JP2022124688A - 魚肉様食品素材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】広く一般に入手可能な原材料を用いて、魚肉様の食感を有する植物性食品素材を提供すること。【解決手段】市販の粒状植物性たん白を水戻しし、擂り潰すことで、適度なほぐれと纏まりのある繊維感を備えた魚肉用食品素材が得られる。擂り潰し工程には擂潰機を用いることが好ましい。さらに粉末状植物性たん白、油脂及び水を加え、成形、加熱することで、魚フライ様食品などの魚肉加工品様食品が製造できる。粉末状植物性たん白としては油脂を5%以上含有する製品を用いることで、工程をより効率化することが可能である。【選択図】なし
Description
本発明は、惣菜類などの加工食品の製造方法に関する。
水産資源の節約は環境保護の観点からも重要な社会的課題の一つである。さらに健康面を含めた様々な配慮を背景とする植物性食品志向、ベジタリアンやヴィーガン人口の増加などにより、魚肉や魚介類を極力使用せずに同等の食感・外観や風味を有する、魚介類様、魚肉様食品のニーズも増加している。
粒状植物性たん白は様々な加工食品の副原料として、さらに近年では植物性原材料を主体とする食品用途においても広く用いられている素材である。これらは主に押出成形機(エクストルーダー)を用い、高温、高圧下に組織化して製造されるもので、挽肉様(フレーク)、薄切り肉(スライス肉)様、鶏肉様などの形態がある。すなわちこれらは畜肉類の組織や食感をモデルとして開発が進められてきたため、これを用いて魚肉様食感の加工食品を製造することは困難であった。
特許文献1には着色した粒状大豆蛋白をイカ又はタコの疑似素材として用いる記載があるが、ゲル化したすり身の中に着色した粒状大豆蛋白を混合、点在させてイカやタコの表皮部分を模するものであり、魚肉や魚介類自体の食感を実現する技術ではない。
特許文献2は押出成形によるシーフード様組成物に関する出願であるが、多価不飽和脂肪酸の配合により魚介類の風味を付与するものであり、食感面での課題は解決されない。
本発明の目的は、広く一般に入手可能な原材料を用いて、魚肉様の食感を有する植物性食品素材を提供することである。
本発明者らは上記課題について鋭意検討し、市販の粒状植物性たん白を擂潰処理することで魚肉様の食感が得られ、各種惣菜など加工食品用の素材として好適に利用可能であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は
(1)粒状植物性たん白を水戻しし、擂り潰す工程を含む、魚肉様食品素材の製造方法、
(2)さらに、少なくとも粉末状植物性たん白、油脂及び水を加える工程を含む、(1)に記載の製造方法、
(3) (1)または(2)に記載の製造方法により得られる魚肉様食品素材を成形し、80℃以上、1分間以上加熱する工程を含む、魚肉加工品様食品の製造方法、である。
(1)粒状植物性たん白を水戻しし、擂り潰す工程を含む、魚肉様食品素材の製造方法、
(2)さらに、少なくとも粉末状植物性たん白、油脂及び水を加える工程を含む、(1)に記載の製造方法、
(3) (1)または(2)に記載の製造方法により得られる魚肉様食品素材を成形し、80℃以上、1分間以上加熱する工程を含む、魚肉加工品様食品の製造方法、である。
本発明によれば、植物性素材を主原料とする魚肉フライなどの惣菜類が提供できる。
以下、本発明を具体的に説明する。
(魚肉様食品素材、魚肉加工品様食品)
以降に説明する本発明の方法により、植物性たん白を主原料とした魚肉様食品素材が得られる。さらにこの魚肉様食品素材を成形、加熱することで、魚肉フライ様、焼き魚様など、多様な魚肉加工品様の食品を製造することができる。
以降に説明する本発明の方法により、植物性たん白を主原料とした魚肉様食品素材が得られる。さらにこの魚肉様食品素材を成形、加熱することで、魚肉フライ様、焼き魚様など、多様な魚肉加工品様の食品を製造することができる。
(粒状植物性たん白)
本発明に用いる粒状植物性たん白とは、大豆、脱脂大豆、分離大豆たん白、小麦、小麦たん白、エンドウ、エンドウたん白に例示される植物性の原材料を配合し、一軸又は二軸押出成型機(エクストルーダー)を用いて高温高圧下に組織化して得られるもので、粒状やフレーク状などの形状がある。本発明には大豆を主原料とする粒状大豆たん白が好適である。任意の形状や大きさの市販製品を適宜選択し使用することができる。本発明には乾燥品(水分10%以下)を用いた方法を開示しているが、水戻し済で流通する製品を用いることもできる。
乾燥品を水戻しする工程は常法によればよい。まず、十分量の水を加える。水の量は製品の番手や種類により適宜調整することができ、例えば2~10倍重量が例示される。水は冷水~温水いずれでも良い。そのまま30分~1時間以上静置し、十分に吸水させる。
なお、粒状植物性たん白の形状や厚みが比較的大きい場合、例えばブロック形状やスライス形状の製品を用いる場合は、後述する擂り潰し工程より前にチョッパーなどを適宜用いて細断することで、擂潰処理をより効率的に行うことができる。
本発明に用いる粒状植物性たん白とは、大豆、脱脂大豆、分離大豆たん白、小麦、小麦たん白、エンドウ、エンドウたん白に例示される植物性の原材料を配合し、一軸又は二軸押出成型機(エクストルーダー)を用いて高温高圧下に組織化して得られるもので、粒状やフレーク状などの形状がある。本発明には大豆を主原料とする粒状大豆たん白が好適である。任意の形状や大きさの市販製品を適宜選択し使用することができる。本発明には乾燥品(水分10%以下)を用いた方法を開示しているが、水戻し済で流通する製品を用いることもできる。
乾燥品を水戻しする工程は常法によればよい。まず、十分量の水を加える。水の量は製品の番手や種類により適宜調整することができ、例えば2~10倍重量が例示される。水は冷水~温水いずれでも良い。そのまま30分~1時間以上静置し、十分に吸水させる。
なお、粒状植物性たん白の形状や厚みが比較的大きい場合、例えばブロック形状やスライス形状の製品を用いる場合は、後述する擂り潰し工程より前にチョッパーなどを適宜用いて細断することで、擂潰処理をより効率的に行うことができる。
(擂り潰し工程)
本発明は、水戻しした粒状植物性たん白を擂り潰す工程を含む。これにより魚肉様、より具体的には魚肉ほぐし身様の繊維感を有する食品素材が得られる。擂り潰し工程には擂潰機を用いることが好ましい。擂潰機での処理条件は仕込み量や粒状植物性たん白の形状により適宜調整すればよいが、低速~中速で10~20分間が例示できる。小規模であれば擂り鉢、乳鉢、石臼などを用いることもできる。
粒状植物性たん白を擂り潰す工程、すなわち擂潰機にかける工程は少なくとも1回必要である。換言すれば1回かければよく、その他の原材料との混合にはサイレントカッター、ミキサー、カッターミキサー(ロボクープ)、ニーダーなどを適宜用いることもできる。工程を通して擂潰機を用いることもでき、作業効率も向上する。
本発明は、水戻しした粒状植物性たん白を擂り潰す工程を含む。これにより魚肉様、より具体的には魚肉ほぐし身様の繊維感を有する食品素材が得られる。擂り潰し工程には擂潰機を用いることが好ましい。擂潰機での処理条件は仕込み量や粒状植物性たん白の形状により適宜調整すればよいが、低速~中速で10~20分間が例示できる。小規模であれば擂り鉢、乳鉢、石臼などを用いることもできる。
粒状植物性たん白を擂り潰す工程、すなわち擂潰機にかける工程は少なくとも1回必要である。換言すれば1回かければよく、その他の原材料との混合にはサイレントカッター、ミキサー、カッターミキサー(ロボクープ)、ニーダーなどを適宜用いることもできる。工程を通して擂潰機を用いることもでき、作業効率も向上する。
(粉末状植物性たん白)
本発明に用いる粉末状植物性たん白としては、大豆、小麦、エンドウに例示される植物性原材料から製造される市販品を適宜選択することができる。中でも畜産加工食品用途や水産練り製品に用いられる、ゲル形成性を有する製品を用いることが好ましい。配合量は粒状植物性たん白(乾燥品)100重量部に対し3重量部以上25重量部以下、より好ましくは5~20重量部、最も好ましくは6~18重量部が例示できる。これより少ないと魚肉様食品素材同士が適度に結着せず、適度な纏まり感を有する魚肉様の組織が得られにくい場合がある。これより多いとゲルに由来する物性が強くなり、魚肉様の適度な繊維感や組織感が不足する場合がある。なお、本発明においては大豆由来の粉末状大豆たん白を用いることが好ましい。粉末状大豆たん白とは大豆のたん白を高純度に抽出、回収、粉末化したものである。
粉末状植物性たん白としては油脂を含む製品を選択することもできる。その場合は別途添加する油脂の量を適宜減らしたり、省略したりすることもできる。
本発明に用いる粉末状植物性たん白としては、大豆、小麦、エンドウに例示される植物性原材料から製造される市販品を適宜選択することができる。中でも畜産加工食品用途や水産練り製品に用いられる、ゲル形成性を有する製品を用いることが好ましい。配合量は粒状植物性たん白(乾燥品)100重量部に対し3重量部以上25重量部以下、より好ましくは5~20重量部、最も好ましくは6~18重量部が例示できる。これより少ないと魚肉様食品素材同士が適度に結着せず、適度な纏まり感を有する魚肉様の組織が得られにくい場合がある。これより多いとゲルに由来する物性が強くなり、魚肉様の適度な繊維感や組織感が不足する場合がある。なお、本発明においては大豆由来の粉末状大豆たん白を用いることが好ましい。粉末状大豆たん白とは大豆のたん白を高純度に抽出、回収、粉末化したものである。
粉末状植物性たん白としては油脂を含む製品を選択することもできる。その場合は別途添加する油脂の量を適宜減らしたり、省略したりすることもできる。
(油脂)
本発明には任意の食用油脂を適宜用いることができ、例えば、菜種油、大豆油、ひまわり種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、ゴマ油、月見草油、パーム油、パーム核油、ヤシ油等の植物性油脂ならびに乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油等の動物性油脂が例示でき、これらの油脂類の単独または混合油あるいはそれらの硬化分別油、ならびに酵素エステル交換、触媒によるランダムエステル交換等を施した加工油脂が例示できる。
配合量は所望の食感に応じて、また併用する植物性たん白の種類、その組成や特性によっても適宜調整することができる。例えば蛋白質含量80%以上、油分5%未満の粉末状植物性たん白を用いる場合、粉末状植物性たん白1重量部に対して油脂0.1~3重量部、好ましくは0.2~2.5重量部、さらに好ましくは0.5~2重量部が例示できる。油脂の量がこれ未満では食感にパサつきが感じられる場合があり、これより多いと過度に油っぽくなってしまう場合がある。
蛋白質含量80%未満、油分5%以上の粉末状植物性たん白を用いる場合は、前述の配合比に従うこともでき、あるいは油脂を別途加えなくてもよい。なお、このような組成の粉末状植物性たん白は高い乳化性・分散性を有する場合が多く、粉体のまま添加する工程を選択する場合においても好適に使用できる。
本発明には任意の食用油脂を適宜用いることができ、例えば、菜種油、大豆油、ひまわり種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、ゴマ油、月見草油、パーム油、パーム核油、ヤシ油等の植物性油脂ならびに乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油等の動物性油脂が例示でき、これらの油脂類の単独または混合油あるいはそれらの硬化分別油、ならびに酵素エステル交換、触媒によるランダムエステル交換等を施した加工油脂が例示できる。
配合量は所望の食感に応じて、また併用する植物性たん白の種類、その組成や特性によっても適宜調整することができる。例えば蛋白質含量80%以上、油分5%未満の粉末状植物性たん白を用いる場合、粉末状植物性たん白1重量部に対して油脂0.1~3重量部、好ましくは0.2~2.5重量部、さらに好ましくは0.5~2重量部が例示できる。油脂の量がこれ未満では食感にパサつきが感じられる場合があり、これより多いと過度に油っぽくなってしまう場合がある。
蛋白質含量80%未満、油分5%以上の粉末状植物性たん白を用いる場合は、前述の配合比に従うこともでき、あるいは油脂を別途加えなくてもよい。なお、このような組成の粉末状植物性たん白は高い乳化性・分散性を有する場合が多く、粉体のまま添加する工程を選択する場合においても好適に使用できる。
(水)
本発明には水道水の他、蒸留水、イオン交換水など、通常の食品製造用に用いられる水をいずれも用いることができる。水温は特に限定されないが、高温では原材料の混合時にダマになってしまう場合があるため、常温以下とするのが好ましい。冷水ないしは氷水として配合しても良い。
配合量は使用する粉末状大豆たん白の種類、その組成や特性に応じて適宜調整することができるが、粉末状大豆たん白1重量部に対して2~7重量部、好ましくは2.5~6重量部が例示できる。水の量がこれより少ないと食感が硬くなりすぎ、これより多いと柔らかすぎて、魚肉様の好ましい食感が得られない場合がある。
戻し水にはトランスグルタミナーゼに例示される架橋酵素を配合することもでき、各種製剤を用いることが好ましい。配合量は製剤中の酵素量や活性により適宜調整することができるが、例えば戻し水中0.01~2重量%が例示できる。また、その場合は例えば3℃~65℃、10分間以上の架橋反応工程を加えることが望ましい。
本発明には水道水の他、蒸留水、イオン交換水など、通常の食品製造用に用いられる水をいずれも用いることができる。水温は特に限定されないが、高温では原材料の混合時にダマになってしまう場合があるため、常温以下とするのが好ましい。冷水ないしは氷水として配合しても良い。
配合量は使用する粉末状大豆たん白の種類、その組成や特性に応じて適宜調整することができるが、粉末状大豆たん白1重量部に対して2~7重量部、好ましくは2.5~6重量部が例示できる。水の量がこれより少ないと食感が硬くなりすぎ、これより多いと柔らかすぎて、魚肉様の好ましい食感が得られない場合がある。
戻し水にはトランスグルタミナーゼに例示される架橋酵素を配合することもでき、各種製剤を用いることが好ましい。配合量は製剤中の酵素量や活性により適宜調整することができるが、例えば戻し水中0.01~2重量%が例示できる。また、その場合は例えば3℃~65℃、10分間以上の架橋反応工程を加えることが望ましい。
水戻しした粒状植物性たん白に対し、好ましくはさらに、少なくとも粉末状植物性たん白、油脂、及び水を加える。これらは別途混捏してカード状にしてから添加してもよいし、個々に直接加えることもできる(粉体添加)。カードの調製にはロボクープ、サイレントカッターなどを用い、3~15分間混捏する方法が例示できる。また、これらは粒状植物性たん白に加えてから擂り潰しても、粒状植物性たん白を擂り潰した後に加えて混合しても、どちらでもよい。
(その他原材料)
本発明には前述の他、食塩、糖類、澱粉、各種調味料、香料、色素、乳化剤等、本発明の効果を阻害しない範囲で何れも用いることができる。
本発明には前述の他、食塩、糖類、澱粉、各種調味料、香料、色素、乳化剤等、本発明の効果を阻害しない範囲で何れも用いることができる。
(成形)
得られた生地は所望の形態に応じて適宜成形、ないしは成型する。例えばケーシング充填、型枠成型、リテーナー成型などが例示できる。
得られた生地は所望の形態に応じて適宜成形、ないしは成型する。例えばケーシング充填、型枠成型、リテーナー成型などが例示できる。
(加熱)
成形した生地はさらに80℃以上、1分間以上加熱することで、魚肉様の纏まりと繊維感を有し、咀嚼により適度にほぐれる魚肉加工食品様食品が得られる。加熱条件はその形状やサイズにより適宜調整することができるが、80℃~100℃、5~20分が例示できる。これをそのまま(素揚げ)、粉を付着させ(唐揚げ)、あるいはバッターとパン粉を付着させフライすることで魚肉フライ様食品が得られる。フライ条件としては130℃~200℃、1分間以上が例示できる。
生地を直接フライしてもよく、その場合の条件は130℃~200℃、3~10分間が例示できる。
また、生地をそのまま、あるいは各種調味料や調味液を付着させて焼成することで、焼き魚様食品、照り焼き様食品なども製造することができる。
成形した生地はさらに80℃以上、1分間以上加熱することで、魚肉様の纏まりと繊維感を有し、咀嚼により適度にほぐれる魚肉加工食品様食品が得られる。加熱条件はその形状やサイズにより適宜調整することができるが、80℃~100℃、5~20分が例示できる。これをそのまま(素揚げ)、粉を付着させ(唐揚げ)、あるいはバッターとパン粉を付着させフライすることで魚肉フライ様食品が得られる。フライ条件としては130℃~200℃、1分間以上が例示できる。
生地を直接フライしてもよく、その場合の条件は130℃~200℃、3~10分間が例示できる。
また、生地をそのまま、あるいは各種調味料や調味液を付着させて焼成することで、焼き魚様食品、照り焼き様食品なども製造することができる。
以降に実施例を記載し、本発明をより詳細に説明する。なお、文中「部」および「%」は特に断りのない限り重量基準を意味する。
(粒状植物性たん白の水戻し)
市販の粒状植物性たん白A(商品名:アペックス110、形状:ブロック状、不二製油株式会社製)に2.2倍(重量比)の水道水を加えて浸漬、1晩冷蔵庫に静置し、十分に吸水させ水戻しした。なお、加えた水はすべて粒状植物性たん白に吸収され、浸漬した容器内に余剰の水分はほとんど観察されなかった。
これを「水戻したん白A」と称し、以降の試験に用いた。
同様に粒状植物性たん白B(商品名:フジニックPT-FL、スライス肉形状、不二製油株式会社製)を用いて「水戻したん白B」を調製した。
市販の粒状植物性たん白A(商品名:アペックス110、形状:ブロック状、不二製油株式会社製)に2.2倍(重量比)の水道水を加えて浸漬、1晩冷蔵庫に静置し、十分に吸水させ水戻しした。なお、加えた水はすべて粒状植物性たん白に吸収され、浸漬した容器内に余剰の水分はほとんど観察されなかった。
これを「水戻したん白A」と称し、以降の試験に用いた。
同様に粒状植物性たん白B(商品名:フジニックPT-FL、スライス肉形状、不二製油株式会社製)を用いて「水戻したん白B」を調製した。
(実施例1)
粉末状大豆たん白(a)(商品名:フジプロFM、不二製油株式会社製、たん白86%、脂質0.5%)5部、植物油脂(商品名:菜種白絞油、不二製油株式会社製)7.5部、水22.5部をロボクープで混合(1500rpm、約10分)し、カード状とした。
ここに、先の「水戻したん白A」200部(粒状植物性たん白62.5部+水137.5部に相当)と調味料類を加え、擂潰機(ヤナギヤ製、機種:RS27)にて擂潰・混合(低速、約15分間)し、生地を得た。
粉末状大豆たん白(a)(商品名:フジプロFM、不二製油株式会社製、たん白86%、脂質0.5%)5部、植物油脂(商品名:菜種白絞油、不二製油株式会社製)7.5部、水22.5部をロボクープで混合(1500rpm、約10分)し、カード状とした。
ここに、先の「水戻したん白A」200部(粒状植物性たん白62.5部+水137.5部に相当)と調味料類を加え、擂潰機(ヤナギヤ製、機種:RS27)にて擂潰・混合(低速、約15分間)し、生地を得た。
(実施例2)
粉末状大豆たん白(b)(商品名:サンラバー10、不二製油株式会社製、たん白59%、脂質31%)8.75部に水26.25部を加え、ロボクープで混合し、カード状とした。ここに「水戻したん白A」200部、調味料類を加え、実施例1と同条件にて擂潰機にて混合処理し、生地を得た。
粉末状大豆たん白(b)(商品名:サンラバー10、不二製油株式会社製、たん白59%、脂質31%)8.75部に水26.25部を加え、ロボクープで混合し、カード状とした。ここに「水戻したん白A」200部、調味料類を加え、実施例1と同条件にて擂潰機にて混合処理し、生地を得た。
(実施例3)
「水戻したん白A」200部に粉末状大豆たん白(b)、水、調味料類を加え、擂潰機にて擂潰・混合し、生地を得た。
「水戻したん白A」200部に粉末状大豆たん白(b)、水、調味料類を加え、擂潰機にて擂潰・混合し、生地を得た。
(実施例4)
「水戻したん白A」を擂潰機にて擂潰処理(低速15分)した。ここに粉末状大豆たん白(b)、水、調味料類を加え、ケンウッドミキサーにて均一に混合し、生地を得た。
「水戻したん白A」を擂潰機にて擂潰処理(低速15分)した。ここに粉末状大豆たん白(b)、水、調味料類を加え、ケンウッドミキサーにて均一に混合し、生地を得た。
(実施例5)
「水戻したん白A」200部をチョッパー処理(16mm)し、細断した。ここに粉末状大豆たん白(b)、水、調味料類を加え、擂潰機にて擂潰・混合し、生地を得た。
「水戻したん白A」200部をチョッパー処理(16mm)し、細断した。ここに粉末状大豆たん白(b)、水、調味料類を加え、擂潰機にて擂潰・混合し、生地を得た。
(実施例6)
「水戻したん白B」を用い、他の原材料および手順は実施例5と同じ工程にて生地を調製した。
「水戻したん白B」を用い、他の原材料および手順は実施例5と同じ工程にて生地を調製した。
(比較例1)
「水戻したん白A」200部をチョッパー処理(16mm)し、細断した。ここに粉末状大豆たん白(b)、水、調味料類を加え、ケンウッドミキサーにて混合した。
「水戻したん白A」200部をチョッパー処理(16mm)し、細断した。ここに粉末状大豆たん白(b)、水、調味料類を加え、ケンウッドミキサーにて混合した。
(成形、加熱)
それぞれの生地をケーシング(65mm)に充填し、蒸し加熱を行った(90℃、35分間)。厚さ約0.5~1.0cmにカットし、打ち粉(小麦粉)、バッター(バッターミックス(理研ビタミン株式会社製)に3.8倍量の水を混合したもの)、生パン粉の順に付着させ、フライ(165℃、3.5分間)し、魚フライ様食品を製造した。
それぞれの生地をケーシング(65mm)に充填し、蒸し加熱を行った(90℃、35分間)。厚さ約0.5~1.0cmにカットし、打ち粉(小麦粉)、バッター(バッターミックス(理研ビタミン株式会社製)に3.8倍量の水を混合したもの)、生パン粉の順に付着させ、フライ(165℃、3.5分間)し、魚フライ様食品を製造した。
(評価)
フライ後の食感に関し、熟練した8名のパネラーにて下記基準にて評価し、4以上を合格とした。
5:魚肉様の食感であり、特に良好
4:良好
3:魚肉と畜肉の中間
2:畜肉様の食感に近い
1:畜肉様の食感
フライ後の食感に関し、熟練した8名のパネラーにて下記基準にて評価し、4以上を合格とした。
5:魚肉様の食感であり、特に良好
4:良好
3:魚肉と畜肉の中間
2:畜肉様の食感に近い
1:畜肉様の食感
評価の一覧を表3に示す。実施例1~6に示す通り、工程中に擂潰処理を行うことで魚肉様の適度なほぐれと纏まりのある繊維感を有し、具体的に例えるとアジフライ様の良好な食感を有していた。
また実施例6に示すように粒状植物性たん白の種類、番手の選択によって若干の食感差は生じるが、いずれも魚肉様といえるものであり、最終製品の種類や形態により多様な商品設計が可能であることを示していた。
一方、擂潰処理を行わずにチョッパーで組織を細断したのみの比較例1は、粒状植物性たん白の元々の食感(畜肉様)が保持され、魚肉様とは評価されなかった。
また実施例6に示すように粒状植物性たん白の種類、番手の選択によって若干の食感差は生じるが、いずれも魚肉様といえるものであり、最終製品の種類や形態により多様な商品設計が可能であることを示していた。
一方、擂潰処理を行わずにチョッパーで組織を細断したのみの比較例1は、粒状植物性たん白の元々の食感(畜肉様)が保持され、魚肉様とは評価されなかった。
Claims (3)
- 粒状植物性たん白を水戻しし、擂り潰す工程を含む、魚肉様食品素材の製造方法。
- さらに、少なくとも粉末状植物性たん白、油脂及び水を加える工程を含む、請求項1に記載の製造方法。
- 請求項1または2に記載の製造方法により得られる魚肉様食品素材を成形し、80℃以上、1分間以上加熱する工程を含む、魚肉加工品様食品の製造方法。
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