JP2022124819A - 冷凍食品の製造方法 - Google Patents

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篤 大橋
Atsushi Ohashi
丈知 尾関
Taketomo Ozaki
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Abstract

【課題】解凍後の離水による食感の悪化を防止する新規の冷凍食品の製造方法を提供する。【解決手段】冷凍対象の野菜を脱水した後に、糖質と混合するなどして接触させてから冷凍する。野菜の脱水は塩漬けによって行うことが好ましい。塩漬け後の塩分濃度は好ましくは1~4質量%である。糖質を50質量%以上で含む糖質含有組成物を野菜と接触させることが好ましい。重合度3以下の糖質の占める割合が30質量%以上である糖組成を有する糖質含有組成物を用いることが好ましい。野菜と糖質を接触させた後に調味組成物と混合してもよい。【選択図】なし

Description

本発明は冷凍食品の製造方法に関する。
冷凍キムチを例とする冷凍漬物などが一般に流通している。しかし、冷凍時における氷晶の成長によって細胞が破壊されることで、解凍時に食感の悪化や離水による味の悪化などが引き起こされるという問題が生じることがある。
このような解凍の食感を改善する目的で、凍結する前に、高温で加熱乾燥する方法(特許文献1)、40~70℃で油脂類を使用せずに炒める方法(特許文献2)、高温で処理するとともにカルシウムを含む水溶液中で加熱処理する方法(特許文献3)、内部に熱が伝わらない程度に乾燥する方法(特許文献4)などが報告されている。
特開平7-147892号公報 特開平7-250643号公報 特開平8-140570号公報 特開2005-143366号公報
上述した先行技術は冷凍前に食材を加熱する方法である。この方法は例えば漬物などの非加熱の野菜の食感や風味が求められる製品の製造には適していない。このような状況に鑑み、本発明の解決すべき課題は、解凍後の離水による食感の悪化を防止する新規の冷凍食品の製造技術を提供することにある。
上記課題に鑑み本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、冷凍前に脱水した野菜を糖質と接触させることによって、解凍時の離水による食感の悪化を低減できることを見出した。本発明はこの新規の発見に基づき完成されたものである。
すなわち、上記課題を解決する本発明は、野菜を脱水する脱水工程と、脱水された前記野菜に糖質を接触させる接触工程と、糖質と接触させた前記野菜を冷凍する冷凍工程と、を備えることを特徴とする、冷凍食品の製造方法である。
本発明の方法によれば、冷凍食品の解凍時における離水の低減、食感悪化の抑制を実現することができる。
本発明の好ましい形態では、前記接触工程が、脱水された前記野菜と糖質とを混合する工程である。
混合操作によって効率的に野菜と糖質とを接触させることができ、冷凍食品の解凍時における離水の低減、食感悪化の抑制効果を高めることができる。
本発明の好ましい形態では、前記接触工程が、糖質を濃度50質量%以上で含む糖質含有組成物と前記野菜を接触させる工程である。
かかる形態の本発明によれば、より効果的に冷凍食品の食感の悪化を低減することができる。
本発明の好ましい形態では、前記糖質が、重合度3以下の糖質の占める割合が30質量%以上の糖組成を有する。
このような糖組成を有する糖質と野菜を接触させることによって、解凍時により良好な食感を呈する冷凍食品を提供することができる。
本発明の好ましい形態では、前記脱水工程が、前記野菜を塩漬けにする塩漬け工程である。
かかる形態においては、浸透圧の作用によって脱水が行われるため、物理的な圧力による脱水に比して細胞の破壊などの望ましくない事象が起こらず、より食感に優れた冷凍食品を提供することができる。
本発明の好ましい形態では、前記塩漬け工程後の前記野菜における塩分濃度が1~4質量%である。
塩分濃度が前述の範囲にある野菜を冷凍することによって、より優れた食感を呈する冷凍食品を提供することができる。
本発明の好ましい形態では、前記野菜を調味組成物と混合する調味工程を備え、該調味工程は前記接触工程後に行われる。
このように調味組成物による味付けの前に野菜と糖質を接触させることで、より効果的に食感悪化の低減効果を得ることができる。
また、本発明は、上述した製造方法により製造された冷凍食品にも関する。本発明の冷凍食品は、解凍時の離水による食感の悪化が低減されている。
本発明によれば、解凍時に離水による食感の悪化が低減された冷凍食品を提供することができる。
本発明は野菜を処理対象とし、脱水工程、接触工程及び冷凍工程を必須の工程として備える。以下、本発明の実施の形態について説明を加えるが、本発明は以下に説明する形態に限定されない。
<1>野菜
本発明の処理対象は野菜である。野菜としては特に制限はなく、白菜、キュウリ、大根、カブ、ナス、キャベツ、ニンジン、野沢菜、高菜といった通常漬物に供される野菜の他、コマツナ、ミズナ、レタスなどの葉菜類、ハスなどの根菜類、トマト、ピーマン、シシトウ、カボチャ、エンドウ、インゲン、ソラマメ、トウモロコシ、オクラ、ズッキーニなどの果菜類、アスパラガス、タマネギ、ネギ、ニンニク、ショウガなどの茎菜類、ブロッコリー、カリフラワー、ミョウガ等の花菜類、コンブ等の海藻類、キノコ類などが挙げられる。
これらの野菜は、必要に応じて、洗浄、皮剥き、面取り、その他不要部分の除去といった前処理を施してもよく、また、必要に応じて適当な大きさにカットしてもよい。
野菜は一種を単独で本発明の処理対象としてもよいし、2種以上を組み合わせて処理対象としてもよい。
<2>脱水工程
脱水工程は野菜を脱水する工程である。脱水工程の具体的な態様は特に限定されず、塩漬けや砂糖漬けなどの浸透圧を利用する脱水方法や、加圧によって脱水する方法、乾燥によって脱水する方法が挙げられる。食感を向上させる観点から、浸透圧を利用する脱水方法が好適に例示でき、より好ましくは塩漬けによる脱水が挙げられる。
塩漬け工程によって脱水を実現する場合、その実施の形態は特に限定されず、浸漬液における塩分濃度や浸漬時間は適宜調整することができる。
塩漬け工程後の野菜の塩分濃度は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは1.3質量%以上、さらに好ましくは1.5質量%以上である。
また、塩漬け工程後の野菜の塩分濃度は、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは6質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは3.5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。
野菜の塩分濃度が上記範囲になるように塩漬け工程を行うことによって、冷凍食品の解凍後の食感を向上させることができる。塩漬け工程後の塩分濃度は、浸漬液の塩分濃度及び浸漬時間を調整することで所望の範囲に調節することができる。
上述した塩分濃度は公知の方法で測定することができ、例えば電位差滴定法により測定することができる。具体的には、塩化物イオンを含む硝酸酸性の測定用溶液に白金指示電極と比較電極を挿入し攪拌しながら硝酸銀標準溶液で滴定し、塩化銀の沈殿を生成させ、その滴定量(ml)に対応する電位変化(mV)曲線を作成して滴定終点を求め、硝酸銀標準溶液の滴定所要量から塩化ナトリウム含有量を算出することができる。測定機器は特に制限されず、例えば平沼自動滴定装置COM1750(平沼産業(株)製)などが挙げられる。
なお、塩分濃度は、塩漬け工程後の野菜の搾汁を測定対象サンプルとして測定することができる。塩漬け工程後の野菜を水洗いすることで表面に付着した塩水を洗い流し、これを公知の搾汁機によって搾汁することで得た搾汁液を塩分濃度の測定に供することが好ましい。
例えば白菜などは芯部分と葉部分から構成されている。このように野菜が均質な組織でなく、複数の要素で構成されている場合には、組織全体の平均的な塩分濃度を測定できるように、当該複数の要素の全てから搾汁液を取得することが好ましい。
塩漬けなど浸透圧による脱水を行った場合には野菜を水洗いし、表面に付着した浸漬液を除去することが好ましい。また、水洗い後、表面に付着した水を除去することが好ましい。水の除去は公知の何れの方法を採用してもよく、例えばザルを用いた方法や、一定時間静置することで水を切る方法などを採用することができる。一定時間の静置によって水を切る場合には、野菜の劣化を防ぐために、冷蔵庫内で行うことが好ましい。この場合の静置時間は、特に限定されないが、好ましくは30分~10時間、より好ましくは1時間~8時間、さらに好ましくは3時間~7時間の範囲とすることができる。
<3>接触工程
接触工程は脱水工程を経た野菜を糖質と接触させる工程である。本明細書において「接触」との文言には、野菜の一部又は全体と糖質が接触する全ての態様が含まれ、野菜の表面に糖質が付着する形態や、野菜の内部に糖質が含侵する形態なども制限なく含まれる。
接触工程は、野菜と糖質を接触させることができればその具体的態様は特に限定されない。例えば、野菜と糖質を混合する形態、野菜を糖質中に浸漬する形態、野菜に糖質を噴霧する形態、野菜に糖質を塗布する形態などが挙げられる。特に野菜と糖質を混合する形態は、野菜と糖質を効率よく接触させることができるため好ましい。
接触工程には、糖質単独と野菜を接触させる形態が当然に含まれ、また、糖質を含む糖質含有組成物と野菜を接触させる形態も含まれる。
接触工程で使用する糖質含有組成物としては、好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%の濃度で糖質を含む組成物が好適に挙げられる。また、最も好ましくは、糖質を100質量%含む糖質含有組成物、すなわち、糖質単独と野菜を接触させる形態が挙げられる。
上述の糖質含有組成物には、後述の調味工程の項目で列挙する、食品に通常用いられる材料が含まれていてもよい。
糖質含有組成物は液状、半固形状、固形状の何れの形態であってもよい。固形状の場合は粉末状であることが好ましい。
接触工程で用いる糖質としては、グルコース、ガラクトース、キシルロース、フルクトースなどの単糖類、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロースなどの二糖類、オリゴ糖、水あめ、デキストリンなどの三糖類以上の多糖類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、イノシトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、ラクチトール、マンニトール、還元水飴等などの糖アルコールが挙げられる。
本発明で使用する糖質には、三炭糖、四炭糖、五炭糖、六炭糖及び七炭糖以上の炭素数を有する単糖及びこれらが結合してなるオリゴ糖、多糖、並びにこれらの還元物の何れもが含まれる。好ましくは炭素数3~7、より好ましくは炭素数4~7、さらに好ましくは炭素数5~6の単糖及びこれらが結合したオリゴ糖、多糖、並びにこれらの還元物が好ましく例示できる。
また糖質の重合度は特に制限されないが、好ましくは重合度10以下、より好ましくは重合度8以下、さらに好ましくは重合度6以下、さらに好ましくは重合度4以下の糖を使用する。また、好ましくは重合度1以上、より好ましくは重合度2以上の糖を使用する(なお、重合度1の糖質とは単糖のことである。)。
このような重合度の範囲にある糖質を使用することで、解凍後の冷凍食品の食感を向上させることができる。
上述した糖質は一種のみを単独で用いてもよいし、2種以上の糖質を組み合わせて使用してもよい。
複数種類の糖質の混合物と野菜を接触させる場合には、その糖質の混合物の糖組成における、上述した好ましい範囲の重合度を有する糖質の占める割合は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
また、糖質の混合物の糖組成において、好ましくは重合度1~4、より好ましくは重合度1~3、さらに好ましくは重合度2~3、さらに好ましくは重合度2の糖質の占める割合が、10質量%以上、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは35質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上であることが好ましい。
また、好ましくは重合度1~4、より好ましくは重合度1~3、さらに好ましくは重合度2~3、さらに好ましくは重合度2の糖質の占める割合が、糖質の混合物の糖組成において、最も大きな割合を占めることが好ましい。
接触工程においては、接触対象である野菜の質量に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは1.3質量%以上、さらに好ましくは1.5質量%以上、さらに好ましくは1.7質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは2.5質量%以上の糖質と野菜を接触させる。
また、接触対象である野菜の質量に対して、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは6質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは4.5質量%以下の糖質と野菜を接触させる。
このような比率の範囲で野菜と糖質を接触させることによって、解凍後の冷凍食品の食感を向上させることができる。
また、接触工程においては、接触対象である野菜の質量に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは1.3質量%以上、さらに好ましくは1.5質量%以上、さらに好ましくは1.7質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは2.5質量%以上の糖質と野菜を混合する。
また、接触対象である野菜の質量に対して、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは6質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは4.5質量%以下の糖質と野菜を混合する。
このような比率の範囲で野菜と糖質を混合することによって、解凍後の冷凍食品の食感を向上させることができる。
また、接触工程においては、接触対象である野菜の質量に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは1.3質量%以上、さらに好ましくは1.5質量%以上、さらに好ましくは1.7質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは2.5質量%以上の糖質を野菜に付着させる。
また、接触対象である野菜の質量に対して、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは6質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは4.5質量%以下の糖質を野菜に付着させる。
このような比率の範囲で野菜に糖質を付着させることによって、解凍後の冷凍食品の食感を向上させることができる。
<4>調味工程
本発明においては、任意で野菜を調味組成物と混合する調味工程を備えていてもよい。調味工程は接触工程の後に行うことが好ましい。
調味組成物の組成は限定されず、食品に通常用いられる材料を制限なく含んでいてもよい。例えば、ブラックペッパー、レッドペッパー、グリーンペッパー、コショウ、シナモン、ナツメグ、クローブ、オールスパイス、クミン、チンピ、コリアンダー、アニス、セージ、タイム、ローレル、オレガノ、カレーリーフ、サフラン、サンショウ、唐辛子、マスタード、しょうが、にんにく、パプリカ、玉葱、大根、ネギ、ゴマ、五香粉、ガラムマサラ、カレー粉、七味唐辛子、チリパウダー等の香辛料・薬味類;鰹だし、昆布だし、野菜エキス、鰹エキス、昆布エキス、魚介エキス、蓄肉エキス等の風味調味料;大豆油、大豆胚芽油、菜種油、コーン油、ゴマ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ひまわり油、綿実油、ぶどう種子油、マカデミアナッツ油、へーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、オリーブ油、米糠油、小麦胚芽油、パーム油、藻類油等の油脂類;L-グルタミン酸ナトリウム、DL-アラニン、グリシン、L-又はDL-トリプトファン、L-フェニルアラニン、L-又はDL-メチオニン、L-リシン、L-アスパラギン酸、L-アスパラギン酸ナトリウム、L-アルギニン等のアミノ酸系調味料;5’-イノシン酸二ナトリウム、5’-グアニル酸二ナトリウム、5’-ウリジル酸二ナトリウム、5’-シチジル酸二ナトリウム、5’-リボヌクレオチドカルシウム、5’-リボヌクレオチド二ナトリウム等の核酸系調味料;クエン酸カルシウム、クエン酸三ナトリウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸水素カリウム、L-酒石酸水素カリウム、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸ナトリウム等の有機酸系調味料;乳酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、フィチン酸、フマル酸、リン酸等の酸味料;米酢、穀物酢(玄米酢、黒酢、粕酢、麦芽酢、はと麦酢、大豆酢等)、果実酢(リンゴ酢、ぶどう酢、レモン酢、カボス酢、梅酢、ワイン酢、バルサミコ酢等)、エタノールを原料とした酢酸発酵によって製造される酒精酢、中国酢、シェリー酢などの酢類;濃口醤油、淡口醤油、白醤油、溜り醤油、再仕込み醤油等の醤油類;砂糖、麦芽糖、果糖、異性化液糖、ブドウ糖、黒糖、はちみつ、水あめ、デキストリン、ラクトース、ガラクトースや、ソルビトール、マルチトール、キシリトールなどの糖アルコール類等の糖類;キサンタンガム、グァーガム、ジェランガム、アラビアガム、タマリンドシードガム、タラガム、トラガントガム、ペクチン、セルロース、カラギーナン、寒天、澱粉、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カラヤガム、プルラン、キチン、キトサン等の粘度調整剤などが挙げられる。
調味組成物の形態は特に限定されず、液状、半固形状、固形状の何れの形態のものであってもよい。調味組成物の具体例としては薬念、味噌、糠、焼肉のタレなどの醤油ベースの液体調味料などが挙げられる。
調味工程を備える場合、接触工程で使用する糖質と調味組成物との総質量に占める前記糖質の割合は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは7質量%以上、さらに好ましくは8質量%以上である。
また、接触工程で使用する糖質と調味組成物との総質量に占める前記糖質の割合は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは12質量%以下である。
接触工程で使用する糖質と、調味工程で使用する調味組成物を上記割合とすることによって、より食感を向上させることができる。
<5>冷凍工程
冷凍工程は、接触工程を経た野菜(調味工程を備える場合には調味工程後の野菜)を冷凍する工程である。冷凍工程の具体的な実施形態は特に制限されず、家庭用冷凍庫、業務用冷凍庫などの冷凍庫内に静置することによる冷凍方法に代表される公知の何れの方法も採用することができる。冷凍時の温度も特に制限されず、例えば、-10℃以下、好ましくは-15℃以下の温度にて冷凍することができる。
<冷凍食品>
上述した各工程を経て製造された冷凍食品は、解凍時の離水が低減され好ましい食感を呈する。
本発明の冷凍食品の実施形態に制限は無いが、具体的には糠漬け、塩漬け、粕漬け、味噌漬け、キムチ、酢漬け、醤油漬けなどの冷凍漬物などが挙げられる。上述した調味工程の具体的態様を適宜設計することによって、提供する冷凍食品の種類にバリエーションを持たせることが可能である。
なお、本明細書において「冷凍食品」は、冷凍食品の規格基準(食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月28日厚生省告示第370号))に規定される冷凍食品に限定されず、冷凍された食品を制限なく含む概念である。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、以下の記載における「%」の表記は特段の断りの無い限り「w/w%(質量パーセント濃度)」のことをいう。
<1>試験例1
<脱水工程>
表2に示す種々の塩分濃度となるまで白菜を塩水に浸漬した。塩水から塩漬け白菜をザルによって掬い取り、水洗いをして、冷蔵庫内で5時間静置した。
なお、塩分濃度は、平沼自動滴定装置COM1750(平沼産業(株)製)を用いて電位差滴定法により測定した。その測定対象サンプルは、白菜の芯部分と葉部分を1:1の割合で含むように一口大にカットし、ジュースプレス(パール金属(株))にて搾汁した搾汁液である。
また、比較対象として塩漬けしていない白菜も用意した。塩漬けしていない白菜の塩分濃度は0%とみなした。
<接触工程>
上述の工程で用意した白菜231gと砂糖又は還元水あめを表2に示す種々の割合で混合した。また、比較対象として上記糖質と混合していない白菜も用意した。
<調味工程>
表1に従い薬念を調製した。この薬念と上述の工程で用意した白菜を混合しキムチを調製した。薬念はキムチの重量(白菜、糖質、薬念の合計重量)が300gとなるように調整して添加した。
Figure 2022124819000001
<冷凍工程>
プラスチック小分け容器に20gずつ充填・密閉して-20℃の冷凍庫内に静置することで冷凍した。
<評価>
上記工程で調製した実施例と比較例の冷凍キムチを自然解凍し、食品の官能評価に熟練した評価者に試食させ、以下の評価基準に基づき評価を行った。結果を表2に示す。

◎:シャキシャキとした食感が感じられ、離水少ない。
〇:シャキシャキとした食感が感じられ、離水がやや見られる。
△:食感が軟らかくなっており、離水がやや見られる。
×:食感が軟らかくなっており、離水が多く見られる。
Figure 2022124819000002
表2に示すように、糖質による接触工程を経ずに調製された比較例1~3の冷凍キムチは、全て食感が軟らかくなっており、離水が多く見られた。また、表2に示すように、接触工程を経ているが、脱水工程を経ていない比較例4の冷凍キムチは、食感が軟らかくなっており、離水が多く見られた。
これに対して、塩漬けによる脱水工程と、糖質による接触工程を経て調製された実施例1~14の冷凍キムチは、その全てが比較例1~4の冷凍キムチに比して食感に優れ、離水が低減されていた。
以上の結果は、脱水工程と接触工程を実行することによって、解凍後の離水の低減と食感の悪化が抑制された冷凍食品を提供できることを示している。
なお、実施例1~14の冷凍キムチは接触工程で糖質を使用しているが、糖質を使用せずに調製した冷凍キムチと比べてみても、糖質を使用したことによる味への影響は無かった。
<2>試験例2
糖質として還元水あめ、異性化糖及び水あめを用いて試験例1と同様の手順で冷凍キムチを調製した。本試験例では白菜231g、糖質6.9g、薬念62.1gを使用した。
調製した冷凍キムチを試験例1と同一の評価方法によって評価した。結果を表3に示す。なお、本試験例で使用した糖質の詳細は表4に示すとおりである。
Figure 2022124819000003
Figure 2022124819000004
表3に示すように種々の糖質を使用して接触工程を実施した場合であっても、離水の低減効果と食感の悪化抑制効果を得ることができた。また、外観を観察したところ、比較例の冷凍キムチは離水してしなびた外観を示したが、実施例の冷凍キムチはみずみずしい外観を示した。
<3>考察
野菜の冷凍食品を解凍すると、離水と食感の悪化が観察される。これは、冷凍の工程における氷晶の成長によって細胞が破壊され、細胞内部の水分が漏出することを原因とする。言い換えると、野菜であればその種類に関わらず冷凍による離水が生じるメカニズムは共通している。
上述の試験例1及び2は白菜を使用して離水低減と食感悪化抑制という本発明の効果を実証するものである。この試験結果は、冷凍前に脱水工程と接触工程を実行することによって、冷凍による細胞の破壊と細胞内部の水分漏出を低減できることを示すものに外ならない。上述のとおり野菜の種類に関わらず冷凍による離水が生じるメカニズムは共通しているのであるから、本発明を白菜以外の野菜に適用したとしても、同様の作用機序によって離水低減効果と食感悪化抑制効果が奏されるものと理解できる。
つまり、試験例1及び2の結果は、本発明が野菜全般に適用可能であることを示すものである。
本発明は冷凍漬物の製造方法に応用することができる。

Claims (8)

  1. 野菜を脱水する脱水工程と、脱水された前記野菜に糖質を接触させる接触工程と、糖質と接触させた前記野菜を冷凍する冷凍工程と、を備えることを特徴とする、冷凍食品の製造方法。
  2. 前記接触工程が、脱水された前記野菜と糖質とを混合する工程であることを特徴とする、請求項1に記載の冷凍食品の製造方法。
  3. 前記接触工程が、糖質を濃度50質量%以上で含む糖質含有組成物と前記野菜を接触させる工程であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の冷凍食品の製造方法。
  4. 前記糖質が、重合度3以下の糖質の占める割合が30質量%以上の糖組成を有することを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の冷凍食品の製造方法。
  5. 前記脱水工程が、前記野菜を塩漬けにする塩漬け工程であることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の冷凍食品の製造方法。
  6. 前記塩漬け工程後の前記野菜における塩分濃度が1~4質量%であることを特徴とする、請求項5に記載の冷凍食品の製造方法。
  7. 前記野菜を調味組成物と混合する調味工程を備え、該調味工程は前記接触工程後に行われることを特徴とする、請求項1~6の何れか一項に記載の冷凍食品の製造方法。
  8. 請求項1~7の何れか一項に記載の製造方法により製造された冷凍食品。

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