JP2022123498A - リチウムイオン電池用部材の製造方法及び製造装置 - Google Patents

リチウムイオン電池用部材の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

Figure 2022123498000001
【課題】リチウムイオン電池の製造効率の向上を図りながら、集電体への枠体の取り付けの精度を担保することができるリチウムイオン電池用部材の製造方法及び製造装置を提供すること。
【解決手段】帯状のフィルムに対して複数の枠体を取り付けた転写シートを製造する第1工程と、帯状の集電体に対して前記転写シートから複数の前記枠体を順次転写することにより、前記帯状の集電体を所定単位ごとに分割して形成される集電体層と当該集電体層の縁部に設けられる前記枠体とを含むリチウムイオン電池用部材が複数連なった部材シートを製造する第2工程とを含む、リチウムイオン電池用部材の製造方法。
【選択図】図7

Description

本発明は、リチウムイオン電池用部材の製造方法及び製造装置に関する。
リチウムイオン電池は高容量の二次電池であり、近年様々な用途で使用されている。例えば、リチウムイオン電池は、集電体層、活物質層及びセパレータを積層したリチウムイオン単電池を複数用いて構成される。このようなリチウムイオン単電池においては、内部に電解液を封入するため、集電体層の縁部に枠体が設けられる。
特開2019-207750号公報 特開2010-129643号公報
リチウムイオン単電池の製造工程は枚葉に実施することができる。例えば、特許文献1に記載されているように、集電体と、スクリーン印刷やノズルからの吐出、射出成形等の手法によって成形した枠体とを、基台を介して枚葉に組み合わせていくことが可能である。しかしながら、このような枚葉の手法は一般に時間がかかり、製造効率として高いとは言えない。また、特許文献1に記載された手法とは別の手法として、集電体への枠体の取り付けを連続的に行なうことも考えられる。例えば、集電帯を帯状に形成してロールとし、ロールから帯状の集電体を引き出しつつ、移動する帯状の集電体の上に枠体を順次取りつけていくことが考えられる。しかしながら、移動する集電体の上の適切な位置に対して枠体を1つ1つ取り付けていくことは容易でなく、また、精度を担保することが難しい。本発明はこのような課題を鑑みてなされたものであり、リチウムイオン電池の製造効率の向上を図りながら、集電体への枠体の取り付けの精度を担保することができるリチウムイオン電池用部材の製造方法及び製造装置の提供を目的とする。
本発明は、帯状のフィルムに対して複数の枠体を取り付けた転写シートを製造する第1工程と、帯状の集電体に対して前記転写シートから複数の前記枠体を順次転写することにより、前記帯状の集電体を所定単位ごとに分割して形成される集電体層と当該集電体層の縁部に設けられる前記枠体とを含むリチウムイオン電池用部材が複数連なった部材シートを製造する第2工程とを含む、リチウムイオン電池用部材の製造方法である。或いは、本発明は、帯状のフィルムに対して複数の枠体を取り付けた転写シートから、帯状の集電体に対して複数の前記枠体を順次転写することにより、前記帯状の集電体を所定単位ごとに分割して形成される集電体層と当該集電体層の縁部に設けられる前記枠体とを含むリチウムイオン電池用部材が複数連なった部材シートを製造する部材シート製造部を備える、リチウムイオン電池用部材の製造装置である。
図1は、組電池の概略構成図である。 図2は、リチウムイオン単電池の概略構成図である。 図3は、枠体の一例を示す図である。 図4は、帯状のフィルムに対して複数の枠体を取り付けた転写シートの一例を示す図である。 図5は、帯状のフィルムに対して複数の枠体を取り付けた転写シートを製造する転写シート製造装置の構成例を示す図である。 図6は、帯状の集電体に対する枠体の転写を実行することで部材シートを製造する部材シート製造装置の構成例を示す図である。 図7は、帯状の集電体に対して複数の枠体を順次転写する処理について説明するための図である。 図8Aは、転写シートのブランク部を示す図である。 図8Bは、転写シートのブランク部を示す図である。
以下、本発明のリチウムイオン電池用部材の製造方法及び製造装置について説明する。
(組電池)
リチウムイオン電池は、複数のリチウムイオン単電池(電池セル)を組み合わせてモジュール化した組電池、或いは、このような組電池を複数組み合わせて電圧及び容量を調整した電池パックの形態で使用される。まず、図1を用いて、複数のリチウムイオン単電池10を組み合わせてモジュール化した組電池1について説明する。図1は、組電池1の概略構成図である。
組電池1は、平板状の複数のリチウムイオン単電池10を厚さ方向に積層してなる。例えば、図1においては、複数のリチウムイオン単電池10の例として、リチウムイオン単電池10a~10nのn個の単電池を図示する。図1はあくまで一例であり、組電池1に含まれるリチウムイオン単電池10の数については特に限定されるものではない。
また、組電池1は、積層されたリチウムイオン単電池10の周囲を覆うように設けられた外層フィルム11を有している。外層フィルム11は、可撓性を有する絶縁材料を用いることができる。しかしながらこれに限られるものではなく、例えば外層フィルム11としてラミネートフィルムを用いてもよい。ラミネートフィルムとしては、外側にナイロンフィルム、中心にアルミニウム箔、内側に変性ポリプロピレン等の接着層を有した3層ラミネートフィルムを好ましく用いることができる。組電池1は、リチウムイオン単電池10の積層方向両端に電流取り出し部12が設けられている。この電流取り出し部12を介して、様々な電気製品に電流が供給される。
(リチウムイオン単電池)
次に、リチウムイオン単電池について説明する。リチウムイオン単電池は、例えば、正極集電体層、正極活物質層、セパレータ、負極活物質層及び負極集電体層が順に積層され、上記正極集電体層と上記負極集電体層とを最外層に有し、上記正極活物質層及び上記負極活物質層の外周を封止することで電解液が封入された構成である。
図2は、リチウムイオン単電池10の概略構成図である。リチウムイオン単電池10は、正極集電体層111、正極活物質層113、セパレータ130、負極活物質層123及び負極集電体層121が図2に示す順に積層される。即ち、正極集電体層111及び負極集電体層121が最外層に配置される。また、正極集電体層111及び負極集電体層121の縁部(正極活物質層113及び負極活物質層123の外周)は、枠体140により封止され、電解液が封入される。
(正極集電体)
正極集電体層111としては、公知のリチウムイオン単電池に用いられる集電体を用いることができ、例えば公知の金属集電体及び導電材料と樹脂とから構成されてなる樹脂集電体(特開2012-150905号公報及び国際公開第2015/005116号等に記載の樹脂集電体等)を用いることができる。正極集電体層111は、電池特性等の観点から、樹脂集電体であることが好ましい。
金属集電体としては、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、タンタル、ニオブ、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン及びこれらの金属を1種以上含む合金、並びに、ステンレス合金からなる群から選択される一種以上の金属材料が挙げられる。これらの金属材料は薄板や金属箔等の形態で用いてもよい。また、上記金属材料以外で構成される基材表面にスパッタリング、電着、塗布等の方法により上記金属材料を形成したものを金属集電体として用いてもよい。
樹脂集電体としては、導電性フィラーとマトリックス樹脂とを含むことが好ましい。マトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン(PCO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又はこれらの混合物等が挙げられる。電気的安定性の観点から、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)及びポリシクロオレフィン(PCO)が好ましく、さらに好ましくはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン(PMP)である。
導電性フィラーは、導電性を有する材料から選択される。具体的には、金属[ニッケル、アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、銅及びチタン等]、カーボン[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。これらの導電性フィラーは1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物を用いてもよい。電気的安定性の観点から、好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン、銀、銅、チタン及びこれらの混合物であり、より好ましくは銀、アルミニウム、ステンレス及びカーボンであり、さらに好ましくはカーボンである。またこれらの導電性フィラーとしては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料(上記した導電性フィラーの材料のうち金属のもの)をめっき等でコーティングしたものでもよい。
導電性フィラーの平均粒子径は、特に限定されるものではないが、電池の電気特性の観点から、0.01~10μmであることが好ましく、0.02~5μmであることがより好ましく、0.03~1μmであることがさらに好ましい。なお、本明細書中において、「粒子径」とは、粒子の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の観察手段を用い、数~数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
導電性フィラーの形状(形態)は、粒子形態に限られず、粒子形態以外の形態であってもよく、カーボンナノチューブ等、いわゆるフィラー系導電性樹脂組成物として実用化されている形態であってもよい。
導電性フィラーは、その形状が繊維状である導電性繊維であってもよい。導電性繊維としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維、合成繊維の中に導電性のよい金属や黒鉛を均一に分散させてなる導電性繊維、ステンレス鋼のような金属を繊維化した金属繊維、有機物繊維の表面を金属で被覆した導電性繊維、有機物繊維の表面を導電性物質を含む樹脂で被覆した導電性繊維等が挙げられる。これらの導電性繊維の中では炭素繊維が好ましい。また、グラフェンを練りこんだポリプロピレン樹脂も好ましい。導電性フィラーが導電性繊維である場合、その平均繊維径は0.1~20μmであることが好ましい。
樹脂集電体中の導電性フィラーの重量割合は、5~90重量%であることが好ましく、20~80重量%であることがより好ましい。特に、導電性フィラーがカーボンの場合、導電性フィラーの重量割合は、20~30重量%であることが好ましい。
樹脂集電体は、マトリックス樹脂及び導電性フィラーのほかに、その他の成分(分散剤、架橋促進剤、架橋剤、着色剤、紫外線吸収剤、可塑剤等)を含んでいてもよい。また、複数の樹脂集電体を積層して用いてもよく、樹脂集電体と金属箔とを積層して用いても良い。
正極集電体層111の厚さは特に限定されないが、5~150μmであることが好ましい。複数の樹脂集電体を積層して正極集電体として用いる場合には、積層後の全体の厚さが5~150μmであることが好ましい。
正極集電体層111は、例えば、マトリックス樹脂、導電性フィラー及び必要により用いるフィラー用分散剤を溶融混練して得られる導電性樹脂組成物を公知の方法でフィルム状に成形することにより得ることができる。導電性樹脂組成物をフィルム状に成形する方法としては、例えば、Tダイ法、インフレーション法及びカレンダー法等の公知のフィルム成形法が挙げられる。なお、正極集電体層111は、フィルム成形以外の成形方法によっても得ることができる。
(正極活物質)
正極活物質層113は、正極活物質を含む混合物の非結着体であることが好ましい。ここで、非結着体とは、正極活物質層中において正極活物質の位置が固定されておらず、正極活物質同士及び正極活物質同士及び正極活物質と集電体とが不可逆的に固定されていないことを意味する。正極活物質層113が非結着体である場合、正極活物質同士は不可逆的に固定されていないため、正極活物質同士の界面を機械的に破壊することなく分離することができ、正極活物質層113に応力がかかった場合でも正極活物質が移動することで正極活物質層113の破壊を防止することができ好ましい。非結着体である正極活物質層113は、正極活物質層113を、正極活物質と電解液とを含みかつ結着剤を含まない正極活物質層113にする等の方法で得ることができる。なお、本明細書において、結着剤とは、正極活物質同士及び正極活物質と集電体とを可逆的に固定することができない薬剤を意味し、デンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、スチレン-ブタジエンゴム、ポリエチレン及びポリプロピレン等の公知の溶剤乾燥型のリチウムイオン電池用結着剤等が挙げられる。これらの結着剤は溶剤に溶解又は分散して用いられ、溶剤を揮発、留去することで表面が粘着性を示すことなく固体化するので正極活物質同士及び正極活物質と集電体とを可逆的に固定することができない。
正極活物質としては、リチウムと遷移金属との複合酸化物{遷移金属が1種である複合酸化物(LiCoO、LiNiO、LiAlMnO、LiMnO及びLiMn等)、遷移金属元素が2種である複合酸化物(例えばLiFeMnO、LiNi-xCoxO、LiMn-yCoyO、LiNi1/3Co1/3Al1/3及びLiNi.8Co0.15Al0.05)及び金属元素が3種類以上である複合酸化物[例えばLiMM’M’’cO(M、M’及びM’’はそれぞれ異なる遷移金属元素であり、a+b+c=1を満たす。例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/3)等]等}、リチウム含有遷移金属リン酸塩(例えばLiFePO、LiCoPO、LiMnPO及びLiNiPO)、遷移金属酸化物(例えばMnO及びV)、遷移金属硫化物(例えばMoS及びTiS)及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン及びポリ-p-フェニレン及びポリビニルカルバゾール)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。なお、リチウム含有遷移金属リン酸塩は、遷移金属サイトの一部を他の遷移金属で置換したものであってもよい。
正極活物質の体積平均粒子径は、電池の電気特性の観点から、0.01~100μmであることが好ましく、0.1~35μmであることがより好ましく、2~30μmであることがさらに好ましい。
正極活物質は、その表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆材により被覆された被覆正極活物質であってもよい。正極活物質の周囲が被覆材で被覆されていると、正極の体積変化が緩和され、正極の膨張を抑制することができる。
被覆材を構成する高分子化合物としては、特開2017-054703号公報及び国際公開第2015/005117号等に活物質被覆用樹脂として記載されたものを好適に用いることができる。
被覆材には、導電剤が含まれていてもよい。導電剤としては、正極集電体層111に含まれる導電性フィラーと同様のものを好適に用いることができる。
正極活物質層113には、粘着性樹脂が含まれていてもよい。粘着性樹脂としては、例えば、特開2017-054703号公報に記載された非水系二次電池活物質被覆用樹脂に少量の有機溶剤を混合してそのガラス転移温度を室温以下に調整したもの、及び、特開平10-255805公報に粘着剤として記載されたもの等を好適に用いることができる。なお、粘着性樹脂は、溶媒成分を揮発させて乾燥させても固体化せずに粘着性(水、溶剤、熱などを使用せずに僅かな圧力を加えることで接着する性質)を有する樹脂を意味する。一方、結着剤として用いられる溶液乾燥型の電極用バインダーは、溶媒成分を揮発させることで乾燥、固体化して活物質同士を強固に接着固定するものを意味する。従って、上述した結着剤(溶液乾燥型の電極バインダー)と粘着性樹脂とは異なる材料である。
正極活物質層113には、電解質と非水溶媒を含む電解液が含まれていてもよい。電解質としては、公知の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiN(FSO及びLiClO等の無機酸のリチウム塩、LiN(CFSO、LiN(CSO及びLiC(CFSO等の有機酸のリチウム塩等が挙げられ、LiN(FSO(LiFSIともいう)が好ましい。
非水溶媒としては、公知の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、ラクトン化合物、環状又は鎖状炭酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、環状又は鎖状エーテル、リン酸エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン、スルホラン等及びこれらの混合物を用いることができる。
ラクトン化合物としては、5員環(γ-ブチロラクトン及びγ-バレロラクトン等)及び6員環のラクトン化合物(δ-バレロラクトン等)等を挙げることができる。
環状炭酸エステルとしては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート及びブチレンカーボネート等が挙げられる。鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチル-n-プロピルカーボネート、エチル-n-プロピルカーボネート及びジ-n-プロピルカーボネート等が挙げられる。
鎖状カルボン酸エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル及びプロピオン酸メチル等が挙げられる。環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3-ジオキソラン及び1,4-ジオキサン等が挙げられる。鎖状エーテルとしては、ジメトキシメタン及び1,2-ジメトキシエタン等が挙げられる。
リン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリ(トリフルオロメチル)、リン酸トリ(トリクロロメチル)、リン酸トリ(トリフルオロエチル)、リン酸トリ(トリパーフルオロエチル)、2-エトキシ-1,3,2-ジオキサホスホラン-2-オン、2-トリフルオロエトキシ-1,3,2-ジオキサホスホラン-2-オン及び2-メトキシエトキシ-1,3,2-ジオキサホスホラン-2-オン等が挙げられる。ニトリル化合物としては、アセトニトリル等が挙げられる。アミド化合物としては、DMF等が挙げられる。スルホンとしては、ジメチルスルホン及びジエチルスルホン等が挙げられる。非水溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
非水溶媒の内、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのは、ラクトン化合物、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル及びリン酸エステルであり、更に好ましいのはラクトン化合物、環状炭酸エステル及び鎖状炭酸エステルであり、特に好ましいのは環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルの混合液である。最も好ましいのはエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)の混合液、又は、エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)の混合液である。
正極活物質層113には、導電助剤が含まれていてもよい。導電助剤としては、正極集電体層111に含まれる導電性フィラーと同様の導電性材料を好適に用いることができる。
正極活物質層113における導電助剤の重量割合は、3~10重量%であることが好ましい。
正極活物質層113の厚みは、特に限定されるものではないが、電池性能の観点から、150~600μmであることが好ましく、200~450μmであることがより好ましい。
(負極集電体)
負極集電体層121としては、正極集電体層111で記載した構成と同様のものを適宜選択して用いることができ、同様の方法により得ることができる。負極集電体層121は、電池特性等の観点から、樹脂集電体であることが好ましい。負極集電体層121の厚さは特に限定されないが、5~150μmであることが好ましい。
(負極活物質)
負極活物質層123は、負極活物質を含む混合物の非結着体であることが好ましい。負極活物質層が非結着体であることが好ましい理由、及び非結着体である負極活物質層123を得る方法等は、正極活物質層113が非結着体であることが好ましい理由、及び非結着体である正極活物質層113を得る方法と同様である。
負極活物質としては、炭素系材料[黒鉛、難黒鉛化性炭素、アモルファス炭素、樹脂焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの等)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス等)及び炭素繊維等]、珪素系材料[珪素、酸化珪素(SiOx)、珪素-炭素複合体(炭素粒子の表面を珪素及び/又は炭化珪素で被覆したもの、珪素粒子又は酸化珪素粒子の表面を炭素及び/又は炭化珪素で被覆したもの並びに炭化珪素等)及び珪素合金(珪素-アルミニウム合金、珪素-リチウム合金、珪素-ニッケル合金、珪素-鉄合金、珪素-チタン合金、珪素-マンガン合金、珪素-銅合金及び珪素-スズ合金等)等]、導電性高分子(例えばポリアセチレン及びポリピロール等)、金属(スズ、アルミニウム、ジルコニウム及びチタン等)、金属酸化物(チタン酸化物及びリチウム・チタン酸化物等)及び金属合金(例えばリチウム-スズ合金、リチウム-アルミニウム合金及びリチウム-アルミニウム-マンガン合金等)等及びこれらと炭素系材料との混合物等が挙げられる。上記負極活物質のうち、内部にリチウム又はリチウムイオンを含まないものについては、予め負極活物質の一部又は全部にリチウム又はリチウムイオンを含ませるプレドープ処理を施してもよい。
これらの中でも、電池容量等の観点から、炭素系材料、珪素系材料及びこれらの混合物が好ましく、炭素系材料としては、黒鉛、難黒鉛化性炭素及びアモルファス炭素がさらに好ましく、珪素系材料としては、酸化珪素及び珪素-炭素複合体がさらに好ましい。
負極活物質の体積平均粒子径は、電池の電気特性の観点から、0.01~100μmが好ましく、0.1~20μmであることがより好ましく、2~10μmであることがさらに好ましい。
本明細書において、負極活物質の体積平均粒子径は、マイクロトラック法(レーザー回折・散乱法)によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(Dv50)を意味する。マイクロトラック法とは、レーザー光を粒子に照射することによって得られる散乱光を利用して粒度分布を求める方法である。なお、体積平均粒子径の測定には、日機装(株)製のマイクロトラック等を用いることができる。
負極活物質は、その表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆材により被覆された被覆負極活物質であってもよい。負極活物質の周囲が被覆材で被覆されていると、負極の体積変化が緩和され、負極の膨張を抑制することができる。
被覆材としては、被覆正極活物質を構成する被覆材と同様のものを好適に用いることができる。
負極活物質層123は、電解質と非水溶媒を含む電解液を含有する。電解液の組成は、正極活物質層113に含まれる電解液と同様の電解液を好適に用いることができる。
負極活物質層123には、導電助剤が含まれていてもよい。導電助剤としては、正極活物質層113に含まれる導電性フィラーと同様の導電性材料を好適に用いることができる。
負極活物質層123における導電助剤の重量割合は、2~10重量%であることが好ましい。
負極活物質層123には、粘着性樹脂が含まれていてもよい。粘着性樹脂としては、正極活物質層113の任意成分である粘着性樹脂と同様のものを好適に用いることができる。
負極活物質層123の厚みは、特に限定されるものではないが、電池性能の観点から、150~600μmであることが好ましく、200~450μmであることがより好ましい。
(セパレータ)
セパレータ130としては、ポリエチレン又はポリプロピレン製の多孔性フィルム、上記多孔性フィルムの積層フィルム(多孔性ポリエチレンフィルムと多孔性ポリプロピレンとの積層フィルム等)、合成繊維(ポリエステル繊維及びアラミド繊維等)又はガラス繊維等からなる不織布、及びそれらの表面にシリカ、アルミナ、チタニア等のセラミック微粒子を付着させたもの等の公知のリチウムイオン単電池に用いられるセパレータが挙げられる。
(枠体)
リチウムイオン単電池10は、正極集電体層111及び負極集電体層121の縁部を枠体140により封止することで電解液が封入された構成である。枠体140は、正極集電体層111及び負極集電体層121の間に配置されており、正極活物質層113、負極活物質層123及びセパレータ130の外周を封止する機能を有する。
なお、図2は、セパレータ130の一部が枠体140に入り込むように構成される場合を示している。即ち、図2では、枠体140に外周を囲まれる正極活物質層113及び負極活物質層123と比較してセパレータ130の幅が大きくなっており、その一部が枠体140に食い込んでいる。しかしながら実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、図2の横方向において正極活物質層113、負極活物質層123、セパレータ130の幅が同じになるように構成してもよい。また、図2に示す枠体140は一体的に製造されてもよいし、例えば正極側の枠体と負極側の枠体とを別個に製造して結合させることにより製造されてもよい。
枠体140は、電解液に対して耐久性のある材料であれば特に限定されないが、高分子材料が好ましく、熱硬化性高分子材料がより好ましい。具体的には、エポキシ系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂及びポリフッ化ビニリデン樹脂等が挙げられ、耐久性が高く取り扱いが容易であることからエポキシ系樹脂が好ましい。
枠体140は、例えば図3に示すようなフレーム状の部材である。リチウムイオン単電池10を製造する過程において、枠体140は、正極集電体層111又は負極集電体層121のいずれかに対して取り付けられる。なお、以下の説明において正極側と負極側とを特に区別しない場合、正極集電体層111及び負極集電体層121を単に集電体とも記載する。即ち、枠体140は、正極側又は負極側の集電体に対して取り付けられる。また、枠体140の内部に正極活物質層113、負極活物質層123、セパレータ130等を形成した後、他方の集電体を更に形成することでリチウムイオン単電池10を製造することができる。ここで、集電体への枠体140の取り付けを枚葉に行なってリチウムイオン単電池10を製造するのは時間がかかり、製造効率として高いとは言えない。
集電体への枠体140の取り付けを連続的に行なうことも考えられる。例えば、集電帯を帯状に形成してロールとし、ロールから帯状の集電体を引き出しつつ、移動する帯状の集電体の上に枠体140を順次取りつけていくことが考えられる。しかしながら、移動する集電体の上の適切な位置に対して枠体140を1つ1つ取り付けていくことは容易でなく、また、精度を担保することが難しい。
そこで、本発明では、以下で説明する第1工程及び第2工程を実行することにより、集電体への枠体140の取り付けを連続的かつスムーズに実行し、これをもってリチウムイオン電池の製造効率の向上を図りながら、集電体への枠体140の取り付けの精度を担保する。
(第1工程)
第1工程では、図4に示すように、帯状のフィルム21に対して複数の枠体140を取り付けた転写シート22を製造する。なお、図4においては、複数の枠体140として、枠体140a~140dの4つの枠体を示す。
フィルム21としては、枠体140の取り付け及び剥離が可能であれば、任意の材料を選択可能である。一例として、フィルム21は、ポリエチレンテレフタレート(PET)のような樹脂材料である。後に枠体140を剥離し易くなるように、フィルム21における枠体140を取り付ける側の面に、シリコーン等の離型剤を塗布することとしても構わない。
複数の枠体140は、例えば図4に示したように、帯状のフィルム21に対して一列(直線的)に並ぶように取り付けられる。なお、図4では、帯状のフィルム21の上に複数の枠体140を隙間なく並べた状態を示すが、枠体140の間には一定の隙間を設けるようにしてもよい。枠体140の間に隙間を設けることで、シートを曲げやすくなり、ロール状に巻いて管理することが容易となる。一方で、枠体140の間の隙間が大きくなると、後述する帯状の集電体23を切断する際の粉じんが増加し、また、歩留まりの観点からも好ましくない。以上の点を考慮して、枠体140の間の隙間は適度に調整されることが好ましい。
フィルム21への枠体140の取り付けについて、図5を用いて説明する。図5は、帯状のフィルム21に対して複数の枠体140を取り付けた転写シート22を製造する転写シート製造装置31の構成例を示す図である。例えば、転写シート製造装置31は、スプライサー311と、取り付け装置312とを含む。
転写シート製造装置31は、フィルム21を巻いたロール21’から、フィルム21を所定の速度で引き出す。例えば、転写シート製造装置31は、EPC(Edge Position Control)によって耳端を一定位置に保ちつつ、或いは、CPC(Center Position Control)によって中心を一定位置に保ちつつ、フィルム21を図5の矢印に示す方向に移動させる。なお、図5にはロール21’を2つ示すが、一方は予備である。スプライサー311は、1つのロール21’からフィルム21を全て引き出し切った際、フィルム21の引き出し先を他方のロール21’に切り替えることで、装置の停止時間を短縮し、又は無くすことができる。
フィルム21は図5の矢印が示す方向に進み、取り付け装置312によって、枠体140が取り付けられる。例えば、取り付け装置312は、保持機構3121と圧着機構3122とを備える。
保持機構3121は、枠体140をフィルム21の上に載置する。即ち、保持機構3121は、事前に製造された枠体140を保持し、図5に示す位置に移動させる。なお、保持機構3121が枠体140を保持するための手法については特に限定されるものではない。例えば、保持機構3121はロボットアームを備え、枠体140を機械的に保持してもよい。また、例えば、保持機構3121は吸着パッドを備え、吸着パッド内に負圧を発生させることで枠体140を保持してもよい。
圧着機構3122は、フィルム21と枠体140とを圧着することにより、転写シート22を製造する。例えば、圧着機構3122は、フィルム21と枠体140とを挟み込んで加圧するプレスロールであり、フィルム21に対して枠体140を接着させる。ここで、圧着機構3122は、フィルム21及び枠体140を熱して熱圧着させることとしてもよい。また、製造された転写シート22はロール状に巻かれる。以下、転写シートを巻いたロールを転写ロール22’と記載する。
なお、枠体140を製造する方法については特に限定されるものではない。例えば、枠体140は、高分子材料等の所定の材料から成るシート乃至ブロックに対する切削加工によって、所定の形状に形成することができる。一例を挙げると、枠体140は、所定の材料から成る素材シートから打ち抜くことで得られる。
また、例えば、枠体140は、射出成形等の枠型を用いた手法によって、所定の形状に形成することができる。一例を挙げると、所定の形状の内部空間を有する金型が事前に作製され、当該金型に対する射出成形を行なうことにより、枠体140を所定の形状に形成することができる。
また、例えば、枠体140は、基材上に所定の材料を吐出したり塗布したりすることで、所定の形状に形成することができる。一例を挙げると、枠体140は、ディスペンサーによって所定の形状に形成することができる。即ち、ディスペンサーによる制御の下、ノズルから基材に対して所定の材料を所定の量だけ吐出させることにより、枠体140を形成することができる。別の例を挙げると、スクリーン印刷機等のコーターによって、基材上に所定の材料を所定の形状に塗布することで、枠体140を形成することができる。
より具体的には、枠体140は、ディスペンサーやコーター等によって、基材上に、所定の材料を所定の形状となるように吐出又は塗布し、乾燥後に基材から剥離させることで形成することができる。或いは、枠体140は、ディスペンサーやコーター等によって、基材上に、2液硬化樹脂やUV硬化用樹脂といった所定の材料を所定の形状となるように吐出又は塗布し、硬化後に基材から剥離させることで形成することができる。
その他、枠体140は、種々の手法によって所定の形状に形成することが可能である。例えば、所定の形状となるように、所定の材料から成るシート乃至ブロックを組むことによって、枠体140を所定の形状に形成してもよい。また、例えば、所定の材料から成るシートを基材の長手方向に配置し、垂直方向に当該材料を吐出又は塗布することで、枠体140を所定の形状に形成してもよい。或いは、枠体140は、任意方式の3Dプリンタによって製造することもできる。
また、図5においては予め製造された枠体140をフィルム21と圧着させることによってフィルム21に枠体140を取り付ける場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、フィルム21の上において枠体140を形成することにより、フィルム21に枠体140を取り付けても構わない。一例を挙げると、フィルム21を基材とし、ディスペンサーやコーター等によってフィルム21上に所定の材料を所定の形状に吐出又は塗布することで、フィルム21上に枠体140を形成することができる。
(第2工程)
第2工程では、帯状の集電体23に対して転写シート22から複数の枠体140を順次転写することにより、帯状の集電体23を所定単位ごとに分割して形成される集電体層と当該集電体層の縁部に設けられる枠体140とを含むリチウムイオン電池用部材が複数連なった部材シート24を製造する。以下、第2工程について図6を用いて説明する。図6は、帯状の集電体23に対する枠体140の転写を実行することで部材シート24を製造する部材シート製造装置32の構成例を示す図である。例えば、部材シート製造装置32は、スプライサー321と転写装置322とを含む。
部材シート製造装置32は、帯状の集電体23を巻いた集電体ロール23’から、帯状の集電体23を所定の速度で引き出す。なお、図6には集電体ロール23’を2つ示すが、一方は予備である。スプライサー321は、1つの集電体ロール23’から帯状の集電体23を全て引き出し切った際、帯状の集電体23の引き出し先を他方の集電体ロール23’に切り替えることで、装置の停止時間を短縮し、又は無くすことができる。
また、部材シート製造装置32は、転写ロール22’から転写シート22を所定の速度で引き出す。ここで、部材シート製造装置32は、集電体ロール23’から帯状の集電体23を引き出す速度と、転写ロール22’から転写シート22を引き出す速度とが揃うように制御を行なう。即ち、部材シート製造装置32は、集電体ロール23’及び転写ロール22’から、帯状の集電体23及び転写シート22のそれぞれを所定の速度で引き出す。なお、図6においては転写ロール22’を1つのみ示すが、スプライサーによって予備の転写ロール22’に切り替えることができるように構成してもよい。
転写装置322は、集電体ロール23’から引き出された帯状の集電体23に対して、転写シート22から複数の枠体140を順次転写する。ここで、転写装置322について、図7を用いてより詳細に説明する。例えば、転写装置322は、図7に示すように、転写機構3221と分離機構3222とを備える。
転写機構3221は、転写シート22と帯状の集電体23とを圧着する。例えば、転写機構3221は、転写シート22と帯状の集電体23とを挟み込んで加圧するプレスロールであり、帯状の集電体23に対して転写シート22を接着させる。より具体的には、転写シート22はフィルム21に枠体140を取り付けて製造されたシートであるところ、転写機構3221は、帯状の集電体23に対して、転写シート22の枠体140の側の面を接着させる。ここで、転写機構3221は、転写シート22及び帯状の集電体23を熱して熱圧着させることとしてもよい。
分離機構3222は、帯状の集電体23に対して枠体140を転写した後の転写シート22について、フィルム21と枠体140とに分離させる。言い換えると、分離機構3222は、帯状の集電体23に対する枠体140の転写が済んだ後、枠体140からフィルム21を剥離させる。分離機構3222は、枠体140から分離させたフィルム21について、図7に示す通りロール状に巻き取ることとしても構わない。
図7に示した通り、転写装置322は、帯状の集電体23に対して転写シート22から複数の枠体140を順次転写することにより、部材シート24を製造する。即ち、部材シート24は、帯状の集電体23と、複数の枠体140とから構成される。部材シート24における帯状の集電体23は、後に所定単位ごとに分割され、図2に示した正極集電体層111又は負極集電体層121となる。例えば、帯状の集電体23は、枠体140の長さを所定単位として切断される。即ち、部材シート24は、正極集電体層111又は負極集電体層121と、当該集電体層の縁部に設けられる枠体140とを含むリチウムイオン電池用部材が複数連なったシートである。
なお、転写装置322は、部材シート製造部の一例である。また、部材シート製造装置32は、リチウムイオン電池用部材の製造装置の一例である。
帯状の集電体23が正極側の場合、部材シート24における帯状の集電体23は、後に所定単位ごとに分割されて正極集電体層111となる。即ち、部材シート24は、正極集電体層111と枠体140とを含むリチウムイオン電池用部材が複数連なったシートとなる。かかる部材シート24に対して、更に、正極活物質層113、セパレータ130、負極活物質層123及び負極集電体層121を形成することで、図2に示したリチウムイオン単電池10を製造することができる。更に、例えば図1に示した通り複数のリチウムイオン単電池10を組み合わせて組電池1とすることにより、リチウムイオン電池を製造することができる。
或いは、帯状の集電体23が負極側の場合、部材シート24における帯状の集電体23は、後に所定単位ごとに分割されて負極集電体層121となる。即ち、部材シート24は、負極集電体層121と枠体140とを含むリチウムイオン電池用部材が複数連なったシートとなる。かかる部材シート24に対して、更に、負極活物質層123、セパレータ130、正極活物質層113及び正極集電体層111を形成することで、図2に示したリチウムイオン単電池10を製造することができる。更に、例えば図1に示した通り複数のリチウムイオン単電池10を組み合わせて組電池1とすることにより、リチウムイオン電池を製造することができる。
このように、第1工程及び第2工程によれば、リチウムイオン電池を製造するまでの一連の処理の中で、集電体への枠体140の取り付けを連続的かつスムーズに実行し、ひいてはリチウムイオン電池の製造効率を向上させることができる。更に、第1工程及び第2工程によれば、集電体への枠体140の取り付けの精度を担保することもできる。
また、転写シート22を製造する第1工程は、リチウムイオン電池の製造ラインの一部である第2工程とは、別に行なうことができる。即ち、第1工程におけるフィルム21への枠体140の取り付けは、リチウムイオン電池の製造効率に影響を及ぼすことなく、時間をかけて精度良く行なうことができる。また、精度良くフィルム21に取りつけられた枠体140は、第2工程において、そのまま集電体へ転写される。即ち、第1工程及び第2工程によれば、集電体への枠体140の取り付けの精度を向上させ、ひいてはリチウムイオン電池の品質を向上させることができる。
また、枠体140については、フィルム21の上で形成することもできる。ここで、フィルム21は、後に枠体140から分離されるものであるため、例えば熱処理や紫外線照射といった後処理によって変質してもリチウムイオン電池の品質には影響しない。即ち、枠体140をフィルム21の上で形成する場合、枠体140を集電体の上で形成する場合には実行し難い種類の後処理を更に実行することもできる。従って、枠体140をフィルム21の上で形成する場合、枠体140の材料や形成方法についての自由度を増加させ、また、後処理による品質向上を図ることも可能となる。
なお、第1工程及び第2工程によって集電体に枠体140を取り付けるものと説明したが、枠体140のうちの正極側及び負極側の一方を取り付ける場合であってもよい。即ち、図2に示した枠体140を一体的に製造するのではなく、正極側の枠体と負極側の枠体とをそれぞれ製造した後に結合させて、枠体140を製造してもよい。
例えば、帯状の集電体23が正極側の場合、部材シート24は、正極集電体層111と、正極側の枠体とを含むリチウムイオン電池用部材が複数連なったシートとなる。かかる部材シート24に対して、更に、正極活物質層113、セパレータ130、負極活物質層123、負極集電体層121及び負極側の枠体を形成することで、図2に示したリチウムイオン単電池10を製造することができる。
或いは、帯状の集電体23が負極側の場合、部材シート24は、負極集電体層121と負極側の枠体とを含むリチウムイオン電池用部材が複数連なったシートとなる。かかる部材シート24に対して、更に、負極活物質層123、セパレータ130、正極活物質層113、正極集電体層111及び正極側の枠体を形成することで、図2に示したリチウムイオン単電池10を製造することができる。
(第3工程)
上述した第1工程及び第2工程と連続して、帯状の集電体23に対して転写された枠体140の内部に活物質層を形成する第3工程を更に行なってもよい。言い換えると、第3工程では、部材シート24における枠体140の内部に活物質層を形成する。以下、第3工程について図6を用いて説明する。例えば、部材シート製造装置32は、スプライサー321及び転写装置322に加えて、活物質層形成装置323を更に含む。
活物質層形成装置323は、転写装置322によって製造されて所定の速度で移動する部材シート24に対し、活物質25を供給する。例えば、活物質層形成装置323は、スクリューコンベアにより運ばれてきた活物質25についてダマほぐし等の前処理を行なった後、1つの枠体140に対して所定の量の活物質25のみが供給されるように、シャッタの切り替えを制御する。更に、活物質層形成装置323は、枠体140の内部に供給した活物質25をプレスロールにより押し固めることで、枠体140の内部に活物質層を形成する。枠体140の内部に活物質層が形成された後の部材シート24については、活物質層形成済み部材シート26とも記載する。
なお、図2を用いて説明した通り、活物質には正極側の活物質25と負極側の活物質25とがあるところ、活物質層形成装置323は、部材シート24における帯状の集電体23に応じて活物質25の供給を行なう。即ち、活物質層形成装置323は、帯状の集電体23が正極側の場合には正極側の活物質25を供給し、帯状の集電体23が負極側の場合には負極側の活物質25を供給する。
帯状の集電体23が正極側の場合、活物質層形成済み部材シート26における帯状の集電体23は、後に所定単位ごとに分割されて正極集電体層111となり、また、当該正極集電体層111の縁部に設けられた枠体140の内部に形成された活物質層は、正極活物質層113となる。即ち、活物質層形成済み部材シート26は、正極集電体層111と正極活物質層113と枠体140とを含むリチウムイオン電池用部材が複数連なったシートとなる。かかる活物質層形成済み部材シート26に対して、更に、セパレータ130、負極活物質層123及び負極集電体層121を形成することで、図2に示したリチウムイオン単電池10を製造することができる。或いは、帯状の集電体23が負極側の場合、活物質層形成済み部材シート26における帯状の集電体23は、後に所定単位ごとに分割されて負極集電体層121となり、また、当該負極集電体層121の縁部に設けられた枠体140の内部に形成された活物質層は、負極活物質層123となる。即ち、活物質層形成済み部材シート26は、負極集電体層121と負極活物質層123と枠体140とを含むリチウムイオン電池用部材が複数連なったシートとなる。かかる活物質層形成済み部材シート26に対して、更に、セパレータ130、正極活物質層113及び正極集電体層111を形成することで、図2に示したリチウムイオン単電池10を製造することができる。なお、上述した通り、枠体140を一体的に製造するのではなく、正極側の枠体と負極側の枠体とをそれぞれ製造した後に結合させて枠体140を製造してもよい。更に、例えば図1に示した通り複数のリチウムイオン単電池10を組み合わせて組電池1とすることにより、リチウムイオン電池を製造することができる。
このように、第1工程、第2工程及び第3工程によれば、リチウムイオン電池を製造するまでの一連の処理の中で、集電体への枠体140の取り付け、及び、活物質層の形成を連続的かつスムーズに実行し、ひいてはリチウムイオン電池の製造効率を向上させることができる。
なお、図6においては図示を省略するが、第3工程についてはチャンバー内で行なってもよい。例えば、活物質層形成装置323を含むように減圧チャンバーを設けてもよい。また、当該減圧チャンバー内において、活物質層の形成時に生じる微粒子を吸引してもよい。これにより、不純物の混入を低減して、リチウムイオン電池の品質を更に向上させることができる。
(スプライス部)
集電体ロール23’のようなロールは使用していればいずれ無くなるため、適宜新しいロールに切り替える必要がある。また、ロールを切り替えるために装置が長時間停止してしまわないよう、スプライサー321等によって、装置の停止時間を短縮し、又は無くすことが好ましい。但し、ロールを切り替える以上は、つなぎ目が生じることが通常である。例えば、図6示した2つの集電体ロール23’の一方を使用して無くなり、スプライサー321によって他方の集電体ロール23’に切り替えた場合、集電体ロール23’から引き出される帯状の集電体23につなぎ目が生じる。以下、集電体ロール23’のようなロールのつなぎ目に当たる部分を、スプライス部と記載する。また、集電体ロール23’のスプライス部を、スプライス部231と記載する。
スプライス部は、品質の観点から、一般的には使用されることなく廃棄される。ここで、スプライス部231に対しても転写シート22から枠体140が転写される場合、当該枠体140はスプライス部231とともに廃棄されることとなり、歩留まりの観点から好ましくない。
そこで、転写シート22は、集電体ロール23’のスプライス部231に対応する位置に、枠体140が取り付けられていないブランク部221を有することとしてもよい。具体的には、図8Aに示すように帯状の集電体23の一部がスプライス部231となっている場合、転写機構3221によってスプライス部231と圧着される部分がブランク部221となるように、転写シート22を製造する。
或いは、図8Bに示すように、転写シート22においてスプライス部231と圧着される部分がブランク部221となるとともに、当該ブランク部221が転写ロール22’のスプライス部222に対応するように、転写シート22を製造してもよい。即ち、図6においては図示を省略しているが、転写ロール22’もロールである以上は、転写シート22にもつなぎ目(スプライス部222)が生じる。この転写ロール22’のスプライス部222と、集電体ロール23’のスプライス部231と、ブランク部221との位置を合せることにより、集電体及び枠体140の廃棄量を最小限に留めることができる。
(変形例)
図5及び図6においては、転写シート製造装置31と部材シート製造装置32とを別個に説明したが、転写シート製造装置31は部材シート製造装置32に含まれることとしても構わない。即ち、部材シート製造装置32は、部材シート製造部に加えて、転写シートを製造する転写シート製造部を更に備えてもよい。なお、この場合、転写シート22を巻いて転写ロール22’とする工程は省略してもよい。
1 組電池
11 外層フィルム
12 電流取り出し部
10 リチウムイオン単電池
111 正極集電体層
113 正極活物質層
130 セパレータ
123 負極活物質層
121 負極集電体層
140 枠体
21 フィルム
21’ ロール
22 転写シート
22’ 転写ロール
221 ブランク部
222 スプライス部
23 帯状の集電体
23’ 集電体ロール
231 スプライス部
24 部材シート
25 活物質
26 活物質層形成済み部材シート
31 転写シート製造装置
311 スプライサー
312 取り付け装置
3121 保持機構
3122 圧着機構
32 部材シート製造装置
321 スプライサー
322 転写装置
3221 転写機構
3222 分離機構
323 活物質層形成装置

Claims (9)

  1. 帯状のフィルムに対して複数の枠体を取り付けた転写シートを製造する第1工程と、
    帯状の集電体に対して前記転写シートから複数の前記枠体を順次転写することにより、前記帯状の集電体を所定単位ごとに分割して形成される集電体層と当該集電体層の縁部に設けられる前記枠体とを含むリチウムイオン電池用部材が複数連なった部材シートを製造する第2工程と
    を含む、リチウムイオン電池用部材の製造方法。
  2. 前記第2工程は、前記帯状の集電体を巻いた集電体ロール及び前記転写シートを巻いた転写ロールから、前記帯状の集電体及び前記転写シートのそれぞれを所定の速度で引き出すとともに、転写機構によって、前記所定の速度で移動する前記帯状の集電体に対して前記転写シートから複数の前記枠体を順次転写することを含む、請求項1に記載のリチウムイオン電池用部材の製造方法。
  3. 前記転写シートは、前記集電体ロールのスプライス部に対応する位置に、前記枠体が取り付けられていないブランク部を有する、請求項2に記載のリチウムイオン電池用部材の製造方法。
  4. 前記ブランク部は、前記転写ロールのスプライス部に対応する、請求項3に記載のリチウムイオン電池用部材の製造方法。
  5. 前記第2工程は、前記帯状の集電体に対して前記枠体を転写した後の前記転写シートについて、前記フィルムと前記枠体とに分離することを更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用部材の製造方法。
  6. 前記帯状の集電体に対して転写された前記枠体の内部に活物質層を形成する第3工程を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用部材の製造方法。
  7. 前記枠体は、前記フィルムの上で形成される、請求項1~6のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用部材の製造方法。
  8. 帯状のフィルムに対して複数の枠体を取り付けた転写シートから、帯状の集電体に対して複数の前記枠体を順次転写することにより、前記帯状の集電体を所定単位ごとに分割して形成される集電体層と当該集電体層の縁部に設けられる前記枠体とを含むリチウムイオン電池用部材が複数連なった部材シートを製造する部材シート製造部を備える、リチウムイオン電池用部材の製造装置。
  9. 前記転写シートを製造する転写シート製造部を更に備える、請求項8に記載のリチウムイオン電池用部材の製造装置。
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