JP2022124676A - 全固体電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示は、充電時に金属Liが全固体電池の外周部へ延伸することを抑制し、かつ、充放電時の圧力変動を抑制することができる全固体電池を提供することを主目的とする。【解決手段】本開示においては、負極反応として金属Liの析出-溶解反応を利用した全固体電池であって、負極集電体、固体電解質層、正極活物質層および正極集電体をこの順に含み、上記負極集電体が、空隙を複数有する導電性多孔体であり、上記導電性多孔体の空隙率が60%以上であり、上記空隙の平均孔径が450μm以上640μm以下である、全固体電池を提供することにより、上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本開示は、全固体電池に関する。
全固体電池は、正極活物質層および負極活物質層の間に固体電解質層を有する電池である。特許文献1には、負極反応として金属Liの析出-溶解反応を利用した全固体電池であって、負極集電体と固体電解質層との間に、樹脂を含有する多孔体層を設けた全固体電池が開示されている。
特開2019-036391号公報
特許文献1に記載された電池は、負極反応として金属Liの析出-溶解反応を利用している。金属Liの析出-溶解反応を利用する場合、体積エネルギー密度を高くすることができる反面、例えばLiを吸蔵放出する負極活物質を用いた場合に比べて、充電時に金属Liが全固体電池の外周部に延伸し、短絡が発生しやすい傾向がある。そのため、充電時における金属Liの外周部への延伸を抑制することが望まれている。また、全固体電池においては、充放電時の圧力変動を抑制することが望まれている。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、充電時に金属Liが全固体電池の外周部へ延伸することを抑制し、かつ、充放電時の圧力変動を抑制することができる全固体電池を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本開示においては、負極反応として金属Liの析出-溶解反応を利用した全固体電池であって、負極集電体、固体電解質層、正極活物質層および正極集電体をこの順に含み、上記負極集電体が、空隙を複数有する導電性多孔体であり、上記導電性多孔体の空隙率が60%以上であり、上記空隙の平均孔径が450μm以上640μm以下である、全固体電池を提供する。
本開示によれば、所定の空隙率および平均孔径を有する導電性多孔体を負極集電体として用いることにより、充電時に金属Liが全固体電池の外周部へ延伸することを抑制することができ、かつ、充放電時の圧力変動を抑制することができる。
本開示における全固体電池は、充電時に金属Liが全固体電池の外周部へ延伸することを抑制することができ、かつ、充放電時の圧力変動を抑制することができるという効果を奏する。
本開示における全固体電池を例示する概略断面図である。 実施例における評価用セルの構成を示す概略図である。 実施例1および比較例1の評価用セルの初回充電曲線と圧力増加率の測定結果である。 セルサイズをφ5.6mmとした実施例1における、負極集電体を観察した写真である。 従来の金属Liの析出-溶解反応を利用した全固体電池の充電後の観察写真である。
以下、本開示における全固体電池について、図面を用いて詳細に説明する。以下に示す各図は、模式的に示したものであり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。また、各図において、部材の断面を示すハッチングを適宜省略している。また、本明細書において、ある部材に対して他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」または「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上または直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方または下方に、別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含む。
図1は、本開示の全固体電池の一例を示す概略断面図である。図1(a)に示される全固体電池10は、負極集電体1、固体電解質層2、正極活物質層3および正極集電体4をこの順に含む。本開示においては、負極集電体1として、所定の空隙率および平均孔径を有する導電性多孔体を用いる。なお、本開示においては、負極集電体1を負極と称する場合がある。同様に、正極活物質層3および正極集電体4を、正極と称する場合がある。また、全固体電池10は、負極反応として金属Liの析出-溶解反応を利用した電池であり、エネルギー密度が高いという利点を有する。また、図1(a)に示される全固体電池10を充電すると、図1(b)に示すように、全固体電池10は、空隙内に金属Li(負極活物質)が析出した負極集電体1’を有するものとなる。
従来の負極反応として金属Liの析出-溶解反応を利用した全固体電池では、図5に示すように、充電時に金属Liが全固体電池の外周部に延伸し(図5(右図))、短絡が発生しやすい傾向があった。また、金属Liが延伸する際に負極集電体に割れが発生する場合があった(図5(左図))。さらに、全固体電池においては、充放電時の圧力変動を抑制することが望まれている。本開示によれば、所定の空隙率および平均孔径を有する導電性多孔体を負極集電体として用いることにより、充電時に金属Liが空隙内に析出しやすくなり、金属Liが全固体電池の外周部へ延伸することを抑制することができる。また、充放電時の圧力変動を抑制することができる。
1.負極
本開示における負極は、負極集電体を有する。負極集電体は、負極活物質層の集電を行う層である。本開示において、負極集電体は、所定の空隙率および平均孔径を有する導電性多孔体である。
本開示において、負極集電体は、空隙を複数有する導電性多孔体であり、導電性多孔体の空隙率は、通常、60%以上であり、70%以上であってもよい。空隙率が小さすぎると、充放電時の圧力変動を抑制することができない。また、充電時における金属Liの外周部への延伸を抑制することができない。一方、空隙率は、例えば、90%以下であってもよいし、80%以下であってもよい。
導電性多孔体の空隙率は、{1-(導電性多孔体の見かけ密度)/(導電性多孔体の真密度)}×100から算出することができる。なお、見かけ密度は導電性多孔体の質量と外形寸法とから算出される密度を示す。また、例えば、導電性多孔体の断面画像を異なる位置で複数取得し、画像解析の結果から、導電性多孔体の空隙率を算出してもよい。
本開示における導電性多孔体の空隙の平均孔径は、通常、450μm以上であり、510μm以上であってもよい。平均孔径が小さすぎると、充電時に金属Liが空隙内に析出しにくくなるため、充電時における金属Liの外周部への延伸を抑制することができない。また、圧力変動を抑制することができない。一方、通常、640μm以下であり、600μm以下であってもよい。平均孔径が大きすぎると、クーロン効率が低下する場合がある。
本開示において、空隙の平均孔径とは、空隙の外接球の直径の平均である。例えば、導電性多孔体が三次元網目構造であり、三次元網目構造内の空隙が正十二面体とみなされた場合、その正十二面体の外接球の直径が、その空隙の孔径になる。
本開示における導電性多孔体は、三次元網目構造の多孔質金属体が挙げられ、具体的には発泡金属が挙げられる。三次元網目構造の多孔質金属体は、連続空孔体(連続気泡体)であってもよく、単独空孔体(単独気泡体)であってもよい。
本開示における導電性多孔体が三次元網目構造を有する場合、空隙の平均窓径は、例えば0.1mm以上であり、0.2mm以上であってもよい。一方、空隙の平均窓径は、例えば0.6mm以下であり、0.4mm以下であってもよい。本開示において、空隙の平均窓径とは、例えば、三次元網目構造内の空隙が正十二面体とみなされた場合において、該正十二面体を構成する正五角形の内接円の直径を示す。
導電性多孔体に含まれる構成元素は、特に限定されないが、ニッケル、クロム、チタン、銅、鉄等の金属、および、炭素等の非金属が挙げられる。導電性多孔体は、上記金属および上記非金属の少なくとも1種類を含有することが好ましい。すなわち、導電性多孔体の材質は、上記金属の単体であってもよく、上記金属の少なくとも1種類を含有する合金であってもよく、上記単体または上記合金の炭化物であってもよく、上記非金属の単体(例えば炭素単体)であってもよい。
導電性多孔体の厚さは、例えば20μm以上であり、50μm以上であってもよい。導電性多孔体の厚さが小さすぎると、集電機能が低くなる可能性がある。一方、導電性多孔体の厚さは、例えば200μm以下であり、100μm以下であってもよい。導電性多孔体の厚さが大きすぎると、全固体電池のエネルギー密度が低くなる可能性がある。
本開示において、導電性多孔体は、表面に金属コート層を有していてもよい。金属コート層を有することで、クーロン効率を向上させることができる。これは、金属コート層と金属Liとが合金化し、Liイオン拡散層が形成されるため、金属Liの析出箇所が多く存在し、均一な反応が生じやすくなるためと推察される。金属コート層に含まれる構成金属は、特に限定されないが、例えば、導電性多孔体に含まれる構成金属とは異なる金属である。金属コート層に含まれる金属としては、例えば、金、マグネシウム、銀、アルミニウム、スズが挙げられる。金属コート層は、上記金属の少なくとも1種類を含有することが好ましい。すなわち、金属コート層の材質は、上記金属の単体であってもよく、上記金属の少なくとも1種類を含有する合金であってもよい。また、金属コート層の被覆範囲は、導電性多孔体の表面の一部であってもよいし、全部であってもよい。
金属コート層の平均厚さは特に限定されないが、例えば10nm以上であり、50nm以上であってもよい。一方、例えば100nm以下である。導電性多孔体表面への金属のコート方法は特に限定されないが、例えば、導電性多孔体に対し上記金属を蒸着する方法が挙げられる。蒸着によって、導電性多孔体表面に、金属コート層を均一に形成することができる。
2.固体電解質層
本開示における固体電解質層は、少なくとも固体電解質を含有する。固体電解質は、無機固体電解質であることが好ましい。無機固体電解質としては、例えば、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、窒化物固体電解質、ハロゲン化物固体電解質が挙げられる。
硫化物固体電解質は、通常、Li元素およびS元素を有する。さらに、硫化物固体電解質は、P元素、Ge元素、Sn元素およびSi元素の少なくとも一種を含有することが好ましい。また、硫化物固体電解質は、O元素およびハロゲン元素(例えばF元素、Cl元素、Br元素、I元素)の少なくとも一種を含有していてもよい。
硫化物固体電解質としては、例えば、LiS-P、LiS-P-GeS、LiS-P-SnS、LiS-P-SiS、LiS-P-LiI、LiS-P-LiI-LiBr、LiS-P-LiO、LiS-P-LiO-LiI、LiS-SiS、LiS-SiS-LiI、LiS-SiS-LiBr、LiS-SiS-LiCl、LiS-SiS-B-LiI、LiS-SiS-P-LiI、LiS-B、LiS-P-Z(ただし、m、nは正の数。Zは、Ge、Zn、Gaのいずれか。)、LiS-GeS、LiS-SiS-LiPO、LiS-SiS-LiMO(ただし、x、yは正の数。Mは、P、Si、Ge、B、Al、Ga、Inのいずれか。)等が挙げられる。なお、上記「LiS-P」の記載は、LiSおよびPを含む原料組成物を用いてなる材料を意味し、他の記載についても同様である。
固体電解質は、ガラスであってもよく、ガラスセラミックスであってもよく、結晶材料であってもよい。ガラスは、原料組成物(例えばLiSおよびPの混合物)を非晶質処理することにより得ることができる。非晶質処理としては、例えば、メカニカルミリングが挙げられる。メカニカルミリングは、乾式メカニカルミリングであってもよく、湿式メカニカルミリングであってもよいが、後者が好ましい。容器等の壁面に原料組成物が固着することを防止できるからである。また、ガラスセラミックスは、ガラスを熱処理することにより得ることができる。また、結晶材料は、例えば、原料組成物に対して固相反応処理することにより得ることができる。
固体電解質の形状は、粒子状であることが好ましい。また、固体電解質の平均粒径(D50)は、例えば、0.01μm以上である。一方、固体電解質の平均粒径(D50)は、例えば、10μm以下であり、5μm以下であってもよい。固体電解質の25℃におけるLiイオン伝導度は、例えば1×10-4S/cm以上であり、1×10-3S/cm以上であることが好ましい。
固体電解質層における固体電解質の含有量は、例えば、70重量%以上であり、90重量%以上であってもよい。固体電解質層は、必要に応じて、バインダーを含有していてもよい。バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂、アクリレートブタジエンゴム(ABR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム系樹脂等が挙げられる。また、固体電解質層の厚さは、例えば、0.1μm以上である。一方、固体電解質層の厚さは、例えば、300μm以下であり、100μm以下であってもよい。
3.正極
本開示における正極は、正極集電体および正極活物質層を有する。正極活物質層は、正極活物質を少なくとも含有し、必要に応じて、固体電解質、導電材およびバインダーの少なくとも一つを含有していてもよい。
正極活物質は、特に限定されないが、例えば、酸化物活物質、硫黄系活物質が挙げられる。酸化物活物質としては、例えば、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiVO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等の岩塩層状型活物質、LiMn、LiTi12、Li(Ni0.5Mn1.5)O等のスピネル型活物質、LiFePO、LiMnPO、LiNiPO、LiCoPO等のオリビン型活物質が挙げられる。また、酸化物活物質として、Li1+xMn2-x-y(Mは、Al、Mg、Co、Fe、Ni、Znの少なくとも一種、0<x+y<2)で表されるLiMnスピネル活物質、チタン酸リチウム等を用いてもよい。
また、酸化物活物質の表面には、Liイオン伝導性酸化物を含有するコート層が形成されていてもよい。酸化物活物質と、固体電解質との反応を抑制できるからである。Liイオン伝導性酸化物としては、例えば、LiNbO、LiTi12、LiPOが挙げられる。コート層の厚さは、例えば、0.1nm以上であり、1nm以上であってもよい。一方、コート層の厚さは、例えば、100nm以下であり、20nm以下であってもよい。酸化物活物質表面におけるコート層の被覆率は、例えば、70%以上であり、90%以上であってもよい。
また、硫黄系活物質は、少なくともS元素を含有する活物質である。硫黄系活物質は、Li元素を含有していてもよく、含有していなくてもよい。硫黄系活物質としては、例えば、単体硫黄、硫化リチウム(LiS)、多硫化リチウム(LiSx、2≦x≦8)が挙げられる。
固体電解質としては、上記「2.固体電解質層」に記載した固体電解質を例示することができる。導電材としては、例えば、炭素材料、金属材料が挙げられる。炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)等のカーボンブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)等の繊維状炭素材料が挙げられる。バインダーとしては、上記「2.固体電解質層」に記載したバインダーを例示することができる。また、正極活物質層の厚さは、例えば、0.1μm以上である。一方、正極活物質層の厚さは、例えば、300μm以下であり、100μm以下であってもよい。
正極集電体の材料としては、例えば、SUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタン、カーボン等が挙げられる。また、正極集電体の形状としては、例えば、箔状が挙げられる。正極集電体の厚さは、例えば、0.1μm以上であり、1μm以上であってもよい。一方、正極集電体の厚さは、例えば、1mm以下であり、100μm以下であってもよい。
4.全固体電池
図1(a)、(b)に示すように、全固体電池10は、負極集電体1、固体電解質層2、正極活物質層3、および、正極集電体4をこの順に有する。図1(a)に示すように、全固体電池10は、固体電解質層2および負極集電体1の間に、負極活物質層を有しなくてもよい。特に、固体電解質層2および負極集電体1とは、直接接触していることが好ましい。一方、図1(b)に示すように、全固体電池10は、空隙内に金属Liが析出した負極集電体1’を有していてもよい。また、特に図示しないが、固体電解質層と、空隙内に金属Liが析出した負極集電体との間に、析出した金属Liである負極活物質層が存在していてもよく、存在していなくてもよい。
本開示における全固体電池の平面視形状は、特に限定されないが、例えば、円および矩形が挙げられる。また、全固体電池のサイズは、例えば、5mm以上30mm以下である。全固体電池のサイズとは、平面視形状が円である場合は直径をいい、平面視形状が矩形である場合は長辺の長さをいう。また、全固体電池の厚さ(正極集電体の外側表面から負極集電体の外側表面までの厚さ)は、例えば、30μm以上5mm以下である。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示における特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示における技術的範囲に包含される。
[実施例1]
(正極合材の作製)
正極合材の作製は全て、露点-80℃のAr雰囲気のグローブボックスで行った。酪酸ブチル800mgを秤量し、ポリプロピレン製容器に投入した。次に、導電材としてVGCF-Hを30mg秤量し、ポリプロピレン製容器に投入し、超音波ホモジナイザーで10秒間攪拌した。次に、LiNi1/3Co1/3Mn1/3(NCM)を1000mg秤量し、ポリプロピレン製容器に投入し、超音波ホモジナイザーで30秒間攪拌した。次に、硫化物固体電解質(平均粒径0.5μm)を301mg秤量し、ポリプロピレン製容器に投入し、超音波ホモジナイザーで30秒間攪拌し、スラリーを得た。
ホットプレートで80℃に加熱した乳鉢にスラリーを投入し、乳棒で混ぜながら粉末になるまで乾燥させた。次に、シャーレに粉末を移し、100℃で15分間乾燥させ、その後、乳鉢および乳棒で解砕した。次に、再度、シャーレに粉末を移し、100℃で90~120分間追加乾燥させ、乳鉢および乳棒で解砕した。これにより、正極合材を得た。
(固体電解質層用合材の作製)
固体電解質層用合材の作製は全て、露点-80℃のAr雰囲気のグローブボックスで行った。酪酸ブチルを1000mg秤量し、ポリプロピレン製容器に投入した。次に、硫化物固体電解質を1000mg秤量し、ポリプロピレン製容器に投入し、超音波ホモジナイザーで30秒間攪拌した。次に、PVdFを5重量%に調整した酪酸ブチル溶液を690mg秤量し、ポリプロピレン製容器に投入し、超音波ホモジナイザーで30秒間撹拌し、スラリーを得た。
ホットプレートで80℃に加熱した乳鉢にスラリーを投入し、乳棒で混ぜながら粉末になるまで乾燥させた。次に、シャーレに粉末を移し、100℃で15分間乾燥させ、その後、乳鉢および乳棒で解砕した。次に、再度、シャーレに粉末を移し、100℃で90~120分間追加乾燥させ、乳鉢および乳棒で解砕した。これにより固体電解質層用合材を得た。
(評価用セルの作製)
評価用セルの作製は全て、露点-80℃のAr雰囲気のグローブボックスで行った。マコール製シリンダ(内径φ11.28mm)に固体電解質層用合材を100mg投入し、ピンでならし、100MPaで1分間プレスした。次に、固体電解質層用合材の一方の表面側に、正極合材を85mg投入し、ピンでならした。次に、Al粉末(平均粒径20μm、正極集電体)を10mg投入し、ピンでならした。次に、600MPaで1分間プレスした。次に、固体電解質層用合材の他方の表面側に、負極集電体としてNi発泡体(住友電工製#5、厚み200μm(厚み1.2mmから圧延)、平均孔径640μm、平均窓径0.32mm、空隙率80%)を入れた。更に、両端にSUS製のピンを入れ、ピンの下側に圧力変化を測定するためのロードセル(ミネベアミツミ製LSM-100K-B)を入れ、トルクレンチにて2N・mで3点が均等になるようにネジ締めして評価用セルを作製した。評価用セルの構成を図2に示す。
[実施例2]
負極集電体として、Ni発泡体(住友電工製#7、厚み200μm(厚さt=1.2mmから圧延)、平均孔径510μm、平均窓径0.26mm、空隙率80%)を用いたこと以外は、実施例1と同様に評価用セルを作製した。
[実施例3]
負極集電体として、Ni発泡体(住友電工製#8、厚み200μm(厚さt=1.2mmから圧延)、平均孔径450μm、平均窓径0.23mm、空隙率80%)を用いたこと以外は、実施例1と同様に評価用セルを作製した。
[実施例4]
負極集電体として、Auを約10nmコートしたNi発泡体(住友電工製#5、厚み200μm(厚さt=1.2mmから圧延)、平均孔径640μm、平均窓径0.32mm、空隙率80%)を用いたこと以外は、実施例1と同様に評価用セルを作製した。
[実施例5]
負極集電体として、Auを約10nmコートしたNi発泡体(住友電工製#7、厚み200μm(厚さt=1.2mmから圧延)、平均孔径510μm、平均窓径0.26mm、空隙率80%)を用いたこと以外は、実施例1と同様に評価用セルを作製した。
[実施例6]
負極集電体として、Auを約10nmコートしたNi発泡体(住友電工製#8、厚み200μm(厚さt=1.2mmから圧延)、平均孔径450μm、平均窓径0.23mm、空隙率80%)を用いた以外は、実施例1と同様に評価用セルを作製した。
[比較例1]
負極集電体として、Cu箔を用いたこと以外は、実施例1と同様に評価用セルを作製した。
[比較例2]
負極集電体として、Niメッシュ(厚み10μm、メッシュ孔58μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様に評価用セルを作製した。
[評価]
(充放電試験)
電流値0.1mA/cm、電圧範囲3.00-4.37V、25℃で、充放電装置(北斗電工社製 HJ1001SD8)を用いて充放電試験を行い、初回充電時の圧力増加率および初回充放電における初回クーロン効率の評価を行った。なお、設計した充電容量(Li析出)は14.5mAh/cm(金属Liの厚みは約70μm)である。実施例1の初回充電曲線と、初回充電時の圧力増加率(%)((初回充電中の圧力/初回充電開始時圧力)×100)とを図3(a)に示す。同様に、比較例1の初回充電曲線と、初回充電時の圧力増加率(%)((初回充電中の圧力/初回充電開始時圧力)×100)とを図3(b)に示す。また、実施例1~6および比較例1~2の評価用セルの初回充電時の圧力増加率の最大値および初回クーロン効率の評価結果を表1にまとめて示す。
Figure 2022124676000002
図3に示されるように、実施例1および比較例1ともに充電容量は14.5mAh/cmが得られていることが確認された。一方で、圧力増加率に関しては、実施例1(図3(a))では100%程度で変化がない一方で、比較例1(図3(b))では200%近くまで上昇していることが確認された。これは、実施例1では、析出した金属Liが格納される空隙が十分にあるのに対し、比較例1では、格納される空隙がないために、圧力が上昇したと推察される。
また、表1に示されるように、金属Liを格納する空隙が十分に存在する発泡体を用いた実施例1から実施例6では、圧力上昇がない一方で、金属Liを格納する空隙が無いCu箔を用いた比較例1や金属Liを格納する空隙がほとんど無いNiメッシュを用いた比較例2では、圧力増加率(最大値)が約200%程度となっていることが確認された。
実施例2及び実施例3で初回クーロン効率が向上した理由は、孔径のサイズが小さいために、析出する金属Liのサイズが小さく、溶解が容易であったためと推察される。また、Auコートした発泡体を用いた実施例4から実施例6においては、初回クーロン効率が向上している。これは、金属LiとAuが合金化し、Liイオン拡散層ができたために、金属Liの析出箇所が多く存在し、均一な反応が起こりやすくなったためと推察される。
(金属Liの外周部への延伸観察)
金属Liの外周部への延伸の有無を確認するために、実施例1における評価用セルのサイズをφ5.6mmに変更し、上記充放電試験を実施した。セルサイズをφ5.6mmとした実施例1における、充電後の負極集電体の様子を図4(a)~(c)に示す。図4(a)、(b)に示されるように、負極集電体の外周部への金属Liの延伸が抑制されていることが確認された。また、負極集電体(Ni発泡体)の上部から走査型電子顕微鏡を用いて負極集電体を観察した。図4(c)では、空隙内に金属Liが格納されている様子が確認された。同様に、セルサイズをφ5.6mmとした実施例2および実施例3においても、負極集電体の外周部への金属Liの延伸は確認されなかった。
以上の結果より、所定の空隙率および平均孔径の空隙を有する導電性多孔体を負極集電体として用いることにより、空隙部が大きいため、10mAh/cmを超える高容量においても、充電時に金属Liが全固体電池の外周部へ延伸することを抑制し、かつ、充放電時の圧力変動を抑制することができることが確認された。
1 …負極集電体
2 …固体電解質層
3 …正極活物質層
4 …正極集電体
10 …全固体電池

Claims (1)

  1. 負極反応として金属Liの析出-溶解反応を利用した全固体電池であって、
    負極集電体、固体電解質層、正極活物質層および正極集電体をこの順に含み、
    前記負極集電体が、空隙を複数有する導電性多孔体であり、前記導電性多孔体の空隙率が60%以上であり、前記空隙の平均孔径が450μm以上640μm以下である、全固体電池。
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