JP2022122108A - 飲酒運転防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】乗員の飲酒運転を好適に防止可能な新規の飲酒運転防止装置を提供する。【解決手段】飲酒運転防止装置1は、乗り物用シートSに取り付けられ、乗り物内の空気中アルコール濃度を測定する第1測定センサ10と、乗り物に取り付けられ、乗員の呼気中アルコール濃度を測定する第2測定センサ20と、第1測定センサ10及び第2測定センサ20の測定結果に基づいて、乗員の飲酒の有無を判定する飲酒判定部を有する制御コントローラ30とを備えている。飲酒判定部は、空気中アルコール濃度が第1基準値以上であるか否かを判定する第1判定部と、空気中アルコール濃度が第1基準値以上であった場合に、呼気中アルコール濃度が第1基準値よりも高い第2基準値以上であるか否かを判定する第2判定部とを有しており、呼気中アルコール濃度が第2基準値以上であった場合に、乗員が飲酒していると判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、飲酒運転防止装置に係り、特に、乗り物に設けられ、乗員の飲酒運転を防止するための飲酒運転防止装置に関する。
近年、安全運転の観点から、運転者の呼気中のアルコール濃度を測定し、当該測定結果に基づいて運転者の飲酒の有無を判定するアルコール検知器を運転席付近に設置し、運転者が飲酒していない(飲酒状態ではない)ものと判定された場合にのみ、車両のエンジンを始動させるインターロックシステムが知られている。
当該システムでは、上記のように運転者がアルコール検知器に呼気を吹き込むことで呼気中のアルコール濃度を測定し、運転者の飲酒の有無を判定するタイプと、車内(厳密には、車内の運転席周り)の空気中のアルコール濃度を測定し、運転者の飲酒の有無を判定するタイプとが主に知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009-202656号公報
ところで、運転者がアルコール検知器に呼気を吹き込むタイプでは、運転者が毎回呼気を吹き込む必要があるため、例えば飲酒を全くしない運転者にとっては煩わしい作業となっていた。一方で、車内の空気中のアルコール濃度を測定するタイプでは、運転者にとって煩わしい作業はないものの、運転者の飲酒の有無をできる限り正確に判定するための工夫が必要とされていた。
例えば特許文献1に記載の飲酒運転判定装置では、車内の空気中アルコール濃度を精度良く測定するために、複数のアルコール検出センサを設置し、比較的複雑な判定制御を行う構成となっている。そうすると、複数のアルコール検出センサの設置に伴うコスト増や、判定制御が複雑化してしまう虞があった。
以上のことから、運転者にとって煩わしい作業を軽減し、シンプルな構成で運転者の飲酒の有無を精度良く判定することが可能な飲酒運転防止装置が求められていた。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、乗り物に設けられ、乗員の飲酒運転を好適に防止することが可能な新規の飲酒運転防止装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、乗員にとって煩わしい作業を軽減し、シンプルな構成で乗員の飲酒の有無を精度良く判定することが可能な飲酒運転防止装置を提供することにある。
前記課題は、本発明の飲酒運転防止装置によれば、乗り物に設けられ、乗員の飲酒運転を防止するための飲酒運転防止装置であって、前記乗員が着座する乗り物用シート又は乗り物用シート周辺に位置する乗り物用構成品に取り付けられ、前記乗り物内の空気中のアルコール濃度を測定する第1測定センサと、前記乗り物に取り付けられ、前記乗員の呼気中のアルコール濃度を測定する第2測定センサと、前記第1測定センサ及び前記第2測定センサの測定結果に基づいて、前記乗員の飲酒の有無を判定する飲酒判定部を有する制御コントローラと、を備え、前記飲酒判定部は、前記第1測定センサの測定結果を取得し、前記空気中のアルコール濃度が第1基準値以上であるか否かを判定する第1判定部と、前記空気中のアルコール濃度が前記第1基準値以上であった場合に、前記第2測定センサの測定結果を取得し、前記呼気中のアルコール濃度が前記第1基準値よりも高い第2基準値以上であるか否かを判定する第2判定部と、を有し、前記呼気中のアルコール濃度が前記第2基準値以上であった場合に、前記乗員が飲酒しているものと判定すること、により解決される。
上記構成により、乗員(運転者)にとって煩わしい作業を軽減し、シンプルな構成で乗員の飲酒の有無を精度良く判定することが可能な飲酒運転防止装置を実現できる。
詳しく述べると、飲酒運転防止装置は、まず、乗り物内における乗り物用シート周辺の空気中のアルコール濃度を測定し、当該空気中アルコール濃度が第1基準値以上であるか否かを一次判定する。当該一次判定によって、飲酒していない乗員がわざわざ呼気を吹き込む作業を行うことなく、乗員の飲酒の有無を判定することができる。そして、一次判定の結果、空気中アルコール濃度が第1基準値以上であると判定された場合には、例えば乗員に呼気を吹き込む作業を要求し、呼気中アルコール濃度が第2基準値以上であるか否かを二次判定する。上記一次判定及び二次判定によるシンプルな構成によって、乗員の飲酒の有無を精度良く判定することができる。
また上記構成により、第1基準値は第2基準値よりも低い値が設定されることになる。そのため、空気中アルコール濃度が少しでも高ければ、乗員に呼気を吹き込む作業を要求し(二次判定を要求し)、呼気中アルコール濃度の測定結果に基づく正確な判定を行うこととしている。そうすることで、乗員が実は飲酒状態であった場合の検出漏れや誤検出を抑制することができる。
このとき、前記第1測定センサは、前記乗り物用シートのシートバックに取り付けられていると良い。
上記構成により、乗り物用シートに着座する乗員(乗員の顔)周辺の空気中アルコール濃度を測定することができ、乗員の飲酒の有無をより精度良く判定することができる。また、上記乗員以外に起因する空気中アルコール濃度の誤測定を極力回避することができる。
このとき、前記飲酒判定部は、前記呼気中のアルコール濃度が前記空気中のアルコール濃度よりも低かった場合には、前記乗員が飲酒しているものと判定すると良い。
上記構成により、運転者以外の乗員(飲酒していない乗員)が、なりすまし行為によって呼気を吹き込む作業を行い、乗り物のエンジンを始動させる行為を防ぐことができる。
詳しく述べると、吹き込み作業による呼気中アルコール濃度の測定結果が、空気中アルコール濃度の測定結果よりも低くなるケースとしては、運転者以外の乗員が上記なりすまし行為を行っている可能性が高いため、当該なりすまし行為を防ぐことにつながる。
このとき、前記飲酒判定部は、前記飲酒運転防止装置の作動開始後、所定の時間が経過するまでに前記第1測定センサの測定結果を取得できない場合には、前記第2測定センサの測定結果を取得し、前記第2測定センサの測定結果に基づいて、前記乗員の飲酒の有無を判定すると良い。
上記構成により、第1測定センサが故障等で作動しない場合であっても、乗員の飲酒の有無を判定することができ、乗員が飲酒していない場合には乗り物のエンジンを始動させることができる。
このとき、前記乗り物用シートに取り付けられ、前記乗員が着座していることを検出したときに検出信号を出力する着座センサを備え、前記飲酒判定部は、前記着座センサの検出信号を受信した場合に、前記第1測定センサの測定結果を取得し、前記空気中のアルコール濃度が第1基準値以上であるか否かを判定し、前記飲酒運転防止装置の作動開始後、所定の時間が経過するまでに前記着座センサの検出信号を受信できない場合には、前記第2測定センサの測定結果を取得し、前記第2測定センサの測定結果に基づいて、前記乗員の飲酒の有無を判定すると良い。
上記構成により、着座センサによって乗員が着座していることが検出された場合に、乗員の飲酒の有無を効率良く判定することができる。
また、乗員が着座していることが検出されない場合であっても、乗員に呼気を吹き込む作業を要求し、呼気中アルコール濃度の測定結果に基づく判定を行うように制御している。そうすることで、乗員が着座しない状態で乗り物のエンジンを始動させ、飲酒の有無の判定を回避しようとする行為を未然に防ぐことができる。
このとき、前記乗り物に取り付けられ、乗り物用ドアが開かれていることを検出したときに検出信号を出力するドアセンサを備え、前記制御コントローラは、前記ドアセンサの検出信号を受信した場合に、前記第1測定センサの作動を開始するように制御すると良い。
上記構成により、乗員が乗り物に乗り次第、速やかに飲酒の有無の判定を行うことができる。そして、乗員が効率良くエンジンを始動させることができる。
このとき、前記乗り物のエンジンの始動及び停止を遠隔操作によって行うための遠隔操作装置と、前記乗り物に取り付けられ、乗り物用ドアが開かれていることを検出したときに検出信号を出力するドアセンサと、を備え、前記制御コントローラは、前記遠隔操作装置によって前記エンジンの始動が行われた後、前記ドアセンサの検出信号を受信した場合には、前記エンジンを動作状態から停止状態へ戻すように制御し、前記飲酒判定部によって前記乗員が飲酒していると判定された場合には、前記エンジンを停止状態のまま継続し、前記飲酒判定部によって前記乗員が飲酒していないと判定された場合には、前記エンジンを停止状態から動作状態へ復帰するように制御すると良い。
上記構成により、例えば乗員が遠隔操作装置(例えばリモートスタータ)を使用する場合に、乗員が飲酒していないことが判定されるまでエンジンを強制的に停止状態にしておくことができる。そうすることで、遠隔操作装置を用いて飲酒の有無の判定を回避しながらエンジンを始動させる行為を未然に防ぐことができる。
このとき、前記飲酒判定部は、所定時間毎に、前記第1測定センサの測定結果を取得し、前記空気中のアルコール濃度が第1基準値以上であるか否かを判定すると良い。
上記構成により、乗員が飲酒状態であった場合の検出漏れや誤検出を一層抑制することができる。
このとき、前記乗り物に取り付けられ、前記乗員の個人認証を行うための個人認証装置を備え、前記制御コントローラは、前記乗員毎に設定された前記第1基準値を記憶する記憶部と、前記記憶部によって記憶された前記第1基準値を更新する基準値更新部と、を有し、前記基準値更新部は、前記飲酒判定部によって前記空気中のアルコール濃度が前記第1基準値以上であって、前記呼気中のアルコール濃度が前記第2基準値以下であるとN回(Nは2以上の自然数)判定された場合には、前記第2基準値を超えない範囲内において前記第1基準値を高くするように更新すると良い。
一般に空気中アルコール濃度の測定結果に基づく飲酒判定の精度は、乗員の体型(例えば、乗員が着座したときの顔の位置)によって異なることが想定される。そこで上記構成であれば、空気中アルコール濃度の測定結果と、呼気中アルコール濃度の測定結果とで齟齬が頻繁に生じてしまうことを抑制することができる。
すなわち、乗員毎に第1基準値を設定し更新することで、乗員毎に飲酒判定の処理をカスタマイズすることができる。
第2の基準値が低すぎて第1センサによる測定の要求が頻繁に起こることを抑制する。
このとき、前記制御コントローラは、前記乗員毎に設定される前記第1基準値の初期設定値を、前記第1測定センサの検出限界値となるように設定し、前記基準値更新部は、前記第2基準値を超えない範囲内において前記第1基準値を高くするように更新すると良い。
上記のように、第1基準値の初期設定値を検出限界値に設定しておくことで、乗員が飲酒状態であった場合により精度高く検出することができる。
本発明によれば、乗員(運転者)にとって煩わしい作業を軽減し、シンプルな構成で乗員の飲酒の有無を精度良く判定することが可能な飲酒運転防止装置を実現できる。また、空気中アルコール濃度が少しでも高ければ、乗員に呼気を吹き込む作業を要求し、呼気中アルコール濃度の測定結果に基づく正確な判定を行うこととしている。そうすることで、乗員が実は飲酒状態であった場合の検出漏れや誤検出を抑制することができる。
また本発明によれば、乗り物用シートに着座する乗員周辺の空気中アルコール濃度を測定することができ、乗員の飲酒の有無をより精度良く判定することができる。
また本発明によれば、運転者以外の乗員が、なりすまし行為によって呼気を吹き込む作業を行い、乗り物のエンジンを始動させることを防ぐことができる。
また本発明によれば、第1測定センサが作動しない場合であっても、乗員の飲酒の有無を判定することができる。
また本発明によれば、着座センサによって乗員が着座していることが検出された場合に、乗員の飲酒の有無を効率良く判定することができる。また、乗員が着座しない状態で乗り物のエンジンを始動させ、飲酒の有無の判定を回避しようとする行為を未然に防ぐことができる。
また本発明によれば、乗員が乗り物に乗り次第、速やかに飲酒の有無の判定を行うことができる。そして、乗員が効率良くエンジンを始動させることができる。
また本発明によれば、乗員が遠隔操作装置を使用する場合に、乗員が飲酒していないことが判定されるまでエンジンを強制的に停止状態にしておくことができる。
また本発明によれば、空気中アルコール濃度の測定結果と、呼気中アルコール濃度の測定結果とで齟齬が頻繁に生じてしまうことを抑制することができる。すなわち、乗員毎に飲酒判定の処理をカスタマイズすることができる。
また本発明によれば、第1基準値の初期設定値を検出限界値に設定しておくことで、乗員が飲酒状態であった場合により精度高く検出することができる。
本実施形態の飲酒運転防止装置の全体構成を示す図である。 乗り物用シートの正面図であって、第1測定センサ、着座センサの配置を示す図である。 飲酒運転防止装置のハード構成、ソフト構成を示すブロック図である。 飲酒運転防止処理の一例を示すフローチャートである。 飲酒判定処理の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態の飲酒運転防止処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本実施形態の飲酒運転防止装置について、図1-図6を参照しながら説明する。
本実施形態は、乗り物に設けられ、乗員の飲酒運転を防止するための飲酒運転防止装置であって、乗り物内の空気中のアルコール濃度を測定する第1測定センサと、乗員の呼気中のアルコール濃度を測定する第2測定センサと、第1測定センサ及び第2測定センサの測定結果に基づいて、乗員の飲酒の有無を判定する飲酒判定部を有する制御コントローラと、を備えていることを主な特徴とする飲酒運転防止装置の発明に関するものである。
なお、「乗り物前方側」とは、乗り物用シート(運転用シート)のシートバックに対して乗員(運転者)が着座する側を意味する。
本実施形態の飲酒運転防止装置1は、図1に示すように、乗り物Vに搭載され、乗員(運転者)の飲酒運転を防止するための装置であって、乗員にとって煩わしい呼気を吹き込む作業を極力軽減しながら、乗員の飲酒の有無を精度良く判定することを実現するものである。
具体的には、飲酒運転防止装置1は、まず、乗り物内における空気中アルコール濃度を測定し、当該空気中アルコール濃度が第1基準値以上であるか否かを「一次判定」する。当該一次判定によって、乗員の飲酒の有無を簡易的に判定することができる。そして、一次判定の結果、空気中アルコール濃度が第1基準値以上であると判定された場合には、乗員に呼気を吹き込む作業を要求し、呼気中アルコール濃度が第2基準値以上であるか否かを「二次判定」する。上記一次判定及び二次判定によるシンプルな構成によって、乗員の飲酒の有無を精度良く判定することができる。
<飲酒運転防止装置のハードウェア構成>
飲酒運転防止装置1は、乗り物用シートSに取り付けられ、空気中のアルコール濃度を測定する第1測定センサ10と、ダッシュボードV1に取り付けられ、乗員の呼気中のアルコール濃度を測定する第2測定センサ20と、乗り物Vに取り付けられ、第1測定センサ10及び第2測定センサ20の測定結果に基づいて、乗員の飲酒の有無を判定する制御コントローラ30と、制御コントローラ30によって制御され、エンジンV2を始動可能状態と始動不能状態の間で切り替えるインターロック装置40と、制御コントローラ30の判定結果に基づく内容をユーザ報知するための車載モニタ50及び車載スピーカ60と、を備えている。
また、飲酒運転防止装置1は、乗り物用シートSに取り付けられ、乗員が着座していることを検出する着座センサ70と、ドアV3に取り付けられ、ドアV3が開かれていることを検出するドアセンサ80と、エンジンV2の始動及び停止を遠隔操作によって行うための遠隔操作装置90と、ダッシュボードV1に取り付けられ、乗員の個人認証を行うための個人認証装置100と、をさらに備えている。
第1測定センサ10は、図1-図3に示すように、空気中のアルコール濃度を測定するガス測定センサであって、例えば小型の嗅覚センサ(膜型表面応力センサ(MSS))である。
第1測定センサ10は、乗り物用シートSのシートバックS1に取り付けられている。より詳しく述べると、シートバックS1の上端部分に取り付けられ、ヘッドレストS3を支持する左右のヘッドレストピラーS3aの間に配置されている。
そのため、第1測定センサ10は、乗り物用シートSに着座する乗員(乗員の顔)周辺の空気中アルコール濃度を測定することができる。すなわち、当該乗員以外に起因する空気中アルコール濃度の誤測定を極力回避することができる。
なお、乗り物用シートSは、シートバックS1と、シートクッションS2と、ヘッドレストS3とを備えている。
シートバックS1は、乗員の背中を後方から支持する背もたれ部であって、骨格となる不図示のバックフレームにクッション材S1aを載置して、表皮材S1bで被覆されて構成されている。
シートクッションS2は、乗員を下方から支持する着座部であって、骨格となる不図示のクッションフレームにクッション材S2aを載置して、クッション材S2aの上から表皮材S2bによって被覆されて構成されている。
ヘッドレストS3は、乗員の頭を後方から支持する頭部であって、芯材となるヘッドレストピラーS3aにクッション材S3bを載置して、表皮材S3cで被覆されて構成されている。
上記構成において、第1測定センサ10は、シートバックS1においてクッション材S1aと表皮材S1bの間に配置されており、クッション材S1aに形成された不図示の収納凹部に収納されている。
第2測定センサ20は、図1、図3に示すように、乗員の呼気中のアルコール濃度を測定するアルコールチェッカーであって、乗員が呼気を吹き込むための吹き込み口21と、吹き込み口21に吹き込まれた乗員の呼気中のアルコール濃度を測定するガス測定センサ22と、を有している。
第2測定センサ20は、ダッシュボードV1に取り付けられ、ハンドルV4に隣接した位置に配置されている。
制御コントローラ30は、図1、図3に示すように、飲酒運転防止装置1の電気制御を総合的に行う制御装置であって、第1測定センサ10、第2測定センサ20、インターロック装置40、車載モニタ50、車載スピーカ60、着座センサ70、ドアセンサ80、遠隔操作装置90、個人認証装置100と車載ネットワークを通じて接続されている。
具体的には、データの演算・制御処理装置としてのCPUと、記憶装置としてのROM及びRAMと、車載ネットワークを通じて情報データの送受信を行う通信インタフェースと、を備えたコンピュータである。
制御コントローラ30の記憶装置には、コンピュータとして必要な機能を果たすメインプログラムに加えて、飲酒運転防止プログラムが記憶されており、これらプログラムがCPUによって実行されることにより、飲酒運転防止装置1の機能が発揮されることになる。
なお、遠隔操作装置90や個人認証装置100についても同様のハードウェア構成からなるコンピュータを備えている。
インターロック装置40は、図1、図3に示すように、エンジンV2を始動可能とする「始動可能状態」と、エンジンV2を始動不能とする「始動不能状態」の間で切り替わるロック装置であって、乗り物Vの内部に取り付けられている。
インターロック装置40は、例えば乗員が飲酒していないものと判定されたときに、制御コントローラ30から所定の制御信号を受信し、「始動不能状態」から「始動可能状態」へ切り替わることができる。
車載モニタ50、車載スピーカ60は、制御コントローラ30による飲酒判定の結果に基づく内容をユーザ報知するための表示モニタ(表示部)、スピーカ(音発信部)であって、それぞれダッシュボードV1に取り付けられている。
車載モニタ50は、例えば乗員が飲酒していないものと判定されたときに、制御コントローラ30から制御信号を受信し、モニタ画面上に「エンジンをかけてください。」等とガイド表示することができる。
また、車載スピーカ60は、例えば乗員が飲酒しているものと判定されたときに、制御コントローラ30から制御信号を受信し、「エンジンをかけることはできません。」等とガイド音声を発信することができる。
着座センサ70は、図1-図3に示すように、乗員が着座していることを検出したときに、制御コントローラ30に向けて検出信号を出力する圧力センサであって、乗り物用シートSのシートクッションS2の表面に取り付けられている。
より詳しく述べると、着座センサ70は、シートクッションS2においてクッション材S2aと表皮材S2bの間に配置されており、クッション材S2aに形成された不図示の収納凹部に収納されている。
ドアセンサ80は、乗り物用ドアV3が開かれていることを検出したときに、制御コントローラ30に向けて検出信号を出力するドア開閉センサであって、ドアV3の内部に取り付けられている。
遠隔操作装置90は、図1、図3に示すように、乗員が遠隔操作によってエンジンV2の始動及び停止を行うための装置であって、例えばリモートエンジンスタータである。
詳しく述べると、遠隔操作装置90は、乗り物Vの内部に搭載され、エンジンV2の始動動作及び停止動作を行うスタータ本体(装置本体)と、所定のユーザ操作の入力を受け付けてスタータ本体に向けて所定の入力信号を出力するリモコンと、を有している。
遠隔操作装置90は、例えばインターロック装置40によって「始動不能状態」となっているときには、ユーザ操作によるエンジンV2の始動の入力を受け付けた場合であっても、エンジンV2の始動を行うことができない。
個人認証装置100は、図1、図3に示すように、乗り物用シートSに着座する乗員の個人認証を行うための装置であって、例えば、顔認証装置である。
詳しく述べると、個人認証装置100は、ダッシュボードV1に取り付けられた撮影カメラ110を有しており、乗員の顔を撮影した「撮影データ」をリアルタイムで取得し、データベースに予め登録した乗員の「乗員識別データ(例えば顔画像データ)」と照合し、照合結果に基づいて乗員を特定するものである。
個人認証装置100は、例えば着座センサ70によって乗員が着座していることが検出されたときに作動し、乗員の個人認証を行い、特定した乗員の識別情報(乗員識別データ)を制御コントローラ30に向けて送信することができる。
<飲酒運転防止装置の機能>
制御コントローラ30は、図3に示すように、機能面から説明すると、各種プログラム及び各種データを記憶しておく記憶部31と、基準値設定部32と、基準値更新部33と、各種データを送受信する通信部34と、飲酒判定部35と、出力部36(制御実行部)と、を主な構成要素として備えている。
これらは、CPU、ROM、RAM、通信用インタフェース、及び各種プログラム等によって構成されている。
遠隔操作装置90についても機能面から説明すると、各種プログラム及び各種データを記憶する記憶部91と、制御コントローラ30との間で各種データを送受信する通信部92と、ユーザ操作の入力を受け付けて「操作データ」を作成する操作データ作成部93と、「操作データ」に基づいて操作処理を実行する操作実行部94と、を主な構成要素として備えている。
例えば、操作データ作成部93は、乗員によるエンジン始動のユーザ操作の入力を受け付けて「操作データ」を作成する。操作実行部94は、当該「操作データ」を取得し、エンジンV2の始動を実行する。
個人認証装置100についても機能面から説明すると、データベース101と、通信部102と、乗員の個人認証を行う乗員特定部103と、を主な構成要素として備えている。
データベース101には、乗り物Vを運転する乗員の識別内容を示す「乗員識別データ(顔画像データ)」が複数記憶されている。乗員特定部103は、撮影カメラ110を通じて乗員(乗員の顔)の「撮影データ」を取得し、データベース101に予め記憶された「乗員識別データ」と当該「撮影データ」を照合し、照合結果に基づいて乗員を特定する。
以下、制御コントローラ30の機能について詳しく説明する。
記憶部31には、「基準値データ」が記憶されている。「基準値データ」は、個人認証装置100(データベース101)に登録された乗員(乗員の属性)と、第1基準値及び第2基準値との対応関係を示すテーブルデータであって、随時アップデートされ、一元管理されて記憶されている。
当該基準値データを参照することで、制御コントローラ30が個々の乗員に対応させた飲酒判定の処理を実行することができる。
基準値設定部32は、酒気帯び運転の基準値となる「第1基準値」及び「第2基準値」を乗員毎に初期設定するものである。
「第1基準値」は、乗り物内の空気中アルコール濃度に対する基準値であって、「第2基準値」は、乗員の呼気中のアルコール濃度に対する基準値である。
詳しく述べると、基準値設定部32は、「第1基準値」を「第2基準値」よりも低くなるように初期設定する。
すなわち、飲酒判定を実行するにあたって、空気中アルコール濃度が少しでも高ければ、乗員に呼気を吹き込む作業を要求し、呼気中アルコール濃度の測定結果に基づく正確な判定を行うこととしている。そうすることで、乗員が実は飲酒状態であった場合の検出漏れや誤検出を抑制することができる。
具体的には、基準値設定部32は、「第1基準値」を法規基準よりも低い基準値となる0.10mg/Lに初期設定し、「第2基準値」を法規基準に基づく基準値となる0.15mg/Lに初期設定する。すなわち、「第1基準値」は「第2基準値」よりも過酷な基準値に設定されている。また、「第1基準値」は、乗員によらず一律に設定されている。
なお、「第1基準値」の初期設定値は、特に限定されることなく変更可能である。
例えば、基準値設定部32は、「第1基準値」を第1測定センサ10の検出限界値(例えば、0.01mg/L)となるように初期設定しても良い。
基準値更新部33は、「第1基準値」を乗員毎に更新するものである。
詳しく述べると、基準値更新部33は、所定の乗員に対し、飲酒判定部35によって空気中アルコール濃度が「第1基準値」以上であって、呼気中アルコール濃度が「第2基準値」以下であるとN回(Nは2以上の自然数)連続して判定された場合には、「第2基準値」を超えない範囲内において「第1基準値」を高くするように更新する。
例えば、基準値更新部33は、所定の乗員の「第1基準値」が0.01mg/Lに初期設定されていたときに、上記条件を満たす場合には、「第1基準値」を0.05mg/Lに更新することができる。
なお、基準値更新部33は、所定の条件を満たす場合には「第1基準値」を低くするように更新しても良い。また、所定の条件を満たす場合には「第2基準値」を更新しても良い。
通信部34は、車載ネットワークを通じて制御コントローラ30と、第1測定センサ10、第2測定センサ20、インターロック装置40、車載モニタ50、車載スピーカ60、着座センサ70、ドアセンサ80、遠隔操作装置90及び個人認証装置100との間でデータの送受信を実行するものである。
例えば、通信部34は、第1測定センサ10及び第2測定センサ20から測定結果(測定結果データ)を受信する。そして、乗員が飲酒していないものと判定されたときに、インターロック装置40に向けて「始動不能状態」から「始動可能状態」へ切り替える制御データ(制御信号)を送信する。
飲酒判定部35は、第1測定センサ10及び第2測定センサ20の測定結果に基づいて、乗員の飲酒の有無を判定するものである。
詳しく述べると、飲酒判定部35は、第1判定部35aと、第2判定要求部35bと、第2判定部35cと、を有している。
第1判定部35aは、第1測定センサ10から測定結果データを取得し、乗員(乗員の顔)周辺の空気中アルコール濃度が「第1基準値」以上であるか否かを判定する。
第2判定要求部35bは、第1判定部35aによって空気中アルコール濃度が「第1基準値」以上であると判定された場合に、乗員に対し第2測定センサ20(吹き込み口21)に向けて呼気を吹き込むように要求する。
具体的には、第2判定要求部35bは、車載モニタ50や車載スピーカ60を通じて乗員に対し「呼気を吹き込んでください。」等とユーザ報知し、より正確に飲酒判定を行う必要があることをお知らせする。
第2判定部35cは、第2測定センサ20から測定結果データを取得し、乗員の呼気中アルコール濃度が「第2基準値」以上であるか否かを判定する。
飲酒判定部35は、第2判定部35cによって呼気中アルコール濃度が「第2基準値」以上であった場合に、乗員が飲酒しているものと判定する。
一方で、第1判定部35aによって空気中アルコール濃度が「第1基準値」未満であると判定された場合や、第2判定部35cによって呼気中アルコール濃度が「第2基準値」未満であった場合には、乗員が飲酒していないものと判定する。
そのほか、飲酒判定部35は、乗員の呼気中アルコール濃度が空気中アルコール濃度よりも低かった場合には、乗員が飲酒しているものと判定すると良い。
そうすることで、運転者以外の乗員(飲酒していない乗員)が、なりすまし行為によって呼気を吹き込む作業を行い、エンジンV2を始動させることを防ぐことができる。
そのほか、飲酒判定部35は、飲酒運転防止装置1の作動開始後、所定の時間が経過するまでに第1測定センサ10から測定結果データを取得できない場合には、第2測定センサ20から測定結果データを取得し、第2測定センサ20の測定結果に基づいて、乗員の飲酒の有無を判定すると良い。
そうすることで、第1測定センサ10が故障などで作動しない場合であっても、乗員の飲酒の有無を判定することができ、乗員が飲酒していない場合にはエンジンV2を始動させることができる。
そのほか、飲酒判定部35は、着座センサ70の検出信号を受信した場合に、第1測定センサ10から測定結果データを取得して、空気中アルコール濃度が「第1基準値」以上であるか否かを判定すると良い。
このとき、飲酒運転防止装置1の作動開始後、所定の時間が経過するまでに着座センサ70の検出信号を受信できない場合には、第2測定センサ20から測定結果データを取得し、第2測定センサ20の測定結果に基づいて乗員の飲酒の有無を判定すると良い。
そうすることで、実際に着座している乗員の飲酒判定を効率良く判定することができる。また、乗員が着座していることが検出されない場合であっても、乗員に呼気を吹き込む作業を要求することで、乗員が着座しない状態でエンジンV2を始動させ、飲酒判定を回避しようとする行為を未然に防ぐことができる。
そのほか、飲酒判定部35は、所定時間毎に、第1測定センサ10から測定結果データを取得し、空気中アルコール濃度が「第1基準値」以上であるか否かを判定すると良い。
そうすることで、乗員が飲酒状態であった場合の検出漏れや誤検出を一層抑制することができる。
出力部36は、車載ネットワークを通じてインターロック装置40、車載モニタ50、車載スピーカ60等に向けて所定の制御データ(制御信号)を出力し、インターロック装置40、車載モニタ50、車載スピーカ60に対し所定の動作を実行するように制御するものである。
詳しく述べると、出力部36は、飲酒判定部35によって乗員が飲酒していないと判定されたときに、インターロック装置40に向けて制御データを送信し、インターロック装置40を「始動不能状態」から「始動可能状態」へ切り替えるように制御する。
また、出力部36は、飲酒判定部35によって乗員が飲酒していると判定されたときには、車載モニタ50(車載スピーカ60)に向けて制御データを送信し、「エンジンをかけることはできません。」等とガイド表示(ガイド音声)を行い、乗員に対してユーザ報知するように制御する。
そのほか、出力部36は、遠隔操作装置90によってエンジンV2の始動が行われた後、ドアセンサ80の検出信号を受信した場合には、エンジンV2を「動作状態」から「停止状態」へ戻すように制御するとよい。
そして、出力部36は、飲酒判定部35によって乗員が飲酒していると判定された場合には、エンジンV2を「停止状態」のまま制御すると良い。あるいは、乗員が飲酒していないと判定された場合には、エンジンV2を「停止状態」から「動作状態」へ復帰するように制御すると良い。
そうすることで、例えば乗員が遠隔操作装置90を使用する場合に、乗員が飲酒していないことが判定されるまでエンジンV2を強制的に停止状態にしておくことができる。すなわち、乗員が遠隔操作装置90を用いて飲酒判定を回避しながらエンジンV2を始動させる行為を未然に防ぐことができる。
上記飲酒運転防止装置1の機能によって、乗員(運転者)の飲酒運転を好適に防止することが可能となる。すなわち、乗員にとって煩わしい作業を軽減し、シンプルな構成で乗員の飲酒の有無を精度良く判定することが可能となる。
<飲酒運転防止方法>
次に、飲酒運転防止装置1によって実行される飲酒運転防止プログラム(飲酒運転防止作方法)の処理について、図4-図6に基づいて説明する。
本実施形態の上記プログラムは、記憶部31を有する制御コントローラ30の機能的な構成要素として、上述した記憶部31と、基準値設定部32と、基準値更新部33と、通信部34と、飲酒判定部35と、出力部36と、を実現させるためのプログラムであって、制御コントローラ30のCPUがこの飲酒運転防止プログラムを実行する。
上記プログラムは、例えば、ユーザ(乗員)がドアV3を開いたことをトリガーとして実行されるものである(図4のフロー参照)。あるいは、ユーザが遠隔操作装置90を操作したことをトリガーとして実行されるものである(図6のフロー参照)。
なお、図4のフローでは、最初、インターロック装置40が「始動不能状態」となっており、乗員が乗り物Vの運転キーを利用してもエンジンV2を始動できない状態となっている。
図4に示す飲酒運転防止処理フローでは、まず、制御コントローラ30が、ドアセンサ80から検出信号を受信し、ドアV3が開かれたことを検出するステップS1から始まる。
なお、制御コントローラ30(出力部36)は、ドアV3が開かれたことを検出したときに、第1測定センサ10及び第2測定センサ20等の作動を開始するように制御する。
そして、ステップS2で、制御コントローラ30が、着座センサ70から検出信号を受信し、乗員が乗り物用シートSに着座していることを検出する。
なお、着座センサ70が検出信号を発信している状態(オンされた状態)であれば、乗員が乗り物用シートSに着座している状態であることが分かる。
そして、ステップS3で、制御コントローラ30が、個人認証装置100から、乗り物用シートSに着座している乗員の「乗員識別データ」を取得し、当該乗員を特定する。
詳しく述べると、個人認証装置100が、撮影カメラ110を通じて乗員の顔の「撮影データ」を取得し、データベース101に予め記憶された「乗員識別データ」と当該「撮影データ」を照合し、照合結果に基づいて乗員を特定する。そして、特定した乗員の「乗員識別データ」を制御コントローラ30に向けて送信する。
制御コントローラ30は、特定した乗員の「乗員識別データ」を取得する。
そして、ステップS4で、制御コントローラ30(飲酒判定部35)が、特定した乗員の飲酒の有無を判定し、当該判定結果に基づいて出力部36が所定の制御を実行する。
詳しく述べると、飲酒判定部35によって乗員が飲酒していると判定された場合には、出力部36が、インターロック装置40を「始動不能状態」のまま制御し、車載モニタ50(車載スピーカ60)を通じて乗員にユーザ報知するように制御する。
また、乗員が飲酒していないと判定された場合には、出力部36が、インターロック装置40に向けて制御データを送信し、インターロック装置40を「始動不能状態」から「始動可能状態」へ切り替えるように制御する。
上記ステップS1からステップS4を経て、図4のプロセスを終了する。
次に、ステップS4の「飲酒判定処理」について、図5に基づいて詳しく説明する。
図5に示す飲酒判定処理フローでは、まず、飲酒判定部35が、第1測定センサ10から「測定結果データ」を取得するステップS4-1から始まる。
詳しく述べると、第1測定センサ10が、乗り物用シートS周辺の空気中アルコール濃度を測定し、制御コントローラ30に向けて「測定結果データ」を送信する。そして、飲酒判定部35が「測定結果データ」を取得する。
そして、ステップS4-2で、第1判定部35aが、上記「測定結果データ」に基づいて、空気中アルコール濃度が「第1基準値」以上であるか否かを判定する。
詳しく述べると、第1判定部35aは、記憶部31に記憶された「基準値データ」を参照して、乗員毎に設定された「第1基準値」を決定する。なお、ステップS3の「乗員特定処理」によって既に乗員は特定されている。
そして、第1判定部35aは、空気中アルコール濃度が、乗員毎に設定された「第1基準値」以上であるか否かを判定する。
そして、空気中アルコール濃度が「第1基準値」以上であると判定された場合には(ステップS4-2:Yes)、ステップS4-3に進む。
ステップS4-3では、第2判定要求部35bが、乗員に対し第2測定センサ20(吹き込み口21)に向けて呼気を吹き込むように要求する。具体的には、乗員に対し「呼気を吹き込んでください。」等とユーザ報知する。
一方で、空気中アルコール濃度が「第1基準値」未満であると判定された場合には(ステップS4-2:Nо)、ステップS4-7に進む。
そして、ステップS4-4で、飲酒判定部35が、第2測定センサ20から「測定結果データ」を取得する。
詳しく述べると、第2測定センサ20が、乗員の呼気中アルコール濃度を測定し、制御コントローラ30に向けて「測定結果データ」を送信する。そして、飲酒判定部35が「測定結果データ」を取得する。
そして、ステップS4-5で、第2判定部35cが、上記「測定結果データ」に基づいて、呼気中アルコール濃度が「第2基準値」以上であるか否かを判定する。
呼気中アルコール濃度が「第2基準値」以上であると判定された場合には(ステップS4-5:Yes)、ステップS4-6に進む。
一方で、呼気中アルコール濃度が「第2基準値」未満であると判定された場合には(ステップS4-5:Nо)、ステップS4-7に進む。
次に、ステップS4-6で、出力部36が、インターロック装置40を「始動不能状態」のまま制御し、車載モニタ50(車載スピーカ60)を通じて乗員に対して飲酒運転しないようにユーザ報知する。
詳しく述べると、出力部36は、乗員が飲酒していると判定されたときには、車載モニタ50(車載スピーカ60)に向けて制御データを送信し、「エンジンをかけることはできません。」等とガイド表示(ガイド音声)を行い、乗員に対してユーザ報知するように制御する。
一方で、ステップS4-7では、出力部36が、インターロック装置40を「始動不能状態」から「始動可能状態」へ切り替えるように制御し、車載モニタ50(車載スピーカ60)を通じて乗員に対して運転可能であることをユーザ報知する。
詳しく述べると、出力部36は、乗員が飲酒していないと判定されたときには、車載モニタ50(車載スピーカ60)に向けて制御データを送信し、「エンジンをかけてください」等とガイド表示(ガイド音声)を行い、乗員に対してユーザ報知するように制御する。
上記ステップS4-1からステップS4-6(またはステップS4-7)を経て、図5のプロセスを終了する。
上記の飲酒運転防止プログラムの構成により、運転者にとって煩わしい作業を軽減し、シンプルな構成で運転者の飲酒の有無を精度良く判定することが可能となる。
次に、第2実施形態の飲酒運転防止プログラムとして、ユーザが遠隔操作装置90を操作したことをトリガーとして実行される場合について、図6に基づいて説明する。
なお、第2実施形態では、最初、インターロック装置40が「始動可能状態」となっており、乗員が遠隔操作装置90を利用することで、エンジンV2を始動できる状態となっている。
図6に示す飲酒運転防止処理フローでは、まず、乗員が乗り物Vの外から遠隔操作装置90を操作することで、遠隔操作装置90がエンジンV2を始動するステップS101から始まる。
そして、ステップS102で、制御コントローラ30が、ドアセンサ80から検出信号を受信し、ドアV3が開かれたことを検出する。
そして、ステップS103で、制御コントローラ30(出力部36)が、エンジンV2を「動作状態」から「停止状態」へ切り替えるように制御する。
これは、乗員が遠隔操作装置90を使用する場合に、乗員が飲酒していないことが判定されるまでエンジンV2を強制的に停止状態にしておくものである。そうすることで、遠隔操作装置90を利用して飲酒判定処理を回避しながらエンジンV2を始動させる行為を未然に防ぐことができる。
そして、ステップS104で、制御コントローラ30が、着座センサ70から検出信号を受信し、乗員が乗り物用シートSに着座していることを検出する。
そして、ステップS105で、制御コントローラ30が、個人認証装置100から、乗り物用シートSに着座している乗員の「乗員識別データ」を取得し、当該乗員を特定する。
そして、ステップS106で、制御コントローラ30(飲酒判定部35)が、特定した乗員の飲酒の有無を判定し、当該判定結果に基づいて出力部36が所定の制御を実行する。
詳しく述べると、乗員が飲酒していると判定された場合には、出力部36が、エンジンV2を「停止状態」のままとするように制御する。
また、乗員が飲酒していないと判定された場合には、出力部36が、エンジンV2を「停止状態」から「動作状態」へ戻すように制御する。
なお、ステップS106の「飲酒判定処理」の詳細については、ステップS4と同様である。
上記ステップS101からステップS106を経て、図4のプロセスを終了する。
上記の飲酒運転防止プログラムの構成であれば、乗員が遠隔操作装置90によってエンジンV2を始動させた場合であっても、乗員が乗り物Vを運転するにあたって飲酒判定処理を回避することができなくなる。また、シンプルな構成で運転者の飲酒の有無を精度良く判定することが可能となる。
<その他の実施形態>
上記実施形態では、図1、図2に示すように、第1測定センサ10が、乗り物用シートSのシートバックS1に取り付けられているが、特に限定されることなく変更可能である。
例えば、第1測定センサ10が、シートクッションS2やヘッドレストS3に取り付けられていても良い。あるいは、乗り物用シートS周辺に位置する乗り物用構成品に取り付けられていても良い。「乗り物用構成品」としては、例えば、シートベルト装置(ウェビング)やコンフォートであっても良いし、ダッシュボードや天井パネル、ハンドル等であっても良い。
上記実施形態では、出力部36が、飲酒判定部35の判定結果に基づいて、インターロック装置40を切り替え制御することや、車載モニタ50(車載スピーカ60)に対し所定のユーザ報知を行うように制御しているが、出力部36による制御内容は適宜変更しても良い。
すなわち、乗員が飲酒していると判定された場合には、出力部36は、乗員が乗り物Vを運転できないように制御することができれば良い。例えば、アクセルペダルやブレーキペダルを機能させないように制御しても良いし、ギアチェンジできないように制御しても良い。運転キーの差し込み口を封鎖するように制御しても良い。
上記実施形態では、図1に示すように、個人認証装置100が、乗員の顔を撮影することで乗員の個人認証を行っているが、顔認証技術以外の個人認証技術を用いても良い。
例えば、乗り物用シートSの内部に体圧センサを搭載し、当該体圧センサに基づいて乗員の骨格を測定し、乗員の個人認証を行うこととしても良い。
また例えば、乗員が利用するスマートフォン(携帯端末)とデータ通信することで、乗員の個人認証を行うこととしても良い。
上記実施形態では、制御コントローラ30が、第1測定センサ10の測定開始タイミングを制御しており、例えば乗員が着座してから所定時間経過した後に測定開始するように制御しているが、測定開始のタイミングについては適宜変更しても良い。
例えば、乗員が不図示の測定開始ボタンを操作したときに、第1測定センサ10が測定を開始しても良い。あるいは、乗員が乗り物Vの運転キーを差し込む操作をしたときに、第1測定センサ10が測定を開始しても良い。
上記実施形態では、飲酒運転防止装置1(制御コントローラ30)が読み取り可能な記録媒体に飲酒運転防止プログラムが記憶されており、制御コントローラ30が当該プログラムを読み出して実行することによって処理が実行される。ここで制御コントローラ30が読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。
上記実施形態では、具体例として自動車に用いられる飲酒運転防止装置について説明したが、特に限定されることなく、飲酒運転防止装置は、電車、バス等の乗り物のほか、飛行機、船等の乗り物に対しても用いることができる。
上記実施形態では、主として本発明に係る飲酒運転防止装置に関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
V 乗り物
V1 ダッシュボード
V2 エンジン
V3 ドア(乗り物用ドア)
V4 ハンドル
S 乗り物用シート
S1 シートバック
S1a、S2a、S3b クッション材
S1b、S2b、S3c 表皮材
S2 シートクッション
S3 ヘッドレスト
S3a ヘッドレストピラー
1 飲酒運転防止装置
10 第1測定センサ
20 第2測定センサ
21 吹き込み口
22 ガス測定センサ
30 制御コントローラ
31 記憶部
32 基準値設定部
33 基準値更新部
34 通信部
35 飲酒判定部
35a 第1判定部
35b 第2判定要求部
35c 第2判定部
36 出力部
40 インターロック装置
50 車載モニタ
60 車載スピーカ
70 着座センサ
80 ドアセンサ
90 遠隔操作装置
91 記憶部
92 通信部
93 操作データ作成部
94 操作実行部
100 個人認証装置
101 データベース
102 通信部
103 乗員特定部
110 撮影カメラ

Claims (10)

  1. 乗り物に設けられ、乗員の飲酒運転を防止するための飲酒運転防止装置であって、
    前記乗員が着座する乗り物用シート又は乗り物用シート周辺に位置する乗り物用構成品に取り付けられ、前記乗り物内の空気中のアルコール濃度を測定する第1測定センサと、
    前記乗り物に取り付けられ、前記乗員の呼気中のアルコール濃度を測定する第2測定センサと、
    前記第1測定センサ及び前記第2測定センサの測定結果に基づいて、前記乗員の飲酒の有無を判定する飲酒判定部を有する制御コントローラと、を備え、
    前記飲酒判定部は、
    前記第1測定センサの測定結果を取得し、前記空気中のアルコール濃度が第1基準値以上であるか否かを判定する第1判定部と、
    前記空気中のアルコール濃度が前記第1基準値以上であった場合に、前記第2測定センサの測定結果を取得し、前記呼気中のアルコール濃度が前記第1基準値よりも高い第2基準値以上であるか否かを判定する第2判定部と、を有し、
    前記呼気中のアルコール濃度が前記第2基準値以上であった場合に、前記乗員が飲酒しているものと判定することを特徴とする飲酒運転防止装置。
  2. 前記第1測定センサは、前記乗り物用シートのシートバックに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の飲酒運転防止装置。
  3. 前記飲酒判定部は、前記呼気中のアルコール濃度が前記空気中のアルコール濃度よりも低かった場合には、前記乗員が飲酒しているものと判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の飲酒運転防止装置。
  4. 前記飲酒判定部は、
    前記飲酒運転防止装置の作動開始後、所定の時間が経過するまでに前記第1測定センサの測定結果を取得できない場合には、
    前記第2測定センサの測定結果を取得し、前記第2測定センサの測定結果に基づいて、前記乗員の飲酒の有無を判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の飲酒運転防止装置。
  5. 前記乗り物用シートに取り付けられ、前記乗員が着座していることを検出したときに検出信号を出力する着座センサを備え、
    前記飲酒判定部は、
    前記着座センサの検出信号を受信した場合に、前記第1測定センサの測定結果を取得し、前記空気中のアルコール濃度が第1基準値以上であるか否かを判定し、
    前記飲酒運転防止装置の作動開始後、所定の時間が経過するまでに前記着座センサの検出信号を受信できない場合には、前記第2測定センサの測定結果を取得し、前記第2測定センサの測定結果に基づいて、前記乗員の飲酒の有無を判定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の飲酒運転防止装置。
  6. 前記乗り物に取り付けられ、乗り物用ドアが開かれていることを検出したときに検出信号を出力するドアセンサを備え、
    前記制御コントローラは、前記ドアセンサの検出信号を受信した場合に、前記第1測定センサの作動を開始するように制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の飲酒運転防止装置。
  7. 前記乗り物のエンジンの始動及び停止を遠隔操作によって行うための遠隔操作装置と、
    前記乗り物に取り付けられ、乗り物用ドアが開かれていることを検出したときに検出信号を出力するドアセンサと、を備え、
    前記制御コントローラは、
    前記遠隔操作装置によって前記エンジンの始動が行われた後、前記ドアセンサの検出信号を受信した場合には、前記エンジンを動作状態から停止状態へ切り替えるように制御し、
    前記飲酒判定部によって前記乗員が飲酒していると判定された場合には、前記エンジンを停止状態のまま継続し、前記飲酒判定部によって前記乗員が飲酒していないと判定された場合には、前記エンジンを停止状態から動作状態へ戻すように制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の飲酒運転防止装置。
  8. 前記飲酒判定部は、所定時間毎に、前記第1測定センサの測定結果を取得し、前記空気中のアルコール濃度が第1基準値以上であるか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の飲酒運転防止装置。
  9. 前記乗り物に取り付けられ、前記乗員の個人認証を行うための個人認証装置を備え、
    前記制御コントローラは、
    前記乗員毎に設定された前記第1基準値を記憶する記憶部と、
    前記記憶部によって記憶された前記第1基準値を更新する基準値更新部と、を有し、
    前記基準値更新部は、
    前記飲酒判定部によって前記空気中のアルコール濃度が前記第1基準値以上であって、前記呼気中のアルコール濃度が前記第2基準値以下であるとN回(Nは2以上の自然数)連続して判定された場合には、
    前記第2基準値を超えない範囲内において前記第1基準値を高くするように更新することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の飲酒運転防止装置。
  10. 前記制御コントローラは、前記乗員毎に設定される前記第1基準値の初期設定値を、前記第1測定センサの検出限界値となるように設定し、
    前記基準値更新部は、前記第2基準値を超えない範囲内において前記第1基準値を高くするように更新することを特徴とする請求項9に記載の飲酒運転防止装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102598705B1 (ko) * 2023-01-26 2023-11-07 (주)센텍코리아 센서융합 기반의 음주측정장치 및 그 음주측정장치를 이용한 음주측정방법

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