JP2022124288A - 磁性体物質・非磁性体物質除去フィルタ - Google Patents

磁性体物質・非磁性体物質除去フィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】被処理液体から、強磁性粉粒体の如き磁性体物質やアルミニウム、真鍮、砥粒等の如き非磁性体物質を有利に分離除去せしめ得るようにした磁性体物質・非磁性体物質除去フィルタを提供する。【解決手段】アウタロート14内に延びるように配設されたマグネットパイプ22内にマグネット24を配置して、その磁力により被処理液体から磁性体物質を吸着して分離する一方、流入出ヘッド12内に配設された流路インサート60の螺旋状導入路62にて、導入される被処理液体に旋回する流れを生じさせ、更にマグネットパイプ22の外周部に取り付けたサイクロンブレード26により被処理液体を下方に向かう旋回流として導いて、アウタロート14内を下方に旋回・移動させつつ、被処理液体中の磁性体物質や非磁性体物質がインナロート16内を降下して分離せしめられるようにして、除去フィルタ10を構成した。【選択図】図1

Description

本発明は、磁性体物質・非磁性体物質除去フィルタに係り、特に、鉄の如き磁性体物質と共に、アルミニウムの如き非磁性体物質が、共に又は別個に混入してなる、各種の被処理液体中から、それら2種の混入物質を効果的に分離除去せしめ得るフィルタ装置に関するものである。
従来より、エンジンや変速機、或いは各種の油圧システム等のように、潤滑油や作動油等の液体が内部を循環する構造を備えた装置や機器が、様々な用途で使用されているが、それらの装置や機器においては、その使用中に、金属部品の表面が徐々に摩耗するようになり、そのため、そのような金属部品の表面の摩耗により発生した金属粉粒体が、内部を循環する液体中に不可避的に混入し、懸濁するようになる。そして、その液体中の金属粉粒体は、金属部品表面の摩耗を更に促進させることとなる。また、ホーニング盤や研削盤等の工作機械においても、加工部に配置された工作物に対して、供給タンクに貯蔵された研削液、切削液等のクーラントを供給しながら、研削加工が行われることとなるが、その研削されたワークの細かな金属粉や金属砥粒、金属屑(切屑)等の金属粒子は、加工部から回収されるクーラント中に混入することとなるが、そのような金属粒子が混入したクーラントを、そのまま再使用することは困難である。
そこで、上記のようなエンジンや変速機、油圧システム等においては、摩耗する金属部品が鉄等の強磁性体又はアルミニウム等の非磁性体からなるものであり、また、工作機械においては、鉄等の強磁性体又はアルミニウム等の非磁性体からなる工作物の研削加工等が行われるものであるところから、その使用済みの潤滑油や作動油、クーラント等には、そのような強磁性体や非磁性体の粉粒体が混入することとなり、そのために、それら液体は、それら液体の配管経路途中に配置されたフィルタ装置によってろ過されて、それらの液体に混入した微粒子が分離・回収除去されるようにした構成が採用され、そのためのフィルタ装置として、各種の構造のものが、提案されている。
そして、そのようなフィルタ装置の一つである、磁気エネルギを利用して、液体中に混入した強磁性粉粒体(金属粉粒体)を吸着、分離(ろ過)するようにした磁気フィルタ装置が、従来のろ過式フィルタを用いたフィルタ装置に比較して、目詰まりが生じ難いために、フィルタの定期的な洗浄や交換が必要でなく、ランニングコストを低減し得る等の特徴を有しているフィルタ装置として、注目を受けている。
例えば、実開平5-2713号公報や特開2011-11205号公報等においては、被処理液体が流通せしめられる通路の外側に、永久磁石を配置して、かかる永久磁石の磁力によって、通路内を流通せしめられる被処理液体から強磁性粉粒体を磁気分離せしめるようにしたマグネットフィルタ、或いは磁気インラインフィルタとも称される磁気フィルタ装置が提案されており、そこでは、磁石によって被処理液体から吸着除去されて、通路内に捕捉されている強磁性粉粒体を、かかる通路から取り出すために、磁石を通路に沿って移動せしめて、磁石の磁力が作用しない磁気遮断部位に位置せしめることにより、かかる磁石による吸着作用を解消して、被処理液体と共に排出するようにした構造が、採用されている。しかしながら、それら磁気フィルタ装置は、何れも、被処理液体中から強磁性粉粒体を磁気分離するものであるために、磁気分離の困難な非磁性体物質を、被処理液体から分離除去することが出来ないという問題を内在している。
また、特開2015-178058号公報においては、遠心力により流体中の微細物を分離して、かかる流体の洗浄、浄化を行なうべく、微細物を含む流体を本体容器内に供給して渦巻きを生じさせ、遠心力で微細物を外側へ移動させて分離すると共に、その分離された微細物を沈降させて、本体容器の下部から外部に排出せしめるようにする一方、本体容器内の上部に流体出口を設けて、本体容器内の流体をろ過部材にてろ過した後、そのような流体出口を通じて、外部に流出せしめるようにした構造の遠心分離装置が、提案されている。しかしながら、このような遠心分離装置においては、その容器本体内に、所定のろ過部材を配置する必要があることに加えて、容器本体内の流体の全てが、ろ過部材を通過せしめられて、外部に流出せしめられることとなるために、かかるろ過部材の微細物、特に流体中に浮遊する、より小さな微細物による目詰まり等の問題が惹起され易く、その耐久性に大きな問題を内在するものであった。
さらに、特開2005-28244号公報においては、遠心力と磁力とを利用して、流体中の磁性の微細物を分離するようにしたフィルタ装置として、微細物を含む流体を供給して渦巻きを生じさせ、遠心状態で微細物を外側へ移動させて、分離するフィルタ部と、このフィルタ部で沈殿する微細物を沈殿させる沈殿部とを、上下に連通して配設すると共に、かかる沈殿部の外周部に磁石ユニットを設けて、微細物に対して沈殿部の方向に吸引する磁力を作用せしめるようにした構造のものが、提案されている。加えて、特開2009-297676号公報においては、遠心力を利用して異物粒子の分離を行なうサイクロン式処理容器を備えた異物粒子分離装置として、処理容器内に上側逆円錐状部と下側逆円錐状部とを連結して設け、上側逆円錐状部に異物粒子を含む被処理流体を流入せしめて旋回流動させることにより、遠心力によって異物粒子を分離するようにする一方、下側逆円錐状部には磁石部材を設けて、その磁気吸引力にて被処理流体内の磁性粒子を磁気分離するようにした構造が明らかにされ、そこでは、遠心力の作用し難い比重の軽い浮上物を分離すべく、上側逆円錐状部の上方に、スリット状孔を有する仕切り板を介して、浮上物回収タンクを設け、その回収タンク内に比重の軽い浮上物を分離収容し得るようにした構造が、明らかにされている。
しかしながら、それら提案のフィルタ装置や異物粒子分離装置にあっては、基本的に、磁性を有する微細物や異物粒子を磁気分離することを、その主旨とするものであって、非磁性の微細物や異物粒子の分離・除去には、それ程有効でないことに加えて、装置内に形成される流体の渦流の中心部に流体の流出口が開口せしめられているところから、磁性を有する微細物や異物粒子がより一層微細化されて、流体中に浮遊するようになった微粒子が、磁気分離されることなく、流出口を通じて外部に流出せしめられ易い問題があり、そのために、流体中に混在する磁性を有する微細物や異物粒子の分離効果が充分でないという問題を内在している。
尤も、特開2009-297676号公報に開示の異物粒子分離装置においては、遠心力の作用し難い比重の軽い浮上物、例えば、油成分、浮遊ゴミ、浮遊カーボン、比重の軽い異物粒子等の確実な分離除去のために、上側逆円錐状部の上方に浮上物回収タンクが設けられているのであるが、それは、あくまでも、被処理流体の表面に、比重差によって浮上する浮上物の除去を意図しているに過ぎないものであって、被処理流体中に浮遊する、被処理流体(液体)の比重と同等乃至はそれよりも大きな比重を有する微細な非磁性粒子の分離、除去を、有効に行い得るものではなかったのである。
特に、浄化が必要とされる前述の如き使用済の潤滑油や作動油、クーラント等の被処理液体には、鉄やコバルト、ニッケル等の強磁性粉粒体からなる磁性体物質の他にも、工作物や工作機械の材質に応じて、アルミニウムや銅、真鍮、更には砥石から脱落した砥粒(セラミックス)等の非磁性体物質も混入するようになるのであり、そしてそれら磁性体物質や非磁性体物質が共に含有される被処理液体や、それらが別個に含有される各種の被処理液体が供給されて、それら流体の浄化が行なわれることとなるのであるが、その場合において、前記した公知の各種のフィルタ装置は、それら磁性体物質及び非磁性体物質の両者を有利に分離、除去し得るものではなかったのである。
実開平5-2713号公報 特開2011-11205号公報 特開2015-178058号公報 特開2005-28244号公報 特開2009-297676号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、遠心分離作用と磁気分離作用とを効果的に利用して、被処理液体から、鉄等の強磁性粉粒体の如き磁性体物質やアルミニウム、真鍮、砥粒等の如き非磁性体物質を有利に分離、除去せしめ得るようにした磁性体物質・非磁性体物質除去フィルタを提供することにある。
そして、本発明は、上述した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、以下に記載の各態様は、任意の組合せにおいて、採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載及び図面に開示の発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
そこで、本発明は、先ず、上記せる如き課題を解決するために、(a)磁性体物質及び/又は非磁性体物質が混入した被処理液体を流入せしめるための流入口と、それら磁性体物質や非磁性体物質が分離除去されて、浄化された被処理液体を流出せしめるための流出口とを有する流入出ヘッドと、(b)該流入出ヘッド内に配設されて、該流入出ヘッドの前記流入口から流入する被処理液体を下方に導く導入路が、外周面において周方向下方に延びるように螺旋状に形成されている一方、前記浄化された被処理液体を該流入出ヘッドの前記流出口に導く導出路が設けられてなる導液部材と、(c)下方に向かって縮径する円錐台形状の筒体からなり、該筒体の大径の上端開口部において、前記流入出ヘッドの下部に取り付けられて、該筒体内において、該流入出ヘッドに配設された前記導液部材の導入路にて導かれた被処理液体から、前記磁性体物質や非磁性体物質が分離除去せしめられる一方、かかる分離除去によって浄化された被処理液体が、前記導液部材の導出路を通じて該流入出ヘッドの前記流出口に導かれるようにしたアウタロートと、(d)該アウタロートを構成する筒体よりも小さい、下方に向かって縮径する円錐台形状の筒体からなり、該アウタロート内に収容されて、大径の上端開口部位において、該アウタロートの中間部内面に固定される一方、小径の下端開口部からは、被処理液体より分離除去される前記磁性体物質や非磁性体物質が重力にて下方に降下せしめられて、該アウタロートの下部に集積されるようにしたインナロートと、(e)前記流入出ヘッド及び前記導液部材を上下方向に貫通して、前記アウタロート内を下方に延びる、下端が閉塞されてなる形態の有底円筒形状のマグネットパイプと、(f)該マグネットパイプ内に上下方向に移動可能に配置されて、該マグネットパイプ内の下方への移動配置により、該マグネットパイプを介して、前記アウタロート内を流動する被処理液体に所定の磁界を作用せしめて、該被処理液体中の前記磁性体物質を該マグネットパイプの外周面に吸着し、磁気分離する一方、上方への移動にて、前記磁界の作用が選択的に解消せしめられることによって、該マグネットパイプの外周面に吸着された磁性体物質を離脱、落下させ得るようにして、前記インナロート内に重力にて降下せしめる磁石手段と、(g)複数枚の羽根を備えて、前記マグネットパイプの外周面に回転可能に取り付けられ、前記流入出ヘッドに配設された前記導液部材の導入路にて導かれる前記被処理液体の周方向下方への流れによって、該複数枚の羽根が回転せしめられることにより、かかる被処理液体に下方に向かう旋回流を惹起せしめて、前記アウタロート内を下方に旋回・移動させつつ、該被処理液体中の前記磁性体物質や非磁性体物質を前記インナロート内に降下せしめるサイクロン手段と、(h)前記アウタロートの下端開口部位に接続され、前記インナロートの下端開口部から降下して、集積される前記磁性体物質や非磁性体物質が、該アウタロートの下部から重力により流入せしめられる取外し可能な捕集容器と、(i)前記アウタロートと該捕集容器とを連通せしめる連通路上に配設されて、該連通路の開閉を行ない、その開作動によって、前記磁性体物質や非磁性体物質が該捕集容器内に流入することを許容するバルブ手段とを、有していることを特徴とする磁性体物質・非磁性体物質除去フィルタを、その要旨とするものである。
なお、かかる本発明に従う磁性体物質・非磁性体物質除去フィルタの好ましい態様の一つによれば、前記導液部材の導入路は、前記流入出ヘッドの流入口に対応する該導液部材の側面の開口部位から該導液部材の下面に開口する部位に至るに従って、通路断面積が漸次縮小するように、該導液部材の外周面に形成されている。
また、そのような本発明に従う磁性体物質・非磁性体物質除去フィルタの好ましい態様の他の一つによれば、前記導液部材の導出路が、該導液部材の下面から該導液部材の内部を通り、前記流入出ヘッドの流出口に対応する側面に開口するように、形成されていることを特徴とする。
さらに、かかる本発明に従うフィルタの別の好ましい態様の一つによれば、前記導液部材は、樹脂製とされている。
加えて、本発明に従う磁性体物質・非磁性体物質除去フィルタの望ましい態様の他の一つによれば、前記マグネットパイプの前記サイクロン手段取付け位置よりも下方に位置するように、該マグネットパイプから外方に突出して、該マグネットパイプの全周に亘って延びるワイパ部材が、該マグネットパイプの外周部に配設されていることを特徴としている。このワイパ部材の存在により、磁石手段がマグネットパイプ内を上昇するときに、マグネットパイプに磁着した磁性体物質が上方に移動するのを阻止し、掻き落とす作用を及ぼすこととなり、かかる磁着された磁性体物質の下方への落下が容易に行なわれ得ることとなる。
また、本発明に従う除去フィルタの望ましい別の態様の一つによれば、前記マグネットパイプの上部開口部から外方に位置する操作部を有する移動ロッドが、前記磁石手段に取り付けられて、かかる操作部の昇降操作によって、該磁石手段が、該マグネットパイプ内において、上下方向に移動せしめられ得るようになっている。このような移動ロッドによる磁石手段の上下方向への移動によって、アウタロート内におけるマグネットパイプ外表面への磁性体物質の磁着位置への磁石手段の配置と共に、かかるマグネットパイプの外表面に磁着された磁性体物質の下方への脱落を、磁石手段の上昇によって、簡単に且つ容易に行ない得るようになっているのである。
さらに、本発明にあっては、好ましくは、前記流入出ヘッドにおける前記マグネットパイプの貫通部位に位置するように、所定の磁性材料からなる保持部材が配設されて、前記移動ロッドによる操作によって前記磁石手段が上昇せしめられたときに、該保持部材に対して該磁石手段が磁着、保持されることにより、該マグネットパイプ内における前記磁石手段の位置が固定的に保持され得るようになっていることを特徴とする。これによって、強力な磁力を有する磁石手段をマグネットパイプ内に効果的に保持することが出来、そのような磁石手段を外部に取り出すことによって惹起される不測の問題の発生が有利に回避され得ることとなる。
このような本発明に従う磁性体物質・非磁性体物質除去フィルタによれば、より一層効果的な旋回流による遠心力作用と共に、磁石手段による有効な磁着作用を利用することによって、被処理流体中に混入した各種の磁性体物質や非磁性体物質が有利に分離、除去せしめられ得ることとなるのであり、以て、被処理液体の浄化度をより一層高め得て、被処理液体の再利用を効果的に図り得ることとなるのである。
特に、本発明に従う磁性体物質・非磁性体物質除去フィルタにあっては、流入出ヘッド内に配設された導液部材の外周面に、流入出ヘッドの流入口に対応する部位から周方向下方に延びる螺旋状の導入路が設けられて、流入する被処理液体が、アウタロート内に周方向下方への流れとして効果的に導かれ、更にサイクロン手段による旋回作用によって、かかる被処理液体により一層有効な旋回流を生ぜしめ得ることとなるのであり、以て、被処理液体中に混入した磁性体物質や非磁性体物質の分離、除去が、より一層有利に実現され得るのである。
本発明に従う磁性体物質・非磁性体物質除去フィルタの代表的な一実施形態を、アウタロートとボールバルブとの接続部位において分断してなる形態において、示す主要部断面説明図(但し、流路インサートは、断面図ではなく、正面図の形態において示されている)である。 図1に示される除去フィルタにおける、流入出ヘッドとマグネットパイプとを取り出して示す拡大断面説明図である。 図1に示される除去フィルタに用いられている流路インサートの拡大説明図であって、(a)、(b)、(c)及び(d)は、それぞれ、正面説明図、右側面説明図、左側面説明図及び平面説明図である。 図1に示される流路インサートの拡大説明図であって、(a)は、その底面説明図であり、(b)は、図3(d)におけるB-B断面説明図、(c)は、底面側の斜視説明図、(d)は、図3(a)におけるA-A断面説明図である。 図1に示される除去フィルタに用いられているアウタロートを、その内部にインナロートを配設してなる形態において、示す正面拡大説明図である。 図5に示されるアウタロートに用いられているロート本体の説明図であって、(a)は、その平面形態説明図であり、(b)は、(a)におけるC-C断面説明図である。 図1に示される除去フィルタに用いられているインナロートを示す拡大説明図であって、(a)は、その平面形態説明図であり、(b)は、(a)におけるD-D断面説明図である。 図1に示される除去フィルタに用いられているサイクロンブレードの説明図であって、(a)は、その平面形態拡大説明図であり、(b)は、その斜視拡大説明図である。 図1に示される除去フィルタに用いられているワイパの拡大説明図であって、(a)は、その平面形態説明図であり、(b)は、(a)におけるE-E断面説明図である。 図1に示される除去フィルタに用いられるマグネットを取り付けた移動ロッドの一例を拡大して示す正面説明図である。
以下、本発明の構成を更に具体的に明らかにするために、本発明の代表的な実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明に従う構造を有する磁性体物質・非磁性体物質除去フィルタの一実施形態として、鉄等の磁性体物質やアルミニウム等の非磁性体物質が混入した各種クーラントの浄化を行うための除去フィルタの主要部の断面が、アウタロートとボールバルブとの接続部位において分断してなる形態において、示されている。そこにおいて、本実施形態に係る除去フィルタ10は、上部が底部とされてなる有底円筒形状を呈する流入出ヘッド12と、その内部に配設された流路インサート60と、流入出ヘッド12の下部開口部に取り付けられたアウタロート14と、このアウタロート14内の下部に配設されたインナロート16と、流入出ヘッド12の底部及び流路インサート60を貫通して、アウタロート14内に延びるように配設されたマグネットパイプ22と、このマグネットパイプ22内に配置されたマグネット24と、かかるマグネットパイプ22の外周部に自由回転可能に取り付けられたサイクロンブレード26及びワイパー28と、アウタロート14の下端部が、バルブ手段としてのボールバルブ18を介して、接続されてなる捕集容器20とを含んで、構成されている。
また、そこにおいて、流入出ヘッド12は、図2に拡大して示されているように、厚肉の筒状部の上部が閉塞されて、底部とされてなる有底円筒形状において、SUS304等の非磁性材質から構成されており、その厚肉の筒壁部位の相対向する位置に、磁性体物質や非磁性体物質が混入した被処理液体が流入せしめられる流入口12aと、浄化された被処理液体が流出せしめられる流出口12bとが、それぞれ配設されている。そして、流入口12aには、クーラントの浄化システムにおける配管の一部を構成する、図示しない流入管が、螺合により接続せしめられて、鉄粉等の強磁性粉粒体からなる磁性体物質やアルミニウム等の非磁性体物質が共に混入してなるクーラントや、磁性体物質が混入したクーラント、更には非磁性体物質が混入したクーラントが、被処理液体として、任意に流入せしめられるようになっている。一方、流出口12bには、浄化システムの配管の一部を構成する、図示しない流出管が、螺合により接続されており、除去フィルタ10において磁性体物質や非磁性体物質が分離除去されたクーラント(浄化被処理液体)が、除去フィルタ10から、外部に流出せしめられるようになっている。
そして、かかる流入出ヘッド12には、その筒内に、樹脂製の流路インサート60が嵌入、配置されており、その外周面において周方向下方に延びるように螺旋状に形成された導入路62が、流入出ヘッド12の流入口12aから流入する被処理液体を下方に導くようになっている一方、導出路64を介して、浄化された被処理液体が、流入出ヘッド12の流出口12bに導かれるようになっている。
具体的には、流路インサート60は、図3及び図4に示されている如く、全体として厚肉の円筒形状を呈し、その中心部を貫通するようにマグネットパイプ22が挿通せしめられる挿入孔66が設けられている一方、その外周面に形成された螺旋状の導入路62は、流入出ヘッド12の流入口12aに対応する部位において、かかる流入口12aと同等な大きさにおいて形成された入側開口部62aと、流路インサート60の下面に開口する出側開口部62bとが、溝状流路にて接続されてなる形態を有すると共に、かかる入側開口部62aから出側開口部62bに至るに従って、通路断面積が漸次縮小する構造とされている。一方、導出路64は、挿入孔66と一体になって、流路インサート60の下面に開口する入側開口部62aから流路インサート60の内部を通って、流入出ヘッド12の流出口12bに対応する部位に形成された出側開口部62bに至る内部流路として形成されてなる構造を有している。そして、このような構造の入路インサート60は、図1に示される如く、流入出ヘッド12に螺入されるネジ70が、図3(d)に示される取付孔68に挿通されて、図4(a)や(c)に示される作業孔69を通じて挿通される治具によって螺入せしめられることにより、流入出ヘッド12に固定せしめられ得るようになっている。
従って、かくの如き流路インサート60の存在によって、流入出ヘッド12の流入口12aを通じて流入せしめられる被処理液体は、流路インサート60の外周面において周方向下方に延びるように螺旋状に形成された導入路62によって、旋回する流れとして、下方のアウタロート14内に導入されるようになるのであり、しかも、そこでは、導入路62が、入側開口部62aから出側開口部62bに向かって、通路断面積が漸次縮小する構造とされて、アウタロート14に向かって絞られた通路構造とされているところから、導かれる被処理液体の流速が効果的に高められ得て、アウタロート14内に導かれるようになっており、これによって、被処理液体が、より一層強い旋回流として、効果的に形成せしめられ得ることとなるのである。また、導出路64も、その入側開口部62aが流路インサート60の下面中心部よりに設けられているところから、アウタロート14の中央部を上方に導かれる、浄化された被処理液体が、効果的に流入出ヘッド12の流出口12bに導かれ得るようになるのである。
また、流入出ヘッド12の底部の中央部には、図2から明らかな如く、それを上下方向に貫通すると共に、その内部に配設された流路インサート60の中心部(挿入孔66)を貫通して、アウタロート14内を下方に延びるように位置する、下端が閉塞されてなる形態の、SUS304等の非磁性材質からなるマグネットパイプ22が、その上端開口部において、流入出ヘッド12に螺着されて、固定せしめられている。なお、このマグネットパイプ22のアウタロート14内に位置する部位には、所定間隔を隔てて、周方向に延びる2条の収容溝22a,22aが設けられており、図1に示される如く、それら収容溝22a,22a内に、それぞれスナップリング32,32が嵌め込まれることによって、それらの間に、後述するサイクロンブレード26及びワイパー28が、自由回転可能に取り付けられている。また、マグネットパイプ22の上端開口部の周りに位置する流入出ヘッド12の上面部位には、図2より明らかな如く、円形凹所12cが設けられて、そこに、S50Cの如き磁性材質からなるドーナツ形状の保持リング30が、その中央孔内にマグネットパイプ22の上端部が位置する形態において、嵌め込まれて、図1及び図2に示される如く、ボルト31の螺入によって固定せしめられている。
さらに、かかる流入出ヘッド12の下部開口部には、図5に示される如き、アウタロート14が取り付けられているのである。このアウタロート14は、図6(a)及び(b)に示されるように、下方に向かって縮径する円錐台形状の筒体からなる、SUS304の如き非磁性材質のロート本体14aを有していると共に、図5に示される如く、このロート本体14aの大径部側の上部開口部には、円筒状のロートアッパーフランジ14bが溶着されている一方、その小径部側の下端開口部には、円筒状のロートニップル14cが溶着されている。そして、アウタロート14は、そのロートアッパーフランジ14bにおいて、図1に示される如く、流入出ヘッド12の下部開口部に対して、リングナット34による締め付けによって、Oリング36を介して、液密に取り付けられるようになっている一方、ロートニップル14cにて、バルブ手段であるボールバルブ18に対して、螺着により連結せしめられるようになっている。
加えて、かかるアウタロート14のロート本体14a内には、その軸方向の中央部位よりも下方において開口、位置するように、下方に向かって縮径する円錐台形状の筒体からなる、SUS304の如き非磁性材質のインナロート16が、配設されている。このインナロート16は、図7の(a)及び(b)から明らかな如く、アウタロート14を構成する筒体であるロート本体14aよりも小さい、換言すれば、ロート本体14aの軸方向中央部の内径よりもある程度小さな最大外径を有しており、それによって、インナロート16が、その小径側の開口端部から、アウタロート14のロート本体14a内に挿入された際に、かかるインナロート16がロート本体14a内に所定距離入り込んで、インナロート16の最大外周部がロート本体14aの内周面に接触して、それ以上の入り込みが阻止せしめられてなる状態において、それらの接触部が溶着固定されることによって、インナロート16が、固定的に、ロート本体14a内に同軸的に配置せしめられるようになっているのである。そして、そのようなロート本体14a内へのインナロート16の配設によって、図1に示される如く、マグネットパイプ22の下端部がインナロート16よりも上方に位置する形態となるように、構成されているのである。
このように、アウタロート14内にインナロート16が配置されることによって、アウタロート14内、具体的にはロート本体14a内は、インナロート16よりも上方に位置する上部空間と、インナロート16よりも下方に位置する下部空間に分割されることとなるのである。そこでは、そのような上部空間において被処理液体中を降下する磁性体物質や非磁性体物質は、インナロート16に入り込み、そしてインナロート16の小径の下端開口部から、更に下方に降下して、ロート本体14aの下部空間内に、集積されるようになるのである。しかも、インナロート16は、その下端開口部が絞られて、小径の開口部とされているところから、そのような小径の開口部を通じて下方に降下した磁性体物質や非磁性体物質は、アウタロート14の上部空間における被処理液体の流れの影響を受けることは殆どなく、そのために、再び、舞い上がって、インナロート16内に引き込まれるようなことはなく、効果的に、ロート本体14aの下部空間内に、集積されることとなるのである。
そして、本発明にあっては、上述の如く、流入出ヘッド12の底部を貫通して、アウタロート14内に配置された、インナロート16内に入り込むように下方に延びるマグネットパイプ22の外周面には、樹脂等の適当な材質からなるサイクロンブレード26とワイパー28とが、上下に位置するようにして、上下2つのスナップリング32,32にて上下方向への移動が阻止された形態において、取り付けられている。そこにおいて、サイクロンブレード26は、図8(a)及び(b)に示される如く、マグネットパイプ22に外挿される取付けリング40と、この取付けリング40から放射状に側方に(径方向外方に)延びる、周方向に所定位相差をもって設けられた6枚の羽根42が、一体的に設けられている。なお、それら羽根42の各々は、図8(a)から明らかな如く、取付けリング40との間に所定の間隙を形成しつつ、図8(b)に示される如く、斜め上方に屈曲してなる形状の羽根本体を有している。
従って、そのようなサイクロンブレード26の6枚の羽根42における屈曲した羽根本体の上面に、図1に示される如く、流路インサート60の螺旋状の導入路62にて下方に導かれる被処理液体の旋回する流れが当たることにより、サイクロンブレード26は回転し、それによって、被処理液体はより効果的な旋回流となって、アウタロート14の内周面に沿って下方に導かれ、それに伴って、被処理液体中の比重の大きな磁性体物質や非磁性体物質の粒子は、重力により、効果的に下方に降下せしめられ、更に、インナロート16内を降下して、その小径の下端開口部から更に下方に導かれて、アウタロート14の下部空間に集積せしめられるようになる。また、そのような被処理液体の旋回流は、インナロート16から上方への流れとなり、アウタロート14の中心部側の部位を通って上方に導かれて、流路インサート60の導出路64から、流出口12bを通じて、外部に流出せしめられるようになっているのである。なお、この被処理流体の上方への流れに乗って浮遊する混入粒子は、回転するサイクロンブレード40にて、再び、上述の如きサイクロン作用を受けて、アウタロート14内を下方に降下せしめられるようになるのである。
また、かかるサイクロンブレード26の下方に位置するように配設されるワイパ28は、図9に示される如く、マグネットパイプ22に外挿される所定厚さの円環板形状の取付けリング部28aと、その外周縁部に形成された、下方に傾斜して、全周に亘って延びるテーパ形状部28bとから、一体的に構成されてなるものであって、このワイパ28は、図1に示される如く、マグネットパイプ22内に収容されるマグネット24よりも上方に位置するように、配設されている。
そして、マグネットパイプ22内には、ネオジム磁石の如き強力な磁石からなる、円柱形状のマグネット(永久磁石)24が、マグネットパイプ22を上下方向に移動可能に配置され、図1に示される如く、マグネットパイプ22の下部の底部上に位置するように、下方に移動せしめられて配置されることにより、かかるマグネットパイプ22を介して、アウタロート14内を流動する被処理液体に所定の磁界を作用せしめて、かかる被処理液体中の磁性体物質をマグネットパイプ22の外周面に吸着し、磁気分離し得るように、構成されている。なお、マグネット24は、軸方向に延びる複数(ここでは4つ)の分割面で分割されてなる円柱片を相互に磁着、一体化することによって、円柱形状に組み付けてなる構造を有しており、ここでは、図10に示される如き、長手のネジ棒からなる移動ロッド44の下側部位の回りに、それらマグネット44の複数の円柱片が一体化されてなる形態において配置されて、上下に位置する螺合ナット46,46にて固定せしめられることによって、マグネット24が、移動ロッド44に取り付けられている。そして、この移動ロッド44の上端部に取り付けられた操作片48を用いた引き上げ操作によって、マグネット24を上方へ移動せしめることにより、マグネットパイプ22を介しての被処理液体に対する磁界の作用が選択的に解消せしめられることとなり、以て、かかるマグネットパイプ22の外周面に吸着された磁性体物質が、離脱・落下可能となるように構成されている。
ところで、移動ロッド44には、図10から明らかな如く、上部の操作片48と下部のマグネット24との間に位置する部位において、マグネットパイプ22の外径よりも大なる外径を有する円環板形状の蓋体49が、軸方向に自由に移動可能に遊嵌されており、この蓋体49がマグネットパイプ22の上部開口部を覆蓋することによって、かかるマグネットパイプ22内に異物が落下しないようになっている。また、そのような移動ロッド44は、図1に示されるように、その上側部分がマグネットパイプ22の上部開口部から突出し得るような長さにおいて構成され、操作部である操作片48を用いて移動ロッド44を引き上げて、マグネット24をマグネットパイプ22の上部開口部位に位置せしめることによって、マグネット24が保持リング30の内径面に対して磁着するようにして、上下方向に位置固定に係止せしめられ得るようになっている。そして、その際、マグネット24は、流路インサート60の下面より下方に突出しないようにして、従ってワイパ28よりも上方に位置せしめられた状態において、マグネットパイプ22内に保持されることとなる。
なお、アウタロート14は、その下部に設けたロートニップル14cにより、図1に示される如く、ボールバルブ18の上部開口部に螺着せしめられる一方、ボールバルブ18の下部開口部には、ニップル50を介して、捕集容器20が取り付けられている。そこにおいて、ボールバルブ18は、公知の構造を有する開閉バルブであって、ハンドル18aの回動によって、アウタロート14と捕集容器20との間の連通路の連通又は遮断を行い得るものである。また、捕集容器20は、容器本体52の上部開口部に蓋部材54がOリング56を介してリングナット58により液密に締結されてなる構造にて、構成されている。しかも、蓋部材54の内面には、下方に向かって延びる厚肉の円筒部54aが一体的に設けられていると共に、更にこの円筒部54aから下方に延びる導入管55が設けられており、これら厚肉の円筒部54a及び導入管55の存在により、ボールバルブ18から捕集容器20に至る連通路内に、被処理液体が存在していても、蓋部材54から容器本体52を取り外した際に、かかる容器本体52から、被処理液体がオーバーフローするような問題等が惹起されないようになっている。
従って、上述の如き構成の除去フィルタ10にあっては、流入室ヘッド12の流入口12aから導かれた、磁性体物質や非磁性体物質が共に又は別個に混入せる被処理液体は、流路インサート60の螺旋状の導入路62にて下方に向かう旋回する流れとされ、そしてその流れによって、サイクロンブレード26が回転せしめられることにより、被処理液体は、下方に向かう有効な旋回流として、アウタロート16の内面に沿って下降し、その際、被処理液体よりも比重の大きな磁性体物質や非磁性体物質の粒子は、遠心力乃至はサイクロン効果によって効果的に下降せしめられて、インナロート16内に導かれ、更に、インナロート16の小径の下端開口部から、被処理液体の流れより分離された磁性体物質や非磁性体物質が、重力にて下方に降下せしめられて、アウタロート14におけるインナロート16よりも下方の下部空間に集積せしめられるようになるのである。
ところで、かかる被処理液体の下方への流れは、漸次反転して、アウタロート14の中心部側においては上方への流れとなって、ワイパ28の外側やサイクロンブレード26の間隙を通って、流路インサート60の導出路64から、流入出ヘッド12の流出口12bに至り、そこから外部に流出せしめられるようになるのであるが、そのような被処理液体の流れに対して、アウタロート14の中心部に位置するようにマグネットパイプ22が配置され、更にそのマグネットパイプ22の内部にマグネット24が配置されて、被処理液体に対して所定の磁界が作用せしめられるようになっているところから、そのような被処理液体中に混在する磁性体物質は、マグネットパイプ22の外周面に吸着されて、被処理液体から効果的に磁気分離されることとなるのである。しかも、その際、特に、流出口12bに導かれる被処理液体中に浮遊する微細な磁性体物質も、有利に、マグネットパイプ22の外周面に磁着せしめられ得ることとなって、流入出ヘッド12の流出口12bからは、微細な磁性体物質をも効果的に分離除去せしめ得て、浄化度のより一層高められた被処理液体が、有利に流出せしめられ得ることとなるのである。
そして、アウタロート14内において惹起される被処理液体の旋回流と重力の作用により、被処理液体中において降下する磁性体物質や非磁性体物質は、インナロート16に至り、更にインナロート16内を降下して、その小径の下端開口部から、アウタロート14の下部空間に導き入れられ、そこに集積されることとなる。なお、それら磁性体物質や非磁性体物質が集積されるアウタロート14の下部空間には、アウタロート14の上部において惹起される被処理液体の旋回流は、インナロート16の存在により、殆ど作用することがなく、そのために、降下せしめられた磁性体物質や非磁性体物質が、インナロート16の小径の下端開口部から上方に舞い上がり、浄化される被処理液体中に再び混入する恐れはないのである。
一方、マグネットパイプ22内に配置したマグネット24による磁界の作用にて、マグネットパイプ22の外周面に吸着されることにより、被処理液体から磁気分離された磁性体物質は、次のようにして、アウタロート14の下部空間内に降下せしめられることとなるのである。即ち、先ず、マグネット24が、それが取り付けられた移動ロッド44による引上げ操作によって、上方に移動せしめられて、サイクロンブレード26よりも上方に配置せしめられることによって、マグネットパイプ22の外周面に対する磁性体物質の吸着作用が解除され、以て、そこに吸着されていた磁性体物質が、重力により降下せしめられて、インナーロート16からアウタロート14の下部空間内に収容せしめられるようにされることとなる。なお、そのようなマグネット24の上昇操作につれて、マグネットパイプ22の外周面に吸着されている磁性体物質も、上方に引き上げられるようになるが、ここでは、サイクロンブレード26の下側に、ワイパ28が配設されているところから、このワイパ28にて、そのような磁性体物質を掻き落とす形態において、マグネット24の磁界の作用を遮断せしめるようにすることにより、マグネットパイプ22の外周面に吸着された磁性体物質の吸着解除、そして降下が容易に行われ得るようになっている。また、このようなマグネットパイプ22に吸着された磁性体物質の分離除去操作に際しては、好ましくは、被処理液体の除去フィルタ10内への流入が中断されて、その除去操作が一旦停止されることとなる。
そして、このようにしてアウタロート14の下部空間内に集積された磁性体物質や非磁性体物質をアウタロート14外に取り出すに際しては、アウタロート14の下部のロートニップル14cを介して連結されたボールバルブ18を、ハンドル18aの操作によって開作動せしめることにより、それら磁性体物質や非磁性体物質は、ボールバルブ18の下部に取り付けられた捕集容器20内に重力により降下して、収容せしめられるのである。勿論、アウタロート14における被処理液体からの磁性体物質や非磁性体物質の分離除去作業中において、ボールバルブ18を常に開作動状態に置いて、アウタロート14と捕集容器20とを常に連通状態とすることにより、アウタロート14の下部空間から、遠心分離作用によって分離除去される磁性体物質や非磁性体物質が、順次捕集容器20内に下降せしめられるようにすることも可能である。
また、かかる捕集容器20内に、所定量の磁性体物質や非磁性体物質が収容されてなる段階において、ボールバルブ18のハンドル18aを操作して、ボールバルブ18を閉状態として、アウタロート14に対する連通を遮断した後、リングナット58を緩めて、蓋部材54から容器本体52を離脱せしめることにより、容器本体52内に降下せしめられた磁性体物質や非磁性体物質を外部に取り出して、廃棄することが可能となるのである。なお、上述の如く、容器本体52のみを離脱させることに代えて、ニップル50から蓋部材54を螺脱させることにより、捕集容器20全体をボールバルブ18から取り外すようにすることも可能である。また、かかる捕集容器20の取外し操作において、容器本体52内における磁性体物質や非磁性体物質の収容量を容易に把握し得る上において、容器本体52は、好ましくは、透明な樹脂にて構成されることとなる。
以上、本発明の代表的な実施形態に基づいて、その構成や変形例について詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態や変形例に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
例えば、マグネット24として用いられる永久磁石としては、ネオジム磁石の如き磁力の強い希土類磁石が、好適に用いられ得るものであるが、これに何等限定されるものではなく、公知の各種の永久磁石を用いることが可能である。
また、例示の実施形態においては、サイクロンブレード26を構成する6枚の羽根42は、それぞれ、取付けリング40から独立して突出して放射状に配設されているが、それらの羽根42を、その突出端において外側リングに連結して、相互に一体的な構造とすることも可能である。
さらに、サイクロン手段であるサイクロンブレード26にあっても、それを構成する複数枚の羽根42の形状は、被処理液体の下方への流れによって、サイクロンブレード26が回転して、被処理液体の下方に向かう旋回流が惹起されることとなるならば、公知の如何なる羽根形状も採用可能であり、また、その羽根42の枚数にあっても、本発明の目的が達成され得るように適宜に選定されることとなる。
更にまた、ワイパ28は、例示の如く、水平方向に延びる所定厚さの板状の鍔型形状乃至は円環板形状のものであることが望ましいのであるが、単に下傾する傘型形状のものであっても、何等差し支えなく、また自由回転可能な取付形態ではなく、マグネットパイプ22の外周面に固定的に取り付けてなる形態も採用可能である。
加えて、マグネットパイプ22の上部開口部を覆蓋する蓋体49を磁性材質のものとして、移動ロッド44の上昇によって、引き上げられるマグネット24が蓋体49に磁着することにより、かかるマグネット24の下降が阻止されるようにすることも可能であり、これによって、保持リング30を蓋体49にて代替することが出来る。
また、捕集容器20における容器本体52は、その全体が透明とされていることが望ましいものであるが、そこに収容される磁性体物質や非磁性体物質の収容量が把握し得る程度において、部分的に透明とされていても何等差し支えなく、例えば、容器本体52の深さ方向に延びるスリット状の透明な窓部を設けてなる構造を採用することが出来、更には容器本体52の全体を不透明な構造としたり、或いは金属製としたりすることも可能である。
何れにしても、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、そして、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることが理解されるべきである。
10 除去フィルタ 12 流入出ヘッド
12a 流入口 12b 流出口
12c円形凹所 14 アウタロート
14a ロート本体 14b ロートアッパーフランジ
14c ロートニップル 16 インナロート
18 ボールバルブ 18a ハンドル
20 捕集容器 22 マグネットパイプ
22a 収容溝 24 マグネット
26 サイクロンブレード 28 ワイパ
28a 取付けリング部 28b テーパ形状部
30 保持リング 31 ボルト
32 スナップリング 40 取付けリング
42 羽根 44 移動ロッド
44a 上側ロッド部 44b 下側ロッド部
46 螺合ナット 48 操作片
49 蓋体 50 ニップル
52 容器本体 54 蓋部材
54a 円筒部 55 導入管
56 Oリング 58 リングナット
60 流路インサート 62 導入路
62a 入側開口部 62b 出側開口部
64 導出路 66 挿入孔
68 取付孔 69 作業孔
70 ネジ

Claims (7)

  1. 磁性体物質及び/又は非磁性体物質が混入した被処理液体を流入せしめるための流入口と、それら磁性体物質や非磁性体物質が分離除去されて、浄化された被処理液体を流出せしめるための流出口とを有する流入出ヘッドと、
    該流入出ヘッド内に配設されて、該流入出ヘッドの前記流入口から流入する被処理液体を下方に導く導入路が、外周面において周方向下方に延びるように螺旋状に形成されている一方、前記浄化された被処理液体を該流入出ヘッドの前記流出口に導く導出路が設けられてなる導液部材と、
    下方に向かって縮径する円錐台形状の筒体からなり、該筒体の大径の上端開口部において、前記流入出ヘッドの下部に取り付けられて、該筒体内において、該流入出ヘッドに配設された前記導液部材の導入路にて導かれた被処理液体から、前記磁性体物質や非磁性体物質が分離除去せしめられる一方、かかる分離除去によって浄化された被処理液体が、前記導液部材の導出路を通じて該流入出ヘッドの前記流出口に導かれるようにしたアウタロートと、
    該アウタロートを構成する筒体よりも小さい、下方に向かって縮径する円錐台形状の筒体からなり、該アウタロート内に収容されて、大径の上端開口部位において、該アウタロートの中間部内面に固定される一方、小径の下端開口部からは、被処理液体より分離除去される前記磁性体物質や非磁性体物質が重力にて下方に降下せしめられて、該アウタロートの下部に集積されるようにしたインナロートと、
    前記流入出ヘッド及び前記導液部材を上下方向に貫通して、前記アウタロート内を下方に延びる、下端が閉塞されてなる形態の有底円筒形状のマグネットパイプと、
    該マグネットパイプ内に上下方向に移動可能に配置されて、該マグネットパイプ内の下方への移動配置により、該マグネットパイプを介して、前記アウタロート内を流動する被処理液体に所定の磁界を作用せしめて、該被処理液体中の前記磁性体物質を該マグネットパイプの外周面に吸着し、磁気分離する一方、上方への移動にて、前記磁界の作用が選択的に解消せしめられることによって、該マグネットパイプの外周面に吸着された磁性体物質を離脱、落下させ得るようにして、前記インナロート内に重力にて降下せしめる磁石手段と、
    複数枚の羽根を備えて、前記マグネットパイプの外周面に回転可能に取り付けられ、前記流入出ヘッドに配設された前記導液部材の導入路にて導かれる前記被処理液体の周方向下方への流れによって、該複数枚の羽根が回転せしめられることにより、かかる被処理液体に下方に向かう旋回流を惹起せしめて、前記アウタロート内を下方に旋回・移動させつつ、該被処理液体中の前記磁性体物質や非磁性体物質を前記インナロート内に降下せしめるサイクロン手段と、
    前記アウタロートの下端開口部位に接続され、前記インナロートの下端開口部から降下して、集積される前記磁性体物質や非磁性体物質が、該アウタロートの下部から重力により流入せしめられる取外し可能な捕集容器と、
    前記アウタロートと該捕集容器とを連通せしめる連通路上に配設されて、該連通路の開閉を行ない、その開作動によって、前記磁性体物質や非磁性体物質が該捕集容器内に流入することを許容するバルブ手段とを、
    有していることを特徴とする磁性体物質・非磁性体物質除去フィルタ。
  2. 前記導液部材の導入路が、前記流入出ヘッドの流入口に対応する該導液部材の側面の開口部位から該導液部材の下面に開口する部位に至るに従って、通路断面積が漸次縮小するように、該導液部材の外周面に形成されている請求項1に記載の磁性体物質・非磁性体物質除去フィルタ。
  3. 前記導液部材の導出路が、該導液部材の下面から該導液部材の内部を通り、前記流入出ヘッドの流出口に対応する側面に開口するように、形成されている請求項1又は請求項2に記載の磁性体物質・非磁性体物質除去フィルタ。
  4. 前記導液部材が、樹脂製とされていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の磁性体物質・非磁性体物質除去フィルタ。
  5. 前記マグネットパイプの前記サイクロン手段取付け位置よりも下方に位置するように、該マグネットパイプから外方に突出して、該マグネットパイプの全周に亘って延びるワイパ部材が、該マグネットパイプの外周部に配設されている請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の磁性体物質・非磁性体物質除去フィルタ。
  6. 前記マグネットパイプの上部開口部から外方に位置する操作部を有する移動ロッドが、前記磁石手段に取り付けられて、かかる操作部の昇降操作によって、該磁石手段が、該マグネットパイプ内において、上下方向に移動せしめられ得るようになっている請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の磁性体物質・非磁性体物質除去フィルタ。
  7. 前記流入出ヘッドにおける前記マグネットパイプの貫通部位に位置するように、所定の磁性材料からなる保持部材が配設されて、前記移動ロッドによる操作によって前記磁石手段が上昇せしめられたときに、該保持部材に対して該磁石手段が磁着、保持されることにより、該マグネットパイプ内における前記磁石手段の位置が固定的に保持され得るようになっている請求項6に記載の磁性体物質・非磁性体物質除去フィルタ。
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