JP2022125473A - 包装袋及び包装食品 - Google Patents

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康司 大塚
Yasushi Otsuka
慎一 長田
Shinichi Osada
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Abstract

【課題】レンジ加熱に伴って発生する蒸気の排出を適正に行うことの可能なピロータイプの包装袋及び包装食品を提供する。【解決手段】積層フィルム1のヒートシールにより、内容物Fを収容する収容空間7が内側に形成されたピロータイプの包装袋101は、正面部1aと、センターシール部10を有する背面部1bと、正面部1aと背面部1bとの間でセンターシール部10と平行な折り込みからなるガセット部1c,1dと、を含むとともに、センターシール部10に対して直交する両端部に第1,第2シール部8,9が形成されることにより、収容空間7が形成される。積層フィルム1は、内容物Fのレンジ加熱により発生した蒸気を収容空間7から排出するための蒸気口11が形成されるように、ラミネート強度調整用の蒸気口形成樹脂層4を有する。【選択図】図1

Description

本発明は包装袋及び包装食品に関するものであり、例えば、ヒートシールされた積層フィルムからなる電子レンジ加熱用包装袋と、その包装袋に食品を密封包装してなる電子レンジ加熱用包装食品に関するものである。
レトルト食品や冷凍食品等を内容物とする電子レンジ加熱用の包装食品が広く利用されている。この包装食品をレンジ加熱すると、加熱に伴って内容物に含まれる水分が蒸発し、発生した蒸気によって包装袋内の圧力が高まっていく。包装袋内の圧力が高まると、包装袋が破れて内容物が飛散し、電子レンジ内を汚してしまうおそれがある。そこで、レンジ加熱に伴って発生する蒸気を包装袋外へ逃がすために、蒸気抜き機構をセンターシールとエンドシールの交点部に備えたピロータイプの包装袋が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007-217050号公報
特許文献1で提案されているようなピロータイプの包装袋は、横置き状態でレンジ加熱する形態になっているため、転倒の心配が無い。しかし、センターシール部に設けられている蒸気口の近くに内容物が位置することになるため、内容物に含まれている液体が多いと、レンジ加熱中又はレンジ加熱後に蒸気口からの液漏れが生じ易くなる。また、センターシール部に蒸気抜き機構を設けようとすると、輸送時・保管時等において破袋しないように、センターシール部のシール強度を保つことが難しくなる。したがって、適正な蒸気抜きが可能なピロータイプの包装袋が求められている。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、レンジ加熱に伴って発生する蒸気の排出を適正に行うことの可能なピロータイプの包装袋及び包装食品を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明の包装袋は、積層フィルムのヒートシールにより、内容物を収容する収容空間が内側に形成されたピロータイプの包装袋であって、
正面部と、センターシール部を有する背面部と、前記正面部と前記背面部との間で前記センターシール部と平行な折り込みからなるガセット部と、を含むとともに、前記センターシール部に対して直交する両端部にヒートシール部が形成されることにより、前記収容空間が形成され、
前記内容物のレンジ加熱により発生した蒸気を前記収容空間から排出するための蒸気口が前記ヒートシール部の一部に形成されるように、ラミネート強度調整用の蒸気口形成樹脂層を前記積層フィルムが有し、
前記センターシール部を基準とする両側に前記ガセット部が位置し、一方のガセット部と前記正面部と前記背面部とが隣り合って位置する折り込み頂部を含む領域に前記蒸気口形成樹脂層が位置することを特徴とする。
第2の発明の包装袋は、上記第1の発明において、前記折り込み頂部を含む領域において、前記正面部と前記背面部と前記ガセット部のうちの少なくとも1つを構成する積層フィルムに前記蒸気口形成樹脂層を有することを特徴とする。
第3の発明の包装袋は、上記第1又は第2の発明において、前記両側のガセット部が上下方向に並ぶスタンド状態において、上側のガセット部と前記正面部と前記背面部とが隣り合って位置する折り込み頂部を含む領域にのみ前記蒸気口形成樹脂層が位置することを特徴とする。
第4の発明の包装袋は、上記第3の発明において、前記蒸気口形成樹脂層が位置する上側のガセット部の前記センターシール部側の前記両端ヒートシール部に、レンジ加熱後に包装袋から内容物を取り出す際に包装袋を破断するための切り込みが設けられ、前記切り込みが設けられている箇所に開封初端となる切り込みがあることを示す表示が施されていることを特徴とする。
第5の発明の包装袋は、上記第3の発明において、前記蒸気口形成樹脂層が位置する上側のガセット部の前記センターシール部側の前記両端ヒートシール部のうち、蒸気口形成樹脂層が位置する側とは反対側のみに、レンジ加熱後に包装袋から内容物を取り出す際に包装袋を破断するための切り込みが設けられ、前記切り込みが設けられている箇所に開封初端となる切り込みがあることを示す表示が施されていることを特徴とする。
第6の発明の包装袋は、積層フィルムのヒートシールにより、内容物を収容する収容空間が内側に形成されたピロータイプの包装袋であって、
正面部と、センターシール部を有する背面部と、前記正面部と前記背面部との間で前記センターシール部と平行な折り込みからなるガセット部と、を含むとともに、前記センターシール部に対して直交する両端部にヒートシール部が形成されることにより、前記収容空間が形成され、
前記内容物のレンジ加熱により発生した蒸気を前記収容空間から排出するための蒸気口が前記ヒートシール部の一部に形成されるように、ラミネート強度調整用の蒸気口形成樹脂層を前記積層フィルムが有し、
前記センターシール部に前記蒸気口形成樹脂層が位置することを特徴とする。
第7の発明の包装食品は、電子レンジ加熱用包装食品であって、上記第1~第6のいずれか1つの発明に係る包装袋と、前記内容物として前記収容空間内に収容された状態で密封包装された食品と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、レンジ加熱に伴って発生する蒸気の排出を適正に行うことが可能である。例えば、センターシール部を基準とする両側のガセット部が上下方向に並ぶスタンド状態となるように包装袋を配置して、上側のガセット部と正面部と背面部とが隣り合って位置する折り込み頂部を含む領域にのみ蒸気口形成樹脂層が位置するようにすれば、下方の内容物は上方の蒸気口から離れて位置することになる。したがって、内容物に含まれている液体が多くても、レンジ加熱中やレンジ加熱後に蒸気口から液漏れが生じるのを防止することができる。
包装袋の第1の実施の形態を示す概略図。 第1の実施の形態において蒸気口形成樹脂層の配置を変更した例を示す概略図。 包装袋の第2の実施の形態を示す概略図。 包装食品の第1,第2の実施の形態を示す側面図。 第1の実施の形態において切り込みの形状・配置を変更した例を示す概略図。
以下、本発明の実施の形態に係る包装袋,包装食品等を、図面を参照しつつ説明する。なお、各実施の形態や具体例等の相互で同一の部分や相当する部分には同一の符号を付して重複説明を適宜省略する。
図1に第1の実施の形態に係るピロータイプの包装袋101の概略構造を模式的に示し、図3に第2の実施の形態に係るピロータイプの包装袋102の概略構造を模式的に示す。図1において、(A)は包装袋101を折り畳んだ状態で模式的に示す平面図であり、(B)は(A)のL1-L1’線断面図である。また図1において、(C)は包装袋101をスタンド状態で模式的に示す斜視図であり、(D)は(C)のM1-M1’線断面図である。図3において、(A)は包装袋102を折り畳んだ状態で模式的に示す平面図であり、(B)は(A)のL2-L2’線断面図である。また図3において、(C)は包装袋102をスタンド状態で模式的に示す斜視図であり、(D)は(C)のM2-M2’線断面図である。
包装袋101,102は、いずれも1枚の積層フィルム1からなっており、内容物を収容する収容空間7が内側に形成されるように、積層フィルム1の両端でのヒートシール(熱接着)により筒状化(センターシール部10が形成)されて、ピローパウチとして製袋されている。また、センターシール部10に対して直交する両端部には、ヒートシール部として第1,第2シール部8,9が形成されることにより、収容空間7が密封状態で形成されるようになっている。なお、ヒートシールは、実製品を製造する連続製袋機での製袋時に、製品としての性状及び機能を損なわない範囲のシール温度条件で行われる。
第1,第2シール部8,9の上部には、左右の周縁に開封時の起点となる直線形状の切り込み8a,9aが形成されているが、この切り込み8a,9aの形状は直線形状に限らず、V字形状,U字形状等でもよい。また、切り込み8a,9aの位置は、切り込み8a,9aからの破断方向が積層フィルム1の直線状の易引き裂き方向と一致するように設定されることが好ましい。また、切り込みが形成された箇所に、切り込みが形成されている旨を表示することで、消費者が容易に開封位置を認識できる。前記表示は、積層フィルムを作製する際のグラビア印刷等で施すことが可能である。
更に、図5のように切り込みの形状を略三角形とし、蒸気口形成樹脂層が位置するのとは反対側の第1シール部8のみに切り込みを設けることで、包装袋の開封時に手指を蒸気口に近づける危険性が低減され、安心して包装袋を開封することが可能となる。略三角形状の切り込み8a’は、ピロータイプの充填包装機で包装袋を製造する際、1個1個の包装袋を切り離すための刃の形状を変えることで可能となる。
包装袋101,102には、正面部1aと、センターシール部10を有する背面部1bと、が含まれている。さらに、包装袋101では、正面部1aと背面部1bとの間の上下両側(センターシール部10を基準とする両側)において、センターシール部10と平行な折り込みからなるガセット部1c,1dが設けられており、包装袋102では、正面部1aと背面部1bとの間の下方片側(センターシール部10を基準とする片側)において、センターシール部10と平行な折り込みからなるガセット部1cが設けられている。なお、包装袋101,102ではセンターシール部10が背面部1bの中央に位置するように背貼り(合掌貼り)されているが、必要に応じて(印刷表示等の関係から)センターシール部10を片側に寄せた配置にしてもよい。また、片ガセット・両ガセットのいずれのタイプのパウチ形状であっても、一般的な充填包装機を用いた製造が可能である。
包装袋101,102を構成している積層フィルム1は、図1(D),図2(D)に示すように、外層としての基材層2と、内層としてのシーラント層6と、その間に設けられている印刷インキ層3,接着層5等からなっている。つまり、積層フィルム1は、包装袋外側から包装袋内側にかけて、基材層2と印刷インキ層3と接着層5とシーラント層6とを含む積層構造を有している。さらに、積層フィルム1における正面部1aの印刷インキ層3の内側には、第2シール部9を跨ぐようにラミネート強度調整用の蒸気口形成樹脂層4が形成されており、内容物Fのレンジ加熱により発生した蒸気を収容空間7から排出するための蒸気口11が形成されるように構成されている。
基材層2には、印刷作業,冷蔵冷凍保存,レンジ加熱等による負荷に耐える強度が要求されるため、機械的・物理的・化学的に優れた性質を有する合成樹脂製フィルムを用いることが好ましい。このような観点から、基材層2の具体例としては、二軸延伸ナイロン(ONY)フィルム等のポリアミド系フィルム(必要に応じて酸素バリア性を有するもの等)が挙げられる。
シーラント層(熱接着性樹脂層)6としては、包装袋101,102に要求される物性に応じたものを適宜選択して用いることができる。ただし、蒸気口形成樹脂層4が位置する領域においては、後述する蒸通のための破断が生じるようなものを用いる必要がある。このような観点から、シーラント層6の具体例としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム,低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム等のポリエチレンフィルムが挙げられる。
印刷インキ層3は、色インキで形成され、その具体例としては、絵柄層,白色インキ層等が挙げられる。接着層5は、例えば、ドライラミネート法で一般的に用いられているドライラミネート用接着剤で形成される。接着剤の具体例としては、ポリ酢酸ビニル系接着剤,ポリアクリル酸エステル系接着剤,シアノアクリレート系接着剤,エチレン共重合体系接着剤,セルロース系接着剤,ポリエステル系接着剤,ポリアミド系接着剤,アミノ樹脂系接着剤,エポキシ系接着剤,ポリウレタン系接着剤等が挙げられる。
蒸気口形成樹脂層4は、室温(30℃程度)又はそれ以下の環境温度では所定のラミネート強度を有するが、高温の環境温度ではその強度が低下する性質を有する熱軟化樹脂層である。所定の強度を有する環境温度とは、通常、内容物を包装する包装工程の環境温度、内容物を包装した包装袋を冷蔵・冷凍する工程の環境温度、冷蔵・冷凍した状態で輸送・保管する流通段階での環境温度等である。したがって、そのような環境温度では、蒸気口形成樹脂層4において所定の強度が保持されることになる。また、所定の強度が低下する高温の環境温度とは、内容物を密封包装した包装袋101,102を電子レンジで加熱調理したときに生じる温度であり、こうした高温の環境温度では蒸気口形成樹脂層4の強度が低下することになる。
上記のような性質を有する蒸気口形成樹脂層4の材料として、60~90℃の融点を有する熱軟化樹脂(剥離ニス等)を用いることが好ましい。その具体例としては、硝化綿-ポリアミド系樹脂,ポリアミド-硝化綿-ポリエチレンワックス系樹脂,エチレン-酢酸ビニル系共重合体樹脂等が挙げられる。融点が60~90℃の熱軟化樹脂を用いることにより、電子レンジで加熱調理した際に、後述する蒸通のための層間剥離を蒸気口形成樹脂層4で生じさせ易くすることができる。このため、蒸気口形成樹脂層4に用いる材料の塗工量は極めて少量で済む。
蒸気口形成樹脂層4は、前述したように第2シール部9を跨ぐように形成されている。つまり、蒸気口形成樹脂層4は、積層フィルム1の正面部1aにおいて、印刷インキ層3と接着層5との間の第2シール部9の一部に、第2シール部9の内縁よりも内側から第2シール部9の外縁まで第2シール部9を横断するように形成されている。同様の形成領域において、蒸気口形成樹脂層4を背面部1bに設けてもよく、正面部1aと背面部1bの両方に設けてもよい。
図2に、第1の実施の形態において蒸気口形成樹脂層4の配置を変更した例を示す。図2(A)では蒸気口形成樹脂層4が背面部1bに設けられており、図2(B)では蒸気口形成樹脂層4がガセット部1dに設けられている。いずれの場合もガセット部1dと正面部1aと背面部1bとが隣り合って位置する折り込み頂部Pを含む領域に(図1(D),図2)、蒸気口形成樹脂層4が位置している。つまり、折り込み頂部Pを含む領域において、正面部1aと背面部1bとガセット部1dのうちの少なくとも1つを構成する積層フィルム1に蒸気口形成樹脂層4を有するものであればよい。
電子レンジで加熱調理を行うと、内容物から発生する蒸気(水蒸気等)によって内圧が上昇し、包装袋101,102が強く膨れた状態になる。前述した高温環境による蒸気口形成樹脂層4の強度低下により、隣接するシーラント層6が大きな負荷を受け、伸びて破断する。これは、蒸気口形成樹脂層4が設けられている領域と設けられていない領域との境界および、その近傍で亀裂が生じ易くなるためである。この破断した箇所から内圧によって層間剥離が進行する。つまり、蒸気口形成樹脂層4からなる層間での剥離が、第2シール部9の内縁から第2シール部9の外縁へと進むことになる。そして、層間剥離が第2シール部9の外縁に達したとき、収容空間7内の蒸気が蒸気口11から外部に放出されて、包装袋101,102の内圧が低下することになる。
蒸気口形成樹脂層4の形成は、グラビア印刷法により行うのが好ましく、印刷インキ層3と同時にインラインで蒸気口形成樹脂層4を形成するのが好ましい。蒸気口形成樹脂層4の膜厚としては、1μm以上5μm以下が好ましい。膜厚が1μmを下回ると、レンジ加熱の際に蒸気口形成樹脂層4からなる層間で剥離が起こりにくくなり、膜厚が5μmを上回ると、外観や製造工程に影響が生じるおそれがある。通常、製袋前の積層フィルム1はロール状態で供給され、包装機にて袋状に製袋される。ロール状態の積層フィルム1では蒸気口形成樹脂層4の形成部分が盛り上がり、結果として、その部分が伸びるために製袋不良が発生して歩留まり低下を招いたり、製袋後の仕上がり外観が見栄えの悪いものとなったりするおそれがある。
蒸気口形成樹脂層4を設けた領域のラミネート強度(基材層2とシーラント層6との間のラミネート強度)は、前記室温以下の環境温度で0.3~2N/15mm巾が好ましく、高い環境温度(90℃以上の環境温度)で0.3N/15mm巾以下が好ましい。また、蒸気口形成樹脂層4を設けない領域のラミネート強度は、前記室温以下の環境温度で1.5N/15mm巾以上が好ましく、高い環境温度(90℃以上の環境温度)で0.5N/15mm巾以上が好ましい。
シーラント層6としてLLDPEフィルム(30μm厚さ)を用いた場合、蒸気口形成樹脂層4を設けた領域のヒートシール強度は、前記室温以下の環境温度で7N/15mm巾以上が好ましく、高い環境温度(90℃以上の環境温度)で4N/15mm巾以下が好ましい。また、蒸気口形成樹脂層4を設けない領域のヒートシール強度は、前記室温以下の環境温度で7.0N/15mm巾以上が好ましく、高い環境温度(90℃以上の環境温度)で3N/15mm巾以上が好ましい。高い環境温度下(90℃以上の環境温度下)において、蒸気口形成樹脂層4を設けない領域のヒートシール強度が蒸気口形成樹脂層4を設けた領域のヒートシール強度に比べて1N/15mm巾以上大きくなるように設計することが好ましい。
図4(A)に第1の実施の形態に係る包装食品201の側面側外観を示し、図4(B)に第2の実施の形態に係る包装食品202の側面側外観を示す。包装食品201,202を製造する場合、第1シール部8が形成された包装袋101,102の収容空間7内に、開口部9hから食品F(想定内容物:冷凍・チルド商品,から揚げ等)を充填する。そして、正面部1a,背面部1b等に対するヒートシールにより第2シール部9を形成し、必要に応じてレトルト加熱等の処理を行うと、食品Fが収容空間7内に収容された状態で密封包装された電子レンジ加熱用の包装食品201,202が得られる。なお、包装袋101,102の用途はレトルト用に限らない。具体的な殺菌処理,流通形態等に応じて、レトルト用よりも低温(100℃以下)のボイル殺菌用,内容物の高温化だけで包装袋内面を殺菌するホットパック用,熱処理無しで流通させる冷凍用等が用途に含まれる。
食品Fを喫食する場合、図4(A),(B)に示すように、ガセット部1cがセンターシール部10の下方に位置するスタンド状態で、包装食品201,202を電子レンジにセットして加熱する。包装袋101,102には、前述の蒸気口形成樹脂層4で内圧開封式の蒸気抜き機構が構成されており、電子レンジ加熱時に収容空間7内の蒸気V(図4)を包装袋外側に逃がすことができるようになっているため、レンジ加熱前の包装食品201,202は密封包装された状態にある。
レンジ加熱により食品Fから蒸気Vが発生すると、包装袋101,102の内圧が上昇する。シーラント層6が蒸気口形成樹脂層4との協働作用(ラミネート強度の低下)により伸びて破断し、この破断した箇所が起点となって層間剥離が進む。層間剥離が第2シール部9の外縁に達すると、収容空間7内の高温・高圧の蒸気Vが蒸気口11から包装袋101,102の外部へと排気されて(図4中の矢印mv)、収容空間7内が減圧される。電子レンジでの加熱が終了すると、包装袋101,102の上部を切り込み8a,9a(図1,図3)から破断することにより包装食品201,202の開封を行い、収容空間7内の食品Fを食器に移すことになる。また、図5のように切り込み8a’を蒸気口形成樹脂層が位置するのとは反対側にのみ設けた場合、包装袋の開封時に手指を蒸気口に近づける危険性が低く、安心して包装袋を開封することできる。
包装袋101の場合、両側のガセット部1c,1dが上下方向に並ぶスタンド状態において(図4(A))、上側のガセット部1dと正面部1aと背面部1bとが隣り合って位置する折り込み頂部Pを含む領域にのみ蒸気口形成樹脂層4が位置しているため、包装袋101が膨らんだ際の蒸気Vによる圧力が、折り込み頂部Pを含む領域の収容空間7側に集中して、前記層間剥離が生じる。ガセット部1dの折り込み部分が持ち上がって開くため力がかかり易く、剥離が容易になる。したがって、レンジ加熱した際に蒸通しやすく、包装食品201のスタンド状態の安定化と蒸通の安定化と食品Fの大量収容化とを効果的にバランスさせることが可能である。
包装袋102では、センターシール部10に蒸気口形成樹脂層4が位置しているものの、ガセット部1cを下にしてスタンド状態(図1(C))にすると、蒸気口11からの蒸通が容易になる。つまり、図4に示すように、下方の食品Fが上方の蒸気口11から離れて位置することになるため、輸送時・保管時等におけるシール強度を保ちながら、レンジ加熱において蒸気Vの排出をスムーズに行うことができる。しかも、食品Fに含まれている液体が多くても、レンジ加熱中やレンジ加熱後に蒸気口11から液漏れが生じるのを防止することができる。
包装袋101によれば、センターシール部10を基準とする両側にガセット部1c,1dが位置する構成になっているため、収容空間7内に大量の食品Fを収容することができる。しかも、一方のガセット部1dと正面部1aと背面部1bとが隣り合って位置する折り込み頂部Pを含む領域にのみ蒸気口形成樹脂層4が位置する構成になっているため、ガセット部1cを下側にして包装食品201をスタンド状態にすると、レンジ加熱において包装袋101の上側から蒸気Vの排出をスムーズに行うことができ、輸送時・保管時等におけるシール強度も保つことができる。
包装袋102によれば、センターシール部10に蒸気口形成樹脂層4が位置する構成になっているため、ガセット部1cを下側にして包装食品202をより安定したスタンド状態にすることができる。しかも、レンジ加熱において包装袋102の上側から蒸気Vの排出をスムーズに行うことができ、輸送時・保管時等におけるシール強度も保つことができる。
以下、本発明を実施した包装袋等を更に具体的に説明する。
用いる積層フィルム1の概略積層構造は、
ONY(15)/色インキ,硝化綿-ポリアミド系樹脂/接着剤/LLDPE(40)
である。ただし、
基材層2/印刷インキ層3,蒸気口形成樹脂層4/接着層5/シーラント層6、
ONY(15):二軸延伸ナイロンフィルム,厚さ15μm、
LLDPE(40):直鎖状低密度ポリエチレンフィルム,厚さ40μm、
である。
蒸気口形成樹脂層4は、厚さ:1~5μmとなるように、硝化綿-ポリアミド系樹脂を用いてグラビア印刷法により所定箇所に形成した。その際、パウチ状態の正面部1aにおける印刷インキ層3と接着層5との間の第2シール部9の一部に、第2シール部9の内縁よりも内側から第2シール部9の外縁まで第2シール部9を横断するように蒸気口形成樹脂層4を配置した。
上記積層フィルム1を用いたピローパウチとしての製袋により、包装袋101,102を作製した。パウチ寸法は(図1,図2の(A))、X=150mmピッチ,Y=120mm巾(高さ),y=15mmガセットであり、第1,第2シール部8,9のサイドシール巾d1=10mm,センターシール部10のセンターシール巾d2=12.5mmである。第1シール部8を形成した後、開口部9hから包装袋101,102に食品Fを所定量充填し、開口部9hをヒートシールすることにより(第2シール部9を形成)密封状態とした。ガセット部1cを下にして包装食品201,202を立ててスタンド状態とし、電子レンジ加熱を行ったところ、蒸気口11からの正常な蒸通を確認することができた。
1 積層フィルム
1a 正面部
1b 背面部
1c,1d ガセット部
2 基材層
3 印刷インキ層
4 蒸気口形成樹脂層
5 接着層
6 シーラント層
7 収容空間
8 第1シール部(ヒートシール部)
8a,8a’ 切り込み
9 第2シール部(ヒートシール部)
9a 切り込み
9h 開口部
10 センターシール部
11 蒸気口
101,102 包装袋
201,202 包装食品
P 折り込み頂部
F 食品(内容物)
V 蒸気

Claims (7)

  1. 積層フィルムのヒートシールにより、内容物を収容する収容空間が内側に形成されたピロータイプの包装袋であって、
    正面部と、センターシール部を有する背面部と、前記正面部と前記背面部との間で前記センターシール部と平行な折り込みからなるガセット部と、を含むとともに、前記センターシール部に対して直交する両端部にヒートシール部が形成されることにより、前記収容空間が形成され、
    前記内容物のレンジ加熱により発生した蒸気を前記収容空間から排出するための蒸気口が前記ヒートシール部の一部に形成されるように、ラミネート強度調整用の蒸気口形成樹脂層を前記積層フィルムが有し、
    前記センターシール部を基準とする両側に前記ガセット部が位置し、一方のガセット部と前記正面部と前記背面部とが隣り合って位置する折り込み頂部を含む領域に前記蒸気口形成樹脂層が位置することを特徴とする包装袋。
  2. 前記折り込み頂部を含む領域において、前記正面部と前記背面部と前記ガセット部のうちの少なくとも1つを構成する積層フィルムに前記蒸気口形成樹脂層を有することを特徴とする請求項1記載の包装袋。
  3. 前記両側のガセット部が上下方向に並ぶスタンド状態において、上側のガセット部と前記正面部と前記背面部とが隣り合って位置する折り込み頂部を含む領域にのみ前記蒸気口形成樹脂層が位置することを特徴とする請求項1又は2記載の包装袋。
  4. 前記蒸気口形成樹脂層が位置する上側のガセット部の前記センターシール部側の前記両端ヒートシール部に、レンジ加熱後に包装袋から内容物を取り出す際に包装袋を破断するための切り込みが設けられ、前記切り込みが設けられている箇所に開封初端となる切り込みがあることを示す表示が施されていることを特徴とする請求項3記載の包装袋。
  5. 前記蒸気口形成樹脂層が位置する上側のガセット部の前記センターシール部側の前記両端ヒートシール部のうち、蒸気口形成樹脂層が位置する側とは反対側のみに、レンジ加熱後に包装袋から内容物を取り出す際に包装袋を破断するための切り込みが設けられ、前記切り込みが設けられている箇所に開封初端となる切り込みがあることを示す表示が施されていることを特徴とする請求項3記載の包装袋。
  6. 積層フィルムのヒートシールにより、内容物を収容する収容空間が内側に形成されたピロータイプの包装袋であって、
    正面部と、センターシール部を有する背面部と、前記正面部と前記背面部との間で前記センターシール部と平行な折り込みからなるガセット部と、を含むとともに、前記センターシール部に対して直交する両端部にヒートシール部が形成されることにより、前記収容空間が形成され、
    前記内容物のレンジ加熱により発生した蒸気を前記収容空間から排出するための蒸気口が前記ヒートシール部の一部に形成されるように、ラミネート強度調整用の蒸気口形成樹脂層を前記積層フィルムが有し、
    前記センターシール部に前記蒸気口形成樹脂層が位置することを特徴とする包装袋。
  7. 電子レンジ加熱用包装食品であって、請求項1~6のいずれか1項に記載の包装袋と、前記内容物として前記収容空間内に収容された状態で密封包装された食品と、を備えたことを特徴とする包装食品。
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