JP2022123972A - 磁性流体熱輸送システムを有する装置および撮像装置 - Google Patents

磁性流体熱輸送システムを有する装置および撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】磁性流体の粘度と重力を考慮した管路によって磁性流体の循環効率を向上させる。【解決手段】装置100は、発熱部126と、冷却部101と、発熱部と冷却部との間で磁性流体を循環させる管路402と、磁性流体に磁場を印加する磁場発生部材316aとを有する。管路は、磁性流体が発熱部からの熱を受ける第1管路領域411、該第1管路領域から冷却部へ向かう第2管路領域412、磁性流体が冷却部により冷却される第3管路領域413および冷却部から発熱部へ向かう第4管路領域414を有する。第1から第4管路領域のうち磁性流体の流れ方向が重力方向に一致する管路領域内の磁性流体の体積が、流れ方向が重力方向に一致しない管路領域内の磁性流体の体積より大きい。【選択図】図8

Description

本発明は、磁性流体を用いた熱輸送システムに関する。
循環管路において温度勾配と磁場を利用して磁性流体を循環させるシステムとして、特許文献1には、循環管路の加熱部よりも冷却部の管路内径を大きくしたものが開示されている。このシステム構造では、温度によって変化する磁性流体の粘度が循環抵抗に与える影響を少なくして、磁性流体の循環効率を向上させることが可能である。また、特許文献2には、回転する磁石によって磁性流体を駆動することで熱を輸送するシステムが開示されている。
特開平1-12853号公報 特許第4336902号公報
しかしながら、特許文献1、2には、磁性流体の循環効率に重力が与える影響について言及されていない。また、回転する磁石で磁性流体を駆動する場合に、磁石の回転が止まると磁性流体の循環を阻害するおそれがある。
本発明は、磁性流体の粘度だけでなく重力を考慮した管路によって磁性流体の循環効率(熱輸送効率)を向上させることができるようにした装置と、磁石の回転が停止しても磁性流体を円滑に循環させることが可能な装置を提供する。
本発明の一側面としての装置は、発熱部と、冷却部と、発熱部と冷却部との間で磁性流体を循環させる管路と、磁性流体に磁場を印加する磁場発生部材とを有する。管路は、磁性流体が発熱部からの熱を受ける第1管路領域、該第1管路領域から前記冷却部へ向かう第2管路領域、磁性流体が冷却部により冷却される第3管路領域および冷却部から発熱部へ向かう第4管路領域を有する。第1から第4管路領域のうち磁性流体の流れ方向が重力方向に一致する管路領域内の磁性流体の体積が、流れ方向が重力方向に一致しない管路領域内の磁性流体の体積より大きいことを特徴とする。
また本発明の他の一側面としての装置は、発熱部と、冷却部と、発熱部と冷却部との間で磁性流体を循環させる管路と、磁性流体に磁場を印加する第1磁場発生部材と、磁性流体に磁場を印加し回転可能な第2磁場発生部材とを有する。第1磁場発生部材は、管路のうち冷却部よりも下流側かつ発熱部よりも上流側であって磁性流体の温度勾配が正の勾配となる管路領域で磁性流体に磁場を印加する。第2磁場発生部材は、管路のうち発熱部よりも下流側かつ冷却部よりも上流であって磁性流体の温度勾配の絶対値が上記正の勾配より小さい管路領域で磁性流体に磁場を印加することを特徴とする。なお、上記各装置は、撮像素子を発熱部に含む撮像装置であってもよい。
本発明によれば、磁性流体の粘度だけでなく重力を考慮した管路によって熱輸送効率を向上させることができる。また、磁石の回転が停止しても磁性流体を円滑に循環させることができる。
実施例のカメラと交換レンズを示す斜視図。 実施例のカメラと交換レンズの構成を示すブロック図。 実施例のカメラにおけるセンサ防振ユニットの構成を示す図。 実施例のカメラにおけるベースユニット、センサ防振ユニットおよびシャッタユニットの構成を示す図。 実施例のシャッタユニットの構成を示す図。 実施例のカメラにおける磁性流体熱輸送システムを示す図。 実施例1である磁性流体熱輸送システムを搭載したカメラを示す背面図。 実施例1である磁性流体熱輸送システムを搭載したカメラの斜視図および分解斜視図。 実施例1の変形例である磁性流体熱輸送システムを搭載したカメラを示す背面図。 実施例1の別の変形例である磁性流体熱輸送システムを搭載したカメラを示す背面図。 実施例2である磁性流体熱輸送システムを搭載したカメラおよび交換レンズの外観を示す図。 実施例2である磁性流体熱輸送システムの斜視図および部分拡大図。 実施例2の磁性流体熱輸送システムにおける冷却部の断面図および模式図。 実施例3である磁性流体熱輸送システムの斜視図。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1(a)~(c)は、交換レンズ102を着脱可能に装着可能な撮像装置としてのレンズ交換式デジタルカメラ(以下、単にカメラという)を示している。図1(a)は斜め前側(被写体側)から見たカメラ100と交換レンズ102を、図1(b)は斜め後側(背面側)から見たカメラ100を、図1(c)は交換レンズ102が取り外された状態のカメラ100を示している。
カメラ100の前面には、ユーザがカメラ100を把持するために前方に突出したフロントグリップ101が設けられている。カメラ100の前面中央には、交換レンズ102を着脱可能とするマウント部107が設けられている。
交換レンズ102の外周には、回転操作リング103が設けられている。回転操作リング103は、ユーザが交換レンズ102の光軸回りで回転操作可能である。ユーザは、回転操作リング103に焦点位置や露出値等の撮像条件を変更する機能を割り当てることができる。カメラ100の上面には、電源レバー104、モードダイアル105、レリーズボタン106が設けられている。電源レバー104は、ユーザの操作によってカメラ100の電源のオン/オフを切り替える操作部材である。モードダイアル105は、ユーザの回転操作によって撮像モードを切り替える操作部材である。撮像モードには、シャッタ速度や絞り値等の撮像条件をユーザが任意に設定可能なマニュアル静止画撮像モード、自動で適正な露光量が得られるオート静止画撮像モードおよび動画撮像を行うための動画撮像モード等がある。レリーズボタン106は、ユーザの押圧操作により撮像を指示する操作部材である。
カメラ100の背面には、背面操作部110と表示部111とが設けられている。カメラ100の電源がオンにされると、表示部111には、交換レンズ102により形成された被写体像を撮像(光電変換)した不図示の撮像素子からの撮像信号に対応するライブビュー画像が表示される。また、表示部111には、シャッタ速度や絞り値等の撮像パラメータが表示される。ユーザは、表示部111の表示を見ながら背面操作部110を操作することによって、撮像パラメータの設定値を変更することができる。また、背面操作部110は、記録された撮像画像の再生を指示するための再生ボタンやカメラ100の詳細設定画面へ移行するためのメニューボタンを含む。
カメラ100のマウント部107には、電気接点群108が設けられている。カメラ100は、電気接点群108を介して、マウント部107に装着された交換レンズ102と通信を行ったり交換レンズ102に電源供給を行ったりする。
図2は、カメラ100と交換レンズ102の電気的および光学的構成を示している。カメラ100は、カメラ100内の各部に電源を供給する電源部113を有し、また前述した電源レバー104、モードダイアル105、レリーズボタン106および背面操作部110を含む操作部114を有する。カメラ100および交換レンズ102からなるカメラシステム全体の制御は制御部115が行う。交換レンズ102は、前述した電気接点群108を介して制御部115と通信を行う。制御部115は、不図示のメモリに格納されている制御プログラムを読み出して実行することで、カメラシステム全体を制御する。
交換レンズ102は、光軸方向に移動して変倍を行うズームレンズを含むズームユニット116と、シフトレンズを含むレンズ防振ユニット118とを有する。シフトレンズは、光軸に直交する2方向(図1(a)、(b)中のX方向とY方向)に移動(シフト)して像振れを低減(補正)する。また、交換レンズ102は、光量調節機能を有する絞りユニット122と、光軸方向に移動して焦点調節を行うフォーカスレンズを含むフォーカスユニット124とを有する。
さらに、交換レンズ102は、回転操作リング103の回転を検出する回転検出部133を有する。制御部115は、回転操作リング103が操作されて回転検出部133を介して変倍の指示が入力されると、交換レンズ102に設けられたズーム駆動部117を介してズームユニット116の駆動を制御することで変倍を行わせる。
また、制御部115は、操作部114から受けた絞り値の設定値または画像処理部131から取得した輝度信号に応じて交換レンズ102に設けられた絞り駆動部123を介して絞りユニット122の駆動を制御する。さらに制御部115は、画像処理部131から取得した焦点信号に応じて交換レンズ102に設けられたフォーカス駆動部125を介してフォーカスユニット124の駆動を制御することでオートフォーカスを行う。
カメラ100には、ピッチ防振演算部121aとヨー防振演算部121bが設けられている。ピッチ防振演算部121aは、ピッチ振れ検出部120aからの振れ信号を用いてレンズ防振ユニット118(シフトレンズ)とセンサ防振ユニット130(撮像素子126)のY方向でのシフト位置を算出する。ヨー防振演算部121bは、ヨー振れ検出部120bからの振れ信号を用いてレンズ防振ユニット118とセンサ防振ユニット130のX方向でのシフト位置を算出する。カメラ100には、センサ防振ユニット130を駆動するセンサ駆動部127が設けられている。交換レンズ102には、レンズ防振ユニット118を駆動する防振駆動部119が設けられている。制御部115は、ピッチおよびヨー防振演算部121a,121bが算出したピッチ/ヨー方向のシフト位置に応じて、防振駆動部119とセンサ駆動部127を介してレンズ防振ユニット118とセンサ防振ユニット130のシフト位置を制御する。これにより、像振れを補正する防振動作が行われる。
カメラ100には、フォーカルプレーンシャッタユニット(以下、単にシャッタユニットという)300と、これを駆動するシャッタ駆動部301とを有する。制御部115は、レリーズボタン106おける撮像指示操作に応じて、シャッタ駆動部301を介してシャッタユニット300の駆動を制御する。これにより、交換レンズ102により形成された被写体像が撮像素子126上に形成され、撮像素子126はその光電変換機能により撮像信号を生成して出力する。画像処理部131は、撮像信号に対して各種画像処理を行って画像データを生成する。画像データのうち記録用の撮像画像のデータは、半導体メモリ等により構成される記憶部132に記憶される。また、表示部111は、画像信号に対応するライブビュー画像を表示したり、記憶部132にデータとして記録された撮像画像を再生表示したりする。
図3(a)~(c)は、センサ防振ユニット130の構成を示している。図3(a)は前側から見たセンサ防振ユニット130を示している。センサ防振ユニット130は、固定部200と可動部250を有する。図3(b)はセンサ防振ユニット130の固定部200を分解して示す。図3(c)は、センサ防振ユニット130の可動部250を分解して示している。
固定部200はベースプレート201を有し、ベースプレート201には磁石202a、202b、202cが固定されている。ベースプレート201と後述する可動部250の保持枠251との間には、これらの間に挟持されるボール203a、203b、203cが配置されている。固定部200は、後述するベースユニット140(図4参照)に固定される。
ベースプレート201は、スペーサ204a、204b、204cを取り付けるための取り付け穴部を備えている。スペーサ204a、204b、204cは、その一方の端部にフロントヨーク205が固定され、他方の端部にリアヨーク206が固定される。ベースプレート201とフロントヨーク205の間にできる空間には、可動部250が図中のXY平面内で移動(シフト)可能に保持されている。
磁石202a、202b、202cはそれぞれ、光軸方向(Z方向)に磁束密度が生じるように着磁されており、フロントヨーク205とリアヨーク206の間でそれぞれに対向する位置に配置される。したがって、フロントヨーク205と磁石202a、202b、202cとリアヨーク206は磁気回路(閉磁路)を形成している。フロントヨーク205とリアヨーク206は、磁石202a、202b、202cの磁力によって吸引されている。
可動部250は、保持枠251を有する。保持枠251は、撮像素子126、コイル252a、252b、252cおよび光学フィルタ253を保持する。コイル252a、252b、252cはそれぞれ、固定部200の磁石202a、202b、202cと対向する位置に配置される。コイル252a、252b、252cには、コイル用基板254が電気的に接続されている。
コイル用基板254は、不図示の位置検出素子を備えている。位置検出素子としては、前述した磁気回路を利用して可動部250の位置を検出するホール素子が用いられている。また、コイル用基板254は、不図示の主基板に接続されている。
コイル252a、252b、252cとコイル用基板254と位置検出素子(ホール素子)は前述したセンサ駆動部127に含まれており、主基板には前述した制御部115を構成するCPU等のチップが実装されている。制御部115からの制御信号を受けたセンサ駆動部127がコイル252a、252b、252cに通電すると、フレミングの左手の法則に従う力が発生して、可動部250がXY面内でシフト駆動され、防振動作が行われる。
撮像素子126は、不図示のフレキシブルプリント基板(FPC)を介して主基板と接続されている。
光学フィルタ253は、フィルタ保持枠255に保持されている。光学フィルタ253は、撮像素子126の有効画素領域よりも広い範囲を覆う矩形の形状を有する。フィルタ保持枠255は、保持枠251に固定されている。
図4は、カメラ100を構成するベースユニット140、センサ防振ユニット130およびシャッタユニット300を示す。センサ防振ユニット130の固定部200は、ベースユニット140に固定される。
シャッタユニット300は、ベースユニット140とセンサ防振ユニット130との間にZ方向にて重なり合うように配置される。ベースユニット140は、不図示の外装カバーを固定するベース部材を備える。ベース部材の正面部から側面部にかけて、表層に弾性を有しユーザが把持するためのフロントグリップ101が両面テープ等で固定されている。
次に、シャッタユニット300について説明する。シャッタユニット300は、羽根部、羽根駆動部およびシャッタ制御部を有する。
まず、羽根部について説明する。図5(a)は、前側から見たシャッタユニット300を分解して示している。302はシャッタ地板、303は仕切り板、304はカバー板、307a~307cはスペーサである。シャッタ地板302、仕切り板303およびカバー板304には、交換レンズ102からの光束が通過するアパーチャ302a、303a、304aが形成されている。
305は先羽根群、306は後羽根群であり、それぞれ複数の遮光羽根と、これら遮光羽根を回転可能に支持する2つの回動アーム等により構成される。シャッタ地板302とカバー板304との間には、仕切り板303とスペーサ307a~307cにより2つの羽根室が形成され、一方の羽根室内に先羽根群305が、他方の羽根室内に後羽根群306が配置される。撮像素子126の露光時には、先羽根群305はアパーチャを閉じる位置から開く方向に走行し、後羽根群306はアパーチャを開く位置から閉じる方向に走行する。
羽根駆動部について説明する。図5(b)は、撮像素子側から見たシャッタユニット300を分解して示している。308は上地板、309はシャッタ制御部、310は先羽根駆動レバーユニット、311は後羽根駆動レバーユニットである。露光時には、不図示のコンデンサからシャッタ制御部309のコイルに電流が流れる。これにより、先羽根駆動レバーユニット310と後羽根駆動レバーユニット311が駆動され、先羽根群305と後羽根群306が走行駆動される。
シャッタ制御部309について説明する。図5(c)は、前側から見たシャッタ制御部309を分解して示している。312はMG地板である。
313は先MGカムユニットであり、先マグネット313a、先カラー313b、先MG戻しばね313cおよび先MGカム313dで構成されている。先マグネット313aは、円形の永久磁石である。先MG戻しばね313cは、先MGカム313dの外周に組み付けられる。この後、先MG戻しばね313cが先マグネット313aと接触することを避けるために、フランジ部が設けられた先カラー313bが先MGカム313dに組み付けられる。さらに、先マグネット313aが先MGカム313dの外周に圧入接着される。このように組み立てられた先MGカムユニット313は、MG地板312の第1軸部に回転可能に取り付けられる。
314は先ヨークであり、先マグネット313aの直径より大きい内径の穴部314aを有する。315は先コイルであり、先ヨーク314に取り付けられる。MG地板312に組み付けられたとき、先マグネット313aは先ヨーク314の穴部314a内に配置される。
先MGカムユニット313は、先MG戻しばね313cによって前側から見て時計回り方向に付勢されている。先MGカム313dが上地板308の第1ストッパ部に当接することで、先MGカムユニット313はセット位置に停止する。
316は後MGカムユニットであり、後マグネット316a、後カラー316b、後MG戻しばね316cおよび後MGカム316dにより構成されている。後マグネット316aは、円形の永久磁石である。後MG戻しばね316cは、後MGカム316dの外周に組み付けられる。この後、後MG戻しばね316cが後マグネット316aと接触することを避けるために、フランジ部が設けられた後カラー316bが後MGカム316dに組み付けられる。さらに、後マグネット316aが後MGカム316dの外周に圧入接着される。このように組み立てられた後MGカムユニット316は、MG地板312の第2軸部に回転可能に取り付けられる。
317は後ヨークであり、後マグネット316aの直径より大きい内径の穴部317aを有する。318は後コイルであり、後ヨーク317に取り付けられる。MG地板312に組み付けられたとき、後マグネット316aは後ヨーク317の穴部317a内に配置される。
後MGカムユニット316は、後MG戻しばね316cによって前側から見て時計回り方向に付勢されている。後MGカム316dが上地板308の第2ストッパ部に当接することで、後MGカムユニット316はセット位置に停止する。
コイル315とコイル318は、不図示のフレキシブル基板を介して主基板に接続されている。前述したように不図示のコンデンサからコイル315とコイル318に電流が流れると、先羽根駆動レバーユニット310と後羽根駆動レバーユニット311が駆動され、先羽根群305と後羽根群306が走行駆動される。
次に、図6を用いて、カメラ100に設けられる磁性流体熱輸送システム400について説明する。図6は、磁性流体熱輸送システム400の構成を模式的に示している。図6において、401は磁性流体、402は内部を磁性流体401が循環するように流れる循環管路、403は磁石等の磁場発生部材、404は発熱部、405は冷却部をそれぞれ示す。また、402aは循環管路402のうち磁場発生部材403により発生した磁場が印加される磁場作用部、402bは磁場作用部402a内において発熱部404からの熱を受ける受熱部をそれぞれ示す。402cは磁場作用部402a内において発熱部404からの熱を受けない非受熱部を示す。さらに、点線で囲まれた407は、磁場発生部材403、発熱部404および磁場作用部402aを含む動力変換部を示す。
矢印408a、408bは、循環管路402の受熱部402bと非受熱部402c内の磁性流体401に作用する磁気体積力の代表的な向きと大きさを示す。矢印408は、それらの力の合力としての駆動力を示す。他の矢印は、循環管路402内における磁性流体401の流れの方向を示す。
磁性流体熱輸送システム400は、動力変換部407において発熱部404の熱エネルギを磁性流体の運動エネルギに変換する。発熱部404に冷却対象となる電子部品(例えば、カメラ100の撮像素子126)を用いると、その熱によって磁性流体を循環させ、冷却部405に熱を輸送して冷却する、自己循環式の液冷システムとなる。この液冷システムは、磁場発生部材403として永久磁石を用いれば電源を必要としないために省電力であり、余分な熱を発生しないという特徴を有する。
磁性流体熱輸送システム400の原理は、以下の通りである。磁性流体401を満たした循環管路402の一部に磁場作用部402aを設け、その内部の磁性流体401に磁場発生部材403により発生した磁場を印加する。この際、磁場作用部402aのおよそ半々の2つの領域の一方を受熱部402bとし、他方を非受熱部402cとして、これらの領域で管路方向に沿って互いに対向する向きの磁場が発生するようにする。すなわち、それぞれの領域における磁場の向きが、内部の磁性流体401が他方の領域の側に引き付けられる力(管路方向の磁気体積力408a、408b)を受ける向きになるようにする。
このような構成において、受熱部402bに対して発熱部404により熱を印加し、内部の磁性流体401の温度を上昇させると、磁性流体401の磁性がその感温性により弱まるため、磁場から受ける磁気体積力408aも弱まる。これにより、受熱部402b内の磁性流体401と非受熱部402c内の磁性流体401との間の磁気体積力の平衡が崩れるため、非受熱部402cから受熱部402bに向かって磁性流体401が移動する力(駆動力408)が発生する。以上の原理によって磁性流体401が循環管路402内を循環するように流れ、受熱部402bで受けた熱を冷却部405に輸送する。
磁性流体401としては、水や油等の母液中にマグネタイトやマンガン亜鉛フェライト等の強磁性微粒子を分散させたものを用いることができる。
循環管路402を構成するチューブまたはパイプは、内部に磁場が作用するように、樹脂、ゴム、銅、アルミ等の非磁性材料を用いて形成することが望ましい。また、動力変換効率を高めるためには、受熱部402bにおいて磁性流体401にできるだけ熱を伝え、非受熱部402cにおいて磁性流体401になるべく熱を伝えないことが望ましい。このため、循環管路402を部分的に材質を変えて複数の部品で構成してもよい。例えば、受熱部402bを熱伝導率が高い銅製とし、非受熱部402cを熱伝導率が低いナイロン製にしてもよい。
磁場発生部材403としては、永久磁石が好ましく、例えば、高い密度の磁束を発生するネオジム磁石を用いることが好ましい。この場合、管路方向(流れ方向)の磁場が強くなるように鉄等により形成されたヨークを組み合わせてもよし、複数の磁場発生部材403を設けてもよい。また、磁場発生部材403として、通電により磁場を発生し、磁場の強さやオン/オフを制御し易い電磁石を用いてもよい。さらに、磁場発生部材403として、通電により磁場を発生するコイルを用いてもよい。
発熱部404は、前述したように電子部品等の冷却対象そのものである。ただし、例えば、金属製のスリーブやグラファイトシートのような熱伝導部材の一端をチューブまたはパイプを囲むように接続したうえで、他端を冷却対象と接続して、冷却対象の熱を間接的に受熱部402cに伝える構成としてもよい。
冷却部405は、発熱部404からの熱で高温となって受熱部402bから流れてくる磁性流体401の温度を下げて、非受熱部402cへ戻すために設けられている。冷却部405としては、例えば、循環管路402の途中に組み込んだラジエータや、循環管路402の一部に取り付けた冷却フィンを用いることができる。また、循環管路402自体をファンからの冷却風や他の冷媒中に配置して冷却部405を構成してもよい。
図7および図8は、カメラ100への磁性流体熱輸送システム400の搭載例としての実施例1を示している。図7はZ方向から見た、磁性流体熱輸送システム400を搭載したカメラ100を示している。図8(a)は斜め後側から見た同カメラ100を示しており、図8(b)は同カメラ100を分解して示している。
本実施例では、図6中の発熱部404は撮像素子126、冷却部405はフロントグリップ101、磁場発生部材403はシャッタユニット300の後マグネット316aである。循環管路402は、磁場発生部材403(後マグネット316a)に対してZ方向にて互いに重畳するように設けられている。
循環管路402のうち、撮像素子126に熱的に接続された(発熱部404からの熱を受ける)領域を第1管路領域411とし、撮像素子126から冷却部405へ向かう領域を第2管路領域412とする。また、冷却部405に熱的に接続された(冷却部405により冷却される)領域を第3管路領域413とし、冷却部405から撮像素子126へ向かう領域を第4管路領域414とする。
図7において、カメラ100に重力が作用する方向(重力方向)を-Y方向とするとき、矢印で示すように、第1管路領域411内の磁性流体は-Y方向に流れ、第2管路領域412内の磁性流体は-X方向に流れる。また、第3管路領域413内の磁性流体は+Y方向に流れ、第4管路領域414内の磁性流体は+X方向に流れる。
第1管路領域411を流れる磁性流体は、その流れ方向が重力方向に一致している。そして、第1管路領域411の管路内体積(つまりは第1管路領域411内の磁性流体の体積)は、第2管路領域412、第3管路領域413および第4管路領域414のいずれの管路領域の管路内体積よりも大きい。このため、磁性流体401に対して重力が与える影響は、循環に抵抗する成分より循環を補助する成分の方が大きい。このように本実施例では、磁性流体の流れ方向が重力方向に一致する第1管路領域411内における磁性流体の体積を、重力方向と流れ方向とが一致しない他の管路領域412~414内の磁性流体の体積より大きくしている。
また、磁性流体は温度が高くなるほど粘度が低下し、温度が低くなるほど粘度が増す特性を有する。このため、第4管路領域414を流れる磁性流体の粘度は第2管路領域412を流れる磁性流体の粘度よりも大きく、同様に流動抵抗が大きい。このため、第4管路領域414の磁性流体の流れ方向に直交する断面積を、第2管路領域412の同流れ方向に直交する断面積より大きくしている。これにより、第4管路領域414の管路内体積が第2管路領域412の管路内体積より大きくなり、第4管路領域414を流れる磁性流体の体積が第2管路領域412を流れる磁性流体の体積よりも大きくなる。このため、磁性流体の流動抵抗が相殺され、磁性流体を円滑に循環させることができる。
さらに、第1から第4管路領域411~414のそれぞれにおいて、途中で管路断面積を変化させてもよい。この場合、各管路領域内の磁性流体の温度分布に応じて、管路断面積、すなわち流れている磁性流体の体積を変化させることで、循環管路402の全体の流量と流速を良好に調整することが可能となる。例えば、第2管路領域412内では、第1管路領域411近傍の磁性流体の温度が第3管路領域413近傍の磁性流体の温度より高いため、第1管路領域411から第3管路領域413へ向かって徐々に管路断面積を大きくすることが好ましい。
また、第4管路領域414と後マグネット316aとが重なる方向(Z方向)から見たときの第4管路領域414の管路幅(磁性流体の流れ方向に直交する方向の幅)Hは、後マグネット316aの同方向での幅(直径)D以上であること、すなわち、
H≧D
であることが好ましい。これは、後マグネット316aが発生する磁場の影響を受ける磁性流体の体積がH<Dの場合に比べて大きく、磁性流体の循環効率が高くなるためである。
さらに、第1管路領域411と第3管路領域413は、それぞれのXY面への投影面積が第2管路領域412と第4管路領域414のいずれのXY面への投影面積よりも大きく、広範囲で発熱部404と冷却部405に接触している。このため、循環管路402の外部から循環管路402への熱輸送効率が高い。すなわち、磁性流体への熱輸送効率が高い。しかも、循環管路402の外部との熱輸送効率が高いため、第1管路領域411と第4管路領域414の温度差が大きくなり、磁性流体の循環効率が高くなる。
(変形例1)
図9は、実施例1の変形例としての磁性流体熱輸送システムを搭載したカメラを示している。この変形例では、第2管路領域412と第4管路領域414がそれぞれ、それらの内部での磁性流体の流れ方向が重力方向成分を含むように、すなわち下流側ほど-Y方向に位置するようにX方向に対して傾斜している。このとき、第2管路領域412内と第4管路領域414内を流れる磁性流体の流れが重力によって補助されるため、磁性流体の循環効率が高くなる。
(変形例2)
図10は、実施例1の別の変形例としての磁性流体熱輸送システムを搭載したカメラを示している。この変形例では、第2管路領域412の上流側部分が変形例1と同様に下流側ほど-Y方向に位置するようにX方向に対して傾斜しており、さらに下流側部分が+Y方向に延びている。また、第3管路領域413が-Y方向に延びており、第4管路領域414の上流側部分が下流側ほど+Y方向に位置するようにX方向に対して傾斜している。第4管路領域414の下流側部分は、+X方向に延びている。このとき、循環管路402のうち最も管路内体積が大きい第1管路領域411内と次に管路内体積が大きい第3管路領域413内での磁性流体の流れ方向が重力方向に一致する。このため、磁性流体が重力による循環補助を高効率で受けることができ、循環効率が高くなる。
さらに、カメラ100の姿勢が+X方向が重力方向となるように変更された場合には、第4管路領域414の上流側部分での流れ方向が重力方向成分を含み、下流側部分での流れ方向が重力方向に一致する。第4管路領域414の管路内体積は第2管路領域412の管路内体積より大きいため、循環管路402内での重力の影響の和は磁性流体の循環方向に正となる。この結果、磁性流体の循環効率を高めることができる。
実施例1および変形例1、2のいずれにおいても、第1から第4管路領域411~414のXY面への投影面積は、第2管路領域412が最も小さく、第4管路領域414は第2管路領域412より大きい。また、上記投影面積は、第3管路領域413は第4管路領域414より大きく、第1管路領域411が最も大きい。また、管路内体積についても同様の順で大きい。
なお、第1から第4管路領域411~414はそれぞれ、複数の管路により構成されてもよいし、循環管路402内での磁性流体の流れ方向は、上述した流れ方向と逆であってもよい。
図11は、実施例2である磁性流体熱輸送システムを搭載したカメラ600を示している。カメラ600は、ユーザが把持するフロントグリップ601を有し、その側面には吸気口としての側面スリット部600aが設けられている。また、カメラ600の不図示の底面には、排気口としての底面スリット部が設けられている。側面スリット部600aから吸い込まれた空気は、カメラ600内の不図示の流路を通って冷却部に到達し、その後、底面スリット部から排出される。
図12(a)は、カメラ600内に配置された磁性流体熱輸送システム602を示している。磁性流体熱輸送システム602は、磁性流体が内部を循環する循環管路603と、第1磁場発生部材である第1磁石605と、第2磁場発生部材である第2磁石606と、発熱部607と、冷却部608とを有する。
発熱部607は、図3(a)~(c)を用いて説明した、撮像素子126を搭載したセンサ防振ユニット130である。熱源は撮像素子126であるが、撮像素子126から発せられた熱はセンサ防振ユニット130全体に伝達し、センサ防振ユニット130のベースプレート201も熱を蓄える。このため、センサ防振ユニット130全体が発熱部607となる。循環管路603は、不図示の熱伝導部材を介してベースプレート201と熱的に接続されることで、センサ防振ユニット130(撮像素子126)の熱を磁性流体に伝達することができる。循環管路603は、非磁性であって、流路抵抗が低く、熱伝導率が高い材料により形成されることが望ましい。
本実施例では、第1磁石605として、センサ防振ユニット130に搭載された磁石202aを用いている。循環管路603のうち第1磁石605に近接(対向)する部分は、第1磁石605とリアヨーク206に設けられた凹部との間を通っている。図12(b)は、第1磁石605と循環管路603の一部を拡大して示している。なお、図12(b)ではリアヨーク206の図示を省略している。
第2磁石606は、Y方向に延びる軸回りで回転可能に保持されている。冷却部608は、フロントグリップ601の内側に配置されている。
図12(a)において、第1磁石605は、発熱部607と冷却部608の間、すなわち発熱部607よりも上流側において循環管路603に対向するように配置されている。第1磁石605が発生する磁場によって、循環管路603内の磁性流体は、図12(a)に示す矢印A方向(+X方向から-X方向)に循環管路603内を循環するように流れる。循環管路603は、第1磁石605、発熱部607、第2磁石606、冷却部608および第1磁石605の位置をこの順で磁性流体が辿るように配置されている。
循環管路603内の磁性流体は、第1磁石605の位置を基準として下流側である発熱部607側で発熱部607からの熱により温められるために高い温度となり、上流側である冷却部608側で冷却部608により冷却されるために低い温度となる。つまり、第1磁石605付近の循環管路603内の磁性流体の温度勾配は、磁性流体の流れ方向において正の(下流側に向かって温度が高くなる)勾配となる。
なお、本実施例では、第1磁石605はセンサ防振ユニット130の固定部200に搭載される磁石202aであるが、他の磁石や電磁石等を磁場発生部材として用いてもよい。
前述したように、循環管路603のうち第1磁石605と対向する部分は、第1磁石605とリアヨーク206との間に配置されている。第1磁石605とリアヨーク206とが対向する範囲では、リアヨーク206が第1磁石605の磁場をより集めるために磁束密度が上がる。このため、この範囲を流れる磁性流体への引力が強くなり、磁性流体の流動効率が良くなる。
図13(a)は、冷却部608のXY断面を示している。冷却部608は、フィン608bと、フィン608b内に配置されたファン608aとを備えている。ファン608aは、フィン608bに固定されたモータ604によって回転駆動され、前述した側面スリット部600aから図中に破線矢印で示すように外部の空気をフィン608b内に流入させ、前述した底面スリット部から流出させる。フィン608bは、不図示の熱伝導部材を介して循環管路603と熱的に接続されている。このため、フィン608b内を通過する空気によって循環管路603内の磁性流体の熱が吸収され、磁性流体が冷却される。なお、図13(a)の図中の破線矢印は空気の経路を示している。
モータ604の回転軸のうちファン608aが固定された側とは反対側の部分には、第2磁石606が固定されている。第2磁石606は、第2磁石606から発生する磁場の方向が循環管路603へ向くように配置されている。モータ604は、ブラシレスモータであってもよく、この場合、ブラシレスモータの回転子である磁石を外部に延出させて第2磁石606として用いてもよい。
図13(b)、(c)は、循環管路603とこれに近接する第2磁石606を拡大して示している。第2磁石606は、そこから発生する磁場の方向Jが図13(b)に示すように循環管路603の上流側を向く状態から図13(c)に示すように下流側を向く状態へと回転する。このとき、第2磁石606側に引き付けられている磁性流体は、第2磁石606の回転によって矢印A方向に流れる力を受ける。つまり、第2磁石606の回転方向を、磁性流体に矢印A方向(循環管路内を循環する方向)に流れる力を与える方向とすることで、磁性流体401の流動を補助することができる。
また、図13(b)、(c)には、循環管路603を挟んで第2磁石606とは反対側にヨーク609を設けている。ヨーク609を設けることで、第2磁石606からの磁場をより効率良く集めて、第2磁石606の回転による磁性流体の流動補助効果を高めることができる。
循環管路603は、第2磁石606の回転により磁性流体の流動が補助される区間を通り過ぎた後、前述したように冷却部608のフィン608bと熱的に接続される。つまり、第2磁石606付近の磁性流体の温度勾配は、その流れ方向(矢印A方向)においてほぼ0となっている。すなわち、温度勾配の絶対値が前述した正の勾配より小さくなっている。また、循環管路603と冷却部608が熱的に接続される箇所は、ヨーク609が循環管路603と対向する範囲よりも下流側である。このため、第2磁石606の回転が磁性流体の流動を補助する区間においては、磁性流体がほとんど冷却されない構成となっている。
第1磁石605と第2磁石606が発生する磁束の密度は、第1磁石605の方が高いことが望ましい。これにより、カメラ600の電源がオフされる等して第2磁石606の回転が停止しても、第1磁石605が発生する磁場により磁性流体に与えられる流れの力が第2磁石606による流れを阻害する力より強い関係として、磁性流体を円滑に循環させることができる。
以上説明したように、回転可能な第2磁石606を循環管路603のうち磁性流体の温度勾配がほぼ0となる位置に配置することで、ファン608aと第2磁石606の回転が停止しても効率良く発熱部607の熱を冷却部608に輸送することが可能となる。また、撮像素子126を磁性流体を用いた熱輸送システムによって冷却することで、撮像素子126の温度上昇による撮像の制限を緩和することができる。
なお、発熱部607と冷却部608の温度差を利用してペルチェ素子により発電を行い、その電力で冷却部608のファン608aを回転駆動してもよい。また、カメラ600の電源がオフされた後も、発熱部607と冷却部608に温度差がある間はペルチェ素子による発電によってファン608aによる冷却を継続させてもよい。
図14は、実施例3である磁性流体熱輸送システム700を示している。本実施例の磁性流体熱輸送システム700も、図6に示したカメラ600に搭載されている。本実施例において、実施例2と同じ構成要素には実施例2と同符号を付している。
磁性流体熱輸送システム700は、磁性流体が内部を循環する循環管路701と、第1磁石605と、第2磁石606と、発熱部607と、冷却部608とを有する。本実施例でも、発熱部607は、撮像素子126を搭載したセンサ防振ユニット130である。また、第1磁石605として、センサ防振ユニット130に搭載された磁石202aを用いている。第2磁石606は、Y方向に延びる軸回りで回転可能に保持されている。冷却部608は、図6に示したフロントグリップ601の内側に配置されている。
図14において、第1磁石605は、発熱部607と冷却部608の間に配置されている。第1磁石605が発生する磁場によって、循環管路701内の磁性流体は、矢印A方向(+X方向から-X方向)に循環管路701内を循環するように流れる。循環管路701は、第1磁石605、発熱部607、第2磁石606、冷却部608および第1磁石605の位置をこの順で磁性流体が辿るように配置されている。
循環管路701は、発熱部607に熱的に接続された(発熱部607からの熱を受ける)第1管路領域701aと、発熱部607から冷却部608へ向かう第2管路領域701bとを有する。さらに循環管路701は、冷却部608に熱的に接続された(冷却部608により冷却される)第3管路領域701cと、冷却部608から発熱部607へ向かう第4管路領域701dとを有する。
第1磁石605は、第4管路領域701dのうち第1管路領域701aの直前の部分に近接(対向)するように配置されている。このため、磁性流体は、第1磁石605が発生する磁場により、第4管路領域701d内を+X方向に流れる力を受ける。
カメラを正姿勢とすると、第3管路領域701c内での磁性流体の流れ方向である-Y方向と重力方向Gとが一致する。また、第3管路領域701cの管路内体積は、他の管路領域701a、701b、701dの管路内体積より大きい。このため、第3管路領域701cにおいて重力が磁性流体の流動を補助する作用が、他の管路領域701a、701b、701dにおいて重力が磁性流体の流動の抵抗となる作用より大きい。また、低温で粘度が高い磁性流体が流れる第4管路領域701dの管路内体積は、高温で粘度の低い磁性流体が流れる第2管路領域701bの管路内体積よりも大きい。より粘度が高い磁性流体が流れる第4管路領域701dの管路内体積がより大きいことで、磁性流体の粘度による流動抵抗を緩和することができる。
第2磁石606は、第2管路領域701bのうち第3管路領域701cの直前の部分に近接(対向)するように配置されている。実施例2で説明したように、第2磁石606は回転することで磁性流体の流動を補助しており、第2磁石606の回転が停止すると磁性流体の流動を阻害する要因となる。第2磁石606が対向する第2管路領域701bの管路内体積は、第1磁石605が対向する第4管路領域701dの管路内体積よりも小さい。また、第2磁石606が発生する磁束の密度は、第1磁石605が発生する磁束の密度よりも低い。これにより、第1磁石605が発生する磁場によって磁性流体を流動させる力の方が、回転を停止した第2磁石606によって磁性流体の流動を阻害する力よりも強くなる。このため、カメラの電源のオフ等で第2磁石606の回転が停止しても、磁性流体を円滑に流動させることができる。
さらに本実施例でも、実施例2と同様に、回転可能な第2磁石606を循環管路603のうち磁性流体の温度勾配がほぼ0となる位置に配置している。これにより、第2磁石606の回転が停止しても効率良く発熱部607の熱を冷却部608に輸送することが可能となる。
なお、上記各実施例では、カメラに搭載される磁性流体熱輸送システムについて説明したが、各実施例と同様の構成を有する磁性流体熱輸送システムをカメラ以外の電子機器その他の装置に搭載してもよい。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
100、600 カメラ
126 撮像素子
130 センサ防振ユニット
202a(605) 磁石(第1磁石)
300 シャッタユニット
316a 後マグネット
400、602、700 磁性流体熱輸送システム
401 磁性流体
402、603、701 循環管路
402b 受熱部
402c 非受熱部
403 磁場発生部材
404,607 発熱部
405,608 冷却部
411,701a 第1管路領域
412,701b 第2管路領域
413,701c 第3管路領域
414,701d 第4管路領域
606 第2磁石

Claims (14)

  1. 発熱部と、冷却部と、前記発熱部と前記冷却部との間で磁性流体を循環させる管路と、前記磁性流体に磁場を印加する磁場発生部材とを有する装置であって、
    前記管路は、前記磁性流体が前記発熱部からの熱を受ける第1管路領域、該第1管路領域から前記冷却部へ向かう第2管路領域、前記磁性流体が前記冷却部により冷却される第3管路領域および前記冷却部から前記発熱部へ向かう第4管路領域を有し、
    前記第1から第4管路領域のうち前記磁性流体の流れ方向が重力方向に一致する管路領域内の前記磁性流体の体積が、前記流れ方向が前記重力方向に一致しない管路領域内の前記磁性流体の体積より大きいことを特徴とする装置。
  2. 前記第4管路領域の前記流れ方向に直交する断面積が、前記第2管路領域の前記流れ方向に直交する断面積より大きいことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記第4管路領域を前記磁場発生部材と重なる方向から見たときの該第4管路領域の前記流れ方向に直交する方向の幅が、前記磁場発生部材の同方向の幅以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記第1管路領域および前記第3管路領域のうち少なくとも一方の前記流れ方向に直交する方向での幅が、前記第2管路領域および前記第4管路領域のうち少なくとも一方の同方向での幅よりも大きいことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記第2管路領域および前記第4管路領域のうち少なくとも一方における少なくとも一部が、下流側ほど前記重力方向に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記第1管路領域および前記第3管路領域における前記流れ方向が、前記重力方向に一致することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 発熱部と、冷却部と、前記発熱部と前記冷却部との間で磁性流体を循環させる管路と、 前記磁性流体に磁場を印加する第1磁場発生部材と、前記磁性流体に磁場を印加し回転可能な第2磁場発生部材とを有する装置であって、
    前記第1磁場発生部材は、前記管路のうち前記冷却部よりも下流側かつ前記発熱部よりも上流側であって前記磁性流体の温度勾配が正の勾配となる管路領域で前記磁性流体に磁場を印加し、
    前記第2磁場発生部材は、前記管路のうち前記発熱部よりも下流側かつ前記冷却部よりも上流であって前記磁性流体の温度勾配の絶対値が前記正の勾配より小さい管路領域で前記磁性流体に磁場を印加することを特徴とする装置。
  8. 前記第1磁場発生部材が発生する磁束の密度は、前記第2磁場発生部材が発生する磁束の密度よりも大きいことを特徴とする請求項7に記載の装置。
  9. 前記第2磁場発生部材は、前記磁性流体に前記管路内を循環する方向に流れる力を与える方向に回転することを特徴とする請求項7または8に記載の装置。
  10. 前記冷却部は、ファンの回転によって流れる空気により前記磁性流体を冷却し、
    前記第2磁場発生部材は、前記ファンを駆動するモータにより回転駆動されることを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の装置。
  11. 前記モータは、ブラシレスモータであり、
    前記第2磁場発生部材は、前記ブラシレスモータの回転子であることを特徴とする請求項10に記載の装置。
  12. 前記管路は、前記磁性流体が前記発熱部からの熱を受ける第1管路領域、該第1管路領域から前記冷却部へ向かう第2管路領域、前記磁性流体が前記冷却部により冷却される第3管路領域および前記冷却部から前記発熱部へ向かう第4管路領域を有し、
    前記第1磁場発生部材は、前記第4管路領域で前記磁性流体に磁場を印加し、
    前記第2磁場発生部材は、前記第2管路領域で前記磁性流体に磁場を印加し、
    前記第1から第4管路領域のうち前記磁性流体の流れ方向が重力方向に一致する管路領域内における前記磁性流体の体積が、前記流れ方向が前記重力方向に一致しない管路領域内における前記磁性流体の体積より大きいことを特徴とする請求項7から11のいずれか一項に記載の装置。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載の装置であって、
    前記発熱部は、被写体像を撮像する撮像素子を含むことを特徴とする撮像装置。
  14. 前記第1磁場発生部材は、前記撮像素子を移動させて防振を行うために設けられた磁石であることを特徴とする請求項13に記載の撮像装置。
JP2021021461A 2021-02-15 2021-02-15 磁性流体熱輸送システムを有する装置および撮像装置 Pending JP2022123972A (ja)

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