JP2009166009A - 磁性流体分離装置 - Google Patents

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義和 川口
Kiyoji Okano
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Abstract


【課題】サイクロン式処理容器と永久磁石を使って流体中に含まれる磁性粒子を分離・除去する磁性粒体分離装置において、効率良く且つ安定して分離・除去できる磁性粒体分離装置を提供する。
【解決手段】磁性粒体分離装置1は、磁性粒子を含む被処理流体が軸直交する接線方向から導入される流入口3と排出口とを備えるサイクロン式処理容器2と、サイクロン式処理容器2の中央に軸方向に設けられ、処理流体を流出する筒状流出通路6と、筒状流出通路6の下端に設けられた導入口7と、サイクロン式処理容器2の側壁に配設された第1永久磁石部材10と、第1永久磁石部材10の半径方向外側に第1永久磁石部材10に対向して配設された第2永久磁石部材12と、第1永久磁石部材10と第2永久磁石部材12を相対的に移動させる移動手段30とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体中の磁性粒子や気体中の磁性粒子等の磁性を有する微粒子等をサイクロン式処理容器を使って分離除去するための磁性粒体分離装置に関する。特に、本発明は、機械加工機等の切削液等に含まれる加工屑(磁性粒子)を除去するための磁性粒体分離装置に関する。
機械加工機においては、供給タンクに貯蔵された切削液が被加工物に供給された後、被加工物の加工屑を含む切削液がポンプで供給タンクに戻されることによって、切削液が加工機内を循環している。一般的に、被加工物から発生した加工屑は、加工機の循環経路の途中に設けられたフィルタ装置によって回収・除去されている。
フィルタ装置としては、ペーパーフィルタやバグフィルタやカートリッジフィルタ等の膜を用いたろ過式のものや加工屑を沈降させる沈降式のもの等がある。
しかし、ろ過装置は、使用時間が長くなるに従って、加工屑の粒体によってフィルタ膜が目詰まりを起こすので、定期的にあるいは不定期に、フィルタ装置を分解して、フィルタ膜を洗浄するか又は交換する必要があり、メンテナンスに費用がかかる、メンテナンスが面倒である等の問題を有している。また、沈殿式濃縮装置(シックナー)は、装置が大型になる、設備費が高い、微粒子を沈降させるのに時間がかかる等の問題を有している。
ところで、微粒子を捕集するために、遠心力を利用したサイクロンが広く利用されている。
乾式サイクロンでは一般に5μm以上の微粒子が、湿式サイクロンでは一般に10μm以上の微粒子が、それぞれ捕集されている。したがって、大略10μmより粒子径の小さな微粒子を捕集するためには、サイクロンの入口速度を大幅にアップさせる必要がある。しかしながら、入口速度が大きくなるに従って、圧力損失が大きくなるので、エネルギー的に見て無駄の多い現実性の乏しいシステムとなってしまう。
特に、切削加工や研削加工に使用される切削液では、切削液中に含まれる加工屑を完全に除去する必要がある。特に、切削加工や研削加工の切削屑には高硬度の切粉があり、この切粉が切削液に含まれたままであると、被加工物にスクラッチなどの傷を発生させる元となる。この切粉は平均10μm以下のものが多く、サイクロン処理装置では分離できない。そのために、現場では、フィルタと組み合わせ等の対応をしているが、十分でなく、更に別の対策が強く望まれていた。
対策の1例として、磁性粒子の回収方法として、サイクロン式処理装置の側壁の外側に磁石を配設して、この磁石を直径方向或いは、上下方向に移動させて、磁力が作用する状態と作用しなくなる状態とにすることで、サイクロン式処理装置内の磁性スラッジを吸着させて、その後吸着した磁性スラッジを側壁から離してサイクロン式処理装置から排出することが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2005−21835号公報
しかしながら、上記特許文献1に示す1つのタイプでは、サイクロン式処理装置の側壁の外側に配設した永久磁石を直径方向外側に移動させるために、即ち、サイクロン処理容器から離れる方向に動かすために、磁力に逆らった大きな力が必要であり、設備が大掛かりとなるばかりでなく、サイクロン処理容器の側壁内面に吸着した磁性粒子を効果的に分離除去できないという問題を有する。
また、側壁に形成されたテーパー面に沿って磁石を下方向に動かして磁力を弱める別のタイプも開示しているが、このタイプでは、側壁のテーパー面に沿って大きく移動させないと磁力を弱めることができず、設備が大掛かりとなる。
さらに、どちらのタイプでも磁石を強い力で移動させる、或いは大きく移動させるために、経年変化で磁石位置が変化する可能があり、安定して切屑を吸着できなくなる或いは確実に磁力を開放して切屑を分離除去できなくなる可能性がある。
したがって、本発明は、サイクロン式処理容器と永久磁石を使って流体中に含まれる磁性粒子を分離・除去する磁性粒体分離装置において、効率良く且つ安定して分離・除去できる磁性粒体分離装置を提供することである。
具体的には、請求項1の発明は、磁性粒子を含む被処理流体が軸直交する接線方向から導入される流入口を備え、下端部に排出口を備えるサイクロン式処理容器と、該サイクロン式処理容器の中央に軸方向に設けられ、処理流体を流出する筒状流出通路と、該筒状流出通路の下端に設けられた導入口と、該サイクロン式処理容器の側壁に配設された第1永久磁石部材と、該第1永久磁石部材の半径方向外側に、該第1永久磁石部材に対向して配設された第2永久磁石部材と、該第1永久磁石部材と該第2永久磁石部材を相対的に移動させる移動手段とを備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の磁性粒体分離装置において、第1永久磁石部材と第2永久磁石部材を相対的にサイクロン式処理容器の半径方向と直角な方向に移動させることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の磁性粒体分離装置において、第1永久磁石部材がサイクロン式処理容器の側壁に埋設され、第2永久磁石部材が側壁の外周に移動可能に配設されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の磁性粒体分離装置において、第1永久磁石部材は、複数個の第1分割片からなり、各第1分割片は円弧状に間隔を空けて配設されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の磁性粒体分離装置において、第2永久磁石部材は、複数個の第2分割片からなり、各第2分割片は円弧状に間隔を空けて配設されていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5に記載の磁性粒体分離装置において、第1分割片及び第2分割片は夫々薄板部材からなり、第1分割片と第2分割片とは半径方向に重なり合う位置に配設されていることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項5又は6に記載の磁性粒体分離装置において、第1分割片は、サイクロン式処理容器の半径方向内側方向がNS極の一方極に、外側方向がNS極の他方極になるように配設され、第2分割片は、第1分割片と同じ磁極になり、互いに引き付けあうように配設されていることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項5ないし7のいずれか1つに記載の磁性粒体分離装置において、各第1分割片及び該各第2分割片は、夫々半径方向に対向する位置にある第1分割片及び第2分割片と逆の磁極からなることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項5ないし8のいずれか1つに記載の磁性粒体分離装置において、第1分割片及び第2分割片は、同じ大きさで同数配設されていることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項4ないし9のいずれか1つに記載の磁性粒体分離装置において、第1分割片は、複数の磁極体が併設されてなり、隣接する磁極体は逆の磁性で配設されていることを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項5ないし10のいずれか1つに記載の磁性粒体分離装置において、第1永久磁石部材の各第1分割片を収容する収納凹部がサイクロン式処理容器の側壁に形成され、第2永久磁石部材の各第2分割片を支持する支持部材を備え、支持部材に円環状凹部が形成され、円環状凹部に各第2分割片が間隔を空けて配設されていることを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項11に記載の磁性粒体分離装置において、支持部材が、ヨーク部材からなることを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の磁性粒体分離装置において、移動部材は第2永久磁石部材をサイクロン式処理容器の側壁の外周に沿って上下動させる上下動機構からなることを特徴とする。
請求項14の発明は、請求項11又は12に記載の磁性粒体分離装置において、移動部材は第2永久磁石部材をサイクロン式処理容器の側壁の外周に沿って上下動させる上下動機構を備え、上下動機構は支持部材に接続され、上下動機構によって支持部材がサイクロン式処理容器の側壁の外周に沿って上下動することで第2永久磁石部材が上下動することを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の磁性粒体分離装置において、移動手段は、第2永久磁石部材をサイクロン式処理容器の側壁の外周に沿って円周方向に回動させることを特徴とする。
請求項16の発明は、磁性粒子を含む被処理流体が軸直交する接線方向から導入される流入口を備え、下端部に排出口を備えるサイクロン式処理容器と、該サイクロン式処理容器の中央に軸方向に設けられ、処理流体を流出する筒状流出通路と、該筒状流出通路の下端に設けられた導入口と、該サイクロン式処理容器の側壁に配設された永久磁石部材とを備え、該永久磁石部材が複数の分割片からなり、各分割片は円弧状に間隔を空けて配設されていることを特徴とする。
請求項17の発明は、請求項16に記載の磁性粒体分離装置において、各分割片は、半径方向に対向する位置に別の分割片を備え、各分割片は、別の分割片と逆の磁極からなることを特徴とする。
請求項18の発明は、請求項16又は17に記載の磁性粒体分離装置において、各分割片は、半径方向外側にヨーク部材を備えることを特徴とする。
請求項19の発明は、請求項16ないし18のいずれか1つに記載の磁性粒体分離装置において、永久磁石部材の各分割片を収容する収納凹部がサイクロン式処理容器の側壁内に形成され、各分割片の外側にヨーク部材が上下動可能に配設されていることを特徴とする。
請求項20の発明は、請求項16ないし18のいずれか1つに記載の磁性粒体分離装置において、永久磁石部材の各分割片を支持する凹部を有する支持部材を備え、支持部材がヨーク部材からなることを特徴とする。
請求項21の発明は、請求項20に記載の磁性粒体分離装置において、支持部材がサイクロン式処理容器の側壁の外側に上下動可能に配設されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、サイクロン処理容器内で側壁方向に運ばれた磁性粒子は、側壁に設けられた第1永久磁石部材と第2永久磁石部材との磁力によって、強力に側壁の内壁面に吸着されるので、磁性粒子を含まないクリーンな流体が導入口から筒状流出通路に効果的に分離できる。その上、第1永久磁石部材と第2永久磁石部材とを相対的に移動させることで、簡単に磁力を弱めることができるので、側壁の内壁面に吸着された磁性粒子を第1永久磁石部材及び第2永久磁石部材の強力な磁力から開放して、側壁の内壁面から脱離することができ、磁性粒子を落下・排出できる。
請求項2の発明によれば、磁力の調整が簡単であり、側壁の内壁面に効率良く磁性粒子を吸着・脱離できる。
請求項3の発明によれば、永久磁石の設置が簡単であり、且つ磁力の調整が簡単であり、側壁の内壁面に効率良く磁性粒子を吸着・脱離できる。さらに、磁力を弱める際の移動手段の駆動力を小さいものとすることができ、且つ確実に安定して作動させることができる。
請求項4の発明によれば、永久磁石部材の分割片を間隔を空けて配列することで磁力を調整できるので、磁力の調整が容易である。その上、磁力が強力に作用する場合と磁力を弱める場合とを簡単に調整できるので、その制御が容易であり、確実に安定して作用させることができる。
請求項5の発明によれば、永久磁石部材の分割片を間隔を空けて配列することで磁力を調整できるので、磁力の調整が容易である。その上、磁力が強力に作用する場合と磁力を弱める場合とを簡単に調整できるので、その制御が容易であり、確実に安定して作用させることができる。
請求項6の発明によれば、永久磁石部材の分割片を簡単な構造で得ることができ、低コストで得られる。
請求項7の発明によれば、簡単な永久磁石部材の配列で強力な磁力を得ることができ、容易に磁力の強弱を調整できるる。
請求項8の発明によれば、サイクロン処理容器の中央部分付近で強力な磁力を作用させることが出来るので、側壁の内壁面に磁性粒子を効果的に吸着することが出来る。
請求項9の発明によれば、第1分割片及び第2分割片を共用でき、低コスト化できる。
請求項10の発明によれば、簡単な構成で強力な磁力を得ることができる。
請求項11の発明によれば、各第1分割片を簡単に収容できて確実に保持できると共に、第2分割片は、円環状凹部にラフに収納しても第1分割片に引き寄せられて、第1分割片に重なる位置になるので、第2分割片を収容する部分は円環状凹部で良く、加工が容易である。それと共に、第2分割片の組み付けが容易である。
請求項12の発明によれば、第2永久磁石部材の磁力が、半径方向外側に作用する磁力を効果的に抑制できるので、サイクロン処理容器の内側(中心方向)に向かって強力に磁力を作用させることが出来る。
請求項13の発明によれば、移動部材によって2永久磁石をサイクロン式処理容器の側壁の外周に沿って上下移動させることで磁力が作用する場合と作用しない場合とを得られるので、その制御が容易であり、確実に安定して作動させることができる。
請求項14の発明によれば、移動部材によって支持部材をサイクロン式処理容器の側壁の外周に沿って上下移動させることで永久磁石部材の磁力が強力に磁性粒子に作用する場合と作用しない(あるいは作用する磁力を弱める)場合とを得られるので、その制御が容易であり、確実に安定して作動させることができる。
請求項15の発明によれば、移動部材によって2永久磁石部材をサイクロン式処理容器の側壁の外周に沿って円周方向に回動させることで磁力が作用する場合と作用しない場合とを得られるので、その制御が容易であり、確実に安定して作動させることができる。
請求項16の発明によれば、該永久磁石部材の複数の分割片が円弧状に間隔を空けて配設されているので、サイクロン式処理容器の内側に効果的に磁力を作用させることができ、被処理液中の磁性粒子を確実に吸着できる。
請求項17の発明によれば、サイクロン式処理容器の内側に効率良く磁力を作用させることができ、永久磁石部材を小型軽量できる。また、永久磁石部材を低コスト化できる。
請求項18の発明によれば、サイクロン式処理容器の内側に向けて、磁力を強力に作用させることができ、確実に磁性粒子を側壁の内壁面に吸着できる。
請求項19の発明によれば、ヨーク部材を上下動可能させることで、磁力の強さを調整できるので、磁力の調整が容易である。また、簡単な構成で磁力の調整ができるので、装置を小型化できる。
請求項20の発明によれば、サイクロン式処理容器の内側に向けて、磁力を強力に作用させることができ、確実に磁性粒子を側壁の内壁面に吸着できる。
請求項21の発明によれば、支持部材を上下動可能させることで、磁力の強さを調整できるので、磁力の調整が容易である。また、簡単な構成で磁力の調整ができるので、装置を小型化できる。
本発明では、磁性粒子を含む被処理流体が、略円筒状のサイクロン式処理容器内に接線方向に導入され、サイクロン式処理容器内を高速で旋回運動して下方に移動する。旋回運動の過程で、流体中の固体成分である磁性粒子や液体成分や気体成分が、遠心力によって径方向外側に運ばれる。このとき、各成分の比重により各成分に作用する遠心力の大きさが異なっており、比重の大きい磁性粒子がより大きな遠心力を受ける。逆に、中心には比重の軽いものが多くなり、比重の軽いもの(磁性流体を含まない液体成分や気体成分)が、中央に筒状通路を通って上方向から排出される。そして、側壁方向に運ばれた磁性粒子は、側壁に設けられた永久磁石部材によって、側壁の内壁面に吸着される。
多くの磁性粒子が、側壁の内壁面に吸着された場合には、第1永久磁石部材と第2永久磁石部材とを相対的に移動させることのよって、側壁の内壁面に吸着した磁性粒子に作用する磁力が弱くなるので、側壁の内壁面に吸着された磁性粒子は、側壁の内壁面から脱離し落下する。そして、落下した磁性粒子は排出され、回収手段(図示せず)に回収される。したがって、流体中に含まれる磁性粒子が効率良く分離・除去される。その後は、第1永久磁石部材と第2永久磁石部材とを重なり合うもとの位置関係に戻すことで、再び側壁の内壁面に磁性粒子を吸着するようになる。
なお、上記発明では、第1永久磁石部材と第2永久磁石部材を半径方向に重ねて配設するようにしている。この場合に、第1永久磁石部材又は第2永久磁石部材をリング状の永久磁石として、側壁に配設すると、半径方向内側の全ての面がN極かS極の一方になり、半径方向外側の全ての面がN極かS極の他方になるので、半径方向内側に作用する磁力が弱くて、磁性粒子の吸着性能が不足する結果となることが判った。
この結果からして、第1永久磁石部材の各第1分割片(又は第2永久磁石部材の各第2分割片)を間隔を空けて円弧状に配設すると、互いの円弧状端部にも磁力が強く作用することとなり、結果として、半径方向内側に作用する磁力が強力になり、磁性粒子の吸着性能が十分に発揮されることが判った。そのために、本発明では、第1永久磁石部材又は第2永久磁石部材のみ配設し、この配設した永久磁石部材(第1永久磁石部材或いは第2永久磁石部材)を複数の分割片で構成し、各分割片を間隔を空けて配設する構成とすることを発明とした。この構成では、側壁の内壁面に磁性粒子を強力に吸着できる。特に、各分割片の半径方向対面位置には別の分割片が来るように配設し、各分割片とこの別の分割片とを異なる磁極とすると、半径方向内側に作用する磁力が、更に強力となり、磁性粒子の吸着性能が十分に発揮される。更に、各分割片の半径方向外側を鉄製等のヨーク部材で蔽うと、半径方向内側への磁力が強化されるので、いっそう磁性粒子の吸着性能が十分に発揮される。
本発明は、研削砥石のように、被加工物の切粉と砥粒とが一緒になった切削屑では、切削屑である磁性粒子が大略10μmより小さい磁性微粒子であり、通常のサイクロン式処理装置では分離・除去することが困難であるが、本発明では、より効果的に分離・除去できる。
(実施形態1)
図1ないし図5に基づいて、本発明の実施形態1を説明する。
実施形態1の磁性流体分離装置1は、研削加工や切削加工や研磨加工等の各種機械加工を行うための機械加工機において、切削液の中に混入する切粉(即ち磁性粒子)、或いは切粉と砥粒との溶着したもの等からなる切削屑と切削液とを分離し、切削屑を分離回収する場合に適用したものである。
磁性流体分離装置1は、ステンレス、アルミニウムや樹脂等の非磁性体から構成されたサイクロン式処理容器2を備える。このサイクロン式処理容器2は、略円筒状の本体部分2aを備える。この本体部分2aの側壁の上側部分に流入口3が接線方向に設けられている。本体部分2aの下方には、本体部分2aに連続して略逆円錐形状で下方に向かって径が小さくなる略逆円錐形状部分2bと、この略逆円錐形状部分2bの下端部に設けられた絞り部8から更に下方に向かって逆に径が大きくなる略円錐形状部分2cを備える。さらに、略円錐形状部分2cの下端部に設けられた拡大部9から更に下方に向かって再び径が徐々に小さくなった略円錐形状の排出部分2dを備える。この排出部分2dの下端部に磁性粒子jの排出口4が設けられている。本体部分2a、略逆円錐形状部分2b、略円錐形状部分2c及び排出部分2dの外周に円筒状の円筒外筒5が設けられている。なお、円筒外筒5はステンレス、合成樹脂等の非磁性体で構成するが、永久磁石部材の磁力の作用上で影響が無ければ、鋼管としても良い。本体部分2a、略逆円錐形状部分2b、略円錐形状部分2c及び排出部分2dは別体で構成しているが、全部或いは一部が一体でも良い。本体部分2a、略逆円錐形状部分2b、略円錐形状部分2c、排出部分2d及び円筒外筒5も一体としても良い。本発明で言う側壁とは、円筒外筒5と本体部分2a、略逆円錐形状部分2b、略円錐形状部分2c、排出部分2dを含む。
サイクロン式処理容器2の中心部分には、軸方向に延びて筒状流出通路6が配設されている。筒状流出通路6の下端部に設けられた導入口7は、拡大部9とほぼ同じ高さ位置か、僅かに高めの位置になるように設けられている。その理由は、流入口3から本体部分2aに流入され、略逆円錐形状部分2bに導かれた流体が、その流速を絞り部8で一旦速められた後、略円錐形状部分2cによって、遠心力の作用で重量の重いもの(切削屑等の磁性粒子)は拡大部9に向かい、重量の軽いもの(切削液等)は、中央に残るようになる。そして、排出部分2dでは、拡大部9から排出口4に向かって絞られる構成であり、中央に残るようになった流体が導入口7から筒状流出通路6内に導かれる。その際に、導入口7が拡大部9よりも大きく離れて高い位置にあると、遠心力が十分に作用してない状態の流体(切削屑と切削液が混在した状態)が導入口7近辺に存在する結果となり、重量の重い切削屑も導入口7から筒状流出通路6に導かれる結果となる。また、逆に、導入口7が拡大部9よりも大きく離れて低い位置にあると、拡大部9の高さ位置で、遠心力の作用で重量の重い切削屑が拡大部9に分離集約し、中央部分に重量の軽い切削液に分離集約できるにも関わらず、再度両者が混ざり合う結果となる。そのために、筒状流出通路6の下端部に設けられた導入口7と拡大部9とは、ほぼ同じ高さ位置か僅かに高めに設けられていることが好ましい。
また、導入口7が設けられた下端部は僅かに外側に拡径して設けられており、流体に、より確実に遠心力が作用するようにしてある。しかし、場合によれば、下端部は筒状流出通路6の本体部分と同径のままでもよい。
排出部分2dの外周面に円弧状の凹部15が所定間隔毎に、円弧状に形成されている。この凹部15に第1永久磁石部材10の各第1分割片11が収納されている。第1分割片11の上端部が拡大部9や導入口7とほぼ同じ高さ位置に設けられている。円弧状の凹部15に収納されている各第1分割片11は、矩形状の薄板として低コスト化を図っているが、円弧状の凹部15と同形状に円弧状に形成されていても良い。又逆に、凹部15は各第1分割片11の矩形状に合わせて矩形状に形成しても良い。なお、凹部を円環状凹部として、各第1分割片11を所定位置に接着などで固定するようにしても良い。また、凹部15に確実に固定する場合には、各第1分割片11を接着剤等で接着しても良い。
8個の第1分割片11は、図3に示すように、半径方向内側がN極になるものとS極になるものとが、上から時計方向にN極、N極、S極、N極、S極、S極、N極、S極と配設されている。このことによって、対向する第1分割片11同士が引き合う磁極関係(N極とS極)になるように配設されている。このように、対向する第1分割片11が互いに引き合うように異なる磁極からなることよって、半径方向内側に向かう磁力が強力になり、磁性粒子が強力に側壁の内壁面に吸着される。
また、円筒外筒5の外周には、ヨークからなるリング状の支持部材21が上下動可能に配設されている。支持部材21の内面側に円環状凹部16が形成され、円環状凹部16に第2永久磁石部材12の各第2分割片13が配設されている。この第2分割片13は第1分割片11と同形状にして共用することによって、低コスト化を図っている。なお、円環状凹部16は、第2分割片13の形状に合わせた溝の形状でなく円環状に形成して、円環状凹部16の形成を容易にしている。この円環状凹部16に第2分割片13を収納する際には、第1分割片11と半径方向にラフに重なり合う位置で第2分割片13を円環状凹部16内にラフに組付けておけば、第1分割片11と第2分割片13との磁極が互いに引き合う関係にあるので、第1分割片11の半径方向外側に第2分割片13が引き付けられて重なる位置になるようになり、組立が容易である。なお、円環状凹部16に代えて、凹部11と同様に、第2分割片13が収納できる凹部を形成しても良い。
各第2分割片13は、図4に示すように、各第1分割片11と同じ位置に同じ磁極になるように配設されている。
支持部材21の下端部にブラケット部22が一体に設けられている。ブラケット部22は、移動手段としてのエアシリンダ30に接続されている。移動手段としては、エアシリンダやモーター等の公知の駆動手段を使用できる。
次に、実施形態1の磁性粒体分離装置1の動作について説明する。
図3に示す第1分割片11、及び図4に示す第2分割片13が、図5に示すように、互いに向き合う面が異なる磁極となっており、互いに引き付け合う関係にあり、且つ第1分割片11と第2分割片13とも、図3、図4に示すように、サイクロン容器の中心に対して対向する位置にある分割片と互いに引き付け合う磁極となっており、サイクロン容器の中心で強力な磁力が得られ、結果として、サイクロン容器2の内側に強力な磁力が作用する。
この状態で、磁性粒子jを含む被処理流体rが、高速で、接線方向に流入口3からサイクロン式処理容器2内に導入される。導入された被処理流体rは、本体部分2aの側壁内面に沿うように、旋回運動を行う。本体部分2aの内部では、導入された被処理流体rが本体部分2a内を旋回運動することにより旋回流が生じ、略逆円錐形状部分2bに導かれる。略逆円錐形状部分2bの下端部に設けられた絞り部8によって、旋回流の速度が高くなり、略円錐形状部分2cに導かれる。略円錐形状部分2cにおいて、高速度の旋回運動による遠心力が強く作用する。その結果、比重の大きな磁性粒子jには、より大きな遠心力が作用して、径方向外方に運ばれて拡大部9に集約するようになる。この磁性粒子jは、NS磁極群11の磁力によって、拡大部9方向に引っ張られると同時に排出部分2dの内壁面に保持された状態となる。このことによって、排出部分2dの内壁に向かう磁性粒子jがこの内壁に付着(トラップ)される。
その結果、被処理流体rは、サイクロン式処理容器2の略中央部(筒状流出通路6の外壁付近)に存する液体成分と、拡大部9に偏在した磁性粒子jの層とに分離される。サイクロン式処理容器2の略中央部(筒状流出通路6の外壁付近)に存する液体成分は、排出部分2dにおいて上向き軸方向の力が働いて、導入口7から筒状流出通路6に導かれて、クリーンな液体として磁性粒体分離装置1から外部に流出される。
そして、拡大部9の排出部分2dの内壁面に多くの磁性粒子jが付着した後、移動手段であるエアシリンダ30によって、支持部材21を下降させ、第2分割片13が第1分割片11と重ならない位置にする。すると、第1分割片11と第2分割片13とは個々に磁力が作用することになり、磁性粒子jに作用する磁力が弱くなる。その結果、排出部分2dの内壁面に付着した磁性粒子jの付着力が低下して、磁性粒子jが排出部分2dの内壁面から離れて、落下する。その後、再び、支持部材21を上昇させ、第2分割片13が第1分割片11と重なる元の位置関係にする。すると、前述したように再び排出部分2dの内壁面に多くの磁性粒子jが付着するようになる。このように、連続して磁性粒子jをトラップしたり、トラップを解除したりでき、流出口4から磁性粒子jが排出される。
実施形態1では、サイクロン式処理容器2の略逆円錐形状部分2bを通ってから絞り部8に向かって旋回流が高速になり、高速で略円錐形状部分2cで拡がるので、比重の重い磁性粒子jが効率的に拡大部9の方向に移動し、クリーンな液体が中心部に残るようになり、分離が効果的に行われる。特に、支持部材21を上下動させることで、磁性粒子jに作用する磁力の強弱を調整できるので、簡単な構造でよく、且つ確実に安定して磁力を調整できる。
実施形態1では、第2永久磁石部材12を支持する支持部材21を上下動させることで、第1永久磁石部材10と第2永久磁石部材12とが共同して強力な磁力を排出部分2dの内壁面に集約する磁性粒子jに作用させたり、或いは、個々に作用するようにして磁力を弱めて排出部分2dの内壁面に集約する磁性粒子jに作用しなくなったりするので、簡単で且つ確実に磁性粒子jを分離・排出できる。
さらに、第1永久磁石部材10の第1分割片11、第2永久磁石部材の12の第2分割片13を、サイクロン式処理容器2の半径方向に見て対向する位置にある分割片11、12と異なる磁極としてサイクロン式処理容器2の中心に対して強力な磁力が作用するように配設しているので、効果的に排出部分2dの内壁面に磁性粒子jを吸着したり、脱離したりすることが容易に調整できる。
また、支持部材21がヨークとしての機能を備える材質で出来ているので、第2永久磁石部材12の磁力が磁性粒子jのほうに集中して作用するようにすることができ、小型の永久磁石でも大きな磁力を得ることが出来る。円筒外筒5の外周には支持部材21を設けているだけであり、円筒外筒5の外周における構造が簡素化でき、製造コストを低減できる。また、第1永久磁石部材10は、排出部分2dの外周に埋設したが、この位置に限られるものではなく、第2永久磁石部材12と排出部分2dの内壁との間にあればよいので、排出部分2d内でなく、円筒部材5の内周や外周、或いは内部に埋設するようにしても良く、当然、排出部分2d内に埋設しても良い。なお、第1永久磁石部材10と第2永久磁石部材12とは直接接触しないように、間隙を空けるか別部材を介在させてあればよく、円筒外筒5や排出部分2d等に適切に設ければよいものである。
なお、シリンダ30は、図1に示すように2ヶ所設けているが、この数に限られるものではなく、1つでも良く、また2つより多くてもよい。2つのシリンダ30が同期して支持部材21が同時に上下動するようになっているが、例えば、半円ずつ上下動する、或いは90°分ずつ上下動するようにしても良い。その場合は、シリンダを別々に設けると上下動がスムーズにコントロールできる。
(実施形態2)
次に、図6及び図7に基づいて、本発明の実施形態2について説明する。なお、実施形態2において、実施形態1と共通する部分に関してはその説明を省略し、実施形態1と相違する特徴部分を中心に説明する。
実施形態2では、第1永久磁石部材10の第1分割片11及び第2永久磁石部材12の第2分割片13の配列を変更したものである。図6及び図7では、第1分割片11及び第2分割片13との配設関係が良く判るようにするために、リング状部材を仮に設けて、これに第1分割片11及び第2分割片13を配設した場合として説明する。実際には、図示を省略するが、実施形態1と同様に、第1分割片11は凹部15に収納され、第2分割片13は環状凹部16に収納されている。
実施形態2では、2つの分割片11を異なる磁極で併設し、分割変2個分の間隔を空けて、又2個分の分割片を配設するようにし、且つサイクロン容器2の半径方向に見て対向する位置にある分割片と異なる磁極になるように配設されている。
実施形態2でも、実施形態1と同様に、サイクロン式処理容器2の略逆円錐形状部分2bを通ってから絞り部8に向かって旋回流が高速になり、高速で略円錐形状部分2cで拡がるので、比重の重い磁性粒子jが効率的に拡大部9の方向に移動し、クリーンな液体が中心部に残るようになり、分離が効果的に行われる。
この実施形態2でも、実施形態1と同様に、支持部材を移動させて、第1分割片11及び第2分割片13の磁力が側壁5である排出部分2dの内壁面に付着した磁性粒子jに作用することをコントロールするので、磁力の作用・非作用の制御が確実であり、且つ安定している。
(実施形態3)
次に、図8及び図9に基づいて、本発明の実施形態3について説明する。なお、実施形態3において、実施形態1と共通する部分に関してはその説明を省略し、実施形態1と相違する特徴部分を中心に説明する。
実施形態3では、第1永久磁石部材10の第1分割片11及び第2永久磁石部材12の第2分割片13の配列を変更したものである。図8及び図9では、第1分割片11及び第2分割片13との配設関係が良く判るようにするために、リング状部材を仮に設けて、これに第1分割片11及び第2分割片13を配設した場合として説明する。実際には、図示を省略するが、実施形態1と同様に、第1分割片11は凹部15に収納され、第2分割片13は環状凹部16に収納されている。
実施形態3では、3つの分割片11を異なる磁極で併設し、分割片3個分の間隔を空けて、又3個分の分割片を配設するようにしている。
実施形態3でも、実施形態1と同様に、サイクロン式処理容器2の略逆円錐形状部分2bを通ってから絞り部8に向かって旋回流が高速になり、高速で略円錐形状部分2cで拡がるので、比重の重い磁性粒子jが効率的に拡大部9の方向に移動し、クリーンな液体が中心部に残るようになり、分離が効果的に行われる。
この実施形態3でも、実施形態1と同様に、支持部材を移動させて、第1分割片11及び第2分割片13の磁力が側壁5である排出部分2dの内壁面に付着した磁性粒子jに作用することをコントロールするので、磁力の作用・非作用の制御が確実であり、且つ安定している。
なお、実施形態3では、各分割片に対して、サイクロン容器2の半径方向に見て対向する位置には分割片が配設されてないが、分割片と異なる磁極の分割片が配設されるようにすると実施形態1や2のように半径方向中心に対して作用する磁力が強くなって効果的である。
(実施形態4)
次に、図10に基づいて、本発明の実施形態4について説明する。なお、実施形態4において、実施形態1と共通する部分に関してはその説明を省略し、実施形態1と相違する特徴部分を中心に説明する。
実施形態4では、第1永久磁石部材10の第1分割片11及び第2永久磁石部材12の第2分割片13の配列を変更したものである。図10では、第1分割片11及び第2分割片13との配設関係が良く判るようにするために、リング状部材を仮に設けて、これに第1分割片11及び第2分割片13を配設した場合として説明する。実際には、図示を省略するが、実施形態1と同様に、第1分割片11は凹部15に収納され、第2分割片13は環状凹部16に収納されている。
実施形態4では、2つと3つの分割片11を異なる磁極で併設し、分割片2個分の間隔を空けて配設するようにしている。実施形態4では、各分割片に対して、サイクロン容器2の半径方向に見て対向する位置に異なる磁極の分割片が配設され、各分割片の円周方向に隣接する分割変の磁極は異なる磁極となっているので、効果的に磁力を調整できる。
実施形態4でも、実施形態1と同様に、サイクロン式処理容器2の略逆円錐形状部分2bを通ってから絞り部8に向かって旋回流が高速になり、高速で略円錐形状部分2cで拡がるので、比重の重い磁性粒子jが効率的に拡大部9の方向に移動し、クリーンな液体が中心部に残るようになり、分離が効果的に行われる。
この実施形態4でも、実施形態1と同様に、支持部材を移動させて、第1分割片11及び第2分割片13の磁力が側壁5である排出部分2dの内壁面に付着した磁性粒子jに作用することをコントロールするので、磁力の作用・非作用の制御が確実であり、且つ安定している。
なお、第1永久磁石部材10や第2永久磁石部材12の各分割片の配設は、上記実施形態に限られるものではなく、第1分割片11と第2分割片13とが重なった際には強力な磁力が作用して排出部分2dの内壁面に磁性粒子jを付着し、第1分割片11と第2分割片13との重なりがずれた際には排出部分2dの内壁面に付着した磁性粒子jが脱落するようになれば、上記実施形態に限られない。また、分割片間の間隔も上記実施形態に限られるものではなく、磁力が効果的に作用するように配設できれば、上記実施形態に限られない。
また、第2永久磁石部材12を下降させた際に、第2永久磁石部材12の磁力が排出部分2dの内壁面に付着した磁性粒子jに作用することを確実に遮断したい場合には、第1永久磁石部材の下側に磁力遮蔽部材を埋め込んでも良い。
上記実施形態では、第1永久磁石部材10が固定され、第2永久磁石部材が上下動するようになっているが、第2永久磁石部材を回転させて、第1永久磁石部材10と第2永久磁石部材とが、排出部分2dの内壁面に付着した磁性粒子jに対して共同して磁力が作用する状態と作用しない状態とを作るようにしても良い。
上記実施形態では、第1永久磁石部材10が固定され、第2永久磁石部材が移動するようになっているが、逆にして、第1永久磁石部材10が移動し、第2永久磁石部材が固定されていても良い。或いは第1永久磁石部材10と第2永久磁石部材との両方が移動するようにしても良い。例えば、第1永久磁石部材10が移動する場合には、排出部分2dと円筒外筒5との間に移動可能な円筒部材を設け、この円筒部材に第1永久磁石部材10を配設するようにすれば良い。また、第2永久磁石部材を固定式とする場合には、例えば、円筒外筒5の内周面または外周面に埋め込むようにしても良い。
別の構成として、例えば、第1永久磁石部材10と第2永久磁石部材との間にシールド部材を介在させ、このシールド部材を移動させることで、排出部分2dの内壁面に付着した磁性粒子jに対して、第1永久磁石部材10と第2永久磁石部材の磁力が共同して作用する状態と作用しない状態とを作るようにしても良い。
(実施形態5)
次に、図11に基づいて、本発明の実施形態5について説明する。なお、実施形態5において、実施形態1と共通する部分に関してはその説明を省略し、実施形態1と相違する特徴部分を中心に説明する。
実施形態5では、側壁である円筒外筒5の外側にのみ永久磁石部材12を配設して、サイクロン式処理容器の排出部分2dの外壁面に埋め込む永久磁石部材10を省略した実施形態を示す。この実施形態5では、永久磁石部材12は分割片13からなり、各分割片13の配設状態は実施形態1である図3と同様に配設されている。支持部材21に対して、図3に示すと同様な凹部15が形成され、この凹部15に各分割片13が収納されている。また、支持部材21は、実施形態1と同様に、ブラケット22がエアモータ等の移動手段(図示省略)に接続されており、移動手段の作動により、支持部材21は上下動するようになっている。
この実施形態5では、分割片13を円弧状に均等な間隔を空けて配設すると共に、半径方向内側のみ開放して、半径方向外側、上下方向及び円周方向をヨーク部材である支持部材21で覆うようにしているので、半径方向内側に向けて磁力が強力に作用することとなっている。その結果、磁性粒子jがサイクロン式処理容器2の内壁面に効果的に吸着される。吸着状態を解除する場合には、サイクロン式処理容器2の内壁面に吸着された磁性粒子jが被処理流体rの流速によって外れ落ちることがあるので、これで機能を満足する場合にこの状態のままでも良い。しかし、この状態の磁性粒子jの外れでは機能的に不十分な場合には、支持部材21を下方に移動させるようにしても良い。その場合には、サイクロン式処理容器2の内壁面との距離が広くなるので、サイクロン式処理容器2の内壁面に作用する磁力が弱くなり、内壁面に付着した磁性粒子jが内壁面から外れて落下する。
(実施形態6)
次に、図12に基づいて、本発明の実施形態6について説明する。なお、実施形態6において、実施形態1と共通する部分に関してはその説明を省略し、実施形態1と相違する特徴部分を中心に説明する。
実施形態6では、円筒外筒5の内側にあるサイクロン式処理容器2の排出部分2dの外壁面にのみ永久磁石部材10を収納して配設して、円筒外筒5の外側に配設する永久磁石部材12を省略した実施形態を示す。この実施形態6では、永久磁石部材10は分割片11からなり、各分割片11は実施形態1である図3と同様に配設されている。図3に示すと同様な凹部15が形成され、この凹部15に各分割片11が収納されている。更に、永久磁石部材10の分割片11の磁力が半径方向外側に漏れることを防止し、半径方向内側の磁力を強力にするために、ヨーク部材からなるリング状の支持部材21が、分割片11の半径方向外側を覆うように円筒外筒5の外側に設けられている。この実施形態6では、実施形態1と同様に、ブラケット22がエアモータ等の移動手段(図示省略)に接続されており、移動手段の作動により、支持部材21は上下動するようになっている。
この実施形態6では、分割片11を円弧状に均等な間隔を空けて配設すると共に、半径方向内側のみ開放して、半径方向外側をヨーク部材である支持部材21で覆うようにしているので、半径方向内側に向けて磁力が強力に作用することとなっている。その結果、磁性粒子jがサイクロン式処理容器2の内壁面に効果的に吸着される。吸着状態を解除する場合には、サイクロン式処理容器2の内壁面に吸着された磁性粒子jが被処理流体rの流速によって外れ落ちることがあるので、これで機能を満足する場合にこの状態のままでも良い。しかし、この状態の磁性粒子jの外れでは機能的に不十分な場合には、支持部材21を下方に移動させるようにしても良い。その場合には、分割片11の磁力が半径方向外側にも漏れることとなり、サイクロン式処理容器2の半径方向内側に作用していた磁力が弱くなるので、サイクロン式処理容器2の内壁面に作用する磁力が弱くなり、内壁面に付着した磁性粒子jが内壁面から外れて落下する。
産業上の利用分野
本発明は、液体中の磁性粒子や気体中の磁性粒子等の磁性を有する微粒子等をサイクロン式処理容器を使って分離除去するための磁性粒体分離装置、機械加工機等の切削液等に含まれる加工屑(磁性粒子)を除去するための磁性粒体分離装置に適用できる。また、気体中に磁性微粒子が含まれた被処理流体に対しても、適用可能である。
本発明の実施形態1に係る磁性粒体分離装置を示す模式図である。 図1の要部拡大図を示す。 本発明の実施形態1の第1永久磁石部材の配設状態を説明する図である。 本発明の実施形態1の第2永久磁石部材の配設状態を説明する図である。 本発明の実施形態1の第1永久磁石部材と第2磁石部材との配設関係を説明する図である。 本発明の実施形態2に係り、第1永久磁石部材と第2磁石部材との配設状態を説明する図である。 本発明の実施形態2に係り、第1永久磁石部材と第2磁石部材との配設関係を説明する図である。 本発明の実施形態3に係り、第1永久磁石部材と第2磁石部材との配設状態を説明する図である。 本発明の実施形態3に係り、第1永久磁石部材と第2磁石部材との配設関係を説明する図である。 本発明の実施形態4に係り、第1永久磁石部材と第2磁石部材との配設状態を説明する図である。 本発明の実施形態5に係り、永久磁石部材の配設状態を説明する図である。 本発明の実施形態6に係り、永久磁石部材の配設状態を説明する図である。
符号の説明
1 磁性粒体分離装置
2 サイクロン式処理容器
3 流入口
5 円筒外筒
6 筒状流出通路
7 導入口
8 絞り部
9 拡大部
10 第1永久磁石部材
11 第1分割片
12 第2永久磁石部材
13 第2分割片
15 凹部
16 円環状凹部
21 支持部材
30 移動手段

Claims (21)

  1. 磁性粒子を含む被処理流体が軸直交する接線方向から導入される流入口を備え、下端部に排出口を備えるサイクロン式処理容器と、
    該サイクロン式処理容器の中央に軸方向に設けられ、処理流体を流出する筒状流出通路と、
    該筒状流出通路の下端に設けられた導入口と、
    該サイクロン式処理容器の側壁に配設された第1永久磁石部材と、
    該第1永久磁石部材の半径方向外側に、該第1永久磁石部材に対向して配設された第2永久磁石部材と、
    該第1永久磁石部材と該第2永久磁石部材を相対的に移動させる移動手段とを備えることを特徴とする磁性粒体分離装置。
  2. 移動手段は、第1永久磁石部材と第2永久磁石部材を相対的にサイクロン式処理容器の半径方向と直角な方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載の磁性粒体分離装置。
  3. 第1永久磁石部材がサイクロン式処理容器の側壁に埋設され、第2永久磁石部材が側壁の外周に移動可能に配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性粒体分離装置。
  4. 第1永久磁石部材は、複数個の第1分割片からなり、各第1分割片は円弧状に間隔を空けて配設されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の磁性粒体分離装置。
  5. 第2永久磁石部材は、複数個の第2分割片からなり、各第2分割片は円弧状に間隔を空けて配設されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の磁性粒体分離装置。
  6. 第1分割片及び第2分割片は夫々薄板部材からなり、第1分割片と第2分割片とは半径方向に重なり合う位置に配設されていることを特徴とする請求項5に記載の磁性粒体分離装置。
  7. 第1分割片は、サイクロン式処理容器の半径方向内側方向がNS極の一方極に、外側方向がNS極の他方極になるように配設され、第2分割片は、第1分割片と同じ磁極になり、互いに引き付けあうように配設されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の磁性粒体分離装置。
  8. 各第1分割片及び各第2分割片は、夫々半径方向に対向する位置にある第1分割片及び第2分割片と逆の磁極からなることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1つに記載の磁性粒体分離装置。
  9. 第1分割片及び第2分割片は、同じ大きさで同数配設されていることを特徴とする請求項5ないし8のいずれか1つに記載の磁性粒体分離装置。
  10. 第1分割片は、複数の磁極体が併設されてなり、隣接する磁極体は逆の磁性で配設されていることを特徴とする請求項4ないし9のいずれか1つに記載の磁性粒体分離装置。
  11. 第1永久磁石部材の各第1分割片を収容する収納凹部がサイクロン式処理容器の側壁に形成され、第2永久磁石部材の各第2分割片を支持する支持部材を備え、支持部材に円環状凹部が形成され、円環状凹部に各第2分割片が間隔を空けて配設されていることを特徴とする請求項5ないし10のいずれか1つに記載の磁性粒体分離装置。
  12. 支持部材が、ヨーク部材からなることを特徴とする請求項11に記載の磁性粒体分離装置。
  13. 移動部材は第2永久磁石部材をサイクロン式処理容器の側壁の外周に沿って上下動させる上下動機構からなることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の磁性粒体分離装置。
  14. 移動部材は第2永久磁石部材をサイクロン式処理容器の側壁の外周に沿って上下動させる上下動機構を備え、上下動機構は支持部材に接続され、上下動機構によって支持部材がサイクロン式処理容器の側壁の外周に沿って上下動することで第2永久磁石部材が上下動することを特徴とする請求項11又は12に記載の磁性粒体分離装置。
  15. 移動手段は、第2永久磁石部材をサイクロン式処理容器の側壁の外周に沿って円周方向に回動させることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の磁性粒体分離装置。
  16. 磁性粒子を含む被処理流体が軸直交する接線方向から導入される流入口を備え、下端部に排出口を備えるサイクロン式処理容器と、
    該サイクロン式処理容器の中央に軸方向に設けられ、処理流体を流出する筒状流出通路と、
    該筒状流出通路の下端に設けられた導入口と、
    該サイクロン式処理容器の側壁に配設された永久磁石部材とを備え、
    該永久磁石部材が複数の分割片からなり、各分割片は円弧状に間隔を空けて配設されていることを特徴とする磁性粒体分離装置。
  17. 各分割片は、半径方向に対向する位置に別の分割片を備え、各分割片は、該別の分割片と逆の磁極からなることを特徴とする請求項16に記載の磁性粒体分離装置。
  18. 各分割片は、半径方向外側にヨーク部材を備えることを特徴とする請求項16又は17に記載の磁性粒体分離装置。
  19. 永久磁石部材の各分割片を収容する収納凹部がサイクロン式処理容器の側壁内に形成され、各分割片の外側にヨーク部材が上下動可能に配設されていることを特徴とする請求項16ないし18のいずれか1つに記載の磁性粒体分離装置。
  20. 永久磁石部材の各分割片を支持する凹部を有する支持部材を備え、支持部材がヨーク部材からなることを特徴とする請求項16ないし18のいずれか1つに記載の磁性粒体分離装置。
  21. 支持部材がサイクロン式処理容器の側壁の外側に上下動可能に配設されていることを特徴とする請求項20に記載の磁性粒体分離装置。
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