000,000などを選択することができる。
ポリアミド4の分子量分布(Mw/Mn)は、特に限定されないが、1~3、1~2、1.5~2の範囲などを選択することができる。重量平均分子量および数平均分子量は、トリフルオロ酢酸ナトリウムをヘキサフルオロイソプロパノールに10mMの濃度で溶解させた溶液を溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定したデータを標準ポリメタクリル酸メチルの分子量にて換算することにより算出することができる。
<ポリアミド4の製造方法>
本発明のポリアミド4の製造方法は、有機アルミニウム化合物と、4級アンモニウム塩との存在下、重合触媒および重合開始剤を用い、二軸混練機によって混練しながら2-ピロリドンを重合するポリアミド4の製造方法である。
本発明のポリアミド4の製造方法は、有機アルミニウム化合物と、4級アンモニウム塩との存在下、重合触媒および重合開始剤を用い、二軸混練機によって混練しながら2-ピロリドンを重合するポリアミド4の製造方法である。
<重合工程>
<4級アンモニウム塩>
4級アンモニウム塩の存在下において2-ピロリドンを重合すると、重量平均分子量(Mw)の大きいポリアミド4を製造することができる。なお、4級アンモニウム塩の添加により、重合速度および収率が向上する。4級アンモニウム塩としては、特に限定されないが、テトラアルキルアンモニウム塩が好ましく、テトラC1~C20アルキルアンモニウム塩がより好ましく、テトラC1~C20アルキルアンモニウムクロリドがさらに好ましい。4級アンモニウム塩として、具体的には、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、などのテトラアルキルアンモニウム塩や、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリブチルアンモニウムヨージド、などのベンジルトリアルキルアンモニウム塩などを挙げることができる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。4級アンモニウム塩の添加量は、特に制限されないが、2-ピロリドン1モルに対して、0.0001~1モル、0.001~0.5モル、0.005~0.1モルなどから選択することができる。
<4級アンモニウム塩>
4級アンモニウム塩の存在下において2-ピロリドンを重合すると、重量平均分子量(Mw)の大きいポリアミド4を製造することができる。なお、4級アンモニウム塩の添加により、重合速度および収率が向上する。4級アンモニウム塩としては、特に限定されないが、テトラアルキルアンモニウム塩が好ましく、テトラC1~C20アルキルアンモニウム塩がより好ましく、テトラC1~C20アルキルアンモニウムクロリドがさらに好ましい。4級アンモニウム塩として、具体的には、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、などのテトラアルキルアンモニウム塩や、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリブチルアンモニウムヨージド、などのベンジルトリアルキルアンモニウム塩などを挙げることができる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。4級アンモニウム塩の添加量は、特に制限されないが、2-ピロリドン1モルに対して、0.0001~1モル、0.001~0.5モル、0.005~0.1モルなどから選択することができる。
<有機アルミニウム化合物>
有機アルミニウム化合物の存在下において2-ピロリドンを重合すると、重合が促進される(失活が抑制される)。有機アルミニウム化合物としては、トリアルキルアルミニウムを例示することができる。さらに説明すると、有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ-n-プロピルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウムなどのトリC1~C20アルキルアルミニウムなどを例示することができる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。有機アルミニウム化合物の添加量は、特に制限されないが、2-ピロリドン1モルに対して、0.00001~1モル、0.0001~0.1モル、0.0005~0.02モルなどから選択することができ、例えば0.003モルとすることができる。
有機アルミニウム化合物の存在下において2-ピロリドンを重合すると、重合が促進される(失活が抑制される)。有機アルミニウム化合物としては、トリアルキルアルミニウムを例示することができる。さらに説明すると、有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ-n-プロピルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウムなどのトリC1~C20アルキルアルミニウムなどを例示することができる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。有機アルミニウム化合物の添加量は、特に制限されないが、2-ピロリドン1モルに対して、0.00001~1モル、0.0001~0.1モル、0.0005~0.02モルなどから選択することができ、例えば0.003モルとすることができる。
<重合触媒>
本発明で用いる重合触媒としては、ラクタム類をアニオン重合法で開環重合する際に一般的に用いられる公知のものを用いることができる。本発明において重合触媒は、2-ピロリドンにアニオン種を発生させる化合物から適宜選択することができる。重合触媒としては、
ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属;
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物;
水素化ナトリウムなどのアルカリ金属水素化物;
ナトリウムエチラート、t-ブトキシカリウムなどの金属アルコラート;
リチウムアルキル、カリウムアルキル、ナトリウムアルキルなどの塩基性の有機金属化合物などを挙げることができる。これらのうち、アルカリ金属水素化物が好ましく、水素化ナトリウムがより好ましい。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合触媒の添加量は、特に制限されないが、重合する2-ピロリドン1モルに対して、0.0001~1モル、0.001~0.5モル、0.005~0.3モルなどから選択することができる。
本発明で用いる重合触媒としては、ラクタム類をアニオン重合法で開環重合する際に一般的に用いられる公知のものを用いることができる。本発明において重合触媒は、2-ピロリドンにアニオン種を発生させる化合物から適宜選択することができる。重合触媒としては、
ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属;
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物;
水素化ナトリウムなどのアルカリ金属水素化物;
ナトリウムエチラート、t-ブトキシカリウムなどの金属アルコラート;
リチウムアルキル、カリウムアルキル、ナトリウムアルキルなどの塩基性の有機金属化合物などを挙げることができる。これらのうち、アルカリ金属水素化物が好ましく、水素化ナトリウムがより好ましい。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合触媒の添加量は、特に制限されないが、重合する2-ピロリドン1モルに対して、0.0001~1モル、0.001~0.5モル、0.005~0.3モルなどから選択することができる。
<重合開始剤>
重合開始剤としては、2-ピロリドンを重合する際に用いられる公知の重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、炭酸ガス(CO2);二酸化硫黄(SO2);N-アセチルピロリドン、N-アセチルε-カプロラクタム等のラクタム類のアシル化物;塩化アセチル、塩化ステアロイル、ベンゼン-1,3,5-トリカルボニルトリクロリドなどのカルボン酸ハロゲン化物;無水酢酸、無水フタル酸などのカルボン酸無水物;カルボン酸メチルエステルなどのカルボン酸エステル;γ-ブチロラクトン、ε-カプロラクトンなどのラクトン類;2,4-ジイソシアン酸トリレンなどのイソシアネート化合物や、これらの重合開始剤と重合触媒との反応物などを挙げることができる。これらの重合開始剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、2-ピロリドン1モルに対して、0.000001~0.1モル、0.00001~0.01モル、0.00005~0.002モルなどから選択することができる。
重合開始剤としては、2-ピロリドンを重合する際に用いられる公知の重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、炭酸ガス(CO2);二酸化硫黄(SO2);N-アセチルピロリドン、N-アセチルε-カプロラクタム等のラクタム類のアシル化物;塩化アセチル、塩化ステアロイル、ベンゼン-1,3,5-トリカルボニルトリクロリドなどのカルボン酸ハロゲン化物;無水酢酸、無水フタル酸などのカルボン酸無水物;カルボン酸メチルエステルなどのカルボン酸エステル;γ-ブチロラクトン、ε-カプロラクトンなどのラクトン類;2,4-ジイソシアン酸トリレンなどのイソシアネート化合物や、これらの重合開始剤と重合触媒との反応物などを挙げることができる。これらの重合開始剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、2-ピロリドン1モルに対して、0.000001~0.1モル、0.00001~0.01モル、0.00005~0.002モルなどから選択することができる。
<モノマー>
モノマーとして用いる2-ピロリドンは、石油から生産されるもの、微生物由来の酵素を用いてγ-アミノ酪酸等のバイオ由来資源から生産されるもの、などがある。石油から生産された市販品を容易に入手することができる。高分子量のポリアミド4を製造するためは、2-ピロリドンを事前に精製して使用することが望ましい。例えば、アルカリ性物質の存在下、蒸留などにより精製することができる。
モノマーとして用いる2-ピロリドンは、石油から生産されるもの、微生物由来の酵素を用いてγ-アミノ酪酸等のバイオ由来資源から生産されるもの、などがある。石油から生産された市販品を容易に入手することができる。高分子量のポリアミド4を製造するためは、2-ピロリドンを事前に精製して使用することが望ましい。例えば、アルカリ性物質の存在下、蒸留などにより精製することができる。
本発明の製造方法において、2-ピロリドンの重合反応は、二軸混練押出機(反応器本体11、後述)など連続式混練装置によって混練しながらおこなう。重合反応の温度は、0℃~70℃、15℃~55℃、25℃~45℃などの範囲で設定することができる。重合反応の時間は、二軸混練押出機の作動条件などにより変わるが、3分~8時間、5分~3時間、10分~1時間などから選択することができる。重合反応終了後は、公知の精製方法によりポリアミド4を精製することができる。
<その他の工程>
本実施形態の製造方法は、本実施形態の効果が得られる範囲において、上記の重合工程以外の他の工程をさらに含んでいてもよい。例えば、本実施形態の製造方法は、以下のような原料供給工程や、重合促進工程をさらに含んでいてもよい。
本実施形態の製造方法は、本実施形態の効果が得られる範囲において、上記の重合工程以外の他の工程をさらに含んでいてもよい。例えば、本実施形態の製造方法は、以下のような原料供給工程や、重合促進工程をさらに含んでいてもよい。
<原料供給工程>
原料供給工程は、2-ピロリドンが開環重合するように原料組成物を二軸混練押出機へ連続して供給する工程である。ここで、原料供給工程によって供給口に供給する原料組成物は、2-ピロリドンと重合開始剤と有機アルミニウム化合物を混合した第一の原料組成物と、2-ピロリドンと重合触媒と4級アンモニウム塩を混合した第二の原料組成物とを別々に供給口へ供給することが好ましい。
原料供給工程は、2-ピロリドンが開環重合するように原料組成物を二軸混練押出機へ連続して供給する工程である。ここで、原料供給工程によって供給口に供給する原料組成物は、2-ピロリドンと重合開始剤と有機アルミニウム化合物を混合した第一の原料組成物と、2-ピロリドンと重合触媒と4級アンモニウム塩を混合した第二の原料組成物とを別々に供給口へ供給することが好ましい。
また、原料供給工程では、各原料組成物における重合開始剤または重合触媒の濃度、または、各原料組成物の供給口への供給速度(送液量)によって、重合工程に供される原料組成物中の重合開始剤の量および重合触媒の量を調整することが可能である。なお、供給速度は、定量ポンプなどの定量的な送液装置を用いることによって適宜調整することが可能である。
<重合促進工程>
重合促進工程は、二軸混練押出機から排出された生成物の重合を促進する工程である。二軸混練押出機から排出される生成物は、通常、2-ピロリドンの開環重合によるポリアミド4、未反応の2-ピロリドンおよび必要に応じて含まれるその他の成分を含有している。重合促進工程においては、生成物中の未反応の2-ピロリドンをさらに開環重合させる。よって、重合促進工程によって、2-ピロリドンのポリアミド4への転換率をより高めることができる。また、重合促進工程によって、ポリアミド4の分子量をより高めることができる。
重合促進工程は、二軸混練押出機から排出された生成物の重合を促進する工程である。二軸混練押出機から排出される生成物は、通常、2-ピロリドンの開環重合によるポリアミド4、未反応の2-ピロリドンおよび必要に応じて含まれるその他の成分を含有している。重合促進工程においては、生成物中の未反応の2-ピロリドンをさらに開環重合させる。よって、重合促進工程によって、2-ピロリドンのポリアミド4への転換率をより高めることができる。また、重合促進工程によって、ポリアミド4の分子量をより高めることができる。
ここで、重合促進工程は、静置工程であってもよいし、動作工程(後述)であってもよい。静置工程は、二軸混練押出機などから排出される生成物を収容体に収容し静置させ、生成物中の未反応の2-ピロリドンをさらに開環重合させる工程である。なお、静置工程は、窒素など不活性ガスの雰囲気で行うことが好ましい。
また、動作工程は、生成物に対して外力を加えながら生成物中の未反応の2-ピロリドンをさらに開環重合させる工程である。ここで、生成物に対して外力を加えることにより、生成物内における2-ピロリドンの相対位置が変化し、開環重合が促進される。さらに説明をすると、生成物に対して、生成物同士を互いに押し付けあう力を付与する。外力を付与する態様は特に限定されず、生成物の粉砕、撹拌、揺動、押圧(押し付け)などのいずれか、あるいはこれらの一部または全部の組み合わせであってもよい。なお、動作工程は、窒素など不活性ガスの雰囲気で行うことが好ましい。
また、生成物中に未反応の2-ピロリドンなどが含まれる場合、例えばポリアミド4が粉体として得られたとしても、生成物の一部または全部が塊状となることがある。この塊状となった生成物を、例えば後工程の精製工程において精製すると、生成物の精製効率が低下し得る。一方、動作工程において生成物に対して外力を加えることにより、塊状の生成物が分割され得る。そして、分割された生成物を精製した場合、分割される前の塊状の生成物を精製する場合よりも、精製効率が向上し得る。
さて、静置工程や動作工程などの重合促進工程の時間(重合促進時間)は、2-ピロリドンの転換率が高まる範囲において適宜に決めることができる。重合促進時間が短すぎると、生成物中の2-ピロリドンの転換率が不十分となり、重合促進時間が長すぎると、ポリアミド4の生産性が低下することがある。重合促進時間は、1時間~6日(144時間)、3時間~3日(72時間)、6時間~24時間などから選択することができる。この重合促進時間は、後述の重合促進温度に応じて調整してもよい。
重合促進工程における生成物の温度(重合促進温度)は、2-ピロリドンの転換率がさらに高まる範囲において適宜定めることができる。重合促進温度が低すぎると、未反応の2-ピロリドンのポリアミド4への開環重合の進行が遅くなることがあり、重合促進温度が高すぎると、2-ピロリドンのポリアミド4へのさらなる転換が阻害されることがある。重合促進温度は、0℃~70℃、15℃~55℃、25℃~45℃などから選択することができる。なお、重合促進温度は、生成物が重合促進される環境の温度であってもよい。
<製造装置1>
図1は、本発明の一実施の形態に係るポリアミド4の製造装置1の概略構成を示す。
次に、図1を参照して、本発明の一実施の形態に係るポリアミド4の製造方法に用いられる製造装置1の概略構成を説明する。
図1に示されるように、製造装置1は、反応器10と、第1原料供給部20と、第2原料供給部30と、重合促進部40と、ガス供給部50と、精製部60とを有する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るポリアミド4の製造装置1の概略構成を示す。
次に、図1を参照して、本発明の一実施の形態に係るポリアミド4の製造方法に用いられる製造装置1の概略構成を説明する。
図1に示されるように、製造装置1は、反応器10と、第1原料供給部20と、第2原料供給部30と、重合促進部40と、ガス供給部50と、精製部60とを有する。
反応器10は、略円筒状の容器であり軸方向に沿って不図示のスクリューが回転可能に配置されている反応器本体11と、反応器本体11の内部に原料を供給するための開口である反応供給口13と、反応器本体11の内部から生成物を排出するための開口である反応排出口15と、スクリュー(不図示)に駆動力を供給するモータ17とを有する。
ここで、反応器本体11は、二軸混練押出機である。図示の反応器本体11は、反応器本体11内で軸方向に沿って2本設けられたスクリューを有する。このスクリューは、回転シャフトの外表面に翼部を備えて構成される。そして、モータ17から駆動力を受けたスクリューが回転することにともない、原料を混練する機能が提供される。ここで、スクリューの有効長(L)と、スクリューの外径(D)との比であるL/Dは、特に制限されないが、重合を進行させるための十分な時間を確保するため、例えば10~150、20~130、40~100などの範囲を選択することができる。また、スクリューの回転数は、10~1000rpm、30~300rpm、50~150rpmの範囲などを選択することができる。
第1原料供給部20は、2-ピロリドンと重合開始剤と有機アルミニウム化合物とを混合した第一の原料組成物(開始剤溶液、A液)を収容する第1原料容器21と、第1原料容器21内の開始剤溶液を反応器10へ供給する第1ポンプ23とを有する。ここで、第1ポンプ23としては、特に限定されないが、例えばプランジャーポンプを用いてもよい。
第2原料供給部30は、2-ピロリドンと重合触媒と4級アンモニウム塩とを混合した第二の原料組成物(重合触媒溶液、B液)を収容する第2原料容器31と、第2原料容器31内の開始剤溶液を反応器10へ供給する第2ポンプ33とを有する。ここで、第2ポンプ33としては、特に限定されないが、例えばダイヤフラムポンプを用いてもよい。
重合促進部40は、反応器本体11で重合された生成物を収容し重合を促進する促進器本体41と、促進器本体41内部に反応器本体11から排出される生成物を供給するための開口である促進開口43と、促進器本体41の内部から重合促進後の生成物を排出するための開口である促進排出口45と、促進器本体41の内部に回転可能に設けられ回転にともない生成物を砕く回転体47とを有する。
ガス供給部50は、窒素ガスを収容するガス容器51と、反応器本体11内に窒素ガスを供給する反応器供給路53と、促進器本体41内に窒素ガスを供給する促進器供給路57とを有する。ここで、反応器供給路53は、反応器本体11の上流側から下流側に向かう向きで反応器本体11内に窒素ガスを供給する上流供給路54と、反応器本体11の下流側から上流側に向かう向きで反応器本体11内に窒素ガスを供給する下流供給路56とを有する。
精製部60は、その構成を特に限定されるものではなく、公知の精製方法によりポリアミド4の精製を行う。
精製部60は、その構成を特に限定されるものではなく、公知の精製方法によりポリアミド4の精製を行う。
さて、第一の原料組成物および第二の原料組成物は、反応供給口13から反応器本体11内に定量的に供給される。反応器本体11に供給された原料組成物は、反応器本体11内において、所定の温度に保持されながら、スクリューにより撹拌されつつ軸方向に沿って搬送される。そして、両組成物中の2-ピロリドンが開環重合反応を生じ、ポリアミド4が生成される。
上記組成物および生成したポリアミド4は、スクリューによって反応器本体11内で、撹拌されながら反応排出口15まで搬送される。そして、生成したポリアミド4を含む生成組成物は、反応排出口15から排出される。原料組成物が反応器本体11内を搬送されている時間(滞留時間)は、重合時間が3分~1時間である。なお、反応器本体11内においては、スクリューによって原料組成物の混練がなされる。また、例えば生成するポリアミド4の結晶性が高く反応器本体11内に固着することもあるが、スクリューによって固着した結晶の粉砕がなされる。
反応器本体11の反応排出口15から排出される生成組成物は、促進開口43を介して促進器本体41の内部に供給される。そして、生成組成物は、促進器本体41の内部において、所定の温度環境下で、例えば22時間以上、回転体47によって攪拌あるいは粉砕される。このことによって、回転体47が、収容体の一例である回転体47内において、少なくとも一部の生成物の位置を動かすこととなる。そして、生成組成物中の2-ピロリドンがさらに開環重合し、分子量のより大きなポリアミド4が生成する。そして、重合が促進した生成組成物は、促進器本体41の促進排出口45から排出され、精製部60において精製される。
なお、図1においては、作図の都合上、反応器本体11の反応排出口15と、促進器本体41の促進開口43が離間して配置されているが、反応排出口15および促進開口43が連続して配置されることが好ましい。反応排出口15および促進開口43が連続して配置されることにより、生成組成物が外気と接触することが抑制される。
また、反応排出口15から排出される生成組成物が、促進開口43を介して促進器本体41に供給されてから促進排出口45から排出されるまでの時間、すなわち重合促進時間は、第一の原料組成物および第二の原料組成物が反応供給口13を介して反応器本体11に供給されてから反応排出口15から排出されるまでの時間、すなわち滞留時間よりも長い。さらに説明をすると、例えば重合促進時間は、滞留時間の10倍よりも長く、さらに好ましくは、50倍よりも長く、さらに好ましくは70倍よりも長い。
<実施例>
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、以下の実施例の説明における回収率とは、後処理後のポリマー重量/後処理前のポリマー重量×100により算出される割合を示す。また、精製工程を含む後処理においては、次の操作を行った。すなわち、重合物を酢酸水で洗浄しろ過したあと、純水、エタノールでそれぞれ洗浄し、ろ過を行った。洗浄後のウエットケーキは、真空乾燥(70℃、真空度:<-76cmHg)により恒量になるまで乾燥した。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、以下の実施例の説明における回収率とは、後処理後のポリマー重量/後処理前のポリマー重量×100により算出される割合を示す。また、精製工程を含む後処理においては、次の操作を行った。すなわち、重合物を酢酸水で洗浄しろ過したあと、純水、エタノールでそれぞれ洗浄し、ろ過を行った。洗浄後のウエットケーキは、真空乾燥(70℃、真空度:<-76cmHg)により恒量になるまで乾燥した。
また、以下の実施例における分子量測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって求めることによって行った。また、分析試料としては、試料を約2mg採取し、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)約2.5gを添加しポリアミド4の溶液を調製した。調製したポリアミド4溶液はシリンジフィルター(0.45um)でろ過したものを分析試料とした。
また、分子量測定条件は以下の通りである。
測定装置:GPC(waters社製)
カラム:TSKgel SuperHM-H×2(東ソー社製)
溶離液:ヘキサフルオロイソプロパノール
前処理:ポリテトラフルオロエチレン製フィルター(0.45μm)で濾過
添加剤:トリフルオロ酢酸ナトリウム(10mmol/L)
標準物質:ポリメタクリル酸メチル
濃度:0.1g/L
注入量:20μL
流速:0.2ml/min
カラム温度:40℃
測定装置:GPC(waters社製)
カラム:TSKgel SuperHM-H×2(東ソー社製)
溶離液:ヘキサフルオロイソプロパノール
前処理:ポリテトラフルオロエチレン製フィルター(0.45μm)で濾過
添加剤:トリフルオロ酢酸ナトリウム(10mmol/L)
標準物質:ポリメタクリル酸メチル
濃度:0.1g/L
注入量:20μL
流速:0.2ml/min
カラム温度:40℃
<実施例1>
<開始剤溶液(A液)の調製>
窒素雰囲気とした四つ口フラスコ(1000mL)へ精製2-ピロリドン486.42gを加え、撹拌子で攪拌しながら滴下漏斗を用いて1mol/Lトリエチルアルミニウムヘキサン溶液54.80gを添加し、均一になるまで攪拌しA液(重合促進剤添加モノマー溶液)を調製した。
<開始剤溶液(A液)の調製>
窒素雰囲気とした四つ口フラスコ(1000mL)へ精製2-ピロリドン486.42gを加え、撹拌子で攪拌しながら滴下漏斗を用いて1mol/Lトリエチルアルミニウムヘキサン溶液54.80gを添加し、均一になるまで攪拌しA液(重合促進剤添加モノマー溶液)を調製した。
<重合触媒溶液(B液)の調製>
窒素雰囲気とした四つ口フラスコ(2000mL)へ精製2-ピロリドン941.9gを加え、撹拌子で攪拌しながら水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散)75.4gを添加し、40℃下で20分攪拌した。続いてテトラメチルアンモニウムクロリド43.8gを添加し、40℃下でさらに20分攪拌しB液を調製した。
窒素雰囲気とした四つ口フラスコ(2000mL)へ精製2-ピロリドン941.9gを加え、撹拌子で攪拌しながら水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散)75.4gを添加し、40℃下で20分攪拌した。続いてテトラメチルアンモニウムクロリド43.8gを添加し、40℃下でさらに20分攪拌しB液を調製した。
<ポリアミド4の合成>
重合の前に二軸混練押出機の中を窒素雰囲気とし、二軸混練押出機(L/D=61、HK-25D、パーカーコーポレーション社製)を100rpmで運転を開始した。投入口よりA液(流量:5.6g/分)とB液(流量:11.0g/分)を送液ポンプ(A液:プランジャーポンプ、B液:ダイヤフラムポンプ)で供給した。両混合液は二軸混練押出機で混合および重合を行い、粉体状の重合物が得られた。また、二軸混練押出機は連続的に50分運転した。回収した重合物は適当な条件で保管したのち、後処理操作を行った結果を表1に示す。
重合の前に二軸混練押出機の中を窒素雰囲気とし、二軸混練押出機(L/D=61、HK-25D、パーカーコーポレーション社製)を100rpmで運転を開始した。投入口よりA液(流量:5.6g/分)とB液(流量:11.0g/分)を送液ポンプ(A液:プランジャーポンプ、B液:ダイヤフラムポンプ)で供給した。両混合液は二軸混練押出機で混合および重合を行い、粉体状の重合物が得られた。また、二軸混練押出機は連続的に50分運転した。回収した重合物は適当な条件で保管したのち、後処理操作を行った結果を表1に示す。
上記Lot012と同じ後処理前の重合物を用いて、窒素雰囲気のなか、各所定温度の恒温機内で静置を行ったのち、後処理を実施した。得られたポリアミド4の結果を表2に示す。
<開始剤溶液(A液)の調製>
窒素雰囲気とした四つ口フラスコ(1000mL)へ精製2-ピロリドン485.83gを加え、撹拌子で攪拌しながら滴下漏斗を用いて1mol/Lトリエチルアルミニウムヘキサン溶液54.03gを添加し、20分攪拌した。その後、γ-ブチロラクトン0.5990gを添加し均一になるまで攪拌しA液を調製した。
<重合触媒溶液(B液)の調製>
窒素雰囲気とした四つ口フラスコ(2000mL)へ精製2-ピロリドン942.1gを加え、撹拌子で攪拌しながら水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散)75.1gを添加し、40℃下で20分攪拌した。続いてテトラメチルアンモニウムクロリド43.0gを添加し、40℃下でさらに20分攪拌しB液を調製した。
窒素雰囲気とした四つ口フラスコ(2000mL)へ精製2-ピロリドン942.1gを加え、撹拌子で攪拌しながら水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散)75.1gを添加し、40℃下で20分攪拌した。続いてテトラメチルアンモニウムクロリド43.0gを添加し、40℃下でさらに20分攪拌しB液を調製した。
<ポリアミド4の合成>
重合の前に二軸混練押出機の中を窒素雰囲気とし、二軸混練押出機(L/D=61、HK-25D、パーカーコーポレーション社製)を100rpmで運転を開始した。投入口よりA液(流量:5.6g/分)とB液(流量:11.0g/分)を送液ポンプ(A液:プランジャーポンプ、B液:モーノポンプ、兵神装備社製)で供給した。両混合液は二軸混練押出機で混合および重合を行い、粉体状の重合物が得られた。また、二軸混練押出機は連続的に1時間運転した。回収した重合物は適当な条件で保管したのち、後処理操作を行った結果を表3に示す。
重合の前に二軸混練押出機の中を窒素雰囲気とし、二軸混練押出機(L/D=61、HK-25D、パーカーコーポレーション社製)を100rpmで運転を開始した。投入口よりA液(流量:5.6g/分)とB液(流量:11.0g/分)を送液ポンプ(A液:プランジャーポンプ、B液:モーノポンプ、兵神装備社製)で供給した。両混合液は二軸混練押出機で混合および重合を行い、粉体状の重合物が得られた。また、二軸混練押出機は連続的に1時間運転した。回収した重合物は適当な条件で保管したのち、後処理操作を行った結果を表3に示す。
<実施例3>
<開始剤溶液(A液)の調製>
窒素雰囲気とした四つ口フラスコ(1000mL)へ精製2-ピロリドン777.97gを加え、撹拌子で攪拌しながら滴下漏斗を用いて1mol/Lトリエチルアルミニウムヘキサン溶液86.53gを添加し、20分攪拌した。その後、γ-ブチロラクトン0.4731g添加し均一になるまで攪拌しA液を調製した。
<開始剤溶液(A液)の調製>
窒素雰囲気とした四つ口フラスコ(1000mL)へ精製2-ピロリドン777.97gを加え、撹拌子で攪拌しながら滴下漏斗を用いて1mol/Lトリエチルアルミニウムヘキサン溶液86.53gを添加し、20分攪拌した。その後、γ-ブチロラクトン0.4731g添加し均一になるまで攪拌しA液を調製した。
<重合触媒溶液(B液)の調製>
窒素雰囲気とした四つ口フラスコ(2000mL)へ精製2-ピロリドン1508.4gを加え、撹拌子で攪拌しながら水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散)119.7gを添加し、40℃下で20分攪拌した。続いてテトラメチルアンモニウムクロリド68.3gを添加し、40℃下でさらに20分攪拌しB液を調製した。
窒素雰囲気とした四つ口フラスコ(2000mL)へ精製2-ピロリドン1508.4gを加え、撹拌子で攪拌しながら水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散)119.7gを添加し、40℃下で20分攪拌した。続いてテトラメチルアンモニウムクロリド68.3gを添加し、40℃下でさらに20分攪拌しB液を調製した。
<ポリアミド4の合成>
重合の前に二軸混練押出機の中を窒素雰囲気とし、二軸混練押出機(L/D=61、HK-25D、パーカーコーポレーション社製)を100rpmで運転を開始した。投入口よりA液(流量:5.6g/分)とB液(流量:11.0g/分)を送液ポンプ(A液:プランジャーポンプ、B液:モーノポンプ、兵神装備社製)で供給した。両混合液は二軸混練押出機で混合および重合を行い、粉体状の重合物が得られた。また、二軸混練押出機は連続的に2時間運転した。回収した重合物は適当な条件で保管したのち、後処理操作を行った結果を表4に示す。
重合の前に二軸混練押出機の中を窒素雰囲気とし、二軸混練押出機(L/D=61、HK-25D、パーカーコーポレーション社製)を100rpmで運転を開始した。投入口よりA液(流量:5.6g/分)とB液(流量:11.0g/分)を送液ポンプ(A液:プランジャーポンプ、B液:モーノポンプ、兵神装備社製)で供給した。両混合液は二軸混練押出機で混合および重合を行い、粉体状の重合物が得られた。また、二軸混練押出機は連続的に2時間運転した。回収した重合物は適当な条件で保管したのち、後処理操作を行った結果を表4に示す。
<GPC測定結果>
図2は、GPCによる測定結果を示す図である。
試料X(サンプル名013)のGPCによる測定結果は、図2(a)および(b)に示す通りである。
なお、試料Xは、二軸混練押出機から排出後、6日間室温静置をした、回収率46.7%の試料である。
図2は、GPCによる測定結果を示す図である。
試料X(サンプル名013)のGPCによる測定結果は、図2(a)および(b)に示す通りである。
なお、試料Xは、二軸混練押出機から排出後、6日間室温静置をした、回収率46.7%の試料である。
図2(a)に示すように、GPCによる測定においては、1つのピークを有する結果が得られた。すなわち、GPC形状は単峰性であることが確認された。
<変形例>
図3は、本実施の形態における変形例を説明する図である。
次に、図3を参照しながら、本実施の形態における変形例を説明する。なお、図3においては、第1原料供給部20、第2原料供給部30、ガス供給部50および精製部60の記載が省略されている。また、図3の説明においては、上記図1で示した実施の形態の構成と同一の部分には同一の符号をつけ、その詳細な説明は省略することがある。
図3は、本実施の形態における変形例を説明する図である。
次に、図3を参照しながら、本実施の形態における変形例を説明する。なお、図3においては、第1原料供給部20、第2原料供給部30、ガス供給部50および精製部60の記載が省略されている。また、図3の説明においては、上記図1で示した実施の形態の構成と同一の部分には同一の符号をつけ、その詳細な説明は省略することがある。
上記の実施の形態においては、製造装置1が、連続混練装置の一例として二軸混練押出機である反応器本体11を有することを説明したが、反応器本体11で2-ピロリドンの混合および重合を行うことができれば、構成は特に限定されない。さらに説明をすると、例えば製造装置1の反応器本体11は、押出機能を備えない所謂ニーダーと呼ばれる二軸混練機であってもよい。また、反応器本体11は、押し出し機能を有する構成として二軸混練押出機に限定されるものではなく、一軸混練押出機や四軸混練押出機などであってもよい。
また、製造装置1は、反応器10の反応器本体11内の温度を調整する温度調整部を有してもよい。この温度調整部は、例えば反応器本体11に接続され内部を温度調節用の液体が流れる案内管と、この液体の温度を調整しながら液体を循環させる駆動部とを有する。なお、反応器本体11の内部においては、スクリューによる混練にともない、せん断熱が生じる。そのため、反応器本体11の内部においては、軸方向の中央部が、軸方向の上流側あるいは下流側よりも高温となることがある。そこで、反応器本体11の内部が所定の温度を超えることを回避するため、温度調整部は、軸方向の中央部よりも、軸方向の上流側および下流側のほうが昇温機能が高くなるように構成されてもよい。
また、上記の実施の形態においては、製造装置1が、重合促進部40を有することを説明したが、反応器本体11で2-ピロリドンの重合反応を行うことができれば、構成は特に限定されない。例えば、製造装置1が、重合促進部40を有しない構成であってもよい。
また、上記の実施の形態においては、重合促進部40が、生成物を砕く回転体47を有する促進器本体41によって、反応器本体11で重合された生成物の重合を促進することを説明したが、促進器本体41内で生成物の位置を変化させることができれば、これに限定されない。
例えば、図3(a)に示す製造装置101のように、重合促進部140を備える構成としてもよい。図3(a)に示す重合促進部140は、管状に形成され内部に生成物を収容し重合を促進する促進器本体141と、反応器本体11から排出される生成物を促進器本体141内部に供給するための開口である促進開口143と、促進器本体141の内部から重合後の生成物を排出するための開口である促進排出口145と、促進器本体141の内部に回転可能に設けられ生成物を攪拌しながら促進排出口145に向けて搬送する回転体147とを有する。この回転体147が回転し生成物を攪拌することにより、促進器本体141内で生成物の位置が変化する。
また、例えば、図3(b)に示す製造装置201のように、重合促進部240を備える構成としてもよい。図3(b)に示す重合促進部240は、反応器本体11で重合された生成物を収容する容器である促進器本体241と、促進器本体241を支持する位置に設けられ促進器本体241を揺動させる揺動装置243とを有する。この揺動装置243は、所定時間ごとに促進器本体241を揺動させる。なお、揺動装置243は、揺動し続ける構成であってもよい。この揺動装置243が促進器本体241を揺動させることにより、促進器本体241内で生成物の位置が変化する。
反応器10は、重合機構の一例である。重合促進部40は、動作機構の一例である。促進器本体41は、収容体の一例である。精製部60は、精製機構の一例である。反応器供給路53は、他の供給体の一例である。促進器供給路57は、供給路体の一例である。
さて、上記では種々の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態や変形例同士を組み合わせて構成してももちろんよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
1…製造装置、10…反応器、11…反応器本体、20…第1原料供給部、30…第2原料供給部、40…重合促進部、41…促進器本体、47…回転体、50…ガス供給部、60…精製部
Claims (7)
- 二軸混練押出機を有し、重合触媒および重合開始剤を用い、2-ピロリドンからポリアミド4を重合する重合機構と、
前記重合機構から排出される生成物を収容体で受け、当該収容体内における少なくとも一部の生成物の位置を動かしながら生成物に含まれるポリアミド4をさらに重合させる動作機構と
を有するポリアミド4の製造装置。 - 前記動作機構は、前記収容体に収容された生成物の粉砕、攪拌、揺動および押圧のうち少なくともいずれか1つを行う請求項1記載の製造装置。
- 前記動作機構は、前記収容体の内部に設けられ、駆動力を受けて回転することで、前記重合機構から排出される粉体のポリアミド4を砕く回転体を有する請求項1または2記載の製造装置。
- 前記動作機構から排出されるポリアミド4を精製する精製機構を有する請求項1乃至3のいずれか1項記載の製造装置。
- 前記収容体の内部に不活性ガスを供給する供給体を有する請求項1乃至4のいずれか1項記載の製造装置。
- 前記二軸混練押出機の内部に不活性ガスを供給する他の供給体を有する請求項5記載の製造装置。
- 二軸混練機を有し、重合触媒および重合開始剤を用い、2-ピロリドンからポリアミド4を重合する重合機構と、
前記重合機構から排出される生成物を収容体で受け、当該収容体内における少なくとも一部の生成物の位置を動かしながら生成物に含まれるポリアミド4をさらに重合させる動作機構と
を有するポリアミド4の製造装置。
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