JP2022124583A - AsとSbとの分離方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】AsとSbとのうちSbを選択的に析出させてAsとSbとを分離する。【解決手段】Cu、As、Sbを含有し、溶解したSbの濃度が1.0g/L以上であり、濃度比Cu/Asが0.10以上、且つ、濃度比Cu/Sbが0.10以上である溶液からSbを析出させるSb析出工程を有し、Sb析出工程は、Sb還元工程と中和工程をこの順で有し、Sb還元工程終了時のORP(3.3M KCl-Ag/AgCl)は70~210mVである、AsとSbとの分離方法及びその関連技術を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、AsとSbとの分離方法に関し、特に、金属製錬で生じる溶液に対するAsとSbとの分離方法に関する。
特許文献1には、アンチモンを含有するヒ酸水溶液に二酸化硫黄ガスを吹き込み、ヒ素とアンチモンを還元して、亜ヒ酸(As)と三酸化二アンチモン(Sb)を含有する析出物を得る工程(A)、及び前記析出物を70~100℃の温度を有する温水中に添加し、該析出物中の亜ヒ酸を溶解して、亜ヒ酸水溶液とアンチモンを含有する未溶解残渣を得る工程(B)を含むことを特徴とするヒ酸水溶液中のヒ素とアンチモンの分離方法が記載されている。
特許文献2には、ビスマスを含有する酸性溶液を中和処理してビスマス塩を沈澱させ、該沈澱の溶解液を還元してビスマスを共存金属から分離回収する方法であって、中和処理を常温で二段階に行い、第一中和処理においてビスマス含有溶液のpHを60分以上かけて0.5~1.5に調整して該pH域で沈澱する共存金属を沈澱化し、該沈澱を濾別した後に、第二中和処理において濾液のpHを2~3に調整してビスマスを含む沈澱を生成させ、このビスマス含有沈澱を回収して塩酸に溶解し、該溶解液を鉄還元して析出した金属ビスマスを回収することを特徴とするビスマスの回収方法が記載されている。
特開2009-167442号公報 特開2013-155432号公報
特許文献1に記載の内容だと、析出物中にAsとSbとが混在するため、AsとSbとを分離する工程が別途必要になる。特許文献2に記載の内容は、そもそもビスマスの回収方法が主旨である。
本発明の目的は、AsとSbとのうちSbを選択的に析出させてAsとSbとを分離することにある。
本発明の第1の態様は、
Cu、As、Sbを含有し、溶解したSbの濃度が1.0g/L以上であり、濃度比Cu/Asが0.10以上、且つ、濃度比Cu/Sbが0.10以上である溶液からSbを析出させるSb析出工程を有し、
Sb析出工程は、Sb還元工程と中和工程をこの順で有し、
中和工程開始時のORP(3.3M KCl-Ag/AgCl)は70~210mVである、AsとSbとの分離方法である。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、
前記溶液は、Sb還元工程開始時の溶液である。
本発明の第3の態様は、第2の態様において、
Sb還元工程前にCu源添加工程を含む。
本発明の第4の態様は、第1~第3のいずれかの態様において、
中和工程開始時のpHは0.9~3.0である。
本発明の第5の態様は、第1~第4のいずれかの態様において、
中和工程終了時のORPは130~350mVである。
本発明の第6の態様は、第1~第5のいずれかの態様において、
Sb還元工程開始時のpHは0.5~2.0である。
本発明の第7の態様は、第1~第6のいずれかの態様において、
Sb還元工程開始時のORPは100~700mVである。
本発明によれば、AsとSbとのうちSbを選択的に析出させてAsとSbとを分離できる。
本実施形態は、AsとSbとの分離方法に関する。本明細書における「~」は所定の数値以上かつ所定の数値以下を指す。本実施形態における「As」「Sb」等の元素記号は、金属単体又はイオンを指す。以降、濃度比はwt比を意味し、%はwt%を意味する。
本実施形態での処理対象となる溶液は、例えば、金属製錬(特に亜鉛製錬)で生じる溶液である。「AsとSbとを分離する」とは、具体的には溶液中からSbを析出させる一方でAsは溶液中に残存させることを意味する。
本実施形態では、溶液中からSbを析出させるSb析出工程を行う。Sb析出工程は、溶液中においてSbを還元する還元工程と、還元工程後の溶液を中和することにより還元後のSbを析出させる中和工程とをこの順で有する。以降、還元工程開始前の溶液を処理前溶液とも言い、還元工程開始後ないし中和工程終了前の溶液を処理中溶液とも言い、中和工程終了後の溶液を処理後溶液とも言う。
[態様1]
本態様では、処理前溶液中にCuを予め存在させる場合を例示する。
本態様における処理前溶液は、以下の特徴を有するのがよい。
・Cu、As、Sbを含有する。
・溶解したSbの濃度が1.0g/L以上である。
・濃度比Cu/Asが0.10以上、且つ、濃度比Cu/Sbが0.10以上である。
処理前溶液中におけるCu、As、Sbは、好適にはいずれもイオン化(錯イオン含む)して溶液中に溶解している。
処理前溶液中に溶解したSbの濃度が1.0g/L以上であり、特許文献2に記載のビスマスの回収を前提とした溶液と本実施形態の処理前溶液とは異なる。
処理前溶液中に溶解したSbの濃度の下限は1.5g/L、2.0g/Lであってもよい。該濃度の上限は20g/L、15g/L、10g/Lであってもよい。
処理前溶液中に溶解したAsの濃度には限定は無いが、該濃度の下限は1g/L、10g/L、20g/Lであってもよい。該濃度の上限は200g/L、100g/Lであってもよい。
処理前溶液中に溶解したCuの濃度には限定は無いが、該濃度の下限は10g/L、20g/L、25g/Lであってもよい。該濃度の上限は150g/L、100g/L、80g/Lであってもよい。
但し、処理前溶液中の濃度比Cu/Asが0.10以上、且つ、濃度比Cu/Sbが0.10以上とする。
処理前溶液中の濃度比Cu/Asの下限は1、3、5であってもよい。濃度比Cu/Asの上限は50、30であってもよい。
処理前溶液中の濃度比Cu/Sbの下限は0.3、0.5であってもよい。濃度比Cu/Sbの上限は5、3、2であってもよい。
処理前溶液中の濃度比As/Sbの下限は0.1、1、5であってもよい。濃度比As/Sbの上限は50、30、20であってもよい。
処理前溶液中の濃度比Cu/(Sb+As)の下限は0.1であってもよい。濃度比Cu/(Sb+As)の上限は5であってもよい。
処理前溶液中のAs、Sbに関する上記濃度設定は、金属製錬(特に亜鉛製錬)で生じる溶液中のAs、Sbの濃度の値を包含する設定である。その一方、金属製錬(特に亜鉛製錬)で生じる溶液中において、処理前溶液中のCuに関する上記濃度設定を満たさない場合、処理前溶液に対して別途Cu源を添加してもよい(Cu源添加工程)。別途添加する際のCu源としては水溶性のものが好ましく例えば硫酸銅(CuSO)(水和物も使用可)が挙げられる。この場合、処理前溶液中にて2価の銅イオンが存在することになる。
処理前溶液の組成の一例は以下のとおりである。
As:0.2~100g/L
Sb:0.05~10g/L
Cu:0.1~100g/L
上記以外の重金属(Cd,Co,Ni,Pb,Znなど):1g/L以下
処理前溶液のpHの下限は0.5であってもよく、1.0を超えてもよい。処理前溶液のpHの上限は3.0、2.0であってもよい。この数値範囲が示すように、処理前溶液は酸性である。また、本明細書におけるpHの値は、変化が収まった状態(例えば10分間での変化が0.1以内)での値である。処理前溶液のpHは、Sb還元工程開始時のpHと言い換えてもよい。
本明細書でのORP(3.3M KCl-Ag/AgCl)は、本発明では標準電極に対して+199mV(vs.SHE、25℃)でいわゆる酸化還元電位(vsAg/AgCl)である。以降、ORPは同様の定義とする。また、本明細書におけるORPの値は、変化が収まった状態(例えば10分間での変化が10mV以内)での値である。処理前溶液のORPは、Sb還元工程開始時のORPと言い換えてもよい。
処理前溶液のORPの下限は100mV、150mV、200mVであってもよい。処理前溶液のORPの上限は700mV、600mVであってもよい。
処理前溶液に対してSbの還元工程を行う。具体的には、処理前溶液に対して還元剤を添加する。還元剤には限定は無いが、例えば二酸化硫黄(SO)(ガスの吹き込みも利用可)、亜硫酸ナトリウム(NaHSO)の少なくともいずれかが挙げられる。
Sbの還元工程中の処理中溶液の温度は40~95℃であってもよい。Sbの還元工程の反応時間は30~150分であってもよい。
Sbの還元工程後の処理中溶液のpHの下限は0.9、1.0、1.0超え、1.5、2.0であってもよい。Sbの還元工程後の処理中溶液のpHの上限は3.0、2.5であってもよい。Sbの還元工程後の処理中溶液のpHは、中和工程開始時のpHと言い換えてもよい。
Sbの還元工程後の処理中溶液のORPは70~210mVとする。これにより、中和工程後にSbを十分に析出できる。つまり、処理前溶液中に溶解しているSbの濃度に対する、中和工程後の処理後溶液中に溶解しているSbの濃度(析出したSbの分離後)の百分率を100から引いた数値(脱Sb率)を向上できる。
Sbの還元工程後の処理中溶液のORPの下限は100mV、110mV、130mVであってもよい。Sbの還元工程後の処理中溶液のORPの上限は190mV、170mVであってもよい。Sbの還元工程後の処理中溶液のORPは、中和工程開始時のORPと言い換えてもよい。
なお、Sbの還元工程後の処理中溶液中の濃度比Cu/As、Cu/Sb、As/Sb、Cu/(Sb+As)に関しては、本発明でのSbの還元工程ではAsもSbもほとんど析出しないうえ、処理中溶液に対しては固液分離工程を行っていないので、処理前溶液と同様の濃度比の規定を適用できる。
Sbの還元工程前の処理前溶液中に溶解しているAs、Sb、Cuの濃度、及び、該処理前溶液中に溶解している各元素の濃度比Cu/As、Cu/Sb、As/Sb、Cu/(Sb+As)からの、Sbの還元工程後の処理中溶液中に溶解している各元素の該濃度及び濃度比への減少率(特にAsの濃度の減少率)は2%以下、1%以下であってもよい。
Sbの還元工程後の処理中溶液に対して還元後のSbを析出させる中和工程を行う。還元工程後の処理中溶液のpHを増加できれば添加物に限定は無いが、例えばアルカリ(一例としては炭酸カルシウム(CaCO)及び水酸化ナトリウム(NaOH)の少なくともいずれか)を添加してもよい。石膏(CaSO)も該添加物として挙げられる。
中和工程中の処理中溶液の温度は40~95℃であってもよい。中和工程の反応時間は30~150分であってもよい。
中和工程後の処理後溶液のpHは、還元工程後且つ中和工程前の処理中溶液のpHよりも増加していればよい。そのうえで、中和工程後の処理後溶液のpHの下限は2.5、3.0が好ましい。中和工程後の処理後溶液のpHの上限は4.0が好ましい。
中和工程後の処理後溶液のORPの下限は50mV、80mV、100mV、130mVであってもよい。中和工程後の処理後溶液のORPの上限は350mV、300mV、280mVであってもよい。
中和工程後の処理後溶液の上記pH及びORPのいずれかの数値範囲ならば、Sbを十分に析出でき且つAsは処理後溶液中に十分に残存可能となる。つまり、処理前溶液中に溶解しているAsの濃度に対する、中和工程後の処理後溶液中に溶解しているAsの濃度(析出したAsの分離後)の百分率を100から引いた数値(脱As率)は低く抑えつつ、脱Sb率を向上できる。
処理後溶液に対して固液分離を行った後の固液分離後溶液中の脱As率は33%以下、25%以下が好ましい。固液分離後溶液中の脱Sb率は75%以上、80%以上が好ましい。但し、脱As率と脱Sb率との両方が適度に良好であるのが好ましい。そのため、(100-脱As率)×脱Sb率の値の下限が6600、7000、7500、8000であってもよい。
処理後溶液に対して固液分離を行った後の固液分離後溶液中の脱Cu率は25%以下、15%以下であってもよい。また、処理後溶液に対して固液分離を行った後の固液分離後溶液中の脱(As、Sb、Cu以外の重金属)率も25%以下、15%以下であってもよい。
処理後溶液に対して固液分離を行った後の固液分離後溶液中の濃度比Cu/Asには限定は無いが、下限が0.2、0.6、1.0、1.4であってもよく、上限が2.0、1.6であってもよい。
処理後溶液に対して固液分離を行った後の固液分離後溶液中の濃度比Cu/Sbには限定は無いが、下限が10、60であってもよく、上限が20000、2000、600、200、100、70であってもよい。
処理後溶液に対して固液分離を行った後の固液分離後溶液中の濃度比As/Sbには限定は無いが、下限が40であってもよく、上限が25000、800、600であってもよい。
還元工程及び中和工程において撹拌を行ってもよく、例えばスターラー又は傾斜パドル等を使用してもよい。
本態様では還元工程終了後に中和工程を開始しているが、本発明はそれに限定されない。例えば、還元工程終了直前に中和工程を開始してもよい。その場合、上記処理中溶液のpH及びORPの規定は中和工程開始時のpH及びORPの値に対して適用可能である。
本態様に記載のAsとSbとの分離方法は、Sb及びAsの分離回収方法にも適用可能である。例えば、中和工程後に処理後溶液に対して固液分離工程を行い、固体(残渣)からSbを回収できる。つまり本発明は、Sb回収方法(Sb製造方法)としても成り立つ。なお、固液分離後溶液に残存したAsは、亜鉛製錬において使用される亜ヒ酸として活用してもよい。
本明細書における固液分離工程は公知の手法を用いてよく、例えばろ過、遠心分離等を使用すればよい。
[態様2]
還元工程後且つ中和工程前の処理中溶液に対して上記Cu源を添加し、上記態様1での処理前溶液中のCuに関する上記濃度設定を満たすようにCuの濃度を設定してもよい。後掲の実施例5が態様2に該当する。
本態様においては、処理前溶液においてCuを含有しない又は含有してもCuに関する上記濃度設定を満たさない。その代わり、還元工程後且つ中和工程前の処理中溶液において、処理前溶液でのCuに関する上記濃度設定を満たせばよい。それ以外の規定は、上記態様1と同様とすればよい。
本明細書においては態様1及び態様2を含む表現として以下の表現を用いている。
「Cu、As、Sbを含有し、溶解したSbの濃度が1.0g/L以上であり、濃度比Cu/Asが0.10以上、且つ、濃度比Cu/Sbが0.10以上である溶液からSbを析出させるSb析出工程を有し、
Sb析出工程は、Sb還元工程と中和工程をこの順で有し、
Sb還元工程終了時のORP(3.3M KCl-Ag/AgCl)は70~210mVである、AsとSbとの分離方法。」
上記表現は、Sb析出工程の対象となる溶液の規定を満たすのが、Sb還元工程前である場合も含むし、Sb還元工程後且つ中和工程前である場合も含む。
次に実施例を示し、本発明について具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下に記載のない内容は、本実施形態で述べた内容と同様とする。
<実施例1>
亜鉛製錬で生じた残渣を硫酸にて溶解し、処理前溶液Xを得た。処理前溶液Xの詳細は以下の通りである。実施例1以外の各例に関しては、後掲の表1に以下の内容を記載する。
・液量:400mL
・As濃度:20g/L
・Sb濃度:2.0g/L
・Cu濃度:33g/L
・上記以外の重金属(Cd,Co,Ni,Pb,Znなど):1g/L以下
・pH:0.69
・ORP(3.3M KCl-Ag/AgCl、以降記載を省略):430mV
・濃度比Cu/As:1.6
・濃度比Cu/Sb:17
・濃度比As/Sb:10
本例では、処理前溶液XにおいてCuの濃度に関する規定(濃度比Cu/Asが0.10以上、且つ、濃度比Cu/Sbが0.10以上)が既に満たされていたため、Cu源の添加は行わなかった。
本例の処理前溶液Xに対して還元工程を行った。具体的には、液温の設定値を60℃とし、還元剤としてNaHSOを処理前溶液Xに所定量添加した。そして、3枚傾斜パドル(バッフル無し)にて120分間撹拌を行った。そして、還元工程後且つ中和工程前の処理中溶液を得た。処理中溶液の詳細は以下の通りである。実施例1以外の各例に関しては、後掲の表1に以下の内容を記載する。
・pH:1.6
・ORP:137mV
なお、処理中溶液中の濃度比Cu/As、Cu/Sb、As/Sb、Cu/(Sb+As)に関しては、本発明でのSbの還元工程ではAsもSbもほとんど析出しないうえ、処理中溶液に対しては固液分離工程を行っていないので、処理前溶液Xと同じ値であった。
本例の処理中溶液に対して中和工程を行った。具体的には、液温を60℃とし、中和剤としてCaCOを処理中溶液に所定量添加した。そして、3枚傾斜パドル(バッフル無し)にて120分間撹拌を行った。そして、中和工程後の処理後溶液を得た。処理後溶液の詳細は以下の通りである。実施例1以外の各例に関しては、後掲の表1に以下の内容を記載する。
・pH:3.7
・ORP:146mV
処理後溶液に対してろ紙を用いて固液分離工程を行った。固液分離後溶液の詳細は以下の通りである。実施例1以外の各例に関しては、後掲の表2に以下の内容を記載する。
・脱As率:21%
・脱Sb率:99%
・脱Cu率:5%
・濃度比Cu/As:1.9
・濃度比Cu/Sb:1412
・濃度比As/Sb:726
Figure 2022124583000001
Figure 2022124583000002
<実施例2~4>
上記表1に記載のように実施例1から各設定を変更したうえで、各例を行った。固液分離後溶液の詳細は上記表2に記載した。
<実施例5>
本例では、製錬残渣ではなく、試薬により処理前溶液Yを作製した。
具体的には、50℃に加熱した150mLの純水に0.72gのSbを添加し、硫酸を添加し、pH1以下にした。そして、処理前溶液Y中に溶解するAsの濃度が40g/L程度になるように60%ヒ酸液を添加した。
その後、更にHを添加し、ORPを530mV程度へとし、1時間程度撹拌した。撹拌には恒温槽付きマグネチックスターラーを用いた。
撹拌後に得られた溶液を150mL測り取り、純水で2倍に希釈し、希釈液を60℃に加熱し処理前溶液Yとした。(この溶液は、比較例1に係る処理前溶液でもある)
実施例5では、処理前溶液Yに対し、CuSO(フレーク)を添加し、溶解させ、所定のCu濃度の処理前溶液を作製した。
上記表1に記載のように実施例1から各設定を変更したうえで、各例を行った。固液分離後溶液の詳細は上記表2に記載した。
<実施例6>
実施例6では処理前溶液Yを用いた。処理前溶液Yから始めて、Sbの還元工程後且つ中和工程前の処理中溶液へと変化させ、CuSO(フレーク)を添加し、溶解させ、所定のCu濃度の処理中溶液を作製した。他、上記表1に記載のように実施例1から各設定を変更したうえで、各例を行った。固液分離後溶液の詳細は上記表2に記載した。
<比較例1>
比較例1では処理前溶液Yを用いた。他、上記表1に記載のように実施例1から各設定を変更したうえで、各例を行った。固液分離後溶液の詳細は上記表2に記載した。処理中溶液の銅濃度は、0g/Lとしている。
<比較例2,3>
上記表1に記載のように実施例1から各設定を変更したうえで、各例を行った。固液分離後溶液の詳細は上記表2に記載した。実施例1と同様の処理前溶液を用いた。
<比較例4>
比較例4では処理前溶液Yを用いた。処理前溶液Yから始めて、Sbの還元工程後且つ中和工程前の処理中溶液へと変化させ、CuSO(フレーク)を添加し、溶解させ、所定のCu濃度の処理中溶液を作製した。上記表1に記載のように実施例1から各設定を変更したうえで、各例を行った。固液分離後溶液の詳細は上記表2に記載した。
<まとめ>
各実施例では、低い脱As率を示しつつも高い脱Sb率を達成できた。特に、中和工程後の処理後溶液のORPが80~350mVの範囲内にある実施例1~3、5では、低い脱As率と高い脱Sb率をバランスよく発揮できた。

Claims (7)

  1. Cu、As、Sbを含有し、溶解したSbの濃度が1.0g/L以上であり、濃度比Cu/Asが0.10以上、且つ、濃度比Cu/Sbが0.10以上である溶液からSbを析出させるSb析出工程を有し、
    Sb析出工程は、Sb還元工程と中和工程をこの順で有し、
    中和工程開始時のORP(3.3M KCl-Ag/AgCl)は70~210mVである、AsとSbとの分離方法。
  2. 前記溶液は、Sb還元工程開始時の溶液である、請求項1に記載のAsとSbとの分離方法。
  3. Sb還元工程前にCu源添加工程を含む、請求項2に記載のAsとSbとの分離方法。
  4. 中和工程開始時のpHは0.9~3.0である、請求項1~3のいずれか一つに記載のAsとSbとの分離方法。
  5. 中和工程終了時のORPは130~350mVである、請求項1~4のいずれか一つに記載のAsとSbとの分離方法。
  6. Sb還元工程開始時のpHは0.5~2.0である、請求項1~5のいずれか一つに記載のAsとSbとの分離方法。
  7. Sb還元工程開始時のORPは100~700mVである、請求項1~6のいずれか一つに記載のAsとSbとの分離方法。
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