JP2022123460A - 相対回転角度の測定方法および走査透過電子顕微鏡 - Google Patents

相対回転角度の測定方法および走査透過電子顕微鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】容易に、試料が配置される像面と検出器が配置される回折面との間の相対回転角度を測定することができる、相対回転角度の測定方法を提供する。【解決手段】偏向器を用いて、試料面上において電子線をシフトさせるシフト工程と、偏向器を用いて、試料面に対して電子線を傾斜させるチルト工程と、シフト工程およびチルト工程の前に、散乱方位角の情報を含む第1STEM像と、散乱方位角の情報を含まない第2STEM像を取得する工程と、シフト工程およびチルト工程の後に、散乱方位角の情報を含む第3STEM像と、散乱方位角の情報を含まない第4STEM像を取得する工程と、第1STEM像、第2STEM像、第3STEM像、および第4STEM像に基づいて、相対回転角度を求める工程と、を含む、相対回転角度の測定方法。【選択図】図8

Description

本発明は、相対回転角度の測定方法および走査透過電子顕微鏡に関する。
透過電子顕微鏡および走査透過電子顕微鏡では、実空間のデータおよび逆空間のデータを得ることができる。
実空間の情報は、主として、試料の形態、試料のサイズ、試料上の位置関係、および欠陥構造である。透過電子顕微鏡で取得可能な実空間の情報を含むデータとしては、明視野像、暗視野像、高分解能TEM像などの試料像が挙げられる。走査透過電子顕微鏡で取得可能な実空間の情報を含むデータとしては、明視野STEM像、環状暗視野STEM像などの試料像が挙げられる。
逆空間の情報は、主として、結晶構造、結晶の対称性、原子の占有率、中長距離の結晶秩序、および散乱方位角である。透過電子顕微鏡で取得可能な逆空間の情報を含むデータとしては、電子回折図形が挙げられる。走査透過電子顕微鏡で取得可能な逆空間の情報を含むデータとしては、例えば、特許文献1に開示されているDPC(Differential Phase
Contrast)-STEM像などが挙げられる。走査透過電子顕微鏡では、試料上を走査する電子プローブの各位置において、電子回折図形を取得することができる。電子回折図形の取得には、分割型検出器やCCDカメラなどのピクセル型検出器が用いられる。
透過電子顕微鏡や走査透過電子顕微鏡で取得したデータを解析するうえで、実空間の情報と、逆空間の情報の対応づけは、非常に重要である。例えば、透過電子顕微鏡では、試料像と電子回折図形の方位の関係を正確に合わせることで、格子欠陥、位相界面などの局所情報と、結晶構造を対応づけることができる。また、走査透過電子顕微鏡では、例えば、特許文献1に開示されているDPC法をはじめとした、複雑なポスト処理を含む手法が多く活用されており、試料像と電子回折図形との方位の関係は、解析結果に直接影響する重要なパラメータである。
例えば、透過電子顕微鏡では、像観察モードと電子回折モードを切り替えても、像の回転が起こらないように結像系レンズを調整することで、試料像と電子回折図形との方位を一致させることができる。すなわち、像面(試料面)と回折面(検出面)との間の相対回転角度を0度にできる。したがって、実空間の情報と、逆空間の情報の対応づけることができる。
特開2018-092805号公報
走査透過電子顕微鏡では、試料上における電子線の走査方向も任意に回転できる(スキャンローテーション)。スキャンローテーションを行うことで、試料像の方向を変更できる。スキャンローテーションを行った場合、観察視野は回転するが、光学系全体に対する試料の方向、および光学系全体に対する電子回折図形の方位は変化しない。
そのため、走査透過電子顕微鏡では、試料面に形成される像面と検出面に形成される回
折面との間の相対回転角度を知るためには、試料面と検出面との間に配置された結像系レンズによる像の回転だけでなく、スキャンローテーションによる像の回転も考慮しなければならない。
したがって、走査透過電子顕微鏡では、像面と回折面との間の相対回転角度を知ることが困難であった。
本発明に係る相対回転角度の測定方法の一態様は、
試料に照射される電子線を偏向するための偏向器と、前記試料の電磁場によって散乱した電子の散乱方位角を検出可能な検出器と、を含む走査透過電子顕微鏡において、前記試料が配置される像面と前記検出器が配置される回折面との間の相対回転角度を測定する測定方法であって、
前記偏向器を用いて、試料面上において電子線をシフトさせるシフト工程と、
前記偏向器を用いて、前記試料面に対して電子線を傾斜させるチルト工程と、
前記シフト工程および前記チルト工程の前に、前記散乱方位角の情報を含む第1STEM像と、前記散乱方位角の情報を含まない第2STEM像を取得する工程と、
前記シフト工程および前記チルト工程の後に、前記散乱方位角の情報を含む第3STEM像と、前記散乱方位角の情報を含まない第4STEM像を取得する工程と、
前記第1STEM像、前記第2STEM像、前記第3STEM像、および前記第4STEM像に基づいて、前記相対回転角度を求める工程と、
を含む。
このような相対回転角度の測定方法では、第1STEM像、第2STEM像、第3STEM像、および第4STEM像に基づいて、試料が配置される像面と検出器が配置される回折面との間の相対回転角度を求めることができる。したがって、このような相対回転角度の測定方法では、容易に、相対回転角度を求めることができる。
本発明に係る走査透過電子顕微鏡の一態様は、
電子線を試料に照射するための照射系レンズと、
前記試料に照射される電子線を偏向するための偏向器と、
前記試料を透過した電子線で結像するための結像系レンズと、
前記試料の電磁場によって散乱した電子の散乱方位角を検出可能な検出器と、
前記試料が配置される像面と前記検出器が配置される回折面との間の相対回転角度を算出する演算部と、
を含み、
前記演算部は、
前記偏向器を用いて、試料面上において電子線をシフトさせ、かつ、前記偏向器を用いて、前記試料面に対して電子線を傾斜させる前に取得された、前記散乱方位角の情報を含む第1STEM像と、前記散乱方位角の情報を含まない第2STEM像を取得する処理と、
前記偏向器を用いて、前記試料面上において電子線をシフトさせ、かつ、前記偏向器を用いて、前記試料面に対して電子線を傾斜させた後に取得された、前記散乱方位角の情報を含む第3STEM像と、前記散乱方位角の情報を含まない第4STEM像を取得する処理と、
前記第1STEM像、前記第2STEM像、前記第3STEM像、および前記第4STEM像に基づいて、前記相対回転角度を求める処理と、
を行う。
このような走査透過電子顕微鏡では、第1STEM像、第2STEM像、第3STEM
像、および第4STEM像に基づいて、試料が配置される像面と検出器が配置される回折面の間の相対回転角度を求めることができる。したがって、このような走査透過電子顕微鏡では、容易に、相対回転角度を求めることができる。
第1実施形態に係る相対回転角度の測定方法に用いられる走査透過電子顕微鏡の構成を示す図。 偏向器で電子線を単純シフトさせた場合の光線図。 偏向器で電子線を単純チルトさせた場合の光線図。 検出器の検出面を模式的に示す平面図。 スキャンローテーションを説明するための図。 スキャンローテーションの前のSTEM像およびスキャンローテーションの後のSTEM像を示す図。 スキャンローテーションの前のDPC像およびスキャンローテーションの後のDPC像を示す図。 相対回転角度の測定方法の一例を示すフローチャート。 第1STEM像および第3STEM像を模式的に示す図。 第2STEM像および第4STEM像を模式的に示す図。 シフト工程およびチルト工程を説明するための図。 シフト工程およびチルト工程を説明するための図。 相対回転角度の算出方法を説明するための図。 DPC像において電子線の偏向を表すベクトルを相対回転角度を用いて補正した様子を示す図。 検出器の検出面を模式的に示す図。 走査透過電子顕微鏡の変形例を説明するための図。 シフト工程およびチルト工程の前後のDPC-STEM像。 シフト工程およびチルト工程の前後のMBF-STEM像。 相対回転角度を測定する工程を説明するための図。 相対回転角度を測定する工程を説明するための図。 相対回転角度を測定する工程を説明するための図。 相対回転角度が補正されたDPC-STEM像。 第2実施形態に係る走査透過電子顕微鏡の構成を示す図。 情報処理装置の構成を示す図。 相対回転角度を測定する処理の一例を示すフローチャート。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 第1実施形態
1.1. 走査透過電子顕微鏡の構成
第1実施形態に係る、試料が配置される像面と検出器が配置される回折面との間の相対回転角度(以下、単に「相対回転角度」ともいう)の測定方法について説明する。以下では、まず、第1実施形態に係る相対回転角度の測定方法に用いられる走査透過電子顕微鏡(STEM)について図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る相対回転角度の測定方法に用いられる走査透過電子顕微鏡100の構成を示す図である。
走査透過電子顕微鏡100は、図1に示すように、電子源101と、第1照射系レンズ110と、第2照射系レンズ112と、照射系絞り114と、偏向器120と、走査コイ
ル130と、第1結像系レンズ140と、第2結像系レンズ142と、検出器150と、を含む。
電子源101は、電子線EBを発生させる。電子源101は、例えば、陰極から電子を放出させ、陽極に向かって加速させることによって電子線EBをつくる電子銃である。
第1照射系レンズ110および第2照射系レンズ112は、電子源101から放出された電子線EBを集束させて、試料面2に配置された試料に照射する。第1照射系レンズ110および第2照射系レンズ112で電子線EBを集束させることによって、電子プローブが形成される。第2照射系レンズ112は、対物レンズの前方磁場を含む。
照射系絞り114は、第1照射系レンズ110に配置されている。照射系絞り114は、不要な電子線EBをカットする。
偏向器120は、試料に照射される電子線EBを2次元的に偏向する。偏向器120で電子線EBを偏向することによって、試料面2において電子線EBをシフトさせることができる。また、偏向器120で電子線EBを偏向することによって、試料面2に対して電子線EBを傾斜させることができる。偏向器120は、図示の例では、2段の偏向コイルで構成されている。2段の偏向コイルを連動させることによって、電子線EBを単純シフトおよび単純チルトさせることができる。単純シフトおよび単純チルトについては後述する。
走査コイル130は、電子線EBを2次元的に偏向し、電子線EBで試料を走査するためのコイルである。
第1結像系レンズ140および第2結像系レンズ142は、試料を透過した電子線EBで結像する。第1結像系レンズ140および第2結像系レンズ142によって、像が拡大され、試料面2(像面)に対して一定の像回転が加わった電子回折図形が検出面4(回折面)上に転送される。このように、試料面2と検出面4との間に配置された第1結像系レンズ140および第2結像系レンズ142のレンズ作用によって、試料が配置される像面に対して検出器150が配置される回折面が回転する。
検出器150は、第2結像系レンズ142がつくる回折面に配置されている。具体的には、検出器150は、検出面4を有しており、検出面4が回折面に配置されている。検出面4は、試料を透過した電子線EBが検出される面である。
検出器150は、第1結像系レンズ140および第2結像系レンズ142によって転送された電子回折図形を検出する。検出器150は、試料の電磁場によって散乱した電子の散乱方位角(以下、単に「散乱方位角」ともいう)を検出可能な検出器である。検出器150は、例えば、分割型検出器である。分割型検出器は、検出面4が複数の検出領域に分割された検出器である。各検出領域は、独立して電子を検出可能である。
なお、ここでは、検出器150が分割型検出器である場合について説明するが、検出器150は、散乱方位角を検出可能な検出器であれば特に限定されない。例えば、検出器150は、CCDカメラなどのピクセル型検出器であってもよい。
図2は、偏向器120で電子線EBを単純シフトさせた場合の光線図である。単純シフトは、試料面2に対する電子線EBの傾斜角を変えることなく、試料面2において電子線EBをシフトさせることをいう。図2に示すように、偏向器120で電子線EBを単純シフトさせた場合、試料面2において電子線EBの位置が変化しても、検出面4上において
透過ディスクの位置は変化しない。透過ディスクは、電子回折図形において透過波を示すディスクである。
図3は、偏向器120で電子線EBを単純チルトさせた場合の光線図である。図3に示すように、単純チルトは、試料面2において電子線EBをシフトさせることなく、試料面2に対する電子線EBの傾斜角を変えることをいう。偏向器120で電子線EBを単純チルトさせた場合、試料面2において電子線EBの位置は変化しないが、検出面4上において透過ディスクの位置が変化する。この透過ディスクのシフトは、微分位相コントラストイメージング法(DPC法)により検出できる。
DPC法は、試料中の電磁場による電子線の偏向を、試料上の各位置で計測し、試料中の電磁場を可視化するSTEM法の一種である。例えば、分割型検出器で、対向する検出領域の差分を取ることによって、試料上の各位置で電子線の偏向量および偏向の方向を検出できる。以下では、DPC法について図面を参照しながら説明する。
図4は、検出器150の検出面4を模式的に示す平面図である。
図4に示すように、検出面4が、動径方向に2つ、偏角方向に4つに分割されることによって、8つの検出領域A1~A8が形成されている。なお、検出領域の数は、2以上であれば特に限定されない。
例えば、検出領域A5の信号量I5と検出領域A5と検出面4の中心Oに関して対称な検出領域A7の信号量I7の差I5-I7から、検出領域A5と検出領域A7を結ぶ方向における、試料中の電磁場による電子線EBの偏向量の情報を得ることができる。
また、検出領域A6の信号量I6と検出領域A6と中心Oに関して対称な検出領域A8の信号量I8の差I6-I8から、検出領域A6と検出領域A8とを結ぶ方向における、試料中の電磁場による電子線EBの偏向量の情報を得ることができる。
また、差I5-I7および差I6-I8から、試料中の電磁場による電子線EBの偏向方向を特定できる。
このようにして、DPC法で試料中の電磁場による電子線の偏向量および偏向方向を算出し、算出された偏向量および偏向方向を画像化することによって、DPC-STEM像を得ることができる。
1.2. 相対回転角度の測定方法
次に、第1実施形態に係る相対回転角度の測定方法について説明する。
1.2.1. 相対回転角度について
まず、試料が配置される像面と検出器150が配置される回折面との間の相対回転角度について説明する。
試料が配置される像面は試料面2に形成され、検出器150が配置される回折面は検出面4に形成される。像面では、実空間のデータ、すなわち、試料像(実像)が得られ、回折面では、逆空間のデータ、すなわち、電子回折図形が得られる。
相対回転角度は、試料面2上における座標系(後述する座標O(r))に対する検出面4における座標系(後述する座標O(q))の回転角度である。試料面2上における座標系は、試料面2と検出面4との間の結像系レンズのレンズ作用およびスキャンローテーシ
ョンにより回転し、検出面4に転送される。
図5は、相対回転角度を説明するための図である。図6は、スキャンローテーションの前のSTEM像(試料像)S2およびスキャンローテーションの後のSTEM像(試料像)S4を示す図である。
走査透過電子顕微鏡100では、図5に示すように、電子線EBの走査方向を任意に変更可能である(スキャンローテーション)。例えば、図6に示すように、STEM像S2上での右方向を+X方向、STEM像S2上での上方向を+Y方向にとる。このとき、図5に示すように、スキャンローテーションにより走査方向を変えて、STEM像S4を取得する。STEM像S4では、図6に示すように、像の表示方向が変わる。すなわち、STEM像S4の視野は、STEM像S2の視野に対して回転している。
図7は、スキャンローテーションの前のDPC像D2およびスキャンローテーションの後のDPC像D4を示す図である。なお、DPC像D2では、DPC法で求められた試料中の電磁場による電子線EBの偏向方向をベクトルV2で示し、DPC像D4では、DPC法で求められた試料中の電磁場による電子線EBの偏向方向をベクトルV4で示している。
図5に示すように、試料面2における、試料中の電磁場による電子線EBの偏向をベクトルV0で表す。このとき、DPC像D2において、ベクトルV2が示す方向は、ベクトルV0が示す方向から角度Bだけずれている。このずれは、結像系レンズ(第1結像系レンズ140および第2結像系レンズ142)のレンズ作用による像の回転によって生じたものである。
ここで、走査透過電子顕微鏡100では、スキャンローテーションによって光学系全体に対する試料の方向および電子回折図形の方位は変化しない。そのため、スキャンローテーション後のDPC像D4において、ベクトルV4が示す方向は、ベクトルV2が示す方向と同じになる。これは、試料座標に追随して回転する真の電磁場ベクトルV0の描画と、スキャンローテーションの影響を受けない検出器座標によって算出される測定電磁場ベクトルV2およびV4の描画について、その相対関係がスキャンローテーションの値によって任意に変わってしまうことを意味する。
このように、スキャンローテーションによって、試料面2上の座標系(座標O(r))が回転する。そのため、相対回転角度を測定する際には、第1結像系レンズ140および第2結像系レンズ142による像の回転に加えて、スキャンローテーションによる像の回転を考慮しなければならない。
1.2.2. 相対回転角度の測定方法
次に、相対回転角度の測定方法について説明する。
上述したように、走査透過電子顕微鏡100では、単純シフトにより試料面2において電子線EBをシフトでき、単純チルトにより検出面4において電子線EBをシフトできる。また、検出器150を用いることで、単純シフトによる試料面2における電子線EBのシフトの方向はSTEM像の視野の移動として検出でき、単純チルトによる検出面4における電子線EBのシフトの方向はDPC法により検出できる。第1実施形態に係る相対回転角度の測定方法では、このことを利用して、相対回転角度を測定する。
図8は、相対回転角度の測定方法の一例を示すフローチャートである。
(1)第1STEM像および第2STEM像の取得する工程S100
図9は、第1STEM像I1および第3STEM像I3を模式的に示す図である。図10は、第2STEM像I2および第4STEM像I4を模式的に示す図である。
まず、第1STEM像I1および第2STEM像I2を取得する。第1STEM像I1は、試料中の電磁場によって散乱した電子の散乱方位角の情報を含むSTEM像である。第1STEM像I1は、例えば、DPC-STEM像である。なお、便宜上、図9に示す第1STEM像I1において、試料中の電磁場による電子の偏向方向および偏向量を示す矢印の図示を省略している。
第2STEM像I2は、試料中の電磁場によって散乱した電子の散乱方位角の情報を含まないSTEM像である。第2STEM像I2は、試料のエッジの形状が明瞭に観察可能な像であればよい。第2STEM像I2は、例えば、明視野STEM像(BF-STEM像)、環状明視野像(ABF-STEM像)、環状暗視野像(ADF-STEM像)、eABF-STEM像、MBF-STEM像などが挙げられる。
BF-STEM像は、電子回折図形の透過ビームを検出して得られたSTEM像である。ABF-STEM像は、透過ビームの光軸中心部を用いずに周辺部のみを円環状の検出器で選択的に検出して得られたSTEM像である。ADF-STEM像は、円環状の検出器で、回折波を選択的に検出して得られたSTEM像である。eABF-STEM像は、ABF像からBF像を差し引いたSTEM像である。MBF-STEM像は、ABF像とBF像を足し合わせたSTEM像である。
本工程では、まず、照射系光軸、結像系光軸、偏向器120の連動比、検出器150の調整を行い、ユーザーが設定した視野、倍率、カメラ長、走査方向で、STEM像を取得するための測定を行う。すなわち、これらの光学条件で、電子線EBで試料上を走査し、試料を透過した電子線EBを検出器150で検出する。
次に、検出器150の各検出領域A1~A8で得られた検出信号から、第1STEM像I1および第2STEM像I2を算出する。第1STEM像I1は、DPC-STEM像であり、上述したDPC法を用いて、各検出領域A1~A8で得られた検出信号から算出される。
例えば、第2STEM像I2がMBF-STEM像である場合、測定点ごとに検出領域A1~A8で得られた検出信号の総和を求めて、STEM像を生成する。これにより、第2STEM像I2としてのMBF-STEM像を取得できる。
(2)シフト工程S102
次に、偏向器120を用いて、電子線EBを単純シフトさせる。これにより、試料面2において電子線EBがシフトし、検出面4において電子線EBはシフトしない。すなわち、STEM像の視野はシフトするが、DPC-STEM像における電子線EBの偏向量および偏向方向は変化しない。
(3)チルト工程S104
次に、偏向器120を用いて、電子線EBを単純チルトさせる。これにより、検出面4において電子線EBがシフトし、試料面2において電子線EBはシフトしない。すなわち、STEM像の視野はシフトせず、DPC-STEM像における電子線EBの偏向量および偏向方向が、視野全体で変化する。
図11および図12は、シフト工程S102およびチルト工程S104を説明するため
の図である。図11および図12には、それぞれ、試料面2を模式的に示す平面図と、仮想直線Lで切った断面図と、を図示している。
図11および図12に示すように、シフト工程S102では、試料面2上の仮想直線L上で電子線EBの位置をシフトさせ、チルト工程S104では、同一の仮想直線L上で電子線EBを傾斜させる。すなわち、チルト工程S104では、シフト工程S102で電子線EBをシフトさせたときの試料面2上での電子線EBの軌跡を示す直線Lに沿って、電子線EBを傾斜させる。
シフト工程S102における電子線EBのシフト方向と、チルト工程S104における電子線EBの傾斜方向の組み合わせは、図11および図12に示すように2つある。すなわち、図11に示す電子線EBのシフト方向と傾斜方向が同じ方向である場合と、図12に示す電子線EBのシフト方向と傾斜方向が互いに反対方向である場合である。
(4)第3STEM像および第4STEM像の取得工程S106
次に、第3STEM像I3および第4STEM像I4を取得する。第3STEM像I3は、シフト工程S102およびチルト工程S104の後に取得された、散乱方位角の情報を含むSTEM像である。第4STEM像I4は、シフト工程S102およびチルト工程S104の後に取得された、散乱方位角の情報を含まないSTEM像である。なお、便宜上、図9に示す第3STEM像I3に示す矢印は、チルト工程S104における検出面4での電子線EBのシフトのみを表しており、試料中の電磁場による電子の偏向方向および偏向量は考慮されていない。
本工程では、まず、工程S100と同一の光学条件で、STEM像を取得するための測定を行う。すなわち、工程S100と同一の光学条件で、電子線EBを試料上で走査し、試料を透過した電子線EBを検出器150で検出する。次に、検出器150の各検出領域A1~A8で得られた検出信号から、第1STEM像I1と同じ算出方法で第3STEM像I3を算出し、第2STEM像I2と同じ算出方法で第4STEM像I4を算出する。
(5)第1ベクトルVrの算出工程S108
次に、第2STEM像I2および第4STEM像I4に基づいて、シフト工程S102による試料面2における電子線EBのシフトを表す第1ベクトルVrを算出する。
例えば、第2STEM像I2上(第4STEM像I4上)での右方向を+X方向、上方向を+Y方向とする、試料面2上の右手系直交座標O(r)を考え、第2STEM像I2と第4STEM像I4との間の視野のシフトから、座標O(r)のもとで第1ベクトルVrを算出する。
図10に示すように、シフト工程S102で電子線EBをシフトさせたことによって、第4STEM像I4の視野は、第2STEM像I2の視野から、シフト工程S102で試料面2上において電子線EBをシフトさせた分だけずれている。そのため、第2STEM像I2と第4STEM像I4の視野の移動量および移動方向を求めることによって、第1ベクトルVrを得ることができる。
(6)第2ベクトルVqの算出工程S110
次に、第1STEM像I1および第3STEM像I3に基づいて、チルト工程S104による検出面4における電子線EBのシフトを表す第2ベクトルVqを算出する。
例えば、検出器150の向きによって決まる、検出面4上の右手系直交座標O(q)を考え、第1STEM像I1と第3STEM像I3の同一箇所での信号の差分をとり、座標
O(q)のもとで第2ベクトルVqを算出する。例えば、図4に示す例では、座標O(q)の+x方向は、検出領域A4から検出領域A1に向かう方向であり、+y方向は、検出領域A2から検出領域A1に向かう方向である。
図9に示すように、チルト工程S104で電子線EBを傾斜させたことによって、検出面4において電子線EBがシフトし、このシフト分だけ、第3STEM像I3で表される電子線EBの偏向量および偏向方向が視野全体で変化する。そのため、第1STEM像I1と第3STEM像I3の同一箇所での信号の差分をとることによって、第2ベクトルVqを得ることができる。
(7)相対回転角度の算出工程S112
次に、第1ベクトルVrおよび第2ベクトルVqに基づいて、相対回転角度を算出する。
図13は、相対回転角度θの算出方法を説明するための図である。
図13に示すように、座標O(r)上において、第1ベクトルVrおよび第2ベクトルVqを描き、第1ベクトルVrと第2ベクトルVqがなす角度を算出する。
ここで、シフト工程S102では、試料面2上の仮想直線L上で電子線EBをシフトさせ、チルト工程S104では、仮想直線L上で電子線EBを傾斜させた。そのため、図11および図12に示すように、第1ベクトルVrと第2ベクトルVqは、座標O(r)上で、同じ方向、または、互いに反対方向を向いていなければならない。したがって、相対回転角度θの候補としては、2つの角度が考えられる。すなわち、相対回転角度θの候補として、第1ベクトルVrと第2ベクトルVqが同じ方向となる角度θ1と、第1ベクトルVrと第2ベクトルVqが互いに反対方向となる角度θ2と、が挙げられる。
例えば、偏向器120を構成する2段の偏向コイルの連動設定に基づいて角度θ1または角度θ2を選択してもよいし、走査透過電子顕微鏡100の光学系の条件に基づいて角度θ1または角度θ2を選択してもよい。また、例えば、第1~第4STEM像I1~I4に基づいてユーザーが角度θ1または角度θ2を選択してもよい。
このようにして、選択された角度θ1または角度θ2を、相対回転角度θとする。
以上の工程により、相対回転角度を求めることができる。
相対回転角度を求めることで、結像系レンズによる像の回転、およびスキャンローテーションによる像の回転を補正することができる。これにより、例えば、DPC-STEM像において、試料像の方向と、散乱方位角と、を対応づけることができる。
図14は、DPC像D4において電子線EBの偏向(すなわち散乱方位角)を表すベクトルV4を、相対回転角度θを用いて補正した様子を示す図である。図14では、ベクトルV4が示す方向を相対回転角度θで補正して、ベクトルV6で表している。
図14に示すように、相対回転角度θを用いて、DPC像D4におけるベクトルV4の方向を補正することで、補正後のベクトルV6方向を、ベクトルV0の方向に一致させることができる。
このように、測定された相対回転角度を、試料面2に形成される実空間の方位と検出面4に形成される逆空間の方位を対応づけるための補正角度として用いることができる。
また、スキャンローテーションを行った後に、上記の相対回転角度の測定を行うことで、スキャンローテーションを行った場合でも、DPC-STEM像において散乱方位角を正確に知ることができる。
1.3. 効果
第1実施形態に係る相対回転角度の測定方法は、偏向器120を用いて試料面2上において電子線EBをシフトさせるシフト工程S102と、偏向器120を用いて試料面2に対して電子線EBを傾斜させるチルト工程S104と、シフト工程S102およびチルト工程S104の前に、散乱方位角の情報を含む第1STEM像I1と、散乱方位角の情報を含まない第2STEM像I2を取得する工程S100と、シフト工程S102およびチルト工程S104の後に、散乱方位角の情報を含む第3STEM像I3と、散乱方位角の情報を含まない第4STEM像I4を取得する工程S106と、第1STEM像I1、第2STEM像I2、第3STEM像I3、および第4STEM像I4に基づいて、相対回転角度を求める工程S108,S110,S112と、を含む。そのため、第1実施形態に係る相対回転角度の測定方法では、容易に、相対回転角度を測定できる。
第1実施形態に係る相対回転角度の測定方法において、シフト工程S102では、試料面2上の仮想直線L上で電子線EBをシフトさせ、チルト工程S104では、仮想直線L上で電子線EBを傾斜させる。そのため、相対回転角度を算出する工程S112において、相対回転角度の候補を、2つ(図13に示す角度θ1、角度θ2)に絞ることができる。
第1実施形態に係る相対回転角度の測定方法において、第1STEM像I1および第3STEM像I3は、微分位相コントラスト像である。そのため、第1実施形態に係る相対回転角度の測定方法では、容易に、相対回転角度を測定できる。
第1実施形態に係る相対回転角度の測定方法において、相対回転角度を求める工程では、第2STEM像I2および第4STEM像I4に基づいてシフト工程S102による試料面2における電子線EBのシフトを表す第1ベクトルVrを求める工程S108と、第1STEM像I1および第3STEM像I3に基づいてチルト工程S104による検出面4における電子線EBのシフトを表す第2ベクトルVqを求める工程S110と、第1ベクトルVrおよび第2ベクトルVqに基づいて相対回転角度を求める工程S112と、を含む。そのため、第1実施形態に係る相対回転角度の測定方法では、容易に、相対回転角度を測定できる。
1.4. 変形例
次に、第1実施形態に係る相対回転角度の測定方法に用いられる走査透過電子顕微鏡の変形例について説明する。以下では、上述した走査透過電子顕微鏡100の例と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
1.4.1. 第1変形例
検出器150は、検出面4を回転させるための回転機構を含んでいてもよい。すなわち、検出器150の向きが可変であってもよい。例えば、中心Oを回転中心として、検出器150の検出面4が回転可能であってもよい。
図15は、検出器150の検出面4を模式的に示す図である。図15では、図4に示す検出面4を右回りに45度回転させている。このとき、座標O(q)のx軸およびy軸も右回りに45度回転する。
このように、検出面4が回転可能であっても、上述した第1実施形態に係る相対回転角度の測定方法と同様の手順で、相対回転角度を算出できる。
1.4.2. 第2変形例
図16は、走査透過電子顕微鏡100の変形例を説明するための図である。
上述した図1に示す走査透過電子顕微鏡100では、偏向器120が2段の偏向コイルで構成されていたが、図16に示すように、偏向器120が1段の偏向コイルで構成されていてもよい。1段の偏向コイルでは、電子線EBを単純シフトおよび単純チルトさせることができず、試料面2において電子線EBをシフトさせると、電子線EBは試料面2に対して傾斜する。偏向器120が1段の偏向コイルで構成されている場合、シフト工程S102およびチルト工程S104が同時に行われる。
偏向器120が1段の偏向コイルで構成されている場合であっても、シフト工程S102およびチルト工程S104が同時に行われる点を除いて、上述した第1実施形態に係る相対回転角度の測定方法と同様の手順で、相対回転角度を算出できる。
1.5. 実験例
以下に実験例を示し、本発明を説明する。なお、本発明は、以下の実験例によって何ら限定されるものではない。
まず、シフト工程およびチルト工程の前後のDPC-STEM像およびMBF-STEM像を取得した。
図17は、シフト工程およびチルト工程の前後のDPC-STEM像を示し、図18は、シフト工程およびチルト工程の前後のMBF-STEM像を示している。図19~図21は、相対回転角度を測定する工程を説明するための図である。
図17に示す画像DPC-Aは、シフト工程およびチルト工程の前のDPC-STEM像であり、画像DPC-Bは、シフト工程およびチルト工程の後のDPC-STEM像である。また、図18に示す画像Edge-Aは、シフト工程およびチルト工程の前のMBF-STEM像であり、画像Edge-Bは、シフト工程およびチルト工程の後のMBF-STEM像である。
なお、DPC-STEM像は、DPC法により生成されたSTEM像である。画像DPC-Aおよび画像DPC-Bでは、画素の色および画像上の矢印で、散乱方位角を示している。
MBF-STEM像は、各画素の強度が、各画素に相当する測定点における分割型検出器の全測定領域の検出信号の総和で表されるSTEM像である。
画像DPC-Bでは、シフト工程で電子線を単純シフトさせたことで、画像DPC-Aに対して視野ずれが生じている。同様に、画像Edge-Bでは、シフト工程で電子線を単純シフトさせたことで、画像Edge-Aに対して視野ずれが生じている。
さらに、画像DPC-Bでは、チルト工程で電子線を単純チルトさせたことで、画像DPC-Aに一様なDPC信号のオフセットが加えられた状態になっている。
これに対して、画像Edge-Bでは、チルト工程における電子線の単純チルトにほとんど影響されない結像方式のため、単純チルトの効果は表れていない。
次に、図19に示すように、画像Edge-Aおよび画像Edge-Bから、第1ベクトルVrを算出した。第1ベクトルVrは、画像Edge-Aに対する画像Edge-Bの視野のオフセットを表している。
次に、図20に示すように、画像DPC-Aおよび画像DPC-Bから、第2ベクトルVqを算出した。具体的には、まず、画像DPC-Aと画像DPC-Bの間の視野ずれを補正した。画像DPC-Aと画像DPC-Bの間の視野ずれは、第1ベクトルVrを用いて補正できる。画像DPC-B_corrは、第1ベクトルVrを用いて画像DPC-Bの視野ずれを補正した結果の画像である。次に、画像DPC-B_corrから画像DPC-Aを差し引いて、得られた差分ベクトル像においてDPC信号の平均を算出した。これにより、チルト工程による検出面における電子線のシフトを表す第2ベクトルVqを算出した。
画像DPC-B_corrを用いることで、画像DPC-Aと画像DPC-Bの間の視野ずれが補正されるため、差分ベクトル像において試料に起因する電子線の偏向はキャンセルされる。そのため、理想的には、差分ベクトル像は、チルト工程に起因する信号のみが現れ、一様な像となる。
なお、図20に示す差分ベクトル像では、試料上のごみの影響がキャンセルできなかった。しかしながら、図20に示す差分ベクトル像では、均一な差分信号の領域が十分に広いため、第2ベクトルVqの計算にはほとんど影響しなかった。
図21に示すように、試料面上の右手系直交座標O(r)上に、第1ベクトルVrおよび第2ベクトルVqを描画した。ここで、チルト工程では、シフト工程で電子線をシフトさせたときの軌跡を示す直線に沿って、電子線を傾斜させた。そのため、第1ベクトルVrおよび第2ベクトルVqは、座標O(r)上で、同じ方向、または、互いに反対方向を向いていなければならない。したがって、相対回転角度の候補を、角度θ1と角度θ2の2つに絞ることができた。
図22は、相対回転角度が補正された、DPC-STEM像を示す図である。
図22に示す最終的に相対回転角度が補正された、DPC-STEM像が正しく表示されるように、角度θ1を相対回転角度として選択した。これにより、相対回転角度を測定できた。図22に示すDPC-STEM像において、試料と真空部分の境界における電子の散乱方位角や、グレーティング上のゴミにおける電子の散乱方位角から、得られた相対回転角度が適切な値であったことがわかる。
2. 第2実施形態
2.1. 走査透過電子顕微鏡
次に、第2実施形態に係る走査透過電子顕微鏡について図面を参照しながら説明する。図23は、第2実施形態に係る走査透過電子顕微鏡200の構成を示す図である。以下、第2実施形態に係る走査透過電子顕微鏡200において、上述した走査透過電子顕微鏡100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
走査透過電子顕微鏡200は、図23に示すように、制御装置202と、情報処理装置204と、を含む。走査透過電子顕微鏡200では、相対回転角度の測定を自動で行うことができる。
制御装置202は、走査透過電子顕微鏡200の各部を制御する。情報処理装置204は、走査透過電子顕微鏡200の各部を制御するための制御信号を生成し、生成した制御信号を制御装置202に送る。制御装置202は、制御信号に基づいて、走査透過電子顕微鏡200の各部を制御する。
制御装置202は、検出器150の各検出領域A1~A8の検出信号を受け付け、情報処理装置204に送る。情報処理装置204は、各検出領域A1~A8の検出信号を用いて、種々のSTEM像を生成する。
図24は、情報処理装置204の構成を示す図である。
情報処理装置204は、処理部210と、操作部220と、表示部230と、記憶部240と、を含む。
操作部220は、ユーザーが操作情報を入力するためのものであり、入力された操作情報を処理部210に出力する。操作部220の機能は、キーボード、マウス、ボタン、タッチパネル、タッチパッドなどのハードウェアにより実現することができる。
表示部230は、処理部210によって生成された画像を表示する。表示部230の機能は、LCD、CRT、操作部220としても機能するタッチパネルなどにより実現できる。
記憶部240は、処理部210の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶している。また、記憶部240は、処理部210のワーク領域としても機能する。記憶部240の機能は、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)などにより実現できる。
処理部210(コンピュータ)の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)などのハードウェアで、プログラムを実行することにより実現できる。処理部210は、制御部212と、演算部214と、を含む。
制御部212は、走査透過電子顕微鏡200の各部を制御するための制御信号を生成する。制御部212は、例えば、走査透過電子顕微鏡200の各部を制御して、STEM像を取得する処理を行う。
演算部214は、検出器150の各検出領域A1~A8の検出信号に基づいて、各種のSTEM像を生成する。また、演算部214は、相対回転角度を算出する。
2.2. 動作
次に、走査透過電子顕微鏡200の動作について説明する。走査透過電子顕微鏡200では、自動で、相対回転角度を測定することができる。
図25は、処理部210の相対回転角度を測定する処理の一例を示すフローチャートである。
まず、制御部212は、ユーザーが相対回転角度の測定を開始する指示(測定開始指示)を行ったか否かを判断する(S200)。制御部212は、操作部220を介して、測定開始指示が入力された場合に、ユーザーが測定開始指示を行ったと判断する。
制御部212は、測定開始指示があったと判断した場合(S200のYes)、STE
M像を取得するための測定を行う(S202)。これにより、設定された光学条件で、電子線EBが試料上で走査され、試料を透過した電子線EBが検出器150で検出される。検出器150の各検出領域A1~A8の検出信号は、情報処理装置204に送られる。
演算部214は、各検出領域A1~A8の検出信号に基づいて、第1STEM像I1および第2STEM像I2を生成する(S204)。これにより、第1STEM像I1および第2STEM像I2を取得できる。
次に、制御部212は、偏向器120に電子線EBを単純シフトさせる(S206)。次に、制御部212は、偏向器120に電子線EBを単純チルトさせる(S208)。
次に、制御部212は、STEM像を取得するための測定を行い(S210)、演算部214は、第3STEM像I3および第4STEM像I4を生成する(S212)。これにより、第3STEM像I3および第4STEM像I4を取得できる。
演算部214は、第2STEM像I2および第4STEM像I4に基づいて、第1ベクトルVrを算出する(S214)。演算部214は、第1STEM像I1および第3STEM像I3に基づいて、第2ベクトルVqを算出する(S216)。
演算部214は、第1ベクトルVrおよび第2ベクトルVqに基づいて、相対回転角度を算出する(S218)。
例えば、演算部214は、偏向器120の連動設定および光学条件に基づいて、第1ベクトルVrと第2ベクトルVqがなす2つの角度のうちの一方を、相対回転角度とする。なお、演算部214は、第1ベクトルVrと第2ベクトルVqがなす2つの角度の両方を、相対回転角度の候補として、ユーザーに提示してもよい。
演算部214が、相対回転角度を算出した後(S218の後)、処理部210は、相対回転角度を測定する処理を終了する。
上記では、処理部210は、相対回転角度を測定する処理を、ユーザーの測定開始指示に応じて開始したが、例えば、処理部210は、スキャンローテーションが行われたタイミングで、相対回転角度を測定する処理を開始してもよい。これにより、スキャンローテーションが行われた後に取得されたDPC-STEM像において、散乱方位角を正確に知ることができる。
2.3. 効果
走査透過電子顕微鏡200では、自動で、相対回転角度を求めることができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成を含む。実質的に同一の構成とは、例えば、機能、方法、及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成である。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2…試料面、4…検出面、100…走査透過電子顕微鏡、101…電子源、110…第1照射系レンズ、112…第2照射系レンズ、114…照射系絞り、120…偏向器、13
0…走査コイル、140…第1結像系レンズ、142…第2結像系レンズ、150…検出器、200…走査透過電子顕微鏡、202…制御装置、204…情報処理装置、210…処理部、212…制御部、214…演算部、220…操作部、230…表示部、240…記憶部

Claims (9)

  1. 試料に照射される電子線を偏向するための偏向器と、前記試料の電磁場によって散乱した電子の散乱方位角を検出可能な検出器と、を含む走査透過電子顕微鏡において、前記試料が配置される像面と前記検出器が配置される回折面との間の相対回転角度を測定する測定方法であって、
    前記偏向器を用いて、試料面上において電子線をシフトさせるシフト工程と、
    前記偏向器を用いて、前記試料面に対して電子線を傾斜させるチルト工程と、
    前記シフト工程および前記チルト工程の前に、前記散乱方位角の情報を含む第1STEM像と、前記散乱方位角の情報を含まない第2STEM像を取得する工程と、
    前記シフト工程および前記チルト工程の後に、前記散乱方位角の情報を含む第3STEM像と、前記散乱方位角の情報を含まない第4STEM像を取得する工程と、
    前記第1STEM像、前記第2STEM像、前記第3STEM像、および前記第4STEM像に基づいて、前記相対回転角度を求める工程と、
    を含む、相対回転角度の測定方法。
  2. 請求項1において、
    前記シフト工程では、前記試料面上の仮想直線上で電子線をシフトさせ、
    前記チルト工程では、前記仮想直線上で電子線を傾斜させる、相対回転角度の測定方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記第1STEM像および前記第3STEM像は、微分位相コントラスト像である、相対回転角度の測定方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記第2STEM像および前記第4STEM像は、明視野STEM像、環状明視野像、環状暗視野像、eABF-STEM像、またはMBF-STEM像である、相対回転角度の測定方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、
    前記相対回転角度を求める工程は、
    前記第2STEM像および前記第4STEM像に基づいて、前記シフト工程における前記試料面での電子線のシフトを表す第1ベクトルを求める工程と
    前記第1STEM像および前記第3STEM像に基づいて、前記チルト工程における検出面での電子線のシフトを表す第2ベクトルを求める工程と、
    前記第1ベクトルおよび前記第2ベクトルに基づいて、前記相対回転角度を求める工程と、
    を含む、相対回転角度の測定方法。
  6. 電子線を試料に照射するための照射系レンズと、
    前記試料に照射される電子線を偏向するための偏向器と、
    前記試料を透過した電子線で結像するための結像系レンズと、
    前記試料の電磁場によって散乱した電子の散乱方位角を検出可能な検出器と、
    前記試料が配置される像面と前記検出器が配置される回折面との間の相対回転角度を算出する演算部と、
    を含み、
    前記演算部は、
    前記偏向器を用いて、試料面上において電子線をシフトさせ、かつ、前記偏向器を用いて、前記試料面に対して電子線を傾斜させる前に取得された、前記散乱方位角の情報を含
    む第1STEM像と、前記散乱方位角の情報を含まない第2STEM像を取得する処理と、
    前記偏向器を用いて、前記試料面上において電子線をシフトさせ、かつ、前記偏向器を用いて、前記試料面に対して電子線を傾斜させた後に取得された、前記散乱方位角の情報を含む第3STEM像と、前記散乱方位角の情報を含まない第4STEM像を取得する処理と、
    前記第1STEM像、前記第2STEM像、前記第3STEM像、および前記第4STEM像に基づいて、前記相対回転角度を求める処理と、
    を行う、走査透過電子顕微鏡。
  7. 請求項6において、
    前記第1STEM像および前記第3STEM像は、微分位相コントラスト像である、走査透過電子顕微鏡。
  8. 請求項6または7において、
    前記第2STEM像および前記第4STEM像は、明視野STEM像、環状明視野像、環状暗視野像、eABF-STEM像、またはMBF-STEM像である、走査透過電子顕微鏡。
  9. 請求項6ないし8のいずれか1項において、
    前記相対回転角度を求める処理では、
    前記第2STEM像および前記第4STEM像に基づいて、前記試料面上で電子線をシフトさせたことによる前記試料面上における電子線のシフトを表す第1ベクトルを求め、
    前記第1STEM像および前記第3STEM像に基づいて、前記試料面に対して電子線を傾斜させたことによる検出面における電子線のシフトを表す第2ベクトルを求め、
    前記第1ベクトルおよび前記第2ベクトルに基づいて、前記相対回転角度を求める、走査透過電子顕微鏡。
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